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国営かんがい排水事業 「相坂川左岸地区」 基 礎 資 料(案) 【稲生川頭首工】 【六戸調整池】 【地域用水】 平成28年6月 東北農政局

国営かんがい排水事業 「相坂川左岸地区」 基礎資料(案)...国営かんがい排水事業 「相坂川左岸地区」 おうさかがわ さ がん 基礎資料(案)

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国営かんがい排水事業

「相坂川左岸地区」お う さ か が わ さ が ん

基 礎 資 料(案)

【稲生川頭首工】 【六戸調整池】 【地域用水】

平成28年6月

東北農政局

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~ 目 次 ~

Ⅰ 事業概要

1.事業の背景と目的 ・・・ 1

2.事業の概要 ・・・ 5

3.概要図 ・・・ 6

4.事業の経緯 ・・・10

Ⅱ 評価結果

1.社会経済情勢の変化 ・・・11

2.事業により整備された施設の管理状況 ・・・35

3.費用対効果分析の算定基礎となった ・・・44

要因の変化

4.事業効果の発現状況 ・・・51

5.事業実施による環境の変化 ・・・74

6.今後の課題等 ・・・81

7.総合評価 ・・・82

Ⅲ 評価に当たって ・・・84

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Ⅰ 事業概要

1.事業の背景と目的

(1)事業の背景

相坂川左岸地区(以下「本地区」という。)は、青森県の南東部

に位置する十和田市、三沢市、上北郡七戸町、六戸町、東北町及び

おいらせ町の2市4町にまたがり、奥入瀬川(旧相坂川)中下流部、お い ら せ が わ お う さ か か わ

砂土路川及び小川原湖に囲まれた標高15m~90mのほぼ平坦な洪積さ ど ろ お が わ ら こ

台地に展開する農業地帯である。

気候は、年平均降水量が年間約1,300mm程度で年較差が少なく安

定しており、また、年平均気温は10℃前後、かんがい期間の平均気

温は15℃前後と温和であるが5~8月にかけて「やませ」と呼ばれ

る冷湿な偏東風が吹き、水稲などの生育に影響を及ぼしている。

相坂川左岸地区位置図

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本地区の主要な農業用水施設である頭首工及び用水路は、昭和12

年度から昭和41年度にかけて造成されたものであり、年数の経過に

伴い、老朽化が著しく、配水管理及び施設の維持管理に多大な労力

と経費を要していた。

また、水田のかんがい用水に渓流水を利用している区域では自流

量に乏しく恒常的な用水不足が生じていた。

さらに、砂土路川周辺の水田では排水路が未整備であることに加

え、砂土路川の通水断面の不足から恒常的な排水不良となっていた。

(参考文献)相坂川左岸水利事業以前の農業水利開発について

◆ 三本木原開拓嘉永5年(1852年)8月、南部藩士、新渡戸傳(つとう)翁が南部藩家老南部土佐の命を受け、測量技

術者や隧道工事施行者を伴い調査測量を実施したが、藩の財政はどん底の状態であり、財政上から藩営事

業としての採用には至らなかった。しかし、新田開発を志すものが相次ぎ、多くの人から新田開発適地の

見立を依頼され、国益等考慮して策定した開発計画を発表して多くの参画者の募集を図った。それは今ま

での新田開発方式のいずれにも該当しない大規模開発計画であり、現在の株式の形体をなしていた。

三本木原台地の大規模開拓は安政2年(1855年)用水路工事に着手し、途中2ヶ所の穴堰(トンネル)

を掘り抜き、安政6年(1859年)に延長約11kmの水路を完成させたことにはじまる。この用水路は、時の

南部藩主・南部利剛公から「稲生川」と命名された。

◆ 明治・大正明治初期は政府当局の手による「殖産興業政策」として南部地方の農地開発がはじまる。士族授産の形

で大農場、大牧場の開設が行われると共に、やや組織的に耕地の開発が進められ、その中心は上北郡三本

木原の開墾事業であった。

明治17年(1884年)には三本木共立開墾会社が創立され、大規模に開墾、植林、上水、分水の諸事業が

行われ、官有地御料地の払い下げによって、明治38年(1905年)までに開墾された面積は水田606ha、畑5

58haに達していた。

太素塚に立つ新渡戸家の銅像(十次郎・稲造・傳)

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◆ 国営三本木開拓建設事業三本木開拓建設事業は、昭和12年(1937年)帝国議会の議決を得て全国で2番目の国営開墾事業として

着工、昭和20年(1945年)第2次国営開墾事業に引き継がれ、昭和41年(1966年)に完工した。

○ 事業の概要

内 訳

区 分 地区面積 関係市町村

開 田 開 畑 その他

ha ha ha ha 十和田市、三沢市、

開 墾 11,677.39 3,376.98 5,949.00 2,351.41 百石町、上北町、

関連(土改) 545.48 467.98 - 77.50 東北町、下田町、

天間林村、六戸町

計 12,222.87 3,844.96 5,949.00 2,428.91

資料:東北農政局調べ

国営三本木開拓事業当時の状況〈昭和13年〉

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(2)事業の目的

国営相坂川左岸事業(以下「本事業」という。)では、頭首工、

揚水機場及び調整池の新設・改修により水田と畑の用水を確保する

とともに、幹線用水路、支線用水路の新設・改修による農業用水の

確保と用水系統の再編を実施し、用水の安定供給と維持管理の軽減

を図った。

また、排水路の改修を行い周辺水田の排水不良を解消するととも

に、関連事業による末端用排水路の整備や区画整理を実施し、生産

性の向上と農業経営の安定を図った。

さらに、本事業による幹・支線用水路の整備により、地区内農業

用水施設が従来から有していた景観保全機能、防火用水機能及び生

活用水機能等の地域用水機能の増進を図るものである。

三本木幹線用水路と受益地

※ 国営農業用水再編対策事業「地域用水機能増進型」への移行

本事業は、主要用水施設である法量頭首工、稲生川頭首工及び幹線用水路の改修を行い、

併せて、関連事業により末端用排水路の整備や区画整理を行うことによって用水の安定供

給と維持管理の軽減及び生産性の向上と農業経営の安定を図るため、昭和54年度から国営

かんがい排水事業として着手し、整備が進められてきた。事業の着手後、古くから地域住

民により桜並木や花壇等の整備等が行われ、地域住民の憩いの場として生活にも密着して

いたが、都市住民からも地域用水機能の増進を求める声が高まったのを契機に、地域に関

係する自治体、市民団体の代表者及び学識経験者で構成する「稲生川周辺環境整備検討委

員協議会」が発足し、平成8年に基本計画が策定された。平成10年度には基幹水利施設更

新支援対策の一環として「地域用水機能増進事業」が採択され、平成11年1月には事業の

推進組織として「相坂川左岸地区地域用水対策協議会」が設立された。

このような状況を踏まえ、これら地域用水機能を発揮している農業用用水施設の計画的

な更新による維持保全及び地域用水機能増進を図るため、国営農業用水再編対策事業(地

域用水機能増進型)へ移行(第2回変更計画)し、第1回計画変更の基幹的水利施設に加

え、支線用水路39路線の計画を取り込み、本地区内の農業用水施設が従前から有していた

景観保全機能、防火用水機能及び生活用水機能等の地域用水機能の増進を図る整備が行わ

れた。

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2.事業の概要(1)本事業(国営かんがい排水事業)項 目 事後評価時点(平成27年度) 事業計画(平成14年度)

① 地 区 名 相坂川左岸地区 同 左

② 関 係 市 町 村 青森県十和田市、三沢市、上北 青森県十和田市、三沢市、上

郡七戸町、同郡六戸町、同郡東 北郡七戸町、同郡百石町、同

北町、同郡おいらせ町 郡十和田湖町、同郡六戸町、

(2市4町) 同郡上北町、同郡下田町

(2市6町)

③ 事 業 費 41,169百万円 注1) 41,000百万円

④ 事 業 期 間 昭和54年度~平成21年度 注2) 同 左

⑤ 完了公告年月日 平成22年7月8日 -

⑥ 受 益 面 積 田 5,680ha 田 5,725ha

畑 159ha 畑 163ha

計 5,839ha 計 5,888ha

⑦ 受 益 者 数 4,887人 5,297人

⑧ 主 要 工 事 貯水池 1箇所 貯水池 1箇所

頭首工 3箇所 頭首工 3箇所

(うち新設1箇所) (うち新設1箇所)

揚水機場 1箇所 揚水機場 1箇所用水路 101.0km 幹線 65.7km 用水路 103.7km 幹線 65.4km

支線 35.3㎞ 支線 38.3㎞

排水路 9.9㎞ 排水路 9.9㎞

(2)関連事業

<県営・団体営事業>

項 目 事後評価時点(平成27年度) 注3) 事業計画(平成14年度)

①事業名・ ア、県営かんがい排水事業 〔4,233ha〕 4,233ha 同 左 4,233ha

受益面積 イ、基盤整備促進事業 〔28ha〕 375ha 同 左 375ha

ウ、県営ほ場整備事業 〔1,010ha〕 1,128ha 同 左 1,128ha

エ、団体営ほ場整備事業 〔34ha〕 34ha -

オ、県営土地改良総合整備事業 〔845ha〕 845ha 同 左 845ha

カ、県営農村総合整備事業 〔38ha〕 38ha 同 左 38ha

キ、団体営土地改良総合整備事業 〔297ha〕 297ha 同 左 297ha

②進捗率 93% -

注1)事後評価時点の事業費は、相坂川左岸地区の工事完了時点(平成18年度)の決算額の合計額。

注2)施設機能監視期間の3年(平成19年度~平成21年度)を含む。

注3)関連事業の受益面積は、青森県聞き取り。〔 〕は平成27年時点の完了面積。

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3.概要図

(1)本事業の概要図

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(2)関連事業の概要図

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4.事業の経緯

本事業は、昭和54年度に着工し、その後2回の計画変更を経て、

平成21年度に完了している。

〈昭和54年度〉国営相坂川左岸農業水利事業計画受益面積:7,330ha主要工事:揚水機場 2箇所

用水路 56.1㎞排水路 11.8㎞

事業工期:昭和54年度~昭和63年度

〈平成元年度〉国営相坂川左岸農業水利事業計画(第1回変更)

(第1回変更の要因)事業計画を見直しにより、新設する揚水機場を1箇所とし、幹線用水路

のトンネル区間全線及び開水路区間を本事業により改修することとした。受益面積:7,220ha主要工事:揚水機場 1箇所

用水路 71.4㎞排水路 10.0㎞

事業工期:昭和54年度~平成9年度

〈平成14年度〉国営相坂川左岸農業水利事業計画(第2回変更)

(農業用水再編対策事業「地域用水機能増進型」へ移行)

(第2回変更の要因)社会情勢の変化により建設省は平成8年に小川原湖淡水化計画の撤回を表

明し、平成15年3月に小川原湖総合開発事業を中止した。このため相坂川左岸農業水利事業は、小川原湖総合開発事業の中止により

水利用計画及び施設計画の根本的見直しが必要となった。受益面積:5,888ha主要工事:貯水池 1箇所(有効貯水量550千m3)

頭首工 3箇所揚水機場 1箇所用水路 103.7㎞排水路 9.9㎞

事業工期:昭和54年度~平成18年度

事業完了:平成21年度(施設機能監視:平成19年度~平成21年度)

平成18年度(工事完了時) 受益面積5,839ha

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Ⅱ 評価結果

1.社会経済情勢の変化

社会経済情勢の変化については、「(1)人口、産業等の動向」、

「(2)地域農業の動向」、「(3)受益面積の状況」、(4)交通網

の整備状況」、「(5)農業政策への取組」の観点から把握する。

なお、(1)~(5)で用いる統計数値は、十和田市、三沢市、

七戸町、六戸町、東北町、おいらせ町(以下「本地域」という。)

の合計値である。

各市町の耕地面積に占める受益面積の割合は、田については、十

和田市37%、三沢市10%、六戸町34%、東北町19%、おいらせ町53

%、畑については、十和田市1%、七戸町2%、六戸町2%、東北

町1%となっている。

受益面積と耕地面積

項目 受益面積 耕地面積 耕地面積に占

地 (田・畑) (田・畑) める受益面積 備 考

目 (ha) (ha) の割合(%) (合併年月日)

市町名 A B C=A/B

十 和 田 市 田 3,243 8,650 37% H17.1.1(十和田市、十和

畑 52 3,800 1% 田湖町による新設合併)

三 沢 市 田 187 1,910 10%

畑 - 1,830 -

七 戸 町 田 - 3,950 - H17.3.31(七戸町、天

畑 50 3,210 2% 間林村による新設合併)

