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ロボティクス特論
2015年度前期
第4回
テーマ 内容・方法等
第4回ロボットの運動学(1) 動座標系上での位置,速度の定式化,座標変換について学ぶ.
ロボットの運動学(1) 動座標系上での位置,速度の定式化,座標変換について学ぶ.
第5回ロボットの運動学(2) ワークスペース,特異姿勢,操作性,操作力について学ぶ.
ロボットの運動学(2) ワークスペース,特異姿勢,操作性,操作力について学ぶ.
第6回ロボットの動力学(1) Newton
の運動方程式,質点系の力学,剛体の力学について学ぶ.
ロボットの動力学(1) Newton の運動方程式,質点系の力学,剛体の力学について学ぶ.
第7回ロボットの動力学(2) Newton-
Eluer の方程式,Lagrange 方程式,剛体系の力学について学ぶ.
ロボットの動力学(2) Newton-Eluerの方程式,Lagrange 方程式,剛体系の力学について学ぶ.
第8回ロボットシステムの運動制御(1) 古典制御,状態空間表現,安定性について学ぶ.
ロボットシステムの運動制御(1) 古典制御,状態空間表現,安定性について学ぶ.
第9回ロボットシステムの運動制御(2) Lyapunov 制御,非線形制御,力制御について学ぶ.
ロボットシステムの運動制御(2) Lyapunov制御,非線形制御,力制御について学ぶ.
第10回
様々なロボットの運動制御 適応制御,機械学習,生物規範型制御など,様々な運動制御則について学ぶ.
様々なロボットの運動制御 適応制御,機械学習,生物規範型制御など,様々な運動制御則について学ぶ.
ロボットの関節・自由度
回転関節Revolute joint
直動関節Prismatic joint
第1リンク
物体の自由度
物体の動き3次元空間の x, y, z 方向の移動(3自由度)それぞれの軸周りの回転(3自由度)合計:6自由度
関節の自由度
第1リンク
物体(リンク)が N 個の場合
M
i
iCNf1
6
C1
C2
CM
機構系全体の自由度 f
Ci : 拘束された自由度
ロボットの機構
直交座標型ロボット
出典:「新しいロボット工学」昭光堂
ロボットの機構
垂直多関節型ロボット
出典:「新しいロボット工学」昭光堂
ロボットの機構
水平関節型ロボット(SCARA型ロボット)
出典:「新しいロボット工学」昭光堂
ロボットの機構
円筒座標型ロボット
出典:「新しいロボット工学」昭光堂
ロボットの機構
極座標型ロボット
出典:「新しいロボット工学」昭光堂
ロボットの機構
パラレルリンクロボット
© ファナック株式会社
運動学複数の自由度を持つシステムの、各自由度の運動によって、特定の位置座標がどのような運動をするかを定式化する.
例) 6自由度マニピュレータ各関節の回転角度を用いて,指先の三次元座標および三次元回転角度を定式化することが必須である
第1関節
第2関節
第3関節
第4関節
第5関節
第6関節
産業用ロボット「MELFA」垂直多関節型 RV-Fシリーズ (三菱電機)
数学的準備
オイラーの公式
加法定理
sincos je j
sinsincoscoscos
sincoscossinsin
sincoscossin
sinsincoscossincos
)(
j
j
eee jjj
数学的準備(2次元回転変換)
x
y
α
θ
r
(x, y)
(X, Y)jrejyx
)( jrejYX
座標 (x, y) を原点まわりに角度 θ だけ回転して得られる座標を (X, Y) とする
座標 (x, y) を複素平面で次のように書く
同様にして、
sinsinsincos
sincos
)(
yxjyx
jjyx
ere
rejYX
jj
j
cossin
sincos
ysY
yxX
y
x
Y
X
cossin
sincos
従って、
数学的準備(2次元回転変換)
x
y
α
θ
r
(x, y)
(X, Y)
y
x
Y
X
cossin
sincos
2次元の座標変換行列である.特に、2次元回転変換である.
