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MEF 2015011 © The Metro Ethernet Forum 2015.本書全体あるいは一部の複製にはすべて以下の文章を含める こと。「Metro Ethernet Forumの許可を得て複製」本書をその内容を変更して使用することは禁 止する。 1 / 21ページ サードネットワーク: ライフサイクルサー ビス・オーケストレーションのビジョン 2015年2月

MEF Third Network LSO Vision 2015011 05 Feb …¯加入者が顧客ウェブポータルを通じて、あるいはビジネスアプリケーションによるプログラムを通じて、

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MEF 2015011 © The Metro Ethernet Forum 2015.本書全体あるいは一部の複製にはすべて以下の文章を含める

こと。「Metro Ethernet Forumの許可を得て複製」本書をその内容を変更して使用することは禁

止する。

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サードネットワーク:ライフサイクルサービス・オーケストレーションのビジョン

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サードネットワーク:ライフサイクルサービス・オーケストレー

ションのビジョン

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目次

1. 範囲 ................................................................................... 4

2. サードネットワークの概要 ............................................................... 4

3. キャリアイーサネット管理の概要 ......................................................... 5

4. サードネットワークのLSOに対するビジョン ................................................ 6

4.1 フルフィルメント能力 .............................................................. 7

4.2 コントロール能力 .................................................................. 8

4.3 パフォーマンス能力 ................................................................ 8

4.4 アシュアランス能力 ................................................................ 8

4.5 使用能力 .......................................................................... 8

4.6 セキュリティ能力 .................................................................. 8

4.7 分析能力 .......................................................................... 9

4.8 ポリシー能力 ...................................................................... 9

5. ライフサイクルサービス・オーケストレーションのユースケース ............................. 9

5.1 MEF LSO for Wholesale Providers(ホールセールプロバイダー用MEF LSO) .............. 9

5.2 MEF LSO for Enterprises(企業用MEF LSO) ......................................... 10

5.3 MEF LSO for Cloud Service Delivery(クラウドサービス提供用のMEF LSO) ............ 12

6. エンジニアリング方法 .................................................................. 12

6.1 管理アーキテクチャとフレームワーク ............................................... 13

6.2 共通情報モデル ................................................................... 14

6.3 ビジネスプロセスフロー ........................................................... 14

6.4 インターフェイスプロファイル ..................................................... 15

6.5 オープン標準ベースのインターフェイス:APIスペックとリファレンス導入 .............. 15

6.6 API認定 .......................................................................... 15

7. MEF LSOとSDNおよびNFVとの相互関係 ..................................................... 15

8. まとめ ................................................................................ 18

9. MEFについて ........................................................................... 18

9.1 MEFの委員会 ...................................................................... 18

9.2 MEF キャリアイーサネット世代と認定 ............................................... 19

10. 頭字語 ................................................................................ 20

11. 謝辞 .................................................................................. 21

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図表一覧

図 1 LSO 概念モデル ............................................................................. 7

図 2 LSO for Wholesale Providersのユースケース例 ................................................ 10

図 3 LSO for Enterprisesのユースケース例 ........................................................ 11

図 4 LSO for Cloud Service Deliveryのユースケース例 ............................................. 12

図 5 エンジニアリング方法 ....................................................................... 13

図 6 LSOリファレンスモデルの簡易化された例 ...................................................... 14

図 7 LSO with ONF SDN と ETSI NFV MANOとの相互関係 .............................................. 17

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摘要

MEFのサードネットワークはNaaS(network as a service)原理に基づくもので、オンデマンドのアジリティと

インターネットの遍在性をキャリアイーサネット2.0(CE 2.0)のパフォーマンスとセキュリティアシュアラン

スに組み合わせたものである。サードネットワークは、イーサネット・ポート(UNI)などの今日使用されてい

る物理サービスのエンドポイント間だけでなく、クラウドで仮想マシン(VM)や仮想ネットワーク機能(VNF)

などに接続するブレードサーバーを使用した、仮想サービスエンドポイント間でのサービスも可能にする。MEF

は、成功を収めているCE 2.0を土台としてこのビジョンを実現するために、ライフサイクル・サービス・オー

ケストレーション(LSO)の能力とそれをサポートするアプリケーションプログラム・インターフェイス(API)

