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Kobe University Repository : Kernel
タイトルTit le
地下水位算定モデルに用いるH/D-Sr関係に初期条件および境界条件が及ぼす影響(The effect of init ial condit ion and boundary condit ion onH/D-Sr relat ion in the used calculat ion model of ground water level)
著者Author(s) 沖村, 孝 / 鳥居, 宣之 / 大西, 剛史
掲載誌・巻号・ページCitat ion 神戸大学都市安全研究センター研究報告,12:119-129
刊行日Issue date 2008-03
資源タイプResource Type Departmental Bullet in Paper / 紀要論文
版区分Resource Version publisher
権利Rights
DOI
JaLCDOI 10.24546/81001125
URL http://www.lib.kobe-u.ac.jp/handle_kernel/81001125
PDF issue: 2020-07-08
神戸大学都市安全研究センター研究報告,第12号,平成20年 3 月
― 119 ―
― 120 ―
れた物性値を用いて飽和一不飽和浸透流解析を行うことによって求めることを考えた そこで,飽和-不飽和浸透流
解析を用いてFI/DIS,即】係を決定する際に,むJ期条件や境界条件が及ぼす影響について検討した
2 既往の研究および本研究の日的
21 窪円らの研究
窪田 ら 51は.山腹斜面表1二層内の土壌水の挙動を把
握するため,斜面流出モデルをiit=L蒸した その際,用い
られた FI/D-S,院順 (園It)は,比例関係と仮定し(式
(l)),地下水位が発生し始める地下水位発生飽和度 5
Eは.他流城で得られた物性値やパラメータを参考 に.トライアルによって決定された
S,≦Slにおいて , Fl=0 (1a)
5,,sEにおいて, 〟=D旦二旦 (Lb)1-Sr
22 寺本らの研究
寺本ら61は.励旗地脈郡部から採取した直径 20cm,
拓き 100cm の不撹乱大型試料を用いて地下水位上月
実験を行った 実験ケースは.降雨強度 200,510.
LO30,】975,3055mm/hrの 5ケースである 図一2は土
層全体の平均飽和度と地下水位の関係を示している
この図より,各実験ケ-スを通じて地 ド水位の発生限界
飽和度は 07B~079の範囲内にあることがわかる これ
より,採取された土壌に対しては,土層全体の平均飽和
度が少なくとも078を」こ回らない限り地 F水位の発生は見られず,それまでに供給された雨水は,土層の水分不
足を補うものと判断している また,降雨強度の抑過によ
らず,FI/D-~,r消係は,l二に凸の曲線関係を示している
この理由として,上層部の有効間隙率が下層部に比べ
大きいことが考えられるとしている そして,実験結果を
曲線回帰して:拒めた近似式を,I//D-S′関係としてい
ら
ここで,各降雨強度における地下水位宛生までの総
雨最を計算すると 367-4lLmm となり,巌火蓋が約
45mm でほぼ同一であったことから,この実験船児は,
0 sc 10
図-1飽和度 S,と地下水位 Flの朗係
L7 17 18 D8 09L, LqiJ仝ftの平均JL和d:(Sr)
Cl父LeASE2CASE3CASE・LC瓜巧
■事aJl(■/k) 2.01 lゝOl13419753455
図-2 地下水深と土層全体の飽和度との関係 2)
地下水位発生までの細雨昆一定で降雨強度が県なる勘合の FI/DIS,F蛸係であると見ることができる
23 小杉らの研究
小杉ら7)は,上にハの曲線となるようなrl/D-S,r娼係を表すr凋係式を用意し,地下水位の発生頻度や波形の観測値
をもっとも良く再現するような関数の/,'ラメータを対象流域内の土壌タイプに応じて,獣行緒供によって決定した その
結狐 実測ピーク地下水位が低い場合のピーク地下水位の予測には供差が人きいが 実測ピーク地下水位が高い勘
合にはますますの一致が得られたとしている また,比例院日系となるFI/D-S,関係と上に凸の曲線となるFI/DIE,関係
を比べた場合,比例関係場合 ピーク地下水位を過小評価したり.ピーク地下水位の発生時刻が若干遅れ気味にな
るとしている そのため,上に凸の曲線となる/I/D-S,関係をもちいた方が良い結果が絹られたとしている
24 布川らの研究
布川らS )は.現地計測により土層の平均飽和度と地下水位の関係を求めた 図-3のように地下水位は3地点(B-L,
L3・2.a-3),飽和度は1地点において計測した 飽和度は Gl/03m(SR-I).GL-06m(SR・2).GL・09m(SR・3)の深さ
― 121 ―
に土壌水分計を投t鼓して計illル た 国14は t3-l測点の
地下水位が上昇し始める時刻における各深度における
飽和度と T3-1測貴の地下水位が上昇し始めるまでに観
測された雨足の総和との関係をまとめたものである この
図より.地下水位が上昇し始める際の各深度の飽和度
紘,総雨見によらずほぼ一定となっていることが分かる
図-5は土層の平均飽和度と地下水位の関係でまとめた
グラフである 地下水位の上昇過程と下降過程でばらつ
きが若干あるものの,平均飽和度と地下水位の関係は.