六 戸 町 田 672 1,990 34%

畑 25 1,460 2%

東 北 町 田 642 3,350 19% H17.3.31(東北町、上

畑 32 5,050 1% 北町による新設合併)

おいらせ町 田 936 1,770 53% H18.3.1(百石町、下田

畑 - 1,590 - 町による新設合併)

地 域 計 田 5,680 21,620 26%

畑 159 16,940 1%資料:受益面積は、東北農政局北奥羽土地改良調査管理事務所調べ(平成27年度)

耕地面積は、農林水産省統計部「耕作及び作付面積統計」(平成26年)注)耕地面積に占める受益面積の割合は、小数第1位で四捨五入し整数で表示

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(1)人口、産業等の動向

本地域の人口について、昭和50年から平成27年の40年間の推移を見ると、

173,353人から172,008人と1%減少、世帯数については、45,358戸か

ら65,656戸と45%増加している。

資料:総務省「国勢調査」

地域の人口の推移 地域の世帯数の推移

地域の人口の推移項目 年(人) S50~H27 S50~H27の

市町名 S50 H27 の増減(人) 増減率(%)

十 和 田 市 63,066 63,454 388 1三 沢 市 37,437 40,223 2,786 7七 戸 町 22,683 15,719 △ 6,964 △ 31六 戸 町 10,100 10,423 323 3東 北 町 22,816 17,969 △ 4,847 △ 21おいらせ町 17,251 24,220 6,969 40地 域 計 173,353 172,008 △ 1,345 △ 1

地域の世帯数の推移項目 年(戸) S50~H27 S50~H27の

市町名 S50 H27 の増減(戸) 増減率(%)

十 和 田 市 17,461 25,509 8,048 46三 沢 市 10,830 16,377 5,547 51七 戸 町 5,405 5,585 180 3六 戸 町 2,306 3,570 1,264 55東 北 町 5,150 5,980 830 16おいらせ町 4,206 8,635 4,429 105地 域 計 45,358 65,656 20,298 45

資料:総務省「国勢調査」

注1)増減率は、少数第1位を四捨五入し整数で表示

注2)増減率における△は、減少を表示

-12-

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本地域の産業別就業人口について、昭和50年から平成22年の35年間の

推移を見ると、第3次産業は35,797人から52,048人と45%増加する一方

で、第1次産業は35,198人から11,681人と67%減少している。第1次産

業の全産業に占める割合についても、昭和50年から平成22年の35年間で

41%から14%と27ポイント減少している。

このことを県全体で見ると、第1次産業は、230,336人から81,042人

と65%減少し全産業に占める割合は、34%から13%と21ポイント減少す

るなど、本地域と同様の傾向を示すものの、本地域における第1次産業

の就業人口の減少割合は、県全体平均を6ポイント上回っている。

地 域 青森県

資料:総務省「国勢調査」

注)分類不能の就業人口は含まない

産業別就業人口の推移

地 域 青森県

資料:総務省「国勢調査」

産業別就業人口割合の推移

-13-

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産業別就業人口の推移

項目 産 業 年(人) S50~H22 S50~H22の

市町名 区 分 S50 H22 の増減(人) 増減率(%)

第1次産業 11,178 3,657 △ 7,521 △ 67

第2次産業 5,891 6,898 1,007 17

第3次産業 14,977 19,463 4,486 30

計 32,046 30,018 △ 2,028 △ 6

第1次産業 3,836 1,496 △ 2,340 △ 61

第2次産業 2,882 4,014 1,132 39

第3次産業 10,505 13,601 3,096 29

計 17,223 19,111 1,888 11

第1次産業 6,191 1,667 △ 4,524 △ 73

第2次産業 1,465 1,926 461 31

第3次産業 3,589 4,601 1,012 28

計 11,245 8,194 △ 3,051 △ 27

第1次産業 3,376 1,150 △ 2,226 △ 66

第2次産業 665 1,348 683 103

第3次産業 1,332 2,647 1,315 99

計 5,373 5,145 △ 228 △ 4

第1次産業 6,941 2,503 △ 4,438 △ 64

第2次産業 692 2,107 1,415 204

第3次産業 2,831 4,728 1,897 67

計 10,464 9,338 △ 1,126 △ 11

第1次産業 3,676 1,208 △ 2,468 △ 67

第2次産業 2,390 3,435 1,045 44

第3次産業 2,563 7,008 4,445 173

計 8,629 11,651 3,022 35

第1次産業 35,198 11,681 △ 23,517 △ 67

第2次産業 13,985 19,728 5,743 41

第3次産業 35,797 52,048 16,251 45

計 84,980 83,457 △ 1,523 △ 2

第1次産業 230,336 81,042 △ 149,294 △ 65

第2次産業 130,812 127,978 △ 2,834 △ 2

第3次産業 325,178 413,318 88,140 27

計 686,326 622,338 △ 63,988 △ 9

資料:総務省「国勢調査」

注1)分類不能の就業人口は含まない

注2)増減率は、少数第1位を四捨五入し整数で表示

注3)増減率における△は、減少を表示

十 和 田 市

三 沢 市

地 域 計

青 森 県

おいらせ町

七 戸 町

六 戸 町

東 北 町

-14-

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産業別就業人口割合の推移

項目 産 業 年(%) S50~H22の

市町名 区 分 S50 H22 増減ポイント

第1次産業 35 12 △ 23

十 和 田 市 第2次産業 18 23 5

第3次産業 47 65 18

第1次産業 22 8 △14

三 沢 市 第2次産業 17 21 4

第3次産業 61 71 10

第1次産業 55 20 △35

七 戸 町 第2次産業 13 24 11

第3次産業 32 56 24

第1次産業 63 22 △ 41

六 戸 町 第2次産業 12 26 14

第3次産業 25 52 27

第1次産業 66 27 △39

東 北 町 第2次産業 7 22 15

第3次産業 27 51 24

第1次産業 42 10 △32

おいらせ町 第2次産業 28 30 2

第3次産業 30 60 30

第1次産業 41 14 △27

地 域 計 第2次産業 17 24 7

第3次産業 42 62 20

第1次産業 34 13 △ 21

青 森 県 第2次産業 19 21 2

第3次産業 47 66 19

資料:総務省「国勢調査」

注1)年(%)は、少数第1位を四捨五入し整数で表示

注2)増減ポイントにおける△は、減少を表示

-15-

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(2)地域農業の動向

本地域の耕地面積の推移を見ると、昭和50年から平成27年の40年間で、

昭和50年代初期の農地開発(本地区受益外)を反映し38,371haから

38,500haとわずかに増加しており、地目別では畑が1,314ha(8%)の

増加を示している。

このことを県全体で見ると、耕地面積は169,300haから154,800haと

9%減少し、地目別面積の割合では、田が53%、畑が47%となり本地域

の方が幾分田の割合が高くなっている。

地 域 青森県

資料:東北農政局統計部「青森農林水産統計年報」

注)ここで使用した統計数値は、「青森農林水産統計年報」を作成する際に四捨五入されており、

内訳と合計値が一致していない部分がある。

地目別耕地面積の推移

地 域 青森県

資料:東北農政局統計部「青森農林水産統計年報」

地目別耕地面積割合の推移

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Page 19: 国営かんがい排水事業 「相坂川左岸地区」 基礎資料(案)...国営かんがい排水事業 「相坂川左岸地区」 おうさかがわ さ がん 基礎資料(案)

地目別耕地面積の推移

項目 年(ha) S50~H27 S50~H27の

市町名 S50 H27 の増減(ha) 増減率(%)

田 8,550 8,650 100 1

十和田市 畑 4,270 3,800 △ 470 △ 11

計 12,820 12,400 △ 420 △ 3

田 2,360 1,910 △ 450 △ 19

三 沢 市 畑 1,870 1,830 △ 40 △ 2

計 4,230 3,740 △ 490 △ 4

田 4,130 3,950 △ 180 △ 4

七 戸 町 畑 2,354 3,210 856 36

計 6,484 7,150 670 10

田 2,160 1,990 △ 170 △ 8

六 戸 町 畑 1,650 1,460 △ 190 △ 12

計 3,810 3,450 △ 390 △ 9

田 3,470 3,350 △ 120 △ 3

東 北 町 畑 4,260 5,050 790 19

計 7,730 8,400 670 9

田 2,075 1,770 △ 305 △ 15

おいらせ町 畑 1,222 1,590 368 30

計 3,300 3,360 60 2

田 22,745 21,620 △ 1,125 △ 5

地 域 計 畑 15,626 16,940 1,314 8

計 38,371 38,500 130 0

田 95,300 82,300 △ 13,000 △ 14

青 森 県 畑 74,000 72,500 △ 1,500 △ 2

計 169,300 154,800 △ 14,500 △ 9

資料:東北農政局統計部「青森農林水産統計年報」注1)増減率は、少数第1位を四捨五入し整数で表示

注2)増減率における△は、減少を表示

地 目

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Page 20: 国営かんがい排水事業 「相坂川左岸地区」 基礎資料(案)...国営かんがい排水事業 「相坂川左岸地区」 おうさかがわ さ がん 基礎資料(案)

地目別耕地面積割合の推移

項目 年(%) S50~H27の

市町名 S50 H27 増減ポイント

田 67 70 3

畑 33 30 △ 3

田 56 51 △ 5

畑 44 49 5

田 64 55 △ 9

畑 36 45 9

田 57 58 1

畑 43 42 △ 1

田 45 40 △ 5

畑 55 60 5

田 63 53 △ 10

畑 37 47 10

田 59 56 △ 3

畑 41 44 3

田 56 53 △ 3

畑 44 47 3

資料:東北農政局統計部「青森農林水産統計年報」

注1)年(%)は、少数第1位を四捨五入し整数で表示

注2)増減ポイントにおける△は、減少を表示

地 目

十 和 田 市

三 沢 市

七 戸 町

六 戸 町

東 北 町

おいらせ町

地 域 計

青 森 県

-18-

Page 21: 国営かんがい排水事業 「相坂川左岸地区」 基礎資料(案)...国営かんがい排水事業 「相坂川左岸地区」 おうさかがわ さ がん 基礎資料(案)

本地域の農家1戸当たりの経営耕地面積の推移を見ると、昭和50年か

ら平成27年の40年間で、1.9haから3.6haとほぼ倍増している。このこと

を県全体で見ると、1.2haから3.1haと2.5倍となり、拡大率は県全体平

均を下回るものの依然として農家の経営規模は県全体平均を上回ってお

り、着実に規模拡大が進められている。

地 域 青森県

資料:農林水産省統計部「農林業センサス」

注)S50は総農家、H12、H22、H27は販売農家の値で、1戸当たりの経営耕地面積は、

総農家又は販売農家の経営耕地面積を総農家数または販売農家数で除した値

農家1戸当たりの経営耕地面積の推移

農家1戸当たりの経営耕地面積の推移

項目 年(ha/戸) S50~H27の S50~H27の

市町名 S50 H27 増減(ha/戸) 増減率(%)

十 和 田 市 1.9 3.3 1.4 72

三 沢 市 2.1 4.2 2.1 100

七 戸 町 1.7 3.8 2.1 119

六 戸 町 1.9 3.2 1.3 68

東 北 町 2.1 4.2 2.1 96

おいらせ町 1.4 3.2 1.8 130

地 域 計 1.9 3.6 1.7 91

青 森 県 1.2 3.1 1.9 158

資料:農林水産省統計部「農林業センサス」

注1)S50は総農家、H27は販売農家の値で、1戸当たりの経営耕地面積は、総農家または

販売農家の経営耕地面積を総農家数または販売農家数で除した値

注2)合併した市町村については旧市町村の経営耕地総面積と総農家数を足した上で再計

算して求めた。

注3)増減率は、小数第1位で四捨五入し整数で表示

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Page 22: 国営かんがい排水事業 「相坂川左岸地区」 基礎資料(案)...国営かんがい排水事業 「相坂川左岸地区」 おうさかがわ さ がん 基礎資料(案)

本地域の農家数については、昭和50年から平成27年の40年間で、

16,911戸から6,218戸と63%減少しているものの、全農家に占める専業

農家の割合は、16%から33%と17ポイント増加している。

このことを県全体で見ると、農家数は109,872戸から34,866戸と68%

減少し、専業農家の割合は11%から38%と27ポイント増加となり、農家

数については本地域と同様の傾向を示し、専業農家の増加割合が高いも

のとなっている。

地 域 青森県

資料:農林水産省統計部「農林業センサス」

注)S50は総農家、H12、H22、H27は販売農家の値

専兼業別農家数の推移

地 域 青森県

資料:農林水産省統計部「農林業センサス」注)S50は総農家、H12、H22、H27は販売農家の値

専兼業別農家割合の推移

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Page 23: 国営かんがい排水事業 「相坂川左岸地区」 基礎資料(案)...国営かんがい排水事業 「相坂川左岸地区」 おうさかがわ さ がん 基礎資料(案)

