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No. 67 2005 年 9 月
目 次 標準活動トピックス:
情報セキュリティマネジメントに関する標準化動向 .................................... 2 中尾 康二(KDDI(株))
最近の国際会議から:
JTC 1 Directives Ad Hoc 会議報告 ...........................................................4 平野 芳行(日本電気(株))
SC 7(Software Engineering)総会報告 .......................................................5 山本 喜一((慶應義塾大学)
SC 27(IT Security Techniques)総会報告 ....................................................7 宝木 和夫((株)日立製作所)
SC 29(Coding of Audio, Picture, Multimedia and Hypermedia Information)総会報告............9 浅井 光太郎(三菱電機(株))
SC 31(Automatic Identification and Data Capture Techniques)総会報告 .....................10 小橋 一夫((社)電子情報技術産業協会)
SC 32(Data Management and Interchange)総会報告 ..........................................11 芝野 耕司(東京外語大学)
SC 34(Document Description and Processing Languages)総会報告 ............................12 小町 祐史(パナソニックコミュニケーションズ(株))
SC 35(User Interfaces)総会報告 ..........................................................15 山本 喜一(慶應義塾大学)
SC 37(Biometrics)総会報告 ...............................................................16 瀬戸 洋一((株)日立製作所)
解説:中国における情報技術の標準化................................................... 18 山本 和幸((財)日本規格協会)
2005 年 9 月以降 国際会議開催スケジュール ............................................. 19
声のページ:
誰のための標準化か........................................................................20 山本 喜一(慶應義塾大学)
規格およびその策定作業の評価について ......................................................20 渡辺 裕(早稲田大学)
最近感じること............................................................................21 大蒔 和仁((独)産業技術総合研究所)
第 20 回 規格総会報告 ................................................................ 21 三田 真弓((社)情報処理学会)
2005 年度 標準化功績賞および貢献賞の表彰 ............................................. 22
国際規格開発賞の表彰 ................................................................ 24
編集後記 ............................................................................ 24
<標準活動トピックス>
情報セキュリティマネジメントに関する標準化動向
SC 27/WG 1 小委員会
主査 中尾 康二(KDDI(株))
2005 年 6 月,情報セキュリティマネジメントのた
めの実践規範(ISO/IEC 17799)の改版がなされ,さ
らに,情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)
の要求事項(ISO/IEC 27001)が FDIS の段階にある.
本稿では,情報セキュリティマネジメントに関連する
最新の標準化動向について解説する.
1. 情報セキュリティマネジメント国際規格化の背景
近年のビジネス環境は,ビジネスパートナー化が進
み,高度なサービス(移動体,EC,オンライン)によ
る顧客の期待が高まる一方,過度な ITへの依存体質,
広域ネットワーク化などによるシステムリソースの
分散化などにより,これまで以上の危険要因(不正ア
クセス,DoS(サービス妨害),ウイルス)が増してき
ている.このため,一度被害に遭うとカスタマの信頼
を裏切ることとなり,企業イメージを失落させ,さら
に,急激な企業収益の低下などを余儀なくさせられる
ことになる.
このような背景から,情報システムのためのセキュ
リティポリシーの策定,リスク分析,情報セキュリテ
ィ対策の実施,実施結果のフィードバックなどを行う
情報セキュリティマネジメントの重要性が日に日に
高まってきている.ISO/IEC JTC 1/SC 27/WG 1 では,
以下のような情報セキュリティマネジメントに関す
る国際規格化を推進している.
2. 情報セキュリティマネジメントシステムは,ISO
27000 シリーズで体系化
ISO/IEC JTC 1/SC 27/WG 1(以下,WG 1)では,情報
セキュリティマネジメントに関わる国際規格(ISMS
ファミリー規格)として,以下の検討・審議を進めて
いる.
1) 情報セキュリティマネジメントのための実践規
範(ISO/IEC 17799)
2) 情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)
要求事項(ISO/IEC FDIS 27001)
3) 情報セキュリティマネジメントのためのリスク
マネジメント
4) 情報セキュリティマネジメントの計量,測定
(Metrics and Measurement)
5) 情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)
のための実施の手引
WG 1 では,上記の情報セキュリティマネジメントに
関わる国際規格化群を別々の規格番号とせず,ISO
9000シリーズ,ISO 14000シリーズと同様にISO 27000
シリーズとして体系的な規格群とすることが決定し
た.具体的には,上記の規格群はそれぞれ 1)ISO/IEC
27002,2)ISO/IEC 27001,3)ISO/IEC 27003,4)ISO/IEC
27004,5)ISO/IEC 27005 と番号付与されることとな
る.
なお,上記 1)については,ISO/IEC 17799 の番号
が ISMS 認証の市場でも一般的に使用されていること
もあり,2007 年の 4 月まで(2 年間)は現状の番号
(17799)を用いることとし,2 年後の ISO/IEC JTC
1/SC 27 会合にて ISO/IEC 27002 への完全移行を承
認・確認する予定である.従って,ISO/IEC 17799 の
改版(2005 年版)には,17799 から 27002 への移行を
示唆する注記がされている.また,上記 3)ISO/IEC
27003 については,以下の MICTS で解説するとおり,
今後の審議内容に依存するもので,現状の段階では明
確な規格番号の決定はなされていない.
3. ISO/IEC 17799(情報セキュリティマネジメントの
ための実践規範)の改版
情報セキュリティマネジメント規格 ISO/IEC 17799
(情報セキュリティマネジメントのための実践規範)
は,企業の保有する経営資源(情報,システム,人な
ど)を守るための実践的なガイドラインを提供してい
る.本国際規格は,英国標準である BS7799 がその前
身であり,ファストトラックと言われる迅速標準化手
続きを用いて 1 年の最短期間で 2000 年に国際規格化
が達成された.
本規格は,10 のセキュリティ領域に分けて,情報
セキュリティを確保するための「目的」およびそれぞ
れに必要とされる「セキュリティ管理策(Controls)」
を規定・推奨しているが,2001 年から早期の見直し
作業に入っており,4年の歳月をかけて本規格の見直
し(改版作業)を完了し,2005 年 6 月に ISO/IEC
17799:2005(改版)が発行された.改版作業において
は,以下のような改修点が挙げられる.
1) 新しいセキュリティ領域として「情報セキュリテ
ィインシデント管理」を新たな領域として追記し
た.これにより,2000 年版で散在していたイン
シデント管理に関わる内容が集約・整理された.
2) 2000 年版のセキュリティ管理策(Controls)は,
管理策そのものの記述のほかに,その実施に伴う
ガイドラインなどの情報が一体となっており,理
解しにくいものがあったが,2005 年版では,管理
策(Control)の部分,実施の手引(Implementation
Guidance)の部分,関連情報(Other Information)
の部分と明確に分割され,理解し易い規格内容と
なった.
3) 個々の管理策,実施の手引の記述において,最新
技術(ぜい弱性管理等)の取り込み,記載の明確
化,規格を通じた記述内容の整合性確保などの編
集作業がなされ,2000 年版には 127 個の管理策
が規格化されていたが,2005 年版では 133 個の
管理策に整理された.
本規格は,情報セキュリティマネジメントを実践す
るにあたり,機軸となる情報セキュリティのための管
理策(目的も含む)を規格化したもので,以後に解説
する情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)
を構築する上で規範となるものである.
4. 情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)
- 要求事項(Requirements)
情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)の
認証制度が英国規格(BS7799-2)をベースに推進され
ている現状がある.このような状況を鑑み,ISO/IEC
JTC 1/SC 27 では,ISMS 要求事項に関わる国際規格化
の妥当性につき,1 年間(2003 年~2004 年)の検討
期間(Study Period)を設け,妥当性検証を実施した.
1年後にその妥当性が承認され,英国規格(BS7799-2)
をベースとして ISMS 要求事項の規格化が急ピッチに
開始された.本規格化は早期承認手続きに則り進めら
れ,通常 3年以上かかる規格化処理を 2年弱で行う計
画で現在進行している.具体的には,2005 年 4 月の
ISO/IEC JTC 1/SC 27 会合(ウイーン会合)において,
ISMS 要求事項の規格案の FCD が承認され,FDIS への
移行も同時に承認された.現在 2005 年 8 月 30 日が本
FDIS の投票期限とされており,本 FDIS が承認される
と,早ければ 2005 年 11 月には ISO/IEC 27001(ISMS
要求事項)の国際規格が発行されることになる.
日本における ISMS 認証は,(財)日本情報処理開発
協会(JIPDEC)における ISMS 適合性評価制度により
推進されており,英国規格(BS7799-2)に基づくJIPDEC
版 ISMS 基準(Criteria)によって認証事業を実施し
ている.従って,上記のように,ISO/IEC 27001 の規
格化がなされることにより,国際的に共通の ISMS 要
求事項が制定されることとなり,日本の ISMS 基準に
ついても国際版 ISO/IEC 27001に対応する JIS規格に
置き換えられることは必須となる.日本においては,
英国の施策と同様に,日本国内での混乱がないよう,
その切り替えタイミング,移行期間について,慎重な
検討が望まれる.
5. その他の関連する規格審議動向
(1) 情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)
のための実施の手引
上述の ISO/IEC 27001 が規定する ISMS の導入を企
図する組織を支援する手引を提供することを目的と
して,ISMS のための実施の手引に関する新規プロジ
ェクトが審議されており,現在,新規プロジェクトの
承認について投票の段階にある.本新規プロジェクト
では,ISO/IEC 27001 の原典である英国規格 BS7799-2
の,ISMS の特徴である PDCA サイクルに焦点をあてて
解説している Annex (Guidance on use of the
standard)を独立させて IS 化することを狙っている.
本規格も ISMS のファミリー規格の一つとして,上記
「2.」で示したように,ISO/IEC 27005 の規格番号が
付与される予定である.
(2) 情報セキュリティマネジメントの計測,測定
(Metrics and Measurement)
情報セキュリティマネジメントの適正な運用にお
いて,情報セキュリティ管理策がどの程度有効に機能
しているかを計測,測定することが求められている.
本プロジェクトは,その計測,測定に関わるガイドラ
インを規格化することを目指しており,審議が開始さ
れたばかりの段階である.本格的な審議は,エディタ
(米国,スペイン)の準備するドラフト(WD)に沿っ
て,次回 2005 年 11 月クワラルンプール会合にて実施
される予定である.
(3) 情報セキュリティマネジメントのためのリスク
マネジメント
本審議に関連して,WG 1 では ISO/TR 13335(GMITS:
IT セキュリティマネジメントのガイドライン(5パー
トにより構成))の規格化をこれまで完成している.
本 TR 規格群の改版作業として,旧 ISO/TR 13335 のパ
ート 1 およびパート 2 を統合・精査し,新 ISO/IEC
13335-1 (MICTS-1)とし,旧 TR のパート 3およびパ
ート 4を統合・精査し,新 ISO/IEC 13335-2 (MICTS-2)
としてまとめる方向で審議が進められている.新
ISO/IEC 13335-1 (MICTS-1)については,国際規格
化が完了したものの,ISMS ファミリー規格としての
整合性などを考慮し,早期見直し作業に移ることが決
議されている.一方,新 ISO/IEC 13335-2(MICTS-2)
については,情報セキュリティに関するリスクマネジ
メントの規格として審議が進められている.本規格が
上記規格(27001,27002 等)と整合性をもって制定
された場合は,ISMS ファミリー規格として,ISO/IEC
27003 の規格番号が付与されることになる.
<最近の国際会議から>
■ JTC 1 Directives Ad hoc 会議報告
規格理事 平野 芳行(日本電気(株))
1. 開催場所:ジュネーブ(スイス)
2. 開催日時:2005-06-14/15
3. 参加国/出席者数:6カ国/14 名
議長(Scott Jameson),セクレタリ(Sally Seitz),
加,仏(3),英(2),米,スイス&Ecma,日(2:成田博
和[富士通],平野芳行),SC 22,SC 34
4. 特記事項
(1) Document and Project Data(UK 文書 JTC 1 N7715
および Program of Work (PoW)に関する情報の交換に
関する議論)
議長からSC 32のデータフォーマットに進捗につい
て ITSIG から情報がないとの報告があり,ITSIG から
の情報を要求することにした(Recommendation1).
(2) Archiving(SC/WG 等での文書の保管)
JTC 1 N7792 のカナダからのコメントおよび JTC 1
N7805 の英国からの JTC 1 Directives 4.6 項の修正
提案について議論.
英国提案は,特許訴訟対応で 25 年の文書保管を要
求する修正提案に関し,SC 22,米国は反対,日本も
25 年を shall で書かれるのが問題として当面現状維
持でコメントした.
その他,どこまでの文書(e-mail を含む)を残すの
か,どういうグループ(SC/WG/OWG 等)を残すのかな
どが議論され,保管すべき公式資料の内容を明確化す
る Directives4.6 項の更なる追加修正案(文書 JTC 1
N7851)を作成した.
また,保管期間に関しては英国,仏は 25 年に賛成,
米,日から反対で双方の意見があり,追加修正案では,
その年数については,X年(各国の意見により決める)
とした.追加修正案を,JTC 1 の NB,SC へ回覧し 10
月 10 日までのコメント募集とした.それに基づき次
回の JTC 1 総会で議論となる(Recommendation 2).