様々な降雨条件でも同じような傾向が示すことがわかる
布川ら○)はこれを定式化し,地下水位の策定に用いてい
l一・・ ・'∴二二_T・l図-3 地形図及び計測器位置図 B)
け」加点の上井EI始時91までの雨Aの冶和(nlTt) 平均点和正 (l)
図一4 S,-R.関係 (B-1地点)8) 図-5 平均飽和度と地下水位の関係 8)
25 本研究の目的
既往の研究で挙げたように,ll/a-S,関係は,大型不撹乱試料を用いた室内実験によって決定するか 観測結果を
阿現する関数のパラメータの決定,あるいは観測結果の定式化によって決定している これらの方法では,不撹乱釈料
採取が困難であったり,長期の観測が必要であるため,JJ/D-S,関係の決定には労力を要する 本研究では より簡易
にFI/D-S,[第日系を決定する方法として,対射 Liよりサンプリングされた飲料から,水分特性などの物性値を墓内訳験によ
って求め それを用いて飽和一不飽和浸透流解析によって決定することを考えた そこで,飽和一不飽和浸透流解析を
用いてFI/DIS,F凋係を決定する際,糾明条件および境界射 牛がFI/D-S,関係の決定にどのような影響を及ぼすのかに
ついての検討を行った
3 水分特性および解析条件の改定
水分特性に関する値は,前田 ■0)が神戸市須磨区高倉山を対象とした解析で用いた依(釈料 ^.B)と平松ら11)が用
いた値(飲料 C)を用いた(表-1) パラメータ叫 m,VZlnCenuchten式(式 (2))に用いるパラメータである
S,-i''(-a折 〝×100 ただし,"=]/(トm) (2)
ここで. S, 飽和度 (%)
yJ 圧力水頭 (cm)
― 122 ―
比水分舎兄 Cは vanGenuchlCn式から導かれる式(3),不飽和透水係数 l'はVanGenLJCh(enから導かれる式t4)で
求めた値を用いた 12)釈料 ∧BCの水分特性曲線 比水分谷丘と体積含水率の関 隣,不飽和透水係数と圧力水頭
のr姻係を囲一6,7 8に示す なお,パラメータEは,05とした】1-図-6 7 8より,試料 .Bにおける水分特性
にjJきな違いはない 飲料 Cは,圧力水頭が LO-LOOcmの間に体積含水率が大きく変Lt:し,比水分容且は小さ
く 透水係数は.圧力水頭が 10tm程で飽和透水係数とほぼ等 しい値を持つことがわかる
A,- J-S/.i'-(L-5:J・Tfここで, C 比水分容丘 (cm l)
β、 飽和体積含水率
0「 残副 本横含水率
', 飽和透水係数 (cm/SeC)
E パラメ-タ
表一1 水分特性に関するパラメータ
ttr 書式料 A 書式料 LJ 試料 C
a 0.8330 L4290 0.0356
m 0.30l 0.248 07920
0.065 0ー070 0.040
飽和休耕含水率 C. I).405 0ー380 Oj90
間隙率JL 0.34 0.31 0.35
).58xLO一三 1.44×10-2 l.50×10-】
aS
.JoIo
a
(uJu二三Ffq'也
01 02 03 04体1よ含7k串0
画一6水分特性曲線
07
伽
oSM
o3
0
(tLS】UT肋
虫半TT
01 02 03 0一書 05仕切含水中e
図-7 比水 分容t
106 104 102 100圧力水頭 Id/I(cn)
周一8 不飽和透水係数
点墳東相
音感に0
2
― 123 ―
解析には,汎用プログラムである∧C-UNS Fり)を用いた 平松らII)が行ったように.七枝を用いた実験は l次元浸
透流解析によって再現されると考えられるが.∧C-UlqsAFl])は2次元の解析プログラムであるため,1次元浸透流解析
の代わりとするために 幅 rcmの土柱モデルを作成し,解析を行うこととした また.一つの要余の高さは Icm,解析の
時間刻みは 1秒とした
初期条件は,平松ら H),小杉/ら ll)と同様に.土層下胤 こ左右・.地下水面が存在するとして,土層下鰍 こおける圧力