専兼業別農家数の推移

項目 年(戸) S50~H27 S50~H27の

市町名 S50 H27 の増減(人) 増減率(%)

専 業 641 719 78 12

第1種兼業 2,069 457 △ 1,612 △ 78

第2種兼業 2,648 1,067 △ 1,581 △ 60

計 5,358 2,243 △ 3,115 △ 58

専 業 246 205 △ 41 △ 17

第1種兼業 695 143 △ 552 △ 79

第2種兼業 963 200 △ 763 △ 79

計 1,904 548 △ 1,356 △ 71

専 業 458 299 △ 159 △ 35

第1種兼業 1,265 189 △ 1,076 △ 85

第2種兼業 1,181 471 △ 710 △ 60

計 2,904 959 △ 1,945 △ 67

専 業 376 236 △ 140 △ 37

第1種兼業 708 172 △ 536 △ 76

第2種兼業 481 335 △ 146 △ 30

計 1,565 743 △ 822 △ 53

専 業 706 412 △ 294 △ 42

第1種兼業 1,204 258 △ 946 △ 79

第2種兼業 1,159 498 △ 661 △ 57

計 3,069 1,168 △ 1,901 △ 62

専 業 227 200 △ 27 △ 12

第1種兼業 588 93 △ 495 △ 84

第2種兼業 1,296 264 △ 1,032 △ 80

計 2,111 557 △ 1,554 △ 74

専 業 2,654 2,071 △ 583 △ 22

第1種兼業 6,529 1,312 △ 5,217 △ 80

第2種兼業 7,728 2,835 △ 4,893 △ 63

計 16,911 6,218 △ 10,693 △ 63

専 業 11,997 13,309 1,312 11

第1種兼業 38,204 7,341 △ 30,863 △ 81

第2種兼業 59,671 14,216 △ 45,455 △ 76

計 109,872 34,866 △ 75,006 △ 68

資料:農林水産省統計部「農林業センサス」注1)S50は総農家、H27は販売農家の値

注2)増減率は、少数第1位を四捨五入し整数で表示

注3)増減率における△は、減少を表示

十 和 田 市

三 沢 市

七 戸 町

地 域 計

青 森 県

六 戸 町

東 北 町

おいらせ町

区 分

-21-

Page 24: 国営かんがい排水事業 「相坂川左岸地区」 基礎資料(案)...国営かんがい排水事業 「相坂川左岸地区」 おうさかがわ さ がん 基礎資料(案)

専兼業別農家割合の推移

項目 年(%) S50~H27の

市町名 S50 H27 増減ポイント

専 業 12 32 20

十 和 田 市 第1種兼業 39 20 △ 19

第2種兼業 49 48 △ 1

専 業 13 37 24

三 沢 市 第1種兼業 36 27 △ 9

第2種兼業 51 36 △ 15

専 業 16 31 15

七 戸 町 第1種兼業 44 20 △ 24

第2種兼業 40 49 9

専 業 24 32 8

六 戸 町 第1種兼業 45 23 △ 22

第2種兼業 31 45 14

専 業 23 35 12

東 北 町 第1種兼業 39 22 △ 17

第2種兼業 38 43 5

専 業 11 36 25

おいらせ町 第1種兼業 28 17 △ 11

第2種兼業 61 47 △ 14

専 業 16 33 17

地 域 計 第1種兼業 38 21 △ 17

第2種兼業 46 46 0

専 業 11 38 27

青 森 県 第1種兼業 35 21 △ 14

第2種兼業 54 41 △ 13

資料:農林水産省統計部「農林業センサス」

注1)S50は総農家、H27は販売農家の値

注2)増減率は、少数第1位を四捨五入し整数で表示

注3)増減ポイントにおける△は、減少を表示

区 分

-22-

Page 25: 国営かんがい排水事業 「相坂川左岸地区」 基礎資料(案)...国営かんがい排水事業 「相坂川左岸地区」 おうさかがわ さ がん 基礎資料(案)

また、専業農家のうち男子生産年齢(15歳以上64歳)人口のいる

農家数について、昭和50年から平成27年の40年間の推移を見ると、2,

271戸から995戸と56%減少し、専業農家に占める割合についても、8

6%から48%と38ポイント減少している。

このことを県全体で見ると、10,003戸から6,688戸と33%減少し、

専業農家に占める割合は、83%から50%と33ポイント減少しており、

同様の傾向で推移している。

なお、専業農家のうち女子生産年齢人口のいる農家数の割合につ

いては同様の傾向となっている。

地 域 青森県

資料:農林水産省統計部「農林業センサス」注1)S50は総農家、H12、H22、H27は販売農家の値注2)S50~H12は女子生産年齢人口のいる農家のデータなし

専業農家のうち生産年齢人口のいる農家数の推移

地 域 青森県

資料:農林水産省統計部「農林業センサス」注1)S50は総農家、H12、H22、H27は販売農家の値注2)S50~H12は女子生産年齢人口のいる農家のデータなし

専業農家のうち生産年齢人口のいる農家数割合の推移

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Page 26: 国営かんがい排水事業 「相坂川左岸地区」 基礎資料(案)...国営かんがい排水事業 「相坂川左岸地区」 おうさかがわ さ がん 基礎資料(案)

専業農家のうち生産年齢人口のいる農家数の推移

項目 年(戸) S50~H27 S50~H27の区 分

市町名 S50 H27 の増減(戸) 増減率 (%)

専業農家 641 719 78 12

十 和 田 市 うち男子生産年齢人口のいる農家 552 311 △ 241 △ 44

うち女子生産年齢人口のいる農家 - 280 - -

専業農家 246 205 △ 41 △ 17

三 沢 市 うち男子生産年齢人口のいる農家 197 106 △ 91 △ 46

うち女子生産年齢人口のいる農家 - 94 - -

専業農家 458 299 △ 159 △ 35

七 戸 町 うち男子生産年齢人口のいる農家 349 132 △ 217 △ 62

うち女子生産年齢人口のいる農家 - 112 - -

専業農家 376 236 △ 140 △ 37

六 戸 町 うち男子生産年齢人口のいる農家 346 107 △ 239 △ 69

うち女子生産年齢人口のいる農家 - 80 - -

専業農家 706 412 △ 294 △ 42

東 北 町 うち男子生産年齢人口のいる農家 640 237 △ 403 △ 63

うち女子生産年齢人口のいる農家 - 215 - -

専業農家 227 200 △ 27 △ 12

おいらせ町 うち男子生産年齢人口のいる農家 187 102 △ 85 △ 45

うち女子生産年齢人口のいる農家 - 90 - -

専業農家 2,654 2,071 △ 583 △ 22

地 域 計 うち男子生産年齢人口のいる農家 2,271 995 △ 1,276 △ 56

うち女子生産年齢人口のいる農家 - 871 - -

専業農家 11,997 13,309 1,312 11

青 森 県 うち男子生産年齢人口のいる農家 10,003 6,688 △ 3,315 △ 33

うち女子生産年齢人口のいる農家 - 5,695 - -

資料:農林水産省統計部「農林業センサス」注1)S50は総農家、H27は販売農家の値

注2)S50は女子生産年齢人口のいる農家のデータなし

注3)増減率は、少数第1位を四捨五入し整数で表示

注4)増減率における△は、減少を表示

-24-

Page 27: 国営かんがい排水事業 「相坂川左岸地区」 基礎資料(案)...国営かんがい排水事業 「相坂川左岸地区」 おうさかがわ さ がん 基礎資料(案)

専業農家のうち生産年齢人口のいる農家数割合の推移

項目 年(%) S50~H27の区 分

市町名 S50 H27 増減ポイント

男 子 86 43 △ 43

女 子 - 39 -

男 子 80 52 △ 28

女 子 - 46 -

男 子 76 44 △ 32

女 子 - 37 -

男 子 92 45 △ 47

女 子 - 34 -

男 子 91 58 △ 33

女 子 - 52 -

男 子 82 51 △ 31

女 子 - 45 -

男 子 86 48 △ 38

女 子 - 42 -

男 子 83 50 △ 33

女 子 - 43 -

資料:農林水産省統計部「農林業センサス」注1)S50は総農家、H27は販売農家の値

注2)S50は女子生産年齢人口のいる農家のデータなし

注3)増減率は、少数第1位を四捨五入し整数で表示

注4)増減ポイントにおける△は、減少を表示

十 和 田 市

三 沢 市

七 戸 町

六 戸 町

東 北 町

おいらせ町

地 域 計

青 森 県

-25-

Page 28: 国営かんがい排水事業 「相坂川左岸地区」 基礎資料(案)...国営かんがい排水事業 「相坂川左岸地区」 おうさかがわ さ がん 基礎資料(案)

本地域の農業就業人口について、昭和50年から平成27年の40年間

で33,573人から10,855人と68%減少する中で、65歳以上の農業就業人口

の占める割合が10%から57%へと47ポイント増加している。

このことを県全体で見てみると、農業就業人口は196,698人から

64,746人と67%減少し、65歳以上の農業就業人口に占める割合が13%か

ら54%へと41ポイント増加しており、本地域における農業就業人口の減

少及び高齢化が県全体を上回る傾向で推移している。

地 域 青森県

資料:農林水産省統計部「農林業センサス」

注)S50は総農家、H12、H22、H27は販売農家の値

年齢別農業就業人口の推移

地 域 青森県

資料:農林水産省統計部「農林業センサス」注)S50は総農家、H12、H22、H27は販売農家の値

年齢別農業就業人口割合の推移

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Page 29: 国営かんがい排水事業 「相坂川左岸地区」 基礎資料(案)...国営かんがい排水事業 「相坂川左岸地区」 おうさかがわ さ がん 基礎資料(案)

年齢別農業就業人口の推移

項目 年(人) S50~H27の S50~H27の年 齢

市町名 S50 H27 増減(人) 増減率(%)

3 9 歳 以 下 3,726 230 △ 3,496 △ 94

40歳~64歳 6,020 1,273 △ 4,747 △ 79

6 5 歳 以 上 1,167 2,321 1,154 99

計 10,913 3,824 △ 7,089 △ 65

3 9 歳 以 下 1,063 101 △ 962 △ 90

40歳~64歳 1,813 396 △ 1,417 △ 78

6 5 歳 以 上 459 506 47 10

計 3,335 1,003 △ 2,332 △ 70

3 9 歳 以 下 2,244 114 △ 2,130 △ 95

40歳~64歳 3,120 516 △ 2,604 △ 83

6 5 歳 以 上 683 972 289 42

計 6,047 1,602 △ 4,445 △ 74

3 9 歳 以 下 1,190 102 △ 1,088 △ 91

40歳~64歳 1,688 455 △ 1,233 △ 73

6 5 歳 以 上 203 743 540 266

計 3,081 1,300 △ 1,781 △ 58

3 9 歳 以 下 2,772 189 △ 2,583 △ 93

40歳~64歳 3,491 870 △ 2,621 △ 75

6 5 歳 以 上 603 1,092 489 81

計 6,866 2,151 △ 4,715 △ 69

3 9 歳 以 下 1,180 82 △ 1,098 △ 93

40歳~64歳 1,765 345 △ 1,420 △ 80

6 5 歳 以 上 386 548 162 42

計 3,331 975 △ 2,356 △ 71

3 9 歳 以 下 12,175 818 △ 11,357 △ 93

40歳~64歳 17,897 3,855 △ 14,042 △ 78

6 5 歳 以 上 3,501 6,182 2,681 77

計 33,573 10,855 △ 22,718 △ 68

3 9 歳 以 下 68,362 5,192 △ 63,170 △ 92

40歳~64歳 102,265 24,296 △ 77,969 △ 76

6 5 歳 以 上 26,071 35,258 9,187 35

計 196,698 64,746 △ 131,952 △ 67

資料:農林水産省統計部「農林業センサス」

注1)S50は総農家、H27は販売農家の値

注2)増減率は、少数第1位を四捨五入し整数で表示

注3)増減率における△は、減少を表示

十 和 田 市

三 沢 市

七 戸 町

六 戸 町

東 北 町

おいらせ町

地 域 計

青 森 県

-27-

Page 30: 国営かんがい排水事業 「相坂川左岸地区」 基礎資料(案)...国営かんがい排水事業 「相坂川左岸地区」 おうさかがわ さ がん 基礎資料(案)

