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ICT機器活用事例集 ~授業改善の一手段としての ICT 機器活用~ 釧路教育研究センター 研究紀要181号

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ICT機器活用事例集 ~授業改善の一手段としての ICT 機器活用~

釧路教育研究センター

研究紀要181号

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~目 次~

■巻頭言

釧路市教育委員会 教育指導参事 秋保 和久

■発刊にあたって

教育工学研究専門委員会 委員長 鈴木 穣

■なぜ,ICT機器を活用した授業を行うのか? ・・・ 1

■どのようにしてICT機器を活用した授業を行うのか?

・・・ 2

■ICT機器活用の実践事例

①導入場面における活用 【実践事例 1~ 8】 ・・・ 3

②展開場面における活用 【実践事例 9~28】 ・・・ 7

③まとめ場面における活用【実践事例29~32】 ・・・17

④その他 【実践事例33~36】 ・・・19

■ICT機器活用の効果~児童生徒アンケートから~ ・・・21

■研究の成果と課題 ・・ ・・・・・・・・・・ ・・・24

■【資料】授業実践資料 ・・・25

■研究を終えて

教育工学研究専門委員会 副委員長 佐藤 義人

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◆ 巻 頭 言

釧路市教育委員会

教育指導参事 秋 保 和 久

学力向上への社会的な関心の高まりの中で改訂された現行の学習指導要

領では、授業におけるICTの活用がその有効な方法の一つとして重点的

に提唱されています。そこでは、ICTの活用能力の育成を目指す情報教

育の充実だけではなく、各教科における学力向上に有効な教材教具として

ICTを活用することを求めています。すなわち、ICTを活用する目的

はICTを活用すること自体ではなく、子どもたちの各教科等の理解を促

進することであり、ICTの活用は授業改善のための一手段であると言え

ます。

このようなことから、釧路市教育委員会では、平成26年度から「確か

な学力向上推進事業」の一環として、ICT機器を活用した分かる授業の

取組を推進しています。具体的には、実物投影機をはじめとするICT機

器の活用を促進し、授業に即した教材や学習内容等を効果的に提示するこ

とにより、分かる授業を展開し、子どもたちの「確かな学力」の確立に向

けて、指導の充実を図ることを主な目的としています。また、ICTは黒

板と同様に授業環境の一つであり、必要な時に使えることが大切ですが、

板書技術と同じように教師が「どんな場面でどのように用いればいいか」

という、授業改善に直結した力を持っていることが重要であることから、

教育研究センターでは、昨年9月にICT機器の活用についてセンター講

座を開催したところであります。

このような中、本研究専門委員会では2年間に渡って、ICT機器を用

いた効果的な授業の在り方について調査研究を継続し、このたび「ICT

機器活用事例集」と題した研究紀要を発刊する運びとなりました。ICT

機器の活用については、学校によって機器の設置状況や取組は様々だと思

いますが、本紀要を、それぞれの学校の実情に合わせてご活用いただけれ

ば幸いです。

結びに、本研究の推進にあたり、お力添えをいただきました関係各位を

はじめ、2カ年にわたり熱心な調査研究活動に取り組まれました担当研究

所員・研究専門委員の先生方のご苦労に心から感謝申し上げ、研究紀要発

刊にあたってのご挨拶といたします。

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◆発刊にあたって

教育工学研究専門委員会

委員長 鈴 木 穣

学習指導要領では,情報教育や授業におけるICT活用など,学校にお

ける教育の情報化について一層充実が図られることとなりました。また,

「教育の情報化に関する手引」(平成 22 年文部科学省)で,「教育の情報

化」とは,

・情報教育

~子どもたちの情報活用能力の育成~

・教科指導におけるICT活用

~各教科等の目標を達成するための効果的なICT機器の活用~

・校務の情報化

~教員の事務負担の軽減と子どもと向き合う時間の確保~

の3つから構成され,これらを通して教育の質の向上を目指すものであり,

授業においては,効果的にICTを活用し,子どもたちの学習に対する意

欲や興味・関心を高め,「わかる授業」を実現することが求められています。

本研究専門委員会では,特に教科指導におけるICT機器活用に重点を

置き,「ICT機器を用いた効果的な授業のあり方」について平成25・2

6年度の2年間研究を進めてまいりました。研究では,ICT機器を活用

することにより,教師が授業改善を図り,児童生徒の学力を向上させるこ

とをねらいとして,

・授業を通したICT機器の効果的な活用

ICT機器を活用することで,より効果的にねらいに迫ることができ

る有効的な活用方法を考える。

・実物投影機の多様な活用方法

今後,活用の機会が増えると予想される実物投影機については,各場

面における活用目的や内容,評価などの活用例を集約する。

・ICT機器の活用とアンケート

ICT機器の活用効果を客観的にとらえるためにアンケートを行い,

「関心・意欲」の高まりを検証する。

の3つを研究の視点として取り組みました。

授業におけるICT機器の活用とは,ICT機器を活用すること自体が

目的であってはいけません。その授業の目標を達成するためにICT機器

を活用することをいいます。子どもたちの学力を高めるための手段として,

ICT機器を適切な場面で効果的に活用してもらうことが本研究専門委員

会の役割であると考えています。本研究紀要が,先生方の今後の教育実践

の一助に,さらには釧路市の小・中学校のICT機器を活用した授業の参

考になることを願っております。

最後になりましたが,本研究を進めるにあたり,適切なご指導,ご助言

を賜りました皆様や,お世話になったすべての先生方に心よりお礼申しあ

げます。

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ICT機器を授業で活用することにより,従来とは異なる学習方法や学習形態をとることができ,児童生徒の興

味・関心を高めることができる。

ICT機器を活用すると,同じ学習内容を扱う場合であってもわかりやすく授業を展開することができる。また,

これまで扱うことが不可能,または困難であった学習内容を教えることができると考えられている。

なぜ,ICT機器を活用した授業を行うのか?

◆“ICT機器”の活用 ICT とは,Information and Communication Technology「情報コミュニケーション技術」

授業を改善するために,ICT機器をどのよ

うに活用できるかに焦点化した。

ICT機器とは・・・ パソコン,プロジェクタ,実物投影機,

デジタルカメラ,ビデオカメラ,

IC レコーダーなど

◆授業改善の一手段として・・・ 児童生徒の学力向上のためには,“授業改善”が丌可欠である。授業改善の手段には,言語活動の充

実や発問の工夫などいろいろな手段があるが,ここでは,ICT機器の活用に着目した。

学習課題の設定

振り返りの場面 言語活動の充実

学習規律の確立 板書・ノート作り

授業評価の工夫

発問の工夫

ICT機器の活用 児童生徒の学力向上

ここに着目!!

