16
Technical Overview デモ・ガイド N9069A 雑音指数 測定アプリケーション Agilent Xシリーズ・シグナル・アナライザ(MXA/EXA)雑音指数ソリューション

N9069A雑音指数 Technical Overview 測定アプリ …literature.cdn.keysight.com/litweb/pdf/5989-6536JAJP.pdf(5952-3706E)を参照してください。Agilent X シリーズ・シグナル・アナライザの簡単なユー

  • Upload
    others

  • View
    1

  • Download
    0

Embed Size (px)

Citation preview

Page 1: N9069A雑音指数 Technical Overview 測定アプリ …literature.cdn.keysight.com/litweb/pdf/5989-6536JAJP.pdf(5952-3706E)を参照してください。Agilent X シリーズ・シグナル・アナライザの簡単なユー

Technical Overviewデモ・ガイド

N9069A雑音指数 測定アプリケーション

Agilent X シリーズ・シグナル・アナライザ(MXA/EXA)雑音指数ソリューション

Page 2: N9069A雑音指数 Technical Overview 測定アプリ …literature.cdn.keysight.com/litweb/pdf/5989-6536JAJP.pdf(5952-3706E)を参照してください。Agilent X シリーズ・シグナル・アナライザの簡単なユー

2

雑音指数は、システム、増幅器、トランジスタに固有の基本パラメータの 1つです。受信システムで発生するノイズの問題を最小限に抑えるには、微弱な信号を増幅するか、システムやその個別コンポーネントのノイズを減らす必要があります。Agilent N9069A雑音指数測定アプリケーションを使用すると、再現性がある雑音指数測定を実現できます。この測定アプリケーションをAgilent X シリーズ・シグナル・アナライザ(MXA/EXA)と組み合わせると、10 MHz ~ 26.5 GHz の範囲で完全に仕様化された測定が行えます。またN9069A は、非常に高速であるため、製造段階においても速度の低下を心配することなく以下の測定が可能です。

● 雑音指数/係数● 利得● 実効温度● Y ファクタ● ホット/コールド・パワー密度

N9069Aは、上記の値を計算するためYファクタ法を利用します。ノイズ・ソースを使用するので、Xシリーズ・シグナル・アナライザが被試験デバイスのノイズを決定できます。この方法は、2つのノイズ・パワー・レベル(ノイズ・ソースをオンにして測定したノイズ・パワー・レベルと、ノイズ・ソースをオフにして測定したノイズ・パワー・レベル)の比であるため、非常に単純です。Yファクタ技術の 詳 細 に つ い て は、『Noise Figure Measurement Accuracy: The Y-Factor Method』Application Note 57-2(5952-3706E)を参照してください。

Agilent X シリーズ・シグナル・アナライザの簡単なユーザ・インタフェース、優れた操作性、内蔵ヘルプ、詳細なダイヤグラムにより、N9069A 雑音指数測定アプリケーションは、新規のユーザもすぐに測定を開始できます。またX シリーズ・シグナル・アナライザとこのアプリケーションでフルの RF 信号解析機能を 1台の測定器で行え、ハードウェアと測定が同じであれば、以前のAgilent 雑音指数ソリューションのコードが使用できます。N9069A は、USB、LAN、GPIB インタフェースでXシリーズ・シグナル・アナライザを制御できます。

N9069A雑音指数測定の主な機能は、以下のとおりです。● さまざまなポイントのアベレージングを可能にするユーザ定義掃引時間

● ESA、PSA、NFAとのコード互換性● 電源を入れ直しても保存されている校正データ● さまざまな LOに対する LAN経由の外部ソース制御● ノイズ・ソースのユーザ定義セトリング時間設定● 内部不確かさ計算機● SNSおよび 346シリーズ・ノイズ・ソースのサポート

SNS搭載のXシリーズ・シグナル・アナライザ

50 年間、雑音指数ソリューションをリード

Page 3: N9069A雑音指数 Technical Overview 測定アプリ …literature.cdn.keysight.com/litweb/pdf/5989-6536JAJP.pdf(5952-3706E)を参照してください。Agilent X シリーズ・シグナル・アナライザの簡単なユー

3

ノイズ・ソース製品

コスト・パフォーマンスの高いノイズ・ソースとして、346 シリーズがあります。これらのノイズ・ソースは、周波数カバレージ、および過剰ノイズ比(ENR)によって分類されます。一部の能動デバイスは、ポート整合に敏感に反応します。こうしたデバイスは、ソース・インピーダンスに応じて異なる雑音指数値を示します。ノイズ・ソースは、Pホットから Pコールドへ切り換えたときにポート・インピーダンス(SWR)を変化させます。346Aなどのノイズ・ソースには、インピーダンスの変化を最小限に抑える出力回路があります。