年齢別農業就業人口割合の推移

項目 年(%) S50~H27の年 齢

市町名 S50 H27 増減ポイント

3 9 歳 以 下 34 6 △ 28

十 和 田 市 40歳~64歳 55 33 △ 22

6 5 歳 以 上 11 61 50

3 9 歳 以 下 32 10 △ 22

三 沢 市 40歳~64歳 54 40 △ 14

6 5 歳 以 上 14 50 36

3 9 歳 以 下 37 7 △ 30

七 戸 町 40歳~64歳 52 32 △ 20

6 5 歳 以 上 11 61 50

3 9 歳 以 下 39 8 △ 31

六 戸 町 40歳~64歳 54 35 △ 19

6 5 歳 以 上 7 57 50

3 9 歳 以 下 40 9 △ 31

東 北 町 40歳~64歳 51 40 △ 11

6 5 歳 以 上 9 51 42

3 9 歳 以 下 35 9 △ 26

おいらせ町 40歳~64歳 53 35 △ 18

6 5 歳 以 上 12 56 44

3 9 歳 以 下 36 8 △ 28

地 域 計 40歳~64歳 53 36 △ 17

6 5 歳 以 上 11 56 45

3 9 歳 以 下 35 8 △ 27

青 森 県 40歳~64歳 52 38 △ 14

6 5 歳 以 上 13 54 41

資料:農林水産省統計部「農林業センサス」

注1)S50は総農家、H27は販売農家の値

注2)増減率は、少数第1位を四捨五入し整数で表示

注3)増減ポイントにおける△は、減少を表示

-28-

Page 31: 国営かんがい排水事業 「相坂川左岸地区」 基礎資料(案)...国営かんがい排水事業 「相坂川左岸地区」 おうさかがわ さ がん 基礎資料(案)

農産物の作付面積を見ると地域の水稲の作付け面積について、昭和50

年から平成26年の39年間の推移を見ると、19,384haから9,291haと52%

減少している。

このことを県全体で見ると、81,800haから48,600haと41%減少して

おり、同様の傾向で推移している。

地 域 青森県

資料:東北農政局統計部「青森農林水産統計年報」

注)S50については東北農政局統計部「農作物統計表」

水稲の作付面積の推移

地域の水稲作付け面積の推移 (単位:ha)

S50~H26の S50~H26の

S50 H12 H26 増減 増減率(%)

地域計 19,384 13,047 9,291 △ 10,093 △ 52

青森県 81,800 56,600 48,600 △ 33,200 △ 41

資料:東北農政局統計部「青森農林水産統計年報」

注1)増減率は、少数第1位を四捨五入し整数で表示

注2)増減率における△は、減少を表示

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Page 32: 国営かんがい排水事業 「相坂川左岸地区」 基礎資料(案)...国営かんがい排水事業 「相坂川左岸地区」 おうさかがわ さ がん 基礎資料(案)

また、本地域の野菜の作付け面積について、昭和50年から平成22年の

35年間の推移を見ると、2,280haから7,341haと3.2倍に増加している。

このことを県全体で見ると、9,038haから10,060haと11%増加して

いるものの、ほぼ横ばいであり傾向は異なっている。

地 域 青森県

資料:農林水産省統計部「農林業センサス」

野菜の作付け面積の推移

地域の野菜作付け面積の推移 (単位:ha)

S50~H22の S50~H22の

S50 H12 H22 増減 増減率(%)

地域計 2,280 6,102 7,341 5,061 322

青森県 9,038 11,295 10,060 1,022 11

資料:農林水産省統計部「農林業センサス」

注1)増減率は、少数第1位を四捨五入し整数で表示

注2)増減率における△は、減少を表示

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Page 33: 国営かんがい排水事業 「相坂川左岸地区」 基礎資料(案)...国営かんがい排水事業 「相坂川左岸地区」 おうさかがわ さ がん 基礎資料(案)

(3)受益面積の状況

本地区の受益面積は、道路用地等への転用等によって、最終の事業計

画時点(平成14年度)の5,888haから事後評価時点(平成27年度)では5,839

haと1%減少している。

(4)交通網の整備状況

本地区の西部を国道4号、東部を国道338号が南北に縦断、南部を国

道45号及び国道102号が東西に横断し、これらを軸に主要地方道が接続

しており、これにより県庁所在地の青森市まで約2時間で接続されてい

る。

また、東北新幹線が地区の北東部にかけて、青い森鉄道が南北に縦断

しており、仙台まで最短1時間35分、東京都心まで最短3時間10分で接

続されている。

資料:東北農政局調べ

交通網の状況

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(5)農業政策への取組

①人・農地プランの作成状況

高齢化や後継者不足などによる人と農地の問題を解決するため、

平成24年度から集落や地域での話し合いに基づく「人・農地プラン」

の作成・実行が進められており、平成28年3月末時点で青森県下の

全ての市町村において作成されている。

本地域の関係市町における作成地域数は、十和田市で10地域、三

沢市で4地域、七戸町で2地域、六戸町で1地域、東北町で2地域、

おいらせ町で5地域となっている。そのうち本地区内では、十和田

市で6地域、三沢市で2地域、七戸町で1地域、六戸町で1地域、

東北町で1地域、おいらせ町で1地域となっている。

人・農地プランの取組状況

項目 作成地域数/作成予定地域

市町名 うち本地区内

十 和 田 市 10/10 6/ 6

三 沢 市 4/ 4 2/ 2

七 戸 町 2/ 2 1/ 1

六 戸 町 1/ 1 1/ 1

東 北 町 2/ 2 1/ 1

おいらせ町 5/ 5 1/ 1

地 域 計 24/24

青 森 県 184/184(40市町村)

資料:東北農政局経営・事業支援部調べ

②農地中間管理機構の利用状況

青森県の農地中間管理機構(公益社団法人青森農林業支援センタ

ー)による平成27年度末までの実績は1,033haの農地の新規集積が

図られ、本地域においても330haの農地が担い手等に新たに集積さ

れている。

③多面的機能支払交付金

地域共同による農地・農業用水等の資源保全管理と農村集落にお

ける生活環境の保全向上の取組支援を目的とした「多面的機能支払

交付金」に係る平成27年度の共同活動支援の取組状況について見る

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Page 35: 国営かんがい排水事業 「相坂川左岸地区」 基礎資料(案)...国営かんがい排水事業 「相坂川左岸地区」 おうさかがわ さ がん 基礎資料(案)

と、本地域の活動組織は89組織で、取組面積は関係市町の対象農用

地面積(32,330ha)に対して23%(取組面積7,422ha)となってお

り、水路の補修や農道の砂利敷き、花壇の草取り等の共同活動が行

われている。

なお、県全体の取組状況は対象農用地面積(148,851ha)に対して

26%(取組面積43,565ha)の取組割合となっている。

多面的機能支払交付金の取組状況

取組面積注1)

対象農用地 取組面積

区 分 活動組織数 (ha) 面積注2)

(ha) 割合(%)

(A) (B) (A/B)

十 和 田 市 44 3,899 10,995 35

三 沢 市 1 43 3,416 1

七 戸 町 27 1,910 5,627 34

六 戸 町 9 838 2,548 33

東 北 町 6 605 7,250 8

おいらせ町 2 125 2,494 5

地 域 計 89 7,422 32,330 23

青 森 県 432 43,565 148,851 29

資料:東北農政局農村振興部調べ注1)取組面積:対象組織が協定に位置付けて共同活動を実施する農用地の面積注2)対象農用地面積:農用地区域総面積(平成27年度確定)による農用地区域の農用地

区域面積注3)取組面積割合(%)は、小数第1位を四捨五入し整数で表示

目地補修 農道の砂利敷き 花壇の草取り

多面的機能支払交付金における共同活動の事例※写真は青森県農地・水・環境保全向上対策地域協議会ホームページより

④米政策改革の推進

本地域では飼料用米の作付けが、平成22年の264.5haから平成26

年には461.2haへと74%増えており、作付面積の拡大が図られてい

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る。

⑤6次産業化の取組の推進

本地区では、農業と他産業が連携して農業生産と加工・販売を一

体的に取り組む6次産業化の推進が図られており、「地域資源を活

用した農林漁業者等による新事業の創出等及び地域の農林水産物の

利用促進に関する法律」に基づく総合化事業計画が、十和田市(カ

シス加工品開発)、三沢市(おにぎり・弁当・惣菜の販売)、七戸町

(ながいもの加工品開発等)でそれぞれ認定されている。

本地区の6次産業化・地産地消法に基づく総合化事業計画の認定状況

事業者名

市町名 事業内容

(認定年月)

十和田市 特定非営利活動法人農楽郷hibiki 自ら生産したカシスを使用した加工品(顆粒、

(平成26年5月) ドリンク)を開発し、インターネット販売及び委

託販売等に取り組むことで、オリジナルブランド

化を進めるとともに、高付加価値化を実現するこ

とにより、障がい者の就労支援事業における農業

経営の改善を図る。

三沢市 個人 自家生産農産物を材料としたおにぎり、弁当、

(平成25年5月) 惣菜を製造し店頭販売する。また、農繁期には地

域の農業者向けに田畑まで届けるサービスを行い、

農産物に付加価値を付けて農業所得の向上を目指

すとともに、地域コミュニティの拠点となるよう

取り組む。

七戸町 農事組合法人 あづま 新しい長いも「なな子」を使った加工品開発と、

(平成25年2月) もち米を使った郷土料理「けいらん」の商品化に

より、経営の多角化・高度化を図るとともに、一

層の付加価値を取り込むことで農業経営の改善を

図る。

地区計 3件

青森県 65件

資料:東北農政局経営・事業支援部調べ注)農林漁業経営の改善を図るため、農林漁業者等が単独又は共同で農林水産物等の生産及び

その加工又は販売を一体的に行う事業活動に関する計画

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2.事業により整備された施設の管理状況

(1)施設の概要

本事業により新設・改修された施設は、法 量 頭首工、稲生川頭ほうりょう いなおいがわ

首工、砂土路川頭首工、砂土路川揚水機場、用水路46路線(三本木さ ど ろ がわ さんぼん ぎ

幹線用水路、稲生川幹線用水路、深持幹線用水路等)、六戸調整池ふかもち

及び砂土路川排水路である。

主要施設位置図

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①頭首工

農業用水を受益地に安定的に供給するため、法量頭首工及び稲

生川頭首工を改修、砂土路川頭首工を新設した。

頭首工の諸元

堤高 堤長 取水量名 称 形 式 付帯施設 位 置

(m) (m) (m3/s)

十和田市大字法量字前法 量 頭 首 工 フロー ティング タイプ 2.3 38.0 13.50 魚道一式

川原

十和田市大字法量字下稲生川頭首工 フロー ティング タイプ 1.5 46.0 6.00 魚道一式

川原地内

上北郡東北町大字大浦

字下砂土路地内及び十砂土路川頭首工 フロー ティング タイプ 1.7 26.0 2.40 魚道一式

和田市大字大沢田字小

下内地内

資料:東北農政局調べ

法量頭首工(改修前) 法量頭首工(改修後)

稲生川頭首工(改修前) 稲生川頭首工(改修後)

砂土路川頭首工(新設)

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②揚水機場

農業用水を受益地に安定的に供給するため、砂土路川揚水機場を

新設した。

揚水機場の諸元

揚水量名 称 揚水機 原動機 位 置

(m3/s)

十和田市大字大沢田字大下内砂土路川揚水機場 渦巻φ 600・3台 電動機 810kw・3台 2.40

地内

資料:東北農政局調べ

砂土路川揚水機場(新設) ポンプ設備

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③用水路

農業用水を受益地に効率的に配水するため、用水路を整備した。

用水路の諸元

通水量 延長名 称 構 造 勾 配 主要構造物 備 考

(m3/s) (km)

サイホン 4箇所

コンクリート直壁型 1/500~ 分水工 19箇所三本木幹

13.50 27.2 コンクリート傾斜壁型 落差工 2箇所線用水路

トンネル 1/3,500 合流工 1箇所

急流工 4箇所

コンクリート直壁型 サイホン 2箇所稲生川幹

6.00 6.6 コンクリート傾斜壁型 1/2,500 分水工 4箇所線用水路

トンネル 急流工 1箇所

分水工 11箇所 ( )は三本木深持幹線 コンクリート直壁型 1/700~

(3.08) 10.0 落差工 26箇所 幹線用水路と用水路 管水路 1/1,200

重複で内数

分水工 17箇所 ( )は三本木立崎幹線 コンクリート直壁型 1/800~

(2.77) 7.6 落差工 13箇所 幹線用水路と用水路 管水路 1/1,300

急流工 1箇所 重複で内数

( )は三本木三沢幹線

(1.59) 1.6 コンクリート直壁型 1/1,000 分水工 1箇所 幹線用水路と用水路

重複で内数

サイホン 3箇所 ( )は三本木百石幹線 1/35~

(3.05) 4.4 コンクリート直壁型 分水工 3箇所 幹線用水路と用水路 1/3,500

落差工 4箇所 重複で内数

( )は三本木高清水幹 コンクリート直壁型

(2.40) 7.0 1/2,000 サージタンク 1箇所 幹線用水路と線用水路 管水路

重複で内数

( )は三本木元村幹線 1/700~ 分水工 5箇所

(3.96) 1.3 コンクリート直壁型 幹線用水路と用水路 1/800 落差工 4箇所

重複で内数

その他支 35.3 38路線

線用水路

計 19.50 101.0

資料:東北農政局調べ

改修前 改修後 改修前 改修後

三本木幹線用水路 稲生川幹線用水路

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④貯水池

受益地に農業用水を安定的に供給するため、六戸調整池を新設した。

貯水池の諸元

堤 高 堤 長 有効貯水量

名 称 形 式 位 置

(m) (m) (千m3)

