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わが国における トランスレーショナルリサーチの 現状と課題について 独立行政法人 医薬品医療機器総合機構 Pharmaceuticals and Medical Devices Agency ( PMDA ) 理事長 近藤 達也 2013823日本医師会学術振興会議(Ⅶ)

わが国における トランスレーショナルリサーチの …わが国における トランスレーショナルリサーチの 現状と課題について 独立行政法人医薬品医療機器総合機構

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Page 1: わが国における トランスレーショナルリサーチの …わが国における トランスレーショナルリサーチの 現状と課題について 独立行政法人医薬品医療機器総合機構

わが国におけるトランスレーショナルリサーチの

現状と課題について

独立行政法人 医薬品医療機器総合機構Pharmaceuticals and Medical Devices Agency ( PMDA )

理事長 近藤 達也

2013年8月23日日本医師会学術振興会議(Ⅶ)

Page 2: わが国における トランスレーショナルリサーチの …わが国における トランスレーショナルリサーチの 現状と課題について 独立行政法人医薬品医療機器総合機構

世界の薬事の審査体制

日本科学的審査:

独立行政法人医薬品医療機器総合機構

PMDA行政的判断:

厚生労働省

米国:FDA

欧州:EMA

日米欧:世界の薬事3極1

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薬事とは

• 医療等に提供される医薬品・医療機器等の品質、有効性、安全性の確保の為の規制や、新薬、医療機器の研究開発を促進の為の必要な措置を講ずることにより保健衛生の向上を図ることにある。ここでは、常に信頼性確認が求められる。

• 医療:Individual Medicine (Health)

• 薬事:Public Medicine (Health)

• 薬事は究極の医療倫理といえる

2

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PMDAの役割・3つの業務~セーフティトライアングル~

安全継続的リスク

の最小化

審査リスクの抑制

救済発生した

被害の救済

国民

3

国民の安全を守る

世界に誇る薬事システム

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4

PMDA改革の戦略と施策

審査の迅速化

・ドラッグラグ

・デバイス・ラグ

安全対策の強化・充実

PMDAの理念(Mission Statement)

レギュラトリーサイエンスの推進

国際連携の強化(Win-Win Relationship)

成長戦略に基づく増員等の組織体制の強化

専門的な人材育成のための研修の充実

アカデミアと連携したレギュラトリーサイエンスの実施審査等改革本部・科学委員会の設置連携大学院の設置(H25.4.1現在、17大学)革新的医薬品等実用化促進事業 (24機関)

産学官連携の推進

薬事戦略相談の開始

基準・ガイドライン作成のための横断的プロジェクトの実施

電子診療情報を用いた安全対策の充実MIHARIプロジェクト医療情報データベース基盤整備事業

リスクマネージャー(RM)システムの導入

リスクマネジメントプラン(RMP)の施行

GLP, GCP, GMP ,QMS査察体制の強化

副作用等救済制度への対応強化

国際戦略の策定

欧米への国際業務調整役の長期派遣

欧米、並びにアジア諸国を含む世界各国との連携強化

(ICH, IMDRF, PIC/S 等)

薬事は究極の医療倫理であり、レギュラトリーサイエンスは

その科学である

PMDAを取り巻く環境(過去5年間)

問題解決のための基本方針

これまでの取組み

Page 6: わが国における トランスレーショナルリサーチの …わが国における トランスレーショナルリサーチの 現状と課題について 独立行政法人医薬品医療機器総合機構

わたしたちは、以下の行動理念のもと、医薬品、医療機器等の審査及び安全対策、並びに健康被害救済の三業務を公正に遂行し、国民の健康・安全の向上に積極的に貢献します。

¶ 国民の命と健康を守るという絶対的な使命感に基づき、医療の進歩を目指して、判断の遅滞なく、高い透明性の下で業務を遂行します。

¶ より有効で、より安全な医薬品・医療機器をより早く医療現場に届けることにより、患者にとっての希望の架け橋となるよう努めます。

¶ 最新の専門知識と叡智をもった人材を育みながら、その力を結集して、有効性、安全性について科学的視点で的確な判断を行います。

¶ 国際調和を推進し、積極的に世界に向かって期待される役割を果たします。

¶ 過去の多くの教訓を生かし、社会に信頼される事業運営を行います。

PMDAの理念(平成20年9月)