SNS シリーズのスマート・ノイズ・ソースは、Xシリーズ・シグナル・アナライザ、NFA、ESAスペクトラム・アナライザと使用できます。SNS ノイズ・ソースは、346 シリーズ・ノイズ・ソースと同じ ENR出力と周波数カバレージを備えていますが、ENRデータがEPROMにストアされ、測定器に自動的にダウンロードされるので、校正テーブルに手動で値を入力する必要がなくなります。さらに、センサ内にサーミスタが内蔵されており、自動温度補償/補正がなされています。これは、エンジニアにとって非常に貴重な、時間の節約となる利点です。

ノイズ・ソース比較チャート

ノイズ・ソース 周波数レンジ ENR、代表値346A 10 MHz~ 18 GHz 5~ 7 dB

346B 10 MHz~ 18 GHz 14~ 16 dB

346C 10 MHz~ 26 GHz 12~ 17 dB

Q347B 33 GHz~ 50 GHz 6~ 13 dB

R347B 26.5 GHz~ 40 GHz 10~ 13 dB

N4000A 10 MHz~ 18 GHz 4.6~ 6.5 dB

N4001A 10 MHz~ 18 GHz 14~ 16 dB

N4002A 10 MHz~ 26 GHz 12~ 17 dB

(注記:DUTの雑音指数が30 dBを超えた場合、Yファクタ法が適切な方法でなくなる可能性があります。その場合には、ネットワーク・アナライザでの雑音指数測定用のAgilent PNA-X オプション029をご検討ください。)

SNSシリーズ・ノイズ・ソース346シリーズ・ノイズ・ソース

Page 4: N9069A雑音指数 Technical Overview 測定アプリ …literature.cdn.keysight.com/litweb/pdf/5989-6536JAJP.pdf(5952-3706E)を参照してください。Agilent X シリーズ・シグナル・アナライザの簡単なユー

4

デモの準備

デモを実行するには、以下を準備してください。

1. オプションN9069A、雑音指数測定アプリケーションを搭載したXシリーズ・シグナル・アナライザを選択します。a. N9020A MXAシグナル・アナライザb. N9010A EXAシグナル・アナライザ

2. 周波数レンジを選択します。a. N9020A MXAシグナル・アナライザi. オプション 503:20 Hz ~ 3.6 GHzii. オプション 508:20 Hz ~ 8.4 GHziii. オプション 513:20 Hz ~ 13.6 GHziv. オプション 526:20 Hz ~ 26.5 GHz

b. N9010A EXAシグナル・アナライザi. オプション 503:9 kHz ~ 3.6 GHzii. オプション 507:9 kHz ~ 7.0 GHziii. オプション 513:9 kHz ~ 13.6 GHziv. オプション 526:9 kHz ~ 26.5 GHz

3. 内部プリアンプを選択します。 (注記:内部プリアンプは、システム利得を低下させます。仕様に適合するには常にオンにしておく必要があります。)a. N9020A MXAシグナル・アナライザi. オプション P03:100 kHz ~ 3.6 GHzii. オプション P08:100 kHz ~ 8.4 GHziii. オプション P13:100 kHz ~ 13.6 GHziv. オプション P26:100 kHz ~ 26.5 GHz

b. N9010A EXAシグナル・アナライザi. オプション P03:100 kHz ~ 3.6 GHz

4. ノイズ・ソースを選択します。以下に示すノイズ・ソースは、上に示すシグナル・アナライザで使用できます。a. 346 シリーズ・ノイズ・ソース (注記:これらのノイズ・ソースを測定器に接続するためケーブルと整合コネクタが必要です。)i. 346A:10 MHz ~ 18 GHz、公称 ENR 6 dBii. 346B:10 MHz ~ 18 GHz、公称 ENR 15 dBiii. 346C:10 MHz ~ 26.5 GHz、公称 ENR 15 dB

b. SNS シリーズ・ノイズ・ソース (注記:これらのノイズ・ソースを測定器に接続するため 11730A ケーブルが必要です。)i. N4000A:10 MHz ~ 18 GHz、公称 ENR 6 dBii. N4001A:10 MHz ~ 18 GHz、公称 ENR 15 dBiii. N4002A:10 MHz ~ 26.5 GHz、公称 ENR 15 dB

