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CONFIDENTIAL KW-6002 2 部(モジュール 2: CTD の概要(サマリー) 2.7 臨床概要 2.7.1 生物薬剤学試験及び関連する分析法 協和発酵キリン株式会社

KW-6002...KW-6002 の薬物動態に及ぼす食事の影響を、第I 相試験(6002-9601)及び薬物動態試験 (6002-011)で検討した(表2.7.1.1.2-1)。なお、6002-9601

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    KW-6002

    第 2 部(モジュール 2): CTD の概要(サマリー)

    2.7 臨床概要

    2.7.1 生物薬剤学試験及び関連する分析法

    協和発酵キリン株式会社

  • KW-6002 2.7.1 生物薬剤学試験及び関連する分析法

    CONFIDENTIAL - 2 -

    略号及び用語の定義一覧

    略号 略号 略していない用語

    HPLC High-performance liquid chromatography(高速液体クロマトグラフィー)

    LC/MS/MS Liquid chromatography/mass spectrometry/mass spectrometry(液体クロマトグラフィー/タンデム質量分析)

    n Number (s)(被験者数) PK Pharmacokinetics(薬物動態学) UV Ultra-violet(紫外線)

    用語の定義 用語 定義

    AUC 血漿中薬物濃度―時間曲線下面積 AUC0-t 投与後 t 時間までの血漿中薬物濃度―時間曲線下面積 AUC0-24 投与後 24 時間までの血漿中薬物濃度―時間曲線下面積 AUC0-∞ 無限大時間までの血漿中薬物濃度―時間曲線下面積 cis 体 KW-6002 のシス異性体 Cmax 最高血漿中薬物濃度 M1 KW-6002 の 4’-O-脱メチル体 M4 M1 の硫酸抱合体 M5 M1 のグルクロン酸抱合体 M8 KW-6002 の 1-β-水酸化体 M10 KW-6002 の 3’,4’-O-ジ脱メチル体の還元体 M11 M1 の還元体のグルクロン酸抱合体 M12 M10 の還元体のモノグルクロン酸抱合体 MRT 平均滞留時間 t1/2 血漿中消失半減期 tmax 最高血漿中薬物濃度到達時間

  • KW-6002 2.7.1 生物薬剤学試験及び関連する分析法

    CONFIDENTIAL - 3 -

    目次

    略号及び用語の定義一覧 ........................................................................................................2

    目次 ............................................................................................................................................3 2.7 臨床概要........................................................................................................................................ 4 2.7.1 生物薬剤学試験及び関連する分析法 .................................................................................... 4 2.7.1.1 背景及び概観 ........................................................................................................................ 4 2.7.1.2 個々の試験結果の要約 ........................................................................................................ 8 2.7.1.3 全試験を通しての結果の比較と解析 .............................................................................. 11 2.7.1.4 付録...................................................................................................................................... 16

  • KW-6002 2.7.1 生物薬剤学試験及び関連する分析法

    CONFIDENTIAL - 4 -

    2.7 臨床概要

    2.7.1 生物薬剤学試験及び関連する分析法

    2.7.1.1 背景及び概観

    2.7.1.1.1 臨床試験に使用した製剤 国内臨床試験において、第 I 相試験に使用した 10 mg 錠、25 mg 錠及び 50 mg 錠は簡易処方

    製剤であり、10 mg 錠及び 25 mg 錠は錠剤径 7 mmø の、50 mg 錠は錠剤径 8 mmø のフィルムコーティング錠であった。なお、第 I 相試験に使用した 20 mg 錠は錠剤径 7 mmø のフィルムコーティング錠であり、皮膜剤の成分変更を行った。第 II 相試験で使用した 10 mg 錠及び 20 mg 錠はいずれも錠剤径 7 mmø のフィルムコーティング錠であった。第 III 相試験で使用した 10 mg錠及び 20 mg 錠はいずれも錠剤径 7 mmø のフィルムコーティング錠であった。ただし、皮膜剤については、第 II 相試験で使用した製剤から錠剤色調の変更を目的に皮膜剤成分を変更した。なお、薬物動態試験(6002-011)で使用した製剤(20 mg 錠)及び生物学的同等性試験(6002-012)で使用した製剤(10 mg 錠及び 20 mg 錠)は、第 III 相試験で使用した 10 mg 錠及び20 mg 錠と同一処方の製剤である。 国内臨床試験及び海外臨床薬理試験(評価資料)で使用した製剤処方の変遷の詳細について

    は、「2.3.P.2.2.1 製剤設計」に記載した。国内臨床試験及び海外臨床薬理試験(評価資料)に用いた製剤の情報を、それぞれ表 2.7.1.1.1-1及び表 2.7.1.1.1-2に示した。

    表2.7.1.1.1-1 国内臨床試験に使用した製剤の情報 製剤含量 製剤ロット 包装ロット 試験番号 臨床試験の種類

    10 mg - 25 mg - 50 mg -

    6002-9601 第Ⅰ相試験

    20 mg 6002-9703 第Ⅰ相試験 6002-0104 第Ⅰ相試験

    20 mg a) - 6002-0205 第Ⅰ相試験 10 mg - - 20 mg - -

    6002-0406 前期第Ⅱ相試験

    10 mg - - 20 mg - -

    6002-0608 後期第Ⅱ相試験

    - 6002-009 第Ⅲ相試験 - 6002-010 第Ⅲ相長期投与試験 10 mg - - 6002-012 生物学的同等性試験 - 6002-009 第Ⅲ相試験 - 6002-010 第Ⅲ相長期投与試験 20 mg - - 6002-012 生物学的同等性試験

    20 mg - - 20 mg - -

    - 6002-010 第Ⅲ相長期投与試験

    20 mg - - 6002-011 薬物動態試験

    20 mg - - 20 mg - -

    6002-010 第Ⅲ相長期投与試験

    a) :

  • KW-6002 2.7.1 生物薬剤学試験及び関連する分析法

    CONFIDENTIAL - 5 -

    表2.7.1.1.1-2 海外臨床薬理試験に使用した製剤の情報 製剤含量 製剤ロット 試験番号 臨床試験の種類

    6002-US-008 相互作用試験 a) 6002-US-009 相互作用試験 6002-US-015 薬物動態試験 6002-US-016 薬物動態試験 6002-US-020 相互作用試験

    a)

    6002-US-024 QT/QTc 試験

    40 mg

    a) 6002-US-026 相互作用試験 a) :

    2.7.1.1.2 生物薬剤学試験 KW-6002 の薬物動態に及ぼす食事の影響を、第 I 相試験(6002-9601)及び薬物動態試験

    (6002-011)で検討した(表 2.7.1.1.2-1)。なお、6002-9601 試験は KW-6002 を絶食下に 10~200 mg 単回経口投与したときの安全性と薬物動態を検討するステップと KW-6002 を 50 mg 単回経口投与したときの薬物動態に及ぼす食事の影響を検討するステップを設け、前半のステッ

    プについては「2.7.2 臨床薬理試験」に記載した。なお、6002-011 試験は最終製剤を用いた食事の影響を検討した試験である。更に、第 III 相試験で使用した 10 mg 錠及び 20 mg 錠(20 mg錠は最終製剤)を、それぞれ 2 錠又は 1 錠経口投与したときの生物学的同等性を 6002-012試験により検討した(表 2.7.1.1.2-1)。

    表2.7.1.1.2-1 生物薬剤学試験の概観 試験名称・試験番号 目的・試験デザイン・対象被験者数(計画時) 資料番号 第 I相試験 6002-9601

    単回投与時の安全性、忍容性、薬物動態の検討 10、25、50、100、150、200 mg 又はプラセボを絶食下単回経口投与 健康成人男性:実薬 6 名/用量 健康成人男性:プラセボ 2 名/用量 50 mg を絶食下又は食後に単回経口投与 健康成人男性:12 名

    5.3.3.1-1

    薬物動態試験 6002-011

    最終製剤を単回投与時の薬物動態に及ぼす食事の影響、安全性の検討 20 mg を絶食下又は食後に単回経口投与 健康成人男性:20 名

    5.3.1.1-1

    生物学的同等性試験 6002-012

    10 mg 錠及び 20 mg 錠(最終製剤)の生物学的同等性の検討 10 mg 錠 2 錠又は 20 mg 錠 1 錠を絶食下に単回経口投与 健康成人男性:30 名

    5.3.1.2-1

    2.7.1.1.3 分析法の概観 臨床試験で得られた検体中の KW-6002 及び関連する代謝物の分析法に関する概観を表

    2.7.1.1.3-1に示した。血漿中 KW-6002 及び関連する代謝物濃度は HPLC-UV 法又は LC/MS/MS法で測定した。尿中濃度は HPLC-UV 法で測定した。 国内臨床試験の血漿中 KW-6002 濃度は、協和発酵工業株式会社、

    及び にて測定した。また、海外臨床試験の血漿中 KW-6002濃度は、主に 、 及び にて測定した。

  • KW-6002 2.7.1 生物薬剤学試験及び関連する分析法

    CONFIDENTIAL - 6 -

    表2.7.1.1.3-1 KW-6002 及び関連代謝物の分析法の概観 測定方法 測定対象 測定施設 資料番号

    KW-6002、M1 協和発酵工業株式会社 5.3.1.4-1 KW-6002、M1、cis 体 5.3.1.4-2 KW-6002 5.3.1.4-3 HPLC-UV

    KW-6002 参考 5.3.1.4-4 KW-6002、M1、M8 5.3.1.4-5 KW-6002、M1、M8 5.3.1.4-6

    KW-6002 参考 5.3.1.4-7

    KW-6002、M1 参考 5.3.1.4-8

    血漿

    LC/MS/MS

    M4、M5、M11、M12 参考 5.3.1.4-11 KW-6002、M1 協和発酵工業株式会社 5.3.1.4-9

    尿 HPLC-UV KW-6002、M1、cis 体 5.3.1.4-10

    2.7.1.1.4 バリデーション試験の概要 KW-6002 及び関連する代謝物の血漿中濃度分析法に関するバリデーション試験の概要を、

    表 2.7.1.1.4-1及び表 2.7.1.1.4-2に示した。 国内臨床試験の血漿中 KW-6002 濃度はいずれも HPLC-UV 法で測定し、定量範囲は 5~2000

    ng/mL、定量下限は 5 ng/mL であった。一方、海外臨床試験の血漿中 KW-6002 濃度は、 では HPLC-UV 法で測定し、定量範囲は 5~2000 ng/mL、定量下限は 5 ng/mL で

    あった。それ以外の測定施設での血漿中 KW-6002 濃度は LC/MS/MS 法で測定し、及び での定量範囲はいずれも 1~500 ng/mL、定量下限はいずれも1 ng/mLであった。また、 及び での定量範囲はいずれも 0.5~200 ng/mL、定量下限はいずれも 0.5 ng/mLであった。

    表2.7.1.1.4-1 KW-6002 及び関連代謝物のバリデーション試験の概要(血漿、HPLC-UV法)

    LLOQ 同時再現性 日差再現性 測定施設 a) 測定対象

    定量範囲 (ng/mL) 真度 (%)

    精度 (%)

    真度 (%)

    精度 (%)

    資料番号

    KW-6002 2.80 13.81 −1.09~6.10 1.12~3.59 KH

    M1 5~2000

    −1.40 7.51 −5.60~9.60 0.55~4.21 5.3.1.4-1

    KW-6002 2.96 3.09 −0.15~2.60 2.55~7.08 M1

    5~2000 5.34 3.21 −2.96~3.44 5.46~6.01

    cis 体 25~2000 10.84 5.33 −2.00~−0.06 4.74~5.70 5.3.1.4-2

    KW-6002 5~2000 −6.70 8.98 0.80~1.50 3.20~9.30 5.3.1.4-3

    KW-6002 5~2000 14.8 5.9 −3.8~13.2 1.5~12.7 参考

    5.3.1.4-4 a): KH:協和発酵工業株式会社、 : 、 : 、

  • KW-6002 2.7.1 生物薬剤学試験及び関連する分析法

    CONFIDENTIAL - 7 -

    表2.7.1.1.4-2 KW-6002 及び関連代謝物のバリデーション試験の概要(血漿、LC/MS/MS法)

    LLOQ 同時再現性 日差再現性 測定施設 a) 測定対象

    定量範囲 (ng/mL) 真度 (%)