5

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科学的に行政を行うことが必要

6

須らく物事は公平に科学的な判断で行うべきであろう

PMDAも国民目線でそのようにあるべきであろう

日本にはレギュラトリーサイエンスという言葉が薬学の世界に存在していた

Page 8: わが国における トランスレーショナルリサーチの …わが国における トランスレーショナルリサーチの 現状と課題について 独立行政法人医薬品医療機器総合機構

評価の科学・コンプライアンスの科学

レギュラトリーサイエンス

レギュラトリーサイエンスとは、科学技術進歩の

所産を「メリット」と「デメリット」の観点から評価・予測する方法を研究し、社会生活との調和の上で、最も望ましい形に調整(Regulate)すること。また、そこでのコンプライアンスが必要であると。

1987年 内山充博士により提唱された(当時、 国立衛生研究所 副所長)

7

現在の 国立医薬品食品衛生研究所

Page 9: わが国における トランスレーショナルリサーチの …わが国における トランスレーショナルリサーチの 現状と課題について 独立行政法人医薬品医療機器総合機構

レギュラトリーサイエンスの3つの柱

8

2010年10月 PMDAからの提唱2013年5月改変

評価方法の改善

(品質・有効性・安全性)

RS Microscopic

多要素間のバランス

リスク・ベネフィットコスト・ベネフィット 等

RS Macroscopic

トランスレーショナルリサーチへの対応

法令作成

RS Engineering

社会・人類のための倫理的な科学

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11

新医薬品・医療機器の承認件数と審査期間

(月) (月)(件数) (件数)

77 107 112 130 134

15.4

11.9

9.2

6.5 6.1

22.0

19.2

14.7

11.510.3

0

20

40

60

80

100

120

140

0

5

10

15

20

25

20年度 21年度 22年度 23年度 24年度

承認件数 優先審査品目 通常審査品目

16 36 18 33 46

28.8

13.9 15.1

4.3

9.3 14.4

11.0

16.5

9.7 12.7

0

10

20

30

40

50

0

5

10

15

20

25

30

20年度 21年度 22年度 23年度 24年度

承認件数 優先審査品目 通常審査品目

新医薬品 新医療機器

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Page 12: わが国における トランスレーショナルリサーチの …わが国における トランスレーショナルリサーチの 現状と課題について 独立行政法人医薬品医療機器総合機構

日本の創薬・医療機器能力

創薬能力創薬の歴史が深い

品質管理の歴史も深い

シーズが多い

今後は医療の現場からのバイオマーカーの発見が期待できる

創医療機器能力物造りの伝統

製造業の歴史が深い

これからの軸足に

医療機器産業が産学官で推進されている

ノーベル賞の受賞の多さ13

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医薬品の創出

出典「製薬協ガイド2010」

開発した起源国籍別分類(世界の売上高上位100位)

12

日本から創出された医薬品の品目数は世界第3位

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創薬・創医療機器に向けて

バイオマーカーの収集検体試料を収集し、データバンクを作成

患者さんに、検体試料の提供意義と将来の発展の可能性を説明の上、合意を得ることが重要

利用法は公的なルールのもとで

合理的医療機器の創意工夫の具現化国産の新規医療機器を開発しよう

安全性の工夫は大事な発明・発見

素材の利用はあくまでも目的次第であり、逆は不可

AROの設置の推進:治験の独立・活性化

13

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創薬・創医療機器をどう支えていくか

研究を担う人材の確保

ニーズとシーズの橋渡し

ガイダンス・ガイドラインの整備

新しい評価手法等の開発・適用

14

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15

疑問点の例

基礎研究から実用化に向けては様々な課題があり、課題解決に向けた審査当局との早期相談が重要である。例えば、品質のデータや毒性データ等を適切に実施していない場合、臨床試験の実施が出来なくなるというケース、また、革新的な医薬品・医療機器で、品質、安全性、有効性の評価方法が確立していない場合、開発者等で検討した評価方法のまま臨床試験等を実施しても、品質、安全性、有効性が十分に確保ができているか否かはっきりしないことから、承認審査が迅速に行えないケース、等々のおそれがある。

実用化

革新的医薬品・医療機器

基礎研究

日本発の創薬・機器シーズ

非臨床試験 臨床試験品質試験

再生医療等に用いる細胞・組織やバイオ医薬品に関する品質・毒性試験法に関する疑問。

初期段階での評価項目の決定や必要な被験者数に疑問。

着実な開発に向けては、このような疑問を放置せず、できるだけ早い段階から

PMDAと相談し、確認しておくことが重要である。

日本発の革新的な医薬品・医療機器の創出に向け、有望なシーズを持つ大学・研究機関、ベンチャー企業を主な対象として、開発初期から必要な試験・治験に関する指導・助言を実施するものとして、H23年7月1日より開始