◆「学習指導要領」や「教育の情報化に関する手引」から 文部科学省から出されている「学習指導要領」や「教育の情報化に関する手引」では,“教科の目

標を達成するために教員や児童生徒が ICT を活用すること”や“授業の中で ICT を効果

的に活用し,指導方法の改善を図りながら,学力向上につなげていくこと”が重要である

と示されている。

基礎的・基本的な知識,技能を習得させるとともに,

それらを活用して課題を解決するために必要な,思考

力・判断力・表現力などを育成し,主体的に学習に取

り組む態度を養うためには,児童生徒がコンピュータ

や情報通信ネットワークなどの情報手段に適切に活用

できるようにすることが重要である。また,教師がこ

れらの情報手段や視聴覚教材,教育機器などの教材・

教具を適切に活用することが重要である。

【参考資料 「小学校,中学校,高等学校

及び特別支援学校の学習指導要領解説総則編」】

【学習指導要領からみた教科指導での ICT 活用の重要性】

学習指導要領の総則において,教師がコンピュータや情

報通信ネットワークなどの「情報手段に視聴覚教材や教育

機器などの教材,教具の適切な活用を図ること」と記述さ

れている。また,「これらの教材・教具を有効,適切に活用

するためには,教師はそれぞれの情報手段の操作に習熟す

るだけでなく,それぞれの情報手段の特性を理解し,指導

の効果を高める方法について絶えず研究することが求めら

れる」と記述されている。これらの記述は,教科指導にお

ける ICT 活用の必要性を特に述べているものであり,授業

の中で ICT を効果的に活用し,指導方法の改善を図りなが

ら,児童生徒の学力向上につなげていくこと。また,ICT

を「有効に」「適切に」活用することを示している。

【参考資料 「教育の情報化に関する手引」】

ICT機器の活用に取り組むことは,効果

的に授業の目標を達成させ,児童生徒の

学力向上につながる。

- 1 -

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が大切!

どのようにしてICT機器を活用した授業を行うのか?

○1時間の全てでICT機器を

使って授業するわけではない......

○ICT機器を使えば,必ず理解

が深まるわけではない。.......

ポイントを絞って

授業の1部分で

効果的に

◎本時の目標をふまえ,「どんな場面で何を見せるのか」「何をねらいとして,ICT機器を使う

のか」を考えることで,ICT機器を活用した効果が高まる!!

ICT機器活用の目的や効果を考えて使うことが重要!!

◆活用の場面 ICT機器活用の場面を『導入』『展開』

『まとめ』に分けて考え,どの場面でどんな

活用方法があるかについてまとめた。

導入 展開 まとめ

◆活用の目的 ICT機器を活用することが目的にならないようにすることが大切である。そこで,ICT機器

を「どのように」活用すると効果的なのかを「授業改善のための教師による ICT 機器活用の目的」

としてまとめた。「教育の情報化に関する手引」をもとに,大きく4つに分けて考えている。

ICT機器活用の場面・目的・効果

ICT機器活用の目的

①学習に対する児童生徒の

①興味や関心を高める

②児童生徒1人1人に

②課題を明確につかませる

③児童生徒にわかりやすく説明する,

児童生徒の思考や理解を深める,

技能を習徔させる

④児童生徒の

④知識の定着を図る

◆期待する効果 上記のような目的で ICT 機器を活用

したときに,どのような効果が期待で

きるかについて考えた。

ICT 機器活用の目的が「児童生徒の

の学力向上」であるため,期待する効

果も4観点(関心・意欲・態度,思考・表

現,技能,知識・理解)で表した。

関心・意欲・態度 ○学習に対する集中力が高まる。

○課題意識が高まる。

○授業での発言が積極的になる。

思考・表現 ○気付きや発見が増え,自ら考える力が

付く。

○多様な視点で考える力が高まる。

○自分で説明する力が高まる。

技能 ○正確に読み取る力や

効率的に取り組む力

が高まる。

知識・理解 ○学習した内容がしっ

かりと身に付く

- 2 -

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ICT 機器活用の実践事例を「導入」(8事例)・展開(20事例)・まとめ(4事例)・その他(4事例)

にまとめている。目的を明確にして使用した際,どのような効果があったかを使用場面で整理した。

実践事例 1

学 年 小学校 第3学年 【写真】

教科・単元 国語 「まわりに目を向けて詩を書こう」

目 的 興味や関心を高めるため

実践内容

詩の学習の導入段階で,昨年度の 3年生が書いた詩

の作品をいくつか拡大投影した。全員で読んだり,表

現の工夫に目を向けたりした。

評 価

全員で詩を読んでみたり,話し合ったりすることを

通して,詩を書くことへの関心を高めることができた。

また,詩のテーマや表現の工夫についても触れること

で,詩のテーマをよくとらえたり,表現の工夫を参考

にしたりすることができた。

拡大投影した映像を残しておくことはできないの

で,詩の作品が載っている冊子を教室におき,随時見

られるようにしておいた。

実践事例 2

学 年 小学校 第3学年 【写真】

教科・単元 社会「わたしたちのまちはどんなまち」

目 的 わかりやすく説明するため

実践内容

実物投影機で方位磁針を拡大投影し,使い方を確認

した。

評 価

方位磁針の使い方をよく理解していた。個々で方位

磁針を使用する際にも,使用の仕方という点で戸惑う

様子は見られなかった。

導入場面における活用

ICT機器活用の実践事例

- 3 -

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実践事例 3

学 年 小学校 第4学年 【写真】

教科・単元 社会 「ゴミはどこへ」

目 的 興味・関心を高めるため

目 的 課題を明確につかませるため

実践内容

ゴミの分別を考える場面で活用した。ゴミの写真を

拡大投影し,捨て方を考えたり,話し合ったりした後,

「ゴミをどのように分別するか」という課題につなげ

た。

評 価

電子黒板も活用し,画面上で写真を動かしながら,

自分の考えを発表することができた。いろいろな考え

方が出たので,そこから課題につながり,意欲的に「ゴ

ミの分別の仕方」を調べることもできた。

実践事例 4

学 年 小学校 第6学年 【図①】

【写真①】

教科・単元 算数 「拡大図と縮図」

目 的 興味・関心を高めるため

目 的 課題を明確につかませるため

実践内容

拡大図と縮図の1時間目に活用した。導入の画面で,

拡大図や縮図とはどのようなものなのかという課題意

識をもたせるため,図①を拡大投影した。次に,単純

な図形を使いながら「大きさは違っても同じに見える

形」について話し合ったのち,教科書の図を拡大投影

した。(写真①)

評 価

図①を見ながら,上の図と同じに見える形はどれな

のかを話し合ったが,意見が分かれた。実際に上の図

と重ね合わせて確かめる中で,縦だけ伸ばしたり,横

だけ伸ばしたりすると同じ形には見えないことを全員

で共有でき,課題を把握させることができた。

導入

- 4 -

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実践事例 5

学 年 小学校 第6学年 【写真】

教科・単元 理科 「水よう液」

目 的 課題を明確につかませるため

実践内容

「炭酸水に溶けているものは何か」という課題を把

握させるために,ビーカーに炭酸水を注ぐ様子を拡大

投影した。さらに,出てくる泡に着目させることで,

予想に生かした。

評 価

泡に着目させることで,これまでの学習内容と関連

付けて思考することができた。さらに,これからの実

験への意欲付けにもなった。

実践事例 6

学 年 中学校 第1学年 【写真】

教科・単元 理科 「水溶液」

目 的 わかりやすく説明するため

(技能を習徔させる)