    精度 (%)

    真度 (%)

    精度 (%)

    資料番号

    KW-6002 −6.7~18.0 4.4~15.5 3.1~-14.3 1.5~6.0 M1 4.0~16.0 7.4~17.0 −0.5~12.0 3.8~12.5 M8

    1~500 10.0~20.0 6.0~15.0 1.0~16.0 3.9~10.9

    5.3.1.4-5

    KW-6002 2.0 5.25 −3.4~1.0 2.97~8.42 M1 16.6 3.98 −22.6~4.0 1.89~13.1 M8

    1~500 1.0 3.84 −3.2~7.0 9.83~14.3

    5.3.1.4-6

    KW-6002 0.5~200 −4.00~5.20 4.45~9.17 −4.67~2.00 4.01~7.94 参考

    5.3.1.4-7 KW-6002 0.5~200 3 7 3~13 3~7 M1 0.2~20 0 7 −5~2 5~8

    参考 5.3.1.4-8

    M4 0.610~61.0 −3.28~9.67 6.28~12.54 −3.89~3.28 4.43~11.11 M5 0.740~74.0 0.14~7.03 4.18~6.57 1.35~4.05 4.60~7.67 M11 0.500~50.0 −1.40~3.40 0.81~3.29 −0.50~4.75 3.37~5.70

    M12 0.500~50.0 1.60~6.40 3.94~7.71 −1.10~4.00 4.51~6.35

    参考 5.3.1.4-11

    a): : 、 : .、 : 、 :

    KW-6002 及び関連する代謝物の尿中濃度分析法に関するバリデーション試験の概要を表

    2.7.1.1.4-3に示した。尿中 KW-6002 濃度は HPLC-UV 法で測定し、定量範囲は 1~400 ng/mL、定量下限は 1 ng/mLであった。

    表2.7.1.1.4-3 KW-6002 及び関連代謝物のバリデーション試験の概要(尿、HPLC-UV 法) LLOQ 同時再現性 日差再現性

    測定施設 a) 測定対象 定量範囲 (ng/mL) 真度 (%)

    精度 (%)

    真度 (%)

    精度 (%)

    資料番号

    KW-6002 −11.8 12.2 −7.50~0.50 1.34~3.76 KH

    M1 1~400

    15.0 15.2 −6.27~12.3 7.66~13.4 5.3.1.4-9

    KW-6002 3.30 2.80 −5.91~−3.30 1.39~3.27 M1

    1~400 −6.02 2.52 0.19~9.25 2.70~3.20

    cis 体 5~400 1.46 3.38 1.38~10.70 1.34~2.74 5.3.1.4-10

    a): KH:協和発酵工業株式会社、 :

    2.7.1.1.5 凍結保存安定性の概要 KW-6002 及び関連する代謝物の凍結保存安定性の概要を表 2.7.1.1.5-1に示した。血漿中の

    KW-6002 は、−20°C(設定温度)で 11.5 ヵ月、−80°C(設定温度)で 36 ヵ月までの凍結保存安定性が確認されている。また、−20°C(設定温度)で 3 回、−70°C(設定温度)で 5 回までの凍結融解安定性が確認されている。

  • KW-6002 2.7.1 生物薬剤学試験及び関連する分析法

    CONFIDENTIAL - 8 -

    表2.7.1.1.5-1 KW-6002 及び関連代謝物の保存安定性の概要

    測定施設 a) 測定対象 検討濃度 (ng/mL) 保存温度 保存期間 資料番号

    KW-6002 KH

    M1 10、100、1600 −20°C 4 ヵ月

    参考 5.3.1.4-12

    参考 5.3.1.4-13

    KW-6002 1、150 M1 0.4、15

    −20°C 4 ヵ月 参考 5.3.1.4-8 KW-6002 M1 M8

    2、400 −20°C/−70°C 11.5 ヵ月 5.3.1.4-5

    KW-6002 15、1000 −70°C 15 ヵ月 参考

    5.3.1.4-4

    血漿

    KW-6002 10、1600 −80°C 36 ヵ月 5.3.1.4-14 KW-6002

    尿 KH M1

    20、320 −20°C 6 ヵ月 5.3.1.4.15

    a): KH:協和発酵工業株式会社、 : .、 : 、 : 、 :

    2.7.1.2 個々の試験結果の要約

    2.7.1.2.1 6002-9601 試験(資料番号:5.3.3.1-1) 健康成人男性を対象に、1 群 6 名の 2 群を設け、それぞれ KW-6002 50 mg をクロスオーバー

    法で絶食下又は食後に投与し薬物動態に及ぼす食事の影響を検討した。血漿中 KW-6002 濃度推移を図 2.7.1.2.1-1に、PKパラメータを表 2.7.1.2.1-1に示した。 血漿中 KW-6002 濃度はいずれの条件下でもおおむね 3 時間に tmax(平均値)を示した。Cmax

    及び AUC はいずれも食後投与により増加した。

    図2.7.1.2.1-1 絶食下又は食後に投与したときの血漿中 KW-6002 濃度推移

    平均値±標準偏差

  • KW-6002 2.7.1 生物薬剤学試験及び関連する分析法

    CONFIDENTIAL - 9 -

    表2.7.1.2.1-1 KW-6002 の PK パラメータ tmax tmaxa) Cmax AUC0-t AUC0-∞

    b) (h) (h) (ng/mL) (ng・h/mL) (ng・h/mL)

    絶食下投与 3.1 4.00 225.5 5021 6122 (n=12) ±1.2 1.00~4.00 ±55.2 ±1599 ±2696

    食後投与 3.0 2.00 313.7 5730 7847 (n=12) ±1.3 2.00~6.00 ±42.3 ±1567 ±4200

    平均値±標準偏差 a):中央値(最小値~最大値) b):n=10

    2.7.1.2.2 6002-011 試験(資料番号:5.3.1.1-1) 健康成人男性を対象に、1 群 10 名の 2 群を設け、それぞれ KW-6002 の最終製剤 20 mg をク

    ロスオーバー法で絶食下又は食後に投与し薬物動態に及ぼす食事の影響を検討した。血漿中

    KW-6002 濃度推移を図 2.7.1.2.2-1、PK パラメータを表 2.7.1.2.2-1、分散分析結果を表 2.7.1.2.2-2に示した。

    KW-6002 を食後投与したときの Cmax、AUC0-t 及び AUC0-∞は、いずれも絶食下投与に比べ増加した。食後投与の絶食下投与に対する Cmax、AUC0-t 及び AUC0-∞の比の推定値(90%信頼区間)は、それぞれ 119.3%(111.5%~127.7%)、113.6%(105.5%~122.3%)及び 111.4%(103.2%~120.3%)であった。tmax 及び t1/2 については統計的に有意な食事の影響は認められなかった。

    図2.7.1.2.2-1 絶食下又は食後に投与したときの血漿中 KW-6002 濃度推移

    平均値±標準偏差

  • KW-6002 2.7.1 生物薬剤学試験及び関連する分析法

    CONFIDENTIAL - 10 -

    表2.7.1.2.2-1 KW-6002 の PK パラメータ tmax tmaxa) Cmax AUC0-t AUC0-∞ t1/2 MRT (h) (h) (ng/mL) (ng・h/mL) (ng・h/mL) (h) (h)

    絶食下投与 2.23 2.00 112.9 3397 4323 b) 57.09 b) 77.59 b) (n=20) ±1.28 0.50~4.00 ±24.1 ±1373 ±1991 ±31.51 ±43.62

    食後投与 3.10 3.00 136.4 3833 4591 53.56 72.98 (n=20) ±2.04 0.50~8.00 ±36.0 ±1465 ±1997 ±22.33 ±32.21

    平均値±標準偏差 a):中央値(最小値~最大値) b):n=19

    表2.7.1.2.2-2 分散分析結果 比(%) 90%信頼区間下限 90%信頼区間上限

    tmax a) 0.875 0.01802 1.73198 Cmax b) 119.3 111.5 127.7

    AUC0-t b) 113.6 105.5 122.3 AUC0-∞b) 111.4 103.2 120.3

    t1/2 b) 99.3 92.0 107.0 a):平均値の差(食後−絶食)(h) b):対数変換値の平均値の差(食後−絶食)を逆変換して算出

    2.7.1.2.3 6002-012 試験(資料番号:5.3.1.2-1) 健康成人男性を対象に 1 群 15 名の 2 群を設け、第 III 相試験で使用した KW-6002 の 10 mg

    錠及び 20 mg 錠(20 mg 錠は最終製剤)を、それぞれ 2 錠又は 1 錠クロスオーバー法で絶食下に投与し、含量違いの製剤を同じ用量で服用したときの生物学的同等性を検討した。なお、

    10 mg 錠を試験製剤、20 mg 錠を標準製剤とした。血漿中 KW-6002 濃度推移を図 2.7.1.2.3-1、PKパラメータを表 2.7.1.2.3-1、分散分析結果を表 2.7.1.2.3-2に示した。

    20 mg 錠 1 錠に対する 10 mg 錠 2 錠を投与したときの Cmax及び AUC0-tの比の推定値(90%信頼区間)は、それぞれ 106.8%(100.1%~114.0%)及び 98.5%(92.8%~104.6%)であった。AUC0-∞、tmax、t1/2、MRT 及び kel ついては統計的に有意な製剤の影響は認められなかった。これらの結果から、10 mg 錠 2 錠と 20 mg 錠 1 錠を投与したときの生物学的同等性が確認された。

    図2.7.1.2.3-1 試験製剤又は標準製剤を 20 mg 投与したときの血漿中 KW-6002 濃度推移

    平均値±標準偏差

  • KW-6002 2.7.1 生物薬剤学試験及び関連する分析法

    CONFIDENTIAL - 11 -

    表2.7.1.2.3-1 KW-6002 の PK パラメータ

    tmaxa) Cmax AUC0-t AUC0-∞ t1/2 MRT kel (h) (ng/mL) (ng・h/mL) (ng・h/mL) (h) (h) (1/h)

    10 mg 錠(試験製剤) 1.00 111.5 3661 4538 61.28 83.58 0.0149 (n=30) 0.50~4.00 ±16.4 ±1353 ±1936 ±28.57 ±39.08 ±0.0101

    20 mg 錠(標準製剤) 2.00 105.2 3730 4532 58.52 80.90 0.0141 (n=30) 0.50~4.00 ±21.3 ±1422 ±1864 ±19.99 ±30.49 ±0.0078

    平均値±標準偏差 a):中央値(最小値~最大値)

    表2.7.1.2.3-2 分散分析結果 比(%) 90%信頼区間下限 90%信頼区間上限

    tmax a) -0.26667 -0.74435 0.21101 Cmax b) 106.8 100.1 114.0

    AUC0-t b) 98.5 92.8 104.6 AUC0-∞b) 99.3 93.4 105.7

    t1/2 b) 99.8 92.3 108.0 MRT b) 99.3 93.3 105.8

    kel b) 100.2 92.6 108.4 a):平均値の差(試験製剤−標準製剤)(h) b):対数変換値の平均値の差(試験製剤−標準製剤)を逆変換して算出

    2.7.1.3 全試験を通しての結果の比較と解析

    2.7.1.3.1 臨床試験に使用した製剤間の同等性 国内臨床試験及び海外臨床試験で使用した製剤の溶出性については、それぞれ規格試験条件

    で評価し、「2.3.P.5.4 ロット分析」に記載したとおり、いずれの製剤も規格に適合していることを確認した。 また、第 II 相試験及び第 III 相試験で使用した 10 mg 錠及び 20 mg 錠の溶出挙動の類似性に

    ついては、「2.3.P.2.2 製剤」に記載したとおり、「後発医薬品の生物学的同等性試験ガイドライン等の一部改正について」(平成 18 年 11 月 24 日、薬食審査発第 1124004 号)の別紙 1「後発医薬品の生物学的同等性試験ガイドライン」、別紙 2「含量が異なる経口固形製剤の生物学的同等性試験ガイドライン」及び別紙 3「経口固形製剤の処方変更の生物学的同等性試験ガイドライン」を参考に評価した。評価した製剤の関係について、図 2.7.1.3.1-1に示した。また、評価した製剤の処方変更水準を表 2.7.1.3.1-1~表 2.7.1.3.1-3に示した。標準製剤は第 III 相試験で使用した 20 mg 錠とし、試験製剤は第 II 相試験で使用した 10 mg 錠、20 mg 錠及び第 III 相試験で使用した 10 mg 錠として処方の変更水準を求めたところ、いずれも C 水準であることを確認した。これらの製剤について溶出挙動の類似性を評価した結果を表 2.7.1.3.1-4~表2.7.1.3.1-6に示した。いずれの試験製剤も すべての試験条件において

