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情報システム工学実験II
C- 報告書
実験日: 20 年 月 日
提出日: 20 年 月 日
報告者: 学籍番号 氏名 .
共同実験者: 学籍番号 氏名 .
学籍番号 氏名 .
学籍番号 氏名 .
学籍番号 氏名 .
書式チェック項目
レ
書式チェック項目
レ
文末は「である」調.(「です,ます」は不可)
カタカナ語語尾の長音は省略
句読点は,「,」と「.」
ページ番号の記入(手書きでも可)
主語や接続詞の直後は,読点「,」
誤字,脱字は×
図表には表題(キャプション)(図は下,表は上)
画像の縦横比は変えない(トリミングは可)
引用元の明記(文献名,URL等)
(書式チェックが不十分の場合は,減点します.)
評価項目
達成度の自己評価(どれかにレ印)
評価の観点
0(不可)
6(可)
7(可)
8(良)
9(良)
10(優)
報告書構成
「表題」,「目的・方法」から「考察」まで,節を立てて正しく書いているか? 抜けはないか?
目的・方法
実験の目的や方法を明記しているか?
理論
必要な実験理論が書かれているか?
実験内容
行った実験結果をすべて整理し,書いているか?
考察
各実験結果に対して,および,実験全体に対して考察を述べているか? なお,考察は,感想文ではないことに注意.
時間外学習
報告書作成時間: 分
実験終了印
提出受付印
再提出
総合評価
10
情報システム工学実験II (2年,前・後期) B21-PC室 Ver.2020/10/05 文責:木室
この文書テキストをレポートに再利用する場合は,「文責:(自分の名前)」とすること↑
【目的】 ロジックシミュレータおよびロジックボードを使い,いくつかの論理回路を作成することで,論理演算と組合せ回路,順序回路,そして,DCモータ駆動回路について学ぶ.
C-1. 論理回路シミュレータ・ロジックボードの操作方法と論理素子
目的:論理回路の基本知識を確認するため,基本論理素子を対象として,論理回路の設計法,論理回路シミュレータ,ブレッドボードによるロジック回路設計を理解する.
(1) ICの型番,データシートの確認方法
(2) 実験機材,基礎知識の確認 (基本論理素子,IC,ロジックシミュレータ,ロジックボード)
(3) 論理回路の設計方法 (真理値表,シミュレータによる検証,ボード実装)
(4) 論理設計演習 (与えられた仕様に対し,論理設計を行い,ロジックシミュレータにより確認)
注:(4)は,講義「論理回路」の進捗状況に応じて,課題を難しくするかもしれません.
C-2. 組合せ回路と順序回路
目的:C-1で習得した知識と技術により,与えられた課題に対し,真理値表と組合せ回路による論理回路設計を行ない,実際に論理回路を組み立て,動作検証を行なう.また,記憶素子の一つであるDフリップフロップを理解し,与えられた課題に対し,状態遷移表と順序回路による論理回路設計を行なう.
(1) 組合せ回路 (論理圧縮(カルノー図))
(2) 記憶素子
(3) 順序回路(状態遷移表と特性方程式)
(4) Dフリップフロップとその応用
C-3. 論理回路によるモータ制御
目的:C-1,C-2で習得した知識と技術を応用し,ロジックICとモータ制御IC とを用いた,モータ1個の正転・逆転回路を実現する.
(1) チャタリング除去回路
(2) HブリッジとモータドライバICの理解
(3)モータ制御用回路の設計
(4)モータ制御用回路の実装他
【レポート作成時の注意】
1. レポート提出時は,所定の表紙(押印付き)を付けること.〆切は,原則,実験日から2週間後.
2. レポート作成には,ワープロを用いても良い.必ず,各実験の目的や内容,結果と考察を書くこと.レポート作成時,実験書の文章や課題文はカットアンドペーストしても良いが,個別の実験結果や考察は,必ず自分で考えて書くこと(ワープロ可).再提出の場合は,手書き追記可とする.