を定義する。MEFは、マルチオペレーターネットワークを通じてフルフィルメント、コントロール、パフォーマ

ンス、アシュアランス、使用、セキュリティ、解析、ポリシーなどに対する能力をサポートするためにLSOの機

能要件とAPIを定義する。このアプローチは、土台となるテクノロジーの複雑さとネットワークレイヤーをアプ

リケーションやサービスユーザーに対して見えないようにするサービス抽象化を定義することで、既存の複雑

さを克服するものである。本書の目的は、サードネットワークをNaaSとして提供するための主要目標を達成す

るために必要とされる必須LSOと管理能力を特定することにある。

1. 範囲

本書の目的は、MEFのサードネットワークをNaasとして提供するための主要目標を達成するために必要とされる、

必須のライフサイクルサービス・オーケストレーション(LSO)と管理能力を特定することにある。1こうした

能力はサードネットワークがエンド・ツー・エンド・サービスの特性の確立や修正にかかる時間を劇的に減少

させるだけでなく、これらのサービスの全体的な品質やセキュリティも保証する。サードネットワークでの差

別化されたサービスパフォーマンスは、加入者の希望に従って動的に変更することが可能である。サービスは

複数のオペレーターネットワークにまたがることがあるので、サードネットワークは単一のネットワークオペ

レータのフットプリントを超えるグローバルな範囲を網羅する、リアルタイム管理のオーケストレーションを

提供する。ネットワークサービスレベルの抽象化とLSO内の仮想化を適用することで以下が可能となる。

• オペレーターが多くの異なる加入者とサービスに、共通のリソースを配分できるようにする。

• 加入者は、自分のネットワークサービスをネットワーク全体の仮想スライスのように見ることができる。

• マルチネットワークオペレーターのサービス構成要素(仮想サービス構成要素も含む)で、エンド・ツ

ー・エンド加入者サービスをサポート、調整、組み合わせ、オーケストレートできる。

• 新商品、技術サービス、ネットワークテクノロジーを迅速に運用化する。

サードネットワークとLSOをサポートするために、MEFは機能管理と制御基盤について説明した機能性リファレ

ンスモデルを定義することで、定義の行き届いた一連のサービス管理とサービス情報モデルスペックを拡張し

ている。サードネットワーク内での管理ドメイン間での機能/情報面での相互運用を記述するために、ユースケ

ースが適用される。MEFは、必要なプロセスフローと、サードネットワークの成功に不可欠なネットワークおよ

びサービス機能(仮想機能も含む)を管理するためのオープンインターフェイスと相互運用可能なインターフ

ェイスの定義を可能にする共通サービス抽象化対応の情報モデルを定義することで、必要なLSO機能を完全に記

述する。

2. サードネットワークの概要

NaaS原理に基づくサードネットワークは、クラウドサービスのオンデマンド特性と関連したネットワーク接続

サービスとの連携を高める、一連の動的サービス属性を使用して、物理的/仮想的サービスエンドポイント間の

1 MEF サードネットワークに対するビジョンと戦略 NaaS原理を基盤として2014年11月http://metroethernetf

orum.org/Assets/Documents/MEF_Third_Network_Vision_FINAL.pdf

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ネットワーク接続サービスを可能にする。サードネットワークは、アジリティ、確証性、オーケストレーショ

ンの3つの基本特性を持つ。

アジリティとは、新しいテクノロジーを活用した新規のオンデマンドサービスを、運用環境全体に支障を来さ

ず、すばやく導入できるサービスプロバイダーの能力を言う。サービスアジリティは、適切なプロダクト、サ

ービス、MEF定義によるAPIを活用したリソース抽象化、そしてサービスのオーケストレーションで達成される。

ソフトウェア定義ネットワーク(SDN)とネットワーク機能仮想化(NFV)は、著しいネットワークアジリティ

を実現するが、市場に新規サービスを導入するのにかかる時間を短縮化するには、サービスプロバイダーの運

用環境に高いアジリティが要求される。サービスとネットワーク・プロビジョニングは、ハードコード化され

たパラダイムから再使用可能なビルディングブロックに移行して、より動的なモデル主導性を実現することが

必要である。

確証的とは、サービスとしてのネットワークがアプリケーションのニーズに対応する一貫したパフォーマンス

とセキュリティアシュアランスに対する加入者の期待に応えることを意味する。これは特にサービス保証に基

づくサービスレベル契約(SLA)による専用または仮想専用サービス(例、イーサネットプライベートライン

(EPL)やイーサネットバーチャルプライベートライン(EVPL)サービス)で顕著だが、ワイヤレスやブロード

バンド(ワイヤーライン)接続によるビジネスインターネットアクセスサービスにも関係している。サードネ

ットワーク内の動的でオンデマンドな接続サービスを考えた場合、顧客のウェブポータルでサービスをコント

ロールしている加入者は、追加、変更、削除を行い、それらの監査証跡を作成する権限を有し、認証を受けて

いることが必要となる。

オーケストレーションは、マルチオペレーターネットワークでのフルフィルメント、コントロール、パフォー

マンス、アシュアランス、使用、セキュリティ、解析、ポリシー機能を含む自動サービス管理を意味する。サ

ービスプロバイダーがすべての市場にネットワーク・フットプリントを持つことは通常ありえないので、パー

トナーあるいはトランジットプロバイダーを通じてオフネット加入者と連絡を取ることになる。したがって、W

ANサービスはマルチネットワークオペレーターによって提供されることがある。サービス・オーケストレーシ

ョンは、サービス提供に使用される特定のテクノロジーの抽象化を行うAPIを通じてプログラム的に達成される

とされる。APIは既存のネットワークテクノロジーと、SDNやNFVなどのような台頭しつつあるテクノロジーの両

方で機能しなければならない。

LSOは加入者が顧客ウェブポータルを通じて、あるいはビジネスアプリケーションによるプログラムを通じて、

接続性の作成、修正、停止をオンデマンドで、従来の数週間や数か月ではなく、数分で行うことを可能にする。

動的な接続は物理的あるいは仮想的サービスエンドポイント(例、UNIやENNI)でどのような組み合わせにおい

ても確立可能で、加入者のニーズの変更やアプリケーションリクエストに応じて帯域幅やサービスパフォーマ

ンスなどのサービス属性を調節することができる。LSOはまたサービスの監視やトラブルシューティングをサポ

ートする保証能力もある。

3. キャリアイーサネット管理の概要

MEF内のキャリアイーサネット管理には、LSO実現化に関連する幾つかのプロジェクトが含まれる。MEFでの管理

作業は、プロトコル中立情報モデルを作成するためのMEFサービスと属性定義から開始され、ユースケースで決

定されるインターフェイスプロファイルへの収集と続き、最終的にはAPIとリファレンス導入開発となる。キャ

リアイーサネット管理情報モデルは、キャリアイーサネットプロバイダーの運用環境で必要とされる管理オブ

ジェクトを記述するものとなる。MEFはまた、SOAMパフォーマンス監視および故障管理の管理基盤も作成した。

エレメントマネジメントシステム(EMS)からネットワークマネジメントシステム(NMS)、そしてLSOに必要と

されるさまざまなユースケースのインターフェイスプロファイルを特定するために、新しいイニシアティブが

開始されている。

MEF技術委員会(TC)の管理作業はMEFのサービスオペレーション委員会(SOC)のユースケース開発と密接に結

び付くものである。SOCは、サービスコンフィギュレーションとアクティベーションワークの基礎の役割を果た

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し、MEFが他の業界標準化グループと協力して作成しているキャリアイーサネットサービス注文とプロダクトカ

