26
和歌山県総合診療専門研修プログラム 和歌山県立医科大学附属病院紀北分院 目 次 1.和歌山県総合診療専門研修プログラムについて 2.総合診療専門研修はどのように行われるのか 3.専攻医の到達目標 4.各種カンファレンスなどによる知識・技能の習得 5.学問的姿勢について 6.医師に必要な資質・能力、倫理性、社会性などについて 7.施設群による研修プログラムおよび地域医療についての考え方 8.研修プログラムの施設群 9.専攻医の受け入れ数について 10.施設群における専門研修コースについて 11.研修施設の概要 12.専門研修の評価について 13.専攻医の就業環境について 14.専門研修プログラムの改善方法とサイトビジットについて 15.修了判定について 16.専攻医が研修プログラムの修了に向けて行うべきこと 17.Subspecialty 領域との連続性について 18.総合診療研修の休止・中断、プログラム移動、プログラム外研修の条件 19.専門研修プログラム管理委員会 20.総合診療専門研修特任指導医 21.専門研修実績記録システム、マニュアル等について 22.専攻医の採用

New 和歌山県総合診療専門研修プログラム · 2018. 10. 30. · 16.専攻医が研修プログラムの修了にけて行う べきこと 17.Subspecialty領域との連続性について

  • Upload
    others

  • View
    0

  • Download
    0

Embed Size (px)

Citation preview

Page 1: New 和歌山県総合診療専門研修プログラム · 2018. 10. 30. · 16.専攻医が研修プログラムの修了にけて行う べきこと 17.Subspecialty領域との連続性について

和歌山県総合診療専門研修プログラム

和歌山県立医科大学附属病院紀北分院

目 次

1.和歌山県総合診療専門研修プログラムについて

2.総合診療専門研修はどのように行われるのか

3.専攻医の到達目標

4.各種カンファレンスなどによる知識・技能の習得

5.学問的姿勢について

6.医師に必要な資質・能力、倫理性、社会性などについて

7.施設群による研修プログラムおよび地域医療についての考え方

8.研修プログラムの施設群

9.専攻医の受け入れ数について

10.施設群における専門研修コースについて

11.研修施設の概要

12.専門研修の評価について

13.専攻医の就業環境について

14.専門研修プログラムの改善方法とサイトビジットについて

15.修了判定について

16.専攻医が研修プログラムの修了に向けて行うべきこと

17.Subspecialty領域との連続性について

18.総合診療研修の休止・中断、プログラム移動、プログラム外研修の条件

19.専門研修プログラム管理委員会

20.総合診療専門研修特任指導医

21.専門研修実績記録システム、マニュアル等について

22.専攻医の採用

Page 2: New 和歌山県総合診療専門研修プログラム · 2018. 10. 30. · 16.専攻医が研修プログラムの修了にけて行う べきこと 17.Subspecialty領域との連続性について

1.和歌山県総合診療プログラムについて

現在、地域の病院や診療所の医師が地域医療を支えており、我が県では高齢化の現状や今後を踏ま

え、専門にとらわれず幅の広い医療に対応できる総合診療医の養成が強く求められています。

和歌山県立医科大学附属病院紀北分院(以下、当院)は地域密着型の病院であり、高齢化する地域

にあることから複合的な疾患を抱える患者が多く、総合診療医を養成するフィールドとして適してい

ます。本プログラムでは和歌山県全体の地域医療を支えていく医師を育成する視点から、和歌山県内

各地の病院、診療所に幅広くご協力いただき、和歌山県総合診療専門研修プログラム(以下、本研修

PG)を作成しました。

和歌山県は7つの二次保健医療圏(地域)に分かれています。地域当たりの医師数に関して、和歌

山県全体では全国平均以上、特に和歌山保健医療圏は全国平均を大きく上回っていますが、他の6保

健医療圏は当院の属する橋本保健医療圏を含め、全国平均と同程度か下回っている状況です。これら

6つの保健医療圏には中核となる 300床程度の公的な中核病院と地域に密着した複数の小病院で構成

されています。本研修PGは複数の地域を3年間で巡るように研修し、総合診療医になるための第 1

歩としての役割を果たすと考えています。

本研修PGでは以下の7つの資質・能力を獲得することを目標とします。

包括的統合アプローチ

一般的な健康問題に対する診療能力

患者中心の医療・ケア

連携重視のマネジメント

地域包括ケアを含む地域志向マネジメント

公益に資する職業規範

多様な診療の場に対応する能力

2.総合診療専門研修はどのように行われるのか

⑴研修の流れ

総合診療専門研修は卒後3年目からの専門研修(後期研修)3年間で構成されます。

1年次は主に内科研修を行い、患者の情報を過不足なく明確に指導医や関連職種に報告し、健康問

題を迅速かつ正確に同定し、基本的な対処ができるようになることを目標とします。

2年次は総合診療研修Ⅱおよび小児科、救急研修を行います。各領域の知識、技術を磨くと共に、

頻度の高いコモンディディーズに対して標準治療を行い、的確な対応やマネジメントを提供するこ

とができることを目標とします。

3年次は主に総合診療研修Ⅰを行います。複数の疾患を持ち、診断や治療プロセスが困難な場合や、

患者を取り巻く背景も疾患に影響しているような患者に対しても的確なマネジメントを提供する

ことができ、かつ指導できることを目標とします。

3年間の研修の修了判定には以下の3つの要件が審査されます。

①定められたローテート研修を全て履修していること

②専攻医自身による自己評価と省察の記録、作成したショーケースポートフォリオを通じて、到

達目標がカリキュラムに定められた基準に達していること

③研修手帳に記録された経験目標が全てカリキュラムに定められた基準に到達していること

※ 総合診療専門医は日常遭遇する疾病と傷害等に対する適切な初期対応と必要に応じた継続的

な診療を提供するだけでなく、地域のニーズを踏まえた疾病の予防、介護、看取りなど保健・医

療・介護・福祉活動に取り組むことが求められますので、12ヶ月の総合診療研修Ⅰ、6ヶ月の総

Page 3: New 和歌山県総合診療専門研修プログラム · 2018. 10. 30. · 16.専攻医が研修プログラムの修了にけて行う べきこと 17.Subspecialty領域との連続性について

合診療研修Ⅱを通して地域ケアの学びを重点的に研修します。

⑵専門研修における学び方

専攻医の研修は臨床現場での学習、臨床現場を離れた学習、自己学習の3つに大きく分かれます。

それぞれの学び方に習熟し、生涯にわたって学習していく基盤とすることが求められます。

①臨床現場での学習

職務を通じた学習(On-the-job training)を基盤とし、診療経験から生じる疑問に対してE

BMの方法論に則って文献等を通じた知識の収集と批判的吟味を行うプロセスと、総合診療の理

論やモデルを踏まえながら経験そのものを省察して能力向上を図るプロセスを両輪とします。そ

の際、学習履歴の記録と自己省察の記録をポートフォリオ作成という形で全研修課程において実

施します。場に応じた教育方略は以下の通りです。

㋐外来医療

経験目標を参考に幅広い経験症例を確保します。指導医との振り返りを継続的に行い、診療

録のレビューや手技の実践・向上につなげます。外来診察中のビデオ画像を用いてフィードバ

ックが受けられます。また、月に1度、テレビ会議システム等を用いて指導医と困難症例につ

いて振り返りを行います。

㋑在宅医療

経験目標を参考に幅広い経験症例を確保します。初期は経験ある指導医の診療に同行して診

療の枠組みを理解し、次第に独立して訪問診療を提供し経験を積みます。外来医療と同じく、

症例の振り返りやカンファレンスを通じて学びを深め、特に多職種と連携して提供される在宅

医療に特徴的な多職種カンファレンスに積極的に参加し、連携の方法を学びます。

㋒病棟医療

経験目標を参考に幅広い経験症例を確保します。入院担当患者の症例提示と教育的フィード

バックを受ける回診及び多職種を含む病棟カンファレンスを通じて診断・検査・治療・退院支

援・地域連携のプロセスに関する理解を深めます。指導医による診療録レビューや手技の学習

法は外来と同様です。

㋓救急医療

経験目標を参考に各救命救急センター等で幅広い経験症例を確保します。救急では外来診療

と違い、迅速な判断が求められるため、救急特有の意思決定プロセスを重視します。

また、救急処置全般については技能領域の教育方略(シミュレーションや直接観察指導等)