3. レポートの回路図は,手書きか各自が入力したロジックシミュレータのスナップショットを貼ること.スナップショットは,Windows PCの場合は,[Alt] + [PrintScreen]で得られる.真理値表やベン図など実験書で空欄になっているところは,ワープロやペイントソフトで書き込みできるようにしてある.実験データや実験画像は,各自,USBメモリ等に保存・管理すること.
【実験機材の操作方法】 (この部分は,実験レポートに記載する必要はありません.)
機材1:【ロジックシミュレータ(論理回路シミュレータ)】
ロジックシミュレータは,JAVAアプリとして準備している.インターネットに接続されたPCでWebページ http://www.fit.ac.jp/~kimuro/EXP-II/ にアクセスし,"論理回路シミュレータ2 ( D-FF有り) ( JAVAプログラム) " と記載されたリンクから,ダウンロードせよ.
http://www.fit.ac.jp/~kimuro/xlc/xLogicCircuits2.jar
以下では,NOTゲートを例に,ロジックシミュレータの使用方法を簡単に説明する.
1.起動:jarファイルをダブルクリックして,起動する.JAVAのバージョンが古いと警告が出ても無視し,JAVAのライブラリは更新しない.
2.回路素子配置:画面左側の部品一覧から,部品を左クリックし、画面内に配置する.部品のリサイズ(大きさの変更)は,頂点をドラッグする.部品の移動は,右クリックしてドラッグする.入出力端子 ( Input, Output) も同様に配置する.入力端子は,画面左側,出力端子は画面右側に配置すると良い ( 図1 ( a), ( b)).
3.配線と削除:配線は,出力側から入力側に向かってマウスで配線する.配線や部品を削除する場合は,該当部分をマウスで選択後,画面下のDeleteボタンを押下する ( 図1 ( c), ( d)).
4.シミュレーションの実行:画面下のPowerのチェックボックスにチェックを入れるとシミュレーションが開始される.入力信号 ( 0/ 1) の切替えは,入力端子をクリックする.黒:0またはLまたは偽.赤:1またはHまたは真.
(a) 論理素子の配置 (b) 入出力端子の配置 (c) 信号線の配線 (d) 部品の削除
図1 ロジックシミュレータの動作画面
通常,回路設計・製作では,ロジックシミュレータで素子や回路の動作を確認した後,ロジックボードで実機のテストを行う.また,ロジックシミュレータには,[ Load], [ Save]ボタンが用意されているので,必要に応じてファイル保存し,実験レポートに利用せよ.
注意:ロジックシミュレータの実験画像をレポートに挿入する場合は,端子番号や配線が分かる程度の高精細の画像とすること.不十分な画像の場合,再提出となる.
機材2:【ロジックボード】 MLCTB-BASE (この部分は,実験レポートに記載する必要はありません)
1.内容物の確認
ロジックボードおよび周辺部品のケースを受け取ったら,先ず,内容物を確認すること.本体の他に単3乾電池2本,黒い導電スポンジ上の実験用IC13個 ( 実験進捗により,ICが追加される場合もある),ジャンプワイヤ(長(150 mm)10本,短(70 mm)14本),抵抗・コンデンサ(袋入り).他に,使用説明書(A4一枚),不具合報告書数枚.この他,実験の進捗に合わせて部品を配布する.
2.ロジックボードの構成
ロジックボードを構成する部品は,下図のようになっている.
0
1
回路
電圧が低い
電圧が高い
SW
OFF(下側)
ON(上側)
LED
消灯
点灯
表記
L ( Low)
H ( High)
図2 ロジックボードの配置 図3 ICの内部 図4 真理値とHWの対応
ブレッドボードの複数の穴は,内部でつながっている.赤 ( Vcc) や青 ( GND) は,横一列に内部でつながっている.Vccは,電池のプラス,GNDは,電池のマイナスと考えてよい.縦方向では,A~E, F~Jの穴同士,それぞれが内部でつながっている.
【論理基本素子( AND)の動作確認】
先ず,ANDゲート ( AND演算を行う回路)の動作確認を通じて,ロジックボードの基本的な使い方を学ぶ.なお,配線時は,必ず,電源スイッチをオフにすること.ショート(短絡)などの事故を防ぐためである.