度を予め設定する場合は,その飽和度に相当する圧力水頭をすべての要熱 こ対し一緒に与えた なお,境界条件と
して,土層下%Iでは,非排水条件とL 入力降雨は,地下水位が土層上端に適するまで,一定降雨最で与えた
yh--zh (5)
ここで, vn 土層下端から,7番目の要衆の圧力水頭 (m )
Z,, 土層下端からn昔日の要糸の七柱下端からの高さ(cm)
4 解析紹果
41 初期飽和度が異なる場合
寺本ら6)の地下水位上昇実験では,各降雨ケー
スで初期飽和度が同一であることから,初期飽和度
の遅いが/I/D-5,関係の決定に影響を及ぼすかが
イ-明である そこで,初期飽和度の遵いが /I/D-S,
関係に与える影響について調べた
解析は.初期飽和度が 20%,40%.60%の3ケ
ースについて行った このとき.3ケースとも降雨薄
皮は 144mmJhr(40×LoヰC.T./scc).土層の高さ
LOOemとした 水//)特性に関する値は訳料 A の値
を用いた その結果を図一9示す これより,飽和度
と地下水位の関係は比例開陳となり,初期飽和度 00
によらず一致していることがわかる 地下水位発生
直後の地下水L止と平均飽和度を用いて式 (6)より
限界飽和度を求めた結果,どの初期飽和度におい
ても限界飽和度はほぼ 82%となった(表-2参脳)
響しないことが分かった
S,r-# 0- 0
土hの平均垣和LlS,化)
図-9 初期飽和度が異なる場合の N/p-S,関係
以上のことから,ll/I)-S,関係を決定する際には初期飽和度は彫
(6)
ここで, Sが 限界飽和度 (%)
S, 七層全体の飽和度 (%)
地下水位 tcm)
七層l耳 (cm)
秦-2 計某に用いた地下水位 〝 飽和度S,.および限界飽和度S"初期飽和度 20% 初期飽和度 40% 初期飽和度 60%
42 土Iqの厚さが異なる場合
既往の研究 5トルでは,飽和度と地下水liLLの関係において,土層の厚さの追いを考膿できるように.地下水位を土
層の厚さで除して.ある飽和度における地下水位の上外割合は同じと仮定していた これが適当な仮定であるかにつ
― 124 ―
いて謝べた 解析は,土層の厚さを 100cnl,150cm,
200cm に変えて行った 降雨強度は 144mrTIJhT(40
xro4cm/see)とした 水分特性に関する値は釈料 ∧
の伯を用いた なお,土層の埋さが 100cm,)50cm,
20t)tm の時 .初 期 飽和 度 はそれぞれ 2438%,
2130%,1891%となるが,前項に示したように初期飽
和度による影響はないので,関越ないと考える
解析結果を,図110に示す これよりFI/DlS,関係 常
紘,七層の即 によらずほぼ一致しており,読 (6)より 妄TRめた限界飽和度の値は約 820/.であった 以上のこ
とから,前蹄と同様に/I/D-5,関係を決定する際に土
層の厚さは影響しないことが分かる
43 降雨強度が異なる場合
寺本ら61の実験結果では,/I/D-S,関係は降雨強
度が変わっても.同一であるとしている これについて
も確認を行った 降雨強度は.72n川-/hr(20×Loヰ
cm/scc).144mm/hr(40×10-Jcln/scc)216111111/Tlr
(30× 10TJcM/Scc)の 3ケースについて行った 水分特
性に関する値は訳料 A の値を用いた 土層の厚さは
100cmとした 解析結果を図-11に示す
図-11より,各降雨強度の lJ/D-S,関係は比例F判
操であるが.限外飽和度は,降雨強度が布くなるにつ
れて 74%,fi2%,R6%と大きくなっていることがわかる
これは.寺本ら 6)那,降雨強度に依存せず限非飽和
度はほぼ同一としていることと共なる結果となった こ
こで,/ji降雨強度の地下水位発生までの総而立につ
いて計算した 降雨強度が 72mm/hr.L44mm/hr.