が必要となり、特に、指導医と共に処置にあたる中から経験を積みます。

㋔地域ケア

地域と連携、調整し、学校保健活動や健康教室を実施します。また、その経験を指導医と共

に振り返り、その意義や改善点を理解します。

②臨床現場を離れた学習

㋐総合診療の様々な理論やモデル、組織運営マネジメント、総合診療領域の研究と教育につい

ては、研修施設での勉強会や関連する学会の学術集会やセミナー、研修会へ参加し、研修カリキ

ュラムの基本的事項を履修します。

㋑和歌山県立医科大学内のスキルスラボを利用することで様々な手技を学ぶことができます。

㋒各施設で行われる医療倫理、医療安全、感染対策等の講習の他、和歌山県立医科大学で開催

される各種研修についてはテレビ会議システムを用いて聴講できます。

Page 4: New 和歌山県総合診療専門研修プログラム · 2018. 10. 30. · 16.専攻医が研修プログラムの修了にけて行う べきこと 17.Subspecialty領域との連続性について

③自己学習

研修カリキュラムにおける経験目標は原則的に本プログラムでの経験を必要としますが、やむ

を得ず経験を十分に得られない項目については、総合診療領域の各種テキストや Web教材、更に

は日本医師会生涯教育制度及び関連する学会におけるe-learning教材、DVD教材、医療専門雑誌、

各学会が作成するガイドライン等を適宜活用しながら、幅広く学習します。

⑶専門研修における研究

医師としての幅を広げるためには最先端の医学・医療を理解すること、および科学的思考法を体

得することが重要です。そこで経験した症例について、社会復帰に関わる研究、学会発表を行うこ

ととします。

Page 5: New 和歌山県総合診療専門研修プログラム · 2018. 10. 30. · 16.専攻医が研修プログラムの修了にけて行う べきこと 17.Subspecialty領域との連続性について

⑷研修の週間計画および年間計画

基幹施設(和歌山県立医科大学附属病院紀北分院)

内科(総合診療Ⅱ、内科研修)

時間 内容 月 火 水 木 金 土 日

8:00-9:00 新患検討会

8:00-9:00 症例検討会

8:00-9:00 抄読会

9:00-12:00 初診外来

9:00-12:00 病棟業務

9:00-12:00 腹部超音波

9:00-12:00 上部内視鏡

13:00-17:00 内科回診

13:00-17:00 病棟業務

13:00-17:00 下部内視鏡

13:00-17:00 救急当番

13:00-17:00 医療介護連携検討会

17:15-翌 8:30 指導医と当直(週 1回)

指導医と月 1-2回の休日日当直

Page 6: New 和歌山県総合診療専門研修プログラム · 2018. 10. 30. · 16.専攻医が研修プログラムの修了にけて行う べきこと 17.Subspecialty領域との連続性について

連携施設(紀南病院)

内科(総合診療Ⅱ、内科研修)

時間 内容 月 火 水 木 金 土 日

7:30-8:30 研修医モーニングカンファレンス

8:00-8:15 ICUカンファレンス

8:15-9:00 内科カンファレンス

午前 回診・外来・救急

午前 上部内視鏡検査

午後 下部内視鏡検査

午後 病棟回診

18:00- 症例検討会

小児科

時間 内容 月 火 水 木 金 土 日

8:00-9:00 朝カンファ

9:00-12:00 病棟・新生児室・NICU・初診外来

9:00- 申し送り・病棟業務

13:00- 午後救急

13:00- 予防接種

13:00- 1ヶ月健診

17:00- 脳波勉強会

17:00- 周産期カンファ

17:00- 週末申し送り

Page 7: New 和歌山県総合診療専門研修プログラム · 2018. 10. 30. · 16.専攻医が研修プログラムの修了にけて行う べきこと 17.Subspecialty領域との連続性について

連携施設(橋本市民病院)

内科

時間 内容 月 火 水 木 金 土 日

7:30-8:00 Webカンファレンス

7:30-8:00 Webレクチャー

8:00-8:30 多職種カンファレンス

8:00-8:30 身体所見教育回診

9:00-12:00 病棟回診・週 1回外来初診担当

週 1回入院受け担当

13:00-16:00 病棟回診・週 1回外来再診担当

週 1回ERバックアップ

17:00-18:00 内科病棟・全体カンファレンス

17:00-18:00 内科病棟・チームカンファレンス

19:30-21:00 Webレクチャー

13:00-15:00 レジデントデイ(月 1回)

小児科

時間 内容 月 火 水 木 金 土 日

8:15-9:00 回診

9:00-12:00 病棟業務

9:00-12:00 外来処置

14:00-16:00 午後診の外来処置

14:00-16:00 ワクチン接種

16:00-17:15 症例カンファレンス

17:15-翌 8:30 当直業務

8:30-翌 8:30 宿日直業務

Page 8: New 和歌山県総合診療専門研修プログラム · 2018. 10. 30. · 16.専攻医が研修プログラムの修了にけて行う べきこと 17.Subspecialty領域との連続性について

連携施設(すさみ病院)

内科(総合診療Ⅰ、総合診療Ⅱ)

時間 内容 月 火 水 木 金 土 日

8:15-8:45 カンファレンス

9:00-12:00 初診外来

9:00-12:00 再診外来

9:00-12:00 病棟業務

9:00-12:00 内視鏡・超音波検査

9:00-12:00 初期救急当番

9:00-17:00 院外研修

9:00-17:15 ドクターカー担当

13:00-17:15 初期救急当番

13:00-17:15 診療所

13:00-17:15 病棟業務

16:00-17:00 教育カンファレンス

16:45-17:15 カンファレンス2

17:15-翌 8:30 当直(週 1回)

月 1回の休日日当直

連携施設(生協病院)

内科(総合診療Ⅱ)

時間 内容 月 火 水 木 金 土 日

7:30-8:30 抄読会

8:30-8:45 カンファレンス

9:00-12:30 初診外来

9:00-12:30 救急当番

9:00-12:30 病棟業務

12:30-13:30 多職種カンファ

12:30-16:45 時間外当番

12:30-16:45 病棟業務

13:30-16:30 新入院カンファ・病棟回診

17:00-18:00 医局会議

18:00-19:30 多職種カンファ

18:00-19:30 症例検討会

平日 1回/週 土日 1回/月の当直

Page 9: New 和歌山県総合診療専門研修プログラム · 2018. 10. 30. · 16.専攻医が研修プログラムの修了にけて行う べきこと 17.Subspecialty領域との連続性について

連携施設(那智勝浦町立温泉病院)

内科(総合診療Ⅱ)