N9069A雑音指数測定アプリケーション

Page 5: N9069A雑音指数 Technical Overview 測定アプリ …literature.cdn.keysight.com/litweb/pdf/5989-6536JAJP.pdf(5952-3706E)を参照してください。Agilent X シリーズ・シグナル・アナライザの簡単なユー

5

デモンストレーション

デバイスの雑音指数を測定するには、測定システムに関する知識が必要です。測定機器の雑音指数と被試験デバイス(DUT)の利得がわかれば、DUTの雑音指数を計算できます。その後で全体の雑音指数を測定します。N9069Aを使用すると、雑音指数測定をすばやく効率的に実行できます。

本書では、以下のデモについて説明します。

1. SNS シリーズ・ノイズ・ソース用の ENR テーブルの入力

2. 346 シリーズ・ノイズ・ソース用のENRテーブルの入力3. N9069A 雑音指数測定アプリケーションの校正4. 雑音指数および利得測定5. 表示機能の使用6. マーカ7. 雑音指数不確かさ計算機8. 増幅器の雑音指数測定

N9069A 雑音指数測定アプリケーションを開始するには、[Mode](必要に応じてMore 1 of 2){Noise Figure}の順にキー入力を行います。

(注記:[ ] で囲まれたキー入力はフロント・パネル・キーを表し、{ } で囲まれたキー入力は画面の右端にあるソフトキーを表します。)

測定タイプ

N9069A 雑音指数測定アプリケーションを使用する場合、7種類の測定結果が表示できます。これらのタイプのそれぞれについて簡単に説明します。

雑音指数: デバイス出力の熱雑音に与えるデバイス自体の影響を示します。代表的な雑音指数は、0.5 dB(非常に低ノイズのデバイスの場合)から 4 ~ 8 dB の範囲です。一部のシステム(例えばヘテロダイン・システム)では、全出力ノイズ・パワーに熱ソース以外からのノイズ(イメージ周波数変換からのスプリアスの影響など)が含まれますが、こうしたソースからのノイズは雑音指数を決定する際に考慮されません。雑音指数は dB単位で表示されます。

ノイズ・ ファクタ:

説明は上記と同じです。ただし、ノイズ・ファクタは dBでなくリニア単位で表示されます。

利得: 増幅率(利得とも呼ぶ)は、アナログ増幅器が信号をブーストする限度です。増幅率は通常、パワーで、利得は dB単位で表示されます。

Yファクタ: この方法は、2つのノイズ・パワー・レベル(ノイズ・ソースをオンにして測定したノイズ・パワー・レベルと、ノイズ・ソースをオフにして測定したノイズ・パワー・レベル)の比であるため、非常に単純です。Yファクタ技術の詳細について は、『Noise Figure Measurement Accuracy: The Y-Factor Method』Application Note 57-2(5952-3706E)を参照してください。これらの値は dB単位で表示されます。

T-Effective(実効温度):

どのタイプのランダム雑音でも物理温度(Te)で生成された等価量の熱雑音として表現できます。通常、実効(または等価)という用語は省略され、単に「ノイズ温度」と呼ばれています。これらの値はK単位で表示されます。

Pホット (ホット・

パワー密度):

この測定は、ノイズ・ソースをオンにして行われます。シグナル・アナライザで観察されるノイズ・フロアのレベルは、一部、測定の選択された帯域幅に依存します。帯域幅が広いほど、各データ・ポイントでより多くのノイズが測定されます。測定器がノイズ密度を表示できる場合、測定器は単にパワー測定を 1 Hz 帯域幅にノーマライズし、kTB-173.88 dBm/Hz を基準にします。表示された機能は、kTB を基準としたパワースペクトル密度と等価です。例えば15 dBは、パワースペクトル密度 =- 158.88 dBm/Hz を意味します。P ホットは dB 単位で表示されます。

Pコールド(コールド・ パワー密度):

この測定は Pホットと同じですが、ノイズ・ソースはオフです。

Page 6: N9069A雑音指数 Technical Overview 測定アプリ …literature.cdn.keysight.com/litweb/pdf/5989-6536JAJP.pdf(5952-3706E)を参照してください。Agilent X シリーズ・シグナル・アナライザの簡単なユー

6

SNS シリーズ・ノイズ・ソースにより、ENRデータを測定器に入力するプロセスが簡単になります。Xシリーズ・シグナル・アナライザに接続した場合、ENRテーブルを自動的にダウンロードすることによって時間を節約できま