    溶出挙動は類似していると判定した。

  • KW-6002 2.7.1 生物薬剤学試験及び関連する分析法

    CONFIDENTIAL - 12 -

    第 II 相試験 第 III 相試験

    10 mg 錠 10 mg 錠 20 mg 錠 20 mg 錠 申請・上市予定製剤

    * 溶出挙動の類似性を検討

    図2.7.1.3.1-1 溶出挙動の類似性を評価した製剤の関係

    表2.7.1.3.1-1 標準製剤と試験製剤の処方変更水準 標準製剤:20 mg 錠(第 III 相試験)、試験製剤:10 mg 錠(第 II 相試験)

    処方変更の程度 変更水準 a) 内核で変更した成分の含有率の差の絶対値の和 C フィルム層で変更した成分の含有率の差の絶対値の和 C 内核の単位表面積あたりのフィルム層の質量(mg/cm2) ‐ 変更水準の総合評価 C -:単位表面積あたりのフィルム層の質量に差が無いため、判定せず a) :変更水準は「含量が異なる経口固形製剤の生物学的同等性試験ガイドライン」に従った

    表2.7.1.3.1-2 標準製剤と試験製剤の処方変更水準 標準製剤:20 mg 錠(第 III 相試験)、試験製剤:20 mg 錠(第 II 相試験)

    処方変更の程度 変更水準 a) 内核で変更した成分の含有率の差の絶対値の和 ‐ フィルム層で変更した成分の含有率の差の絶対値の和 C 内核の単位表面積あたりのフィルム層の質量(mg/cm2) ‐ 変更水準の総合評価 C -:含有率又は単位表面積あたりのフィルム層の質量に差が無いため、判定せず a) :変更水準は「経口固形製剤の処方変更の生物学的同等性試験ガイドライン」に従った

    表2.7.1.3.1-3 標準製剤と試験製剤の処方変更水準 標準製剤:20 mg 錠(第 III 相試験)、試験製剤:10 mg 錠(第 III 相試験)

    処方変更の程度 変更水準 a) 内核で変更した成分の含有率の差の絶対値の和 C フィルム層で変更した成分の含有率の差の絶対値の和 ‐ 内核の単位表面積あたりのフィルム層の質量(mg/cm2) ‐ 変更水準の総合評価 C -:含有率又は単位表面積あたりのフィルム層の質量に差が無いため、判定せず a): 変更水準は「含量が異なる経口固形製剤の生物学的同等性試験ガイドライン」に従った

    色調の変更

    * *

    *

    色調の変更

  • KW-6002 2.7.1 生物薬剤学試験及び関連する分析法

    CONFIDENTIAL - 13 -

    表2.7.1.3.1-4 標準製剤と試験製剤の溶出挙動の類似性(1) 標準製剤:20 mg 錠×1 錠(第 III 相試験)、試験製剤:10 mg 錠×2 錠(第 II 相試験)

    平均溶出率

    (%) 回転数 (毎分) 試験液 比較時点 標準

    製剤 試験

    製剤

    平均溶出

    率の差 a)

    (%) 判定

    表2.7.1.3.1-5 標準製剤と試験製剤の溶出挙動の類似性(2) 標準製剤:20 mg 錠×1 錠(第 III 相試験)、試験製剤:20 mg 錠×1 錠(第 II 相試験)

    平均溶出率

    (%) 回転数 (毎分) 試験液 比較時点 標準

    製剤 試験

    製剤

    平均溶出

    率の差 a)

    (%) 判定

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    CONFIDENTIAL - 14 -

    表2.7.1.3.1-6 標準製剤と試験製剤の溶出挙動の類似性(3) 標準製剤:20 mg 錠×1 錠(第 III 相試験)、試験製剤:10 mg 錠×2 錠(第 III 相試験)

    平均溶出率

    (%) 回転数 (毎分) 試験液 比較時点 標準

    製剤 試験

    製剤

    平均溶出

    率の差 a)

    (%) 判定

    更に、「後発医薬品の生物学的同等性試験ガイドライン等の一部改正について」(平成 24年 2 月 29 日、薬食審査発 0229 第 10 号)に準拠して、第 III 相試験で使用した KW-6002 の10 mg 錠及び 20 mg 錠の生物学的同等性を評価した。その結果、10 mg 錠 2 錠と 20 mg 錠 1 錠を投与したときの生物学的同等性が確認された。 これらの結果から、第 II 相試験及び第 III 試験で示された有効性及び安全性の評価は申請・

    上市予定製剤に外挿できると判断した。

    2.7.1.3.2 薬物動態に及ぼす食事の影響 6002-9601 試験では、開発初期の製剤(50 mg 錠×1 錠)の薬物動態に及ぼす食事の影響を検

    討した。その結果、絶食下投与に比べ食後投与により血漿中曝露が増加したが、安全性には影

    響しないことが示された(資料番号:5.3.3.1-1)。 6002-011 試験では、最終製剤(20 mg 錠×1 錠)を用いて薬物動態に及ぼす食事の影響を検討

    した。その結果、食後投与の絶食下投与に対する Cmax、AUC0-t 及び AUC0-∞の比の推定値(90%信頼区間)は、それぞれ 119.3%(111.5%~127.7%)、113.6%(105.5%~122.3%)及び111.4%(103.2%~120.3%)であり、絶食下投与に比べ食後投与により血漿中曝露が 10%~20%程度増加したが安全性には影響しないことが示された(資料番号:5.3.1.1-1)。

    2.7.1.3.3 異なる処方の製剤間の薬物動態の比較 第 I 相試験及び最終製剤による食事の影響試験で得られた KW-6002 の薬物動態を比較した。

    表 2.7.1.3.3-1に示したように、6002-9601 試験では含量が異なる 3 種の製剤(10、25 及び 50 mg錠)、その他の試験ではいずれも 20 mg 錠が使用された。また、それぞれの試験においては、異なる処方の製剤が使用され、その詳細については、「2.3.P.2.2.1 製剤設計」に記載した。

    6002-9601 試験では 50 mg を食後に投与したとき、6002-9703 試験では 20 mg を初回投与(食後)したとき、6002-0104 及び 6002-0205 試験は同じ製剤を用いているため 6002-0104 試験の

  • KW-6002 2.7.1 生物薬剤学試験及び関連する分析法

    CONFIDENTIAL - 15 -

    20 mg を初回投与(食後)したとき、6002-011 試験では 20 mg を食後に投与したときのそれぞれの薬物動態を比較した。なお、KW-6002 を単回投与したときの Cmax は 10~50 mg までの投与量範囲、AUC0-tは 25~200 mg の投与量範囲で線形性が認められている(「2.7.2.3.1 薬物動態の線形性」)。したがって、少なくとも 50 mg 以下の投与量を投与したときの血漿中濃度はそれ以下の投与量への外挿が可能と考えられ、投与量が 50 mg であった 6002-9601 試験の結果は20 mg の投与量に換算して示した。

    表2.7.1.3.3-1 第 I 相試験及び最終製剤による食事の影響試験の概観

    試験名称・試験番号 目的・試験デザイン・対象被験者数(計画時) 製剤含量 製剤ロット 資料番号10 mg 25 mg

    第 I相試験 6002-9601

    単回投与時の安全性、忍容性、薬物動態の検討 10、25、50、100、150、200 mg 又はプラセボを絶食下単回経口投与 健康成人男性:実薬 6 名/用量 健康成人男性:プラセボ 2 名/用量 50 mg を絶食下又は食後に単回経口投与 健康成人男性:12 名

    50 mg

    5.3.3.1-1

    第 I相試験 6002-9703

    反復投与時の安全性、忍容性、薬物動態の検討 20 mg/日又はプラセボを 14 日間反復経口投与 健康成人男性:実薬 9 名 健康成人男性:プラセボ 3 名

    20 mg 5.3.3.1-5

    第 I相試験 6002-0104

    反復投与時の安全性、忍容性、薬物動態の検討 20、40、80 mg/日又はプラセボを 14 日間反復経口投与 健康成人男性:実薬 9 名 /用量 健康成人男性:プラセボ 3 名/用量

    5.3.3.1-8

    第 I相試験 6002-0205

    高齢者における安全性、忍容性、薬物動態の検討

    40 mg を絶食下単回経口投与 高齢者男性:9 名 健康成人男性:9 名

    20 mg

    5.3.3.3-1

    薬物動態試験 6002-011

    最終製剤を単回投与時の薬物動態に及ぼす食事の

    影響、安全性の検討 20 mg を絶食下又は食後に単回経口投与 健康成人男性:20 名

    20 mg - 5.3.1.1-1

    各試験での平均血漿中 KW-6002 濃度の推移及び PK パラメータを、それぞれ図 2.7.1.3.3-1及

    び表 2.7.1.3.3-2に示した。各製剤を食後に経口投与したときの血漿中濃度推移及び PK パラメータはいずれも類似しており、第 I 相試験及び最終製剤による食事の影響試験で得られた KW-6002 の薬物動態は大きく異ならないことが確認された。

  • KW-6002 2.7.1 生物薬剤学試験及び関連する分析法

    CONFIDENTIAL - 16 -

    0

    20

    40

    60

    80

    100

    120

    140

    160

    0 4 8 12 16 20 24

    血漿

    中K

    W-6

    002濃

    度(

    ng/m

    L)

    時間(h)

    6002-9601試験(n=12)6002-9703試験(n=9)6002-0104試験(n=9)6002-011試験(n=20)

    図2.7.1.3.3-1 第 I 相試験及び最終製剤による食事の影響試験の血漿中 KW-6002 濃度推移

    表2.7.1.3.3-2 第 I 相試験及び最終製剤による食事の影響試験の PK パラメータ

    試験番号 6002-9601 6002-9703 6002-0104 6002-011

    投与量 50 mg b)

    (n=12) 20 mg (n=9)

    20 mg (n=9)

    20 mg (n=20)

    tmax a) 2.00 2.00 2.00 3.00 (h) 2.00~6.00 1.00~4.00 1.00~6.00 0.50~8.00

    Cmax 125.5 143.2 149.2 136.4 (ng/mL) ±16.9 ±18.5 ±25.3 ±36.0 AUC0-24 1302 1209 1319 1398

    (ng·h/mL) ±244 ±188 ±335 ±291 平均値±標準偏差 a):中央値(最小値~最大値) b):各被験者の投与量を 20 mg換算した血漿中濃度から算出した

    2.7.1.4 付録 図表は本文中に組み入れた。

    平均値

  • CONFIDENTIAL

    KW-6002

    第 2 部(モジュール 2): CTD の概要(サマリー)

    2.7 臨床概要

    2.7.2 臨床薬理試験

    協和発酵キリン株式会社

  • KW-6002 2.7.2 臨床薬理試験

    CONFIDENTIAL - 2 -

    略号及び用語の定義一覧

    略号 略号 略していない用語

    BMI Body Mass Index(体重指数) LBM Lean Body Mass(除脂肪体重) n Number (s)(被験者数) NADPH Nicotinamide adenine dinucleotide phosphate, reduced form NONMEM Nonlinear mixed-effect modeling PET Positron emission tomography(陽電子放射型断層撮影) PK Pharmacokinetics(薬物動態学) PPK Population pharmacokinetics(母集団薬物動態)