薬事戦略相談

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対面助言(手数料必要)

主として審査チームと

テクニカルエキスパートが対

応。必要に応じて

当該分野の専門委員が同席

します。

個別面談・事前面談・対面助言

論点整理

科学的議論(記録は1ヶ月目処に確定)

事前面談(手数料不要)

相談内容の整理のため

テクニカルエキスパートが

主として対応。必要に応じて

審査チームも同席します。

個別面談(手数料不要)

事前面談に向けて、薬事戦略相談室のテクニカルエキスパートが、

薬事戦略相談事業の手続きや事業の内容を説明します。

ある程度の数のシーズの希望があれば、日本中どこへでも出張個別面談に伺います。

自分のシーズが薬事戦略相談に馴染むのか確認したい

大学・研究機関ベンチャー企業

16

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対面助言/事前面談/個別面談 総数内訳表※ 2011/7/1―2013/6/30までの実施ベース

個別面談 医薬品関係(再生医療関係を除く)

医療機器関係(再生医療関係を除く)

再生医療関係 計 %

大学 78 86 16 180 38%企業・ベンチャー 50 184 8 242 51%研究機関・その他 20 28 4 52 11%

計 148 298 28 474% 31% 63% 6% 100%

事前面談 医薬品関係(再生医療関係を除く)

医療機器関係(再生医療関係を除く)

再生医療関係 計 %

大学 123 61 41 225 47%企業・ベンチャー 26 75 58 159 33%研究機関・その他 39 16 36 91 19%

計 188 152 135 475% 40% 32% 28% 100%

対面助言 医薬品関係(再生医療関係を除く)

医療機器関係(再生医療関係を除く)

再生医療関係 計 %

大学 38 7 5(8) 50(53) 53%(51%)企業・ベンチャー 3 6 11(15) 20(24) 21%(23%)研究機関・その他 15 3 6(9) 24(27) 26%(26%)

計 56 16 22(32) 94(104)% 60%(54%) 17%(15%) 23%(31%) 100%

注:( )内の数値は、細胞・組織加工製品に係る治験計画の届出を行う前に、当該製品の品質及び安全性に係る十分な確認を行うために必要な範囲で、複数日に渡って相談を行ったものを、個別に計上した場合の延べ件数及び割合。 17

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薬事戦略相談(事前面談)実施件数の内訳(2011/7/1~2013/6/30)

第8分野, 42

第7分野, 20

第1分野, 20第5分野, 15

第6分野, 17

第4分野, 14第3分野, 14

第2分野, 9 その他1

医療機器の分野別内訳(152件) 医薬品の分野別内訳(188件)

医薬品188(40%)

医療機器152(32%)

再生医療

製品135 (28%)

抗悪分野, 63

第2分野, 36第3-1, 23

第6-1, 16

第1分野, 9

第6-2, 8

ワクチン

(旧・生物製剤), 8

第4分野, 7

血液分野, 4 遺伝子, 3

その他, 3 第5分野, 2

第3-2, 2

放射性, 2

バイオ品質, 1

体内診, 1

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相談申込者被験物の名称及び識別記号

予定される性能、使用目的、効能又は効果

(独)国立精神・神経医療研究センター神経研究所遺伝子疾患研究部武田伸一

未定モルフォリノ核酸

デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)疾患の治療

東北大学大学院医学系研究科附属創生応用医学研究センター宮田敏男

PAI-1阻害薬(TM5509) 臍帯血移植時における造血障害改善

国立大学法人京都大学iPS細胞研究所山中伸弥

iPS細胞

様々な移植適合型提供者より「再生医療用iPS細胞バンク」を構築し、品質の保証されたiPS細胞及びiPS細胞から作成した移植用細胞を準備しておくことによって樹立に要する時間短縮・コスト削減の課題を解決し、より多くの難治性疾患に対する再生医療を可能とすることを目的とする。

北海道公立大学法人札幌医科大学本望修

自家骨髄間葉系幹細胞

脳梗塞に伴う神経症候、日常生活動作障害、機能障害の改善

CYBERDYNE(株)