cossin
sincosA
行列 A の性質(1) 直交性
IAAT
cossin
sincos
cossin
sincos
行列 A の性質(2) 正規性
1sincosdet 22 A
行列 A は正規直交行列である TAA 1
座標変換(回転変換)Euler 角を用いた回転変換
座標変換行列
はじめ: ][][ 0302010 aaaa
第1軸( )まわりの回転後:
][][ 0302010 aaaa
01a
第2軸( )まわりの回転後:
][][ 0302010 aaaa
02a
第3軸( )まわりの回転後:
][][ 1312111 aaaa
03a
1つの剛体の運動学
ρ1:Σ1座標系での剛体内の位置座標
x1:剛体内点Pの慣性空間位置座標
慣性座標系
任意点 P
(微小要素)
剛体
動座標系0r
1
1x
0
1
1100
1100010
][
][][][
Era
Earaxa
T
TTT
][][ 011 aEa
座標系から 座標系への変換を とする
0 1
1E
1E 座標変換行列(Euler角でも何でもよい)
回転変換の性質1
慣性座標系
任意点 P
(微小要素)
剛体
動座標系0r
1
1x
0
1
][][ 011 aEa
座標系から 座標系への変換を とする0 1 1E
慣性空間における剛体の位置慣性空間に基準座標系 の単位ベクトルを定義するこれらのベクトルは直交している
0
030201 ,, aaa
ijji aa 00 (クロネッカーのデルタ)
単位ベクトル を用いて 座標系行列を定義する0ia0
33
0302010][ aaaa
同様に剛体上の動座標系 座標系行列を定義する1
33
1312111][ aaaa
IEEEaaEaa TTTT 11100111 ]][[]][[
座標系の直交性から回転変換は正規直交つまり、逆変換は、転置行列
回転変換の性質2
慣性座標系
任意点 P
(微小要素)
剛体
動座標系0r
1
1x
0
1
][][ 011 aEa
座標系から 座標系への変換を とする0 1 1E
変換行列 に関する固有値問題を考える1E
iii xxE 1
これに複素共役な方程式は**
1
*
ii
T
i xEx
(1),(2) を両辺それぞれ掛け合わせて iiiii
T
i xxxEEx **
11
*
(*は複素共役)
01 ** iiii xx
また,回転変換の連続性から 1det 3211 E
(1)
(2)
したがって, e3,21 ,1 固有値 1 に対応した固有ベクトル周りにφの回転を行う変換
計算が好きな人だけ覚えとこう
多体系の運動学
1剛体での座標変換を漸化的に繰り返していくことにより任意点の位置ベクトルが求まる
)1(
)1()1(
)2(
232
)1(
121
)1(2312
n
nnn
nnn
rErErE
rrrr
)1(,
)1(,
1
1 1
)1(
)1()1(
1
1
)1(
)1()1(
)2(
23121
)1(
121
nrE
nrErEErE
n
j
j
k
j
jjkk
n
k
n
nnkk
Body 1
Body 2
Body 3
Body n
多体系の運動学
多体系の指定点(指先)の速度ベクトルは,各物体の位置ベクトルの時間微分の総和として表される.
)1(
)1()1()1(
)2(
2322
)1(
1211
)1(
)1()1(
)2(
232
)1(
121
)1(2312
~~~
n
nnnn
n
nnn
nnn
rErErE
rErErE
rrrrdt
d
Body 1
Body 2
Body 3
Body n
多体系の運動学方程式
多体系の指定点(指先)の位置ベクトル,速度ベクトルを状態変数(関節角度,関節角速度)として表した方程式を「運動学方程式」という.
)1(
)1()1()1(
)2(
2322
)1(
1211
)1(
)1()1(
)2(
232
)1(
121
)1(2312
~~~
n
nnnn
n
nnn
nnn
rErErE
rErErE
rrrrdt
d
位置
速度
)1(
)1()1(
)2(
232
)1(
121
)1(2312
n
nnn
nnn
rErErE
rrrr
逆運動学方程式
多体系の指定点(指先)の位置ベクトル,速度ベクトルが与えられたとき,状態変数(関節角度,関節角速度)を求める計算式を「逆運動学方程式」といい,求める計算を「逆運動学計算」という.