    用語の定義 用語 定義

    ALT アラニン・アミノトランスフェラーゼ AST アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ AUC 血漿中薬物濃度―時間曲線下面積 AUC0-t 投与後 t 時間までの血漿中薬物濃度―時間曲線下面積 AUC0-24 投与後 24 時間までの血漿中薬物濃度―時間曲線下面積 AUC0-∞ 無限大時間までの血漿中薬物濃度―時間曲線下面積 Ccr クレアチニンクリアランス cis 体 KW-6002 のシス異性体 CL/F みかけの全身クリアランス CLR 腎クリアランス Cmax 最高血漿中薬物濃度 Ctrough 血漿中濃度のトラフ値 CYP Cytocrome P450(チトクローム P450) ka 吸収速度定数 M1 KW-6002 の 4’-O-脱メチル体 M4 M1 の硫酸抱合体 M5 M1 のグルクロン酸抱合体 M8 KW-6002 の 1-β-水酸化体 M10 KW-6002 の 3’,4’-O-ジ脱メチル体の還元体 M11 M1 の還元体のグルクロン酸抱合体 M12 M10 の還元体のモノグルクロン酸抱合体 M13 KW-6002 の 1-脱エチル-3’,4’-O-ジ脱メチル体の還元体 M14 KW-6002 の 1-β-水酸化-3’,4’-O-ジ脱メチル体の還元体 M15 M14 のモノ硫酸抱合体 M16 KW-6002 の 1-脱エチル-4’-O-脱メチル体の硫酸抱合体 M17 KW-6002 の 1-カルボキシメチル体 M18 KW-6002 の 3’,4’-O-ジ脱メチル-1-カルボキシメチル体の還元体 M19 M10 のモノ硫酸抱合体 MRT 平均滞留時間 Papp みかけの膜透過係数 Q/F コンパートメント間クリアランス QT 間隔 心電図における Q 波の開始から T 波の終了までの時間 QTc 心拍数で補正した QT 間隔 QTcI 心拍数について被験者ごとの補正式で補正した QT 間隔

  • KW-6002 2.7.2 臨床薬理試験

    CONFIDENTIAL - 3 -

    用語 定義

    R 累積係数 R t1/2 t1/2から算出した累積係数 t1/2 血漿中消失半減期 tmax 最高血漿中薬物濃度到達時間 Vd/F みかけの分布容積 V1/F 中心コンパートメントのみかけの分布容積 V2/F 末梢コンパートメントのみかけの分布容積

  • KW-6002 2.7.2 臨床薬理試験

    CONFIDENTIAL - 4 -

    目次

    略号及び用語の定義一覧 ........................................................................................................2

    目次 ............................................................................................................................................4 2.7.2 臨床薬理試験 ............................................................................................................................ 5 2.7.2.1 背景及び概観 ........................................................................................................................ 5 2.7.2.1.1 ヒト生体試料を用いた試験 ............................................................................................ 5 2.7.2.1.2 臨床薬理試験 .................................................................................................................... 6 2.7.2.2 個々の試験結果の要約 ........................................................................................................ 8 2.7.2.2.1 ヒト生体試料を用いた試験 ............................................................................................ 8 2.7.2.2.2 臨床薬理試験 .................................................................................................................. 10 2.7.2.3 全試験を通しての結果の比較と解析 .............................................................................. 33 2.7.2.3.1 薬物動態の線形性(資料番号:5.3.3.3-5) ................................................................ 33 2.7.2.3.2 薬物動態に及ぼす民族差(資料番号:5.3.3.3-5) .................................................... 35 2.7.2.3.3 パーキンソン病患者における薬物動態(資料番号:5.3.3.5-1) ............................ 38 2.7.2.3.4 薬物動態に影響を及ぼす内因性要因 .......................................................................... 41 2.7.2.3.5 薬物動態に影響を及ぼす外因性要因 .......................................................................... 42 2.7.2.4 特別な試験 .......................................................................................................................... 45 2.7.2.5 付録...................................................................................................................................... 45

  • KW-6002 2.7.2 臨床薬理試験

    CONFIDENTIAL - 5 -

    2.7.2 臨床薬理試験

    2.7.2.1 背景及び概観

    2.7.2.1.1 ヒト生体試料を用いた試験 ヒトにおける KW-6002 の薬物動態を解釈するために、ヒト生体試料を用いた試験(表

    2.7.2.1.1-1)を実施した。

    表2.7.2.1.1-1 ヒト生体試料を用いた試験の一覧 試験概要 試験内容 資料番号

    血清蛋白結合率 ヒト(男性 2 名及び女性 1 名)血清における3H-KW-6002 の

    蛋白結合率を平衡透析法により検討した。 4.2.2.3-5

    代謝酵素の同定

    CYP の非選択的阻害薬及び各 CYP 分子種(CYP1A2、CYP2A6 、 CYP2B6 、 CYP2C8 、 CYP2C9 、 CYP2C19 、CYP2D6、CYP2E1 及び CYP3A4/5)に選択的な阻害薬により、ヒト肝ミクロソームでの KW-6002 の代謝酵素について検討した。 KW-6002 を 各種 ヒト CYP 分子 種発 現ミ クロソ ーム( CYP1A1 、 CYP1A2 、 CYP2A6 、 CYP2B6 、 CYP2C8 、CYP2C9*1、CYP2C18、CYP2C19、CYP2D6*1、CYP2E1、CYP3A4 及び CYP3A5)と反応させ、KW-6002 の代謝に関わるヒト CYP 分子種を推定した。

    4.2.2.4-8 4.2.2.4-9

    ヒト CYP 発現ミクロソームを用いた代謝クリアラ

    ンスの算出

    ヒト CYP 分子種発現ミクロソーム(CYP1A1、CYP3A4 及びCYP3A5)での KW-6002 の代謝速度パラメータを算出した。 4.2.2.4-10

    肝代謝酵素に及ぼす影響

    ヒト肝細胞株 HepaRG を使用し、KW-6002 による CYP1A2 活性(フェナセチン脱エチル化反応)及び CYP3A4 活性(テストステロン 6β水酸化反応)の酵素誘導について検討した。

    4.2.2.4-12

    CYP 阻害作用

    ヒト肝ミクロソームにおけるエトキシレゾルフィン O 脱エチル化(CYP1A1/2)、クマリン 7 水酸化(CYP2A6)、ベンジロキシレゾルフィン O 脱ベンジル化(CYP2B6)、トルブタミドメチル水酸化(CYP2C8/9)、S-メフェニトイン 4’水酸化(CYP2C19)、ブフラロール 1’水酸化(CYP2D6)、クロルゾキサゾン 6 水酸化(CYP2E1)、テストステロン 6β水酸化(CYP3A4/5)及びニフェジピン酸化(CYP3A4/5)反応に対する KW-6002 の作用を検討した。更に、より CYP2B6 に特異的な反応であるブプロピオン水酸化反応に対する作用を検

    討した。

    4.2.2.4-134.2.2.4-14

    CYP3A4 の不可逆阻害とミクロソーム蛋白への結

    ヒト肝ミクロソームを用いて KW-6002 の CYP3A4 に対する阻害様式を検討した。また、ヒト肝細胞とその肝細胞から調

    製した肝ミクロソームを使用し、代謝量及び不可逆結合量の

    試験系による比較を行った。

    4.2.2.4-154.2.2.4-17

    膜透過性及び P 糖蛋白阻害作用

    Caco-2 を使用し KW-6002 の膜透過性を検討した。更に、P 糖蛋白の基質である 3H-ジゴキシンを用いて KW-6002 のP 糖蛋白阻害作用を検討した。

    4.2.2.2-7 4.2.2.2-8

  • KW-6002 2.7.2 臨床薬理試験

    CONFIDENTIAL - 6 -

    2.7.2.1.2 臨床薬理試験 臨床薬理試験(表 2.7.2.1.2-1)を国内外で実施し、ヒトにおける KW-6002 の薬物動態を検討

    した。また、表 2.7.2.1.2-2に示した国内で実施した第 II 相臨床試験及び第 III 相臨床試験においても、患者における薬物動態の検討のために血漿中 KW-6002 濃度を測定した。得られた血漿中 KW-6002 濃度は「2.7.2.3.3パーキンソン病患者における薬物動態」での PPK 解析に用いた。

    表2.7.2.1.2-1 臨床薬理試験の一覧 試験名称・試験番号 目的・試験デザイン・対象被験者数(計画時) 資料番号

    第 I相試験 6002-9601

    単回投与時の安全性、忍容性、薬物動態の検討 10、25、50、100、150、200 mg 又はプラセボを絶食下単回経口投与 健康成人男性:実薬 6 名/用量 健康成人男性:プラセボ 2 名/用量 50 mg を絶食下又は食後に単回経口投与 健康成人男性:12 名

    5.3.3.1-1

    第 I相試験 6002-9703

    反復投与時の安全性、忍容性、薬物動態の検討 20 mg/日又はプラセボを 14 日間反復経口投与 健康成人男性:実薬 9 名 健康成人男性:プラセボ 3 名

    5.3.3.1-5

    第 I相試験 6002-0104

    反復投与時の安全性、忍容性、薬物動態の検討 20、40、80 mg/日又はプラセボを 14 日間反復経口投与 健康成人男性:実薬 9 名 /用量 健康成人男性:プラセボ 3 名/用量

    5.3.3.1-8

    薬物動態試験 6002-011

    最終製剤を単回投与時の薬物動態に及ぼす食事の影響、安全性の検討 20 mg を絶食下又は食後に単回経口投与 健康成人男性:20 名

    5.3.1.1-1

    第 I相試験(海外) 6002-US-002

    反復投与時の最大耐用量、薬物動態の検討 40、60、80、120、160 mg/日又はプラセボを 14 日間反復経口投与 健康成人男性:実薬 8 名/用量 健康成人男性:プラセボ 2 名/用量

    参考 5.3.3.1-10

    薬物動態試験(海外) 6002-US-003

    レボドパ/カルビドパで治療下のパーキンソン病患者に対する安全性、

    忍容性、薬物動態の検討 60 又は 80 mg/日を 14 日間反復経口投与 患者:10 名

    参考 5.3.3.2-1

    第 I相試験 6002-0205

    高齢者における安全性、忍容性、薬物動態の検討 40 mg を絶食下単回経口投与 高齢者男性:9 名 健康成人男性:9 名

    5.3.3.3-1

    薬物動態試験(海外)

    6002-US-015 腎機能低下患者における安全性、忍容性、薬物動態の検討 40 mg を絶食下単回経口投与 第 1 群:腎機能低下患者:8 名 第 2 群:健康成人(第 1 群と年齢を合わせた被験者):8 名 第 3 群:健康成人(若齢者):8 名

    5.3.3.3-3

    薬物動態試験(海外)

    6002-US-016 肝機能低下患者における安全性、忍容性、薬物動態の検討 40 mg/日を 14 日間反復経口投与 第 1 群:肝機能低下患者(喫煙者):8 名 第 2 群:健康成人(喫煙者):8 名 第 3 群:肝機能低下患者(非喫煙者):8 名 第 4 群:健康成人(非喫煙者):8 名

    5.3.3.3-4

    相互作用試験(海外)

    6002-US-009 レボドパ/カルビドパとの薬物相互作用の検討 Day 1:レボドパ/カルビドパ 200 mg/50 mg を単回経口投与 Day 2~Day 15:KW-6002 80 mg/日を反復経口投与 Day 15:レボドパ/カルビドパ 200 mg/50 mg を単回経口投与 健康成人:24 名

    5.3.3.4-1

  • KW-6002 2.7.2 臨床薬理試験

    CONFIDENTIAL - 7 -

    表2.7.2.1.2-1 臨床薬理試験の一覧(続き)

    試験名称・試験番号 目的・試験デザイン・対象被験者数(計画時) 資料番号 相互作用試験(海外)

    6002-US-008 コホート 1 ミダゾラム(CYP3A4 基質)との薬物相互作用の検討 Day 1:ミダゾラム 10 mg を単回経口投与 Day 4~Day 18:KW-6002 80 mg/日を反復経口投与 Day 17:ミダゾラム 10 mg を単回経口投与 健康成人:16 名 コホート 2 ケトコナゾール(CYP3A4 阻害剤)との薬物相互作用の検討 Day1:KW-6002 40 mg を単回経口投与 Day 15~Day 18:ケトコナゾール 400 mg/日を反復経口投与 Day 19:KW-6002 40 mg を単回経口投与 Day 19~Day 25:ケトコナゾール 200 mg/日を反復経口投与 健康成人:16 名

    5.3.3.4-2

    相互作用試験(海外) 6002-US-020

    アトルバスタチン(CYP3A4 基質)との薬物相互作用の検討 Day1:アトルバスタチン 40 mg を単回経口投与 Day 5~Day 21:KW-6002 40 mg/日を反復経口投与 Day 18:アトルバスタチン 40 mg を単回経口投与 健康成人:15 名