(また,Livelink での文書保管の状況については JTC
1 事務局から問い合わせることになった.)
(3) Normative Referencing
前回直前に提出された米国提案の JTC 1 N7716 の
Approved Referencing Organization(ARO)に基づく
組織レベルでの認定を行う方法に関して,カナダから
文書レベルで認定してより厳しくなる逆提案(JTC 1 N
7793),また米国からカナダ案に対する ARO の修正案
(JTC 1 N7809)が出され,議論された.国内でも,
本件についてカナダ支持,米国支持の 2つの意見があ
り,統一がとれていない.
会議では,ARO の認定に関する米国提案に関し,本
来文書レベルで認定が基本であり,組織でやってもそ
の中が統一されていない場合もあり問題が多いなど
意見があり,今後も議論継続となった.会議では,
Normative Referencing に関する Directives の改定
案(JTC 1 N7852, Revised Annex N and the template)
を作成し,次回の JTC 1 総会で議論するため 10 月 10
日迄にコメントを求めることになった.更に,会議の
中で,フランスより ARO の認定にはテンプレートが有
効との意見があり,議長も受け入れたため,このテン
プ レ ー ト に つ い て も コ メ ン ト 募 集 す る
(Recommendation 4).
(4) IPR に関する議論
英国から JTC 1 N7810 の文書で patent database の
改善要求がでた.Directives の改訂とは直接関係な
いが議論され,以下の recommendation になった.
会議では,規格の 5年見直し時に IPR 宣言を確認す
る必要性について原則合意され,英国に具体的な JTC
1 Directivesの改定案を要求した(Recommendation 3).
(5) 今後の方針
Directives に改訂に関して,議長より JTC 1 N7765
で報告があった.
ISO/IEC Directives に近い形への改訂を行う方向
が ISO および IEC とで合意されており,差分について
JTC 1 Supplement を作っていくことにするとのこと
であった.これに対し,カナダは JTC 1 N7791 で構造
が複雑になり非生産的で問題があると改訂の方向性
に反対を表明していた.会議では,英国,スイス等か
らもJTC1 supplementにする改訂を本当にやるのかと
コメントが出されていた.議長はこの改訂をかなり強
硬に進めようとする意向であり,そのための Special
Group の設立も提案された(Recommendation 5).改
訂にかかる期間は 4 年としていた(主査は Lisa
Rajchel の予定).
この改訂方針の議論の際,5th edition の時の
review のやり方では editorial なミスが多すぎるの
で,セクレタリ一人ではなくグループで review すべ
きとの意見が英国から出され,カナダなども賛成した.
この改訂の方向性を理解した上で,JTC 1 N7811 の
アプローチ(JTC1 Directives から違いを見る)だと
検討項目に抜けがあるとして,日本の delegates とし
ていくつかの課題を例に簡単なプレゼンを行った.
今後 JTC 1 N7811 と日本からのプレゼン資料は回覧
され,10 月 10 日期限のコメント募集に付され,次回
JTC 1総会で議論することになった(Recommendation 6).
また,成田委員より,FCD 等の問題が多い 5th
editionについて早期に修正版を出すべきであるとの
意見に関しては,FCD の項目は,ISO の方向に沿った
形で導入したものであり,早期の修正は必要ないとの
話があった.
5.まとめ
第 2 回の会議で,JTC 1 Directives に関して,
ISO/IEC Directives の Supplement としていくという
大方針に基づき,改訂のための Special Group の設置
で進めることになった.日本も支持の方向である.個
別の議論に関しては,今回も結論先送りの感が否めな
い結果となった.各国の意見を聞くと標準に対する基
本的な考え方が違っており,その点を明確していくこ
とが必要になっていると思う.
■ SC 7(Software Engineering/ソフトウェア技術)
総会報告
SC 7 専門委員会
委員長 山本 喜一(慶應義塾大学)
1. 開催場所:ヘルシンキ(フィンランド)
2. 開催期間:2005-05-22/27
3. 参加国数/出席者数:23 カ国/124 名
議長(F. Coallier,加),セクレタリ(W. Suryn,加)
(a) P メンバ(20 カ国/136 名)
豪(12),加(10),中(1),チェコ(1),デンマーク
(1),フィンランド(14),仏(6),独(3),アイル
ランド(1),伊(5),日(19),韓(7),ニュージー
ランド(2),南ア(7),スペイン(3),スウェーデ
ン(5),スイス(1),タイ(4),英(12),米(22)
(b) O メンバ(3カ国/4名)
エストニア(1),露(2),スロバキア(1)
(c) 日本からの参加者(19 名)
山本喜一(慶大,HOD),東基衞(早大,WG 6 コ
ンビーナ),加藤重信(WG 23 コンビーナ),込山
俊博(NEC,WG 6 セクレタリ),山田淳(東芝),谷
津行穂(日本 IBM),江崎和博(荏原製作所),小川
清(名古屋技工研),伏見諭(情報数理研),岡崎靖
子(日本 IBM),小林正幸(三菱電機),福地豊(日
立),西山茂(NTT AT),高橋光裕(電力中研),
篠木裕二(日立),銀林純(富士通),塩谷和範(SRA),
田中明(日立),岡崎毅久(日本 IBM)
4. 議事内容
4.1 Advisory Group 会合
22 日(日)全日と 26日(木)夕方に開催され,日
本からは山本(慶大),西山(NTT-AT)が出席し,WG 6
コンビーナとして東(早大),WG 23 コンビーナとし
て加藤が出席した.会合は,大きな意見の相違点もな
く円滑に進められた.
4.2 総会
23 日(月)午前,および 27 日(金)の午後に開催
された.例年通り事前の AG において議案審議が尽く
されていたため,総会自体は円滑に推移し,71 件の
議決案をほぼ全会一致で決議した.
なお,決議をまとめる Drafting Committee のメン
バに篠木(日立)が参加し,日本意見の反映の正確性を
期した.以下に主要な決議を示す.
(1) Convener
東(早大)を WG 6 コンビーナに再選する.
(2) Project Editors
1) 岡崎靖子(日本 IBM)を Assessment of
organizational maturity(組織の成熟度のア
セスメント)のコエディタとする.
2) 加藤を Guidelines for the application of ISO
9001 to system life cycle processes(ISO 9001
のシステムライフサイクルプロセスへの適用
要領)のエディタとする.
(3) Liaison
次のリエゾンを再任する.
1) 加藤: ISO TC 176/SC 2,ISO TC 176/SC 3
2) 小川(名古屋技工研): JTC 1/SC 22
3) 伏見(情報数理研): JTC 1/SC 27
(4) Work Items
次の 13 件をそれぞれ次のステージに進める.
1) ISO/IEC 19770-1 Software Asset Management
Process を FCD 投票にかける.
2) ISO/IEC 19770-2 Software Asset Management
Tag を WD,CDR,CD 投票にかける.
3) ISO/IEC TR 14102:1995 Guidelines for the
evaluation and selection of CASE tools の改
訂が終わり次第,WD,CDR,FCD 投票にかける.
4) ISO/IEC TR 14471:1999 Guidelines for the
adoption of CASE tools の IS への改訂が済み
次第,WD,CDR,FCD 投票にかける.
5) ISO 18018 Configuration Management Tool
Requirements を FCD 投票にかける.
6) Requirements Engineering Tool Requirements
を WD,CDR,CD 投票にかける.
7) ISO/IEC FCD 15940.2 Software Engineering
Environment Service を FDIS 投票にかける.
8) WD 15026.4 System and Software Engineering
– Life Cycle Processes – Assurance を WD,
CDR,CD 投票にかける.
9) ISO/IEC 14143-6 Functional size measurement
-- Part 6: Guide for use of ISO/IEC 14143
series and related international standards
を 2006-02-14 までに FDIS 投票にかける.
10) ISO/IEC 24745 Metamodel for Development Methodologiesの文書が整ったならばWD,CDR,
CD 投票にかける.
11) ISO/IEC 19509-2 High-level Petri Nets -- Transfer Format を CD 投票にかける.
12) ISO/IEC 15909-1 High-level Petri Nets の
PDAM-1 文書を WD,PDAMR,PDAM 投票にかける.
13) ISO/IEC 16085 Systems and Software
Engineering -- Life Cycle Process -- Risk
Management を FCD 投票にかける.
(5) NP
次の 10 件の NP をつくる.
1) User documentation requirements for managers
(管理者のためのユーザ文書の要求事項)WG 2
2) User documentation requirements for
documentation designers and developers(文
書設計者および開発者のためのユーザ文書の
要求事項)WG 2
3) Certification of software engineering
professionals(ソフトウェア工学専門家の認
証)WG 20
4) Assessment of organizational maturity(組
織の成熟度のアセスメント)WG 10,ISO/IEC
15504 の追加パート(TR Type 2)として作成.
岡崎靖子(日本 IBM)がコエディタの予定.
5) An exemplar process assessment model for
system engineering processes(システム工学
プロセスのためのプロセスアセスメントモデ
ルの例示プロセス)WG 10,ISO/IEC 15504 の追
加パート(TR Type 2)として作成.小川(名古
屋技工研)がコエディタの予定.
6) Software life cycle profiles and guidelines
for use in Very Small Enterprise(VSE)(小
規模企業におけるソフトウェアライフサイク
ルの特徴と利用要領)新 WG 24 を設立予定.
タイからの提案であり,米欧の 2極に対抗する
アジア連合を組織するためにも日本は強力に
バックアップする必要があると考える.
7) Revision of ISO/IEC 15288 System life cycle
process(ISO/IEC 15288 システムライフサイ
クルプロセスの改訂).WG 7
8) Revision of ISO/IEC 12207 Software life
cycle process(ISO/IEC 12207 ソフトウェア
ライフサイクルプロセスの改訂).WG 7
9) Revision of ISO/IEC 15939 Software
measurement process(ソフトウェア測定プロ
セスの改訂).WG 7
10) Guidelines for process definition(プロセス
定義の要領) TR Type 3.WG 7
(6) Study Group
次の 8件の Study Group をつくる.
1) Common industry format (CIF) for usability
test reports(可用性検査報告のための共通様
式)を SQuaRE シリーズの一部とすることを検
討する.WG 6 で行う.
2) Interoperability に関し,規格やガイドを作成
する必要があるか,SC 7 の既存規格がこの件を
どのように扱っているかを調査する.福地(日
立)が参加予定.
3) Requirements process.塩谷(SRA)が参加予
定.
4) Non-development components の study group
を 1 ヶ月延長する.
5) Architecture description の study group を 1
年間延長する.東(早大)が参加している.
6) Review of TR 14143-3 Validation and
verification of functional size measurement
methods(機能規模測定法の妥当性と検証)を
IS とするかどうかを検討する.西山(NTT AT),
高橋(電力中研)が参加予定.
7) Review of TR 14143-4 Functional size
measurement -- reference model(機能規模測
定法 -- 参照モデル)を IS とするかどうかを
検討する.西山(NTT AT),高橋(電力中研)が参
加予定.
8) Service delivery and management, ITC
governance, Process and maturity assessment
for IT operations
ISO 20000 の Fast-track 提案に関連して,この
分野における規格化の可能性を調査する.小川
(名古屋技工研),小泉(マイクロソフト)が参
加予定.
(7) DIS 20000 Comment resolution
英国が2005年8月31日までにcomment disposition
の原案を作成配布し,2005年10月24日~28日のBari
(伊)での中間会議で Ballot resolution 会議を開く.
ここで NP が必要となったときには,WG 25 を組織す
る.
(8) Maintenance
1) 次の規格を継続とする.
・ ISO/IEC TR 14143-3,ISO/IEC TR 14143-3
・ ISO/IEC TR 15271
2) 次を廃止する.
・ ISO/IEC 15846 Configuration management
5. 今後の開催予定
2005-05/14-19 バンコク(タイ)
2006 サンクトペテルブルグ(露)
6. その他
(1)会場はホテルとなっているが実態は研修施設のよ
うなもので,会議の設備は十分満足いくものであった
が,夕食は 40 分ほどかけて市内まで出て行く参加者
が多かった.
(2)会場での宿泊収容能力の少なかったことから参加
者の半数が,会議場外の宿泊となり,若干の不便があ
ったが,会議国との交流という点では成功であったと
考える.
(3)LAN はもちろん Internet Access,各室での液晶プ
ロジェクタの利用が可能であり,快適に会議を進める
ことができた.また,会議費を徴収したとはいえ休憩
時の飲み物,軽食もすばらしいものであった.