実践内容

実験の手順を説明するときに,「ろ過」の操作の仕方

に重点をおいて指導した。教師による演示を拡大投影

し,正しい操作方法や留意点を伝えた。

評 価

「ろ過」の操作は,小学校の既習内容だが,操作経

験の尐なさから,十分に技能が身に付いているとは言

えない。

教師による演示の操作を拡大投影することで,

・液は,ろ紙の八分目以上入れない。

・ろ過する液は,ガラス棒を伝わらせて注ぐ。

・ガラス棒は,ろ紙が重なっている部分に近づける。

・ろうとの先の長いほうをビーカーの壁につける。

などの操作方法を身に付けることができた。

導入

- 5 -

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実践事例 7

学 年 小学校 第4学年 【写真】

教科・単元 図工 「彫刻刀の使い方」

目 的 わかりやすく説明するため

(技能を習徔させる)

実践内容

彫刻刀の種類や特徴,彫刻刀を使う際に注意するこ

となど,実際に彫刻刀と板を使いながら説明を行った。

評 価

実演を通しての説明により,彫刻刀によって,彫り

の様子や彫るのに適している場所,使い方の注意点な

どの理解を深めることができた。

注意点では,彫刻刀の持ち方や手の位置など,危険

な使い方にならないように指導でき,大変効果的だっ

た。また,板を動かして彫ることで安全に作業できる

ことも説明できた。

実践事例 8

学 年 中学校 第1学年 【写真】

教科・単元 美術 「手でつくる心

ペーパーナイフをつくる」

目 的 わかりやすく説明するため

(技能を習徔させる)

実践内容

第3時までに板材にデザインを描き,彫り始めの第

4時で使用した。導入時には,生徒のデザインをいく

つか紹介し,切れやすいことと持ちやすいことのデザ

イン上の注意事項を交流した。また,終末場面では本

時の課題である『「刃」を斜めの断面になるよう,安全

に彫り進めよう。』が達成できたかどうか,生徒作品を

紹介することで全体で振り返る場面を設けた。

評 価

デザインの注意事項を確認したことで,その後の作

業でも機能美をいかしたデザインを維持しつつ彫り進

めることができていた。また,実物投影機を使用する

ことで,短時間で全員が確認することができ,作業時

間を確保することができた。

導入

- 6 -

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実践事例 9

学 年 小学校 第1学年 【写真】

教科・単元 国語 「詩を書こう」

目 的 わかりやすく説明するため

(技能を習徔させる)

実践内容

「詩」の学習において,詩を書く際の注意点を実際

の「詩」をもとに,指導を行った。

評 価

詩の改行の方法やコツなど,詩を書くときの指導内

容を,実物の詩を活用して説明することにより,児童

に理解させることができた。

実践事例 10

学 年 小学校 第5学年 【写真】

教科・単元 国語 「効果的に発表しよう」

目 的 わかりやすく説明するため

(思考や理解を深める)

実践内容

児童が,集めた情報の中から話す内容を考えた後,

プレゼンテーションの形式で発表する際に活用した。

準備した資料を児童が実物投影機で拡大投影しながら

発表した。

評 価

情報を集める際に,わかりやすく伝えるための資料

も同時に準備させた。資料自体を拡大する必要がない

ため,時間をかけずに資料を準備することができた。

また,発表を聞く側にとっては,資料が大きくて見

やすく,関心を持って発表を聞く姿が見られた。

展開場面における活用

- 7 -

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実践事例 11

学 年 小学校 第6学年 【写真】

教科・単元 書写 「文字の組み立て方」

目 的 わかりやすく説明するため

(技能を習徔させる)

実践内容

本時の目標は「中と外の部分に気をつけて書く」こ

とである。「歴」の中の部分は文字の中心より尐し右へ

ずらして書くこと,「史」は,左はらいの出だしを中心

にそろえることを手本を拡大投影しながら全員で確認

した。

評 価

実物投影機を活用して拡大投影することで,本時の

めあてを共有できた。手本を使った確認だけでなく,

教師が実際に書いてみせたり,練習の途中でめあてを

意識している児童の作品を見合ったりすることでより

効果が高まった。

実践事例 12

学 年 小学校 第6学年 【写真】

教科・単元 社会 「武士の世の中」

目 的 わかりやすく説明するため

(思考や理解を深める)

実践内容

長篠の戦いの挿絵を拡大投影した。注目させたい所

を部分的に拡大し,全員で共有しながら学習を進めた。

評 価

児童の気付きを共有でき,戦術の理解につながった。

細かい部分も拡大投影することができ,わかりやすく

説明することもできた。

展開

- 8 -

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実践事例 13

学 年 小学校 第3学年 【写真】

教科・単元 算数 「分数」

目 的 わかりやすく説明するため

(思考や理解を深める)

実践内容

分数の加法の場面を図や数直線で考えた後,考えを

示したノートを拡大投影しながら,集団解決を行った。

評 価

1Lますの図をもとに,考え方を示す児童が多く,

共通点や 5分の1という単位分数に着目して,考えを

深めることができた。多くの児童が,自分の考えと拡

大投影された友達の考えを比べることができた。

実践事例 14

学 年 小学校 第4学年 【写真】

教科・単元 算数 「角」

目 的 わかりやすく説明するため

(技能を習徔させる)

実践内容

角度をはかる学習や角を作図する学習で,教科書や

ノートを拡大投影しながら,分度器の使い方を説明し

た。

評 価

角度をはかる学習では,分度器の置き方や読み方を

児童と一緒に確認しながら行うことができた。また,

180°を超える角をはかるときにも,考え方を交流

しながら学習を進めることができた。

角を作図する学習では,手順を説明した後,児童が

作図する様子を投影したので,全員でかき方の確認を

することもできた。

展開

- 9 -

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実践事例 15

学 年 小学校 第6学年 【写真】

教科・単元 算数 「分数のかけ算」

目 的 わかりやすく説明するため

(技能を習徔させる)

実践内容

練習問題を行う際に活用した。問題の中に,平行四

辺形の面積を求める問題があった。教科書の図を拡大

投影し,底辺と高さを全員で確認し,「底辺と高さは垂

直であること」も押さえた。

評 価

平行四辺形の公式は5年生の既習事項である。しか

し,尐人数指導で担当する児童の実態から,高さを間

違えることが予想されたため,実物投影機を活用した。

全員がその問題を解決することができたのはもちろん

だが,底辺と高さの関係についても改めて確認するこ

とができたことで,定着を図ることができた。

実践事例 16

学 年 小学校 第6学年 【写真】

教科・単元 算数 「分数のわり算」

目 的 わかりやすく説明するため

(技能を習徔させる)