す。11730A ケーブルを使って SNS を Xシリーズ測定器に接続するだけで、ENRデータがシグナル・アナライザに自動的に転送されます。

役に立つヒント:校正と測定に同じENRテーブルを使用することも、別々のENRテーブルを使用することもできます。DUTの測定と校正に別々のノイズ・ソースを使用する場合(例えば、周波数コンバータを使用しており、校正範囲が測定範囲と異なる場合)、測定と校正に別のテーブルが必要です。それ以外の場合、時間を節約するため共通のENRテーブルを選択できます。

有効なENRテーブル

アナライザ設定の変更による 補間済みのENRデータ

無効なENRテーブル

指示 キー入力

SNSノイズ・ソースからの ENRデータの自動アップロード。 [Meas Setup] {ENR} {SNS Setup} {Noise Source}を押して SNS(Auto)にトグルし、{Auto Load ENR}を押して ONにトグルします。

11730Aケーブルの一端を測定器のリア・パネルに、もう一端をSNSに接続します。 このステップではキー操作は不要です。

データが正しく転送されたことを確認します。 画面の右上隅を見て、ENRが緑になっていることを確認します。

ENRテーブルを保存します。

[Save] {Data} {ENR Table}を押して {ENR Table}を選択し、メニューで {Meas} (Common) Tableまたは {Cal Table}を選択し、{Save As}を押します。名前と希望のディレクトリを入力し、[enter]を押すか OKをクリックします。

デモ1:SNSシリーズ・ノイズ・ソース用のENRテーブルの入力

Page 7: N9069A雑音指数 Technical Overview 測定アプリ …literature.cdn.keysight.com/litweb/pdf/5989-6536JAJP.pdf(5952-3706E)を参照してください。Agilent X シリーズ・シグナル・アナライザの簡単なユー

7

このシリーズの広帯域ノイズ・ソースは、さまざまな周波数、過剰ノイズ比(ENR)、同軸コネクタを備え、多くの測定アプリケーションに使用できます。

デモ2:346シリーズ・ ノイズ・ソース用のENRテーブルの入力

共通ENRテーブル

指示 キー入力

ノイズ・ソースのシリアル番号を入力します。{Meas Setup} {ENR} {Meas Table} {Clear Table} {Serial #}を押します。ソフトキーまたは接続されたキーボードから英字エディタを使用します。{Done}を押します。

ノイズ・ソースのモデル IDを入力します。 {Model ID}を押します。ソフトキーまたは接続されたキーボードから英字エディタを使用します。{Done}を押します。

ENR周波数を入力します。{Edit} {Frequency}を押します。接続されたキーボード、またはフロント・パネルのテンキーを使用して値を入力し、{selectappropriate units}を押します。

ENR値を入力します。{Edit} {ENR Value}を押します。接続されたキーボード、またはフロント・パネルのテンキーを使用して値を入力し、{dB}を押します。

ノイズ・ソースのすべての周波数ポイントが入力されるまで、ENR周波数および値の入力を続行します。 このステップではキー操作は不要です。

ENRテーブルを保存します。

[Save] {Data} {ENR Table}を押して {ENR Table}を選択します。メニューで {Meas} (Common) Tableまたは {Cal Table}を選択し、{Save As}を押します。名前とディレクトリを入力し、[enter]を押すか OKをクリックします。

役に立つヒント:ENRデータの入力方法には、上記に示すデータを手動で入力する方法、前のデモで示したようにSNSデータを自動的にロードする方法、ENRデータをUSBメモリ・スティックからロードする方法、ENRデータを内部メモリからロードする方法の4 つがあります。

Page 8: N9069A雑音指数 Technical Overview 測定アプリ …literature.cdn.keysight.com/litweb/pdf/5989-6536JAJP.pdf(5952-3706E)を参照してください。Agilent X シリーズ・シグナル・アナライザの簡単なユー

8

正確な雑音指数測定を行うには、DUTを測定する前に、測定システムの固有の雑音指数を識別して補正するためシステム校正をする必要があります。校正しておけば、測定された測定器の雑音指数を全雑音指数測定から除去して、DUT の雑音指数と利得だけが表示できます。

Xシリーズ・シグナル・アナライザは、以下の3ステップで校正できます。1. DUTに適した周波数レンジを選択します。2. ポイント数とアベレージを設定します。3. 校正の開始前に内蔵プリアンプをオンにします。デフォルト設定はオンです。内蔵プリアンプを検出するには、[AMPTD]{more}{Internal Preamp} に進みます。