1.ICの内部配置
ANDゲート IC ( IC上面の型番を確認し,「74XX08」と印字されているIC)を選び,ブレッドボードの左側に配置する(後で,中央にORゲートIC,右側に NOTゲートICを配置する予定である).この3種類のICには,14本のピン(接続端子)があり,それぞれに番号と名前がついている.ICには向きがあり,ICの半円形のくぼみが左側になるように置いた時,左下から,反時計回りに,1から14まで番号がつけられている ( 図2, 5). 図5 AND IC の内部配置
(この部分は,実験レポートに記載する必要はありません)
2.ICの配置と電源配線
ICを動作させるためには,電源を供給する必要がある.AND ICに電源を供給するためには,ICの7番ピン( GND) とボードのGND端子とを黒い短いジャンパ線で接続する.また,ICの14番ピン ( Vcc)とボードのVcc端子とを赤い短いジャンパ線で接続する.このようにICを使うときには,Vccと電源のプラス,GNDと電源のGNDとを,必ず,赤と黒の線で接続する.なお,今回のICは,5 [V] で動作する.
図6 ICの配置と配線
3.論理回路の動作確認
ICとジャンパ線が正しく配置・配線されていることを確認した後,動作を確認する.先ず,電源スイッチをオンにする.その時,ICに指を当てておくと良い.配線ミスをしていたり,ショートさせているときは,ICが発熱するため,その場合は,直ちに電源スイッチをオフにする.
ICに電源が正しく供給されていることが確認できたら,ロジックボード右下のスイッチSW1とSW2をオンオフさせ,ANDゲートの真理値表の通りにLEDが点灯,消灯するか確認する.正しく配線しているにも関わらず,真理値表の通りに動作しない時は,ICが壊れている可能性もあるので,実験補助者に連絡すること.確認が終わったら,電源スイッチは,必ず,オフにしておく.電池の無駄な消耗や不測のショートを防ぐことができる.
注:各自の実験レポートの中では,上記のロジックシミュレータやロジックボードの説明は,必要最小限に省略しても良い.
注:ここまでは,図版にキャプション(図のタイトル,説明文)を付したが,以降は省略している.各自の実験レポートでは必ずキャプションをつけること.なお,図番号は,自動調整が面倒なので省略してもよい.
C-1. 論理回路シミュレータ・ロジックボードの操作方法と論理素子
【汎用ロジックIC等の型番とデータシート】
課題1:この実験テーマでは,実際にICを用いて回路を作成する.各班に与えられた複数個のICすべてについて型番を調べ,何を行うICであるか,ウェブ検索によって各ICのデータシートを調べよ.一般的には,
· 各メーカの固有番号型番:機能を表す番号:パッケージの種類
となっている.右図のように,調べたデータシートの主要部分は,実験レポートに必ず,入れておくこと.
注意:配られたICの黒い導電スポンジの裏の番号「#1~#10」もメモし,実験レポートに記述しておくこと.各班毎にICの種類は異なっている. 図 データシートの例
【基本論理素子】
課題2: ANDゲート,ORゲート,NOTゲート,および,NANDゲートに対応する74シリーズのロジックICの型番を調べ,これを記録すると同時に,ロジックシミュレータおよびロジックボードで,それぞれの動作を確認し,真理値表を完成させよ.ロジックボードの実験状況は,スマホ等のカメラで撮影し,グループ内で共有すると共に,レポートにも示せ.
注:実験レポート作成時,数式の否定のバーは,数式エディタを用いるか,Word のルビ機能 A (------) を使うか,not A といった表記をすること.ベン図は,一度,画像をコピーし,ペイントソフトの塗りつぶし機能 を使うと良い.
ANDゲート(74 ) Z = 真理値表 ベン図
A
B
Z
0
0
0
1
1
0
1
1
ORゲート(74 ) Z =
A
B
Z
0
0
0
1
1
0
1
1
NOTゲート(74 ) Z =
A
Z
0
1
NANDゲート(74 ) Z =
A
B
Z
0
0
0
1
1
0
1
1
注:実験に用いているロジックシミュレータでは,NANDは,ド・モルガン則より,A (-----)+B (-----) の素子(上図の下段)で与えられている.素子選択画面のORゲートの右肩の+をクリックすると,NAND素子が表示される.