■ SC 27(IT Security Techniques/セキュリティ技
術)総会報告
SC 27 専門委員会
委員長 宝木 和夫((株)日立製作所)
1. 開催場所: ウィーン(オーストリア)
2. 開催期間: 2005-04-17/18
3. 参加国数/出席者数: 23 カ国/60 名
議長(Walter Fumy,独),セクレタリ(Krystyna
Passia,独),豪(3),ベルギー(2),加(3),中(5),
エストニア(1),仏(2),独(2),印(1),ケニア(1),
韓(2),マレーシア(7),ノルウェー(1),ポーランド
(1),露(2),シンガポール(5),南ア(1),スペイン(1),
スウェーデン(2),スイス(1),英(2),米(10),スロ
バキア(1),日(7:竜田敏男[日本 IBM],苗村憲司[慶
應大],大塚玲[IPA],櫻井幸一[九大],平野芳行[NEC],
岸田明[富士通],宝木和夫)
4. 概要
SC 27 は複数 SC で共通的に使用される情報セキュ
リティの技術の標準化を担当している.今回,ウィー
ン会議で日本が主に重点をおいて対処した点は,WG 1
での ISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)
関連の標準化作業と,WG 2,WG 3 でそれぞれ担当す
るバイオメトリクス標準化(ISO/IEC 24745,19792)
への対処であった.さらに,ハッシュ関数(ISO/IEC
10118)など既存の標準の見直し,あるいは,ID 管理
(Study Period),タイムスタンプ(ISO/IEC 18014)
など新しい標準化の動きについても大きな関心を持
って臨んだ.
5.主なプロジェクトの進捗状況
5.1 WG 1(情報セキュリティ要求条件と統合技術)
(1) 情報セキュリティマネジメント関連の標準化
(ISO/IEC 17799,24743,24742)
情報セキュリティマネジメントの実践のための規
範(ISO/IEC 17799,2nd Edition)については,IS
化が決定し,6月に ISO 標準書が発行されること,お
よび,2年後には ISO/IEC 17799 から 27002 に番号変
更される見通しとなった.また,情報セキュリティマ
ネジメントシステム(ISMS)仕様(ISO/IEC 24743)
については,セキュリティマネジメントシステム
(ISMS)要求事項(ISO/IEC 27001)へ番号変更と改題
がなされたうえで,FDIS に進んだ.同様に,ISMS
Metrics & Measurement(ISO/IEC 24742)は,ISO/IEC
27004 へ番号変更され,WDとして再審議されることと
なった.
(2) セキュリティ管理とバイオメトリクスの Study
Period
WG 1 でのバイオメトリクスに関する本審議は,寄
書がなく,中止となった.ただし,後述するように
WG 2 と WG 3 におけるバイオメトリクスに関する別の
観点からの審議は進展している.
(3) その他の WG 1 標準化項目
侵入検知システム(ISO/IEC 18043)は,FCD に進
むとともに,IT ネットワークセキュリティ(ISO/IEC
18028)については,Part 1「ネットワークセキュリテ
ィ管理」と Part 5 「VPN を使ったセキュアな通信」は
FCD に,Part 2「ネットワークセキュリティアーキテ
クチャ」と Part 3「セキュリティゲートウェイを使っ
たセキュアな通信」は新たに FDIS に進むことになっ
た.なお,Part 4「セキュアなリモートアクセス」は
既に FDIS に進んでいる.IT セキュリティマネジメン
トガイドライン(GMITS: ISO/IEC TR 13335)は,「情
報と通信技術のセキュリティ管理」と改題され,Part
2「情報セキュリティのリスク管理」は CD に進むこと
となった.
5.2 WG 2(セキュリティ技術とメカニズム)
(1) バイオメトリクスデータの認証の Study Period
日本から提案していた寄書は,SC 37 で扱うべきと
いう議論もあったが,プロトコルの規定が必要であり,
SC 27/WG 2 が適切であるとの結論になった.日本寄
書は NP”Biometric Authentication Context”に進
むことになるとともに,才所オブザーバ(東芝ソリュ
ーション)がエディタとして指名された.
(2) 暗号アルゴリズム関連の標準化項目
2003 年度に引き続き,暗号アルゴリズム標準
(ISO/IEC 18033)に日本提案を入れるべく積極的に活
動した.このプロジェクトは,パート 1:総論,パー
ト 2:非対称暗号,パート 3:ブロック暗号,パート
4:ストリーム暗号の 4 部構成となっている.今回,
パート 2 が FDIS に進むことになった.なお,パート
1はIS化,パート3とパート4はFDISに進んでいる.
また,パート 4 については,ストリーム暗号 Rabbit
を追加する Amendment の作成提案があった.これを受
けて,各国 NB に追加のストリーム暗号を募集し,結
果を見てTechnical Amendmentを作成するか否かを検
討することになった.
(3) ディジタル署名関連の標準化
宮地委員(北陸先端大)がエディタをしているメッ
セージ復元型ディジタル署名パート 3(ISO/IEC
9796-3)は,FDIS に進むことになった.添付型ディ
ジタル署名パート 3:離散対数ベースのメカニズム
(ISO/IEC 14888-3)は,FCD に進むことになった.大
塚 WG 2 セクレタリ(IPA)がエディタを務める添付型
ディジタル署名パート 1:一般(ISO/IEC 14888-1)
は 1st CD へ進む.楕円曲線に基づく暗号技術パート
1:一般(ISO/IEC 15946-1)は,宮地委員がエディタ
となることが承認された.
(4) その他の標準化項目
タイムスタンプサービス(ISO/IEC 18014)の改訂
版について審議が行われ,Part 1「フレームワーク」
と Part 2「独立トークンの生成メカニズム」の WD が
作成されることとなった.さらに,Part 1 のエディ
タは空本委員(アマノ)が行うこととなった.乱数ビ
ットの生成(ISO/IEC 18031)は,FDIS に進むことに
なった.専用ハッシュ関数(ISO/IEC 10118-3)につ
いては,SHA-1 の安全性低下を示す研究結果に対する
SC 27 の対応として,SHA-1 に関する SC 27 のステー
トメント案を作成し,SC 27 内のレビューを経て SC 27
の HPに掲載する方向となった.また,米連邦標準FIPS
180-2 に採用した SHA-224 の追加,および動作確認用
のテストベクタの追加案が FDAM 投票にかけられるこ
ととなった.ブロック暗号を使ったメッセージ認証コ
ード(ISO/IEC 9797-1)は,米国 NIST 標準に記載さ
れたCMAC等が追加された形でCDに進むこととなった.
5.3 WG 3(セキュリティ評価基準)
(1) セキュリティ評価関連
セキュリティ評価基準(ISO/IEC 15408)およびセ
キュリティ評価方法論(ISO/IEC 18045)に関しては,
ITTF から発行される CCの V2の 2005 年版あるいはコ
メントを待っている状態.その間,Study period と
して CC の V3 をレビューすることとなった.田渕委員
(製品評価技術基盤機構)がエディタをしている運用
システムのセキュリティアセスメント(ISO/IEC TR
19791)は,DTR に進んだ.
(2) バイオメトリックスの評価とテスト(ISO/IEC
19792)
SC 37 の用語および参照モデルとの整合性をとるこ
となどの修正を加え,4th WD を作成し,次回に CD を
目指すこととなった.なお,日本 NB の貢献が必要で
あるため,コエディタに三村リエゾン(SC37 専門委
員会からのリエゾン,日立)が指名された.
(3) 暗号モジュールのためのセキュリティ要件
(ISO/IEC 19790)
Tamper protection の定義などを見直し,FDIS に進
むこととなった.
(4) IS(1st edition)発行
IT セキュリティ保証(FRITSA)パート 1:オーバビ
ューとフレームワーク(TR 15443-1)の TR は 2005 年
4 月に,プロテクションプロファイルとセキュリティ
ターゲットの作成のガイド(TR 15446)の TR は 2004
年 7 月に発行された.
5.4 SC 27 直下の作業
ID 管理については,2005 年 10 月の WG 1 マレーシ
ア会議に向けてNP投票と同時にWDが作成されること
となった.
6. その他(今後の進め方に関する特記事項)
6.1 暗号アルゴリズム標準化(18033)への対応
暗号アルゴリズムの標準化活動はFDISまたはIS化
に進み,多数の日本方式(PSEC,HIME(R),MISTY1,
Camellia,MUGI,MULTI-S01)が入ることが確定した
形で技術的審議は終了した.後は編集作業が残ってい
るが IS として正式に発行するまで注意していく.
なお,本標準化に伴い,暗号アルゴリズム登録制度
(9979) は廃止の投票にかけるよう ITTF に進言する
ことが決定した.
6.2 バイオメトリクスへの対応
バイオメトリクスについては,SC 27 では主にセキ
ュリティの観点から貢献している.この技術は,市場
の緊急性を考慮し,早急な標準化が求められている.
今回,WG 2 では,才所オブザーバが「Biometric
Authentication Context」のエディタを,また,WG 3
では,三村リエゾンが「バイオメトリクスのセキュリ
ティ評価とテスト」のコエディタに指名されるなど,
日本の主導で進みつつある.引き続き SC 37 関係者と
連携して進めていく.
6.3 専用ハッシュ関数,メッセージ認証コード
専用ハッシュ関数 10118-3 において標準化されて
いる方式のうち SHA-1 は,すでに多くのセキュリティ
製品で使われている方式である.最近,SHA-1 の安全
性低下を示す論文が発表されているが,これを ISO が
どのように評価し扱うかによって,影響が大きく出る
恐れがある.今後 ISO では,何らかの評価を行った後,
Webで公表する動きだが,これについてもよく注視し,
場合によっては必要なアクションを起こしていく.
また,メッセージ認証コードについては,日本の考
案による CMAC がノミネートされるなど,日本のスタ
ンスを上げる良い動きとなっているが,それがゆえに
なおさら,客観的,公平に評価がなされるようよく注
意していくことが重要と思われる.
7. 今後の開催予定
2006-05-16/17 Madrid(スペイン)
■ SC 29(Coding of Audio, Picture, Multimedia and
Hypermedia Information/音声,映像,マルチメディ
ア,ハイパーメディア情報の符号化)総会報告
SC 29/WG 11/MPEG-4 小委員会
幹事 浅井 光太郎(三菱電機(株))
1. 開催場所:釜山(韓)
2. 開催期間:2005-04-25/26
3. 参加国数/出席者数:10 カ国/16 名
議長(渡辺裕[早大]),セクレタリ(小倉由紀子
[ITSCJ]), ITTF(1), 中(2),フィンランド(1),仏(2),
独(1),伊(1),日(1:浅井光太郎),韓(2),スイス(1),
英(1),米(1), WG 11 コンビーナ(兼任 伊),ITU-T(兼
任 独),IMTC(兼任 独),IFPI(兼任 英)
4. 特記事項
4.1 プロジェクトの進捗状況(Resolution 1)
SC 29 の作業項目に関し,IS/AMD/COR 出版段階 19
件,FDIS/FDAM 段階 21 件,FCD/FPDAM 段階 13 件,
CD/PDAM/PDTR段階 12件を次段階に進めることを承認
した.
4.2 Program of Work の変更(Resolution 2)
SC 29 の作業項目の修正に関し,微修正 1件,タイ
トル変更 4件を承認した.
4.3 プロジェクトエディタ(Resolution 4)
今回承認された JNB 在籍エディタは以下の通りで
ある.
山田昭雄(NEC):
- ISO/IEC 15938-3:2002/Cor.1:2004
- ISO/IEC TR 15938-8:2002/Cor.1
4.4 国際標準の無償公開(Resolution 5)
以下の 2件を無償公開するよう,JTC 1 に要請する
ことを決定した.
・ ISO/IEC TR 15938-11
(Profile Schemas;MPEG-7 の Profile を表す
Schema 群の一覧)
・ ISO/IEC 21000-2
(Digital Item Declaration;MPEG-21 によるコ
ンテンツの構造的記述)
4.5 定期見直し(Resolution 6)
定期見直し時期にかかる以下の標準の存続を決定
した.
・ ISO/IEC 9282-1:1988(Coded representation of
pictures -- Part 1: Encoding principles for
picture representation in a 7-bit or 8-bit
environment)
・ ISO/IEC 10918-3:1997(JPEG Extensions)
・ ISO/IEC 13522-1:1997 ( MHEG objects
representation -- Base notation)
・ ISO/IEC 13522-3:1997(MHEG script interchange
representation)
・ ISO/IEC 13522-5:1997(Support for base-level
interactive applications)
・ ISO/IEC 15938-1:2002(MPEG-7 Systems)
・ ISO/IEC 15938-2:2002 ( MPEG-7 Description
Definition Language)
・ ISO/IEC 15938-3:2002(MPEG-7 Visual)
・ ISO/IEC 15938-4:2002(MPEG-7 Audio)
4.6 SC 29 の Scope に対する豪州 NB の寄書について
(Resolution 7)
豪州 NB より,マルチメディア技術に関する活動状
況の変化に従ってSC 29の所掌事項を見直してはどう
かとの寄書があったことに対し,より具体的な提案を
AGM もしくは次回 SC 29 プレナリ会合に提出すること
を豪州 NB に要請することとした.
4.7 SC 29 IPR データベース(Resolution 8)
独 HoD より,SC 29 における標準化に対して参加機
関から提出された Patent Statement をスキャンし,
PDF 化したものをアーカイブに登録して,SC 29 メン
バが閲覧できるようにすべきであるとの提案がなさ
れた.これに対し,本提案は IPR 問題の解決にならず,
Standardization bodyとして直接扱わないはずのIPR
問題に踏み出すものであるとの懸念が日本ほか若干
数の国から表明された.議論の結果,賛成の国が多く,
利点はあるが懸念もあるとの立場で JTC 1 に advice
を求め,JTC 1 に承認された場合にはボランティアベ
ースでアーカイブを作成することにした.