タログを整合させる、汎用サービスライフサイクルプロセスモデルを開発している。

MEF UNITEイニシアティブは、オープン接続サービスの定義、提供、管理における業界関係者の協力を促すもの

である。UNITEプログラムはサードネットワークの定義を促進する標準化の取り組み評価を維持する。MEFは業

界の主要関係者とオープンソースイニシアティブの関係を確立し、ソフトによって定義/仮想化/オーケストレ

ートされるエコシステムの開発における連携と協力を確実にするものである。世界トップの標準化グループと

オープンソース開発プロジェクトの迅速な転換を含むアジリティのあるライフサイクルを促進することは、サ

ードネットワークの可能性を実現させるための明確な道程である。

4. サードネットワークのLSOに対するビジョン

アジリティと確証性、そしてオーケストレーションを持つグローバルな接続サービスに対するMEFのビジョンは、

製品定義からサービスのオーケストレーション、アシュアランス、課金まで、ライフサイクルの各機能エリア

がさらに合理化されたり自動化されたりする場合も含むネットワークサービスのライフサイクル全体で実現さ

れる。たとえば、サービスのライフサイクルでは、プロダクトカタログ、注文、サービスロケーション、サー

ビス品質アンケートを含む、先行注文と注文フェーズがインタープロバイダーのビジネスインタラクションに

おける自動化とバイヤー・セラー・プロセスの対象となる。これらの各フェーズは販売キャリアが定義するプ

ロダクトオファーに基づいている。プロダクトオファーはプロダクトカタログで完全に定義されるため、先行

注文、注文、サービス・オーケストレーションを含むサービスライフサイクルのその後の段階の実施には、モ

デル主導のアプローチが採用される。モデル主導のアプローチをプロダクトとサービス、リソースの抽象化提

示とともに使用することで、LSOでサービスライフサイクル全体を持続可能な様式で合理化し、自動化するため

のアジリティのあるアプローチが約束される。

図 1に示されるように、サードネットワークにおける接続サービスは単一または複数のネットワークオペレー

ターの内外ネットワークドメイン全体でオーケストレートされる。これらのネットワークは通信サービスプロ

バイダー、データセンターオペレーター、企業、ワイヤレスネットワークオペレーター、仮想ネットワークオ

ペレーター、コンテンツプロバイダーなどによって運営される。LSOは調整されるエンド・ツー・エンド管理と

接続サービス提供のためにコントロールが必要なすべてのネットワークドメインを網羅する。各プロバイダー

のドメイン内で、ネットワーク基盤は従来のWANテクノロジーや、NFVあるいはSDNで実施されることが考えられ

る。LSOの能力はサードネットワークが接続サービスの特性の確立や修正にかかる時間を劇的に減少させるだけ

でなく、これらのサービスの全体的な品質やセキュリティも保証する。

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図 1 LSO 概念モデル

4. 1 フルフィルメント能力 LSOでは、プロダクトカタログはサービスプロバイダーによって見込み加入者に提供されるプロダクトオファー

をリストし、その説明を示す。サービスプロバイダーはまた、サービス実行性や保守性プロダクトカタログを

決定するために見込み加入者やパートナーオペレーターとやりとりする際にもプロダクトカタログを使用し、

加入者に望まれるプロダクトやサービスをサポートするための土台となる基盤が機能し利用可能であることを

確実にする。

サービスリクエストを迅速に満たすために、LSOのフルフィルメント能力はサービス注文オーケストレーション、

サービスデザイン、サービス構成要素の分配、サービス・コンフィギュレーションを提供する一方で、サービ

ス要件とネットワークの全体的な観点とのバランスを取る。これにはパフォーマンス、サービス制限、サービ

スとリソースデザイン、分配ポリシーなどが含まれる。

加入者(またはそのエージェント)がサービスプロバイダーにサービスを注文した場合、そのサービスに関連

するサービスレベルスペック(SLS)が初期のサービス・コンフィギュレーション、動的サービスポリシー、サ

ービスリソースプーリングと共有ポリシー、そしてサービスパフォーマンス目標を定義することがある。サー

ビスプロバイダーはこれらのSLS制限に基づいてサービスをデザインし、自社のインフラストラクチャ内にサー

ビスを導入する。その際にパートナーネットワークオペレーターから提供されるサービス要素が併用される場

合もある。サービスが開始されると、加入者はLSOが提供するコントロール機能を通じてサービスプロバイダー

と相互運用することで自分のサービスを動的に管理することができる。

新加入者サービスインスタンスの強化中、LSOはサービスとその要素の認証およびテストを必要に応じて行い、

サービスに関連するリソース、トポロジー、接続性の検出や調整をサポートする。

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4. 2 コントロール能力 LSOのコントロール能力は、加入者が接続性やサービスエンドポイントを含むサービスインスタンスの弾力的な

