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Refresh Magazine Off Time 2014.1|06
新規開院前に考えたい
お金のはなし
今回は、「クリニックを開業したいが何に
気をつければいいのか?」、「これからの病院
経営の展開はどうしたらよいのか?」
というドクターの不安や疑問に対して、
”経営“の視点から医療業界をサポートして
きた、九州最大規模の税理士法人『アップ
パートナーズ』にお話を伺ってみました。
アップパートナーズは、30年以上の歴史がある2つの会計事務所が合併して誕生した、日本最大級の会計コンサルティングファームです。お客様の未来を創造する真のパートナーとして日々全力を尽くすことをお約束いたします。
<主な業務内容>■人事・労務サービス/給与制度・退職金制度の構築、就業規則・社内規定の作成支援、社員研修の実施、人材・労務サポート ■会計・財務サービス/節税のアドバイス、財務・資金調達、助成金・補助金申請、経理業務の省力化 ■経営者へのサポート/事業系諸対策・相続税対策・M&A、企業再生支援、リスクマネジメント、ライフプランニング、 新規事業計画の作成、医療機関・介護事業所の新規開業支援、不動産活用、IT関連のアドバイス
浦郷 典正さん 菅 拓摩さん(代表)
TEL.092-403-5544税理士法人 アップパートナーズ 〒812-0013 福岡市博多区博多駅東2-6-1
九勧筑紫通ビル9階HP http://www.upp.or.jp/ メールアドレス [email protected]
アップパートナーズは、税理士事務所として昭和52年に開業して以来、多くの医療・福祉機関のサポートを行っています(500件以上)問合せ先:
菅/浦郷
-
今日は、税理士事務所として昭和52年より
企業のサポートを行っていらっしゃる税理士法人
「アップパートナーズ」さんにお話を伺います。なん
でも医療や福祉業界のクライアントさんでは、
500件以上の顧問実績があるそうですね。
では御社が実際にドクターから受ける相談で多い
のはどんなものですか?
浦郷さん(以下、浦郷)
「一番多いのは『新規開業』ですね。その他は、既存
の病院・クリニック様の新事業展開のご相談や、通常
の税務、労務管理の委託などでしょうか。弊社では
税理士の他にも労務士、医療経営コンサルタント
などの有資格者も在籍していますので、幅広く対応
させていただいております」。-
幅広い内容で相談できるのは医療機関から
みても助かりますね。では『新規開業』に関して御社
ではどのようなアドバイスをされるのですか?
菅さん(以下、菅)
「新規開業で一番労力を使われるのは、融資相談と
設備投資です。弊社には物件が確定してからご相談
に来られる方が多いので、設備投資の面でご相談に
応じることが多いですね。でもこの設備投資こそが、
今後のクリニックの経営にとっては重要なんですよ
ね。どの機械を入れるのか、という部分でも、私ども
はある程度の知識を得ているのでアドバイス差し上
げることができますが、要はどの程度、最初に機器を
入れるのかが重要なんです」。
Money Interview
借入を恐れ過ぎて損している!?
上手な借入&返済で安定経営を目指す
-
最初の設備投資が重要ということですか。
それは計画的に、ということですか?
菅
「そうですね。よく見受けられるのが、計画的に投資
されているようでかえって苦労をされているパター
ンです。『借入は悪』という先入観が強く、借入額を
大きくしたくないがために、徐々に設備投資をされ
る方がとても多いのですが、借入本数が多くなればな
るほど返済額で苦労をする場合があります。場合に
よっては年間で数百万円単位で改善した実績もある
んですよ。また借入があることで不安を感じて、無理
に早く返済しようとして経営を圧迫したり。私どもは
医療機器の価値と投資額、そのリターンをシミュレー
ションしたうえで、『欲しい機器は最初に買っておい
た方がお得ですよ』とお伝えしています」。
-
最初に大きな買い物をするのはリスクを
感じますが、実はそれが安定経営のコツなんです
ね。では有効な借入方法とはどういうものですか?
浦郷
「クリニック経営においてベーシックで有効な方
法は、借りたお金をゆっくり返すことです。基本的
に、医療機器等の借入期間の限度は、法定耐用年数
までですが、それよりも長い期間で借りられる場合
もあります。その方法は最下部に記載している方法
にてお問い合わせください。
『利息の金額が高くなって損するじゃないか!?』と
言われる方もいらっしゃいますが、利息は経費と
なり、その分税金も安くなります。利息を払うより、
元金を返済する負担感は倍以上に大きいのです。
開業したからといってすぐに収入は増えません。
治療の現場で使って請求を行い、診療報酬が入って
くるのはその2ヵ月後。返済を早めるほど、資金繰
りが苦しくなります。元金返済の据え置き期間を設
けるには、金融機関にその意思を伝える必要があり
ます。借りてから、1年程度経ってから返済できるよ
うに交渉しましょう」。
-
ちょっとした工夫でも、経営に大きく影響す
るものですね。
菅
「そうですね。私どもの役目は”経営者“の視点で
アドバイスさせていただくことです。『患者さんは
多いのに税金も多い、儲かっている実績がない』とい
われる方も多いのですが、借入や返済の方法、貯蓄や
身内への給与設定などに問題があるなど、必ずそこ
には原因があります。その部分を洗い出して改善
していくお手伝いができればと思います」。
-
「小さな気づきが大きな変化をもたらす。」と
いうことですね。新規開業のご予定がある方、考えら
れている方、また既存医院での経営に関する不安や
疑問がある方は、プロの目利きを信頼して相談して
みるのもいいかもしれません。