ロボットスーツHAL医療用(仮称)

および、その機能の一部を用いた運動訓練装置

患者に装着させて運動を行う機器であり、使用目的や効能又は効果が異なる複数のモデルを予定。

20

薬事戦略相談対面助言の実施例

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今後の医療分野のイノベーションの推進も踏まえ、レギュラトリーサイエンスの積極的推進とともに、アカデミアや医療現場との連携・コミュニケーションを強化し、先端科学技術応用製品へのより適確な対応を図るため、科学員会を設置し、審査・相談から市販後安全性対策までを見据えた業務の質の向上を目指す

科学委員会の創設– 外部専門家からなる科学委員会を創設(平成24年5月)

– アカデミアや医療現場との連携・コミュニケーションを強化

– 薬事戦略相談を含め先端科学技術応用製品への的確な対応を図る

– 医薬品、バイオ製品、医療機器、細胞組織加工製品の専門部会を設置

審査等改革本部の設置– PMDA内に審査等改革本部を設置(平成24年4月)

– 審査・相談から市販後安全対策まで見据えた審査等体制の充実強化

20

平成24年6月18日 第1回科学委員会

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委員として参画(基礎研究から実用化・市販後までに渡る分野)

大学等アカデミア

PMDA薬事戦略相談

基礎研究

日本発の創薬・機器シーズ

非臨床試験

治験品質試験

実用化

革新的医薬品・医療機器

医薬品・医療機器 審査部 安全部

治験相談 承認審査

承認申請

審査等改革本部橋渡し

承認

人材

交流

先端科学技術応用製品に係る評価方法について、基礎技術の段階から、開発支援、承認審査、市販後安全対策の各段階まで、アカデミアと審査員等との意見交換を通じて、評価方法等について、模索していく枠組みとしてH24.5.より設置。

科学委員会の設置

市販後

市販後安全対策

21

科学委員会の概要

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科学委員会・審査等改革本部のイメージ

科学委員会

・科学委員会委員は、医歯薬工などの外部専門家で構成。委員名簿は専門部会委員も含め公開。会議は親委員会、専門部会とも個別事例を基に議論することがありうるため非公開を予定。

・個別品目の承認審査には関わらない。公正性の確保

親委員会

先端科学技術応用製品に対する対応方針の提言ガイドライン、ガイダンス等の作成に関する提言PMDAとして取り組むべきレギュラトリーサイエンス研究(RS研究)等の提言アカデミアとPMDAとの人材交流の具体的な実施方法の提言専門委員選定方法の提言その他、審査等業務の科学的な面における向上方策の提言審査全体に係る審査部との討議

専門部会

専門部会は分野毎の課題の検討や専門部会委員候補者選定の助言などを行う。専門部会委員は専門委員として、当面RS研究の進め方やガイドライン作成などについてPMDAの担当チーム会合に加わることを予定。今後、専門部会・分野横断的WGも必要に応じて設置予定。審査部との緊密な討議の場

医薬品 医療機器 バイオ製品細胞組織加工製品(再生医療製品)

分野横断的WG

・・・

審査等改革本部

本部長

副本部長(代理を含む)

本部事務局長(代理を含む)

科学委員会と連携して、医薬品・医療機器の審査等業務をより科学的かつ医療実態をも十分踏まえたものにするよう改革し、審査等業務の向上に資する業務を行う。

構成及び具体的業務内容

規格基準部

レギュラトリーサイエンス推進部

審査業務部

審査マネジメント部

各審査部

PMDA 関係部局

各安全部

各調査関係部22

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最先端の科学技術の評価方法等について、国内トップクラスの研究者とPMDA審査員等が意見交換

レギュラトリーサイエンスに基づき、最先端の科学技術

の実用化を主導

アカデミアとの連携

2年毎にローテーション

科学委員会

科学委員会を通じたイノベーション実用化支援

科学委員会を通じたイノベーション実用化支援の充実・強化が必要

大学・研究所医療機関

医薬品、医療機器に関して優れた学識経験を有し、優れた研究業績を有する第一線で活躍する研究者

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科学委員会(専門部会)で議論中の課題

医薬品・バイオ製品専門部会• 個別化医療に関して、当面は臨床評価に活用されるバイオマーカー・エンドポイントの整理(特に、がん、慢性炎症性疾患、希少疾病)

• 抗がん剤の非臨床薬理試験の取り扱い

医療機器専門部会

当面の検討課題

• コンビネーションプロダクトの開発の考え方

• 後発医療機器の範囲の考え方

• レジストリ構築の課題

24

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科学委員会(専門部会)で議論中の課題

細胞組織加工製品専門部会

細胞組織加工製品の品質・安全性確保のあり方に関して、

• 造腫瘍性(*)

• CPC(Cell Processing Center)の要件 等

* iPS細胞等をもとに製造される細胞組織加工製品の造腫瘍性の評価に関する議論の報告書を作成していただいたところ.