)1(
)1()1()1(
)2(
2322
)1(
1211
)1(
)1()1(
)2(
232
)1(
121
)1(2312
~~~
n
nnnn
n
nnn
nnn
rErErE
rErErE
rrrrdt
d
指先位置
指先速度
関節角速度
関節角度)1(
)1()1(
)2(
232
)1(
121
)1(2312
n
nnn
nnn
rErErE
rrrr
同次変換
位置ベクトルを拡張する
座標変換は、次のように変形される
このような多関節ロボットの運動学も定式化できる
1
~,1
~ i
i
i
i
rr
iii
ii
i HrE
r ~~
1000
~
を同次変換行列と呼ぶiH
同次変換は,運動学方程式として位置ベクトルを定式化するには便利であるが,速度ベクトルの記述の見通しが悪いため,注意が必要
DHパラメータ
関節 m-1 : Σm-1 座標系
関節 m :Σm 座標系
これらの座標系は,次の指針で設定する.1.回転する関節に座標系を設定2.回転軸に沿って k ベクトルを設定3.リンクの長手方向に沿って i ベクトルを設定4. j ベクトルは用いない.
デナビ・ハーテンベルク(Denavit-Hartenberg)パラメータ
直列連鎖型リンク構造のロボットなどにおいて,時々用いられる構造表記方法
「新しいロボット工学」昭晃堂 p.39 より引用
DHパラメータ
【原点 Om-1 から原点 Om への2つの移動】(1) km-1 に沿って dm だけ移動(2) im-1 に沿って hm だけ移動
【2つの回転】(1) im-1 まわりの回転 αm :
ベクトル km-1 がベクトル km になる(2) km まわりの回転 φm :
ベクトル im-1 がベクトル im になる
「新しいロボット工学」昭晃堂 p.39 より引用
DHパラメータは構造表記方法であって,構造を表記する時には便利である運動学方程式を導く場合は逆に計算が煩雑になる
逆運動学方程式
指先の位置ベクトル,速度ベクトルが与えられたとき,状態変数(関節角度,関節角速度)を求める
指先の速度ベクトル
Teeee xxxx 321 ,,
逆運動学計算
TN ,,, 21 Jxe
運動学方程式
exJ Jただし, は J の疑似逆行列
擬似逆行列:ここではユークリッド二乗ノルム最小型擬似逆行列⇒ 最小ニ乗法を習っているはずなのでこれを元に、板書します!
ワークスペース(作業空間)
が任意に動かせるとき、手先の座標(X,Y) がどのような範囲を動くかを考える。
21,
20,20 21
の条件の下で,(X,Y) の取り得る範囲を求める=作業空間(Workspace)
21 ll
21 ll
21
22
21 llYXll
21
220 llYX
のとき
のとき
特異姿勢
TN ,,, 21 Jxe
運動学方程式
逆運動学計算
exJ 1 としたいが、
0det J のとき、計算不能
0sin
sincoscossindet
221
12112121
ll
llJ
,02 特異姿勢という
操作性
マニピュレータの設計や作業空間内での位置や姿勢の決定に関しては,種々の要素の考慮が必要だが,その一つとして、操作性の定式化が可能である.
TN ,,, 21 Jxe 運動学方程式
12
1
T
を満足するような関節速度 を用いて実現できる手先速度の全てからなる集合は楕円体となる(操作性楕円体という)
長軸方向には操作しやすく、短軸方向には操作しにくい
ex
exJ 12
1
2
1
e
TT
e
T xJJx を用いて
操作性楕円体
可操作度の計算
操作性楕円体から導かれる操作性の定量的なスカラ値として
の評価指標としては、可操作度 c (楕円体の体積)を用いる.
])2(531/[22
])2(642/[22/)1(
2/
21
mm
mmc
w
m
m
m
m
m:偶数
m:奇数
操作性楕円体
第1主軸方向
第2主軸方向
操作性(例)
例えば、人間の腕を水平に保ち、肩と肘の2自由度アームをみなした場合の操作性について考える.
21221211
21121211
coscoscos
sinsinsin
lll
lllJヤコビ行列
22
可操作度 221 sindet llJw
この結果から、 の値に関係なく、
のとき可操作度が最大となる最適姿勢であることが解る.
また、 の制約の下では、.21 constll
21 ll のとき可操作度が最大となる腕の構造であることが解る.
211 ,, ll
操作力の評価
操作性と同様に、エンドエフェクタ(手先)が対象物に加えることができる力やモーメントの定式化が可能である.
Jxe 関節トルクと対象物に加える力の関係は より
12
1
T
を満足するような τ を用いて実現できる fの全てからなる集合は楕円体となる(操作力楕円体という)
1fJJf TT操作力楕円体
fJ T
可操作性楕円体の長軸方向には、小さな操作力しか出せず、可操作性楕円体の短軸方向には、大きな操作力が出せる.