時間 内容 月 火 水 木 金 土 日

8:30-9:00 朝カンファレンス

8:30-12:00 病棟業務

9:00-12:00 初診外来

13:00-16:00 再診外来・初期救急当番

13:00-16:00 病棟業務

13:00-17:00 在宅診療

13:30-15:00 禁煙外来

15:00-16:00 糖尿病教室

16:00-17:30 症例カンファレンス

16:00-17:00 病棟カンファレンス

平日 1回/週の夜勤・土日 2回/月の日勤または夜勤

連携施設(白浜はまゆう病院)

内科(総合診療Ⅱ)

時間 内容 月 火 水 木 金 土 日

8:30-17:30 病棟業務

8:30-12:00 初診外来

13:00-17:00 再診外来

午前または午後 初期救急当番

17:30-19:30 医局会・症例カンファレンス

17:30-19:30 教育カンファレンス

14:00-17:00 診療所外来

連携施設(和歌山県立医科大学附属病院)

救命救急センター(救急科研修)

時間 内容 月 火 水 木 金 土 日

7:30-8:00 抄読会

8:00-8:30 医局会

8:00-9:30 新患カンファ

8:30-10:00 教授回診

9:30-9:45 モーニングレクチャー

9:45-17:15 外来・病棟

16:00-17:00 ICUカンファ

Page 10: New 和歌山県総合診療専門研修プログラム · 2018. 10. 30. · 16.専攻医が研修プログラムの修了にけて行う べきこと 17.Subspecialty領域との連続性について

連携施設(南和歌山医療センター)

内科(内科研修)

時間 内容 月 火 水 木 金 土 日

8:00-8:30 前日救急入院症例カンファ

8:30-9:30 内科診療部長回診

9:00-12:00 消化器内視鏡研修

8:30-12:00 病棟業務

8:30-12:00 初診外来

10:00-15:00 龍神診療所研修

13:00-16:00 再診・時間外当番

14:30-15:30 副院長回診

17:30-19:00 内科カンファ

救命救急科(救急科研修)

時間 内容 月 火 水 木 金 土 日

7:30-8:00 抄読会

8:00-8:15 救急カンファレンス

8:15-8:30 救命センター回診

8:30-17:15 救急外来または病棟診療

8:30-9:30 病棟回診

8:30-9:30 カルテ回診

9:30-17:15 救急外来または病棟診療

13:00-14:00 勉強会

連携施設(日本赤十字社和歌山医療センター)

第一救急部(救急科)

時間 内容 月 火 水 木 金 土 日

7:30-9:00 救命救急センターカンファレンス

9:00-17:30 救急診療

診療終了後 症例振り返りカンファ

9:00-17:00 ICLS・JMECC(不定期)

18:00-19:00 ICLS(不定期)

17:30-翌 9:00 当直業務

Page 11: New 和歌山県総合診療専門研修プログラム · 2018. 10. 30. · 16.専攻医が研修プログラムの修了にけて行う べきこと 17.Subspecialty領域との連続性について

本研修PGに関連した全体行事の年度スケジュール

SR1:1年次専攻医 SR2:2年次専攻医 SR3:3年次専攻医

月 全体行事予定

4 SR1:研修開始(オリエンテーション)

SR2、SR3、研修修了予定者:前年度分の研修記録が記載された研修手帳を月末まで提出

指導医:前年度の指導実績報告の提出

5 第 1回研修管理委員会:研修実施評価・修了判定

6 研修修了者:専門医認定審査書類を日本専門医機構へ提出

日本プライマリ・ケア連合学会学術大会参加(発表)

日本プライマリ・ケア連合学会近畿地方会演題公募

7 研修修了者:専門医認定審査(筆記試験、実技試験)

次年度専攻医の公募

和歌山県内専門研修プログラム合同説明会の開催(和歌山県立医科大学)

9 第 2回研修管理委員会:研修実施状況評価

公募締切(9月末)

10 SR1-3:研修手帳の記載整理、面談

次年度専攻医採用審査(書類および面接)

11 日本プライマリ・ケア連合学会近畿地方会参加(発表)

12 第 3回研修管理委員会:研修実施状況評価、採用予定者の承認

1 経験省察研修録発表会

3 SR1-3研修手帳、研修 PG評価報告の作成

指導医:指導実績報告の作成

3.専攻医の到達目標(修得すべき知識・技能・態度など)

⑴専門知識

総合診療の専門知識は以下の6領域で構成されます。

①地域住民が抱える健康問題には単に生物医学的問題のみではなく、患者自身の健康観や病いの

経験が絡み合い、患者を取り巻く家族、地域社会、文化などの環境(コンテクスト)が関与して

いることを全人的に理解し、患者、家族が豊かな人生を送れるように、コミュニケーションを重

視した診療・ケアを提供する。

②総合診療の現場では、疾患のごく初期の未分化で多様な訴えに対する適切な臨床推論に基づく

診断・治療から、複数の慢性疾患の管理や複雑な健康問題に対する対処、更には健康増進や予防

医療まで、多様な健康問題に対する包括的なアプローチが求められる。そうした包括的なアプロ

ーチは断片的に提供されるのではなく、地域に対する医療機関としての継続性、更には診療の継

続性に基づく医師・患者の信頼関係を通じて、一貫性をもった統合的な形で提供される。

③多様な健康問題に的確に対応するためには、地域の多職種との良好な連携体制の中での適切な

リーダーシップの発揮に加えて、医療機関同士あるいは医療・介護サービス間での円滑な切れ目

ない連携も欠かせない。更に、所属する医療機関内の良好な連携のとれた運営体制は質の高い診

療の基盤となり、そのマネジメントは不断に行う必要がある。

Page 12: New 和歌山県総合診療専門研修プログラム · 2018. 10. 30. · 16.専攻医が研修プログラムの修了にけて行う べきこと 17.Subspecialty領域との連続性について

④地域包括ケア推進の担い手として積極的な役割を果たしつつ、医療機関を受診していない方も

含む全住民を対象とした保健・医療・介護・福祉事業への積極的な参画と同時に、地域ニーズに

応じた優先度の高い健康関連問題の積極的な把握と体系的なアプローチを通じて、地域全体の健

康向上に寄与する。

⑤総合診療専門医は日本の総合診療の現場が外来・救急・病棟・在宅と多様であることを踏まえ

て、その能力を場に応じて柔軟に適用することが求められ、その際には各現場に応じた多様な対

応能力が求められる。

⑥繰り返し必要となる知識を身につけ、臨床疫学的知見を基盤としながらも、常に重大ないし緊

急な病態に注意した推論を実践する。

⑵専門技能(診察、検査、診断、処置、手術など)

総合診療の専門技能は以下の5領域で構成されます。

①外来・救急・病棟・在宅という多様な総合診療の現場で遭遇する一般的な症候及び疾患への評価

及び治療に必要な身体診察及び検査・治療手技

②患者との円滑な対話と医師・患者の信頼関係の構築を土台として、患者中心の医療面接を行い、

複雑な人間関係や環境の問題に対応するためのコミュニケーション技法

③診療情報の継続性を保ち、自己省察や学術的利用に耐えうるように、過不足なく適切な診療記録

を記載し、他の医療・介護・福祉関連施設に紹介するときには、患者の診療情報を適切に診療情

報提供書へ記載して速やかに情報提供することができる能力

④生涯学習のために、情報技術(information technology; IT)を適切に用いたり、地域ニーズに

応じた技能の修練を行ったり、人的ネットワークを構築することができる能力

⑤診療所・中小病院において基本的な医療機器や人材などの管理ができ、スタッフとの協働におい

て適切なリーダーシップの提供を通じてチームの力を最大限に発揮させる能力

⑶経験すべき疾患・病態

以下の経験目標については一律に症例数で規定しておらず、各項目に応じた到達段階を満たすこ

とが求められます。(研修手帳参照)なお、この項目以降での経験の要求水準としては、「一般的な

ケースで、自ら判断して対応あるいは実施できたこと」とします。

Page 13: New 和歌山県総合診療専門研修プログラム · 2018. 10. 30. · 16.専攻医が研修プログラムの修了にけて行う べきこと 17.Subspecialty領域との連続性について