課題3「3入力の論理素子」:簡単なロジックシミュレータや実験で用いているロジックボードには,2入力のANDとORしか準備されていないものが多い.3入力のANDとORを実現する回路をシミュレータで設計し,その動作を確認,実験レポートに示せ.ロジックボードでの確認は,不要とする.なお,ロジックシミュレータでは,ゲート素子選択画面の右肩の+をクリックすると,3入力素子も表示される.
→
課題4「排他的論理和(XOR)回路の設計」:排他的論理和と呼ばれる回路は,下の真理値表のように動作する.ベン図を描くと共に,XOR回路をAND, OR, NOTで実現せよ.また,74シリーズのロジックICのXORに対応するICの型番を調べ,レポートに記録すると同時に,ロジックボードで動作を確認せよ.
手順:真理値表を見ると,Zが1になる時のA, Bの真偽(1, 0)の組合せは,2通りある.すなわち,
A=0 かつ B=1を表す論理式 と A=1 かつ B=0 を表す論理式 のどちらか,すなわち,ORであれば良いから, が得られる.これを論理素子で実現すればよい.
XORゲート(74 ) Z = 真理値表 ベン図
A
B
Z
0
0
0
0
1
1
1
0
1
1
1
0
課題5「モータの正転・反転制御信号出力回路」 モータ正転・反転制御回路
真理値表に示された,モータの正転,反転を制御する信号を出力する回路を設計し,論理式を示すと共に,ロジックシミュレータで動作を確認せよ.
X = Y =
入力信号(ボタンON=1)
出力信号
前進ボタンA
後退ボタンB
モータ正転X
モータ反転Y
0
0
0
0
0
1
0
1
1
0
1
0
1
1
0
0
注:実験の進度によっては,C-2の実験項目「課題6」を前倒しで実施する場合がある.
2020年度より,実験レポートの電子データ提出を試行する.従来,手書きも可としていた部分は,手書き後に画像撮影し,レポートに貼るか,記入部分を一旦,Windows 標準付属のペイントソフトにコピーし,記入後,実験レポートに再度,貼り付けるものとする.提出は,myFITのクラスプロファイルからのWeb提出とする.実験レポートに不備がある場合は,個別に再提出を求める.
C-2. 組合せ回路と順序回路
論理回路には,組合せ回路と順序回路とがある.ここでは,実験を通じて,その設計方法を学ぶ.
【論理圧縮(カルノー図)】
論理圧縮とは,回路を論理代数的な計算により簡単にする作業をいう.これにより,ゲート数を減らしたり,配線数を減らしたりすることができる.論理圧縮の方法はいろいろあるが,ここでは,カルノー図による方法を学ぶ.
カルノー図を用いた論理式の簡単化の手順 (この説明個所は,実験レポートに記載する必要はありません)
1.論理式をバラバラにする(加法標準形) 例: Z = ○ ○ ○ + ○ ○ (___) ○ + ○ (___) ○ (___) ○ +…
2.変数の数に合わせて表を作る.注:真理値表とは,変数の変化のしかたが違うことに注意(グレイ符号).
(0 00 11 11 000101101A BCD)【2変数の場合】 【3変数の場合】 【4変数の場合】
(0101AB) (010 00 11 11 0A BC)
3.各項に対応するマスに1を記入する.
4.「1」の入っているマスを,なるべく大きく囲む.囲むところは,2の倍数(1x2, 1x4, 2x2など)
(A C) (↑BとDは,0,1どうでもいい) (AとBは,0,1どうでもいい↓) (0 00 11 11 000101101A BCD) (C D)5.マスに対応する積項の和を作る.
(010 00 11 11 0A BC) 例
(1) (A C) (1) (1)
(1)
(1) (1) (1) (1) (1)
(1) (1) (1)
(A B)
(↑Cは,0,1どうでもいい)
練習:論理圧縮の練習問題を別途,実験のウェブページに準備している.指示に従って,練習せよ.
