Upload
vonguyet
View
217
Download
1
Embed Size (px)
Citation preview
褥瘡管理褥瘡予防/褥瘡評価/ケアの実際
皮膚科 柴田 彩2010年9月15日
1Copyright(C) 2010 You-Homeclinic Sengoku All Rights Reserved.
皮膚に持続的に圧・伸展が加わり、血流が途絶えることで、皮膚、脂肪、筋肉の組織が死んでしまった(壊死)状態になり、皮膚に傷ができる。
→どんな人に褥瘡はできやすいでしょうか。
3Copyright(C) 2010 You-Homeclinic Sengoku All Rights Reserved.
• 自分で寝返りを打てない人
• 寝たきりの人
• 糖尿病など免疫が弱い人
• 栄養不足の人
4
Copyright(C) 2010 You-Homeclinic Sengoku All Rights Reserved.
褥瘡の深さ
治癒しやすい褥瘡 治癒しにくい褥瘡
dで表記する Dで表記する
6
Copyright(C) 2010 You-Homeclinic Sengoku All Rights Reserved.
d1の褥瘡
圧迫しても消退しない発赤。褥瘡の発生リスクがある部分か
確認してください。9
Copyright(C) 2010 You-Homeclinic Sengoku All Rights Reserved.
反応性充血
• ガラス板で圧迫し退色する発赤
実際には、指で圧迫して確認
10Copyright(C) 2010 You-Homeclinic
Sengoku All Rights Reserved.
褥瘡の色
黒色期:
創の表面に黒い痂皮が形成されている状態。皮膚および皮下の組織が壊死を起こしている。
黄色期:
黒い痂皮が除かれた創表面に黄色の壊死組織,不良肉芽,膿などが現れた状態。多量の滲出液を伴い,また感染の危険がもっとも高まる。
17
Copyright(C) 2010 You-Homeclinic Sengoku All Rights Reserved.
赤色期:
壊死組織や不良肉芽が除かれ,赤い顆粒状の良性肉芽組織が増生してくる状態。
白色期:
赤い肉芽組織が組織欠損を埋めるにつれ創辺縁から表皮形成が始まる。
この上皮は,周りの皮膚より白っぽいのが特徴。
褥瘡の色
18
Copyright(C) 2010 You-Homeclinic Sengoku All Rights Reserved.
• 自力で体位変換ができなくなったら、体圧分散寝具(ベッド)を使いましょう。
• 2時間毎に体位変換が原則。
• 体位変換後には皮膚やシーツにシワが無いか、チェックしましょう。
20Copyright(C) 2010 You-Homeclinic
Sengoku All Rights Reserved.
軟膏の指示がでたら。。
・ペットボトルなどの容器にいれたぬるま湯で創部をあらって、清潔なガーゼで拭く。軟膏を塗布し、ガーゼで覆い(ガーゼつき軟膏でもOK)、テープもしくはフィルムで保護。
・処置は1日1回が基本であるが、状況によって2日に1度のこともある。
22Copyright(C) 2010 You-Homeclinic
Sengoku All Rights Reserved.
各段階における治療目的と外用剤の選択
フィブラストスプレープロスタンディン軟膏
アクトシン軟膏
ゲーベンクリームブロメライン軟膏ユーパスタコーワカデックス軟膏
黒色期 黄色期 赤色期 白色期
デブリードマン 壊死組織融解 肉芽促進 上皮化促進
23Copyright(C) 2010 You-Homeclinic
Sengoku All Rights Reserved.
ゲーベン®クリーム(スルファジアジン銀クリーム)
・抗菌作用がある。
・創をウェットな環境にする。
・壊死組織(特に乾いて固い壊死組織)を溶かす場合に有用。
24Copyright(C) 2010 You-Homeclinic
Sengoku All Rights Reserved.
ブロメライン®軟膏
パイナップルより抽出された酵素製剤
・壊死組織を溶かす作用が強い。
・刺激が強く、かぶれやすい。
25Copyright(C) 2010 You-Homeclinic
Sengoku All Rights Reserved.
ユーパスタ®
(白糖・ポビドンヨード配合製剤)
ポビドンヨードのよる殺菌作用、白糖による肉芽形成作用がある。
創を乾燥させる。
26
Copyright(C) 2010 You-Homeclinic Sengoku All Rights Reserved.
カデックス®
(カデキソマー)
ポリマービーズよりなり、浸出液吸収に長けている
殺菌作用を有する
27
Copyright(C) 2010 You-Homeclinic Sengoku All Rights Reserved.
アクトシン®軟膏(ブクラデシンナトリウム軟膏)
創収縮作用、表皮形成作用が比較的強い
28
Copyright(C) 2010 You-Homeclinic Sengoku All Rights Reserved.
プロスタンディン®軟膏(アルプロスタジルアルファデクス軟膏)
皮膚の血流増加肉芽形成促進表皮形成促進
創傷治癒促進
29Copyright(C) 2010 You-Homeclinic Sengoku All Rights Reserved.
フィブラスト®スプレー(トラフェルミン(遺伝子組み換え)製剤)ヒトbFGF製剤 ( 塩基性線維芽細胞成長因子basic fibroblast growth factor)
コラーゲンを産生↑血管新生作用
肉芽形成促進!
31Copyright(C) 2010 You-Homeclinic
Sengoku All Rights Reserved.
フィブラスト®スプレー
潰瘍面から約5cm離して5噴霧
溶解後は2週間以内に使用
30秒まつ
高価である
32Copyright(C) 2010 You-Homeclinic
Sengoku All Rights Reserved.
各段階における治療のまとめ
フィブラストスプレープロスタンディン軟膏
アクトシン軟膏
ゲーベンクリームユーパスタコーワカデックス軟膏
ブロメライン軟膏
黒色期
赤色期〜白色期
感染制御壊死組織除去浸出液の吸収
化学的デブリードマン
肉芽上皮化促進
黄色期
ゲーベンクリーム外科的デブリードマンまでの感染制御
33
Copyright(C) 2010 You-Homeclinic Sengoku All Rights Reserved.
創傷被覆材を使うとき。。。
・ペットボトル入りのぬるま湯で洗浄後、清潔なガーゼでふく。創傷被覆材を貼り、さらにフィルムで保護する。
・フィルムのうえから毎日、観察。
・交換は1週間に1回。
・腫れていたり、浸出液があればはがす。
34Copyright(C) 2010 You-Homeclinic
Sengoku All Rights Reserved.
創面保護を目的としてポリウレタンフィルムを貼る。ワセリン・アズノールを使用することもある。
デュオアクティブETなどの薄いハイドロコロイドを使うこともある。
体位交換、マットレスの変更など環境の改善。観察可能な状態を保つ。
浅い褥瘡(d1、d2)の場合
35Copyright(C) 2010 You-Homeclinic Sengoku All Rights Reserved.
d2(びらん、浅い潰瘍)の治療
ポリウレタンフィルムやハイドロコロイド(デュオアクティブET,CGFなど)を用いる。
便汚染など、フィルムが用いにくい場合は軟膏を使用。
36Copyright(C) 2010 You-Homeclinic
Sengoku All Rights Reserved.
d2(水疱、びらん)の治療
水疱は破らず、創面保護湿潤環境の維持を目的としポリウレタンフィルムを使用。デュオアクティブETといった透明で薄いハイドロコロイドを用いてもよい。創の観察を怠らないように。
37Copyright(C) 2010 You-Homeclinic
Sengoku All Rights Reserved.