実践内容

3つの分数のかけ算,わり算の学習で活用した。練

習問題で計算の仕方を発表する際に,児童のノートを

実物投影機で拡大投影した。

評 価

児童のノートを直接拡大投影したので,準備もほと

んどなく考えを伝え合うことができた。また,拡大投

影された友達のノートを見ながら計算の仕方を考えた

り,発表したりする活動を取り入れたことで,たくさ

んの児童が授業に参加することができた。

一人のノートを映し続けることができないので,計

算のポイントなどを板書に残すことが大切である。

展開

- 10 -

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実践事例 17

学 年 小学校 第6学年 【写真】

教科・単元 算数 「比例と反比例」

目 的 わかりやすく説明するため

(技能を習徔させる)

実践内容

比例のグラフのかき方を説明する場面で活用した。

表をもとに,どのような手順でグラフをかいたのかを

拡大投影して説明を行った。

評 価

教科書をそのまま使い,手順を説明したので時間を

短縮できた。また,補足説明する際に,実際に書き込

めるので,臨機応変に対応することができた。

実践事例 18

学 年 中学校 第2学年 【写真】

教科・単元 数学 「平行と合同」

目 的 わかりやすく説明するため

(思考や理解を深める)

実践内容

多角形の内角の和のいろいろな求め方を考えた後,

自分のワークシートを実物投影機で拡大投影したり,

実際に書き込んだりしながら説明し,全員で理解を深

めた。

評 価

自分のワークシートを映すことで,発表のために考

え方をボードや掲示物にまとめ直す時間を省くことが

でき,考える時間や交流する時間を十分に確保できた。

展開

- 11 -

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実践事例 19

学 年 小学校 第5学年 【写真】

教科・単元 理科 「流れる水のはたらき」

目 的 わかりやすく説明するため

(思考や理解を深める)

実践内容

侵食・運搬・堆積のモデル実験を行い,その様子を

撮影した。それをもとに,教室内で水のはたらきにつ

いて話し合うための資料として拡大投影した。

評 価

実際に観察したものを想起しながら考えることがで

き,侵食のはたらきが見られる部分を指しながら考え,

理解を深めることができた。

実践事例 20

学 年 小学校 第6学年 【写真】

教科・単元 理科 「植物の体のつくりとはたらき」

目 的 わかりやすく説明するため

(思考や理解を深める)

実践内容

葉の表皮を観察し,気孔をとらえる際に使用した。

顕微鏡と実物投影機とを顕微鏡アタッチメントレンズ

でつなぎ,顕微鏡で見える画像を拡大投影し,気孔が

どのようなものなのかを全員で確認した。

評 価

顕微鏡を使う学習の際に,児童から「見えない」と

相談されることも多いが,見えているのにどれが観察

の対象となるものなのかを理解していないことも多

い。そのようなときに,顕微鏡で見えているものを拡

大投影することは,大変効果的である。本時も「(気孔

が)ない」という声が上がったが,拡大投影した画像

を使って全員で気孔を確認することで,気孔とはどの

ようなものなのかを理解することができ,自分たちで

気孔を観察することができた。

ただ,機器の角度や高さの調整が必要なため,事前

に機器をつなぎ,準備しておくことが大切である。

展開

- 12 -

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実践事例 21

学 年 小学校 第6学年 【写真】

教科・単元 理科 「人の体のつくりとはたらき」

目 的 わかりやすく説明するため

(思考や理解を深める)

実践内容

吸いこむ空気とはき出す息のちがいについて気体検

知管を使って調べる演示実験で活用した。演示実験の

結果を拡大投影することで,クラス全員で共有した。

評 価

展開の場面で演示実験を行い,実物投影機を活用し

てその結果を全員で確認した。短時間で実験の結果を

確認するだけでなく,目もりの読み方も確認すること

ができた。

実践事例 22

学 年 小学校 第6学年 【写真】

教科・単元 理科 「水よう液」

目 的 わかりやすく説明するため

(技能を習徔させる)

実践内容

リトマス試験紙を使った実験の仕方について,ガラ

ス棒の扱いや液のつけ方などについて拡大投影しなが

ら説明した。

評 価

実験手順についての理解が深まり,自主的に実験に

取り組む姿が見られた。また,器具の扱い方を一度の

説明で理解させることができた。

展開

- 13 -

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実践事例 23

学 年 中学校 第3学年 【写真】

教科・単元 理科 「化学変化とイオン」

目 的 思考や理解を深めるため

実践内容

前時の実験結果を拡大投影し全員で共有した。(「塩

酸と水酸化ナトリウム水溶液を混ぜ合わせよう」で,

BTB 液が緑色になった水溶液から水を蒸発させて残

った物質を顕微鏡観察したスケッチを拡大投影)

実験記録(スケッチ)の結晶の様子をもとに,残っ

た物質が塩化ナトリウムであることを想起させた。

評 価

スケッチにある特徴的な結晶の形から,物質の正体

が塩化ナトリウム NaCl であることに気づいた生徒も

いた。また,その生徒たちは,水溶液中に Na+や Cl-

が存在することからも,残った物質が塩化ナトリウム

であろうと結論付けていた。さらに,理科としての「ス

ケッチのかき方」を改めて確認することができ,今後

に活かそうとする発言が多く聞かれた。

実践事例 24

学 年 小学校 第6学年 【写真】

教科・単元 図工 「墨から感じる形や色」

目 的 わかりやすく説明するため

(技能を習徔させる)

実践内容

墨の濃さによって描く順番を変えるなど,書写と

は違った水墨画特有の描き方をスクリーン上で説明

した。

評 価

手元にあるものと同じものを見せたことで,技術

的な内容を一度の説明で児童に理解させることがで

きた。その後の作業にもスムーズに入ることができ

ていた。

展開

- 14 -

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実践事例 25

学 年 小学校 第6学年 【写真】

教科・単元 家庭 「くふうしよう朝の生活」

目 的 わかりやすく説明するため

(技能を習徔させる)