上北郡六戸町大字犬落瀬字坪毛

六戸調整池 傾斜遮水ゾーン型 7.2 1,531 550 沢地内

資料:東北農政局調べ

六戸調整池全景

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⑤排水路

砂土路川の周辺水田の排水不良を解消するため、排水路を改修し

た。

排水路の諸元

排水量 延 長名 称 構 造 勾 配

(m3/s) (km)

1/310砂土路川排水路 94.43 9.9 ブロック護岸

~1/1,150

資料:東北農政局調べ

砂土路川周辺の湛水状況(改修前)

改修前 改修後

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(2)施設の管理状況

本事業で整備された頭首工、揚水機場、幹線用水路(三本木幹線

用水路、稲生川幹線用水路、深持幹線用水路)、調整池は、国から

青森県へ管理委託され、同県から稲生川土地改良区が操作又は業務

受託し、その他用水路は、同土地改良区に管理受託又は譲与され、

適切に維持管理されている。

また、砂土路川排水路は、一級河川砂土路川として同県により適

切に管理されている。

施設の管理委託状況

施設名 管理委託先 備考

法量頭首工 青森県 稲生川土地改良区が操作受託

稲生川頭首工

砂土路川頭首工

砂土路川揚水機場 青森県 稲生川土地改良区が操作受託

三本木幹線用水路 青森県、一部稲生川土地改良区 稲生川土地改良区が業務受託

稲生川幹線用水路 青森県

高清水幹線用水路

深持幹線用水路 稲生川土地改良区立崎幹線用水路三沢幹線用水路百石幹線用水路元村幹線用水路

支線用水路 38路線 - 稲生川土地改良区へ譲与

六戸調整池 青森県 稲生川土地改良区が操作受託

水管理システム 稲生川土地改良区

資料:東北農政局調べ注)一級河川高瀬川水系砂土路川(砂土路川排水路)は、青森県で管理。

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施設の管理状況

施設名 維持管理内容 実施時期

法量頭首工 ・巡回・点検・操作作業(中央管理所からの遠隔操 ・年間(適時)

作)・機側操作(必要に応じて)

稲生川頭首 ・巡回・点検・操作作業(中央管理所からの遠隔操 ・年間(適時)

工 作)・機側操作(必要に応じて)

砂土路川頭 ・巡回・点検・機側操作 ・年間(適時)

首工

砂土路川揚水 ・巡回・設備点検(電気工作物) ・定期(保守点検・月

機場 次・年次)

・操作作業(中央管理所からの遠隔操作) ・年間(適時)

三本木幹線用 ・巡回・しゅんせつ・清掃 ・年1回以上

水路

稲生川幹線用 ・巡回・しゅんせつ・清掃 ・年1回以上

水路

深持幹線用水 ・巡回・しゅんせつ・清掃 ・年1回以上

立崎幹線用水 ・巡回・しゅんせつ・清掃 ・年1回以上

三沢幹線用水 ・巡回・しゅんせつ・清掃 ・年1回以上

百石幹線用水 ・巡回・しゅんせつ・清掃 ・年1回以上

高清水幹線用 ・巡回・しゅんせつ・清掃 ・年1回以上

水路

元村幹線用水 ・巡回・しゅんせつ・清掃 ・年1回以上

六戸調整池 ・巡回・点検・操作作業(中央管理所からの遠隔操 ・年間(適時)

作)・機側操作(必要に応じて)

資料:東北農政局調べ

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(3)施設の利用状況

本事業の農業用水は、奥入瀬川に設置された法量頭首工及び稲生

川頭首工、砂土路川に設置された砂土路頭首工からそれぞれ取水さ

れ、稲生川用水路、三本木幹線用水路等の幹線用水路を通じて受益

地に配水されている。

また、用水管理システムが導入されたことにより、稲生川土地改

良区に設置した中央管理所から遠方監視・制御することが出来るよ

うになり、用水の合理的な配分と維持管理労力の節減が図られてい

る。

その他、地区の北部砂土路川の下流域低平部では砂土路川排水路

による内水排除が効果的に行われるとともに、関連事業の実施によ

り表流水の排除や地下水位の低下が図られ水田の汎用化(乾田化)

が進んでいる。

中央管理所全景 中央管理所操作室

稲生川頭首工(子局)

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3.費用対効果分析の算定基礎となった要因の変化

(1)作物生産効果

①作物作付面積

作付面積について、事業計画(事業計画において設定された計画値

をいう。以下同じ。)と事後評価時点(事後評価時点における実際の

値を言う。以下同じ。)を比較すると、5,656haに対して5,476haとな

っている。

主要作物を比較すると、田では、水稲が3,769haに対して3,126ha(主

食用米2,764ha、加工用米133ha、飼料用米229ha)、大豆は310haに対

し175haと計画を下回る一方で、関連事業の実施による水田の汎用化

(乾田化)が図られたことを背景に、飼料用作物(牧草)は589haに

対して776ha、小麦は50haに対して122haと計画を上回っており、新た

に、ごぼう、だいこん、ねぎ、にんじん等の野菜類が作付けされてい

る。なお、地域の特産品であるにんにくについては、計画を下回って

いるものの、事業実施前(現況)と比較すると大幅に作付けが増大し

ている。

また、畑においては、だいこんやにんじんの作付けが計画を下回っ

ている一方で、ごぼう、ながいも、にんにく等の野菜類及び飼料用作

物(牧草)の作付けが増加している。

以上に見られるとおり、本地域においては水田畑利用の推進ととも

に水稲と畑作物を併せた複合的な農業が進展している状況となってい

る。

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作物別作付面積

資料:事業計画書、東北農政局北奥羽土地改良調査管理事務所調べ

注)事業評価時点:受益に該当する関係大字の5ヶ年(H22~H26)平均値により算出

作物名事業計画現況(H14年度)

事業計画事業評価時点(H27年度)

備考

主食用米 4,135 3,769 2,764加工用米 - - 133飼料用米 - - 229小麦 55 50 122大豆 262 310 175ながいも 181 400 144にんにく 134 325 255飼料用作物(牧草) 491 589 776飼料用作物 643牧草 133葉たばこ 31 50 37地力増進作物 269 - 250ねぎ - - 69キャベツ - - 37ごぼう - - 186だいこん - - 74にんじん - - 53ばれいしょ - - 12

5,558 5,493 5,316裏作 - - -

- - -だいこん 32 38 7にんじん 20 30 2ごぼう 14 10 49ながいも 21 11 50キャベツ 18 25 6ねぎ - 2 -ばれいしょ - 5 -にんにく 25 25 32葉たばこ 15 15 3飼料用作物(牧草) 18 - 11トルコギキョウ - 2 -

163 163 160裏作 - - -

- - -5,721 5,656 5,476

(単位:ha)

地  目

表作

表作計

裏作計

表作

表作計

裏作計計

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Page 48: 国営かんがい排水事業 「相坂川左岸地区」 基礎資料(案)...国営かんがい排水事業 「相坂川左岸地区」 おうさかがわ さ がん 基礎資料(案)

②主要作物の単収

主要作物の単収(10a当たり。以下同じ。)について、事業計画と

事後評価時点を比較すると、水稲は548kgに対して579kg、小麦は210

kgに対して212kg、大豆は200kgに対して148kg、にんにくは1,041kgに

対して991kg、ごぼうは2,303kgに対して2,280kg、だいこんは4,391kg

に対して4,284kg、にんじんは3,338kgに対して3,228kgと減少してい

る。

資料:東北農政局統計部「青森県農林水産統計年報」

注1)事業計画の現況の単収は、H7~H11年(5ヶ年)の平均値。

注2)事後評価時点の単収は、H21~H25年(5ヶ年)の平均値。

主要作物の単収

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③主要作物の単価

主要作物の単価(1kg当たり。以下同じ。)について、事業計画と

事後評価時点を比較すると、水稲は252円に対して200円、小麦は152

円に対して35円、大豆は232円に対して98円、にんにくは945円に対し

て809円、ごぼうは177円に対して157円とそれぞれ低くなる一方で、

だいこんは61円に対して89円、にんじんは94円に対して127円と高く

なっている。

資料:東北農政局北奥羽土地改良調査管理事務所調べ、JA十和田おいらせ調べ

注1)事業計画の単価は、H7~H11年(5ヶ年)の平均値。

注2)事後評価時点の単価は、H21~H25年(5ヶ年)の平均値。

主要作物の単価

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(2)営農経費節減効果

①年間労働時間

水稲の年間労働時間(10a当たり時間、以下同じ。)について、事

業計画と事後評価時点を比較すると、事業計画では17.5時間を見込ん

でいたが、事後評価時点では16.9時間とさらに節減が図られている。

また、事業実施前の68.72時間からは大幅に労働時間が節減されてい

る。

また、営農に係る水管理時間についても事業実施前の14.8時間に対

して、事後評価時点では11.0時間に節減が図られている。

資料:青森県主要作物の技術・経営指標、青森県土地改良事業の経済効果測定の標準

注1)事業計画現況は生産費調査を基づき地元改良普及センターからの聞き取り調査を参考に算定

注2)事業計画は「主要作物の技術・経営指標(平成6年3月)青森県農業普及会」を基に算定

注3)事後評価時点は「土地改良事業の経済効果測定の標準値(平成27年3月)青森県農林水産部」

を基に算定

水稲作の年間労働時間(ほ場整備実施地区)

-48-

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②年間機械経費

水稲の年間機械経費(10a当たり、以下同じ。)について、事業計

画と事後評価時点を比較すると、事業計画は26.1千円を見込んでいた

が、事後評価時点では23.8千円とさらに節減が図られている。また、

事業実施前の66.5千円からは、大幅に経費が節減されている。

資料:東北農政局北奥羽土地改良調査管理事務所調べ

注)事業計画現況及び事業計画は事業変更計画時点の効果算定資料をもとに整理し、事後評価時点

は、同資料を時点換算し整理

水稲作の年間機械経費(ほ場整備実施地区)

-49-

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(3)維持管理費節減効果

年間維持管理費について、事業計画と事後評価時点を比較すると、

事業計画は388,164千円であったが、事後評価時点では344,601千円と、

さらに事業計画より11%の節減が図られている。

資料:東北農政局北奥羽土地改良調査管理事務所調べ

-50-

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4.事業効果の発現状況

(1)農業用水の安定供給

本地区のかんがい用水の水源は、奥入瀬川にその多くを依存して

いたが、その端は十和田湖より発しており、その利用(農業、発電、

観光、漁業)は、河水統制計画によって厳しく制限されている。そ

のため、代かき期等に不足するかんがい用水は地区内渓流を多くの

還元・反復ポンプ(120台)によって揚水され、辛うじて確保されて

いた状況であった。また、畑ではかんがい設備が未整備のため、天

水に依存した不安定な営農を余儀なくされていた。

このため、本事業により法量頭首工、稲生川頭首工の改修、砂土

路川頭首工、砂土路川揚水機場及び六戸調整池を新設し、農業用水

を確保するとともに、地区内幹線用水路、支線用水路の新設・改修

を行って用水系統を再編し用水管理システムを導入したことで、農

業用水の安定的な供給が図られ用水不足が解消された。

還元・反復ポンプの一部

稲生川土地改良区番水表(平成15年度) 資料:稲生川土地改良区

-51-

Page 54: 国営かんがい排水事業 「相坂川左岸地区」 基礎資料(案)...国営かんがい排水事業 「相坂川左岸地区」 おうさかがわ さ がん 基礎資料(案)

なお、事後評価アンケート調査結果(平成27年8月実施以下「ア

ンケート結果」という。)によると、「事業の実施前(昭和50年頃)

と現在(平成27年)を比較し、農業用水が安定して供給されるよう

になりましたか」の質問に対して、農業経営者の62%が「そう思う」

又は「ややそう思う」と回答し、地区農家においても用水不足の解

消が実感されている。

資料:東北農政局北奥羽土地改良調査管理事務所「事後評価アンケート調査」

注)農業経営者用アンケート(有効回答総数:事業開始前から農業経営している者78人)