0吐世T
JFJg半i君
0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 1DO
平均飽和度 S,(ち)
良一10 土LT FFが異なる場合 のH/i)-S,関係
0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100平均飽和度 S,(%)
図-11 降雨強度が異なる場合の hryp-S,関係
216mlrl/hrの時.降雨人力r淵始からそれぞれ 33J4時間後,20-2)時rill後,155→】6時間後に地下水位が発生して
いることから,総雨量はおよそ240mm,300mm,340mmであった これについても,寺本ら6)の実験で降雨強度が共な
っても,地下水位発生までの総而立はほぼ同一であったことと典なっている
このように降雨強度によって F//a-S,関係が変化する理由を,飽和度分布の経時変lt.を見ることによって検討する
(図112参照) 上層上端の飽和度は 降Frj開始後数時間である飽和度で一定になり,湿潤前線より上部では,その
飽和度を保ちながら湿潤前線が降下していく様子がわかる そして,湿潤前線が,一定となった飽和度とそれと等しい
初期飽和度が存在する位置付近まで降下すると,地下水位が我生し#r.める 湿潤前線より上部において,飽和度が
一定となるのは,降雨による流人と,湿潤前線の降下による水収支が釣り合っているためと考えられる 降雨強度によ
って釣り合いが取れる飽和度が兄なるため 限界飽和度も変化すると考えらfl,る また,秦-3(a). (b)に示すように初
期飽和度や土層犀によらず降雨強度によって限界飽和度が変化していることが確認される
また,解析結果と寺本ら6)の実数縫取が兄なった要因として.浸透流解析では,均一な l層からなる土層に対して
計算しているため.一様な降雨浸透をするが,寺本ら6)の大型不撹乱訳料に対する実験では,一様な降雨浸透をして
いなかったことが考えられる つまり.浸透流解析では 間膜径分析)や粗火孔縦を考慮していなかったために,それに
影響される浸透流および地下水位の上昇を再現できなかったと考えられる
― 125 ―
飽和度S,(㌔)
二二
二二
二.
…
団
(b)降雨強度 144m/hr
ll.l.l.l.II.l.I
町
崩
闇
こ
こ
l二
lこ
こ
三
吉
(a)降雨強度 72rllrTl/hr
(G) 降雨強度 216rTlnl/hr
図-12 飽和度分布の経時変化
表13 降雨強度の違いによる限界飽和度
(a) 初期飽和度を変化させた場合
初期飽和度 7.2「¶/h「 14.4m/hr 21.6∩1l¶′h「
20% 74.61ヽ 82.T3% 86.78%
40% 74.43% 82.11% 86.71%
60% 74,67% 82.03% 86.74%
(b) 土FIJTを変化させた土鼓合
土iF厚 7.2m/hr 14.4「nm/hr 21.6mm/hr
LOm 74.5t% 82.03% 86.78%
1.5rn 74.56,i 82.03% 86.60㌔
― 126 ―
44 2億からなる土fiの場合
これまで,土層を l層の均質な土からなるとして,
深さ 10m における水分特性を表す/ミラメータを用
いていた そのため,比例rrl係となる 11/D-S,関係
が得られたものと考えられる そこで土層を水分特
性曲線の兄なる 2層からなるとして解qrを行った
水分特性に関する低 は,汚さom~05mには飲料 B
の依, 05rTl~LOm には桝料 ∧の値を用いた この
場合.土居上部の間隙率は七層下部に比べ小さ
い(CASL三1)解析結果を図-13に示す
これより.浸透特性が変化する05mより上部では.
間隙率が′トさくなるため.地下水位の上界割合が 0 2040 6D
大きくなっていることがわかる 寺本ら6)の地下水位 平均飽和JIS,(~)
上界実験では.土層上端に地下水位が近づくにつ
礼,地下水位の上層割合が低下しており.これは図-13 2層からなる土層とした場合のH/D-S,関係
土層上端に近づくにつれ糊隙率が大きくなるためと考えられるとしている これを確かめるため.土層上下の水分特性
に関するパラメータを入れ啓ん 土層上部の/j効間隙率が大きい土層(CASE2)を設定して解析を行った 図-13より.
