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1 青山演劇LABO#001 KAKUTA OTOKO-MATSURI 2008 STAR MAN作・演出 桑原裕子 2008927日~105こどもの城 青山円形劇場 公演企画書

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青山演劇LABO#001 KAKUTA OTOKO-MATSURI 2008 『STAR MAN』

作・演出 桑原裕子 2008年9月27日~10月5日 こどもの城 青山円形劇場公演企画書

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KAKUTAオトコまつり2008 第二弾『STAR MAN』

~青山円形劇場で臨む書き下ろし新作~

KAKUTAではこれまで、現代を生きる人たちが

日常に抱える様々な“生きにくさ”に焦点を当て、

そこにある苦悩や挫折、喜びや再生を、時にユー

モラスに、また緻密に掘り下げて描いてきました。

なかでも、2007年の岸田國士戯曲賞候補とも

なった長編作品『甘い丘』は、作家・桑原裕子が

自らの女性観を追求し、丘の上のサンダル工場で

働く女たちの群像劇を力強い筆致で描いて好評

を博し、当劇団の新境地を開きました。

こうしたことからKAKUTAは、私たちがかねてよ

り掲げているテーマ=『現代人の上質な娯楽』を

創作し続けることを試みてきました。

そして同時に、桑原の女性ならではの見知を生か

した戯曲により、様々な世代の女性客層に共感を

得る世界観を提供してきたことを自負しております。

しかし、6月に上演した前回作品「Root Beers」と

今作「STAR MAN」では、最近の当劇団の特色と

もいえる“女性らしさ”から離れ、あえて男たちを中

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第1弾 in U.S.A. 『Root Beers ~ルートビアーズ』 6月 シアタートラムアメリカのモーテルへやってきたジャパニーズ・ヤクザを主人公にしたピカレスクロマン

第2弾 in Japan 『STAR MAN』 9月 こどもの城 青山円形劇場デヴィット・ボウイの名曲「スターマン」をモチーフに描く、哀しい大人の男のファンタジー

を博し、当劇団の新境地を開きました。

また、今年1月に上演した新作『目を見て嘘をつ

け』では、蕎麦屋の一家を中心とした家族劇を展

開する一方で、性同一性障害の長男が女として

自らを見つめ、生まれ直してゆくまでの再生の物

語を描き、自身も性同一性障害であることを公表

されている中村中氏をはじめ、各方面より高い評

価を得ました。

もいえる“女性らしさ”から離れ、あえて男たちを中

心にした人間ドラマを、2作続けて上演いたします。

「KAKUTAオトコまつり」と題して上演するこのシ

リーズでは、様々な世界を生きる男たちに焦点を

当て、突き抜けた爽快感のある作品世界をお届け

いたします。

また、彼らに対峙する逞しくも繊細な女たちも見ど

ころです。

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2008年、夏。

一人の青年が、あるキャンプ場へとやって来た。

夏休みの最中だというのにひと気がなく、閑散としたキャンプ場である。

青年はバンガローへ一泊したいと申し出るが、一緒にやってきた仲間もおらず、会

社も無断欠勤して来たらしいその飛び込み客に対し、従業員達は「一人の客はお

断りしているんで」と泊めたがらない。

そこへ、同じく一人旅の女がやって来た。

このキャンプ場の常連客らしいその女性客は、理由もわからず拒まれた青年のそ

ばで、いともあっさり宿泊を許される。

ストーリー : STAR MANある夏の日、男は一人でその場所にやってきた。彼にとってそれは、最後の夏になるはずだった…

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ばで、いともあっさり宿泊を許される。

青年が抗議するとその女性客は、青年に「おかしなことをしないと約束できるなら」という条件付きで、彼が宿泊することを従業員に説得してくれた。

なぜ青年のような一人客を泊めたがらないのか。その理由について、従業員達は

説明しない。

しかし、彼のように旅慣れない格好をして、衝動的にやって来たような客は「自殺志

願者」だと間違われる場合があるということを、女性客が青年に話して聞かせた。

「そんな人を見たことがあるんですか?」

青年が女性客に問うと、彼女は頷き、以前この場所にやってきたある男の話を始め

た。

ある夏の日、男は一人でその場所にやってきた。

彼にとってそれは、最後の夏になるはずだった…

そして舞台は、その男が最初にこの場所へやって来た2004年の夏に戻っていく

……。

舞台は、閑散としたキャンプ場に訪れた一人客の青年・慧生(としお)の一日を描く「2008年」と、慧生と同日にキャンプしに来た常連客・早由利(さゆり)が語る、彼女がかつて体験した同キャンプ場での「2004年~2007年」の四年間を、交互に描く形で展開する。