「昭和50年頃(事業実施前)と現在(平成27年)を比較し、農業用水が安定して供給されるようになったか」の問いに対する回答結果

【農業経営者】

(2)営農の合理化と農業生産性の向上

本事業及び関連事業の実施により、農業用水の安定的な供給、ほ場

の区画整理及び乾田化等ほ場条件の改善並びに機械化作業体系が進展

し、水稲の年間労働時間が節減されるなど営農の合理化が図られると

ともに、地域の特産品であるながいも、にんにくの他にごぼう、だい

こん等の高収益作物の導入が促進され、地域の複合経営が推進される

など、農業生産性の向上が図られている。

なお、農業用水の安定供給、ほ場の乾田化を背景に水稲の単収が増

加している。

資料:東北農政局統計部「青森農林統計年報」

注1)事業計画の現況の単収は、H7~H11年(5ヶ年)の平均値。

注2)事後評価時点の単収は、H21~H25年(5ヶ年)の平均値。

水稲の単収(再掲)

-52-

Page 55: 国営かんがい排水事業 「相坂川左岸地区」 基礎資料(案)...国営かんがい排水事業 「相坂川左岸地区」 おうさかがわ さ がん 基礎資料(案)

水稲作の年間労働時間(ほ場整備実施地区)(再掲)

アンケート結果によると、「事業の実施前(昭和50年頃)と現在(平成27年)を比較し、農業用水の管理が容易になったか」の質問に対して、農業経営者の60%が「そう思う」又は「ややそう思う」と回答が得られるとともに、。

資料:東北農政局北奥羽土地改良調査管理事務所「事後評価アンケート調査」

注)農業経営者用アンケート(有効回答総数:事業開始前から農業経営している者76人)

「昭和50年頃(事業実施前)と現在(平成27年)を比較し、農業用水の管理が容易になったか」の問いに対する回答結果 【農業経営者】

「事業の実施前(昭和50年頃)と現在(平成27年)を比較し、泥

上げ、草刈り等の用排水路の維持管理が容易になったか」の質問に

対して、農業経営者の59%が「そう思う」又は「ややそう思う」と

回答されている。

資料:東北農政局北奥羽土地改良調査管理事務所「事後評価アンケート調査」

注)農業経営者用アンケート(有効回答総数:事業開始前から農業経営している者74人)

「昭和50年頃(事業実施前)と現在(平成27年)を比較し、泥上げ、草刈り等の用排水路の維持管理が容易になったか」の問いに対する回答結果 【農業経営者】

-53-

Page 56: 国営かんがい排水事業 「相坂川左岸地区」 基礎資料(案)...国営かんがい排水事業 「相坂川左岸地区」 おうさかがわ さ がん 基礎資料(案)

さらに、砂土路川の改修を行い整備した砂土路川排水路により、砂土路川周辺の水田の恒常的な排水不良が解消されたことについては、「事業の実施前(昭和50年頃)と現在(平成27年)を比較し、排水不良が解消されたか」の質問に対して、農業経営者の57%が「そう思う」又は「ややそう思う」との回答が得られている。

資料:東北農政局北奥羽土地改良調査管理事務所「事後評価アンケート調査」

注)農業経営者用アンケート(有効回答総数:事業開始前から農業経営している者73人)

「昭和50年頃(事業実施前)と現在(平成27年)を比較し、排水不良が解消されたか」の問いに対する回答結果 【農業経営者】

改修前 改修後

砂土路川排水路の改修

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(3)経営規模の拡大と水田畑利用の促進

本事業及び関連事業の実施により、農業用水の安定的な供給やほ

場条件の改善と併せた機械化体系の進展による労働時間の節減な

ど、営農の合理化を背景に経営面積の拡大が図られている。

資料:農林水産省経営局「農地の移転と転用」

注1)農地移動実態調査(昭和55年)

注2)土地管理情報収集分析調査(平成2・12年)

注3)農地の権利移動・借賃等調査(平成22年)

地域における農地流動化の状況

アンケート調査における農業経営者の経営耕地面積規模につい

て、現在(平成27年)の3.0ha以上の割合を比較すると、事業実施

前は26%であったが事業実施後は43%に増加している。青森県と比

較すると、県は22%であり地域が20ポイント高い。

資料:東北農政局北奥羽土地改良調査管理事務所「事後評価アンケート調査」

注)農業経営者用アンケート(有効回答総数:昭和50年頃 141人、現在 147人)

「あなたの経営耕地面積(作業受託含む)はどれくらいですか。」の問い

に対する回答結果 【農業経営者】

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Page 58: 国営かんがい排水事業 「相坂川左岸地区」 基礎資料(案)...国営かんがい排水事業 「相坂川左岸地区」 おうさかがわ さ がん 基礎資料(案)

資料:農林水産省統計部「農林業センサス」

青森県の経営耕地面積規模別割合

また、水田の乾田化により、本地域における水田の畑利用面積が

拡大され、農業経営の安定が図られている。

資料:農林水産省統計部「農林業センサス」

事業実施前後の作物作付割合の変化

にんにくの植付け作業

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Page 59: 国営かんがい排水事業 「相坂川左岸地区」 基礎資料(案)...国営かんがい排水事業 「相坂川左岸地区」 おうさかがわ さ がん 基礎資料(案)

アンケート結果によると、事業実施前は61%で主食用水稲を作付

けしていたが、現在は35%となっている。主食用水稲以外について

は、事業実施前は9%であったが、現在は25%と増えており、露地

野菜については、事業実施前は16%であったが、現在は19%と増えて

いる。

資料:東北農政局北奥羽土地改良調査管理事務所「事後評価アンケート調査」

注)農業経営者用アンケート(有効回答総数 昭和50年頃144人・現在146人 複数回答あり)

「昭和50年頃(事業実施前)と現在(平成27年)の主な作付作物は何か」の問いに対する回答結果 【農業経営者】

資料:東北農政局北奥羽土地改良調査管理事務所「事後評価アンケート調査」

注)農業経営者用アンケート(有効回答総数:事業開始前から農業経営している者74人)

「昭和50年頃(事業実施前)と現在(平成27年)を比較し、水田での転作作物の作付けが増加したか」の問いに対する回答結果

【農業経営者】

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【地区内の農業経営事例】

経営形態 組織経営体 経営規模(平成27年現在) 水稲118ha(採種用)

作付作物 水稲 設立年 昭和37年

経営状況

昭和37年に採種事業を実施するために設立された組合。組合員が優良種子の生産に

取り組んでいる。県が種子更新を推奨していることもあり、種もみの需要(生産数量)

が増えたこと等により経営面積が増えている。また、大型農業機械を購入し共同利用

することによって作業の効率化を図っている。現在は組合員51名で運営している。

経営規模の推移 共同利用している大型農業機械

経営形態 組織経営体 経営規模(平成26年現在) 30.7ha(受託面積21.4ha)

作付作物 水稲、牧草(えん麦)、そば 設立年 平成22年

経営状況

平成22年に農業経営の協業化と農業収益の向上を図ることを目的に55戸の農家によ

り法人を設立。水稲・そばの農作業受託を中心として、地域の農地を引き受けること

により農地の遊休化の防止に努めている。

また、地元高齢者に草刈りや苗作りを委託しており、労働の場を提供し地域の雇用

も生み出しているとともに、農業に興味のある青年を臨時雇用し地域の後継者の育成

にも寄与している。

経営規模の推移 地元高齢者による草刈り

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Page 61: 国営かんがい排水事業 「相坂川左岸地区」 基礎資料(案)...国営かんがい排水事業 「相坂川左岸地区」 おうさかがわ さ がん 基礎資料(案)

経営形態 個人 経営規模(平成26年現在) 10.1ha

作付作物 水稲、ねぎ、にんにく、ごぼう、ほうれんそう

経営状況

生産調整の推進を契機に、水稲単作から野菜を導入することにより複合経営となっ

た。農作業機械の大型化等により、水稲作業の省力化を図り、野菜の作付面積を拡大

し、農業経営の多角化・安定化を図っている。また、先進的な新技術や新品種を導入

するなど、積極的な野菜作りに取り組むとともに、野菜部会のリーダーとして地域へ

の野菜作りの推進など貢献している。

経営規模の推移 野菜の収穫体験

資料:東北農政局農村振興部農村環境課調べ

(4)導入作物の高付加価値化

本事業及び関連事業による農業用水の安定供給、ほ場の区画整理

及び乾田化等により、水田の畑利用が拡大し、地域の特産品である

ながいも、にんにくの他、ごぼう等の作付けが増えている。地区内

では、農業所得向上のため、これら作物の更なる高付加価値化に向

けた取組が行われている。

〈にんにく〉

青森県での栽培は、昭和37年に田子町から始まり、米の生産調整

政策により昭和40年代後半から全県に拡大した。

出荷量は青森県産にんにくが国産の約7割を占めている。

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Page 62: 国営かんがい排水事業 「相坂川左岸地区」 基礎資料(案)...国営かんがい排水事業 「相坂川左岸地区」 おうさかがわ さ がん 基礎資料(案)

平成26年

順位 都道府 出荷量 作付面

県 (t) 積(ha)

1 青森 9,730 1,360

2 香川 645 96

3 宮崎 511 70

4 大分 241 45

5 岩手 211 62

全国 14,000 2,310

資料:農林水産省作況調査(野菜) にんにく「福地ホワイト」にんにくの全国の生産状況

JA十和田おいらせからの聞き取りによると、主な出荷先は首都

圏で、また、「契約栽培」、「インターネット販売」を取り入れた新

たな販売方法にも力を入れている。

また、高付加価値化を目指し、低臭化した「プレミアムにんにく」

を使った商品開発にも取り組んでおり、これまでに「にんにくパウ

ダー」「にんにくドリンク」を製造・販売している。

にんにくパウダー・にんにくドリンク

さらに、おいらせ町では、生のにんにくをじっくり時間をかけ発

酵・熟成させることにより、にんにく特有の臭いを取り除き、甘く

フルーティーな味の黒にんにくを、六戸町では直径7㎝以上、重さ

130g以上を規格としたブランドにんにくとして「六戸町大玉にん

にく」を販売している。

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Page 63: 国営かんがい排水事業 「相坂川左岸地区」 基礎資料(案)...国営かんがい排水事業 「相坂川左岸地区」 おうさかがわ さ がん 基礎資料(案)

熟成黒にんにく 六戸大玉にんにく

※写真はおいらせ町、六戸町ホームページより

〈ながいも〉

国産ながいもの出荷量の約4割を占める青森県産ながいもについ

ても、東北町が県内一の産地であり、全国の市場から高評価を得て

おり、地区内に整備された低温貯蔵庫による周年出荷体制の構築も

相まって、年間を通じ全国に出荷されるとともに、近年はアメリカ

や台湾などの海外需要の拡大に応じた生産が行われている。

平成26年

順位 都道府 出荷量 作付面

県 (t) 積(ha)

1 北海道 51,600 1,860

2 青森 51,500 2,220

3 長野 6,120 316

4 岩手 2,690 197

5 茨城 2,480 122

全国 117,800 5,160

資料:農林水産省作況調査(野菜) ながいもながいもの全国の生産状況

※写真はJA十和田おいらせホームページより

〈ごぼう〉

ごぼうの産地は上北地域に集中しており、同じ根菜類のながいも

の輪作作物、健康野菜として近年注目されてきており、生産が拡大

している。

また、地元の企業や生産者グループが中心となって、お菓子やご

ぼう茶など多くの加工品が開発されている。更に地元高校生により

「ごぼうアイス」の開発も行われるなど、食育の材料としても活用

されている。

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Page 64: 国営かんがい排水事業 「相坂川左岸地区」 基礎資料(案)...国営かんがい排水事業 「相坂川左岸地区」 おうさかがわ さ がん 基礎資料(案)

平成26年順位 都道府 出荷量 作付面

県 (t) 積(ha)1 青森 51,100 2,3302 茨城 16,500 9253 北海道 15,900 7214 宮崎 10,300 6515 千葉 7,160 402

全国 134,700 8,100

資料:農林水産省作況調査(野菜) ごぼう

ごぼうの全国の生産状況 ※写真はJAおいらせホームページより

みさわごぼう茶

※写真は三沢市ホームページより

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Page 65: 国営かんがい排水事業 「相坂川左岸地区」 基礎資料(案)...国営かんがい排水事業 「相坂川左岸地区」 おうさかがわ さ がん 基礎資料(案)

(5)事業による波及効果

①地場産品の消費拡大と地域雇用機会の創出及び営農意欲の増進

地区内には受益地で生産された農産物や加工品を販売している農

産物直売所が10箇所設置されている。多いところでは年間56万人以

上の来客数を数え、地場産品の消費拡大に応じた生産が行われ、農

業所得の向上に寄与している。

事例1

・名 称: 道の駅おがわら湖「湖遊館」

・所 在 地: 東北町大字上野

・設立年 : 平成16年

・取扱品目: にんにく、長いも、大根、にんじん、ごぼう等

・利用者数: 561,000人/年(平成24~26年平均値)