挙動をアクティブにコントロールすることを可能にする。接続やサービスエンドポイントは、即時に(例、オ

ンデマンド)アクティベート、修正、非アクティベートしたり、トリガーイベント(例、スケジュール)に基

づいて実行することができる。加入者はまた、サービスクラス(CoS)ごとに固有の接続や接続の一部に関連す

る帯域を増減することができる。LSOコントロールはまた、加入者がサービスエンドポイントを追加/削除した

り、異なるロケーションへに移動することを可能にするほか、加入者が指定する動的サービスポリシーに従っ

てサービス要素をリソースに移行できるようにする。加入者が自分の指先ひとつでコントロールが可能なこと

を理解できるように、LSOは加入者が固有のサービスコントロール能力を発見できるようにしている。

4. 3 パフォーマンス能力 LSOのパフォーマンス能力には、サービス提供に参加しているすべてのネットワークオペレーターのサービスパ

フォーマンス情報の収集と顧客によるフィードバック収集が含まれる。サービス品質はサービスパフォーマン

スメトリクスをSLSで記述されているサービス品質目標に比較して分析される。サービス品質分析の結果は、サ

ービス品質全体に影響を与える可能性がある既知のイベント(例、メンテナンス・イベント、輻輳、関連する

既知の問題、需要ピークなど)に関する情報とともに加入者に提供される。LSOのパフォーマンス能力にはまた、

キャパシティ分析、トラフィックエンジニアリング、サービス品質改善が含まれる。全体的な反応型のトラフ

ィックエンジニアリング能力が、測定値と予想される需要に基づいてネットワーク全体の集合的なトラフィッ

クフローを管理し、サービス品質目標を維持しながら需要に効果的に対応する。

4. 4 アシュアランス能力 LSOのアシュアランス能力は、エラーや故障の検出を含むアラーム監視をサポートする。LSOは各サービス要素

に関する問題関連の情報を受信し、この情報を融合して加入者のサービスに関連する全体的な問題状況を判断

する。加入者はLSOのアシュアランス機能により問題情報を受け取り、サービスへの影響と問題解決状況を追跡

することができる。相関アラーム、パフォーマンスイベント、問題レポート、問題の根本原因、加入者のサー

ビスへの影響など、加入者のサービスに関連するレポートが加入者に提供される。加入者はレポートと通知を

フィルタリングして管理したり、問題に関する情報をサービスプロバイダーに送り返して問題解決に協力する

ことができる。LSOのアシュアランス能力はまた、提案される問題解決方法に加入者がフィードバックを提供す

ることを可能にする。加入者は自分に代わってサービス関連のテストを実施することをサービスプロバイダー

に要請することもできる。

4. 5 使用能力 LSOの使用能力は、サービス要素や関連するリソースの使用を記述する使用状況、トラフィック、サービス関連

使用イベント(例、サービス帯域幅の変更など)の測定値の収集や配布をオペレーターが行えるようにする。L

SOの使用能力は特定のサービスインスタンスに関連するこのような情報を収集し、関連性を示す。SLSに記述さ

れている、コミットされる使用量を超えて使用されたサービス要素やリソースを示すために、例外レポートを

生成することもできる。

4. 6 セキュリティ能力 LSOのセキュリティは、ネットワークへのアクセス、ネットワーク全体を流れるサービス関連トラフィックの管

理と制御機構の保護を提供する。このようなセキュリティ機能はユーザーとアプリケーションの認証をサポー

トし、各認証ユーザーに割り当てられた役割に基づいて、管理と制御をサポートするAPIのさまざまな機能への

アクセスコントロールを提供する。LSOのセキュリティ能力には、管理制御エンティティと機能へのアクセスを

認証ユーザーのみに限るための暗号化や鍵管理が含まれる。LSOセキュリティは、特定の脅威が示された場合に、

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指定のトラフィックフローにフィルタリング制御を講じるなどの対応策を取ることで、ネットワーク攻撃を阻

止する。

4. 7 分析能力 LSOの分析能力は、管理ドメイン全体の管理制御機能からの情報の融合と分析をサポートし、エンド・ツー・エ

ンドサービス、サービス要素、サポートするネットワーク基盤(物理、仮想の両方)について関連性のある完

全なオペレーション像を組み立てることを可能にする。こうした分析能力により、情報の可視性とアクセス性

を確実にし、意思決定に必要な時に必要な場所で理解できるようにする。たとえば、LSO分析では、サービスフ

ルフィルメント、コントロール、使用状況情報を利用してネットワークオペレーターのサービス成長の予想と

傾向を示すことができる。

4. 8 ポリシー能力 サードネットワークのビヘイビアはLSOの管理制御ロジックを作動させる一連のルールによって規定することが

できる。サービスポリシーは、サードネットワーク内で実施されるサービスのデザインと動的ビヘイビアを記

述するように、これらのルール内でエンコードできる。調整された接続サービスは、エンド・ツー・エンド管

理を可能にするために、多くの内部ネットワークと多くのネットワークオペレーターに分散された機能のオー

ケストレーションに依存している。LSOのポリシー能力は、効果的なコンフィギュレーション、アシュアランス、

サービスとそれをサポートするリソースの制御をサポートする管理ドメイン全体で、ルールベースの調整と管

理プロセスの自動化を提供する。

LSOでは、サービスデザインポリシーがまず最初にエンド・ツー・エンドネットワークサービスのデザインと作

成を可能にし、サードネットワークのビジョンに記述されているとおり、サービスパラダイムとしてのネット

ワークを遵守するための自動化を狙いとする。さらに、サービス目標が一連のポリシーとして、イベントトリ

ガーコンディションと関連アクションとともに導入されることもある。こうしたポリシーはサービスと、帯域

幅、トラフィック優先度、トラフィック承認コントロールなどのサービスリソースのビヘイビアを調整して、

接続サービスが動的な状況に素早く順応し、重要で常に変化するニーズや優先事項を満たすことができるよう

にする。

5. ライフサイクルサービス・オーケストレーションのユース

ケース

本章では、MEFビジョンと戦略のユースケース定義に基づいて、LSO接続サービスのユースケースについて説明

する。目標は、LSOのビューを、MEFビジョンと戦略のオンデマンドで自動化された確証的な方法でオーケスト

レートされた仮想/物理サービスエンドポイント動的接続性のユースケースに重ね合わせることである。最初の

一連のユースケースは以下を含む。MEF LSO for Wholesale Providers、MEF LSO for Enterprises、MEF LSO f