    5.3.3.4-3

    相互作用試験(海外) 6002-US-026

    ジゴキシン(P 糖蛋白質)との薬物相互作用の検討 Day 1:ジゴキシン 0.4 mg を単回経口投与 Day 15~Day 35:KW-6002 40 mg/日を反復経口投与 Day 35:ジゴキシン 0.4 mg を単回経口投与 健康成人:24 名

    5.3.3.4-4

    マスバランス試験(海外)

    6002-US-010 マスバランス及び代謝物の検討 14C-KW-6002 を 40 mg 単回経口投与 健康成人:24 名

    参考 5.3.3.1-11

    PET試験(海外) 6002-EU06

    PET スキャンを用いたヒト脳内における KW-6002 のアデノシン A2A受容体占有率の検討 Day 1~Day 14:KW-6002 0.1~40 mg/日を反復経口投与 Day 14:トレーサー量の 11C-KW-6002 を単回静脈内投与 健康成人:16 名

    参考 5.3.4.1-1

    QT/QTc 試験(海外) 6002-US-024

    ECGに対する検討 第 1 群:40 mg/日を 14 日間反復経口投与 健康成人:44 名 第 2 群:160 mg/日を 14 日間反復経口投与 健康成人:44 名 第 3 群:モキシフロキサシン 400 mg を Day 1 及び Day 14 に単回経口投与 健康成人:44 名 第 4 群:プラセボを 14 日間反復経口投与 健康成人:44 名

    5.3.5.4-1

    表2.7.2.1.2-2 臨床試験の一覧 試験名称 試験番号

    試験タイトル 資料番号

    前期第 II相試験 6002-0406

    KW-6002 のパーキンソン病に対するプラセボ対照、二重盲検、探索的比較試験

    5.3.5.1-1

    後期第 II相試験 6002-0608

    KW-6002 のパーキンソン病に対するプラセボ対照、二重盲検、並行群間、検証的比較試験

    5.3.5.1-3

    第 III相試験 6002-009

    KW-6002 のパーキンソン病に対するプラセボ対照、二重盲検、並行群間、検証的比較試験

    5.3.5.1-5

    第 III相長期投与試験 6002-010

    KW-6002 のパーキンソン病に対する長期投与試験 5.3.5.2-1

  • KW-6002 2.7.2 臨床薬理試験

    CONFIDENTIAL - 8 -

    2.7.2.2 個々の試験結果の要約

    2.7.2.2.1 ヒト生体試料を用いた試験

    2.7.2.2.1.1 蛋白結合(資料番号:4.2.2.3-5) ヒト血清における 3H-KW-6002 の蛋白結合率を平衡透析法により検討した。10~1000 ng/mL

    の濃度範囲で、蛋白結合率は 95%~97%であった。ヒト血漿中ではアルブミンが主結合蛋白であった。

    2.7.2.2.1.2 ヒト肝ミクロソームを用いた代謝酵素の検討(資料番号:4.2.2.4-8) CYP の非選択的阻害薬及び CYP 分子種(CYP1A2、CYP2A6、CYP2B6、CYP2C8、CYP2C9、

    CYP2C19、CYP2D6、CYP2E1 及び CYP3A4/5)に選択的な阻害薬を用いて、ヒト肝ミクロソームでの KW-6002 の代謝酵素について検討した。その結果、KW-6002 の代謝には主にCYP3A4/5 が関与していると考えられた。

    2.7.2.2.1.3 ヒト CYP 発現ミクロソームを用いた代謝酵素の検討(資料番号:4.2.2.4-9)

    ヒト CYP 分子種発現ミクロソーム(CYP1A1、CYP1A2、CYP2A6、CYP2B6、CYP2C8、CYP2C9*1、CYP2C18、CYP2C19、CYP2D6*1、CYP2E1、CYP3A4 及び CYP3A5)を用いて、KW-6002 の代謝に関わるヒト CYP 分子種について検討した。その結果、KW-6002 の代謝には、主に CYP1A1、CYP3A4 及び CYP3A5 が関与し、わずかながら CYP1A2、CYP2B6、CYP2C8、CYP2C18 及び CYP2D6*1 の関与もあると考えられた。

    2.7.2.2.1.4 ヒト CYP 発現ミクロソームを用いた代謝クリアランスの算出(資料番号:4.2.2.4-10)

    ヒト CYP 分子種発現ミクロソーム(CYP1A1、CYP3A4 及び CYP3A5)での KW-6002 の代謝速度パラメータを算出した。CYP1A1 は Michaelis-Menten 型の代謝を示し、代謝固有クリアランスは 42.6 μL/min/pmol CYP1A1 であった。CYP3A4 及び CYP3A5 は、autoactivation 型の代謝 を 示 し 、 CYP3A4 及 び CYP3A5 の 最 大 代 謝 固 有 ク リ ア ラ ン ス は そ れ ぞ れ 、1.17 μL/min/pmol CYP3A4 及び 0.572 μL/min/pmol CYP3A5 であった。ヒト肝ミクロソーム中での各 CYP の存在量で補正した結果、CYP1A1 が CYP3A4 及び CYP3A5 に匹敵する KW-6002 の代謝クリアランスを示すと考えられた。

    2.7.2.2.1.5 肝代謝酵素に及ぼす影響(酵素誘導)(資料番号:4.2.2.4-12) ヒト肝細胞株 HepaRG を使用し、KW-6002 による CYP1A2 活性(フェナセチン脱エチル化

    反応)及び CYP3A4 活性(テストステロン 6β 水酸化反応)の酵素誘導について検討した。その結果、陽性対照としたオメプラゾール処置群(CYP1A2 活性)及びリファンピシン処置群(CYP3A4 活性)との比較から、KW-6002 は CYP1A2 及び CYP3A4 を誘導しないと考えられた。

    2.7.2.2.1.6 CYP 阻害作用(資料番号:4.2.2.4-13 及び 4.2.2.4-14) ヒト肝ミクロソームにおけるエトキシレゾルフィン O 脱エチル化(CYP1A1/2)、クマリン

    7 水酸化(CYP2A6)、ベンジロキシレゾルフィン O 脱ベンジル化(CYP2B6)、トルブタミド

  • KW-6002 2.7.2 臨床薬理試験

    CONFIDENTIAL - 9 -

    メチル水酸化(CYP2C8/9)、S-メフェニトイン 4’水酸化(CYP2C19)、ブフラロール 1’水酸化(CYP2D6)、クロルゾキサゾン 6 水酸化(CYP2E1)、テストステロン 6β 水酸化(CYP3A4/5)及びニフェジピン酸化(CYP3A4/5)反応に対する KW-6002 の作用を検討した。その結果、KW-6002 は CYP3A4/5 に対して不可逆阻害作用を有するものと考えられた。一方、CYP1A1/2、CYP2A6、CYP2C8/9、CYP2C19、CYP2D6 及び CYP2E1 特異的な代謝反応に対する阻害は弱く、CYP2B6 特異的な代謝反応であるベンジロキシレゾルフィン O 脱ベンジル化反応に対しては代謝速度を活性化した。しかしながら、より CYP2B6 に特異的な反応であるブプロピオン水酸化反応に対する作用を検討した結果、KW-6002 はブプロピオン水酸化反応を阻害又は活性化しなかった。 代謝物 M1 によるテストステロン 6β 水酸化反応及びニフェジピン酸化反応の阻害は KW-

    6002 より強いものであったが、CYP1A1/2、CYP2A6、CYP2B6、CYP2C8/9、CYP2C19、CYP2D6 及び CYP2E1 特異的な代謝反応に対する阻害は同時添加法及び前処置法とも弱かった。

    2.7.2.2.1.7 CYP3A4 の不可逆阻害とミクロソーム蛋白への結合(資料番号:4.2.2.4-15 及び 4.2.2.4-17)

    KW-6002 の CYP3A4 に対する阻害様式を検討した。KW-6002 はヒト肝ミクロソーム蛋白とNADPH 依存的に結合し、同時にテストステロン 6β水酸化活性を阻害したことから、KW-6002による CYP3A4 の不可逆阻害は、不可逆結合に基づくものと考えられた。 ヒト肝細胞とその肝細胞から調製した肝ミクロソームを使用し、代謝量及び不可逆結合量の

    試験系による比較を行った。不可逆結合量に対する代謝量の比であるみかけの partition ratio は、ヒト肝ミクロソームを用いた検討に比べ、ヒト肝細胞を用いた検討では高値であった。 60 分間反応時の蛋白量で補正した不可逆結合量は、ヒト肝ミクロソームを用いた検討に比べ、ヒト

    肝細胞を用いた検討では減少した。 これらの結果から、ヒト肝ミクロソームと比較してヒト肝細胞では不可逆結合速度が低下す

    ると考えられた。

    2.7.2.2.1.8 膜透過性及び P 糖蛋白阻害作用(資料番号:4.2.2.2-7 及び 4.2.2.2-8) Caco-2 細胞単層膜を用いて、KW-6002 の膜透過性及び P 糖蛋白に対する作用を検討した。

    その結果、KW-6002 は高膜透過性の化合物であり、P 糖蛋白に対しては基質にはならないものの阻害作用があると考えられた。

  • KW-6002 2.7.2 臨床薬理試験

    CONFIDENTIAL - 10 -

    2.7.2.2.2 臨床薬理試験

    2.7.2.2.2.1 薬物動態試験 国内で日本人健康成人を対象に実施した単回投与試験及び反復投与試験、海外で外国人健康

    成人を対象に実施した反復投与試験の結果及び海外でレボドパ/カルビドパで治療下のパーキ

    ンソン病患者を対象に実施した反復投与試験の結果を以下に記載した。

    1)国内単回投与試験(資料番号:5.3.3.1-1、5.3.3.1-2、5.3.3.1-4) 健康成人男性に、KW-6002 を 10、25、50、100、150 又は 200 mg 単回経口投与したときの

    KW-6002 及び M1 の薬物動態を検討した(6002-9601 試験)。本試験では投与後 72 時間までの血漿中濃度の測定を計画していたが、特に高用量では多峰性の推移を示したため、150 及び200 mg では事後検査用検体(投与後 168 時間)中の薬物濃度も測定した。なお、PK パラメータはいずれの投与量においても投与後 72 時間までの血漿中濃度から算出した。 血漿中 KW-6002 濃度の推移を図 2.7.2.2.2.1-1に、PKパラメータを表 2.7.2.2.2.1-1に示した。 KW-6002 は投与後速やかに吸収され、いずれの投与量においても血漿中 KW-6002 濃度は

    2.00~4.00 時間に tmax(中央値)を示した。t1/2(平均値)は 34.4~44.3 時間であった。投与量の増加に伴って Cmax及び AUC0-∞は増加した(図 2.7.2.2.2.1-2)。なお、50 mg 以上の投与量では、tmax以後、血漿中 KW-6002 濃度は 2 又は 3 峰性に推移した。特に 200 mg では 3 峰性の推移の影響を受け t1/2を算出するための十分な消失相が認められなかった。血漿中 KW-6002 濃度の tmax付近の血漿中 M1 濃度は血漿中 KW-6002 濃度の約 1/30 であり、投与量に関わらずその比はほぼ一定であった。

    KW-6002 を 10~200 mg 単回経口投与したときの投与後 72 時間までの尿中への KW-6002 及び M1(KW-6002 相当)の投与量に対する累積排泄率(平均値)は、それぞれ最大で 10.4× 10-3%及び 22.3×10-3%であり非常に低かった。

    図2.7.2.2.2.1-1 KW-6002 を単回経口投与したときの血漿中 KW-6002 濃度推移

    平均値+標準偏差(n=6)

  • KW-6002 2.7.2 臨床薬理試験

    CONFIDENTIAL - 11 -

    表2.7.2.2.2.1-1 KW-6002 を単回経口投与したときの KW-6002 の PK パラメータ 投与量 tmax a) Cmax AUC0-t AUC0-∞ t1/2 CL/F

    (h) (ng/mL) (ng・h/mL) (ng・h/mL) (h) (L/h) 10 mg 2.00 43.0 276 NC NC NC (n=6) 1.00~4.00 ±17.7 ±212 25 mg 4.00 113.1 2388 3260 34.4 10.6 (n=6) 1.00~4.00 ±50.4 ±1323 ±2134 ±11.9 ±6.1 50 mg 2.00 166.4 4540 6923 41.6 9.7 (n=6) 2.00~4.00 ±53.0 ±1624 ±3985 ±28.9 ±5.7