「湖遊館」全景 販売の様子

にんにく ながいも

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Page 66: 国営かんがい排水事業 「相坂川左岸地区」 基礎資料(案)...国営かんがい排水事業 「相坂川左岸地区」 おうさかがわ さ がん 基礎資料(案)

事例2

・名 称: 十和田やさい館

・所 在 地: 十和田市東一番町

・設立年 : 平成22年

・取扱品目: 米、きゅうり、トマト、キャベツ、にんにく、ながいも、ごぼう等

・利用者数: 52,000人/年(平成22~26年平均値)

「十和田やさい館」全景

販売の様子

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Page 67: 国営かんがい排水事業 「相坂川左岸地区」 基礎資料(案)...国営かんがい排水事業 「相坂川左岸地区」 おうさかがわ さ がん 基礎資料(案)

本地区の農産物直売所

名 称 所在地 開設年度 取扱品目 会員数

とわだぴあ 十和田市伝法寺 H13 野菜、農産加工品、米粉パン等 99名

十和田やさい館 十和田市東一番町 H22 野菜、農産加工品、切り餅等 50名

三沢青果市場 三沢市幸町 S46 野菜、農産加工品、生花等 72名

ビードル広場定期市 三沢市大町 H9 野菜、農産加工品、切花等 12名

メイプルふれあいセンター 六戸町犬落瀬 H15 野菜、農産加工品等 72名

おがわら湖「湖遊館」 東北町上野 H16 野菜、農産加工品、山菜、花等 131名

味祭館 おいらせ町新助川原 H4 野菜、農産加工品、花き等 24名

おっほくん広場 おいらせ町馳下り H10 野菜、農産加工品、米ぬか粉等 33名

おはよう広場 おいらせ町向山 H16 野菜、農産加工品、米等 54名

アグリの里おいらせ おいらせ町向山東 H18 野菜、果物、農産加工品 113名

資料:東北農政局北奥羽土地改良調査管理事務所調べ

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Page 68: 国営かんがい排水事業 「相坂川左岸地区」 基礎資料(案)...国営かんがい排水事業 「相坂川左岸地区」 おうさかがわ さ がん 基礎資料(案)

アンケート結果によると、「農産加工、販売、農産物直売を個人で行

っている」又は「グループで行っている」と回答された農家女性は、9

%程度であるが、いずれもやりがいを実感して活動していることがうか

がえる。

資料:東北農政局北奥羽土地改良調査管理事務所「事後評価アンケート調査」

注)農家女性用アンケート(有効回答総数110人)

「あなたは農産加工、販売、農産物直売を行っていますか」の問いに対

する回答結果 【農家女性】

資料:東北農政局北奥羽土地改良調査管理事務所「事後評価アンケート調査」

注)農家女性用アンケート(有効回答総数9人、複数回答あり)

「農産加工、販売、農産物直売での活動を通じて、どのようなことを感じましたか」の問いに対する回答結果 【農家女性】

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Page 69: 国営かんがい排水事業 「相坂川左岸地区」 基礎資料(案)...国営かんがい排水事業 「相坂川左岸地区」 おうさかがわ さ がん 基礎資料(案)

直売所が設置されたことによって、農村女性を始めとする地域住民の

雇用が図られている。

地区内の農産物直売所における雇用状況(平成26年)

施設名 雇用形態・人数

道の駅おがわら湖「湖遊館」 常勤 :2人

パート・アルバイト:6人

十和田やさい館 常勤 :

パート・アルバイト:2人

アグリの里おいらせ 常勤 :8人

パート・アルバイト:6人

資料:東北農政局北奥羽土地改良調査管理事務所調べ

アンケート結果によると、「農産物直売所や加工用施設での雇用機会

が増えた」ことについて、農家女性の20%が「そう思う」又は「ややそ

う思う」と回答されている。

資料:東北農政局北奥羽土地改良調査管理事務所「事後評価アンケート調査」

注)農家女性用アンケート(有効回答総数92人)

「農産物直売所や加工用施設での雇用機会が増えた」の問いに対しての回答結果 【農家女性】

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Page 70: 国営かんがい排水事業 「相坂川左岸地区」 基礎資料(案)...国営かんがい排水事業 「相坂川左岸地区」 おうさかがわ さ がん 基礎資料(案)

②耕作放棄地の抑制

本事業及び関連事業の実施により、農業用水の安定供給、ほ場の

区画整理及び乾田化が図られるなど、農業生産基盤の整備に伴い、

地区内の耕作放棄地の発生が抑制されている。

資料:農林水産省統計部「農林業センサス」注)S50は総農家、H12、H22、H27は販売農家の値

耕地面積に占める耕作放棄地の割合

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Page 71: 国営かんがい排水事業 「相坂川左岸地区」 基礎資料(案)...国営かんがい排水事業 「相坂川左岸地区」 おうさかがわ さ がん 基礎資料(案)

③学習の場の提供

稲生川土地改良区では、地域の小学生を対象に地区の歴史や農業

の多面的機能について理解を深めてもらうことを目的に、見学会等

を実施しており、本事業で整備された施設は、学習の場として利用

されている。

学習の場の提供の取組状況(平成26年度)

取組・活動名 実施主体 参加者数(名) 取組内容

土地改良施設の見学会 稲生川土地改良区 830 地域の小学校等と連携した土

地改良施設の見学

資料:稲生川土地改良区調べ

土地改良施設(六戸調整池)の見学会

〈十和田ウォーク〉

十和田市開拓の祖、新渡戸傳・十次郎親子が築き、疎水百選に認定された「稲生川」を

たどる「十和田ウォーク」が、(一社)十和田市観光協会、十和田市、十和田商工会議所、

太素顕彰会、水土里ネット青森、水土里ネット稲生川の共催で2001年から始まり毎年5月

3日に開催されている。

2016年は20㎞、13㎞、5㎞の3コースが設定され、参加者は稲生川沿いのウォーキング

で名所・景色を楽しんでいる。

ウォーキングの様子

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Page 72: 国営かんがい排水事業 「相坂川左岸地区」 基礎資料(案)...国営かんがい排水事業 「相坂川左岸地区」 おうさかがわ さ がん 基礎資料(案)

アンケート結果によると、「整備された施設が社会学習や自然体

験の場として活用されている」ことに対して、本地区の地域住民の

46%が「そう思う」又は「ややそう思う」と回答されている。

なお、ふれあい公園などが整備されている十和田市住民に限ると、

57%が「そう思う」又は「ややそう思う」と回答されている。

資料:東北農政局北奥羽土地改良調査管理事務所「事後評価アンケート調査」

注)地域住民用アンケート(有効回答総数264人うち十和田市152人)

「整備された施設が社会学習や自然体験の場として活用されている」

の問いに対する回答結果 【地域住民】

なお、稲生川は建設から100年以上経過し、かんがい農業の発展

に貢献したもの、卓越した技術により建設されたもの等、歴史的・

技術的・社会的価値のあるかんがい施設であることが認められ、平

成27年度に世界かんがい施設遺産に登録されている。

(参考)

“稲生川”世界かんがい施設遺産に登録

国際かんがい排水委員会(International Commission on Irrigation and Drainage)は2014

年にかんがいの歴史・発展を明らかにし、理解醸成を図るとともに、かんがい施設の適切な保

全に資することを目的として、建設から100年以上経過し、かんがい農業の発展に貢献したもの、

卓越した技術により建設されたもの等、歴史的・技術的・社会的価値のあるかんがい施設を登

録・表彰するために、世界かんがい施設遺産制度を創設した。

以下(ア)~(ウ)の基準を全て満たすかんがい施設が申請対象となっている。

(ア) 建設から100 年以上経過していること。

(イ)次のいずれかの施設であること。

①ダム(かんがいが主目的) ②ため池等の貯水施設 ③堰、分水施設 ④水路 ⑤古

い水車 ⑥はねつるべ ⑦排水施設 ⑧現在または過去の農業用水管理に機能上関係す

る(していた)区域又は構造物

(ウ)次の①~⑨の基準を1つ以上満たすこと。

①かんがい農業の発展において、重要な段階又は転換を象徴する施設であるとともに、

農家の経済状況の改善に加えて農業発展及び食料増産への寄与が明確である施設であるこ

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Page 73: 国営かんがい排水事業 「相坂川左岸地区」 基礎資料(案)...国営かんがい排水事業 「相坂川左岸地区」 おうさかがわ さ がん 基礎資料(案)

と。

②計画策定、設計、建設技術、施設規模、水量、受益規模の点で最先端であった施設で

あること。(いずれかの1つ以上)

③地域における食料生産強化、生計の向上、農村発展、貧困削減に大きく貢献した施設

であること。

④施設に係る着想が建設当時としては革新的であった施設であること。

⑤効率的かつ現代の技術理論・実践の発展に貢献した施設であること。

⑥設計・建設における環境配慮の模範となる施設であること。

⑦建設当時としては驚異的かつ卓越した技術の模範となる施設であること。

⑧建設手法が独特な施設であること。

⑨伝統文化又は過去の文明の痕跡を有する施設であること。

2014年9月16日に開催された第65回国際執行理事会において、5か国17施設が上記の基準を

満たしているとし遺産登録された。日本の施設は9施設登録され「稲生川」はそのうちの1つ

に選ばれ、10月23日にかんがい施設遺産登録証の伝達式が行われた。

登録証伝達式 登録証

資料:稲生川土地改良区ホームページ、農林水産省

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④再生可能エネルギー活用促進への寄与

本事業で改修された三本木幹線用水路の急流工における落差を利

用し、青森県は、農業用水利施設の維持管理費の節減及び二酸化炭

素の排出削減にも資する観点から、県営小水力活用農村活性化発電

施設整備事業(平成25年度~平成26年度)により稲生川小水力発電

所を整備した。当該発電所の売電収入(年間20,465千円(平成27年

度))は平成26年度から稲生川土地改良区の管理する農業用水利施

設の維持管理費に充当されている。

発電状況

年度総売電電力量 売電単価 年間売電額

(MWh) (円/kWh) (千円)

26 164 36.72 6,058

27 557 36.72 20,465

資料:稲生川土地改良区調べ

発電所全景

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Page 75: 国営かんがい排水事業 「相坂川左岸地区」 基礎資料(案)...国営かんがい排水事業 「相坂川左岸地区」 おうさかがわ さ がん 基礎資料(案)

(6)費用対効果分析の結果

費用対効果分析の算出基礎となった要因の変化、効果の発現状況

を踏まえ、事後評価時点の各種算定基礎データを基に総費用総便益

比を算定した結果、以下のとおりとなった。

総便益(B) 259,587百万円

総費用(C) 244,694百万円

総費用総便益比(B/C) 1.06

○ 費用対効果分析における効果算定項目一覧

効果項目 事業計画時 事後評価時

作物生産効果 ○ ○

品質向上効果 - ○

営農経費節減効果 ○ ○

維持管理費節減効果 ○ ○

更新効果 ○ -

安全性向上効果 ○ ○

公共施設保全効果 ○ -

地域用水効果 ○ ○

水辺環境効果(現:景観・環境保全効果) ○ ○

都市・農村交流促進効果 - ○

国産農産物安定供給効果 - ○

雇用機会増大効果 - ○

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5.事業実施による環境の変化

(1)生活環境

本事業及び関連事業により整備された農業用水利施設は、生活用

水機能及び防火用水機能等の増進に寄与し、地域社会の発展に大き

く貢献しているとともに、整備された水路及び親水公園は、地域住

民と一体となった管理が行われ地域の憩いの場ともなっている。

《稲生川せせらぎ活動委員会》

地域用水機能増進事業により整備された親水公園である「稲生川ふれあい公園」の維持管理

を目的として、周辺の16町内会を中心として組織された「せせらぎ活動委員会」では、月に1回

程度町内会ごとに割り当てられた花壇の整備活動を平成14年の発足から現在まで継続して行って

いる。

この花壇は、町内会ごとに区割りが決められており、大きさや周囲の公園の形状等も異なる

が、それぞれの町内会により個性豊かな環境整備活動を行っている。

花の苗は青森県からの事業補助により提供されているが、「それ以外の花を用意する」、

「独自で藤棚を整備する」、「景観水路に水車を設置し小さな水田を造る」など、さまざま

な取組を行っている。

また、公園では年に一度お互いの労をねぎらう意味で「ふれあい祭り」が行われ、景観

水路を使った魚のつかみ取りやバーベキューなどの催しで大人から子供まで大勢が公園に

集まり、水と親しみながら親睦を深めている。

地域住民による景観整備

ふれあい祭りの様子

稲生川ふれあい公園

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アンケート結果によると、「水路沿いに整備した遊歩道等が憩い