実践内容

野菜炒めの調理実習の際に活用した。計画をたてる

段階で,「強火で,短時間で炒める」というポイントは

確認していたが,短時間とはどの程度の時間なのか見

通しを持たせたいと考え,実際に炒めるところを実物

投影機で拡大投影し,全員で確認した。

評 価

すべてのグループが野菜を切り終わった後に実演し

たため,多尐待ち時間はあったものの,実演が始まる

と集中して見ていた。また,グループごとに炒める野

菜がちがうため,難しさはあったが,ほとんどのグル

ープが上手に作っており,野菜炒めのポイントを理解

するだけでなく,意欲を高める点でも効果的だった。

実践事例 26

学 年 小学校 第6学年 【写真】

教科・単元 体育 「跳び箱運動」

目 的 技能を習徔させるため

実践内容

導入場面では,実際の技の動画を見せ,説明を行っ

た。児童にイメージを明確にもたせるようにした。さ

らに,展開場面では,とび箱を跳ぶ様子を動画撮影し,

即座にその動画を見せることで,練習する課題をもた

せるようにした。

評 価

とび箱を跳ぶ様子を客観的にとらえることは難し

い。ビデオを活用することにより,課題を児童自身に

自覚させることができ,目標をもって取り組むことが

できた。

展開

- 15 -

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実践事例 27

学 年 小学校 第6学年 【写真】

教科・単元 音楽 歌唱指導・口の開け方

目 的 技能を習徔させるため

実践内容

大きく口を開けて歌う意識付けをするために,歌っ

ている姿を拡大投影し,自分の口の大きさを客観的に

見せた。

評 価

思ったよりも口が開いていないことに気付く児童が

多く,課題意識をもちながら歌唱練習に取り組むこと

ができた。

実践事例 28

学 年 小学校 第6学年 【写真】

教科・単元 外国語活動 「Turn right」

目 的 知識を定着させるため

実践内容

画面を見ながら発音を聞き、繰り返し発音すること

で,施設の名前の定着を図った。

評 価

ネイティブの発音を聞くことができ,画面と合わせ

て覚えていくことができた。自信をもって発音するこ

とができていた。

展開

- 16 -

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実践事例 29

学 年 小学校 第3学年 【写真】

教科・単元 理科 「植物を育てよう」

目 的 知識を定着させるため

実践内容

ホウセンカを拡大投影した。一人一人が観察した後,

全員で,子葉と葉の違いや根・茎・葉の様子を,確認

した。

評 価

全員でホウセンカの体のつくりを確認し,根・茎・

葉といったつくりについて理解を深めることができ

た。あらゆる角度からホウセンカを見ることができ,

児童の観察の視点をひろげるといった点でも有効だっ

た。

植物を拡大投影する場合は,映す角度などの難しさ

もあったが,見えにくいところでも全員で共有しなが

ら確認することができた。

実践事例 30

学 年 小学校 第4学年 【写真】

教科・単元 理科 「電気のはたらき」

目 的 思考や理解を深めるため

実践内容

乾電池の向きを逆にして,流れる電流の向きが変わ

ると,モーターが反対に回転する様子を実物投影機で

拡大投影した。児童が一人一人自分で実験した後,全

員で確認した。

評 価

プロペラの回転速度があがると分かりづらくなる

が,スイッチの ON と OFF を上手に使うと児童に見

やすく提示できた。プロペラが回転している方向を電

子黒板の画面に記入すると,「電流の流れる向きが変わ

ると,プロペラが反対に回転する様子」が分かりやす

くなり,理解を深めることができた。

まとめ場面における活用

- 17 -

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実践事例 31

学 年 小学校 第5学年 【写真】

NHK for school

理科 ふしぎがいっぱい

「インゲンマメのめがでる様子」より

教科・単元 理科 「植物の発芽と成長」

目 的 知識を定着させるため

実践内容

観察を終えた後に,植物の発芽と成長の動画を見る

ことで,観察したことと実際の成長を関連させて理解

できるようにした。

評 価

実際に見ることのできない地中の様子や子葉が出る

までの動きなどを見ることで,観察したことと比べて

考えたり,さらに興味を深めたりすることができた。

実践事例 32

学 年 中学校 第3学年 【写真】

教科・単元 数学 「平方根」

目 的 知識を定着させるため

実践内容

√𝑛 の形で表された数を 𝑎√𝑏 の形に変形する授業

のまとめで,計算の中でよく出てくる例をフラッシュ

教材として生徒に提示し,答える練習を行った。

評 価

最初は時間がかかっていた生徒も,根号の前に出す

数字(根号内の平方数)を見つけるコツをつかめるよ

うになった。また,この時間のまとめだけでなく,次

時以降の授業の始めでも何度か行ったところ,計算の

スピードが速くなり,間違いも尐なくなった。

まとめ

- 18 -

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実践事例 33

学 年 小学校・中学校 全学年 【写真】

学 年 「ノート指導」

目 的 わかりやすく説明するため

実践内容

ノート指導において,先輩のノートを拡大投影し,

ノートづくりの工夫点を多数紹介することで,望まし

いノートの使い方について確認した。

評 価

先輩たちのノートを多数見て,今後のノートづくり

の参考としていた。各自,自分なりに取り入れること

ができそうな工夫点を考えていた。また,その後のノ

ートのづくりに明らかな向上が見られた。

実践事例 34

学 年 小学校全学年 【写真】

学 年 「原稿用紙の使い方」

目 的 わかりやすく説明するため

実践内容

作文用紙を拡大投影し,ホワイトボードに文章やマ

スのあけ方を書いて示し,マスのあけ方や改行につい

て確認した。また,マスに対してどの位置に句読点を

打つかも確認できた。

評 価

黒板や口頭で何度か説明しても,間違えてしまう児

童も,マスのあけ方や句読点の打ち方をよく理解して

いた。

原稿用紙全体ではなく,半ページのみを拡大投影す

るとマスを大きく見せることができるので,よりわか

りやすく説明することができた。

その他

- 19 -

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実践事例 35

学 年 小学校・中学校 全学年 【写真】

学 年 「辞典の使い方」

目 的 わかりやすく説明するため

実践内容

漢字辞典の使い方を学習する際に、漢字辞典を拡大

投影した。部首索引・音訓索引・総画索引を用いて漢

字を見つける方法を説明した。

評 価

ページや行数などを口頭で説明してもなかなか理解

することができなかった子どもでも、同じ辞典を拡大

投影しながら説明すると、スムーズに辞書を活用する

ようになった。

また、熟語の意味などを調べるときも、辞書を拡大

投影することで全員で確認することができた。(国語辞

典でも同様に活用することができ、言葉の意味を全体

で確認することができた。)

実践事例 36

学 年 小学校 全学年 【写真】

学 年 「学習道具の置き方」

目 的 わかりやすく説明するため

実践内容

学習規律の指導の一環として,学習用具の置き方に

ついての指導において実物投影機を活用した。

評 価

実際の机を使って,学習用具の配置を拡大投影する

ことによって,説明をしながら指導を進めた。口頭で

は伝えにくいことも,実際のものをみることでより細

かに伝えることができた。

その他

- 20 -

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実践資料に記載した実践事例について,ICT機器活用の目的と効果のつながりを,客観的に検証することを

目的として児童生徒アンケートを実施した。

アンケートを作成するに当たり,教師が「関心を引き出すため」「課題把握をできるようにするため」「見通しを

持たせるため」というように,ICT機器を活用する目的に対して,児童生徒がどのように受け止めたのか検証で

きるよう工夫をした。

また,教科や授業展開の違いによって教師の期待する効果は違うため,教師が授業に応じて必要な部分を用

いてアンケートを実施した。

【児童生徒アンケートの基本形】

授業にかかわるアンケート

【1】この授業で使った について教えてください。

とても思う すこし思う あまり

思わない

全く

思わない

【関心】

(例)集中して取り組むことができた 4 3 2 1

【課題把握】

(例)「何だろう」「知りたい」「やってみたい」と思った 4 3 2 1

【見通し】

(例)何を勉強するのか,よくわかった 4 3 2 1

【思考】

(例)よく考えることができた 4 3 2 1

【理解】

(例)勉強したことがよくわかった 4 3 2 1

【2】授業の感想を書いて下さい。

ICT機器活用の効果 ~児童生徒アンケートから~

- 21 -

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【アンケート結果① 小学校6年 理科 「水よう液」】

1.実践内容

「炭酸に溶けているものは何か?」という課題を把握させるために,ビーカーに炭酸を注ぐ様子を

投影した。出てくる泡に着目させることで,既習内容と結びつけさせ予想に生かした。

2.児童アンケートの結果

◎この授業で使った 実物投影機 について教えてください。

(4:とても思う 3:尐し思う 2:あまり思わない 1:全く思わない)