注:カルノー図による論理圧縮が常に最適な圧縮とは限らない.総ゲート数だけでなく,遅延時間(入力から出力まで通過する最大のゲート数に依存)やIC数,ファンイン/ファンアウト数(ゲートの入出力ポートの数)にも関係する.
課題6:与えられた論理式(1)~(3)をカルノー図を用いて論理圧縮し,圧縮前と圧縮後のゲート数と配線数を調べ,比較・考察せよ.また,論理回路の出力に違いがないことをロジックシミュレータで確認し,示せ.
(練習) Z = A・B + A・B (__) Z=
(11B0 101)
(A)
(ゲート数:配線数:) (ゲート数:配線数:)
(C0 1A B0 00 11 11 0)(1) Z = A・B・C + A・B・C (__) + A (__)・B + A・C Z=
(ゲート数:配線数:) (ゲート数:配線数:)
(C0 1A B0 00 11 11 0)(2) Z = A・B + A (__)・B (__) + A (__)・C (__) + A・C Z=
(ゲート数:配線数:) (ゲート数:配線数:)
(3) Z = A (__)・B + A・B・C + A・B (__)・D Z=
(D 0 1 1 0C 0 0 1 1A B0 00 11 11 0)
(ゲート数:配線数:) (ゲート数:配線数:)
S1
S2
S3
L
0
0
0
0
課題7「応用問題:大広間ランプシステム」
3つの入口が離れた場所にある大広間の中央にシャンデリアがある.各入口のスイッチS1,S2,S3のどれかを上下すると,シャンデリアLの明かりをオンオフできるという設計をしたい.なお,全部のスイッチが下側の時,シャンデリアは消灯しているものとする.(スイッチを上にする,明かりが点く:1)
真理値表を完成させ,論理式を求め,シミュレータで動作を確認せよ.
L =
(S30 1S1 S20 00 11 11 0Lのカルノー図)
A
B
C
V
課題8「応用問題:3人多数決回路」
A, B, Cの3人が,それぞれ,YesかNoを入力するとし,2人以上がYesの時は,ランプVが点き,2人以上がNoの時は,ランプVが点かない回路を設計せよ.ただし,Yes = 1, No =0, ランプが点く=1, ランプが点かない=0とする.論理設計を行い,シミュレータで動作を確認せよ.
(圧縮後の) V =
(C0 1A B0 00 11 11 0Vのカルノー図)
【記憶素子】メモリーの原理
RSフリップフロップと呼ばれる回路がある.Rはリセット,Sはセットを意味する.
課題9:「RSフリップフロップの動作と意味」
以下の回路図のかっこ内に0/1を記入し,信号の流れを追うことで,出力信号がどのように変化するのか考えてみよ.なお,出力Z={0,1}が記述されているが,これは,初期値である.
(a) S=0, R=0の場合 (b) S=1, R=0の場合 (c) S=0, R=1の場合
(001) (010) (11000)
(101) (110) (11100)
状態遷移表
S
R
Z
0
0
0
1
1
0
1
1
入力禁止
(課題9の続き)
論理回路に記憶素子が含まれる場合,過去から現在までの状態によって回路の次の状態が定まる.そのため,このような回路の特性を表す真理値表は,状態遷移表と呼ばれ,論理式も特性方程式と呼ばれる.上で調べたRSフリップフロップの状態変化を状態遷移表に記入せよ.
課題10:ロジックシミュレータのNAND および NOT を用いて,RSフリップフロップを実現し,その動作を確認せよ.また,ロジックボードのNAND ( 7400) とNOT (7404) で,その動作を確認せよ.実体配線図には,できるだけピン番号も入れたものを描き,レポートに記述すること.
課題11:課題9は,非同期式RSフリップフロップと呼ばれる.一方,現在のディジタル回路の多くは,同期式である.同期式RSフリップフロップについて調べ,図を用いつつ,その動作を説明せよ.もちろん,ロジックシミュレータで確認しても良い.
注:ウェブで調べた場合は,そのURLを,図書で調べた場合は,その書名をレポートに引用しておくこと.