以下に示す一般的な症候に対し、臨床推論に基づく鑑別診断および、他の専門医へのコンサルテーシ

ョンを含む初期対応を適切に実施し、問題解決に結びつける経験をする。(全て必須)

ショック 急性中毒 意識障害 疲労・全身倦怠感 心肺停止

呼吸困難 身体機能の低下 不眠 食欲不振 体重減少・るいそう

体重増加・肥満 浮腫 リンパ節腫脹 発疹 黄疸

発熱 認知脳の障害 頭痛 めまい 失神

言語障害 けいれん発作 視力障害・視野狭窄 目の充血 聴力障害・耳痛

鼻漏・鼻閉 鼻出血 嗄声 胸痛 動悸

咳・痰 咽頭痛 誤嚥 誤飲 嚥下困難

吐血・下血 嘔気・嘔吐 胸やけ 腹痛 便通異常

肛門・会陰部痛 熱傷 外傷 褥瘡 背部痛

腰痛 関節痛 歩行障害 四肢のしびれ 肉眼的血尿

排尿障害(尿失禁・排尿

困難)

乏尿・尿閉 多尿 不安 気分の障害(うつ)

興奮 女性特有の訴え・症状 妊婦の訴え・症状 成長・発達の障害

以下に示す一般的な疾患・病態について、必要に応じて他の専門医・医療職と連携をとりながら、適

切なマネジメントを経験する。(必須項目のカテゴリーのみ提載)

貧血 脳・脊髄血管障害 脳・脊髄外傷 変性疾患 脳炎・脊髄炎

一次性頭痛 湿疹・皮膚炎群 蕁麻疹 薬疹 皮膚感染症

骨折 関節・靱帯の損傷および

障害

骨粗鬆症 脊柱障害 心不全

狭心症。心筋梗塞 不整脈 動脈疾患 静脈・リンパ管疾患 高血圧症

呼吸不全 呼吸器感染症 閉塞性・拘束性肺疾患 異常呼吸 胸膜・縦隔・横隔膜疾患

食道・胃・十二指腸疾患 小腸・大腸疾患 胆嚢・胆管疾患 肝疾患 膵臓疾患

腹壁・腹膜疾患 腎不全 全身疾患による腎障害 泌尿器科的腎・尿路疾患 妊婦・授乳婦・褥婦のケ

女性生殖器およびその

関連疾患

男性生殖器疾患 甲状腺疾患 糖代謝異常 脂質異常症

蛋白および核酸代謝異

角結膜炎 中耳炎 急性・慢性副鼻腔炎 アレルギー性鼻炎

認知症 依存症(アルコール依

存、ニコチン依存)

うつ病 不安障害 身体症状症(身体表現性

障害)

適応障害 不眠症 ウイルス感染症 細菌感染症 膠原病とその合併症

中毒 アナフィラキシー 熱傷 小児ウイルス感染 小児細菌感染症

小児喘息 小児虐待の評価 高齢者総合機能評価 老年症候群 維持治療機の悪性腫瘍

緩和ケア

※詳細は資料「研修目標及び研修の場」を参照

Page 14: New 和歌山県総合診療専門研修プログラム · 2018. 10. 30. · 16.専攻医が研修プログラムの修了にけて行う べきこと 17.Subspecialty領域との連続性について

⑷経験すべき診察・検査等

以下に示す、総合診療の現場で遭遇する一般的な症候及び疾患への評価及び治療に必要な身体診

察及び検査を経験します。なお、下記の経験目標については一律に症例数や経験数で規定しておら

ず、各項目に応じた到達段階を満たすことが求められます。(研修手帳参照)

①身体診察

㋐小児の一般的身体診察及び乳幼児の発達スクリーニング診察

㋑成人患者への身体診察(直腸、前立腺、陰茎、精巣、鼠径、乳房、筋骨格系、神経系、皮膚を

含む)

㋒高齢患者への高齢者機能評価を目的とした身体診察(歩行機能、転倒・骨折リスク評価など)

や認知機能検査(HDS-R、MMSEなど)

㋓耳鏡・鼻鏡・眼底鏡による診察

㋔死亡診断を実施し、死亡診断書を作成

②検査

㋐各種の採血法(静脈血・動脈血)、簡易機器による血液検査・簡易血糖測定・簡易凝固能検査

㋑採尿法(導尿法を含む)

㋒注射法(皮内・皮下・筋肉・静脈内・点滴・成人及び小児の静脈確保法、中心静脈確保法)

㋓穿刺法(腰椎・膝関節・肩関節・胸腔・腹腔・骨髄を含む)

㋔単純X線検査(胸部・腹部・KUB・骨格系を中心に)

㋕心電図検査・ホルター心電図検査・負荷心電図検査

㋖超音波検査(腹部・表在・心臓・下肢静脈)

㋗生体標本(喀痰、尿、皮膚等)に対する顕微鏡的診断

㋘呼吸機能検査

㋙オージオメトリーによる聴力評価及び視力検査表による視力評価

㋚頭・頚・胸部単純 CT、腹部単純・造影 CT

※ 詳細は資料「研修目標及び研修の場」を参照

⑸経験すべき手術・処置等

以下に示す、総合診療の現場で遭遇する一般的な症候及び疾患への評価及び治療に必要な治療手

技を経験します。なお、下記については一律に経験数で規定しておらず、各項目に応じた到達段階

を満たすことが求められます。(研修手帳 p.18-19参照)

①救急処置

㋐新生児、幼児、小児の心肺蘇生法(PALS)

㋑成人心肺蘇生法(ICLSまたは ACLS)または内科救急・ICLS講習会(JMECC)

㋒病院前外傷救護法(PTLS)

②薬物治療

㋐使用頻度の多い薬剤の副作用・相互作用・形状・薬価・保険適応を理解して処方することがで

きる。

㋑適切な処方箋を記載し発行できる。

㋒処方、調剤方法の工夫ができる。

㋓調剤薬局との連携ができる。

㋔麻薬管理ができる。

Page 15: New 和歌山県総合診療専門研修プログラム · 2018. 10. 30. · 16.専攻医が研修プログラムの修了にけて行う べきこと 17.Subspecialty領域との連続性について

③治療手技・小手術

簡単な切開・異物摘出・ドレナージ 止血・縫合法および閉鎖療法

簡単な脱臼の整復、包帯・副木・ギプス法 局所麻酔(手指のブロック注射を含む)

トリガーポイント注射 関節注射(膝関節・肩関節等)

静脈ルート確保および輸液管理(IVHを含む) 経鼻胃管およびイレウス管の挿入と管理

胃瘻カテーテルの交換と管理 導尿および尿道留置カテーテル・膀胱瘻カテーテルの留置および

交換

褥瘡に対する被覆治療およびデブリードマン 在宅酸素療法の導入と管理

人工呼吸器の導入と管理 輸血法(血液型・交差適合試験の判定や在宅輸血のガイドライン

を含む)