デモ3:N9069A雑音指数 測定アプリケーションの校正

指示 キー入力ノイズ・ソースを Xシリーズ・シグナル・アナライザのリアにBNCケーブル(346シリーズ・ノイズ・ソースの場合)または11730Aケーブル(SNSシリーズ・ノイズ・ソースの場合)で接続します。

このステップではキー操作は不要です。

スタート周波数を設定します。 [Freq Channel] {Start Freq} [10] {MHz}

ストップ周波数を設定します。 {Stop Freq} [3] {GHz}

ポイント数を設定します。 {Points} [30] {Enter}

アベレージング機能を設定します。 [Meas Setup] {Average Num}を押し、ONにトグルします。[15] {Enter}を押します。

N9069Aを校正します。 [Meas Setup] {Calibrate Now} [Enter](または取り付けたマウスでOKをクリックします)。

N9069A雑音指数測定アプリケーションの校正

知っておくと便利“User Cal”の動作は、ESA、PSA、NFAの”Calibrate”の動作と同じです。測定の校正が終了するまで補正済みの結果が得られません。校正の中断は、シングル・モードでも連続モードでも可能です。

役に立つヒント:プリセレクタのドリフトが結果に影響を与えており、誤差が期待値より大きい場合、設定を最適化するために [meas setup] {more} で{Optimize Preselector} を使用します。3.6 GHz を超える測定の場合、これにより、別の校正を実行する時間を節約できます。

Page 9: N9069A雑音指数 Technical Overview 測定アプリ …literature.cdn.keysight.com/litweb/pdf/5989-6536JAJP.pdf(5952-3706E)を参照してください。Agilent X シリーズ・シグナル・アナライザの簡単なユー

9

N9069A は入力に直接接続されたノイズ・ソースによって校正できるため、デバイスでの雑音指数測定と利得測定が簡単に行えます。以下のステップでDUTの雑音指数と利得が画面に表示されます。

デモ4:雑音指数および 利得測定

指示 キー入力ビジュアル・セットアップ・ガイドを使用して測定の準備を行います。

[Mode Setup] {DUT Setup...} {Amplifier}を押すか、マウスを使ってドロップ・ダウン・メニューから使用する DUTを選択します。

入力からノイズ・ソースを切断し、DUTの出力をシグナル・アナライザの RF入力に接続します。DUTの入力をノイズ・ソースの出力に接続します。

このステップではキー操作は不要です。

DUTセットアップ・メニュー

役に立つヒント:測定の最適な表示には、自動スケーリング機能を使用します。最低ポイントがグラフの一番下に配置され、最高値がグラフの一番上に配置されます。この機能は、AMPTDハードキーの下にあります。

Page 10: N9069A雑音指数 Technical Overview 測定アプリ …literature.cdn.keysight.com/litweb/pdf/5989-6536JAJP.pdf(5952-3706E)を参照してください。Agilent X シリーズ・シグナル・アナライザの簡単なユー

10

N9069A 雑音指数測定アプリケーションでは、測定結果を表示する際のフォーマットを選択できます。表示は、グラフ、表形式、メータの 3種類のレイアウトから選択できます。

指示 キー入力表示を変更します。 [View/Display] {Layout}を押して希望の方法を選択します。

役に立つヒント:6つの測定結果のいずれかをグラフ表示で表示する場合、

ボタンを使用すると グラフをズームできます。

デモ5:表示機能の使用

グラフ表示:Xシリーズ・シグナル・アナライザの大型画面にグラフをフルに表示できます。

表形式表示:表では、強調表示されたバーによって測定の進捗状況が示されます。これにより、ある特定の瞬間にどのポイントが測定されているかがわかります。

メータ表示:より詳細なグラフ表示と表形式表示に加えて、メータ表示ビューでは引き続き、販売を終了した 8970 雑音指数メータと同じフォーマットで結果を確認できます。

Page 11: N9069A雑音指数 Technical Overview 測定アプリ …literature.cdn.keysight.com/litweb/pdf/5989-6536JAJP.pdf(5952-3706E)を参照してください。Agilent X シリーズ・シグナル・アナライザの簡単なユー

11

マーカは、トレースの検索に使用でき、トレース単独の場合よりも正確にポイント・データを表示できます。合計 4個のノーマル・マーカをグラフ表示に配置できます。マーカ機能は、ひし形のマーカをトレースのポイントに配置することにより、周波数および測定結果を測定します。