or Cloud Service Delivery。

5. 1 MEF LSO for Wholesale Providers(ホールセールプロバイダー用MEF LSO)

ホールセールアクセスプロバイダーは、Eアクセスサービスをリテールサービスプロバイダーに販売するほか、

NID、CPEまたはvCPE機能で提供されるカスタマーエッジでサービス停止も行う。ホールセールアクセスプロバ

イダーネットワークのエッジで仮想化ネットワーク機能(VNF)として導入されることもある。これにより、リ

テールサービスプロバイダーが物理イーサネットNIDをアクセスプロバイダーのUNIで提供する必要がなくなる。

リテールサービスプロバイダーはLSOの管理と制御基盤をサービス停止機能管理に使用するだけでなく、加入者

に提供するエンド・ツー・エンド接続サービスをサポートするためにホールセールサービスプロバイダーのサ

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ービス要素を注文、監視、設定するために用いることもある。このユースケースの使用例は図 2に示されてい

る。

図 2 LSO for Wholesale Providersのユースケース例

5. 2 MEF LSO for Enterprises(企業用MEF LSO) このユースケースでは、データセンターとリージョナルオフィス間でサービスプロバイダーによって提供され

ている弾力性のある帯域サービスに対処するニーズに対応している。サービスプロバイダーはオペレーターサ

ービスエンドポイントを通じてアクセスプロバイダーネットワークオペレーターと相互接続し、データセンタ

ーのサイトとサービスプロバイダーのネットワークフットプリント外のリージョナルオフィスを接続している。

企業顧客はこれらのロケーションでのサービスとして、ポイント間とマルチポイントネットワークの両方を必

要としている。企業顧客はウェブポータルを通じて、オンデマンドでパフォーマンス保証サービスを要請し、L

SOを通じてフルフィルメントされる。このユースケースの使用例は図 3に示されている。

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図 3 LSO for Enterprisesのユースケース例

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5. 3 MEF LSO for Cloud Service Delivery(クラウドサービス提供用のMEF LSO)

このユースケースでは、データセンターと加入者のロケーションを含むクラウドインスタンスにWANサービスプ

ロバイダーが提供している弾力性のある帯域サービスに対応している。WANサービスプロバイダーはWANネット

ワークをデータセンターネットワークに接続するオペレーターサービスエンドポイントを通じてデータセンタ

ーオペレーターと相互接続している。データセンターネットワークは加入者の仮想マシン(VM)またはVNFに接

続している。加入者はウェブポータルを通じて帯域変更を要請し、これはLSO基盤を通じてフルフィルメントさ

れる。このユースケースでは、データセンター内のユーザーサービスエンドポイントはvSwitchによってブレ

ードサーバー内で提供されることもある。このユースケースは図 4に示されている。

図 4 LSO for Cloud Service Deliveryのユースケース例

6. エンジニアリング方法

MEFが従っているLSOエンジニアリング方法の主要目標は、再使用可能なエンジニアリングスペック、サードネ

ットワークLSO要件、能力、機能性、ビヘイビア、プロセス、情報、インターフェイスを網羅するアーチファク

ト、そして接続サービスの管理と制御をサポートするAPIを生成することである。サードネットワークが台頭す

るにつれ、これらのエンジニアリングアーチファクトは、LSO能力を相互運用可能な、固有で一貫した認証可能

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なデザインと実施に変容させる貴重なリソースであることが明らかになってきた。図 5に示されている各項目