各種ブロック注射(仙骨硬膜外ブロック・正中神経ブロック等) 小手術(局所麻酔下での簡単な切開・摘出・止血・縫合法滅菌・

消毒法)

包帯・テーピング・副木・ギプス等による固定法 穿刺法(胸腔穿刺・腹腔穿刺・骨髄穿刺等)

鼻出血の一時的止血 耳垢除去、外耳道異物除去

咽喉頭異物の除去(間接咽頭鏡、上部消化管内視鏡などを使用) 睫毛抜去

※詳細は資料「研修目標及び研修の場」を参照

4.各種カンファレンスなどによる知識・技能の習得

職務を通じた学習において、総合診療の様々な理論やモデルを踏まえながら経験そのものを省察し

て能力向上を図るプロセスにおいて各種カンファレンスを活用した学習は非常に重要です。主として、

外来・在宅・病棟の3つの場面でカンファレンスを活発に開催します。

⑴外来医療

幅広い症例を経験し、症例カンファレンスを通じた臨床推論や総合診療の専門的アプローチに関

する議論などを通じて、総合診療への理解を深めていきます。

⑵在宅医療

症例カンファレンスを通じて学びを深め、多職種と連携して提供される在宅医療に特徴的な多職

種カンファレンスについても積極的に参加し、連携の方法を学びます。

⑶病棟医療

入院担当患者の症例提示と教育的フィードバックを受ける回診及び多職種を含む病棟カンファ

レンスを通じて診断・検査・治療・退院支援・地域連携のプロセスに関する理解を深めます。

5.学問的姿勢について

専攻医には、以下の2つの学問的姿勢が求められます。

常に標準以上の診療能力を維持し、さらに向上させるために、ワークライフバランスを保ちつつも、

生涯にわたり自己研鑽を積む習慣を身につける。

総合診療の発展に貢献するために、教育者あるいは研究者として啓発活動や学術活動を継続する習

慣を身につける。

この実現のために、具体的には下記の研修目標の達成を目指します。

⑴教育

①学生・研修医に対して1対1の教育をおこなうことができる。

②学生・研修医向けにテーマ別の教育目的のセッションを企画・実施・評価・改善することができ

Page 16: New 和歌山県総合診療専門研修プログラム · 2018. 10. 30. · 16.専攻医が研修プログラムの修了にけて行う べきこと 17.Subspecialty領域との連続性について

る。

③専門職連携教育(総合診療を実施する上で連携する多職種に対する教育)を提供することができ

る。

⑵研究

①日々の臨床の中から研究課題を見つけ出すという、総合診療や地域医療における研究の意義を理

解し、症例報告や臨床研究を様々な形で実践できる。

②量的研究(疫学研究など)、質的研究双方の方法と特長について理解し、批判的に吟味でき、各

種研究成果を自らの診療に活かすことができる。

※ この項目の詳細は、総合診療専門医専門研修カリキュラムに記載されています。また、専攻医

は原則として学術活動に携わる必要があり、学術大会等での発表(筆頭に限る)及び論文発表(共

同著者を含む)を行うことが求められます。

6.医師に必要な資質・能力、倫理性、社会性などについて

総合診療専攻医は以下4項目の実践を目指して研修をおこないます。

⑴医師としての倫理観や説明責任はもちろんのこと、総合診療医としての専門性を自覚しながら日々

の診療にあたることができる。

⑵安全管理(医療事故、感染症、廃棄物、放射線など)を行うことができる。

⑶地域の現状から見出される優先度の高い健康関連問題を把握し、その解決に対して各種会議への参

加や住民組織との協働、あるいは地域ニーズに応じた自らの診療の継続や変容を通じて貢献できる。

⑷へき地・離島、被災地、医療資源に乏しい地域、あるいは医療アクセスが困難な地域でも、可能な

限りの医療・ケアを率先して提供できる。

7.施設群による研修 PGおよび地域医療についての考え方

本研修 PGでは和歌山県立医科大学附属病院紀北分院内科を基幹施設とし、地域の連携施設ととも

に施設群を構成しています。専攻医はこれらの施設群をローテートすることにより、多彩で偏りのな

い充実した研修を行うことが可能となります。ローテート研修にあたっては下記の構成となります。

⑴ 総合診療専門研修は診療所・中小病院における総合診療専門研修Ⅰと病院総合診療部門におけ

る総合診療専門研修Ⅱで構成されます。当 PGでは当院の他、県内各地の連携施設のいずれかにお

いて総合診療専門研修Ⅱを 6ヶ月、高野町立高野山総合診療所もしくは国保すさみ病院にて総合診

療専門研修Ⅰを12ヶ月、合計で 18ヶ月の研修を行います。

⑵ 必須領域別研修として、当院の他、各地の連携施設のいずれかにて内科 12ヶ月、橋本市民病

院、もしくは紀南病院で小児科3ヶ月、和歌山県立医科大学附属病院もしくは南和歌山医療センタ

ー、日本赤十字社和歌山医療センターのいずれかで救急科3ヶ月の研修を行います。

※ 施設群における研修の順序、期間等については、総合診療専攻医の総数、個々の総合診療専攻

医の希望と研修進捗状況、各病院の状況、地域の医療体制を勘案して、本研修 PG管理委員会が

決定します。

8.専門研修 PGの施設群について

本研修プログラムは基幹施設1,連携施設12の合計13施設の施設群で構成されます。施設は県

内ほとんどの二次保健医療圏に位置しています。

Page 17: New 和歌山県総合診療専門研修プログラム · 2018. 10. 30. · 16.専攻医が研修プログラムの修了にけて行う べきこと 17.Subspecialty領域との連続性について

⑴専門研修基幹施設

和歌山県立医科大学附属病院紀北分院が専門研修基幹施設となります。当院は地域に密着した病

院として、また、様々な疾患を抱える患者が多く、総合診療医を養成するフィールドとして適して

います。

⑵専門研修連携施設

本研修 PGの施設群を構成する専門研修連携施設は以下の通りです。全て、診療実績基準と所定

の施設基準を満たしています。(順不同)

・和歌山県立医科大学附属病院

・日本赤十字社和歌山医療センター

・和歌山生協病院

・国保野上厚生総合病院

・橋本市民病院

・高野町立高野山総合診療所

・国立病院機構和歌山病院

・紀南病院

・南和歌山医療センター

・白浜はまゆう病院

・国保すさみ病院

・那智勝浦町立温泉病院

・公立那賀病院

9.専攻医の受け入れ数について

本研修PGでは各学年2名の専攻医を募集します。

10.施設群における専門研修コースについて

以下の表にローテーション例を示しています。複数の地域を巡るように研修を行います。

ローテーション表

一年目 施設名 野上厚生総合病院

領域 内科

二年目 施設名 和歌山県立医科大学附属病院紀北分

和歌山県立医科大

学附属病院

紀南病院

領域 総診Ⅱ 救急 小児科

三年目 施設名 高野町立高野山総合診療所

領域 総診Ⅰ

Page 18: New 和歌山県総合診療専門研修プログラム · 2018. 10. 30. · 16.専攻医が研修プログラムの修了にけて行う べきこと 17.Subspecialty領域との連続性について

11.研修施設の概要

和歌山県立医科大学附属病院紀北分院

研修 総合診療Ⅱ、内科

医師数・専門医数 総合診療専門研修指導医 1名

(プライマリ・ケア認定医)

内科 6名(総合診療専門研修指導医含む)