4.8 リエゾン(Resolution 14-18)
(1) カテゴリ A のリエゾンについて
WG 1 と WG 11 の双方に有意義な貢献や関与が想定
されるリエゾンをカテゴリ Aとする.
(2) カテゴリ A とするリエゾン
3GPP および W3C をカテゴリ A のリエゾンとするこ
とにした.
(3) カテゴリ Cのリエゾン
NISO ( National Information Standards
Organization)とリエゾンをとることにした.
(4) カテゴリ Cのリエゾンの停止
WG 11 と cIDf,IOC,OCLC,UMTSF ICTG とのリエ
ゾン解消を承認した.
4.9 ISO/IEC 10918-1|ITU-T T.81 について
ISO/IEC 10918-1|ITU-T T.81 の改訂について,現
状 ITU-T SG 16 で進めつつある改定案について WG 1
の合意が得られていない.WG 1 は次回ジュネーブ会
合で結論を出す予定のため,ジュネーブ会合の結果を
待つこととした.
5. 今後の開催予定:
2006-07-22/23 クラーケンフルト(オーストリア)
■ SC 31 ( Automatic Identification and Data
Capture Techniques/自動認識およびデータ取得技
術)総会報告
SC 31 専門委員会
委員 小橋 一夫((社)電子情報技術産業協会)
1. 開催日時:2005-06-09/10
2. 開催場所:シンガポール
3. 参加国/出席者数:15 カ国/60 名
議長(Alan Haberman,米),セクレタリ(Frank
Sharkey,米),豪(1),オーストリア(1),加(2),
デンマーク(1),仏(3),独(2),蘭(1),中(2),
韓(4),露(2),シンガポール(7),南ア(2),英(3),
米(9),日(7:柴田彰[デンソーウェーブ],小谷光
弘[METI],森田和敏[METI],山内徹[CICC],細川輝彦
[JEITA],小橋一夫[JEITA],吉岡稔弘[AI 総研,WG 2
Convenor]),GS(7),ISO/CS(1),AIM(1)
4. 概要
今回の総会は,直前に行われた WG 4/SG 3 での
「18000-6 Type-C」BRM への参加が多かったことと,
シンガポールという観光地での開催であったことも
関係し,これまでにない 60 人もの出席で行われた.
ISO の中央事務局から Chief Technical Program
Manager である Mr. Keith Brannon 氏も参加し,2 日
間の総会を通して出席された.
WGの Convenor が 2名も欠席という状態ではあった
が,(1)WG 4 のスコープ変更,(2)ARP の SG 5 への格
上げ,(3)多くの NP 推進の確認など,内容は盛りだく
さんであった.
併せて,SC 31 のこれからの進むべき方向について
各国,Convenor,関係者が検討・提案するよう,議長
から強く求められ,今後意見交換が進められることと
なった.
5. 特記事項
5.1 議長報告
a) Standard Test PlanのためのAd hocが作られる.
b) JTC 1 におけるパテントとライセンシングに関す
る宣言内容のレビューとコメントのため JTC 1
N7779 を SC 31 内に回覧する
c) WG 会議への参加を最大化するため,Josef
Preishuber-Pflugl 氏を中心に WG 会議のあり方
に関する議論を Convenor と進める.
d) 前回プレナリ以降,NP が増加し,2005 年の参加
者は最低時の倍以上の 520 人が見込まれる.
5.2 セクレタリ報告
a) 過去構築してきた各種のリエゾン関係を,基準を
設けて整理し,不要と思われるものについて関係
解消の提案&Ballot を行い,スリム化したこと
が報告された.合わせて,P メンバ国の Ballot
への参画状況も整理し,投票行動の無い各国と事
務局が連絡&調整することも報告された.
b) SC 31 のサーバを新たなものに交換し,7 月中旬
から現行と並行運用し,来年 1月から正式運用す
ることが報告された.
c) 4 半期ごとに発行されている Newsletter の各国
の取扱状況について質問があり,各国からの寄稿
が要請された.
5.3 各 WG 活動報告
(1) WG 1(データキャリア)
前回のプレナリ以降,4回の会議が開催され,過去
発行された9件のISはReaffirmation中であること,
および,現在 4 件の NP が審議中であることが報告さ
れた.SC 31 に対しての承認要請事項は無かった.
(2) WG 2(データストラクチャ)
a) 今年 1月に WG 2 の Convenor に就任した吉岡氏か
ら審議案件の進捗状況と,2件の承認要請事項に
関して説明が行われた.
b) 15459 は 4 パート構成での改定が進行中である.
15418 は確認が終わり,発行を待っている.15434
は,FDIS 投票への前進を推奨.15434 に対する
NP ドラフトは修正の上,CD 投票の段取り.
c) 承 認 要 請 事 項 は 吉 岡 氏 の 15459 Appeals
Committee 議長就任の確認と David Buckley 氏の
WG 2 事務局就任の件である.これら 2件は SC 31
の承認を得た.
(3) WG 3(コンフォーマンス)
Convenor である Chuck Biss 氏が欠席のため,SC 31
事務局の Sharkey 氏から審議事項の状況報告が行わ
れた.SC 31 に対しての承認要請事項は無かった.
(4) WG 4(RFID)
a) RFID 関連では,18000-6 Type-C として提案され
た EPCglobalの Class 1 GENⅡ仕様が PDAM Ballot
を通過し,前々日の BRM での議論を経て順調に進
んでいることが報告された.また,今後の検討と
して,センサー付タグの AIR I/F 仕様などが必要
であることが説明された.
b) SC 31 への承認要請事項として以下の 2つが挙げ
られ,2件とも承認された.
・ WG 4 のスコープ拡大.これは ARP の今後の検討
内容により必要となった.
・ WG 4/ARP を WG 4/SG 5 とする.
(5) WG 5(RTLS)
a) Convenor である Marsha Harmon 女史が欠席のた
め,Dan Kimball 氏が状況説明を行った.
b) SC 31 に対する承認要請事項は無かったが,WG 5
への参加 NB が少なく,かつ,実市場への参画.
企業も少ない状況が挙げられ,WG 5 の今後の方
向について課題が残った.
(6)用語
a) RapporteurであるCraig Harmon氏が欠席のため,
議長が代わって報告を行った.
b) 以下の 2点が,SC 31 に対しての承認要請事項と
して提起され,承認された.
・ ISO/IEC 19762-1~3 について改定を行う.
・ 19762-4:General terms relating to radio
communications,19762-5:Locating systems
の 2 つを NP として提案する.
(7) UWB (Ultra Wide Band)
a) 来年には,この分野での RFID に対する提案の可
能性が委員から指摘された.
b) AIM Global がこの分野についてレポートを作成
し,SC 31 メンバに回覧される事となった
6. 今後の開催予定
2006-05-25/26 モスクワ(露)
■ SC 32(Data Management and Interchange/デー
タ管理および交換)総会報告
SC 32 専門委員会
委員長 芝野 耕司(東京外語大学)
1. 開催日時:2005-04-11/22
2. 開催場所:ベルリン(独)
3. 参加国/出席者数:10 カ国/60 名
議長(Bruce Bargmeyer,米),セクレタリ(Douglas
Mann,米),豪(3),オーストリア(1),加(4),中(7),
フィンランド(1),独(5),韓(2),オランダ(1),英(4),
米(17),日(13:森田勝弘[県立広島大],遠城秀和[NTT
データ],堀内一[東京国際大],大林正晴[管理工学
研],岡部雅夫[東京電力],土田正士[日立],小寺
孝[日立],鈴木健司[東京国際大],白鳥孝明[日本
IBM],石井義興[ビーコン IT],梶野智行[ビーコン
IT],野口芳延[ビーコン IT],芝野耕司)
4. 主な結果
4.1 WG 1 Open-edi オープン EDI
WG 1 では,オープン EDI で必要となる契約記述の
た め の ISO/IEC CD 15944 Business Agreement
Semantic Descriptive Techniques の次の三つのパー
ト,Part 2: Registration of Scenarios and their
Components as Business Objects,Part 4: Open-edi
Ontology,およびPart 5: Identification and Mapping
of Categories of Jurisdictional Domains as Sources
of External Constraints の FCD 化を決めた.
日本提案は,Part 4の早期規格化のため,TR 15944-6
Business Agreement Semantic Descriptive
Techniques -- Part 6: Technical Introduction of
eBusiness Modeling として切り離し,森田がエディ
タとする新パートを開発することとした.
4.2 WG 2 メタデータ
WG 2 での CD は,次の通り. 規 格
番号
Title Part 件数
11179 Metadata Registries (MDR) 3 1
20943 Achieving Metadata Registry Content
Consistency
2,4 2
20944 Metadata Registry Interoperability &
Bindings (MDR-IB)
1 ~
83
16
14957 Representation of data elements
values: Notation of the format
1
19763 Framework for Metamodel
interoperability
1,2,
3,4
4
19773 Metadata registries (MDR) Module 1,2,
3
3
24706 Metadata for technical standards and
specification documents(to be
circulatedfor CD comments to JTC
1/IITRG)
1
24707 Common Logic(CL) -- A Framework for
a Family of Logic-Based Languages
1
WG 2 での FCD は,次の通り. 規格番号 Title Part 件数
19763 Framework for Metamodel
interoperability
1,2,3,
4
4
WG 2 での FDIS は,次の通り. 規格番号 Title Date Expected
11179-2 Metadata Registries (MDR) -
Part 2: Classification for
administered items
2005-12-31
日本提案の ISO/IEC CD 19763 については,今回の会
議後に四つのパートを CD 投票に回すことおよび編集
会議後に FCD とすることが決まった.
4.3 WG 3 SQL
WG 3 の Convener がオランダの Steve Cannan から
アメリカの Keith Hare に替わることとなった.
SQL/XML については,W3C の XQuery の進捗を睨み,
現行案を 8 月末に FDIS にするとともに,SQL/XML の
次期規格のプロジェクトを開始することとした.
また,SQL 規格群全体については,第 2 次 CD とす
ることとした.このことによって,2003 年に出版し
た現行規格の次の版は,2007 年末を予定している.
Convener の変更に伴い,現行規格,開発中の項目
及び将来の拡張に関する TR の新プロジェクトを開始
することとした.これは,サブプロジェクトではなく,
新プロジェクトであるため,投票に回ることとなる.
4.4 WG 4 SQL/MM
日本提案の SQL/MM Part 7: History が新サブプロ
ジェクトとして承認され,芝野および梶野がエディタ
となった.History は,Temporal database として,
データベース研究の大きな研究課題の一つであり,
1990 年代半ばに ACM で規格委員会が設けられ,1994
年には,TSQL2 として出版され,2001 年まで WG 3 で
SQL/Temporal として開発され,その後,中止になっ
た課題を引き継ぐものである.
SQL/MM Part 1: Framework,Part 3: Spatial およ
び Part 6: Data Mining については,FCD とすること
となった.
5. 今後の予定
2006-03-27, 31 神戸(日)
6. 感想
日本提案の MMF(Metamodel Framework)が今回の
会議直後に第 2 次 CD,中間会議後に FCD とすること
が決まった.
MMFに関連するConceptual Model関連の規格には,
日本提案の JDMF(JSA Data Modelling Facility),
CSMF(Conceputual Schema Modelling Facility)な
どがあり,これらは過去 30 年間,すべて規格開発に
失敗している.
この轍を踏まないようにするため,SC 32 専門委員
会として,MMF の規格内容を詳細に検討することが必
要である.
■ SC 34(Document Description and Processing
Languages/文書の記述と処理の言語)総会報告
SC 34 専門委員会
委員長 小町 祐史(パナソニックコミュニ
ケーションズ(株))
1. 開催場所:アムステルダム(オランダ)
2. 開催期間:2005-05-22/26
3. 参加国数/出席者数:8 カ国/27 名
議長(Jim Mason,米),セクレタリ(Ken Holman,
加),韓(5),英(2),米(4),加(1),ノルウェー(2),
オランダ(3),豪(1),日(7:野口高成[ネクストソリ
ューション],内藤求[シナジー・インキュベート],
上村圭介[グローバルコミュニケーションセンター],
村田真[国際大学],大久保彰徳[リコー],加藤弘之[国
立情報学研究所],小町祐史[パナソニックコミュニケ
ーションズ])
4. 特記事項
4.1 総会と WG 会議との同時開催
従来どおり,初日(土曜)に Opening Plenary が開
かれ,翌週木曜の夜の Closing Plenary で総会を終了
した.その期間中に日曜を含めて,各 WG での議論が
総会と同じ会場(RAI Centre)で進められた.WG 3
については,Reed Elsevier 本社の会議室も使用され
た.さらに総会とほぼ並行して RAI Centre では,
Idealliance主催のコンファレンスXTexh2004が開催
された.