については、以下のセクションでより詳しく説明する。

図 5 エンジニアリング方法

6. 1 管理アーキテクチャとフレームワーク LSO管理リファレンスアーキテクチャと共通フレームワークは、接続サービスに協力的なLSO能力を可能にする

管理と制御ドメインとエンティティを特性化する階層化アーキテクチャを提供する。フレームワークもまた、

オーケストレートされた接続サービスのビヘイビアと管理エンティティ間のインタラクションを記述し、MEF L

SO能力を明確に表現する高レベルのユースケースを提供する。リファレンスポイントは特定の管理エンティテ

ィ間の相互運用の論理ポイントである。LSO管理エンティティ間の相互運用を特性化する管理と制御ポイントは、

フレームワーク内で特定される。これらの管理と制御リファレンスポイントはインターフェイスプロファイル

でさらに定義され、自動化/オーケストレートされた接続サービスを実現するAPIとリファレンス実施でインス

タンス化される。図 6にはLSOリファレンスモデルの簡易化された例が示されている。

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図 6 LSOリファレンスモデルの簡易化された例

6. 2 共通情報モデル 接続サービスのLSOで共有される共通情報モデルは、MEFスペックで定義されるサービス属性も含め、サービス

ライフサイクルを管理するための一連の一貫して管理される目標を定義する。この共通管理と制御情報モデル

はビジネスマネジメント、サービスマネジメント、ネットワークマネジメント、エレメントマネジメントをサ

ポートし、ビジネスサポートシステム(BSS)、オペレーションサポートシステム(OSS)、NMSのオーケストレ

ーター、EMS、インフラストラクチャマネジャー、コントローラー(例、ネットワークドメインコントローラー、

SDNコントローラーなど)とネットワークエレメント(EN)で共有される管理と制御機能と情報が、論理的に一

貫した様式で提供されるようにする。これによりネットワークオペレーターが、こうした能力を自社の接続サ

ービス管理と制御環境にいつでも統合することが可能になる。現在MEFは管理情報モデルMEF 7.3を拡張中で、

これはプロトコル中立統一モデリング言語(UML)を使用する一般化された管理インタラクションに関連する情

報を記述する。

6. 3 ビジネスプロセスフロー 管理リファレンスアーキテクチャと共通フレームワーク内に提供される高レベルユースケースの詳細は、ビジ

ネスプロセスフローでさらに拡張される。ビジネスプロセスフローは組織間および組織内の機能的アクティビ

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ティフローを、共通情報モデルに基づく情報交換と併せて記述する。プロセスは固有の結果を実現する一連の

機能的アクティビティを体系的に順序立てて記述する。つまり、プロセスは関連するアクティビティや、結果

やアウトプットの実現に必要なタスクを順番に並べたものと言える。MEF LSOはサードネットワーク内で接続サ

ービスを運営できるようにする関連ビジネスプロセスの自動化を可能にする。

6. 4 インターフェイスプロファイル インターフェイスプロファイルは、管理リファレンスアーキテクチャ内で特定される固有の管理リファレンス

ポイントをサポートする構造、ビヘイビア、セマンティクスを定義するプロトコル中立の機能記述である。イ

ンターフェイスプロファイルは、共通情報モデルやその他の関連標準に基づく管理リファレンスポイントと関

連のあるインターフェイスビューをサポートするのに必要な目標や属性、能力(例、書き込む、読み取るなど)

のサブセット情報ビューと相互運用を記述する。インターフェイスプロファイルは、管理プロトコル固有(例、

JSON、XSDなど)データモデルとAPIに論理要件を与えるMEF LSOエンジニアリングアプローチ内でステップを提

供する。

6. 5 オープン標準ベースのインターフェイス:APIスペックとリファレンス導入

APIリファレンス導入は、インターフェイスプロファイル内で記述される機能要件に基づいたLSOリファレンス

モデル内のリファレンスポイントを導入する機能性と情報交換を備えた管理プロトコル固有のインターフェイ

スである。MEF APIリファレンス導入はMEFスペックおよび協力関係にある規格開発機関(SDO)のスペックを適

用することがある。APIスペックは、ソフトウェアコンポーネントがどのように相互運用されるべきかを記述す

る。APIは、ルーチン、データ構造、オブジェクトクラス、変数(例、Java API)のスペックを含むデータモデ

ルライブラリの形式を取ることが多い。他のケース、特に簡易オブジェクトアクセスプロトコル(SOAP)や「R

epresentational State Transfer」(REST)サービスでは、APIはAPI消費者に開示されるリモートコールのス

ペックとして実現される。異なるテクノロジーを使用するシステム間で情報交換を可能にするために、APIはプ

ロトコルを導入する際に言語中立メッセージ形式を規定することができる。たとえば、SOAPは交換するメッセ

ージの汎用コンテナにExtensible Markup Language(XML)を使用する。ウェブ開発で使用される場合、APIは

一般に一連のHypertext Transfer Protocol(HTTP)でリクエストメッセージが定義され、応答メッセージはXM

LまたはJavaScript Object Notation(JSON)形式で定義される。ウェブAPIの一般的なコンセプトには2つの主

な導入がある。これはウェブサーバー上のサーバーサイドAPIおよびウェブブラウザー内のクライアントサイド

APIと呼ばれていた。共通のウェブAPIには、SOAPとREST APIがある。

6. 6 API認定 MEFはサービス指向認定によって業界でもユニークな位置づけにある。そして、サードネットワークLSOビジョ

ンのサポートをこの上に構築していく意向である。APIはLSOの実現に不可欠であるため、将来のMEF認定プログ

ラムに取り込まれ、API形式とビヘイビアを含むLSO関連APIの認証が行われることになる。

7. MEF LSOとSDNおよびNFVとの相互関係

SDNおよびNFVのMEF LSOとの相互関係は、ネットワークサービスの導入、それ自体の導入、LSO管理での導入に

分類できる。ネットワーク機能の幾つかは仮想化できるため、MEFサービスタイプ、定義、属性は、物理ネット

ワーク機能と仮想ネットワーク機能の間のサービスをサポートすることが必要となる。その際、以前の物理ネ

ットワーク機能が異なるロケーションで物理機能と仮想機能に分散されることもありうる。現在のMEFサービス

は仮想シナリオをサポートできる可能性が高いが、より詳細な分析が求められる。機能が単純に仮想化され同

じ物理基盤で展開される場合は、サービスタイプ、定義、属性にはなんら影響はなく、単に別のネットワークA

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PIを有するだけになる。遠隔で仮想化されるネットワーク機能についてはこれらを特定し、その分散がなんら