【Dフリップフロップ(D-FF)】
RSフリップフロップは,0/1がセット可能な1 bitのメモリであったが,入力された信号(データ)の0/1をあるタイミング(通常は,クロック信号 CLK)でそのまま記憶するフリップフロップが,Dフリップフロップ(D-FF)である.ロジックシミュレータおよびロジックボードを用いて,D-FFの振る舞いを確認する.
課題12:ロジックシミュレータによるD-FFの動作確認
以下のようにD-FFを配置し,入力Dの状態( 0/1)とクロックCLKの0/1で,出力Qがどのように変化するか確認し,説明せよ.
課題13:ロジックボードによるD-FFの動作確認
ロジックボードと74LS175を用い,D-FFの動作を確認せよ.4つのD-FFのCLKやCLR信号は共通になっており,また,回路図も上下が反転しているので,どのD-FFを選んで実験するのか,よく考えること.実体配線図は,下図に書き込んでも良い.
注:D-FFの入った74シリーズICには,7474の他に,74174,74175などいくつかある.ここでは,配線の手間を減らすために,クロックやクリア端子が共通で4個のD-FFが入った74LS175を用いる.
注:74シリーズICには,74 HC 04 や 74 LS 04のような動作速度や消費電力の違い,製造プロセスの違いで異なった種類がある.この実験では,LS という種類のTTL ICを用いているが,他の型のICでは,同じ実験でも誤動作したり,ICを破壊したりすることもあるので,注意すること.
【Dフリップフロップの応用】
Dフリップフロップは,クロック信号に合わせてデータを記憶(保持やラッチともいう)する論理素子である.Dフリップフロップを複数用いた応用例を考える.
課題14:以下の回路(4bitシフタ)で,X in に 0または1を入力し,CLK信号をオンオフするとどうなるか.ロジックシミュレータに入力し,その動作を確認せよ.なお,CLK信号は,シミュレータのinput信号ではなく,NOTを使った発振回路で作成しても良い.
4bitシフタ回路 発振回路を追加したD-FF
課題15:ロジックボードには,D-FFが4個入った 74LS175が準備されている.上の回路を製作し,その動作を確認せよ.回路製作時は,下図に実体配線図を書き込め.製作した回路を動作させると,しばしば,ロジックシミュレータと振る舞いが異なってくる.その状況を記録し,その理由を考え,記述せよ.なお,この回路は,次週の課題18でも用いるので,実体配線図を詳細に記録しておくこと.
4bitシフタ回路の実体配線図
課題16:D-FFを実現する方法としては,(a) NANDゲートを用いるもの,(b) JK-FFを用いるものなど複数ある.学籍番号が奇数の学生は (a)を,学籍番号が偶数の学生は (b) を調べ,図を用いつつ,説明せよ.もちろん,両方調べてレポートしても構わないし,実際にロジックシミュレータで確認しても良い.
C-3. 論理回路によるモータ制御
家電製品や簡単なメカトロニクス機器では,DCモータがよく用いられる.ここでは,論理回路およびモータドライバICを用いたDCモータの制御について,実験を行う.これに先立ち,先ず,スイッチのチャタリング防止回路について学ぶ.
【チャタリング防止回路】
テーマC-2で製作した 4ビットシフタ回路では,スイッチの操作時に設計通りに動作しない場合がある.右図に示すように,機械的なスイッチは,スイッチのON/OFF直後にスイッチ接点でバウンドし,短い周期(0.1 m sec ~ 10 m sec)でON/OFFを繰り返してしまう.これがチャタリングと呼ばれる現象である.短い時間で 0, 1が入力されることになり,回路が先に進みすぎたり,誤動作してしまうことになる.
チャタリングを防止する方法は,ハードウェアのアナログ回路(コンデンサCと抵抗R)やデジタル回路(RSフリップフロップ)を使う方法,ソフトウェアで防止する方法などがある.ここでは,CR回路とシュミットトリガNOTによるチャタリング防止回路について,実験を行う.
CR回路とシュミットトリガNOTを使ったチャタリング防止回路を以下に示す.チャタリング状態の信号をCR回路(積分回路)でなだらかにし,シュミットトリガのしきい値で0/1にする.今回の実験では,シュミットトリガNOT ( 7414)が用意されている.なお,NOTを使うため,クロック CLKの立ち上がりと立ち下りが逆転するので少し注意する必要がある.