【アンケート結果② 小学校6年 算数 「拡大図と縮図」】

1.実践内容

拡大図と縮図のかき方を理解する場面で活用した。どうすれば拡大図がかけるのか見通しを持たせ,

それぞれがノートに拡大図をかいた後,お互いの考えを交流し合う場面で活用した。

2.児童アンケートの結果

◎この授業で使った 実物投影機 について教えてください。

(4:とても思う 3:尐し思う 2:あまり思わない 1:全く思わない)

【アンケート結果③ 中学校1年 数学「平行と合同」】

1.実践内容

多角形の内角の和の求め方を考えた後,ワークシートを実物投影機で映したり,実際に書き込んだ

りしながら説明し,全体での理解を深める。

2.生徒アンケートの結果

◎この授業で使った 実物投影機 について教えてください。

(4:とても思う 3:尐し思う 2:あまり思わない 1:全く思わない)

質問内容 アンケート結果の平均

【関心】 一生懸命学習に取り組むことができた。 3.83

【課題把握】今日はどんな学習をするのかが,よくわかった。 3.84

<児童の感想から>

〇大きなスクリーンに炭酸水の様子が映っていてわかりやすかった。 〇泡がシュワシュワしていた。その正体が知りたくなった。 〇たくさんの泡が動いていて,おもしろかった。

質問内容 アンケート結果の平均

【見通し】 どうすれば課題が解決できるかがよくわかった。 3.90

【理解】 拡大図と縮図のかき方がわかった。 3.90

<児童の感想から>

〇四角形のかき方がわかった。縮図が苦手だけど,かき方はよくわかった。 〇四角形の拡大図は,わかりやすくて,前に出て長さもはかれて楽しかったです。 〇尐し難しい問題だったけど,答えることができた。

質問内容 アンケート結果の平均

【思考】 他の人の発表の内容を聞き,考えを深めることができた。 3.94

【理解】 みんなの発表の内容がよくわかった。 3.80

<生徒の感想から>

○テレビ画面だとわかりやすく,いつもよりみんな集中していた気がする。また使ってほしい。 ○黒板で説明するよりも,書きながら説明できたのでわかりやすかった。

○みんなの説明の仕方がわかりやすかったし,発表もしやすかった。

- 22 -

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【アンケート結果④ 小学校4年 理科「もののあたたまり方」】

1.実践内容

水のあたたまり方を調べる実験の際,安全に,正確な実験ができるように実験道具を拡大投影して,

器具の使い方や手順の説明を行った。

2.児童アンケートの結果

◎この授業で使った 実物投影機 について教えてください。

(4:とても思う 3:尐し思う 2:あまり思わない 1:全く思わない)

【アンケート結果⑤ 4つのアンケートにおける関心の数値(平均)】

質問内容 アンケート

①の平均 アンケート

②の平均 アンケート

③の平均 アンケート

④の平均

【関心】

集中して(一生懸命)学習することができた。 3.83 4.00 3.88 3.89

それぞれの授業実践で行ったアンケートを集約した結果,次の点が効果として明らかになった。

①授業者が目的を持ってICT機器を活用した場合,その目的に対する児童生徒アンケートの回答結果の

数値が高く表れたことから,教師がしっかりと目的意識を持ってICT機器を活用することで,児童生徒に

対して効果が発揮されることがわかった。

②どの実践事例においても,「関心」の数値が高く,記述欄にも「わかりやすい」「楽しかった」と記述している

回答が多かったことから,ICT機器を活用することで,児童生徒の授業に対する関心を高めることがわか

った。

質問内容 アンケート結果の平均

【見通し】 どのような方法で実験すればよいのかがわかった。 3.93

【理解】 実験の手順や実験の結果がよくわかった。 3.96

<児童の感想から>

○順番の説明がいつもよりもわかりやすかったので,協力して実験できた。 ○結果がよくわかったので,楽しかった。

○安全に実験することができた。

【児童生徒アンケートから見られるICT機器活用の効果】

ICT機器を活用する目的を明確にすることで,効果的に学習のねらいに迫ることができる。

ICT機器を効果的に活用すると,児童生徒の関心を高めることができる。

- 23 -

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「授業改善の一手段」としてのICT機器の活用等について2年間研究に取り組んだ。授業実践を通して,活用

の目的や効果を明確化できたことは,この研究の大きな成果となった。また,ICT機器の中でも,比較的活用し

やすいと考えられている実物投影機の活用方法についても研究を進め,成果の一部を「実物投影機実践資料

集」にまとめ,各校に発信することができた。

研究の成果と課題

【ICT機器を活用した授業実践】

①活用する目的の明確化

ICT機器活用の目的を4つ(①興味・関心を高める②課

題を明確にもたせる③わかりやすく説明し,思考や理解を深

める④知識を定着させる)に整理し,ねらいに向けて教師が

意図して活用する意識を高めることができた。

②児童生徒アンケートによる客観的な効果の検証

授業後に児童生徒にアンケートを実施した結果,ICT機

器活用の効果を客観的に把握することができた。

【実物投影機の活用】

①視覚化による指導の充実

児童生徒の視覚に訴え,説明の効

率化を図ることができた。また、動

きを見せることで,児童生徒がイメ

ージしやすいことがわかった。

②時間の短縮

説明の時間を短縮することがで

き,習熟の時間の確保にもつながっ

た。

【センター講座『ICT機器の活用』】

○授業を通してICT機器の活用方法を提案

○単元を通したICT機器活用による効果の実証

○授業実践事例の交流や実技研修によるスキルアップ

【資料『実物投影機の活用方法』

の作成】

○多様な実践事例を市内各校に発信

○校内研修の資料としての活用

◆「授業改善の一手段」として,ICT機器の活用方法をリーフレットで

発信するとともに,釧路市内小・中学校でICT機器を活用するための

「実物投影機実践事例集」を発行することができた。

研究の成果

①さらなるICT機器の活用による学習効果の検証

4つの目的を意識したICT機器を活用した授業の実践や学習効果の検証を積み重ねる。

②タブレット端末などの活用,ソフトウェア面の研究

タブレット端末を効果的に活用した授業の在り方を考える。また,ソフトウェア等の交流を行い,

より充実した授業実践を図る。

③板書とのかね合い,焦点化を意識した実物投影機の活用

「板書とスクリーンやTVをどのように合わせて活用すると効果的か」,「何をどのように拡大投

影すると効果的か」の視点で実物投影機を活用し,その成果を発信する。

研究の課題

- 24 -

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【資料】授業実践資料

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【授業実践資料①】

指導の展開

学習内容 ねらう効果とICT機器の使い方

導入 ○新出漢字を知る。

【例】物

・読みの確認(ブツ・モツ・もの)