マーカとマーカ・テーブル

指示 キー入力ノーマル・マーカをトップ・グラフに配置します。 [Marker] {Normal}

デルタ・マーカを作成します。 {Delta}:フロント・パネル・ノブを使用してデルタ・マーカをスクロールします。

トップ・グラフからボトム・グラフまでのデルタ・マーカを作成します。

{Properties} {Marker Trace} {Trace 2}:フロント・パネル・ノブを使用してデルタ・マーカをスクロールします。

デルタ・マーカ 1をマーカ 3に変更します。 {Relative To} {Marker 3}

知っておくと便利グラフ表示のあいだ、2つのトレース間でデルタ・マーカを使用できます。[marker]キーの下にマーカ・テーブルを表示することもできます。

デモ6:マーカ

Page 12: N9069A雑音指数 Technical Overview 測定アプリ …literature.cdn.keysight.com/litweb/pdf/5989-6536JAJP.pdf(5952-3706E)を参照してください。Agilent X シリーズ・シグナル・アナライザの簡単なユー

12

雑音指数測定の全不確かさを計算するには、測定器の雑音指数不確かさ以外に、DUTの雑音指数、利得、整合、測定器の雑音指数、利得不確かさ、整合、ノイズ・ソースのENR不確かさと整合などのその他のファクタを考慮する必要があります。計算は、雑音指数測定アプリケーション

に付属の不確かさ計算機によって実行できます。類似の計算機がAgilent Web サイト www.agilent.co.jp/find/nfu でも入手できます。雑音指数不確かさ計算機は、346 またはSNS シリーズ・ノイズ・ソースと使用できます。

指示 キー入力不確かさ計算機を使用します。 [Mode Setup] {Uncertainty Calculator}

ソースを選択します。 タブ・キーまたはマウスを使用して、”Noise Source Model”ボックスを強調表示し、”Agilent N40002A”を選択します。

DUTおよび測定器の値を入力します。

タブ・キーまたはマウスを使用して、各ボックスを強調表示します。取り付けられたキーボードまたはフロント・パネルのキーパッドを使用して以下の値を入力します。

1. DUTa. 雑音指数:3.75 dBb. 利得:19.40 dBc. 入力整合:1.50d. 出力整合:1.50

2. 測定器a. 雑音指数:8.00 dBb. 雑音指数不確かさ:

i. MXA:0.02 dBii. EXA:0.03 dB

c. 利得:0.41 dBd. 利得不確かさ:

i. MXA:0.10 dBii. EXA:0.15 dB

e. 入力整合:1.00

測定不確かさが計算され、結果がフォームの一番下に表示されます。

上記の例の不確かさ計算機表示

デモ 7:SNS N40002Aと使用する雑音指数不確かさ計算機

Page 13: N9069A雑音指数 Technical Overview 測定アプリ …literature.cdn.keysight.com/litweb/pdf/5989-6536JAJP.pdf(5952-3706E)を参照してください。Agilent X シリーズ・シグナル・アナライザの簡単なユー

13

雑音指数測定では、2つの異なる入力ノイズ・パワー・レベルに対するDUTの出力パワーを測定します。ハイ・パワーおよびロー・パワー入力は、校正済みノイズ・ソースからの出力で、ノイズ・ソースのオン/オフで切り換えます。アナライザへのハイ・パワー入力は、ノイズ・ソースをオンに切り換えたときに生成されるノイズ・パワーを使用し、ロー・パワー入力は、ノイズ・ソースをオフにしたときに周囲温度で生成されるノイズ・パワーを使用します。このセクションでは、DUTを使用して、基本雑音指数測

定とさまざまな基本操作がどのように行われるかを示します。この測定の目的は、増幅器が以下の表の仕様に適合していることを確認することです。

次にDUT仕様の例を示します。1. 周波数レンジ:20 MHz ~ 3 GHz2. 代表利得:20 dB3. 最小利得:14 dB4. 代表雑音指数:4.8 dB

増幅器測定セットアップ

指示 キー入力

DUTセットアップ・メニューにアクセスします。

[Mode Setup] {DUT Setup} {Amplifier}システム・ダウンコンバータ:Off周波数モード:OffRFスタート周波数:10 MHzRFストップ周波数:3 GHz

校正のセットアップ

[Meas Setup] {Cal Setup} {User Cal}最小減衰量 = 0 dB(デフォルト)最大減衰量 = 10 dB(デフォルト)校正ニーズに基づいて減衰量を最大で 40 dBまで変更できます。

測定減衰量 [Ampt] {Attenuation} [0] {dB}

校正 [Meas Setup] {Calibrate} [Enter]