注:「立ち下がり」は,日本語としては変であるが,慣用的に用いられる用語である.
CR回路とシュミットトリガNOTによる動作原理 実体配線図
課題17:CR回路とシュミットトリガNOTを使ったチャタリング防止回路の実験では,カーボン抵抗と電解コンデンサを用いる.カーボン抵抗のカラーコードの読み方は,電子回路工作の基本なので,この読み方を調べ,備考欄に暗記の仕方をメモせよ.また,いくつかの抵抗値の場合のカラーコードを示せ.
色
黒
茶
赤
橙
黄
緑
青
紫
灰
白
金
銀
無
数値
0
1
2
3
4
5
6
7
8
9
±5%
±10%
±20%
備考
黒い○○
所望抵抗値 カラーコード
(1) 1 kΩ = 1000 Ω = 10 x 102 = .
(2) 1.5 kΩ= Ω = x 10 = .
(3) 470Ω = = .
課題18: 4 bit シフタ(前の課題15)のCLKに,CR回路とシュミットトリガNOTによるチャタリング防止回路を追加し,回路の動作から,チャタリングが防止されていることを確認せよ(右図の点線の代わりに実線で配線する).
なお,NOT素子を使用するため,CLKの0/1が逆転してしまう.入力のSW5の端子は,SW4を反転したものなので,図のように,SW4(点線)の代わりにSW5の端子を使っている.
また,このチャタリング防止回路は,課題24でも使用するので,
・IC 74175は,ブレッドボードのほぼ中央に配置(課題24のIC配置例を参照)
・実験が終わっても,チャタリング防止回路周辺はバラさない
とした方が良い.
課題19:RSフリップフロップを使ったチャタリング防止回路について,調べよ.なぜ,RSフリップフロップでは,チャタリングが除去できるのか,RSフリップフロップの動作から考察せよ.
【論理回路によるモータ制御】
モータの回転および停止は,入力電源のON/OFFで制御できる.しかし,回転方向を変えるためには,モータの極性(プラスとマイナス)を反転させる必要がある.ここでは,ブリッジ回路をワンチップ化したモータドライバICを用いることにする.下図は,実験に用いるモータドライバIC TA7267BPの仕様である.
【DCモータの回転制御(モータドライバIC TA7267BP)】(Webでデータシートを確認し,レポートに記載)
TA7267BPピン配置 動作モード
課題20:ピン配置表を参考にし,上図に実体配線を記入してみよ.
課題21:動作モードの表から,Hブリッジの状態(スイッチと電流の流れ)を図示せよ.ブレーキ状態はどうなっているか? (ペイントソフトで上書きすると良い.)
正転 反転 ブレーキ ストップ
課題22:IN1,IN2の信号をロジックボードのスイッチ SW1,SW2から供給し,仕様通りにモータドライバICで回転制御できることを確認せよ.ロジックボード上でのTA7267BPの配置は,課題24を参考(右図).
【順序回路を用いたDCモータの回転制御】
モータドライバICは,一般に,正転,反転,ブレーキ,ストップの4つのモード(状態)を持つ.入力信号(クロック)が入るたびに,「ストップ」→「正転」→「ブレーキ」→「反転」→「ストップ」と状態を繰り返すテスト回路を製作したい.状態遷移表およびカルノー図により,論理設計を行い,実際にDCモータの動作で確認せよ.なお,チャタリング防止回路も必要である.
状態遷移表 動作モード
(Q20 101D2のカルノー図Q1) (Q20 101D1のカルノー図Q1)
D1 = D2 =
課題23:ロジックシミュレータにより,上の回路を作成し,その動作を確認せよ.状態遷移表の通りに動作しているか?
(Q2) (Q1)
(CLK)
(RESETCLK)
課題24:実体配線図を描いた後,ロジックボードで回路を実現せよ.実験テーマ C-2と同様,チャタリング防止回路は,CR回路とシュミットトリガNOTで実現せよ.