    100 mg 3.00 247.4 7946 12019 44.3 9.4 (n=6) 2.00~4.00 ±72.7 ±2699 ±4948 ±17.6 ±3.1

    150 mg 2.00 260.4 8479 12241 39.3 13.1 (n=6) 2.00~4.00 ±62.9 ±1354 ±3899 ±14.5 ±3.2

    200 mg 3.00 342.3 13227 NC NC NC (n=6) 1.00~4.00 ±78.2 ±3653

    平均値±標準偏差 a):中央値(最小値~最大値)

    NC:算出できず

    図2.7.2.2.2.1-2 Cmax及び AUC0-∞の用量比例性

    2)国内反復投与試験(資料番号:5.3.3.1-5 及び 5.3.3.1-8) 健康成人男性に KW-6002 を 1 日 1 回 14 日間反復経口投与したときの KW-6002 の薬物動態

    を検討した(6002-9703 試験及び 6002-0104 試験)。投与量は 6002-9703 試験では 20 mg/日、6002-0104 試験では 20、40 又は 80 mg/日とした。なお、KW-6002 以外に 6002-9703 試験ではM1 及び cis 体、6002-0104 試験では M1 の薬物動態も併せて検討した。

    KW-6002 を 1 日 1 回 14 日間反復経口投与したときの Ctroughの推移を図 2.7.2.2.2.1-3に、Day 1及び Day 14 の KW-6002 の PK パラメータを表 2.7.2.2.2.1-2に示した。いずれの投与量においても Ctrough は 14 日間の反復投与によりおおむね定常状態に到達し、RCtrough(平均値)は 4.12~5.11 であった。14 日目に KW-6002 を 20~80 mg 投与したときの血漿中 KW-6002 濃度は 2.00~4.00 時間に tmax(中央値)を示した。t1/2(平均値)は 51.1~75.0 時間であった。

    6002-9703 試験(20 mg/日)での血漿中 M1 濃度は 6 名ですべての測定時点で定量下限(5 ng/mL)未満であり、残り 3 名において数時点で検出されたが、いずれも 10 ng/mL 以下で

    平均値±標準偏差(n=6) 平均値±標準偏差(n=6)

  • KW-6002 2.7.2 臨床薬理試験

    CONFIDENTIAL - 12 -

    あった。6002-0104 試験(20、40 及び 80 mg/日)の Day 14 における KW-6002 に対する M1 のCmaxは 1/35~1/40、AUC0-24 は 1/40~1/50 であった。また、6002-9703 試験での血漿中 cis 体濃度は全被験者ともすべての測定時点で定量下限(25 ng/mL)未満であった。

    KW-6002 を 20 mg/日、1 日 1 回 14 日間反復経口投与したときの初回投与から最終回投与後96 時間までの尿中への KW-6002 及び M1(KW-6002 相当)の総投与量に対する累積排泄率(平均値)は、それぞれ 11.4×10-3%及び 4.4×10-3%であり、単回投与したときと同様に非常に低かった。また、尿中 cis 体濃度は全被験者ともすべての測定時点で定量下限未満(5.0 ng/mL)であった(6002-9703 試験)。

    図2.7.2.2.2.1-3 KW-6002 を反復経口投与したときの Ctrough推移

    表2.7.2.2.2.1-2 KW-6002 を反復経口投与したときの KW-6002 の PK パラメータ 投与量 Day tmax a) Cmax Ctrough AUC0-24 t1/2 RCtrough

    試験番号 (h) (ng/mL) (ng/mL) (ng·h/mL) (h) 1 2.00 143.2 25.7 1209 - - 1.00~4.00 ±18.5 ±11.0 ±188 - -

    14 2.00 230.9 105.0 3249 72.1 4.12

    20 mg (n=9)

    6002-9703 2.00~6.00 ±74.9 ±63.9 ±1516 ±47.4 ±2.15

    1 2.00 149.2 33.4 1319 - - 1.00~6.00 ±25.3 ±11.5 ±335 - -

    14 4.00 257.5 154.6 4406 75.0 b) 4.59

    20 mg (n=9)

    6002-0104 2.00~4.00 ±88.0 ±59.4 ±1598 ±32.0 ±0.33

    1 2.00 257.3 67.2 2638 - - 1.00~4.00 ±38.7 ±20.3 ±616 - -

    14 2.00 458.7 284.7 7925 59.1 c) 4.40

    40 mg (n=9)

    6002-0104 0.50~4.00 ±117.4 ±66.6 ±2047 ±27.0 ±1.10

    1 2.00 391.2 105.2 3966 - - 2.00~4.00 ±120.0 ±38.0 ±1264 - -

    14 2.00 857.3 502.1 14318 51.1 b) 5.11

    80 mg (n=9)

    6002-0104 2.00~4.00 ±180.5 ±136.2 ±3023 ±25.0 ±1.51 平均値±標準偏差 a):中央値(最小値~最大値) b):n=7 c):n=8

    平均値±標準偏差(n=9)

  • KW-6002 2.7.2 臨床薬理試験

    CONFIDENTIAL - 13 -

    3)海外反復投与試験(資料番号:参考 5.3.3.1-10) 外国人健康成人に KW-6002 を 40、60、80、120 又は 160 mg/日、1 日 1 回 14 日間反復経口投

    与したときの KW-6002 の薬物動態を検討した(6002-US-002 試験)。 KW-6002 を 1 日 1 回 14 日間反復経口投与したときの Day 1 及び Day 14 の KW-6002の PKパ

    ラメータを表 2.7.2.2.2.1-3に示した。いずれの投与量においても Ctroughは 1 日 1 回 14 日間の反復投与によりおおむね定常状態に到達し、RCtrough(平均値)は 3.42~6.81 であった。14 日目にKW-6002 を 40~160 mg 投与したときの血漿中 KW-6002 濃度は 3.50~5.00 時間に tmax(中央値)を示した。40、60、80、120 及び 160 mg 投与したときの t1/2(平均値)は、それぞれ 82.5、66.5、69.2、105.7 及び 73.7 時間であった。120 mg/日投与時の t1/2は 105.7 時間と他の投与量に比べ延長したが、その上下の投与量である 80 及び 160 mg/日での t1/2 は、それぞれ 69.2 及び73.7 時間であり、偶発的なものと考えられた。

    表2.7.2.2.2.1-3 KW-6002 を反復経口投与したときの KW-6002 の PK パラメータ 投与量 Day tmax a) Cmax Ctrough AUC0-24 t1/2 RCtrough

    (h) (ng/mL) (ng/mL) (ng·h/mL) (h) 1 2.50 282.4 65.8 2737 - - 1.00~4.00 ±74.8 ±28.4 ±775 - -

    14 4.00 598.7 357.0 9817 82.5 5.64 40 mg (n=8)

    2.00~5.00 ±136.0 ±123.3 ±2740 ±54.7 ±1.14 1 3.00 399.9 123.1 4275 - - 2.00~5.00 ±39.8 ±23.5 ±415 - -

    14 4.00 719.9 415.9 12001 66.5 3.42 60 mg (n=8)

    3.00~5.00 ±252.6 ±164.6 ±4504 ±35.5 ±1.38 1 3.00 430.4 132.0 5017 - - 2.00~5.00 ±79.5 ±27.7 ±797 - -

    14 3.50 955.5 603.7 16521 69.2 4.73 80 mg (n=8)

    2.00~5.00 ±226.4 ±210.8 ±5159 ±43.7 ±1.79 1 3.00 495.1 176.4 5830 - - 1.00~4.00 ±79.5 ±32.3 ±583 - -

    14 5.00 1694.6 1191.5 31103 105.7 6.81 120 mg (n=8)

    3.00~8.00 ±330.5 ±348.2 ±6527 ±57.6 ±2.02 1 3.00 678.6 247.8 7834 - - 2.00~4.00 ±133.0 ±48.4 ±1275 - -

    14 4.00 1974.9 1452.3 36488 73.7 5.96 160 mg (n=8)

    1.00~5.00 ±395.1 ±280.0 ±6881 ±35.5 ±1.16 平均値±標準偏差 a):中央値(最小値~最大値)

    4)海外反復投与試験(資料番号:参考 5.3.3.2-1) レボドパ/カルビドパで治療下の外国人のパーキンソン病患者に KW-6002 を 60 又は 80 mg/

    日、1 日 1 回 14 日間反復経口投与したときの KW-6002 の薬物動態を検討した(6002-US-003試験)。

    KW-6002 を 1 日 1 回 14 日間反復経口投与したときの Day 1 及び Day 14 の KW-6002の PKパラメータを表 2.7.2.2.2.1-4に示した。いずれの投与量においても Ctroughは 1 日 1 回 14 日間の反復投与によりおおむね定常状態に到達し、RCtrough(平均値)はそれぞれ 5.62 及び 3.73 であっ

  • KW-6002 2.7.2 臨床薬理試験

    CONFIDENTIAL - 14 -

    た。14 日目に KW-6002 を 60 又は 80 mg 投与したときの血漿中 KW-6002 濃度はそれぞれ 4.00及び 2.00 時間に tmax(中央値)を示し、t1/2(平均値)はそれぞれ 68.9 及び 64.1 時間であった。

    表2.7.2.2.2.1-4 KW-6002 を反復経口投与したときの KW-6002 の PK パラメータ 投与量 Day tmax a) Cmax Ctrough AUC0-24 t1/2 RCtrough

    (h) (ng/mL) (ng/mL) (ng·h/mL) (h) 1 2.00 267.4 77.1 3086 - - 2.00~4.00 ±114.2 ±23.3 ±1083 - -

    14 4.00 702.1 430.1 11475 68.9 b) 5.62 60 mg (n=5)

    2.00~4.00 ±223.9 ±172.1 ±3464 ±24.8 ±1.87 1 2.00 341.0 145.4 4366 - - 1.00~4.00 ±102.5 ±46.0 ±1337 - -

    14 2.00 940.8 557.8 14971 64.1 3.73 80 mg (n=5)

    2.00~48.00 ±247.7 ±250.7 ±5305 ±19.2 ±0.77 平均値±標準偏差 a):中央値(最小値~最大値) b):n=4

    2.7.2.2.2.2 内因性要因を検討した試験 KW-6002 の薬物動態に影響を及ぼす内因性要因を検討した試験の結果を以下に記載した。

    なお、肝障害患者での薬物動態試験(6002-US-016)で検討した薬物動態に及ぼす喫煙の影響については、「2.7.2.2.2.3外因性要因を検討した試験」に記載した。

    1)高齢者における薬物動態試験(資料番号:5.3.3.3-1) 日本人の高齢者男性(72.9±4.7 歳、平均値±標準偏差、n=9、以下同様)及び非高齢者男性

    (24.3±4.6 歳)に KW-6002 を 40 mg 単回経口投与し、高齢者及び非高齢者での KW-6002 の薬物動態を検討した(6002-0205 試験)。 血漿中 KW-6002 濃度の推移を図 2.7.2.2.2.2-1に、KW-6002 の PKパラメータを表 2.7.2.2.2.2-1

    に示した。高齢者及び非高齢者とも血漿中 KW-6002 濃度は 2.00 時間に tmax(中央値)を示し、その後の血漿中からの KW-6002 の消失は非高齢者に比べ高齢者で遅延する傾向が認められた。その結果、t1/2 の算出のための十分な消失相が認められなかった被験者が、非高齢者では 1 名であったのに対し、高齢者では 5 名であった。t1/2が算出できた高齢者 4 名及び非高齢者 8名のt1/2(最小値~最大値)は、それぞれ 41.4~63.2 時間及び 12.5~61.3 時間であった。非高齢者に対する高齢者の Cmax 比(95%信頼区間、以下同様)は 96.5%(75.9%~122.5%)、AUC0-t 比は123.2%(72.4%~209.8%)であり、高齢者で t1/2 が遅延する傾向が認められたが、高齢者と非高齢者の血漿中曝露に大きな違いは認められなかった。高齢者及び非高齢者の M1 の Cmaxは、それぞれ 7.40±2.15(平均値±標準偏差、n=5、以下同様)及び 7.09±0.97 ng/mL(n=9)、AUC0-tはそれぞれ 26.0±20.1(n=5)及び 30.7±14.6 ng·h/mL(n=9)であり、いずれも高齢者及び非高齢者で同様であった。 これらの結果より、高齢者で血漿中からの KW-6002 の消失が遅延する傾向が示唆されたが、