ノイズ・ソースとシグナル・アナライザの RF入力間にプリアンプを接続します。 このステップではキー操作は不要です。

画面に結果を表示します。 [Meas]

知っておくと便利フル測定掃引時間が1分未満の場合、NF測定掃引のポイント間のベース・ボックス整列が無効になります。それ以外の場合、ポイント間の整列だけが有効です。単一周波数ポイントのPコールド読取りとPホット読取りの間、整列は常に無効になります。

デモ8:増幅器の雑音指数測定

Page 14: N9069A雑音指数 Technical Overview 測定アプリ …literature.cdn.keysight.com/litweb/pdf/5989-6536JAJP.pdf(5952-3706E)を参照してください。Agilent X シリーズ・シグナル・アナライザの簡単なユー

14

雑音指数「測定器の不確かさ」は、雑音指数解析の場合、雑音指数計算に必要な測定を実行するときにアナライザで遭遇する相対振幅不確かさに起因する不確かさとして定義されています。相対振幅不確かさは、相対表示スケール忠実度(インクリメンタル・ログ忠実度とも呼ぶ)に依存しますが、同じではありません。雑音指数または利得測定の全不確かさを表示するため、計算でアナライザの不確かさがYファクタに依存する量だけ乗算されます。この仕様の使用法の詳細については、『Noise Figure Measurement Accuracy: The Y-Factor Method』Application Note 57-2(5952-3706E)を参照してください。

N9069A は、10 MHz 未満での使用に対して仕様化されていません。測定器の不確かさ(公称値)は 10 MHz ~ 3.6 GHz の仕様と同じですが、性能は保証されません(注記:仕様は、4ページに示した内部プリアンプ・オプションと一緒に使用したときにのみ有効です)。

仕様

利得「測定器の不確かさ」は、利得測定の場合、利得計算に必要な測定を実行するときにアナライザで遭遇する相対振幅不確かさに起因する不確かさとして定義されています。この仕様の使用法の詳細については、『Noise Figure Measurement Accuracy: The Y-Factor Method』Application Note 57-2(5952-3706E)を参照してください。

N9069A は、10 MHz 未満での使用に対して仕様化されていません。測定器の不確かさ(公称値)は 10 MHz ~ 3.6 GHz の仕様と同じですが、性能は保証されません。

以下の仕様は、利得レンジ = - 20 ~+ 40 dB の DUTに適用されます。

測定器の不確かさ

周波数レンジ 10 MHz~ 3.6 GHz 測定範囲 MXA N9020A EXA N9010A

 ノイズ・ソース ENR 4~ 6.5 dB 0~ 20 dB ± 0.02 dB ± 0.03 dB

 ノイズ・ソース ENR 12~ 17 dB 0~ 30 dB ± 0.025 dB ± 0.03 dB

 ノイズ・ソース ENR 20~ 22 dB 0~ 35 dB ± 0.03 dB ± 0.03 dB

周波数レンジ 3.6 GHz~ 26.5 GHz MXA N9020A

 ノイズ・ソース ENR 4~ 6.5 dB 0~ 20 dB ± 0.02 dB

 ノイズ・ソース ENR 12~ 17 dB 0~ 30 dB ± 0.025 dB

 ノイズ・ソース ENR 20~ 22 dB 0~ 35 dB ± 0.03 dB

MXA N9020A EXA N9010A

周波数レンジ10 MHz~ 3.6 GHz

± 0.10 dB ± 0.15 dB

周波数レンジ3.6 GHz~ 26.5 GHz

± 0.11 dB ± 0.11 dB

Page 15: N9069A雑音指数 Technical Overview 測定アプリ …literature.cdn.keysight.com/litweb/pdf/5989-6536JAJP.pdf(5952-3706E)を参照してください。Agilent X シリーズ・シグナル・アナライザの簡単なユー

15

関連カタログ

Agilent MXAシグナル・アナライザ

『Agilent MXA シグナル・アナライザ』、Brochure カタログ番号 5989-5047JAJP

『Agilent MXA Signal Analyzer』、Data Sheet カタログ番号 5989-4942EN

『N9020A MXAシグナル・アナライザ』、 Configuration Guide カタログ番号 5989-4943JAJP

Agilent EXAシグナル・アナライザ

『Agilent EXA Signal Analyzer』、Brochure カタログ番号 5989-6527EN

『N9010A EXAシグナル・アナライザ』、Data Sheet カタログ番号 5989-6529JAJP

『N9010A EXAシグナル・アナライザ』、 Configuration Guide カタログ番号 5989-6531JAJP

Agilent X シリーズ・シグナル・アナライザ

『Agilent X-Series Signal Analyzer(MXA/EXA)』、Demonstration Guide カタログ番号 5989-6126EN