4.2 総会での主な報告と議論
(1) SC 34 の投票手続き
総会直前に行われた投票(SC 34 レベル,複数件)に
おいて,それらの投票結果に日本からの投票が反映さ
れていなかった.今後,このような事態を避けるため
に, セクレタリは,NB からの voting を受け取った
ら直ちに受領確認を提出することになった.
(2) Explanatory Report(G11 文書)
ISO/IEC Directives が FDIS 提出時に求めている
G11 文書の作成は,これまでセクレタリが担当してい
た.しかしその内容をセクレタリは把握できないとの
指摘があり,エディタが作成して提出することになった.
(3) リエゾン
SC 2 および SC 22 とのリエゾン代表となることを
SC 34 から承認してほしいとの要望が,Keld Simonsen
から提案された.これに対して,"リエゾンについて
は双方の SC が合意している必要があり,SC 34 から
積極的にリエゾンを求める理由がない"ことが日本か
ら主張され,SC 34 の決定事項から削除された.
4.3 文書スキーマ定義言語(DSDL,ISO/IEC 19757)
今会期直前にそれぞれ FPDAM, FCD, CD の投票が終
わったパート 2 の Amd.1,パート 4,パート 7 を中心
に議論を行い,次の方針を決めた.
(1) パート 1(概要)
パート 1のエディタに対して,コメント対処に示さ
れる受理された変更に基づいて,CD テキストの改訂
版を用意することを求める.その CD テキストを WG 1
メンバがレビューした後,投票のために SC 34 に提出
することを勧告する.
(2) パート 2(正規文法に基づく妥当性検証-RELAX
NG)の Amd.1
FPDAM 投票結果のレビューに基づき,簡潔構文
(compact syntax)のための固有のメディア型の定義
を組込んだ改訂テキストを,FDAM 投票のために JTC 1
に提出することを勧告する.
SC 34 はその最終テキストを公開( freely
available)にすることを JTC 1 に求める.さらに SC
34 は,今後の SC 34 の規格における文書化スキーマ
に ISO/IEC 19757-2(RELAX NG)の簡潔構文を採用す
ることを推奨し,JTC 1 参加国が,ISO 8879 の DTD 又
は W3C XML Schema に代わってこの簡潔構文を利用す
ることをも推奨する.
(3) パート 3(規則に基づく検証-Schematron)
パート 3のエディタに対して,FCD 投票のコメント
をレビューし,そのコメントに関するコメント対処を
用意することを要求する.そのコメント対処を WG 1
メンバがレビューした後,受理した変更とすべての
WG 1 コメントとを組込んだ FDIS テキストを用意する
ことをエディタに指示する.FDIS テキストを WG 1 メ
ンバがレビューした後,その改訂テキストを JTC 1 に
提出することを勧告する.
その規定は台北のASCC(Academia Sinica Computing
Centre)による freely available な規定に基づくの
で,その最終テキストを freely available にするこ
とを,JTC 1 に依頼する.
(4) パート4(名前空間に基づく検証委譲言語-NVDL)
パート 4のエディタに対して,コメント対処に示さ
れる受理された変更を組み込んで,FDIS テキストを
用意することを要求する.FDIS テキストを WG 1 メン
バがレビューした後,その改訂テキストを JTC 1 に提
出することを勧告する.
この規定は,以前にファストトラック提案され
ISO/IEC 22250-2 と し て 配 布 さ れ た publicly
available な日本の規格に基づくので,その最終テキ
ストを freely available にすることを,JTC 1 に依
頼する.
(5) パート 7(文字レパートリについての検証)
パート 7のエディタに対して,コメント対処に示さ
れる受理された変更を組み込んで,CD テキストの改
訂版を作成することを要求する.その CD テキストを
WG 1 メンバがレビューした後,改訂されたテキスト
を投票のために SC 34 に提出することを勧告する.
4.4 数学/科学用の実体(ISO/IEC 9573-13)の第 2 版
会期中に PDTR 投票が締め切られ,次の方針を決定
した.
このエディタに対して,コメント対処において受理
された変更を組み込んで,DTR テキストを用意するこ
とを要求する.さらに Unicode Consortium が提出し
たコメントを配慮して,リエゾンステートメントを
Unicode に提出し,改訂テキストの適切な箇所に組込
むための詳細なコメント対処を作成することをもエ
ディタに求める.DTR テキストを WG 1 メンバがレビ
ューした後,その改訂テキストを JTC 1 に提出するこ
とを勧告する.
この規定の最終テキストを freely available にす
ることを,JTC 1 に依頼する.
4.5 文書スタイル意味指定言語(DSSSL,ISO/IEC
10179)の Amd.2
既に投票が終っている FDAM2 に対する投票結果が
エディタに示されなかったため,予定したコメント対
処を行うことができず,次の方針決定を行った.
ISO/IEC 10179/FDAM2 のコメント対処と ISO/IEC
10179/Amd.2 の最終テキストとを作成することを,エ
ディタに指示する.それらの WG 2 メンバによるレビ
ューの後,最終テキストを ITTF による出版のために,
SC 34 セクレタリに送付する.
4.6 DSSSL ライブラリ(ISO/IEC TR 19758)の Amd.3
DAM3 が投票期間中であったので,次の方針決定を
行った.
ISO/IEC TR 19758/DAM3 のコメント対処と ISO/IEC
TR 19758/Amd.3 の最終テキストとを作成することを,
エディタに指示する.それらの WG 2 メンバによるレ
ビューの後,最終テキストを ITTF による出版のため
に,SC 34 セクレタリに送付する.
4.7 フォント情報交換(ISO/IEC 9541-3)の Amd.1
FPDAM 投票結果により,FPDAM テキストが反対もコ
メントもなく承認されたことを認識し,SC 34 セクレ
タリに対して,Word フォーマットの FDAM テキストが
JTC 1 処理に送付されたことを確認することを要求し
た.これは, 本件に関して JTC 1 から何の連絡もきて
いないことによる.
4.8 フォント情報交換(ISO/IEC 9541-2)の Amd.2
ISO/IEC 9541-2 におけるフォント参照に関する利
用者要求を受理し,ISO/IEC 9541-2/Amd.2 の開発の
ために既存のプロジェクトに下位プロジェクトを設
けて,PDAM テキストの開発をエディタに指示した.
4.9 文書レンダリングシステムを規定する最小要件
2月に新作業課題提案(NP)の投票が承認された後,
JTC 1 で各国のレビューを受けていた本件に関して,
JTC 1 からセクレタリに対してプロジェクトの成立が
通知された.
WG 2 会議で作成した"文書レンダリングシステムを
規定する最小要件"の NP 投票コメント対処および作
業用素案(WD)を受理し,WD を SC 34 内配布のため
に,SC 34 セクレタリに送付すると共に,このプロジ
ェクトのエディタとして,上村および Dr. Soon-Bum
Lim を指名した.
4.10 トピックマップ(TM,ISO/IEC 13250)および関
連規格
今会期直前に 3件(パート 2, 3, 4)の FCD 投票と
3件(パート 5,TMQL,TMCL)の CD 投票が行われたト
ピックマップおよび関連規格について,次の議論と決
定が行われた.
(1) パート 2(データモデル)およびパート 3(XML
構文)
Amsterdam での本件の議論をまとめた会議ノート
(SC 34 N640 および N641)を受理し,エディタに対し
て各国コメントに対応することを指示する.さらにエ
ディタに対して,Amsterdam 会議での決定を新ドラフ
トに組込んで, それを 7 月 1 日以前に WG 3 に配布す
ることを指示する.それを Montréal 会議でレビュー
した後,FDIS テキストとして提出する。
(2) パート 4(正準 XML 構文)
Kal Ahmed の辞任を受理し,Eric Freese と Prof.
Jaeho Lee をエディタとして指名する.会議ノート(SC
34 N642)を受理し,エディタに対して各国コメントに
対応することを指示する.さらにエディタに対して,
Amsterdam 会議での決定を新ドラフトに組込んで,そ
れを7月28日以前にWG 3に配布することを指示する.
それを Montréal 会議でレビューした後,FDIS テキス
トとして提出する.
この規定を完全に試験するために,Montréal 会議
前に正準 XML 構文を追加実装することを WG 3 メンバ
に要請する.
(3) パート 5(参照モデル)
会議ノート(SC 34 N643)を受理し,エディタに対し
て各国コメントに対応することを指示する.さらにエ
ディタに対して,Amsterdam 会議での決定を新ドラフ
トに組込んで,それを 7 月 1 日以前に WG 3 に配布す
ることを指示する.それを Montréal 会議でレビュー
した後,新 CD テキストとして提出する.
(4) TM 問合せ言語(TMQL, ISO/IEC 18048)および TM
制約言語(TMCL, ISO/IEC 19756)
会議ノート(SC 34 N644)を受理し,エディタに対し
て各国コメントに対応することを指示する.さらにエ
ディタに対して,Amsterdam 会議での決定を新ドラフ
トに組込んで,それを 7月 28 日以前に WG 3 に配布す
ることを指示する.それを Montréal 会議でレビュー
した後,新 CD テキストとして提出する.
(5) RDF と Topic Maps との相互運用性
WG 3 は,W3C の"Semantic Web Best Practices and
Deployment Working Group on RDF/Topic Maps
interoperability"の活動を支援することを表明する.
Topic Maps コミュニティのメンバが, SC 34
N607(Survey of RDF/Topic Maps Interoperability
Proposals)にフィードバックし,"Guidelines for
RDF/Topic Maps Interoperability"の開発活動に参加
することを推奨する.
(6) Topic Maps の簡潔構文(CTM)
topic maps を表現する二つのテキストベースの記
法 で あ る “AsTMa=”[1] お よ び “Linear Topic Map
Notation(LTM)”[2]の存在を認め,この型の標準的な記
法の必要性を認識する.その記法は,次に示す目的を
もって,単純な簡潔構文を提供するために XML 交換構
文を補う.
a) topic maps をマニュアル記述する
b) 人間可読な例を提供する
c) TMCL および TMQL の基礎としての共通で軽負荷
の構文を提供する
WG3 は,この分野の NP の申出に関して韓国に感謝
し,なるべく早くこれを達成するために WG 3 のコン
ビーナと共に作業することを要求する.
5. 今後の会議予定
2005-11 アトランタ(米)
文献
[1] R. Barta: AsTMa= Language Definition, Bond
University, 2002-07,
http://astma.it.bond.edu.au/astma=-spec-xtm-1.0
r1.8.dbk
[2] L. M. Garshol: The Linear Topic Map Notation,
Ontopia, 2005-05,
http://www.ontopia.net/download/ltm.html
■ SC 35(User Interfaces/ユーザインタフェース)
総会報告
SC 35 専門委員会
委員長 山本 喜一(慶應義塾大)
1. 開催場所: マディソン(米)
2. 開催期間: 2005-07-05, 08/09
3. 参加国数/出席者数: 7 カ国/17+1 名
議長(Yves Neuville,仏),セクレタリ(Nathalie
Cappel,仏),加(3),スウェーデン(2+Tel 1),韓(2),
日(5:山本喜一[慶大],中尾好秀[シャープビジネス
コンピュータソフトウェア],松原幸行,関喜一[産総
研],中野義彦[沖電気]),米(2),独(1)
JTC 1/SC 22 リエゾン(1,加),TC 159/SC 4/WG 5 リ
エゾン(1,加)
4. 議事内容
(1) 今回は仏の幹事が 3 度目のおめでたのため参加
できなくなり,初日の総会は幹事不在であったが,最
後の総会には AFNOR から代理が参加した.また米国は,
WG 6,8 以外には参加しないとの方針で,それ以外に
関連する議決には参加していない.
(2) WG 1(Keyboards and input interfaces)
a) ISO/IEC 9995 Keyboard layout の Part 1, 5, 6,
8 を FCD に進める.
b) 各国のキーボード配列の規格を集めた DB を作る.
c) “Keyboard interaction model,machine-readable
description and interaction of keyboard keys”
の NP が承認されたことから,WD を発行しコメン
トを求める.
d) TR "Description of ISO/IEC 9995 issues
regarding users needs and necessary
innovations "(独の提案)をNPとして提案する.
(3) WG 2(Graphical User Interface and Interaction)
a) ISO/IEC CD 24738 Link attribute icons を FCD
に進める.
b) Study group の報告として,ISO/IEC 11581 Icon
symbols and functions の再構成案が承認され,
すべてのアイコン関連規格を 11581 のパートと
して再編集することになった.
(4) WG 4(User Interfaces for Mobile Devices)
ISO/IEC CD 24755 Screen icons and symbols for
personal mobile communication devices を 9 月
中に CD 投票にまわす.
(5) WG 5 ( Cultural, Linguistic and User
Requirements)
a) TR Type 3 Taxonomy for cultural and linguistic
adaptability and internationalization を CD
投票にまわす.
b) 各プロジェクトエディタは,ISO/IEC 規格の定義
を集めてカナダに報告する.
c) ISO/IEC 2382 に関連して,用語のレジストリを
作成することを JTC1 に勧告する.