**報告書はPMDAホームページ(http://www.pmda.go.jp)に掲載.

25

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レギュラトリーサイエンスに精通した人材の育成

適切な研究開発の促進

最先端の技術を研究している大学等におけるレギュラトリーサイエンスを基盤とした安全性と有効性の評価法の確立を支援。

大学等と、国立医薬品食品衛生研究所(NIHS)、医薬品医療機器総合機構(PMDA)等との間で人材交流を行い、レギュラトリーサイエンスに精通した人材を育成。

研究等の成果

人材交流による人材育成の推進

審査員の出向(派遣)

研究者の受入 大学等研究機関 医療機関等

医薬品医療機器総合機構

国立医薬品食品衛生研究所

基準、ガイドライン等の早期作成

革新的な技術の実用化促進(ドラッグラグ、デバイスラグの解消)

革新的医薬品・医療機器・再生医療製品実用化促進事業(平成24年度 厚生労働省予算事業)

革新的技術の習得

審査等の迅速化・質の向上

26

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革新的医薬品・医療機器・再生医療製品実用化促進事業(研究機関)

再生医療製品分野

国立がん研究センター中央病院

北海道大学大学院薬学研究院

東北大学大学院薬学研究科

東京大学医学部附属病院

名古屋市立大学大学院薬学研究科

大阪大学大学院薬学研究科

国立成育医療研究センター病院

京都大学大学院医学研究科

筑波大学医学医療系

東京大学大学院工学系研究科

国立循環器病研究センター

国立がん研究センター東病院

九州大学大学院医学研究院

東北大学大学院医工学研究科

早稲田大学先端生命医科学センター

大阪大学大学院医学系研究科

京都大学iPS細胞研究所

先端医療振興財団 国立成育医療研究センター

千葉大学大学院医学研究院

北海道大学大学院医学研究科

医療機器分野

医薬品分野計24研究機関(平成25年5月現在)

独立行政法人理化学研究所

東京大学医科学研究所

三重大学医学部附属病院

平成25年度新規採択

平成24年度は、21研究機関と人材交流を行い、18名の研究者を特任職員(非常勤を含む。)として受け入れ、30名(注)の職員を派遣(非常勤を含む。)した。平成25年度は新たに3機関が追加された。

(注)講師としての派遣を除く。

27

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主要国の医薬規制当局トップが参加し、年1回開催。PMDAも継続的に参加。

日本を含め、FDA(米)、EMA(欧)、TGA(豪)、SFDA(中)、MHRA(英)、HSA(星)等、主要国規制当局が参加。

トップレベルでの信頼関係の構築

Confidential Agreement 協定の締結

国際業務調整役を欧州(2009.11)、米国(2010.2)へそれぞれ長期派遣

ヘルスカナダ、スイスメディックとも人材交流に向けて調整中

密な情報交換を実現

薬事サミットSummit of Heads Medicines Regulatory Agencies

国際連携の強化:世界のPMDAへ

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医薬品・医療機器の審査等について、各極の規制当局担当者等と議論して国際調和を推進

1. 医薬品 ICH (日米EU医薬品規制調和国際会議)

IGDRP (国際後発薬規制当局パイロット)

2. 医療機器 IMDRF (International Medical Device Regulators Forum) HBD (Harmonization By Doing)

3. 医薬品/医療機器 APEC LSIF RHSC

(アジア太平洋経済協力,生命科学イノベーション・フォーラム,規制調和運営委員会)

ハーモナイゼーションの推進

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対アジア戦略 トレーニングセミナー

主にアジア地域の規制当局を対象とし、一週間の予定でPMDAにてトレーニングを実施

研修生受け入れ先方からの要望に応じて、一週間から2ヶ月程度の研修を実施

合同シンポジウム開催他国の規制当局と合同でシンポジウムを開催(2012年度インドネシア、2013年度はインドネシアとタイ及び台湾を予定)、あわせて2カ国間会合を実施。