病床数・患者数 病院病床数 104床

うち内科 60床

特徴 神経難病を中心に在宅診療にも参加。

各種健康講座や健康診断を実施。かつらぎ町と共同実施する健

診データに基づく疫学研究が進行中。

ホームページ http://www.wakayama-med.ac.jp/med/bun-in/

和歌山県立医科大学附属病院

研修 救急科

医師数・専門医数 総合診療専門研修指導医 1名

(プライマリ・ケア認定医)

救急科専門医 7名

病床数・患者数 病院病床数 800床

高度救命救急センター

ICU10床・HCU15床・一般 25床

来院患者 14,988人

救急車数 5,015件/年

ドクターヘリ 400件/年

入院患者 3,990人

うち ICU638人

日本赤十字社和歌山医療センター

研修 救急科

医師数・専門医数 医師・歯科医師(初期研修含む) 237人

病床数・患者数 一般病床数 865床

感染症病床数 8床

総入院患者数 19,912人

総外来患者数 64,656人

ホームページ http://www2.kankyo.ne.jp/

Page 19: New 和歌山県総合診療専門研修プログラム · 2018. 10. 30. · 16.専攻医が研修プログラムの修了にけて行う べきこと 17.Subspecialty領域との連続性について

和歌山生協病院

研修 総合診療Ⅱ

医師数・専門医数 総合診療専門研修指導医 3名

(プライマリ・ケア認定医 3名)

病床数・患者数 病院病床数 149床

うち内科 80床

ホームページ http://www.wakayama-coop-h.com/

野上厚生総合病院

研修 総合診療Ⅱ

医師数・専門医数 総合診療専門研修指導医 1名

(プライマリ・ケア認定医)

内科 8名(総合診療専門研修指導医含む)

病床数・患者数 病院病床数 254床

うち内科 111床

設備 血液検査、X線撮影、CT、MRI 、上部下部内視鏡、超音波

特徴 往診あり。3ヶ所の出張診療所あり。

ホームページ http://www.nokami-hospital.jp/

橋本市民病院

研修 内科、小児科

医師数・専門医数 内科医師 17名、小児科医 3名

病床数・患者数 病院病床数 300床

うち内科 11床

ホームページ http://www.hashimoto-hsp.jp/

高野町立高野山総合診療所

研修 総合診療Ⅰ

医師数・専門医数 総合診療専門研修指導医1名

(プライマリ・ケア認定医)

病床数・患者数 一般病床数 2床

総外来患者数 15,390人

ホームページ https://www.town.koya.wakayama.jp/health/hospital

国立病院機構和歌山病院

研修 総合診療Ⅱ、内科

医師数・専門医数 総合診療専門研修指導医2名

(プライマリ・ケア認定医)

病床数・患者数 一般病床数 85床

結核病床数 35床

ホームページ http://wakayama-hosp.jp/

Page 20: New 和歌山県総合診療専門研修プログラム · 2018. 10. 30. · 16.専攻医が研修プログラムの修了にけて行う べきこと 17.Subspecialty領域との連続性について

紀南病院

研修 総合診療Ⅱ、内科、小児科

医師数 総合診療専門研修指導医 1名

(プライマリ・ケア認定医)

内科常勤医 10名

総数 69名

病床数・患者数 病床数 356床

うち内科 100床

外来受診者数 800名/日

うち内科 168名/日

救急車数 189件/月

内科の特徴 ほぼ完全型総合内科システム。

消化器、呼吸器、糖尿病/内分泌、血液/腫瘍 感染症、膠原病、

神経の専門医が 1つの診療科として診療。

南和歌山医療センター

研修 内科、救急

医師数・専門医数 内科医師 15名

救急科医師 6名

病床数・患者数 病院病床数 316床

救命救急センター22床

内科 80床

緩和ケア病棟 14床

外来患者 500人/日

救急患者数 9600人/年

うち救急搬送 3,426件/年

特徴 ドクターカー所有。防災ヘリに搭乗し病院前医療を実施。

ホームページ http://www.hosp.go.jp/~swymhp2/

白浜はまゆう病院(西牟婁エリア)

研修 総合診療Ⅱ、内科

医師数・専門医数 総合診療専門研修指導医 2名

(プライマリ・ケア認定医)

内科 6名(総合診療専門研修指導医含む)

病床数・患者数 病院病床数 258床

うち内科 166床

特徴 在宅診療、出張診療所あり

ホームページ http://www.hamayu-hp.or.jp/

Page 21: New 和歌山県総合診療専門研修プログラム · 2018. 10. 30. · 16.専攻医が研修プログラムの修了にけて行う べきこと 17.Subspecialty領域との連続性について

国保すさみ病院

研修 総合診療Ⅰ、総合診療Ⅱ

医師数・専門医数 総合診療専門研修指導医 3名

(プライマリ・ケア認定医)

他 3名

病床数・患者数 病院病床数 72床

外来受診者数 110名/日

内科入院患者数 100名

救急車数 210件/年

設備 血液検査、X線撮影、CT、超音波検査、内視鏡、眼底撮影

病院の特徴 山間部に診療所 3ヶ所あり

ドクターカー(乗用車型)所有

那智勝浦町立温泉病院

研修 総合診療Ⅱ

医師数・専門医数 総合診療専門研修指導医2名

(プライマリ・ケア認定医)

病床数・患者数 一般病床数 90床

療養病床数 60床

総入院患者数 38,776人

総外来患者数 43,178人

ホームページ http://www.nkhsp.sakura.ne.jp/

公立那賀病院

研修 内科・救急科・小児科

医師数・専門医数 内科指導医 1名

救急科指導医 1名

小児科指導医 1名

病床数・患者数 一般病床数 300床

感染症病床数 4床

総入院患者数 88,732人

総外来患者数 120,821人

ホームページ http://www.nagahp.jp//

12.専門研修の評価について

専門研修中の専攻医と指導医の相互評価は施設群による研修とともに専門研修 PGの根幹となるも

のです。

以下に、「振り返り」、「経験省察研修録作成」、「研修目標と自己評価」の三点を説明します。

⑴振り返り

多科ローテーションが必要な総合診療専門研修においては3年間を通じて専攻医の研修状況の

進捗を切れ目なく継続的に把握するシステムが重要です。具体的には、研修手帳の記録及び定期的

Page 22: New 和歌山県総合診療専門研修プログラム · 2018. 10. 30. · 16.専攻医が研修プログラムの修了にけて行う べきこと 17.Subspecialty領域との連続性について