・使い方の確認(食べ物・人物)

展開 ○筆順・字形に気をつけて練習する。

①筆順を知る【写真①or②】

(デジタル教材 or 実物投影機)

②指で漢字を書く。

・筆順を見ながら

・ゆっくり

・はやく

・筆順を見ないで

・友達同士

・画数あて など

○学習する新出漢字の数に応じて①②を繰り

返す。

○実物投影機による拡大提示やデジタルコ

ンテンツによる動画を提示し,正しい筆順

や字形をとらえることができるようにす

る。

【技能を習得させるため】

まとめ ○新出漢字を練習する

・ドリル,漢字練習帳など

○新出漢字を全体で確認する。

○はねやはらい,字形についてチェックする

際にも,拡大投影した漢字に注目させる。

【技能を習得させるため】

学年 小学校3学年 教科 国語

単元 新出漢字の学習

ねらい 新出漢字を正しい筆順と字形で書く。

使用機器 パソコン・プロジェクタ(・実物投影機)

提示資料 デジタル教材【漢字・計算ROM(ぶんけい)】

- 26 -

授業実践資料

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【写真①】筆順のデジタル教材提示

【写真②】実物投影機による拡大提示

【効果】

◆児童の実態や学力調査の分析結果から,筆順に課題があるため児童に応じてデジタル教材を用い

た。正しい筆順で漢字練習に励むとともに,10 問テストなどにおいても,漢字を覚え,正確に書

くことができた。

◆新出漢字を覚えるとともに,過去に学習した漢字の筆順を確かめる児童の姿が見られた。

◆漢字練習では,ただ漢字を書くだけだったが,筆順,字形,使い方,意味など,視野を広げて練習

に励むことができた。

◆新出漢字の度に,筆順を確認していくことから,時間がかかってしまう課題はあるが,児童の確か

な習熟を図る効果がある。

(釧路市立音別小学校 綿谷 泰)

- 27 -

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【授業実践資料②】

本時の展開(1/6)

学習内容 ねらう効果とICT機器の使い方

導入 ○クリップ①「水てきのゆくえ」を視聴し,

本時の学習課題をつかむ。

○葉についた水てきがなくなる様子を視覚

的に示し,本時の課題を明確にとらえる。

【課題を明確につかませる】

展開 ○葉についた水てきがどこへいったのかを考

える。

○それぞれの考えを交流する。

・水は葉にしみこんだ。

・水は風でとばされた。

・水は乾いた。

・水は蒸発した。

○クリップ②「お盆の上の水てきのゆくえ」

を視聴し,自分の意見をまとめる。

・お盆はしみこまないので,水は空気中に

出ていった。

・風でとばされた。

・水は乾いた。

・水は蒸発した。

○それぞれの考えを交流する。

○葉についた水てきの動画と比較するため

に,お盆の上の水てきがなくなる様子を視

覚的に示す。水がしみ込みにくい条件を加

えることで,水のゆくえへの関心をもたせ

る。

【興味や関心を高める】

まとめ ○次時の学習を見通す。

学年 小学校4学年 教科 理科

単元 水のゆくえ

ねらい 水が自然になくなるのはどうしてかという疑問をもつ。

使用機器 パソコン・テレビ

提示資料 NHK for school 理科 ふしぎがいっぱい

「水てきのゆくえ」「お盆の水の水てきのゆくえ」

水はどこへいったのだろう。

水のゆくえを調べよう。

- 28 -

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【クリップ① 「水てきのゆくえ」】

【クリップ② 「お盆の上の水てきのゆくえ」】

【実験後のクリップ 「水の蒸発を見る」】

葉についた水てきが蒸発する様子を収

録した映像である。静止画と異なり,徐々

に水てきがなくなる様子をとらえること

ができる。

お盆の上の水てきが蒸発する様子を収

録した映像である。葉の映像と異なり,し

み込みにくい条件で,水てきがなくなる様

子を視覚的にとらえることができる。

本時では視聴しないが,実験後に見せた

映像である。実験から,水は自然に蒸発す

ることを知る。しかし,水蒸気は目に見え

ないので,どのように蒸発するのかをイメ

ージできない児童がいると考えた。このク

リップは,水蒸気を可視化したものであ

る。本単元と,水をあたためためて蒸発さ

せた既習学習を関連付けることで,知識の

定着を図ることができる。

【効果】

◆静止画とは異なり,映像を活用したことにより,「おおっすごい」など興味・関心を高めること

や「どうして水がなくなったの」という疑問をもたせることができた。映像は,視覚的に事象を

とらえやすく,学力低位の児童にとっても効果的であった。

◆実験で再現しにくい現象については,映像で補うことが可能である。さらに,視覚的に提示する

ことにより,意欲が高まるだけでなく,知識の定着にもつながることを実感した。

(釧路市立武佐小学校 佐藤義人)

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【授業実践資料③】

本時の展開(2/10)

学習内容 ねらう効果とICT機器の使い方

導入 ○既習の正方形・長方形の面積の求め方を使

って面積を求める。

・長方形の面積=たて×横

・正方形の面積=一辺×一辺

展開 ○平行四辺形の面積の求め方を考える。

(切る,移動する,補助線を引く等)

【スライド①】

○考えた方法を交流する。

・平行四辺形の両端を切り取り,長方形を

作る。

・平行四辺形を囲むように長方形を作り,

不要な部分の面積を引く。

・平行四辺形を半分に切り,組み合わせて

長方形を作る。

○なるべく簡単な計算で面積を求める方法に

ついて考える。【スライド②~④】

○つまずいている児童への助言として,既習

の長方形の求め方を活用して求めること

はできないか,補助線のヒントとしてスラ

イドを提示する。

【思考や理解を深める】

○平行四辺形を長方形にして考える方法を

示す。 【思考や理解を深める】

まとめ ○平行四辺形の面積の求め方を確かめ,ノー

トにまとめる。【スライド⑤】

○底辺と高さの場所と用語の確認をし,面積

の求め方のまとめとしてスライドを提示

する。

【知識の定着を図る】

学年 小学校5学年 教科 算数

単元 四角形や三角形の面積

ねらい 平行四辺形の面積の求め方を理解する。

使用機器 パソコン・テレビ

提示資料 自作資料(パワーポイント)

面積の求め方を考えよう。

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①既習の学習を生かすための補助線 ②長方形を作るための切断箇所

③図形の変形 ④長方形にしたときの面積の求め方

⑤底辺・高さ・公式の表示

【効果】

◆パワーポイントで面積の求め方について資

料を作成し,図形の変形や補助線を分かりや

すく示すことができた。

◆その場ででてくる子どもの考えを画面上で

表示することはできないが,図形の動きがあ

ることで理解に結びついた。

◆授業後の感想でもわかりやすかったとの声

があり,特に学力低位の児童に効果があっ

た。

(釧路市立興津小学校 竹内 徹)