かの影響を持つかどうかを理解する必要があるかもしれない。

MEF LSOにおいては、図7に表示されるように、SDNコントローラーは、SDNコントローラーが管理しているネッ

トワークドメインにネットワークにとらわれない「仮想ネットワーク」API抽象化をノースバウンドアプリケー

ションに提供しようとする重要なパラダイムを持ち込んでいる。これはWANコントローラーの概念を持つ伝統的

なキャリアイーサネットネットワークへと拡張することも可能で、コントローラーが管理しているネットワー

クドメインでノースバウンドアプリケーションに「仮想ネットワーク」API抽象化を提供する。したがって、SD

NやWANコントローラ(または拡張NMS/仮想ネットワークAPIを持つEMS)が存在する場合、MEFサービスオーケス

トレーションレイヤーは簡易化され、エンド・ツー・エンドサービスのデザインを仮想ネットワーク抽象化レ

ベルに落とし、最終的にはテクノロジー固有仮想ネットワーク導入をコントローラーに委任することになる

(これは、MEFサービスオーケストレーションレイヤーがネットワークで導入されるデバイスやテクノロジー固

有サービスに直接対処しなければならないことと正反対である)。

仮想化ネットワーク機能に関しては、NFVオーケストレーターがネットワーク機能とネットワークサービスイン

スタンス化/修正APIを提供し、エラスティックなデータセンターリソース管理要件(VNF ManagersやVirtual I

nfrastructure Managersによる管理)をノースバウンドアプリケーションから抽象化する。MEF LSOレイヤーは

したがって、ネットワーク機能やネットワークサービス(複数の機能で構成されるvNID 機能や vCPEネットワ

ークサービスなど)の動的なインスタンス化を要請し、データセンターのITリソースへの影響を考慮しなくて

済む。

NFVとSDN(そしてWANコントローラーなどの派生概念)はともに、リソース抽象化、アジリティのあるサービス

運営の促進とネットワークアジリティを導入し、どちらも特にMEF LSO能力とONF SDNコントローラーおよびETS

I NFVオーケストレーターの機能性の間のオープンAPIの進歩を通じて、LSOの実用化に貢献するものである。

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図 7 LSO with ONF SDN と ETSI NFV MANOとの相互関係

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8. まとめ

MEFのLSOビジョンはサービスライフサイクルの各機能が、プロダクト定義からサービスオーケストレーション、

アシュアランスと課金まで自動化されるためのものである。これには、サードネットワークによって提供され

る、アジリティのある確証的でオーケストレートされた接続サービスが必要とされる。LSOは、通信サービスプ

ロバイダー、データセンターオペレーター、企業、ワイヤレスネットワークオペレーター、仮想ネットワーク

オペレーター、そしてサービスの要素を供給あるいは消耗する管理ドメインなどを含む、単一あるいは複数の

ネットワークオペレーターによる内外のネットワークドメインを通じてサードネットワーク内の接続サービス

をオーケストレートする。LSOは調整されるエンド・ツー・エンド管理と接続サービス提供のためにコントロー

ルが必要なすべてのネットワークドメインを網羅する。

LSOの能力はサードネットワークが接続サービスの特性の確立や修正にかかる時間を劇的に減少させるだけでな

く、これらのサービスの全体的なサービス品質やセキュリティアシュアランスも確かなものにする。MEFはLSO

に必要な管理アーキテクチャとネットワークの定義を積極的に進めており、これにはフルフィルメント、コン

トロール、パフォーマンス、アシュアランス、使用、セキュリティ、分析、ポリシーに基づく能力のほか、管

理相互運用性の重要ポイントの記述も含まれる。MEFが使用しているエンジニアリングアプローチは、サードネ

ットワークにおけるLSO接続サービスの展開と実現を加速する一貫したリファレンス導入を促進するものである。

MEFのLSOビジョンの対象範囲を考えると、MEFは業界の規格開発機関やオープンソースコミュニティと密接に協

力して、このビジョンをUNITEプログラムの一環として達成していくと思われる。

9. MEFについて

MEFは、700億ドル以上と言われるキャリアイーサネットサービスのグローバル市場とテクノロジーの推進力で

あり、CE 2.0、SDN、NFVを使用する現在台頭中のサードネットワークサービスを支えるLSO標準の定義団体であ

る。世界43か国から220以上の業界団体が加盟しているMEFは、サービスプロバイダー、ネットワークソリュー

ションサプライヤー、その他の関係者による強力なフレームワークを通じて、CE 2.0とLSOの開発とグローバル

化の目標を達成している。

MEFの代表的な業績はCE 2.0で、これにはスペック、オペレーション・フレームワーク、それに関連するサービ

ス、機器、および専門技術者の認定プログラム(MEF-CECP 2.0)が含まれる。これらのプログラムの詳細は以

下を参照のこと。www.metroethernetforum.org

キャリアイーサネットの14年間の成功を基盤に、MEFはLSOとAPIの開発に焦点を置き、より効率的で自動化され

たネットワークを可能にするためにパラダイムをシフトするアジリティ、確証性、オーケストレーションを有

するサービスを実現することに取り組んでいる。ネットワーク接続サービスとこれらの提供に使用されるネッ

トワークの変容に対するMEFのビジョンは「サードネットワーク」と呼ばれ、オンデマンドのアジリティとイン

ターネットの偏在性をCE2.0のパフォーマンスとセキュリティアシュアランスに組み合わせるものである。NaaS

原理に基づくサードネットワークビジョンについては、以下を参照のこと。download the MEF Third Network

Vision & Strategy White Paper.