『W-CDMA、HSDPA/HSUPA測定アプリケーション』Technical Overview、カタログ番号 5989-5352JAJP

『N9075A 802.16 OFDMA測定アプリケーション』Technical Overview、カタログ番号 5989-5353JAJP

『N9068A 位相雑音測定アプリケーション』 Technical Overview、カタログ番号 5989-5354JAJP

『Agilent X-Series Signal Analyzers(MXA/EXA)GSM/EDGE』Technical Overview、カタログ番号 5989-6532EN

『Agilent X-Series Signal Analyzers(MXA/EXA)TD-SCDMA』Technical Overview、 カタログ番号 5989-6534EN

『Agilent X-Series Signal Analyzers(MXA/EXA)Analog Demodulation』Technical Overview、 カタログ番号 5989-6535EN

『Agilent X-Series Signal Analyzers(MXA/EXA)Noise Figure』Technical Overview、カタログ番号 5989-6536EN

『MXAシグナル・アナライザを使用したデジタル変調信号の測定/トラブルシューティング』Application Note 1562、カタログ番号 5989-4944JAJP

『MXAプリセレクタ同調機能を使用したマイクロ波スペクトラム解析の振幅確度の向上』Application Note 1562、 カタログ番号 5989-4946JAJP

『Agilent MXAシグナル・アナライザによる測定速度の高速化』、Application Note 1562、 カタログ番号 5989-4947JAJP

Page 16: N9069A雑音指数 Technical Overview 測定アプリ …literature.cdn.keysight.com/litweb/pdf/5989-6536JAJP.pdf(5952-3706E)を参照してください。Agilent X シリーズ・シグナル・アナライザの簡単なユー

www.agilent.co.jp/find/emailupdates-Japan

Agilent からの最新情報を記載した電子メールを無料でお送りします。

www.agilent.co.jp/find/agilentdirect

測定器ソリューションを迅速に選択して、使用できます。

電子計測UPDATE

Remove all doubtアジレント・テクノロジーでは、柔軟性の高い高品質な校正サービスと、お客様のニーズに応じた修理サービスを提供することで、お使いの測定機器を最高標準に保つお手伝いをしています。お預かりした機器をお約束どおりのパフォーマンスにすることはもちろん、そのサービスをお約束した期日までに確実にお届けします。熟練した技術者、最新の校正試験プログラム、自動化された故障診断、純正部品によるサポートなど、アジレント・テクノロジーの校正・修理サービスは、いつも安心で信頼できる測定結果をお客様に提供します。

また、お客様それぞれの技術的なご要望やビジネスのご要望に応じて、

● アプリケーション・サポート● システム・インテグレーション● 導入時のスタート・アップ・サービス● 教育サービスなど、専門的なテストおよび測定サービスも提供しております。

世界各地の経験豊富なアジレント・テクノロジーのエンジニアが、お客様の生産性の向上、設備投資の回収率の最大化、測定器のメインテナンスをサポートいたします。詳しくは:

www.agilent.co.jp/find/removealldoubt

www.agilent.co.jp/find/openAgilent は、テスト・システムの接続とプログラミングのプロセスを簡素化することにより、電子製品の設計、検証、製造に携わるエンジニアを支援します。Agilent の広範囲のシステム対応測定器、オープン・インダストリ・ソフトウェア、PC標準 I/O、ワールドワイドのサポートは、テスト・システムの開発を加速します。

www.lxistandard.orgLXIは、GPIBのLANベースの後継インタフェースで、さらに高速かつ効率的なコネクティビティを提供します。Agilentは、LXIコンソーシアムの設立メンバです。

アジレント・テクノロジー株式会社本社〒 192-8510 東京都八王子市高倉町 9-1

計測お客様窓口受付時間 9:00-19:00(土・日・祭日を除く)FAX、E-mail、Webは 24時間受け付けています。

TEL■■ 0120-421-345(042-656-7832)

FAX ■■ 0120-421-678(042-656-7840)

Email [email protected]

電子計測ホームページwww.agilent.co.jp

●記載事項は変更になる場合があります。ご発注の際はご確認ください。

Copyright 2008アジレント・テクノロジー株式会社

March 10, 2008

5989-6536JAJP0000-00DEP