    高齢者と非高齢者の KW-6002 の薬物動態に大きな違いはないと考えられた。

  • KW-6002 2.7.2 臨床薬理試験

    CONFIDENTIAL - 15 -

    図2.7.2.2.2.2-1 KW-6002 を単回経口投与したときの血漿中 KW-6002 濃度推移

    表2.7.2.2.2.2-1 KW-6002 を単回経口投与したときの KW-6002 の PK パラメータ パラメータ 高齢者

    (n=9) 非高齢者

    (n=9) 比(%)

    95%信頼区間 tmaxa) 2.00 2.00 - (h) 2.0~4.0 1.0~4.0 -

    Cmax 170.0 172.6 96.5 c) (ng/mL) ±47.7 ±30.3 75.9~122.5 AUC0-t 5469 4411 123.2 c)

    (ng·h/mL) ±2991 ±2272 72.4~209.8 NC 4869 -

    ±2641 (n=8) - AUC0-∞

    (ng·h/mL) 4604~9440 b) (n=4) 1901~8606 b) (n=8) -

    NC 32.4 - ±19.4 (n=8) -

    t1/2

    (h) 41.4~63.2 b) (n=4) 12.5~61.3 b) (n=8) -

    NC 10.83 - ±5.88 (n=8) - CL/F (L/h)

    4.24~8.69 b) (n=4) 4.65~21.05 b) (n=8) - 平均値±標準偏差 a):中央値(最小値~最大値) b):最小値~最大値 c):対数変換値の差に対する推定値を逆変換することにより算出 NC:算出しなかった(平均値は半数以上の被験者のパラメータが算出可能な場合に算出した)

    2)腎機能低下患者における薬物動態試験(資料番号:5.3.3.3-3) 外国人の腎機能低下患者(Cockroft-Gault 換算式によるクレアチニンクリアランス:

    30 mL/min 未満)、腎機能低下患者と年齢を合わせた健康成人、又は健康若年成人に KW-6002

    平均値+標準偏差(n=9)

  • KW-6002 2.7.2 臨床薬理試験

    CONFIDENTIAL - 16 -

    を 40 mg 単回経口投与し、KW-6002 の薬物動態に及ぼす腎機能低下の影響を検討した(6002-US-015 試験)。

    KW-6002 の PK パラメータを表 2.7.2.2.2.2-2に示した。腎機能低下患者における Cmax の比(90%信頼区間、以下同様)は、健康成人に対して 79.7%(50.8%~125.0%)、健康若年成人に対して 98.2%(62.6%~154.1%)、腎機能低下患者における AUC0-∞の比は、健康成人に対して 84.4%(49.5%~143.8%)、健康若年成人に対して 89.7%(52.6%~153.0%)であり、腎機能低下患者と健康成人又は健康若年成人の血漿中曝露に大きな違いは認められなかった。その他

    の PK パラメータについても被験者群による差異はほとんどなかった。また、腎機能低下患者、健康成人及び健康若年成人における KW-6002 の血漿中蛋白結合率(平均値±標準偏差)は、それぞれ 97.2±1.7%、97.7±1.6%及び 97.6±1.2%であり違いは認められなかった。 腎機能低下患者、健康成人及び健康若年成人の M1 の Cmaxは、それぞれ 4.46±2.59(平均値±

    標準偏差、n=6、以下同様)、5.70±3.15 及び 4.76±3.08 ng/mL、AUC0-tはそれぞれ 95.04±133.50、104.85±89.33 及び 110.91±98.38 ng·h/mLであった。 これらの結果より、KW-6002 の薬物動態は腎機能低下によりほとんど影響を受けないと考

    えられた。

    表2.7.2.2.2.2-2 KW-6002 を単回経口投与したときの KW-6002 の PK パラメータ 第 1 群 第 2 群 第 3 群 第 1 群/第 2 群 第 1 群/第 3 群

    パラメータ 腎機能低下患者 (n=6)

    健康成人 (n=6)

    健康若年成人 (n=6)

    比(%) 90%信頼区間

    比(%) 90%信頼区間

    年齢 51.8 48.0 23.0 - - (歳) ±10.6 ±9.0 ±3.1 - - tmax a) 3.50 2.50 2.50 171.4

    b) 150.2 b) (h) 2.00~8.00 1.00~4.00 1.00~4.00 103.7~239.2 90.8~209.6

    Cmax 207.6 242.8 215.9 79.7 c) 98.2 c) (ng/mL) ±83.1 ±43.8 ±92.6 50.8~125.0 62.6~154.1 AUC0-t 9224 10834 10121 82.1 c) 90.9 c)

    (ng·h/mL) ±4508 ±3709 ±4211 49.5~136.2 54.8~150.9 AUC0-∞ 10010 11386 11045 84.4 c) 89.7 c)

    (ng·h/mL) ±5227 ±4250 ±4671 49.5~143.8 52.6~153.0 t1/2 116.9 94.8 117.2 123.3

    b) 99.7 b) (h) ±45.1 ±46.5 ±70.2 64.5~182.1 52.2~147.3

    CL/F 5.06 4.22 4.73 118.5 c) 111.4 c) (L/h) ±2.61 ±2.47 ±3.42 69.5~202.1 65.4~190.0

    平均値±標準偏差 a):中央値(最小値~最大値) b):投与群を固定効果、被験者を変量効果とした分散分析による LS Meanの比 c):投与群を固定効果、被験者を変量効果とした分散分析による対数変換値の LS Meanの差を逆変換して算出した比

    3)肝機能低下患者における薬物動態試験(資料番号:5.3.3.3-4) 外国人の肝機能低下患者(Child-Pugh 分類による中等度の肝障害)又は肝機能低下患者と年

    齢を合わせた健康成人(いずれも非喫煙者)に KW-6002 を 40 mg/日、1 日 1 回 14 日間反復経口投与し、KW-6002 の薬物動態に及ぼす肝機能低下の影響を検討した(6002-US-016 試験)。

    KW-6002 を 14 日間反復投与したときの KW-6002 の PKパラメータを表 2.7.2.2.2.2-3に示した。肝機能低下患者での t1/2(平均値)は約 288 時間と長く、定常状態への到達率(fss)(平均値)は 0.62 であり 14 日間の反復投与では定常状態に到達しなかった。一方、健康成人ではおおむ

  • KW-6002 2.7.2 臨床薬理試験

    CONFIDENTIAL - 17 -

    ね定常状態に到達していた。したがって、14 日目の Cmax及び AUC0-24を用いて肝機能低下患者と健康成人の薬物動態を比較することは適切でないと判断した。 反復投与(投与間隔を 24 時間とする)において、モデルによらない解析での定常状態での

    平均血漿中濃度(Css)は定常状態での AUC0-24を投与間隔(24 時間)で割った値と定義される。また、KW-6002 のように t1/2 が長い化合物の場合は、定常状態での Cmax 及び Cmin の平均値(Cmean)は Cssに近似可能と考えられる。そこで、定常状態での肝機能低下患者の KW-6002 の血漿中曝露を以下のように推定し、健康成人の血漿中曝露と比較した。 肝機能低下患者に 14 日間投与したときの t1/2から推定した定常状態での Rt1/2(17.6)と 1 日

    目の Cmin(54.98 ng/mL)から、定常状態での Cminは 968 ng/mL (54.98 ×17.6)と推定される。更に定常状態での Cminと 14 日目の肝機能低下患者の Cmax/Cmin(1.6)、また、定常状態到達前の Cmax/Cmin は定常状態に比べ大きいことから、肝機能低下患者の定常状態での Cmax は高くとも 1548 ng/mL (968×1.6)と推定された。一方、Cmean は高くとも 1258 ng/mL ((1548+968)/2 )と見積もられることから、肝機能低下患者の定常状態での AUC0-24 は高くとも30192 ng·h/mL (1258 ×24)と推定された。これらの推定値から、肝機能低下患者での定常状態での Cmax及び AUC0-24はいずれも健康成人のおおむね 3 倍と推定された。なお、肝機能低下患者及び健康成人における KW-6002 の血漿中蛋白結合率(平均値±標準偏差)は、それぞれ97.3±2.1%及び 98.2±0.5%であり違いは認められなかった。 これらの結果より、KW-6002 の薬物動態は肝機能低下により影響を受け、中等度の肝機能

    低下患者の定常状態での血漿中曝露量は健康成人のおおむね 3 倍になると推定された。

    表2.7.2.2.2.2-3 KW-6002 を反復経口投与したときの KW-6002 の PK パラメータ パラメータ 肝機能低下患者

    (n=7) 健康成人

    (n=7) 比(%)

    90%信頼区間 年齢 60.1 56.3 - (歳) ±11.5 ±9.1 - tmax a) 3.00 3.00 - (h) 1.00~12.00 1.92~4.00 -

    Cmax 506.1 492.8 102.1 c) (ng/mL) ±140.0 ±125.0 69.1~150.9 AUC0-24 8431 9181 91.0 c)

    (ng·h/mL) ±2538 ±2382 58.7~141.0 t1/2 b) 287.6 118.0 243.8 d) (h) ±204.8 ±17.5 153.3~334.2 fss b) 0.62 0.86 -

    ±0.24 ±0.04 - 平均値±標準偏差 a):中央値(最小値~最大値) b): n=6 c):投与群を固定効果、被験者を変量効果とした分散分析による対数変換値の LS Mean の差(肝機能低下患者−健康成人)を逆

    変換して算出した比

    d):投与群を固定効果、被験者を変量効果とした分散分析による LS Meanの比(肝機能低下患者/健康成人)

    4)薬物動態に及ぼす性別の影響(資料番号:5.3.3.3-3 及び 5.3.3.3-4) KW-6002 の薬物動態に及ぼす腎機能低下の影響を検討した試験(6002-US-015)には男性及

    び女性が組み込まれた。男女の内訳は、腎機能低下患者、腎機能低下患者と年齢を合わせた健

    康成人及び健康若年成人の各被験者群で、いずれも男性 4 名、女性 2 名であった。これらの被

  • KW-6002 2.7.2 臨床薬理試験

    CONFIDENTIAL - 18 -

    験者群に KW-6002 を 40 mg 単回経口投与したときの、Cmax及び AUC0-∞を図 2.7.2.2.2.2-2に示した。いずれの被験者群においても Cmax及び AUC0-∞に明らかな性差は認められなかった。

    図2.7.2.2.2.2-2 KW-6002 を単回経口投与したときの Cmax及び AUC0-∞ KW-6002 の薬物動態に及ぼす肝機能低下の影響を検討した試験(6002-US-016)には男性及

    び女性が組み込まれた。男女の内訳は、非喫煙者の肝機能低下患者及び肝機能低下患者と年齢

    を合わせた健康成人の各被験者群でいずれも男性 3 名、女性 4 名であった。一方、喫煙者の肝機能低下患者及び肝機能低下患者と年齢を合わせた健康成人の各被験者群ではいずれも男性 5名、女性 2 名であった。これらの被験者群に KW-6002 を 40 mg/日、1 日 1 回 14 日間反復経口投与したときの、Cmax 及び AUC0-24 を非喫煙者は図 2.7.2.2.2.2-3、喫煙者は図 2.7.2.2.2.2-4に示した。いずれの被験者群においても Cmax及び AUC0-24に明らかな性差は認められなかった。

    図2.7.2.2.2.2-3 KW-6002 を反復投与したときの Cmax及び AUC0-24(非喫煙者)

  • KW-6002 2.7.2 臨床薬理試験

    CONFIDENTIAL - 19 -

    図2.7.2.2.2.2-4 KW-6002 を反復投与したときの Cmax及び AUC0-24(喫煙者)