9. 1 MEFの委員会 4つの広範囲な分野における開発作業

に従事するTechnical Comitee(技術

委員会):サービス、アーキテクチ

ャ、マネージメント、テストと測定。

各分野では、世界各国でのキャリアイ

ーサーネットの採用を支える定義と促進に向けて、

Marketing Committee(マーケティ

ング委員会)は、技術委員会、認定

委員会、サービス運営委員会の職務

を含め、MEFの活動内容について業

界の意識を高めるための啓蒙活動を

行っている。マーケティング委員会はまた、MEFの

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9. 2 MEF キャリアイーサネット世代と認定 キャリアイーサネットがWAN接続サービスとして優勢になるにつれ、MEFは発展する技術スペックを、購入者、

販売者、アナリストなどの異なる関係者が簡単に理解できるフォーマットにする必要性を覚えるようになった。

これにより、MEF CE標準を特定期間における一般的な市場ニーズと組み合わせたCE 世代が生まれた。

2012年、MEFは、機器とサービスの第一世代の認定(以前はMEF 9 と MEF 14 と呼ば

れていた)とキャリアイーサネット1.0(CE1.0)の傘下でブランド化した。CE 1.0

はビジネスのサイト間接続とインターネットアクセス用のEラインとE-LANサービス

タイプの単一オペレーターネットワークで提供されるCEサービスの標準化に焦点を

当てていた。

2012年、MEFは標準化と機器およびサービスの認定の第二世代を開始し、これをCE2.

0と呼んだ。CE 2.0はCE 1.0を4つのサービスタイプに拡張したもので、これにはE-L

ine、E-LAN、E-Tree、そしてオフネットアクセスサービス用のE-Accessが含まれる。

CE2.0はマルチオペレーターネットワークでのサービス提供用にサービスOAMと標準

化されたCoSを組み入れた。

2012年、MEFはMEF Carrier Ethernet Certified Professional (MEF-CECP) を開始

した。MEF-CECPは業界初のベンダーに依存しない専門技術者認定試験である。厳し

いMEF-CECP試験に合格することは、キャリアイーサネット機器、ネットワーク、サ

ービスのデザイン、販売、展開、サポートに必要な主要能力と技術を有しているこ

とを意味する。2013年12月、MEFはすべてのCE 2.0関連物を含むMEF-CECP 2.0 認定

試験を導入した。

チームがそれぞれ特定のプロジェクトに取り組んで

いる。 Technical Specifications のページには現

在使用されているものと廃止されたものも含め、技

術スペックの詳細が記載されている。

提供物が市場の現在の優先事項に一致しているこ

とを確かにする。

Certification Committee(認定委員

会)はMEFの標準がどのようにCE機器

や展開されるサービスに導入されてい

るかを検証する。これはCE 2.0認定を

通じて実施される。この委員会ではま

た、CEソリューションの開発と提供を行う有資格の

専門技術者のベースラインを確立することを目的と

するMEF Carrier Ethernet Certified Professional

2.0 (MEF-CECP 2.0) 試験を通じて、CE 2.0を扱う専

門技術者の認定も行っている。

Service Operations Commitee(サー

ビス運営委員会)はサービスプロバ

イダーとオペレーターがMEF定義サー

ビスの購入、販売、提供、運用のプ

ロセスを合理化し標準化できるよう

に、スペックと導入ガイドラインを開発してい

る。この委員会の仕事はパートナー関係管理(オ

ペレーター間でのE-NNIの交渉と確立プロセスを含

む)とサービスライフサイクル(これらのE-NNIで

のMEF定義サービスのアクティベーションと運用プ

ロセスを含む)に分割される。

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10. 頭字語 本書で使用される頭字語を以下に挙げる。

用語 説明 用語 説明

API アプリケーションプログラミングイ

ンターフェイス

REST Representational State Transfer

BSS ビジネスサポートシステム SDN ソフトウェア定義ネットワーク

CoS サービスクラス SDO 規格開発機関

CPE 顧客構内設備 SLA サービルレベル契約

EMS エレメント管理システム SLS サービルレベル仕様

ENNI 外部ネットワーク間インターフェイ

SOAM サービスオペレーション、アドミニストレー

ション、およびメンテナンス

EPL イーサネット専用ライン SOAP 簡易オブジェクトアクセスプロトコル

EVPL イーサネット仮想専用ライン SOC MEF Service Operations Committee(サービ

ス運営委員会)

HTTP Hypertext Transfer Protocol TC MEF Technical Committee(技術委員会)

JSON JavaScript Object Notation UML 統一モデリング言語

LSO ライフサイクルサービス・オーケス

トレーション

UNI ユーザーネットワークインターフェイス

MANO 管理とオーケストレーション vCPE 仮想CPE

NE ネットワークエレメント VM 仮想マシン

NFV ネットワーク機能仮想化 VNF 仮想ネットワーク機能

NID ネットワークインターフェイスデバ

イス

vNID 仮想NID

NMS ネットワーク管理システム WAN ワイドエリアネットワーク

OSS オペレーションサポートシステム XML Extensible Markup Language

OVC オペレーション仮想接続

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11. 謝辞 主な著者と編集者 • Andrew Mayer, MEF

• Scott Mansfield, Ericsson, Lead MEF Lifecycle Service Orchestration Project

寄稿者:

• David Ball, Cisco

• Jean-Marie Calmel, Oracle

• Nan Chen, CENX

• Yoav Cohen, RAD

• Olga Havel, Amartus

• Brian Hedstrom, MEF

• Dave Hood, Ericsson

• Jimmy Hu, Ciena

• Sebastien Jobert, Iometrix

• Ulrich Kohn, ADVA

• Ben Mac-Crane, Huawei

• Stephan Pelletier, Oracle

• Ralph Santitoro, Fujitsu

• Glenn Swanson, Oracle

• Shahar Steiff, PCCW

• Abel Tong, Cyan

• Mehmet Toy, Comcast

• Rami Yaron, Telco Systems