APEC LSIF RHSC

これらの活動を通じて、PMDAの理解促進を図り、審査や安全対策のPMDA方式のアジアへの導入、審査結果の利用等を進め、PMDAがアジアをリード

30

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-司令塔機能(日本版NIH)の創設一元的な研究管理、研究から臨床への橋渡し、国際水準の室の

高い臨床研究・治験が確実に実施される仕組みの構築等を行う

-PMDAの体制を質・量の両面で強化市販後の製品の品質確保や安全対策にも留意しつつ、更なる審査の迅速化 と質の向上を図る

<目指す社会像>必要な世界最先端の医療等が受けられる社会

革新的な医薬品・医療機器・再生医療等製品を世界に先駆けて開発し、迅速な

審査を経て導入すること等により、健康長寿産業の育成を目指す。

日本再興戦略 ーJAPAN is BACKー(平成25年6月14日閣議決定)

国民の「健康寿命」の延伸

そのための施策

31

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健康・医療戦略(平成25年6月14日内閣官房長官・厚生労働大臣・関係大臣申合せ)

健康長寿社会の実現

経済成長への寄与

世界への貢献

基本理念(3つの理念)

-研究開発推進体制の整備~オールジャパンで支援体制を整備~

日本版NIHの創設

創薬支援ネットワークと緊密に連携するPMDA相談事業の整備・強化

-PMDAの強化 薬事戦略相談事業の拡充・強化~開発に見通しを与え、迅速な実用化へ~

PMDA自らが臨床データ等を活用した解析や研究を推進 等

そのための戦略

※日本再興戦略よりもさらに踏み込んだ提言や日本再興戦略では取り上げられていない項目が含まれている 32

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PMDAの果たす役割

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【参考】医薬品・医療機器規制当局の審査・安全対策関係人員の国際比較注1)

日本 米国 欧州

PMDA注2)/厚生労働省

636人 [2013.4]

食品医薬品庁(FDA)

約5,400人 [2010]

欧州医薬品庁(EMA)

約750人 [2011]

主なEU加盟規制当局

英国 ドイツ

約900人 約1,050人

注1) 各組織の所掌範囲は異なるので,単純比較には限界がある.

注2) PMDAの全職員数は708人[2013.4]

PMDAは日本再興戦略のもと、健康・医療戦略を受け、薬事法改正などの動向を踏まえつつ、

国民に世界最高水準の医療を提供するとともに国際的なプレゼンスも高める必要がある

安全対策のさらなる充実を図りながら、

世界最新・最速の審査体制を確保することにより

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世界一の審査機関を目指して~医療イノベーションの推進に貢献するために~

国際化対応

開発初期から承認までの期間短縮審査ラグ「0」の実現開発ラグ解消の支援

審査・相談等の高度化

審査の更なる迅速化(承認の予見性も向上)

レギュラトリーサイエンス研究・人材育成の強化

先進的な解析・評価手法による次世代審査・相談体制の構築

PMDA自らが蓄積された膨大な試験データ等を横断的に先進的手法により分析・解析

科学委員会の活用(アカデミアとの連携)

個別化医療・再生医療などの最先端技術に適切に対応

大前提:欧米並の体制と優秀な人材の確保

安全対策強化

主要課題

対応策

ゴール

産業の活性化

国民の健康寿命延伸

世界の医療にも貢献

医療情報データベース

の利活用

相談業務の大幅拡充

薬事戦略相談の拡充

治験相談の拡充等

開発初期段階からの積極的関与

事前評価の拡充(承認審査の実質的前倒し)

海外査察体制の充実

リスク管理計画導入

への対応

●日本発の革新的医薬品・医療機器の創出

●再生医療製品の実用化

日本再興戦略や健康・医療戦略等の社会的要請に対応 34

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世界のPMDAへ

安全

審査

健康被害救済

日本国民

世界に先駆けて革新的な製品を迅速に承認!

市販後の対策も強化

発生した被害は

迅速に救済

必要な最先端医療が受けられる社会

日本国民の「健康寿命」の延伸

日本初の技術を世界中へ

世界中の審査機関と連携

世界の医療にも貢献

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国民The People

産Industry

官RegulatoryAuthorities

学Academia

産官学・国民の義務と責任ある連携

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医 療クール・ジャパン

日本の創薬日本の創医療機器

日本の審査体制

国民皆保険制度

日本の医療体制

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