    2.7.2.2.2.3 外因性要因を検討した試験 KW-6002 はレボドパ/カルビドパと併用されることから、レボドパ/カルビドパの薬物動

    態に及ぼす本剤の影響を検討した(6002-US-009 試験)。KW-6002 は CYP3A4 活性及び P 糖蛋白活性を阻害することから、CYP3A4 の代表的基質であるミダゾラム及び CYP3A4 の基質かつP 糖蛋白の基質であるアトルバスタチンの薬物動態に及ぼす本剤の影響を検討した(6002-US-008 試験及び 6002-US-020 試験)。更に、P 糖蛋白の代表的基質であるジゴキシンの薬物動態に及ぼす本剤の影響を検討した(6002-US-026 試験)。一方、KW-6002 の代謝には、主にCYP1A1、CYP3A4 及び CYP3A5 が関与し、また CYP1A2 も一部代謝に関与していることから、CYP3A4 の代表的阻害剤であるケトコナゾールの本剤の薬物動態に及ぼす影響、CYP1A1 及びCYP1A2 を誘導することが知られている喫煙による本剤の薬物動態に及ぼす影響を検討した(6002-US-008 試験及び 6002-US-016 試験)。これらの外因性要因を検討した試験の結果を以下に記載した。なお、KW-6002 の薬物動態に及ぼす食事の影響(6002-9601 試験及び 6002-011試験)に関しては、「2.7.1 生物薬剤学的試験及び関連する分析法」に記載した。

    1)レボドパ/カルビドパの薬物動態に及ぼす影響(資料番号:5.3.3.4-1) 外国人の健康成人にレボドパ/カルビドパを Day 1 に 200 mg/50 mg 単回経口投与し、レボド

    パ/カルビドパ単独投与時の薬物動態を検討した。その後、KW-6002 を 80 mg/日、1日 1回 14日間反復経口投与(Day 2~Day 15)、Day 15 にレボドパ/カルビドパを 200 mg/50 mg 単回経口投与し、KW-6002 併用時のレボドパ/カルビドパの薬物動態を検討した。これらの結果を比較し、レボドパ/カルビドパの薬物動態に及ぼす KW-6002 の影響を検討した(6002-US-009試験)。 レボドパ及びカルビドパの PK パラメータをそれぞれ、表 2.7.2.2.2.3-1及び表 2.7.2.2.2.3-2に

    示した。単独投与時に対する KW-6002 併用時のレボドパの Cmax 比(90%信頼区間、以下同

  • KW-6002 2.7.2 臨床薬理試験

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    様)は 111.7%(100.9%~123.7%)、AUC0-12 比は 105.8%(101.4%~110.4%)であり、KW-6002 の併用により Cmax及び AUC0-12は増加したがその程度はわずかであった。同様にカルビドパの Cmax比は 108.0%(99.1%~117.7 %)、AUC0-12比は 102.6%(95.5%~110.3%)であり、レボドパ/カルビドパ単独時と KW-6002 併用時で血漿中曝露に大きな違いは認められなかった。また、tmax及び t1/2に関しては、単独投与及び KW-6002 併用下で同様であった。 これらの結果より、KW-6002 はレボドパ/カルビドパの薬物動態にはほとんど影響を及ぼ

    さないと考えられた。

    表2.7.2.2.2.3-1 レボドパの PK パラメータ

    パラメータ KW-6002 併用 (Day 15)(n=24)

    単独 (Day 1) (n=24)

    差又は比 (%) 90%信頼区間

    tmax a) 0.75 0.50 0.115 b) (h) 0.50~2.00 0.25~2.00 −0.107~−0.336

    Cmax 2046 1879 111.7 c) (ng/mL) ±417 ±602 100.9~123.7 AUC0-12 4336 4139 105.8 c)

    (ng·h/mL) ±814 ±1013 101.4~110.4 t1/2 1.52 1.57 −0.051 b) (h) ±0.13 ±0.13 −0.087~−0.016

    平均値±標準偏差 a): 中央値(最小値~最大値) b):投与群(Day)を固定効果、被験者を変量効果とした分散分析による LS Meanの差(Day 15−Day 1) c):投与群(Day)を固定効果、被験者を変量効果とした分散分析による対数変換値の LS Meanの差(Day 15−Day 1)を逆変換

    して算出した比

    表2.7.2.2.2.3-2 カルビドパの PK パラメータ パラメータ KW-6002 併用 (Day 15)

    (n=24) 単独 (Day 1)

    (n=24) 差又は比 (%) 90%信頼区間

    tmax a) 2.50 2.75 −0.365 b) (h) 0.75~6.00 1.75~6.00 −0.917~0.188

    Cmax 287 266 108.0 c) (ng/mL) ±108 ±110 99.1~117.7 AUC0-12 1226 1180 102.6 c)

    (ng·h/mL) ±462 ±428 95.5~110.3 t1/2 1.77 1.88 −0.103 b) (h) ±0.32 ±0.30 −0.214~0.007

    平均値±標準偏差 a): 中央値(最小値~最大値) b):投与群(Day)を固定効果、被験者を変量効果とした分散分析による LS Meanの差(Day 15−Day 1) c):投与群(Day)を固定効果、被験者を変量効果とした分散分析による対数変換値の LS Meanの差(Day 15−Day 1)を逆変換

    して算出した比

    2)ミダゾラムの薬物動態に及ぼす影響(資料番号:5.3.3.4-2) 外国人の健康成人に CYP3A4 の基質であるミダゾラムを Day 1 に 10 mg 単回経口投与し、ミ

    ダゾラム単独投与時の薬物動態を検討した。その後、KW-6002 を 80 mg/日、1 日 1 回 15 日間反復経口投与(Day 4~Day 18)、Day 17 にミダゾラムを 10 mg 単回経口投与し、KW-6002 併

  • KW-6002 2.7.2 臨床薬理試験

    CONFIDENTIAL - 21 -

    用時のミダゾラムの薬物動態に及ぼす KW-6002 の影響を検討した。これらの結果を比較し、ミダゾラムの薬物動態に及ぼす KW-6002 の影響を検討した(6002-US-008 試験)。 ミダゾラムの PK パラメータを表 2.7.2.2.2.3-3に示した。単独投与時に対する KW-6002 併用

    時のミダゾラムの Cmax 比は 161.3%(132.5%~196.3%)、AUC0-∞比は 240.7%(212.6%~272.6%)であり、ミダゾラムの Cmax及び AUC0-∞は KW-6002 の併用により有意に増加した(いずれも p

  • KW-6002 2.7.2 臨床薬理試験

    CONFIDENTIAL - 22 -

    130.2%)及び 106.4%(86.2%~131.4%)であり、いずれの代謝物も血漿中曝露は単独投与及びKW-6002 との併用投与で大きな違いは認められなかった。 これらの結果より、KW-6002 は CYP3A4 及び P 糖蛋白の基質であるアトルバスタチンの血

    漿中曝露を増加させることが明らかとなった。

    表2.7.2.2.2.3-4 アトルバスタチンの PK パラメータ パラメータ KW-6002 併用 (Day 18)

    (n=16) 単独 (Day 1)

    (n=16) 差又は比 (%) 90%信頼区間

    tmax a) 2.00 2.50 −0.99 b) (h) 0.50~6.00 1.00~6.00 −1.50~−0.49

    Cmax 19.4 11.0 153.0 c) (ng/mL) ±23.4 ±7.5 133.8~175.0 AUC0-∞ 157 101 153.6 c)

    (ng·h/mL) ±101 ±58 137.3~171.9 t1/2 12.09 9.80 126.7 d) (h) ±3.57 ±2.66 111.3~142.1

    平均値±標準偏差 a):中央値(最小値~最大値) b):中央値の差(Day 18−Day 1) c):投与群(Day)を固定効果、被験者を変量効果とした分散分析による対数変換値の LS Meanの差(Day 18−Day 1)を逆変換

    して算出した比

    d):投与群(Day)を固定効果、被験者を変量効果とした分散分析による LS Meanの比(Day 18/ Day 1)

    4)ジゴキシンの薬物動態に及ぼす影響(資料番号:5.3.3.4-4) 外国人の健康成人に、P 糖蛋白の基質であるジゴキシンを Day 1 に 0.4 mg 単回経口投与し、

    ジゴキシン単独投与時の薬物動態を検討した。その後、KW-6002 を 40 mg/日、1 日 1 回 21 日間反復経口投与下(Day 15~Day 35)、Day 35 にジゴキシンを 0.4 mg 単回経口投与し、KW-6002 併用時のジゴキシンの薬物動態を検討した。これらの結果を比較し、ジゴキシンの薬物動態に及ぼす KW-6002 の影響を検討した(6002-US-026 試験)。 ジゴキシンの PK パラメータを表 2.7.2.2.2.3-5に示した。単独投与時に対する KW-6002 併用

    時のジゴキシンの Cmax 比は 133.1%(116.3%~152.3%)、AUC0-∞比は 120.6%(111.3%~130.8%)であり、ジゴキシンの Cmax及び AUC0-∞は KW-6002 の併用により有意に増加した(それぞれ p=0.0016 及び p

  • KW-6002 2.7.2 臨床薬理試験

    CONFIDENTIAL - 23 -

    表2.7.2.2.2.3-5 ジゴキシンの PK パラメータ パラメータ KW-6002 併用 (Day 35)

    (n=21) 単独 (Day 1)

    (n=24) 比 (%)

    90%信頼区間 tmax a) 0.52 0.75 -

    (h) 0.50~1.00 0.50~1.50 - Cmax 3471 2709 133.1 b)

    (pg/mL) ±819 ±977 116.3~152.3 AUC0-∞ 28408 24666 120.6 b)

    (pg·h/mL) ±6712 ±7427 111.3~130.8 t1/2 42.6 42.4 102.0 c) (h) ±10.7 ±10.4 90.3~113.6

    CLR 9.35 10.73 83.8 c) (L/h) ±2.11 ±3.16 76.1~91.6

    平均値±標準偏差 a):中央値(最小値~最大値) b):投与群(Day)を固定効果、被験者を変量効果とした分散分析による対数変換値の LS Mean(n=21)の差(Day 35−Day 1)を

    逆変換して算出した比

    c):投与群(Day)を固定効果、被験者を変量効果とした分散分析による LS Mean(n=21)の比(Day 35/ Day 1)

    5)KW-6002 の薬物動態に及ぼすケトコナゾールの影響(資料番号:5.3.3.4-2) 外国人の健康成人に KW-6002 を Day 1 に 40 mg 単回経口投与し、KW-6002 単独投与時の薬

    物動態を検討した。その後、CYP3A4 の阻害剤であるケトコナゾールを 200 mg/回、1 日 2 回 4日間(Day 15~Day 18)、1 日 1 回 7 日間(Day 19~Day 25)反復経口投与下、Day 19 に KW-6002 を 40 mg 単回経口投与し、ケトコナゾール併用時の KW-6002 の薬物動態を検討した。これらの結果を比較し、KW-6002 の薬物動態に及ぼすケトコナゾールの影響を検討した(6002-US-008 試験)。

    KW-6002 の PK パラメータを表 2.7.2.2.2.3-6に示した。単独投与時に対するケトコナゾール併用時の KW-6002 の Cmax 比は 98.6%(85.6%~113.7%)、AUC0-∞比は 246.9%(191.7%~317.9%)であり、KW-6002 の AUC0-∞はケトコナゾールの併用により有意に増加した(p

  • KW-6002 2.7.2 臨床薬理試験

    CONFIDENTIAL - 24 -

    表2.7.2.2.2.3-6 KW-6002 の PK パラメータ パラメータ ケトコナゾール併用 (Day 19)

    (n=15) 単独 (Day 1)

    (n=17) 差又は比 (%) 90%信頼区間

    tmax a) 3.00 3.00 −0.63 b) (h) 1.00~4.00 0.50~6.00 −1.22~−0.05

    Cmax 291.1 293.8 98.6 c) (ng/mL) ±63.1 ±68.6 85.6~113.7 AUC0-∞ 42182 13765 246.9 c)

    (ng·h/mL) ±41185 ±4045 191.7~317.9 t1/2 276.45 98.66 187.1 b) (h) ±338.31 ±46.34 41.1~333.1

    平均値±標準偏差 a):中央値(最小値~最大値) b):投与群(Day)を固定効果、被験者を変量効果とした分散分析による LS Mean(n=15)の差(Day 19−Day 1) c):投与群(Day)を固定効果、被験者を変量効果とした分散分析による対数変換値の LS Mean(n=15)の差(Day 19−Day 1)を

    逆変換して算出した比

    6)KW-6002 の薬物動態に及ぼす喫煙の影響(資料番号:5.3.3