な指導医との振り返りセッションを 1〜数ヶ月おきに定期的に実施します。その際に、日時と振り

返りの主要な内容について記録を残します。また、年次の最後には、1年の振り返りを行い、指導

医からの形成的な評価を研修手帳に記録します。

⑵経験省察研修録作成

常に到達目標を見据えた研修を促すため、経験省察研修録(学習者がある領域に関して最良の学

びを得たり、最高の能力を発揮できた症例・事例に関する経験と省察の記録)作成の支援を通じた

指導を行います。専攻医には詳細 20事例、簡易 20事例の経験省察研修録を作成することが求めら

れますので、指導医は定期的な研修の振り返りの際に、経験省察研修録作成状況を確認し適切な指

導を提供します。また、施設内外にて作成した経験省察研修録の発表会を行います。

⑶研修目標と自己評価

専攻医には研修目標の各項目の達成段階について、研修手帳を用いて自己評価を行うことが求め

られます。指導医は、定期的な研修の振り返りの際に、研修目標の達成段階を確認し適切な指導を

提供します。また、年次の最後には、進捗状況に関する総括的な確認を行い、現状と課題に関する

コメントを記録します。

また、上記の三点以外にも、実際の業務に基づいた評価(Workplace-based assessment)として

短縮版臨床評価テスト(Mini-CEX)等を利用した診療場面の直接観察やケースに基づくディスカッ

ション(Case-based discussion)を定期的に実施します。また、多職種による 360度評価を各ロ

ーテーション終了時等、適宜実施します。更に、年に複数回、他の専攻医との間で相互評価セッシ

ョンを実施します。

最後に、ローテート研修における生活面も含めた各種サポートや学習の一貫性を担保するために

専攻医にメンターを配置し定期的に支援するメンタリングシステムを構築します。メンタリングセ

ッションは数ヶ月に一度程度を保証しています。

内科ローテート研修中の評価

内科ローテート研修においては、症例登録・評価のため、内科領域で運用する専攻医登録評価シ

ステム(Web版研修手帳)による登録と評価を行います。期間は短くとも研修の質をできる限り内

科専攻医と同じようにすることが総合診療専攻医と内科指導医双方にとって運用しやすいからで

す。

12ヶ月間の内科研修の中で、最低 40例を目安として入院症例を受け持ち、その入院症例(主病

名、主担当医)のうち、提出病歴要約として 10件を登録します。分野別(消化器、循環器、呼吸

器など)の登録数に所定の制約はありませんが、可能な限り幅広い異なる分野からの症例登録を推

奨します。病歴要約については、同一症例、同一疾患の登録は避けてください。

提出された病歴要約の評価は、所定の評価方法により内科の担当指導医が行います。

12ヶ月の内科研修終了時には、病歴要約評価を含め、技術・技能評価、専攻医の全体評価(多職

種評価含む)の評価結果が専攻医登録・評価システムによりまとめられます。その評価結果を内科

指導医が確認し、総合診療プログラムの統括責任者に報告されることとなります。

専攻医とプログラム統括責任者がその報告に基づいて、研修手帳の研修目標の達成段階を確認し

た上で、プログラム統括責任者がプログラム全体の評価制度に統合します。

小児科及び救急科ローテート研修中の評価

小児科及び救急科のローテート研修においては、基本的に総合診療専門研修の研修手帳を活用し

ながら各診療科で遭遇する common diseaseをできるかぎり多く経験し、各診療科の指導医からの

指導を受けます。3ヶ月の小児科及び救急科の研修終了時には、各科の研修内容に関連した評価を

各科の指導医が実施し、総合診療プログラムの統括責任者に報告することとなります。

Page 23: New 和歌山県総合診療専門研修プログラム · 2018. 10. 30. · 16.専攻医が研修プログラムの修了にけて行う べきこと 17.Subspecialty領域との連続性について

専攻医とプログラム統括責任者がその報告に基づいて、研修手帳の研修目標の達成段階を確認し

た上で、プログラム統括責任者がプログラム全体の評価制度に統合します。

指導医のフィードバック法の学習(FD)

指導医は、経験省察研修録、短縮版臨床評価テスト、ケースに基づくディスカッション及び 360

度評価などの各種評価法を用いたフィードバック方法について、指導医資格の取得に際して受講を

義務づけている特任指導医講習会や医学教育のテキストを用いて学習を深めていきます。

13.専攻医の就業環境について

基幹施設および連携施設の研修責任者とプログラム統括責任者は専攻医の労働環境改善と安全の

保持に努めます。

専攻医の勤務時間、休日、当直、給与などの勤務条件については、労働基準法を遵守し、各施設の

労使協定に従います。さらに、専攻医の心身の健康維持への配慮、当直業務と夜間診療業務の区別と

それぞれに対応した適切な対価を支払うこと、バックアップ体制、適切な休養などについて、勤務開

始の時点で説明を行います。

研修年次毎に専攻医および指導医は専攻医指導施設に対する評価も行い、その内容は和歌山県総合

診療専門研修管理委員会に報告されますが、そこには労働時間、当直回数、給与など、労働条件につ

いての内容が含まれます。

14.専門研修 PGの改善方法とサイトビジット(訪問調査)について

本研修 PGでは専攻医からのフィードバックを重視して PGの改善を行うこととしています。

⑴専攻医による指導医および本研修 PGに対する評価

専攻医は、年次毎に指導医、専攻医指導施設、本研修 PGに対する評価を行います。また、指導

医も専攻医指導施設、本研修 PGに対する評価を行います。専攻医や指導医等からの評価は、専門

研修 PG管理委員会に提出され、専門研修 PG管理委員会は本研修 PGの改善に役立てます。このよ

うなフィードバックによって本研修 PGをより良いものに改善していきます。なお、こうした評価

内容は記録され、その内容によって専攻医に対する不利益が生じることはありません。

専門研修 PG管理委員会は必要と判断した場合、専攻医指導施設の実地調査および指導を行いま

す。評価にもとづいて何をどのように改善したかを記録し、毎年 3月 31日までに日本専門医機構

に報告します。また、専攻医が日本専門医機構に対して直接、指導医やプログラムの問題について

報告し改善を促すこともできます。

⑵研修に対する監査(サイトビジット等)・調査への対応

本研修 PGに対して日本専門医機構からサイトビジット(現地調査)が行われます。その評価に

もとづいて専門研修 PG管理委員会で本研修 PGの改良を行います。本研修 PG更新の際には、サイ

トビジットによる評価の結果と改良の方策について日本専門医機構に報告します。

また、同時に、総合診療専門研修プログラムの継続的改良を目的としたピアレビューとして、総

合診療領域の複数のプログラム統括責任者が他の研修プログラムを訪問し観察・評価するサイトビ

ジットを実施します。その際には専攻医に対する聞き取り調査なども行われる予定です。

15.修了判定について

3年間の研修期間における研修記録にもとづいて、知識・技能・態度が専門医試験を受けるのにふ

さわしいものであるかどうか、症例経験数が日本専門医機構の要求する内容を満たしているものであ

るかどうかを、専門医認定申請年の 5月末までに専門研修 PG統括責任者または専門研修連携施設担

Page 24: New 和歌山県総合診療専門研修プログラム · 2018. 10. 30. · 16.専攻医が研修プログラムの修了にけて行う べきこと 17.Subspecialty領域との連続性について