(6) WG 6(User Interfaces for People with Special
Needs (including children, the elderly, the
permanently or temporarily disabled and people in
constrained usage environments))
a) PDTR 19765 Survey of icons and symbols that
provide access to functions and facilities to
improve the use of IT products by the elderly
and disabled を 9 月までに DTR 投票にまわす.
b) NP 24756 Framework for establishing and
evaluating accessibility in interactive
systems のタイトルを Algorithmic framework
for determining accessibility for individual
users of interactive systems に変更する.
c) WD 24756 Algorithmic framework for determining
accessibility for individual users of
interactive systems を 9 月までに CD 投票にま
わす.
d) 日本提案の Accessible User Interface for
Accessibility Setting on Information Devices
をマルチパート標準として 9 月までに NP 投票に
まわす.
(7) WG 7(User Interfaces Object, Actions and
Attributes)
a) PDTR 11580 Framework for describing user
interface, objects, actions and attributes
を DTR 投票にまわす.
(8) WG 8(User Interfaces for Remote Interactions)
a) ISO/IEC 24752 Universal remote console に各
国の参加を要請する.
b) ISO/IEC 24752 を XForms(XML フォーム言語 TS
X0077:2005)に完全に合わせるかどうかについて,
各国企業の意見を求める.
c) ISO/IEC 24752 を 9 月までに CD 投票にまわす.
d) ISO/IEC CD 24752を IEC TC 100 Multimedia Device
に送り,コメントを求める.
(9) JTC 1 SWG on Accessibility に対し,SC 35 の要
望を提出する.
5. 今後の予定
2006-02-13/17 ベルリン(独)または
バルセロナ(スペイン)
2006-09-04/09 ソウル(韓)
2007-03-19/23 バルセロナ(スペイン)または独
6. その他
Wisconsin 大学 Madison キャンパスの Engineering
Center で会議を行った.会場は教室,実験室などの
建物で,すばらしい設備であった.内部に Trace
Center がありアクセシビリティに関する種々な実験
設備が整っていることが印象的であった.
アクセシビリティについて米国は法的規制が既に
できていることから,各企業が積極的に取り組んでお
り,政府関係の予算も豊富に配分されているとのこと
であった.
■ SC 37(Biometrics/バイオメトリクス)総会報告
SC 37 専門委員会
委員長 瀬戸 洋一((株)日立製作所)
1. 開催場所:サンシティ(南ア)
2. 開催期間:2005-07-04/05
3. 参加国数/出席者数:17 カ国,5リエゾン/55 名
議長(Fernando Podio,米),セクレタリ(Lisa
Rajchel,米),米(9),英(6),日(5:向井幹雄[ソニ
ー],溝口正典[NEC],森雅博[富士通],道坂修[NTT
データ],瀬戸洋一),韓(3),加(3),仏(1),独(5),
アイルランド(2),伊(1),中(1),ニュージランド(2),
マレーシア(3),ノルウェー(1),シンガポール(2),
露(2),南ア(4),スウェーデン(3),SC 17,SC 27,
IBIA,BioAPI,Biosec,ILO
4. 報告事項
4.1 SC 37 総会概要
第 4 回目の総会が南アフリカ Sun City で開催さ
れた.第 4 回目の WG 会議も併設し開催された.2 つ
の New Work Item,14 の WD,2 つの PDTR/FDTR,20 の
CD/FCD7つの FDIS が登録された.現在の P メンバは
22 カ国,Oメンバは 5カ国である.
次回の SC 37/WG を 2006 年 1 月 8 日~14 日に京都
で開催予定しており,そのための会場設備,並列開催
の WG 数などの調整および開催地紹介などを行った.
2004年に加盟したPメンバの中国が今回初めてWG/
総会へ参加した.また,同様に 2004 年に加盟したイ
スラエルが今回初めて WG に参加した.
4.2 プロジェクトの概要
(1) WG 1(Harmonized Biometric Vocabulary)
Multimodal, Enrollment など,30 個のコンセプト
に対する定義が確定し,SD2 に追加された.Standing
Document 2,Version 4.0 が,回付されることになっ
た.Corpus(参考用語集)が,http://www.biotown.
purdue.edu/ecorpus に公開された.
(2) WG 2(Biometric Technical Interfaces)
ISO/IEC 24709-2 BioAPI Conformance Testing に
ついて,従来の Part 2: Test Assertions の作業を加
速するため,Part 2: Test Assertions for Biometric
Service Providers,Part 3: Test Assertions for
BioAPI Frameworks,Part 4: Test Assertions for
Biometric Applications の 3 つのパートに分けるこ
とになった.ISO/IEC 24709-1 BioAPI Conformance
Testing,Part 1: Methods and Procedures,ISO/IEC
19784-2 BioAPI -- Part 2: Biometric Archive
Function Provider Interface が FDIS に進むことに
なった.また,日本提案の BioAPI における画面制御
に関する ISO/IEC 19784-1 Amd.1 -- BioGUI を,中村
がエディタを担当している.
(3) WG 3(Biometric Data Interchange Formats)
a) ILO リエゾンの John Campbell が ILO での指紋照
合テスト結果を報告(N1125)した.特に実現性
能とフォーマット間の問題について言及した.WG
3,WG 4 で検討グループを作って京都会議で対応
案を提案する.
b) Part 9: Vascular Image Data は,FCD に進むこ
とが決議された.
c) Future Work(新提案)として,顔画像撮影ガイ
ドライン(日本提案)について,友永が日本の提案
のプレゼンを行い,提案通り承認された.WD を
作成しコメント募集が行われる.
d) Conformance(WG 5 共同討議)に関し,conformance
と performance の確認・保証の課題が提言された.
WG 5 との共同討議の結果,検討グループ(SPICE)
を設置し,物理的・論理的な接続性から品質面の
性能保証までの interoperability の階層的な検
証レベル定義を審議して,次の京都会議で報告す
ることになった.参加者の募集:8/25,寄書の募
集:10/2,電話会議:11/2,提案文書:12/2 の
スケジュール.グループの chair は,John
Larmouth(UK).
1.37.19794- Part 会 議 前
status
会 議 後
action
コメント
1:Framework FCD FDIS 投票 文書準備中
2:指紋特徴点 IS 発行待ち Defect 指
摘あり
3:指紋パターン
Spectral(FSP)
FCD FDIS 投票 文書準備中
4:指紋画像 IS 発行済
5:顔画像 IS 発行済 Defect 指
摘あり
6:虹彩画像 IS 発行済
7:署名/サイン
(time series)
CD 投票 FCD 投票 投票期限:
11/27
8:指紋パターン
Skeletal (FSK)
CD 投票 FCD 投票 投票期限:
11/27
1.37.19794- Part 会 議 前
status
会 議 後
action
コメント
9:血管(静脈) WD レビ
ュー
CD 投票 投票期限:
11/25
10:手形 WD レビ
ュー
CD 投票 投票期限:
11/25
11:署名/サイン
(processed
dynamic)
WD レビ
ュー
2ndWD 作
成・レビ
ュー
コメント:
11 月
5 Amd:顔画像撮
影ガイドライン
NP 承認 WD 作成・
レビュー
コメント:
11 月
(4) WG 4 (Biometric Functional Architecture and
Related Profiles)
ISO/IEC 24713 の各パートは以下のステータスとな
った.また ISO/IEC 24713-2 は,再度タイトルを修正
し , ” Biometric Based Verification and
Identification of Employees in a Highly Secure
Environment”から” Physical Access Control for
Employees at Airport”となった他,スコープおよび
要求事項等大幅に変更を加えることとなった.
1.37.24713- Part 会議前
status
会議後
action
コメント
1:共通アーキテクチャ CD FCD 投
票
文 書 準 備
中
2:空港従業員のアクセ
スコントロールのプロ
ファイル
CD CD 再投
票
NB 寄書募
集中
3:船員手帳のプロファ
イル
WD WD NB 寄書募
集中
また ITU-T SG 17 Q8のコメント要請に基づきITU-T SG
17 Q.8 への対応を強化するため,Special Group を設
立し,次回 ITU-T SG 17 ジュネーブ会議に詳細報告を
行うことになった.ITU-T のみならず,JTC 1/SC 27,
Bio Security Consortium に関する関連情報の収集も
行い,関連ドキュメントのリストを作成することにな
った.
(5) WG 5(Biometric Testing and Reporting)
ISO/IEC TR 19795-3 Biometric Performance
Testing and Reporting -- Part 3: Modality-Specific
Testing に関し,内田がエディタを担当することにな
った. ISO/IEC 19795-1 Biometric Performance
Testing and Reporting -- Part 1, Principles and
Framework が,FDIS へ進むことになった.
(6) WG 6 ( Cross-Jurisdictional and Societal
Aspects)
ISO/IEC TR 24714 ( Cross-Jurisdictional and
Societal Aspects of Implementation of Biometric
Technologies)のエディタを務めていた Marek が,所
属組織の問題から,エディタを続けられなくなった.
現在の WD2 を 2 つに分け,Part 1(Guide to the
accessibility, privacy and health and safety
issues in the deployment of biometric systems for
commercial application)のエディタを Julian Jones
(UK) と Kristina (独)が, Part 2 ( Practical
application to specific contexts)のエディタを
Mario(伊)が務めることになった.Part 1 は京都会議
後 の PDTR 化 を 目 指 す . Part 2 は Call for
contribution の状況である.
ISO/IEC TR 24714-1 に関して,WG 6 内に次回京都
会議までに用語定義の明確化およびプライバシ以外
の法的課題を検討する 2つの Special Groupを設置す
ることになり,日本からは池野がメンバとなった.
4.3 リエゾン
(1) UK,ドイツなどが賛同しなかったが,BioSec
Consortium が SC 37 とカテゴリ A のリエゾンとなっ
た.
(2)日本から提案していたバイオメトリクス PKI
(ITU-T SG 17)および BAC(Biometric authentication
context,SC 27)について SC 37/WG 2,WG 4 で検討
された.日本から 2件の同分野の提案で,SC 37 は混
乱した.本件に関して,国際議長 Podio 氏,WG 2 主
査 Kwon 氏と瀬戸で相談し,日本の状況を理解してい
ただいた.その結果,バイオメトリクス PKI は,BioAPI
および CBEFF の標準化への影響が大きく,SC 37 のエ
キスパートを中心とした検討グループを設置する方
針となった.また,プロファイルを扱う WG 4 との連
携を密にしてセキュリティプロファイルの検討を行
うことになった.以上の内容について JTC 1/SC 27/WG
2, ITU-T/SG17 Q8,ISO/TC 68/SC 2/WG 10 へリエゾ
ン要請を送ることになった.
(3) ILO へ Future Conformance, Performance and
Interoperability Biometric Testing に関するリエ
ゾン要請を送ることになった.
5. 今後の総会開催予定
2006-07-03/11 英
2007-06-18/26 独
6. その他
京都 WG 会議の紹介を瀬戸より行う.安全,チップ
不要,風光明媚等から盛大な歓迎を受けた.
<解説:中国における情報技術の標準化>
SC 25 専門委員会
委員長 山本 和幸((財)日本規格協会)
はじめに
この数年,中国の標準化活動が活発化してきた.こ
こでは本年 3月に SC 25/WG 1 ブリュッセル会議で入
手した「中国における情報技術の標準化」(原本:英文)
のプレゼンテーションを記事として再編したもので
ある.中国における IT 分野の標準化組織と標準規格
体系,特に SC 6,SC 25 関連のネットワーク規格の状
況理解の一助とされたい.
1. 中国の IT 標準化組織
中国では大きく三つの IT 標準化組織がある.
・ 中国電子標準協会(CESI: Chinese Electronics
Standardization Institute)
・ 国家 IT 標準技術委員会(NITSTC: National IT
Standard Technical Committee)
・ 情報産業省 MII( Ministry of Information
Industry)の特別標準化 WG
図 1 中国電子標準協会の組織
図 2 国家 IT 標準技術委員会の構成
図 3 情報産業省 MII の特別標準化 WG の構成
2. 中国での IT 標準規格開発と情報技術標準体系
中国で開発した電子技術標準とIT標準は2003年末
で 6,616 件あり,この中には国家標準 1,985 件,工業
標準 4,631 件,製造標準 3,622,ソフトウェア標準 595
件を含んでいる.
中国のIT国家標準は700件以上,IT産業標準は100
件以上あり全ての IT 分野を含んでいる.中国の情報
技術標準体系は次のようになっている.