早由利の語る物語上での主人公は、2004年の夏に、慧生と同じく旅慣れない格好でやってきた飛び込みの一人客、星次(せいじ)。星次は寂しい人生に耐えきれず、このキャンプ場へ自殺を図るためやっ

て来た。しかし星次が、キャンプ場で働く未亡人・旬子(じゅんこ)と出会い、

自分を励ましてくれた彼女に恋をすることで状況は変わる。星次は翌年の2005年、再び彼女に会うために、キャンプ場に働きに来る

のだった。

物語が進むにつれ、従業員達が一人旅の客を泊めたがらない理由と、2008年現在この場所が閑散としているわけ、そして…その全ての原因となる過去の悲劇が浮かび上がる。

全ては、「誰かをひたむきに想うこと」から始まる。これは、罪深いほどに一人の女性を愛した、ある孤独な男の物語。

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What’s KAKUTA

KAKUTAは1996年に結成された集団です。

2001年より桑原裕子が戯曲を手掛け、年2~3本の公演を行っています。

『日常と地続きの別世界』をテーマに、見る者を選ばない親しみやすい演技体、

日常を基盤とした舞台空間をベースにしつつも、どこか非日常的な設定・要素

を盛り込み、「物語に肌で感じる共感」と「異空間へ足を踏み入れたワクワク感」

を併せ持った劇空間を展開、その独自の世界観が好評を得ています。

特異なメソッドやアイディア先行のサブカル的要素を排除し、敢えてオーソドッ

クスな演技方法・綿密なプロットによる戯曲形態を用いることで、普遍性・大衆

性を意識した作品世界を紡ぎ、『現代人の上質な娯楽』を目指しています。

2006年「ムーンライトコースター」

『日常と地続きの別世界』へ

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またKAKUTAでは、都内小劇場で上演される通常の本公演の他に、合同公

演や朗読公演、野外公演など、様々な企画の公演を行っています。

2004年「朗読の夜」

2005年「南国プールの熱い砂」

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KAKUTA History

「青春ポーズ」

2004年「ムーンライトコースター」

2003年「あおはるぽぉず‘72」

1996年 2月 金井博美・桑原裕子・田村友佳により旗揚げ。劇団名は三人の頭文字から。

2000年 3月 パルテノン多摩小劇場フェスティバル出場。

2001年 3月 『とまと2001』この作品より桑原裕子が脚本を手掛ける。

2002年 8月 『北極星から十七つ先』この作品で観客動員1000人を突破。

2003年 9月 『青春ポーズ』『あおはるぽぉず‘72』再演作と新作を12日間日替わりで連続上演。1800人を動員。

2004年 1月 KAKUTAとアルケミスト『朗読の夜』ミュージシャン・アルケミストをゲストに招き、音楽朗読劇を上演。

2004年 5月 KAKUTA花やしき公演『ムーンライトコースター』閉園後の遊園地・花やしき園内全体を利用して上演した初の野外公演。画期的な企画形態が話題を呼んだ。

2004年 8月 KAKUTAと麻生美代子『女の夜』

52005年「北極星から十七つ先」 2006年「満天の夜」

2004年 8月 KAKUTAと麻生美代子『女の夜』

朗読公演第二弾。『サザエさん』のふね役でお馴染みの声優・麻生美代子を迎え、川上弘美の短編小説を上演。

2004年10月 第14回公演『Root Beers』ロサンゼルスを舞台とし、英語・日本語・韓国語の3カ国を用い

た作品を上演。

2005年 5月 第15回公演『南国プールの熱い砂』 青山円形劇場青山円形劇場初進出。

2005年 9月 第16回公演『北極星から十七つ先』 シアタートラム多彩な客演陣を迎えたダブルキャスト公演。

2006年 2月 KAKUTAとアルケミストとスターホール『満天の夜』町田のプラネタリウムを利用した音楽朗読劇。

2006年 6月 KAKUTA花やしき公演『ムーンライトコースター』花やしき借り切り野外公演をパワーアップして再演。

2007年 1月 第18回公演『甘い丘』 シアタートラム

この作品が岸田國士戯曲賞最終候補作となる。

2007年 6月 KAKUTAと川上弘美『神様の夜』川上弘美の短編小説集を3週間4プログラムに分けてすべて上演。

2008年 1月 第19回公演『目を見て嘘をつけ』

2008年 6月 KAKUTA漢祭り2008inJapan公演『Root Beers』シアタートラム

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劇場 こどもの城 青山円形劇場〒150-0001 東京都渋谷区神宮前5-53-1