当者が専門研修 PG管理委員会において評価し、専門研修 PG統括責任者が修了の判定をします。

その際、具体的には以下の4つの基準が評価されます。

⑴研修期間を満了し、かつ認定された研修施設で総合診療専門研修ⅠおよびⅡ各 6ヶ月以上・合計

18ヶ月以上、内科研修 12ヶ月以上、小児科研修 3ヶ月以上、救急科研修 3ヶ月以上を行ってい

ること。

⑵専攻医自身による自己評価と省察の記録、作成した経験省察研修録を通じて、到達目標がカリキ

ュラムに定められた基準に到達していること

⑶研修手帳に記録された経験目標が全てカリキュラムに定められた基準に到達していること

⑷研修期間中複数回実施される、医師・看護師・事務員等の多職種による 360度評価(コミュニケ

ーション、チームワーク、公益に資する職業規範)の結果も重視する。

16.専攻医が専門研修 PGの修了に向けて行うべきこと

専攻医は研修手帳及び経験省察研修録を専門医認定申請年の 4月末までに専門研修 PG管理委員会

に送付してください。専門研修 PG管理委員会は 5月末までに修了判定を行い、6月初めに研修修了

証明書を専攻医に送付します。専攻医は日本専門医機構の総合診療専門医委員会に専門医認定試験受

験の申請を行ってください。

17.Subspecialty領域との連続性について

様々な関連する Subspecialty領域については、連続性を持った研修が可能となるように、引き続

き各領域と検討していくこととなりますので、その議論を参考に当研修 PGでも計画していきます。

18.総合診療研修の休止・中断、PG移動、PG外研修の条件

⑴専攻医が次の 1つに該当するときは、研修の休止が認められます。研修期間を延長せずに休止で

きる日数は、所属プログラムで定める研修期間のうち通算6ヶ月までとします。なお、内科・小児

科・救急科・総合診療Ⅰ・Ⅱの必修研修においては、研修期間がそれぞれ規定の期間の2/3を下回

らないようにします。

①病気の療養

②産前・産後休業

③育児休業

④介護休業

⑤その他、やむを得ない理由

⑵専攻医は原則として 1 つの専門研修プログラムで一貫した研修を受けなければなりません。ただ

し、次の 1つに該当するときは、専門研修プログラムを移籍することができます。その場合には、

プログラム統括責任者間の協議だけでなく、日本専門医機構への相談等が必要となります。

①所属プログラムが廃止され、または認定を取消されたとき

②専攻医にやむを得ない理由があるとき

③大学院進学など専攻医が研修を中断する場合は専門研修中断証を発行します。再開の場合は再開

届を提出することで対応します。

④妊娠、出産後など短時間雇用の形態での研修が必要な場合は研修期間を延長する必要があります

ので、研修延長申請書を提出することで対応します。

19.専門研修 PG管理委員会

Page 25: New 和歌山県総合診療専門研修プログラム · 2018. 10. 30. · 16.専攻医が研修プログラムの修了にけて行う べきこと 17.Subspecialty領域との連続性について

基幹施設である和歌山県立医科大学附属病院紀北分院には、専門研修 PG管理委員会と、専門研修

PG統括責任者(委員長)を置きます。専門研修 PG管理委員会は、委員長、副委員長、事務局代表者、

および専門研修連携施設の研修責任者で構成されます。研修 PGの改善へ向けての会議には専門医取

得直後の若手医師代表が加わります。専門研修 PG管理委員会は、専攻医および専門研修 PG全般の管

理と、専門研修 PGの継続的改良を行います。専門研修 PG統括責任者は一定の基準を満たしています。

基幹施設の役割

基幹施設は連携施設とともに施設群を形成します。基幹施設に置かれた専門研修 PG統括責任者は、

総括的評価を行い、修了判定を行います。また、専門研修 PGの改善を行います。

専門研修 PG管理委員会の役割と権限

・専門研修を開始した専攻医の把握と日本専門医機構の専攻医の登録

・専攻医ごとの、研修手帳及び経験省察研修録の内容確認と、今後の専門研修の進め方についての

検討

・研修手帳及び経験省察研修録に記載された研修記録、総括的評価に基づく、専門医認定申請のた

めの修了判定

・各専門研修施設の前年度診療実績、施設状況、指導医数、現在の専攻医数に基づく、次年度の専

攻医受け入れ数の決定

・専門研修施設の評価に基づく状況把握、指導の必要性の決定

・専門研修 PGに対する評価に基づく、専門研修 PG改良に向けた検討

・サイトビジットの結果報告と専門研修 PG改良に向けた検討

・専門研修 PG更新に向けた審議

・翌年度の専門研修 PG応募者の採否決定

・各専門研修施設の指導報告

・専門研修 PG自体に関する評価と改良について日本専門医機構への報告内容についての審議

・専門研修 PG連絡協議会の結果報告

副専門研修 PG統括責任者

PGで受け入れる専攻医が専門研修施設群全体で 20名をこえる場合、副専門研修 PG統括責任者を

置き、副専門研修 PG統括責任者は専門研修 PG統括責任者を補佐しますが、当プログラムではその

見込みがないため設置しておりません。

連携施設での委員会組織

総合診療専門研修においては、連携施設における各科で個別に委員会を設置するのではなく、専

門研修基幹施設で開催されるプログラム管理委員会に専門研修連携施設の各科の指導責任者も出

席する形で、連携施設における研修の管理を行います。

20.総合診療専門研修指導医

本プログラムには、総合診療専門研修指導医が総計15名在籍しております。

指導医には臨床能力、教育能力について、7つの資質・能力を具体的に実践していることなどが求

められており、本 PGの指導医についても総合診療専門研修特任指導医講習会の受講を経て、その能

力が担保されています。

なお、指導医は、以下の 1)~6)のいずれかの立場の方で卒後の臨床経験7年以上の方より選任され

ており、本 PGにおいてはプライマリ・ケア認定医13名、大学病院または臨床研修指定病院におけ

る総合診療部門に所属し、十分な教育経験を有する医師2名、地域医療において総合診療を実践して

いる日本臨床内科医会認定専門医1名が参画しています。

Page 26: New 和歌山県総合診療専門研修プログラム · 2018. 10. 30. · 16.専攻医が研修プログラムの修了にけて行う べきこと 17.Subspecialty領域との連続性について

⑴日本プライマリ・ケア連合学会認定のプライマリ・ケア認定医、及び家庭医療専門医

⑵全自病協・国診協認定の地域包括医療・ケア認定医

⑶日本病院総合診療医学会認定医

⑷日本内科学会認定総合内科専門医

⑸大学病院または初期臨床研修病院にて総合診療部門に所属し総合診療を行う医師(日本臨床内科

医会認定専門医等)

⑹⑸の病院に協力して地域において総合診療を実践している医師

⑺都道府県医師会ないし郡市区医師会から≪総合診療専門医専門研修カリキュラムに示される「到

達目標:総合診療専門医の 7つの資質・能力」について地域で実践してきた医師≫として推薦さ

れた医師

21.専門研修実績記録システム、マニュアル等について

研修実績および評価の記録

PG運用マニュアル・フォーマットにある実地経験目録様式に研修実績を記載し、指導医による形

成的評価、フィードバックを受けます。総括的評価は総合診療専門研修カリキュラムに則り、少な

くとも年 1回行います。

和歌山県立医科大学附属病院紀北分院にて、専攻医の研修内容、目標に対する到達度、専攻医の

自己評価、360度評価と振り返り等の研修記録、研修ブロック毎の総括的評価、修了判定等の記録

を保管するシステムを構築し、専攻医の研修修了または研修中断から5年間以上保管します。

PG運用マニュアルは以下の研修手帳(専攻医研修マニュアルを兼ねる)と指導医マニュアルを用

います。

研修手帳(専攻医研修マニュアル)

所定の研修手帳参照。

指導医マニュアル

別紙「指導医マニュアル」参照。

専攻医研修実績記録フォーマット

所定の研修手帳参照

指導医による指導とフィードバックの記録

所定の研修手帳参照

22.専攻医の採用

⑴採用方法

和歌山県総合診療専門研修 PG管理委員会は、随時説明会等を行い、総合診療専攻医を募集しま

す。PGへの応募者は、研修 PG責任者宛に所定の形式の願書および履歴書を提出してください。様

式はは(1)和歌山県立医科大学卒後臨床研修センターHP

(http://www.wakayama-med.ac.jp/med/sotugo/bosyu/kouki.html)よりダウンロードをお願いし

ます。書類選考および面接を行い、採否を決定して本人に文書で通知します。応募者および選考結

果については和歌山県総合診療専門研修 PG管理委員会において報告します。

⑵研修開始届け

研修を開始した専攻医は専攻医の氏名と医籍登録番号、卒業年度、研修開始年度、履歴書、初期

研修修了証を和歌山県総合診療専門研修 PG管理委員会に提出します。

以上