3. 中国のネットワーク標準(LAN 等の構内網を指す)
中国では LAN 等の構内系ネットワーク標準におい
て,データ通信とコンピュータ網の技術開発に重要な
93 件の標準を開発し,SC 25 の分野では 13 件の標準
MII
特別標準化WG
IGRS(知的グルーピングと 資源シェアリング)
ブロードバンド無線IPディジタルAV符号化復号化技術
ディジタルCATV STDカードインタフェース
税金用POS 第2世代IDチップモジュール
集積回路IPコア 平面ディスプレイ技術 民生情報処理機器
文字セットと符号化標準
情報処理標準: 中国語符号化文字セット標準,
中国語モデル標準,中国語入力方式標準
ソフトウェアとソフトウェア工学標準: ソフトウェア工学
標準,プログラム設計言語標準,OS標準,DB標準
ネットワーク標準: アーキテクチャ標準,WAN標準,L
AN&MAN標準,インターネット標準,メディア変換標
準,プロファイル標準,ネットワークセキュリティ標準
OA標準: 文書構造標準,文書処理と交換標準
マルチメディア標準: 静止画圧縮と符号化,動画の
圧縮と符号化,ハイパーメディア符号化
グラフィック&イメージ標準
データ標準
情報セキュリティ標準: 暗号アルゴリズム標準,セ
キュリティ技術標準,セキュリティ管理標準
事務局
WG:マルチオクテット文字コード,国
内機器ディジタル情報プラットホーム
XML,IDカード
SC:自動認識とデータ集積,非キー
ボード入力,光ディスク,マルチメデ
ィ,事務機器・周辺機器・民生機器,
マイクロプロセッサー,プログラム言
語,ネットワーク,データエレメント表
記,フレキシブル磁気媒体,磁気デ
ィスク,ソフトウェア工学,データ通
信,文字セットとコーディング,用語
分類,中国語プラットフォーム
NITSTC
科学技術開発部門
基礎製品研究センター
電子機器とシステム研究センター
IT研究センター
安全・EMC試験センタ
計測校正センター IT標準認証試験センター
製品認証センター システム認証センター ソフトウェア技術評価センター
データ&ネットワーク管理センター
規格&定期刊行物編集出版センター
CESI
を制定した.(制定と記述しているが IS 化された規格
の中国での追認)
中国でのネットワーク標準の重要分野として,以下
の規格を列記しているが,特に IGRS が独自提案と考
えられる.
・ ホームネットワーク: IGRS(知的グルーピング
と資源シェアリング)ゲートウェイ
・ WLAN: WAPI(無線認証とプライバシーインフラ)
・ WMAN: IEEE 802.16
・ WPAN: Bluetooth,UWB
また,中国におけるネットワーク関連 SC の活動は
政府のリードにより,CESI のような公式機関,LENOVO
や ZTE,Huawei,Iwncomm のような世界的企業,精華
大学のような著名な大学からの専門家が参加して行
われている.
さらに,海外専門家との連携,国際標準化組織への
提案と参加,開かれた姿勢として,海外企業と研究組
織の WG 参加への開放,マイクロソフトやインテル,
シーメンスのような企業との友好的関係,世界の先端
技術の吸収とフォロー,国際,海外標準化組織ISO/IEC
JTC 1/SC 6,SC 25,IEEE との対話の強化,国際会
議への参加,他の標準化組織からの運営経験の学習,
国際ルールの順守,JTC 1 手順の順守など極めて当然
の事を解説している.
4. 中国における IT 標準国際化開発の貢献
(1) 中国における IT 標準の国際化
1997 年から IT 分野へ,中国文字(漢字)の拡大,
モンゴル語コードなどを含む 29 件の提案を行い,23
件が承認された.JTC 1 の WG 活動への参加は専門家 6
人が SC 2/WG 2,SC 32/WG 2,SC 36/WG 4,SC 36/WG
5 に参加し,2001 年以来,MII は中国で 6回内 3回は
北京での国際会議を開催した.過去にも 1984 年に SC
6 総会開催,1986 年,1987 年に SC 6 の WG 会議を北
京で開催している.
(2) 標準国際化への参加方針
中国の標準国際化への参加方針は,新技術と標準の
追求,国際会議参加と技術的対話強化による国際組織
との関係強化,標準提案と国際標準適合の推進である.
2006年 SC 25/WG 1会議の北京での開催を招請する.
5. おわりに
本プレゼン資料では,中国の情報技術標準化組織,
情報技術標準化体系を紹介すると共に,国際ルールの
順守,国際会議参加及び会議招請,国際組織との関係
強化など,極めて当然の事も紹介している.このため
日本の国際標準化活動と比較して全体としては初歩
的な印象を否定できない.しかし,中国特有の漢字関
連分野は当然としても,税金用 POS と訳した Tax
Control Machine は徴税システムが社会的課題とな
っている中国ならではの固有のテーマとして興味深
い.また IGRS のようなテーマの重点化により,今後,
国際標準化を産業戦略の一つとして捉え,活動が活発
化すると思われる.
さらに巨大な市場規模と,国際標準化における1国
1票方式の矛盾を中国自らどのように捉え,欧州や米
国,日本がこれを標準化戦略としてどのように捉えか
が今後の着目点である.
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<2005 年 9 月以降 国際会議開催スケジュール>
JTC 1 2005-11-10/16 Banff,Canada
SC 2 2006-01 USA
SC 6 2005-09-02 Saint-Paul de Vence
France
SC 7 2006-05-14/19 Bangkok,Thai
SC 17 2005-10 South Africa
SC 22 2005-09-29/10-03 Mt. Tremblant,Canada
SC 23 2005-12-01 京都,日本
SC 24 2006 Europe
SC 25 2005-09-30 Scotland,UK
SC 27 2006-05-16/17 Madrid,Spain
SC 28 2005-09-12/16 Beijing,China
SC 29 2006-07-22/23 Klagenfurt,Austria
SC 31 2006-05-25/26 Moscow,Russia
SC 32 2006-03-27, 31 神戸,日本
SC 34 2005-11 Atlanta,USA
SC 35 2006-02-13/17 Berlin,Germany
SC 36 2005-09-19, 23 North Carolina,USA
SC 37 2006-07-03/11 UK
<声のページ>
誰のための標準化か
山本 喜一(慶應義塾大学)
1980 年代の初めにいわゆる構造化エディタの研究
を行っていたときに,流れ図記号などのプログラミン
グのための図式表記法の国際規格を開発していた SC
7/WG 1(当時)に参加したことが,JTC 1 の標準化活
動に加わったきっかけであった.当時の私にとって,
国際標準や JIS という言葉は単に七面倒くさい厄介な
ものという程度の認識であったが,実際に標準化活動
に参加して多くの企業や研究機関の方々と議論をする
うちに,これらの必要性を強く意識するようになった.
ハードウェアの規格化から標準化が始まったであ
ろうことは疑いの余地はないが,今日の情報化社会に
おいては,ハードウェアと同等あるいはそれ以上にソ
フトウェアの標準化が重要であることも間違いない.
JTC 1 が設立されたとき,最初の小委員会である SC 1
として Vocabulary を定める委員会が設立されたこと
は,当時の関係者の先見性を示している.Vocabulary
は,まさにソフトウェアでありお互いのコミュニケー
ションのための基礎を確立するためには無くてはな
らない.
現在私が委員長を務めさせていただいている SC 7
(ソフトウェア工学)と SC 35(ヒューマンインタフ
ェース)は,どちらもソフトウェアを主に扱っている.
SC 7 は,ソフトウェアを作り上げるための方法論や
手法とともに,ソフトウェアの開発,保守,利用にと
もなうさまざまな事柄の標準化を行っている.SC 35
は,情報機器・システムを人間が使用する際のインタ
フェースの標準化を行っている.SC 7 で開発してい
るのは,ソフトウェア開発のために必要な規格が主体
であり,どちらかというとソフトウェアを開発する企
業にとって有用なものが多いが,ソフトウェアの購入
者や利用者にとって役立つ規格も含まれている.一方,
SC 35 で開発している規格の多くは,情報機器の利用
者にとって有益なものである.
数年前までの標準化は,どちらかというと製品を製
造する企業が利用するものがほとんどを占めていた
が,ここ数年でアクセシビリティ関連規格などをはじ
めとして,企業だけでなく利用者にとって有用なもの
が増えてきている.これらの規格の利用者はやはり企
業であろうが,製造側からの視点ばかりではなく,利
用者側の視点が重視されてきていることはまさに健
全な方向に向かっていると考えている.これら利用者
の視点を重視する標準化活動を考えると,利用者の意
見をどのように吸い上げるのかが大きな課題であろう.
規格及びその策定作業の評価について
渡辺 裕(早稲田大学)
JTC 1/SC 29の議長を担当してから6年が経ちます.
この間,SC 29/WG 1(JPEG)と WG 11(MPEG)は非常
に活発に活動してきました.作成された規格の数も多
く,一応皆さんから高い評価を得ているように思いま
す.ところで,どうやってその評価がなされたのでし
ょうか?最近,数人の方に,気になっていた「使われ
る規格」について尋ねてみました.そこでわかったこ
とは,広く使われる規格はどのようなものかを知るこ
とはそう簡単ではなく,従って,活動の活発さの評価
も容易ではなさそうだということです.
JTC 1 の総会で SC 議長は過去 1 年に作成された規
格の数や内容を報告します.その数が多いと,活発だ
という印象を与えます.しかし,簡単な拡張でページ
数の少ない Amendment などが数多くあっても,本当に
幅広く使われるとは限りません.一方で,昔作った
JPEG や MPEG-2 ビデオ/オーディオは社会基盤に近い
位置にあると思います.では,ISO での売り上げが多
い規格が広く使われていると言えるのかというと,そ
うでもなさそうです.大企業はすべての規格を購入し
ます.従って,大企業による売上げは固定値に近いそ
うです.ということは,多くのベンチャー企業が特定
の規格をピンポイントで購入した場合に売上げが高
くなります.売上げの高さはベンチャー企業の規格購
入の程度を示すようです.
ISO9000や 14000シリーズは最も広く使われている
規格かも知れません.しかし,数が少なくても非常に
重要な規格もあります.例えば,原子力関連技術は,
直接に大量の人間の生死に関わることから,そのよう
な例の一つでしょう.重要度は市場規模では測れませ
ん.社会にとってどれだけインパクトを与えるかの評
価は,ISO 内部からではなく,外部機関による判断に
まかせるしかなさそうです.
最後に,長く標準化作業に携わっていると,標準化
活動のための規格を作り出しがちになると思います.
できるかぎり,本当に必要な規格だけを作ることに集
中できればよいのにと思いますが,没頭してしまって
いるとそれが見えなくなりがちです.自戒を込めて,
必要性のチェックを忘れないようにしたいと思います.
最近感じること
大蒔 和仁((独) 産業技術総合研究所)
私は情報規格調査会に積極的に関わり始めて二年
が経つ.その間,感じていることがあるので三点記し
てみたい.
(1) 誰のための活動なのか:
当調査会は賛助会員企業からの資金により運営し
ている.つまり,主人公は賛助会員である.従って賛
助会員の利益につながらない標準化項目に対して必
ずしも積極的に反応する必要はない.また会員企業の
マネージメントのトップが必ずしも当会の活動に積
極的でない場合,すなわち規格化の活動に社員が従事
することに必ずしも積極的でない場合,すべての国際
の活動に反応する必要はないし,そのためにこうむる
利益も不利益も各企業が自己の責任で負うのでよい
のではないだろうか.もし国策として必要と考えるの
であれば,企業からの資金ではなく,国費を投入して
維持すべきではないか.この当たりがクリアになって
いない気が若干する.
(2) デファクト標準との関係をどのように考えるか:
W3C や Unicode コンソーシアムなど,いわゆるデフ
ァクトスタンダードと JTC 1 との関係について,それ
ぞれの団体のそれぞれの役割があるとは思う.しかし
ながら貴重な人材を多重投資していることになって
はいないだろうか.また情報処理学会の傘下にある,
という位置づけであるならば,もっとデファクト標準
の団体に積極的に関わるべきと感じる.なぜなら,情
報処理学会の会員であって情報規格調査会に必ずし
も関与していない(興味を示していない)会員でも,
デファクト標準と積極的に関わっている方がいるよ
うに感じる.やむをえない面もあるが,切った張った
のビューロクラシーの世界とスピード命との違いか
もしれないが,今の時代,もう少し中間的な立場が情
報規格調査会にあっても良さそうにも思う.もちろん
作業項目にもよる.
(3) 他国でのナショナルボディの意見のとりまとめ
はどのように行っているのか:
日本の情報規格調査会の活動に対応するものとし
て,外国ではどのような体制を敷き,どのような会議
が存在して,どのような手順でナショナルボディの意
見をとりまとめて投票に臨んでいるのであろうか.率
直な感想では情報規格調査会は少し会議が多い気が
する.もちろんメール審議や Web を多用した情報交換
によりかなりスピーディーになっているとは思うが,
それでもやはり外国はどうなっているのか調査して
みたい気がする.
以上,すこしナイーブに意見を記してみた.
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<第 20 回規格総会の報告>
第 20 回規格総会が 2005 年 7 月 22 日に開催されま
した.2003 年度の決算,2004 年度の予算,2003 年度
の活動報告,2004 年度の重点活動項目,情報規格調
査会の 6号委員の改選,および情報規格調査会規程の
一部改定が承認されました.配布資料や議事録は近日
中にホームページに掲載しますが,ここでは紙面の都
合もありますので情報規格調査会規程の一部改定,お
よび基金の設定に絞ってご報告いたします.
1. 規程の一部改定(括弧内は改定前の関連条文番号)
(1) これまでは年度途中での新役員の就任に関して
は臨時規格総会を開催して審議してきました.これを
書面による投票で審議できるようにしました.(第 5
条(3))
(2) 役員会の定足数についての規定を追加しました.