スケジュール

チケット料金 前売3500円 当日3800円 学生割引3000円

• 本公演に関する取材等ございましたら、劇団連絡先までご連絡ください。

• 舞台写真のご提供や、稽古場の撮影や取材等もお受けいたします

マスコミご担当者の皆様へ

青山演劇LABO#001KAKUTA OTOKO-MATSURI 2008

作・演出 桑原裕子

9/27(土)

9/28(日)

9/29(月)

9/30(火)

10/1(水)

10/2(木)

10/3(金)

10/4(土)

10/5(日)

15:00 15:00 休演日 14:00 15:00

19:30 19:30 19:30 19:30 19:00

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前売 円 当日 円 学生割引 円チケット発売 2008年8月31日(日)予定

キャスト

成清正紀 若狭勝也 原扶貴子

高山奈央子 松田昌樹 大枝佳織

横山真二 馬場恒行 桑原裕子

青木岳美 内田健介 小堀友里絵

• 舞台写真のご提供や、稽古場の撮影や取材等もお受けいたしますので、ご相談いただければと存じます。

– 稽古は8月下旬より開始しております。稽古場はその都度変わりますので、稽古場の取材に関しましてはお早めにご連絡下さいますよう、よろしくお願いいたします。

• 桑原裕子ほか各劇団員への取材をご希望の際も、劇団までご連絡下さい。

お問い合わせ: 担当:成清正紀・前川裕作Tel:090-6311-1996Fax:03-5774-5874E-mail:[email protected]

〒150-0002東京都渋谷区渋谷2-7-6-302

スタッフ

舞台監督 横尾友広

音響 島貫聡

舞台美術 田中敏恵

照明 三嶋聖子(SEW)

選曲 真生

衣裳 山崎留里子

宣伝写真 相川博昭

宣伝美術 川本裕之

演出助手 山崎総司

制作助手 横内里穂

小野由香

制作 前川裕作田村友佳

企画・製作 K.K.T.

提携 こどもの城青山円形劇場

協力イマジネイション

AIR AGENCY

現代制作舎JVCエンタテインメント

ノックス

Y・M・O

財団法人東京都歴史文化財団

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ご参考:「甘い丘」劇評

2007年1月24日の読売新聞夕刊に、KAKUTA第19回公演『甘い丘』の劇評が掲載されました。

凝った演出やサブカル的要素が注目されがちな小劇場界で、結成11年になるこ

の劇団は少数派だろう。主宰で作・演出の桑原裕子はオーソドックスな手法で親し

みやすい劇世界を作る。2年ぶりの新作では青春の盛りを過ぎ、愛を渇望する女た

ちの群像劇だ。

町外れの丘の上にあるサンダル工場。異臭や煙の問題から町内で疎んじられ、住

み込みで働く女たちも、世間に顔向けしづらい事情を抱えていた。作家志望の若者

を囲う工場主の楓(かえで)(高島雅羅)、自殺未遂を繰り返す、ちひろ(桑原)、横領

の前科を持つ茜(大枝佳織)ら変わり者ばかり。夫に捨てられた、かの子(椿真由美)

が社員寮の世話係として働き始めた。

女たちの叫び 生々しく描く

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描かれるのは、女たちのトラブルとかの子の存在で人間関係が修復される物語だ。

そこだけ書くと、ありがちな美談のようだが、桑原の手にかかると違う。

まず、複雑な内面を持つ登場人物を造形した。例えば、かの子は「聖女」でない。

夫への復讐(ふくしゅう)を企(たくら)みながらも迎えに来るのを心待ちにし、一方で

工場の女たちを見下している。

だが、恋人から虐待されるちひろ、帰宅を迫る茜と姉との口論など、矢継ぎ早に起

こる事件が女たちのかたくなな心に揺さぶりをかけ、心の叫びをはき出させる。「女と

して愛されたい」「虚勢を張っても注目されたい」――。

傷をさらけ出し合った結果、「とんでもない場所」が「甘い丘」に変化していく。きず

なが芽生える様子が、四季の変化を映し出す舞台で、工場とかかわる男たちとのロ

マンスを絡めて描かれる。一つ終わればまた一つという調子でエピソードを繰り出す

テンポも良く飽きさせない。

桑原の筋運びと構成力の巧みさ、繊細に心情をつむぎ出す役者の充実が感じら

れた。(祐成秀樹)

――28日まで、三軒茶屋・シアタートラム。

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ご参考:「Root Beers」劇評

2008年6月20日の朝日新聞夕刊に、KAKUTA公演『Root Beers』の劇評が掲載されました。

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