41効間隙率の大きい土層上部において地下水位の上昇割合が低下していることが分かる よって,上に凸の曲線とな
る飽和度と地下水位の関係は.土層上端部に近づくにつれ間隙率が大きくなるためであることが解析的にも確認され
た
飽和度分布の経時変化を図-14に示す これより,深さ05mにおいて.飽和度がイ-連続になっていることがわかる
これは,異なる水分特性を持つ土がqF】確な境界でもって按する状態を設定したためである 土楢が明らかな層構造を
している勘合は.このような不連続な変化があることも考えられるが,実際には,連続的に飽和度が変化するものと考え
られる 連続的な飽和度変化や間隙率の変化を炎現するために,層分割を増やすことが考えられるが,それに応じて
保水性実験を多(行わなければならないことや.それを行っても層境外での連続性に阻する問崎は残ったままになると
考えられる そこで,別の手段によって土層構造の変化によるFI/D-5,関係を表現する方法を考える必要がある
-:-:--I-:--, ::_7I
同
州闇
闇仙仙出
Bz軸圧 S,(~)
臥
iⅧ仰和
独
仙
川
汎
神
紺地
紬仙仙
川
一
lll千
I
十
l
・
l
ll
l-l
l
団∪_o
m
叩
40
50
80
叩印
的
帥
(∈DV
仙熊
(a)上部の有効間隙率が小さい場合 (b)上部の有効rIil降車が大きい場合
図-14 飽和度分布の撞時変化
45 他の水分特性を用いた場合
ここでは平松ら叫が用いた水分特性に関するパラメータを用いる 土層は一層からなるとし,降雨強度は L44mm/hr
とした 水分特性に関する値は青モ料 Cの値を用いた その結果を,図-15に示す
これより.地下水位が発生してから土層の平均飽和度が約95%になるまではほぼ直線的に地 F水位が上月するが,
El後にJt_a激な地 ド水位の L二男を示している 地 F水位がある程度 L二月したあと,急澱な l二男を示す理由として,水分
― 127 ―
特性によるものが考えられる また.平松ら ■1)の地下水
位上昇実験においても.同様の現象が見られるが.その
功]Etlを,地下水位の上昇により不飽和簡城が減少し,
降雨の農;管をLB_接受けるようになるためとしている この
ような現象を数fLE解析で再現していることも考えられる
これまでのように,rl/D-S,FXl係を比例関係と見なせる
場合ばかりでなく,水分特性によって図-15のようなケー
スがあるため,均質な 1眉からなる土層であっても.FI/D
-S,関係を-軌 こ比例関係にすることはできないと考え
= ‥ .∴10 ~0 30 10 50 朝) 70 Gd 的 1cc
土書の平均飽和度S,(㌔)
図-15 平松らの水分特性に関するパラメータ川 を
用いた場合のR/C-S,関係
5 条吉栖
本研究では.ll/D-S,関係を飽和・不飽和浸透流解析を用いて決定する場合.初期条件および境界条件が及ぼす
影響について検言寸した その結果,終られた結論は以下に示す
(1)飽和-不飽和泣連流解析を用いて/I/D-S,′関係を決定する際に 初期飽和度,土層の厚さは影響しない
(2)II/D-5,関係は.降雨強度によって変化する これは,一定降耐 こおける降雨浸透過俺を計算したため.降雨に
よる流人と湿潤前線の降下による水収支のつり合いがとれ,その飽和度が限界飽和度の決定に大きく影響した
からである
(3)水分特性が均一である1倍からなる土胤 こおいて,Jl/D-~′関係は,比例関係を示す ただし,水分特性や不飽
和傾城の減少による降雨の影響が大き(なることなどの要因から.地 1ご水位がある程度」一月してから.急激な地
下水位の上月を示す勘合もある このことから,均一な l属からなる土層に対して.一概に Jl/D-5,関係を比例
際】係と設定することはできないと考える
(4)2層からなる土層での解析から,間隙率の変化および水分特性の違いが,lJ/D-5,関係の形状に影響すること
が確かめられた
(5)土層を異なる浸透特性からなる層構造とすると,眉境界において飽和度の連続性に間増がある
今回の検討では,降雨強度一在の入ノ)条件において,降雨強度によって隈卵飽和度が変化するという結論が
紺られた しかし,実際の降雨では降雨強度が一定であることはないので いくつか実際の降雨を入ノ)した際,限
界飽和度がある鮭に近づくのかどうかについて検討を行いたい
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学部越取学科.学生
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TheeffectofinitiaLconditionandboundaryconditiononH/DIS,
reLationinthecalculationmode)ofgroundwaterLeve)
TakashlOklmUra
NobuyuklTorl]
TakeshlOonlShL
Abstract
S.川0、、・lulldslldesoccur什eqlJCnCyallhLLtlmL,OraTleLIY)∫rtHnrauln).1PanIllever)∫)′C.lrBccause nsHlg
csいmtnLLgrOLJTld、V.llCrle、′cIMan)Imode一sflOT
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