(第 15 条)
(3) 技術委員会の構成員に規格会長と規格副会長を
追加しました.(第 16 条)
(4) 「技術委員会/幹事会」はすでに解散し,今後も
復活の予定は無いので関連規定を削除しました.(第
18 条)
(5) 委員の定義に列記されている委員会の範囲およ
び投票権を有する委員会の範囲について洩れていた
委員会がありましたので修正しました.(第 30,31 条)
(6) 中立委員の範囲に関して,個人を含まないよう変
更しました.(第 32 条)
2. 基金の設定
2000 年に情報処理学会の主務官庁である文部科学
省から剰余金に関するガイドがあり,以降これに対応
するため学会として真剣に取り組んで参りました.情
報規格調査会としては 2003 年度に国際会議開催のた
めの基金(5千万円)を設定しましたが,まだ文部科
学省のガイドを満たすまでには至りませんでした.そ
こで 2005 年度は更に,3 年から 4 年周期で必要とな
るサーバ更新のための基金(4千万円)と,予定外の
国際会議への派遣のための基金(2千万円)を設ける
ことにしました.学会本部も別途対策を講じており,
この結果文部科学省のガイドをほぼ満たすことがで
きる見通しです.
<2005 年度 標準化功績賞および貢献賞の表彰>
標準化功績賞は,長年にわたり情報規格調査会委員および所属委員会委員として,多大な功績があった方々
の中から選ばれます.また,標準化貢献賞は,最近の数年間において,所属委員会委員として,顕著な貢献の
あった方々の中から選ばれます.
なお,本学会情報規格調査会規程により,2005 年度は 2005 年 7 月 22 日に開催された第 20 回規格総会で,受
賞者に表彰状および副賞として賞牌または賞金が授与されました.
標準化功績賞
芝野 耕司 氏(東京外国語大学)
芝野耕司氏は 1985 年から現在までの長きにわたり当会に参加し,
ISO/IEC JTC 1/SC 2 議長を 2 期,SC 2 専門委員会委員長および JIS 化の
委員長を歴任し国内外の文字コードの標準化に大きな功績を残されまし
た.さらに SC 32 専門委員会委員長および ISO/IEC JTC 1/SC 32/WG 4 コ
ンビーナとして国内外の意見を集約し技術標準の確立に貢献されてきま
した.
山本 喜一 氏(慶應義塾大学)
山本喜一氏は 1984 年から現在までの長きにわたり当会に参加し,SC 7
専門委員会ならびにSC 35専門委員会委員長等を歴任され委員会の牽引と
国際対応に多大な功績がありました.ソフトウエア技術の分野では産業界
が必要とする中核となる技術をバランス良く配した技術標準セットの実
現に,またユーザインタフェースの分野では ISO/IEC JTC 1/SC 35/WG 2
コンビーナとして国内外の意見を集約し技術標準の確立に邁進されてき
ました.
渡辺 裕 氏(早稲田大学)
渡辺裕氏は 1988 年から現在までの長きにわたりマルチメディア符号化
技術の標準化に多大な貢献をされてきました.この間 1988 年から 1991
年の ISO/IEC JTC 1/SC 2/WG 8 の MPEG-1 規格の草案開発およびに 1991
年から 1993 年の SC 29/WG 11 MPEG-2 の標準化に参画されるなど活躍され
ました.1999 年からは ISO/IEC JTC 1/SC 29 議長として MPEG JPEG2000
等の標準化においてリーダシップを発揮されています.
標準化貢献賞
小倉 由紀子 氏((社)情報処理学会)
小倉由紀子氏は 2000 年から ISO/IEC JTC 1/SC 29
のセクレタリとして非常に多くのプロジェクトが併
行して開発される状況において精微な管理と効率的
な作業を継続的に実施し,JPEG,MPEG といったマル
チメディア符号化の標準化活動の活性化に貢献され
ました.
木村 敏子 氏((社)情報処理学会)
木村敏子氏は 1993 年から現在にまでの長きにわた
り ISO/IEC JTC 1/SC 2,SC 15 および SC 23 のセクレ
タリを歴任され,符号化文字集合 媒体の論理フォー
マットおよび DVD や MO などの光ディスクに関する国
際規格の取りまとめに貢献されました.更に幹事国運
営に関する業務の電子化を推進されました.
頃末 和義 氏(マイクロソフト プロダクト
ディベロップメント リミテッド)
頃末和義氏は,SC 22 専門委員会委員として活発に
活動されてきました.特に C#言語および CLI 規格に
関して日本の意見が規格案に反映されるようさまざ
まな形で貢献されました.2002 年からの C#と CLI の
原案作成にあたっては委員会幹事として翻訳された
文書の品質向上などに中心的な役割を果たされまし
た.作業用ウェブの管理,版下作成作業の効率化など
技術力を利用した作業効率化によって大部かつ複雑
な内容の規格を短期間に完成させた仕事は称賛に値
します.
千田 昇一 氏(NTT アドバンステクノロジ(株))
千田昇一氏は,1999 年から 2004 年までの長きにわ
たり SC 2 専門委員会幹事 ISO 2375 登録委員会幹事と
して日本の立場を堅持しつつ各国の利害調整に尽力
されISO/IEC 10646国際符号化文字集合の標準化活動
に貢献されました.また2001年9月よりISO/IEC 2375
Joint Advisory Group Advisor として国際の場でも
活躍されてきました.
田渕 治樹 氏((独)情報処理推進機構)
田渕治樹氏は,1991 年から現在までの長きにわた
り SC 27 専門委員会委員ならびに SC 27/WG 3 小委員
会主査として委員会の取りまとめに貢献されてきま
した.また ISO/IEC 15408 セキュリティ評価基準等
の標準化活動および関連の広報活動等を通じて,我が
国におけるセキュリティ評価・認証技術の普及に大き
く貢献されてきました.
土田 正士 氏((株)日立製作所)
土田正士氏は,1990 年から現在までの長きにわた
り,データベース言語 SQL の国際規格仕様の開発に多
くの貢献をされました.特に SQL:1999 として制定し
た SQL3 のユーザ定義データ型(UDT)機能の開発での
オブジェクト指向データベースの研究成果を踏まえ
た提案は日本からの大きな貢献といえます.また2000
年からは SC 32 専門委員会の幹事として SC 32 全体の
技術標準化についても取りまとめ役として重要な役
割を果たされました.
野水 泰之 氏((株)リコー)
野水泰之氏は 1993 年から現在までの長きにわたり
SC 29/WG 1 小委員会の委員ならびに幹事として活躍
し JPEG JBIG JPEG2000 などの静止画像符号化の日本
における標準化活動に尽力されるとともにSC 29/WG 1
の国際会議にも数多く参加して日本の代表として国
際の場でも大いに活躍されてきました.
伏見 諭 氏((株)情報数理研究所)
伏見諭氏は1994年から現在までの長きにわたりSC
7/WG 10 小委員会の委員として情報サービス産業の基
盤をなすプロセスアセスメントの分野で同委員会の
中心となり ISO/IEC TR15504 および ISO/IEC 15504 の
審議 日本提案の取りまとめに尽力されました.また
ISO/IEC 15504 パート1のプロジェクトコエディタと
して国際の場でも大いに活躍されました.
山下 博之 氏((独)科学技術振興機構)
山下博之氏は 1988 から 1994 年および 1999 年から
現在に至る 12年間の長きにわたり SC 6専門委員会幹
事ならびに SC 6/WG 1 小委員会主査等として通信シス
テム間プロトコル技術の標準化活動に中心的な役割
を果たしてこられました。特に幹事として 2001 年日
本開催 SC 6 総会の実質的取りまとめを担当された他
国内委員会では電子メールによる審議を導入され委
員会運営の効率化を図るとともに常に議論のリード
役として大いに貢献されてきました.
山田 昭雄 氏(日本電気(株))
山田昭雄氏は 1999 年から SC 29/WG 11/MPEG-7 小委
員会の委員および幹事として MPEG-7 の日本における
標準化活動に尽力されるとともに SC 29/WG 11 の国際
会議にも数多く参加して日本の代表として国際の場
でも大いに活躍されてきました.
山本 和幸 氏(松下電工(株))
山本和幸氏 1989 年から SC 25 専門委員会の委員主
査および委員長を歴任され日本提案のホームバスシ
ステム規格 住宅情報配線規格 ホームゲートウェイ
規格などの標準化において日本の意見を積極的に主
張し日本提案を国際標準に反映させることに尽力さ
れてきました.また 2004 年には専門委員会委員長と
してSC 25千歳会議を成功させるとともに市民との交
流の機会を積極的に企画しJTC 1の国際標準化活動へ
の一般市民の関心を高めることにも大いに貢献され
ました.
<国際規格開発賞の表彰>
国際規格開発賞は,当会に所属する Project Editor または Project Co-Editor の貢献に対して授与されるも
ので,2004 年 7 月に設けられた賞です.受賞者は表彰委員会で審議決定し,受賞対象の規格が発行された後に
授与されます.
2005 年 6 月~7月の受賞者
浜田 満(富士通(株)) ・ ISO/IEC 17346:Data interchange on 90 mm optical disk cartridges -- Capacity: 1,3 Gbytes per cartridge(SC
23,2005-02-01 発行)
上野 孝文(松下電器産業(株)),妹尾 孝憲(東京大学) ・ ISO/IEC 13818-4:2004/Amd.1:Generic coding of moving pictures and associated audio information -- Part 4:
Conformance testing -- AMENDMENT 1: MPEG-2 IPMP conformance testing(SC 29,2005-02-15 発行)
Craig A. Schultz ・ ISO/IEC 14496-1:2001/Amd.3:Coding of audio-visual objects -- Part 1: System -- Ammendment 3 Intellectual
Property Management and Protection (IPMP) extensions(SC 29,2004-05-01 発行)
・ ISO/IEC 14496-13: Coding of audio-visual objects -- Part 13: Intellectual Property Management and Protection
(IPMP) extensions(SC 29,2004-09-15 発行)
妹尾 孝憲(東京大学) ・ ISO/IEC 14496-4/Amd.4: Coding of audio-visual objects -- Part 4: Conformance testing -- AMENDMENT 4: IPMPX
conformance extensions(SC 29,2004-04-15 発行)
・ ISO/IEC 14496-5/Amd.4: Coding of audio-visual objects -- Part 5: Reference software -- AMENDMENT 4: IPMPX
reference software extension(SC 29,2004-08-15 発行)
山田 昭雄(日本電気(株)) ・ ISO/IEC 15938-3:2002/Amd.1: Multimedia content description interface -- Part 3: Visual -- AMENDMENT 1: Visual
extensions(SC 29,2004-08-01 発行),ISO/IEC 15938-3:2002/Amd.1:2004/Cor. 1(SC 29,2005-03-01 発行)
・ ISO/IEC TR 15938-8:2002/Amd.1: Multimedia content description interface -- Part 8: Extraction and use of MPEG-7
descriptions -- AMENDMENT 1: Extensions of extraction and use of MPEG-7 descriptions(SC 29,2004-11-15 発行)
橋田 浩一((独)産業技術総合研究所) ・ ISO/IEC 15938-5:2003/Amd.1: Multimedia content description interface -- Part 5: Multimedia description
schemes -- AMENDMENT 1: Multimedia description schemes extensions(SC 29,004-04-08 発行)
小町 祐史(パナソニックコミュニケーションズ(株)) ・ ISO/IEC TR 9573-11: SGML Support Facilities -- Techniques for using SGML -- Part 11: Application at ISO
Central Secretariat for International Standards and Technical Reports(SC 34,2004-04-08 発行)
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<編 集 後 記 >
編集後記の順番が何故かいつも夏になります.一昨
年の日本の夏は 10 年ぶりの冷夏.昨夏は連続真夏日
を更新した暑い夏.今夏は突然の衆院解散の総選挙で
の暑い夏となりました.閑話休題.
電力・鉄鋼などのプラントは寿命を 100 年と考えて
造ると聞いたことがあります.プラントの誕生から消
滅までの長い期間の保守情報データは膨大なものと
想像されます.コンピュータのなかった時代は紙情報
でデータを蓄積して利用してきたのでしょうが,現在
はコンピュータシステムで情報技術を駆使して管理
しています.コンピュータシステムになれば情報の検
索や加工が容易になり紙とは比べものにならない利
便性がありますが,問題はハードウェア/ソフトウェ
アも時代とともに新技術が現れ,たとえば昔記録した
媒体からは OS の整合性などで読めないなど種々の問
題が発生します.そこでこれらアーキテクチャに頼ら
ない 100 年使えるようなプラントの保守情報システ
ムを創ろうという動きもあると聞いたことがあります.
情報技術関係の進歩は1年が他の分野の7年分に
相当するといってドックイヤーと言われてきました
が,コンピュータの黎明期からいまなお使われている
Fortran/COBOL の息の長さはまさにプラントの寿命
以上です.皆に慣れ親しんだ必要とされるコンピュー
タ言語は特定分野とはいえ人間の言語と同様これか
らもずっと使われるでしょう.(MY 記)
発 行 人
社団法人 情 報 処 理 学 会 情報規格調査会
広報委員会
〒105-0011 東京都港区芝公園 3-5-8 機械振興会館 308-3
Tel: 03-3431-2808 Fax: 03-3431-6493
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