IC配置例
配線状態(D-FF出力は,LEDに接続) 小型DCモータの接続
課題25:DCモータの速度制御では,PWM制御が用いられる.その(a) 原理と (b) 利点・欠点について調べ,図を用いつつ説明せよ.必ず,出典(書名やURL)も明記すること.
++--
電源SW
ON
電池BOX
7408
LED表示
SW1SW2SW3SW4
SW入力
H
L
4bit D/ALED1LED2LED3LED4
4511
7セグLED表示
VccVccGNDGND型番
VccGND 12345671413121110 98
赤配線黒配線
NOT 7404AND 7408OR 7432
++--
電源SW
ON
電池BOX
7408
LED表示
SW1SW2SW3SW4
SW入力
H
L
4bit D/ALED1LED2LED3LED4
4511
7セグLED表示
VccVccGNDGND
123
赤配線黒配線
VccGND
AB
ABZ
ABZ
A
AZ
ABZ
ABZ
ABZC
ABZC
ABZ
ABXY
ABZ
ABZC
シャンデリアL
S2S3 S1
大広間
スイッチ
ABCV
SRZ
S= R=Z= ⇒( )( )( )( )( )( )( )( )
LED1S (SW1)R (SW2)
CLKDQCLR
Vcc(+)GND(-)SW1から(データ)LED1へSW4 から(クロック)Vcc(+)1 168 9
CLRCLKDQQDQDQDQQQQ
4 D-FF74LS175
CLKDQQCLRCLKDQQCLRCLKDQQCLRCLKDQQCLR
CLRCLKX inLED1LED2LED3LED4
CLKDQQCLRCLKDQQCLR
…
CLKDQQCLR
Vcc(+)GND(-)SW1(Xin)LED1LED2LED3LED4SW4 (CLK)Vcc(+)
74LS175
2457 15131210
CLRCLKDQQDQDQDQQQQ
GND 0[V] = LVcc5[V] = H
()
()
Vcc5[V] = HGND 0[V] = L
充電放電
RC
しきい値
チャタリング
状態RC積分回路シュミットトリガNOT出力
12
100μF
SW5から(CLK)
+
GND(-)
-
注意!!+/-を間違うと爆
発します
チャタリング
防止済みSW
1 k Ω
シュミットトリガNOT 7414
+-+-
7414
電源SW電池BOX
7408
LED表示SW1SW2SW3SW4SW入力H
L
4bit D/ALED1LED2LED3LED4
4511
7セグLED表示
74175
VccVccGNDGND
100μF
IN1 1IN2 23 OUT15 OUT2 Vcc
7
Vs
6
4
GND
制御回路
熱遮断回路過電流保護回路
1234567
端子番号端子記号端子説明1IN1入力端子2IN2入力端子3OUT1出力端子4GNDGND5OUT2出力端子6Vs電源端子(モータ駆動用)7Vcc電源端子(IC用)
IN1IN2OUT1OUT2モード11LLブレーキ01LH正転10HL逆転00HZ
(ハイインピーダンス)
HZ
(ハイインピーダンス)
ストップ
Vcc(+)モータ,IC共用GND(-)モータ,IC共用
M
IN1IN2OUT1OUT2
M
+
M
+
M
+
M
+
OUT1OUT2OUT1OUT2OUT1OUT2OUT1OUT2HLHLHLHL
現状態次状態説明
Q1Q2D1D2
説明ストップ00→01正転正転01→11ブレーキ逆転10→00ストップブレーキ11→10逆転
IN1IN2モード11ブレーキ01正転10逆転00ストップ
CLKDQCLR
チャタリング除去済みSW
(クロック)Vcc(+)Vcc(+)Q1LED1
(確認用)
Q2LED2
(確認用)
74175
18 9
CLRCLKDQQDQDQDQQQQ
GND
TA7267BP
1234567Vcc(+)GND(-)
M
IN1(Q1から)IN2(Q2から)OUT1OUT2
+-+-
7414
電源SW電池BOX
7408
LED表示SW1SW2SW3SW4SW入力H
L
4bit D/ALED1LED2LED3LED4
4511
7セグLED表示
74175
VccVccGNDGND
TA7267
100μF