【パワーポイント資料作成】

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【授業実践資料④】

本時の展開(9/11)

学習内容 ねらう効果とICT機器の使い方

導入 ○前時の学習をふり返り,本時の学習の見通

しを持つ。

展開 ○ミシンで縫うための準備をする。

・左右の布端を三つ折りにする。(写真①)

・アイロンで折り目をつける。(写真②)

・しつけをかける。(写真③)

○ミシンを使って,直線縫いをする。

(写真④,⑤)

○上下の布端も同様にしつけをかけ,ミシン

で縫う。

○どのように折ると三つ折りになるのか,実

演しながら説明する。

【わかりやすく説明するため】

○布がずれないように,アイロンは上からお

さえるように使うよう,実演しながら説明

する。 【わかりやすく説明するため】

○しつけ縫いの縫い目の大きさや縫う場所

を,実演を交えながら助言する。

【わかりやすく説明するため】

○ミシンの使い方や縫う時のコツを実演し

ながら確認する。

・ぬう場所

・布を押さえる手の位置

・縫い初め(押さえレバ―を上げる→布を

入れる→縫い初めに針を刺す→押さえ

レバ―を下げる)

・縫い始めと縫い終わりには,返し縫いを

する

・縫い終わり(針を上げる→押さえレバ―

を上げる)

【わかりやすく説明するため】

まとめ ○ミシン縫いの仕方やコツについてふり返

る。

○ミシンや裁縫セットを片づける。

学年 小学校5学年 教科 家庭科

題材 わくわくミシン

ねらい ミシンを活用して,生活に役立つ小物をつくる。

使用機器 実物投影機,テレビ

提示資料 ミシン,アイロン

ミシンを使って縫い,ランチョンマットの完成を目指そう。

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【効果】

◆ミシンやアイロンの動きをテレビに拡大投影

しながら説明することで,作業の手順やコツ

を多くの子が理解することができた。中には

理解が丌十分な児童もいたが,まわりの子が

縫い方を教える場面も見られた。

◆クラスの31名全員が,座席から移動するこ

となく一斉に説明を聞き,作業に取り組むこ

とができた。児童の活動時間の確保という点

でも効果的であった。

◆実際に動きを見せることで,児童が学習の見

通しをもつことができ,「やってみたい」と

いう意欲が高まった。

◆技能の習得をねらった授業では,言葉だけで

は伝わらないことも多いため,実物投影機の

活用は非常に効果的であった。

(釧路市立愛国小学校 島田 樹)

写真① 写真②

写真③ 写真④

写真⑤

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【授業実践資料⑤】

本時の展開(7/18)

学習内容 ねらう効果とICT機器の使い方

導 入

○長方形や直角三角形をそれぞれ直線を軸

として回転させてできる立体を予想する

(資料①)

○生徒が予想した立体と一致しているかを

確認する。

【興味・関心を高めるため】

展 開

○複雑な形をした平面図形を回転させてで

きる立体の見取図をかく(資料②)

○自分で考えた平面図形を回転させてでき

る立体の見取図をかく(資料③)

○できた立体の共通点について考える

(資料④)

○回転させる平面図形が回転の軸から離れ

たり,曲線を含む場合はどうなるかを確認

する。

【わかりやすく説明するため】

○生徒が考えた平面図形を回転させ,予想が

見取図と一致またはどこが違うかを確認

する。

【わかりやすく説明するため】

○できあがった立体を並べて,共通点を探

す。

【思考や理解を深めるため】

まとめ ○回転体がもつ共通点や用語についてまと

める

【資料① 長方形や直角三角形を回転させてできる立体】

学年 中学校1学年 教科 数 学

単元 6章 空間図形 ② 面の動き

ねらい 回転体についての理解を深める

使用機器 パソコン・テレビ

提示資料 フリーソフト(Free 回転体 for Win32)

平面図形を,ある直線を軸に回転させたらどんな立体になるだろうか

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【資料② 複雑な形をした平面図形を回転させてできる立体】

【資料③ 自分で考えた平面図形を回転させてできる立体(生徒の例)】

【資料④ できた立体の共通点について考える】

【効果】

◆生徒は,自分の予想した立体が正しいかを確認し,違ったところ

はどこかを視覚的に確認することができた。

◆自分が考案した平面図形がその場ですぐに立体になる様子を見る

ことができ,最後まで関心をもって取り組むことができた。

◆回転体をいろいろな角度から見ることができ,共通点を探るヒン

トを提示することができた。

(釧路市立景雲中学校 中村 繁人)

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◆研究を終えて

この2年間,わかりやすい授業にするための授業改善に向けたICT機器の活用について研究を進め

て参りました。さらに,「子どもたちのために」という目的意識のもと,日々の授業にICT機器の活用

を位置付け実践を積み重ねてきました。

私たちは,「ICT機器を授業のどのような場面で活用できるか?」を試行錯誤ながら実践を積み重ね

てきました。その過程の中で,最も大切にしたことは,ICT機器を使用することが目的ではなく「よ

りよい授業にするため」という原点に立ち返ることでした。「よりねらいに迫るために」「子どもたちの

理解の定着を図るために」等,何のためにICT機器を活用するのかをしっかりと押さえ,教師が明確

な意図をもって初めて活用の効果が現れることを,研究を通して改めて実感することができました。

ICT機器を活用すれば「すべてよし」という訳ではありません。板書のよさもありますし,手作り

の教材のよさもあります。しかし,それと同じくらいICT機器の活用のよさを実感できたことも事実

です。例えば,「この場面で,教科書や子どものノートを拡大投影できればよいな…」といった教師の願

いを瞬時に実現できることがICT機器を活用する魅力の一つでもあります。

2年間研究を進めてきましたが,ICT機器の魅力はまだまだあるように思えます。もっともっと子

どもたちの「できた!わかった!」と目を輝かせる生き生きとした姿が授業中にたくさん見られるよう,

日常の実践を積み重ね,今後も研究を進めていきたいと考えております。

最後に,共に研究を進めた所員や専門委員,ICT機器を活用した授業を実践して下さった先生方,

研究センターの皆様,すべての方々に感謝申し上げます。

(教育工学研究専門委員会 副委員長 佐藤 義人)

~教育工学研究専門委員会~

◆委 員 長 鈴木 穣 (釧路市立景雲中学校主幹教諭)

◆副委員長 佐藤 義人 (釧路市立武佐小学校教諭)

◆委 員 島田 樹 (釧路市立愛国小学校教諭)

◆委 員 綿谷 泰 (釧路市立音別小学校教諭)

◆委 員 中村 繁人 (釧路市立景雲中学校教諭)

◆委 員 竹内 徹 (釧路市立興津小学校教諭)

◆担当所員 松本 孝也 (釧路市立朝陽小学校教諭)

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研究紀要 第181号

ICT機器活用事例集

~授業改善の一手段としてのICT機器活用~

編集 釧路教育研究センター

編集 釧路市教育委員会 教育支援課

編集 〒085-0016 釧路市錦町2丁目4番地

編集 ℡(0154)23-5189