の場として活用されている」ことについて、地域住民の62%が「そ

う思う」又は「ややそう思う」と回答されている。

なお、遊歩道が整備されている十和田市住民に限ると、73%が「そ

う思う」又は「ややそう思う」との回答が得られている。

資料:東北農政局北奥羽土地改良調査管理事務所「事後評価アンケート調査」注)地域住民用アンケート(有効回答総数267人)

「水路沿いに整備した遊歩道等が憩いの場として活用されている」の問いに対する回答結果 【地域住民】

また、平成23年8月19日には十和田地域広域事務組合と青森県及

び稲生川土地改良区が、平成23年11月15日には三沢市消防本部と稲

生川土地改良区が、平成23年12月22日には八戸地域広域市町村圏事

務組合と稲生川土地改良区が、農業用水を緊急時の防火用水として

使用することに関して協定を結んでいる。

十和田地域広域事務組合消防本部による防火訓練 三本木幹線用水路の水を利用した防火訓練

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本事業及び関連事業により整備された水路は、転落防止のための、

ネットフェンスやガードレールが設置されており、事故を未然に防

止する等近隣住民の安全性の向上に寄与している。

改修前 改修後

アンケート結果によると、「水路沿いにネットフェンスやガード

レールが設置され、地域の安全性が向上した」ことについて、農業

経営者の61%、農家女性の54%、地域住民の66%が「そう思う」又

は「ややそう思う」と回答されている。

資料:東北農政局北奥羽土地改良調査管理事務所「事後評価アンケート調査」

注)農業経営者用アンケート(有効回答総数128人)、農家女性用アンケート(有効回答総数105

人)、地域住民用アンケート(有効回答総数268人)

「水路沿いにネットフェンスやガードレールが設置され、地域の安全性が向上した」の問いに対する回答結果【農業経営者、農家女性及び地域住民】

幹線用水路に設置したネットフェンス 幹線用水路に設置したガードレール

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(2)自然環境

本事業及び関連事業の実施にあたっては、農業水利施設が従前か

ら有する「景観」及び「生態系」に配慮し、景観に溶け込むような

建物の色や安全柵に木材や石積ブロック、擬木を使用した整備を行

っている。

〈景観に配慮した施設整備〉

操作室・管理建屋 木材を使用した安全施設

稲生川幹線用水路 景観に配慮した整備

法量頭首工 六戸調整池

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〈生態系に配慮した施設整備〉

アンケート結果によると、「農村らしい景観が維持されている」

ことについて、農業経営者の54%、地域住民の59%が「そう思う」

又は「ややそう思う」と回答し、農家女性も48%が回答されている。

資料:東北農政局北奥羽土地改良調査管理事務所「事後評価アンケート調査」注)農業経営者用アンケート(有効回答総数131人)、農家女性用アンケート(有効回答総数105人)、

地域住民用アンケート(有効回答総数268人)

「農村らしい景観が維持されている」の問いに対する回答結果【農業経営者、農家女性及び地域住民】

魚道の整備

魚道の整備

写真:稲生川頭首工 写真:砂土路川頭首工

《生態系に配慮した頭首工》

魚類や水生生物の遡上・下降ができる魚道の設置。

設計魚類:アユ、ヤマメ(サクラマス)

魚道の効果

○ 稲生川頭首工

頭首工下流において確認された魚種は3科3種、頭首工上流においては、頭首工下流で確認された

魚種を含め8科12種が確認された。

○ 砂土路川頭首工

頭首工下流において確認された魚種は5科9種、頭首工上流においては8科11種の魚種が確認され

た。

資料:平成25年度環境配慮施設分析評価調査業務(農村振興局整備部設計課)

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また、本事業で整備された六戸調整池には、白鳥の飛来が確認さ

れ、水鳥の新たな生息域となっている。さらに、農業用ため池を県

営事業によりビオトープとして再整備するなど、生物多様性の保全

に寄与している。

《一本木沢ビオトープ協議会》

事業の実施により遊休化したため池について、稲生川土地改良区がその有効活用を呼び

かけたところ、市民フォーラムから提言がなされ、県営事業において「一本木沢ビオトー

プ」として整備された。

一本木沢ビオトープの整備を契機に、関係機関と地域住民により構成される「一本木沢

ビオトープ協議会」が設立され、構成員である北里大学獣医畜産学部生物環境学科の協力

のもと、「ホタル観察会」、「森の生き物観察会」や「外来魚駆除」といった、生物多様性の

保全活動や情操教育の場として活用されるなど、遊休化した施設が地域における環境意識

の醸成の場となっている。

約200羽の白鳥が飛来

魚類調査の様子

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【参考】景観・環境保全効果の算定

三本木幹線用水路の「せせらぎ水路」等は、景観や環境に配慮した整

備をすることで、地域住民の「憩いの場」、「やすらぎの場」、「交流の

場」等を提供する効果を発揮している。

本効果は、アンケート調査を通じて地域住民に支払意思額(ある財や

サービスに対して支払っても良いと考える金額)を尋ねることで、その

価値を直接的に評価する手法であるCVM(仮想市場法)により測定し、

年効果額を算定した。

アンケート調査の設問内容

-仮想の想定-

農業用水路は、景観・環境に配慮した整備を行うことで、地域の憩いの場・安らぎ

の場を提供する効果や生物の住みかとなる効果が生じていますが、「もしもこの水路が

現在無く、新たに整備する計画があり、各世帯から負担金を集めて整備を行う仕組み

があったとしたら…」という状況を想像して、お答え下さい。

仮に、1世帯当たり年額○○○円(設定金額は、500円、1,000円、2,000円、5,000

円、10,000円の5種類)を負担する(現在の住所にご家族がこのまま住まわれている

間は毎年負担する)ことで、このような整備が可能になり、上記のような効果が発生

するものとします。

資料:東北農政局北奥羽土地改良調査管理事務所「地域の景観・環境に配慮した農業

用水路の価値に関するアンケート」

配布数 回収数 回収率

1,000部 279部 27.9%

アンケート調査票は、十和田市(旧十和田市、旧十和田湖町)、三沢市、七戸町(旧七戸町)、六戸

町、東北町(上北町)、おいらせ町(旧百石町、旧下田町)の地域住民を対象に無作為に配布した

区分 世帯の平均支払意思額 受益世帯数 訪問可能性 CVMによる

訪問可能性 訪問可能性 がある世帯 効果額 注)

あり なし の割合 ⑤=①×③×④+

① ② ③ ④ ②×③×(1-④)

円/世帯・年 円/世帯・年 世帯 % 千円年効果額

4,294 0 65,656 38.9 109,670

注)CVMによる効果額は、本事業と県営事業の合計額。本事業の効果額は千円。

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6.今後の課題等

(1)農業水利施設の長寿命化に資する保全管理と計画的な更新

本事業の工期は30年と長く、整備した施設の中にはすでに20年

以上経過しているものもある。このため、ライフサイクルコスト

の低減と長寿命化に資する保全管理を行うとともに、ストックマ

ネージメントに基づく長期的な視点に立った計画的な更新を図っ

ていくことが重要である。

(2)地域一体となった農業水利施設等の維持管理

今後とも土地改良区、関係機関及び地区住民を始めとする地元

活動組織が一体となった農業水利施設及びその周辺環境並びに景

観等地域ぐるみの保全活動の継続強化が期待される。

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7.総合評価

本事業は、頭首工、揚水機場及び調整池の新設及び改修により不

足する用水を確保し、幹線用水路、支線用水路の新設・改修による

用水系統の再編を行い、用水の安定供給と維持管理にかかる労力及

び費用を節減するとともに、砂土路川の改修を行い周辺水田の排水

不良の解消を図り、併せて、地区内の農業用水が従来から有してい

る地域用水機能の増進を図ることを目的としたものである。

本事業の実施によって、農業用水の安定供給及び営農の合理化に

伴う農業生産性の向上を始めとする様々な効果の発現がみられる。

具体的には、次に挙げるような事業効果が発現している。

①農業用水の安定供給

本事業により法量頭首工及び稲生川頭首工を改修し、砂土路川頭

首工、砂土路川揚水機場及び六戸調整池の新設と合わせ、農業用水

を確保するとともに、地区内幹線用水路及び支線用水路の新設・改

修による用水系統の再編並びに用水管理システムを導入することで

農業用水の安定供給が図られている。

②営農の合理化と農業生産性の向上

本事業及び関連事業の実施による用水系統の再編及び用水管理シ

ステムの導入等により農業用水が安定供給され、ほ場の区画整理及

び乾田化等によるほ場条件の改善とともに機械化作業体系が進展

し、水稲の年間労働時間が節減されるなど営農の合理化が図られて

いる。また、低平地においては湛水の解消も相まって、本地区の水

稲をはじめ、小麦、ごぼう等の畑作物の単収が増加するなど農業生

産性の向上が図られている。

③農業経営の安定

本事業及び関連事業の実施により農業用水の確保や農地の区画整

理が行われたことにより、地区内の農地の流動化が促進され、農家

の経営耕地面積の規模が拡大している。

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また、水田畑利用が拡大している本地区においては、水稲、牧草、

そばの集落ぐるみの営農に取り組む法人や、水稲とねぎ、にんにく、

ごぼう等による複合経営の規模拡大に取り組む家族経営体が見られ

るなど、水田フル活用に向けた取り組みが進展している。

今後、本地区の農業経営は、地区内の農産物直売所における旺盛

な需要や6次産業化の推進による新商品の開発が進むことに加え、

特に市場評価が高く新たな加工・販売形態も浸透しつつあるにんに

く、長いも、ごぼうにおいては国外も含めた需要の増大を背景に、

高収益作物を中心とした営農形態へと転換することが見込まれるな

ど、一層の経営の強化と安定が期待される。

④事業による波及効果

地区内で生産された農作物や加工品を販売している直売所を拠点

に地場産品の消費拡大が図られるとともに、貯蔵・加工体制の充実

により、周年出荷による市場の拡大及び有利販売はもとより、商品

化率の向上や周年雇用にもつながるなど、農家所得の増大及び地域

雇用の創出にも貢献している。

また、事業により整備された農業水利施設を管理する土地改良区

などの関係機関や周辺町内会で組織された委員会などにより、施設

見学会や地域イベント等の地域活動を実践するなど、農業水利施設

や地域用水等が果たす役割について学習する場が設けられており、

農業や環境の大切さが地域住民等に周知・啓発されている。

⑤事業実施による環境の変化

本事業では、農業水利施設の改修と併せ、施設周辺に親水空間や

憩いの場等を提供する地域用水機能の増進を図るなどの環境及び景

観に配慮した整備を行った。

整備された親水公園の維持管理を目的として、関係機関や周辺町

内会で委員会が組織され、周辺町内会を中心に花壇の整備活動など

の取組が行われているとともに、今後の継続的な取組に向けて、地

区内外に対しての理解と参加を促す情報発信などが検討されてい

る。

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Ⅲ 評価に当たって

本地区の事後評価に当たっては、市町村単位の既存統計資料及び事業計画

書並びに事業成績書を活用し、また、青森県、関係市町、土地改良区等、関

係団体からの聞き取りや、受益農家及び地域住民へのアンケート調査等によ

り、事業実施前後の状況を把握した。

1.評価の視点評 価 項 目 評 価 の 視 点

1.社会経済情勢の変化 本事業地区内に影響を及ぼしたと考えられる社会経済情勢の変化

(1)人口・産業等の動向

(2)地域農業の動向

(3)受益面積の状況

(4)交通網の整備状況

(5)農業政策への取り組み

①人・農地プランの作成状況

②農地中間管理機構の利用状況

③多面的機能支払交付金

④米政策改革の推進

⑤6次産業化の取扱の推進

2.事業により整備され 基幹的施設の適正な管理

た施設の管理状況 (1)施設の概要

①頭首工

②揚水機場

③用水路

④貯水池

⑤排水路

(2)施設の管理状況

(3)施設の利用状況

3.費用対効果分析の算 事業計画書に記載されている各効果項目の算定基礎となった要因の変

定基礎となった要因の 化の分析

変化 (1)作物生産効果

①作物作付面積

②主要作物の単収

③主要作物の単価

(2)営農経費節減効果

①年間労働時間

②年間機械経費

(3)維持管理費節減効果

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4.事業効果の発現状況 事業計画で期待された効果及び新たに波及した公益的・多面的効果の

発現状況

(1)農業用水の安定供給

(2)営農の合理化と農業生産性の向上

(3)経営規模の拡大と水田畑利用の促進

(4)導入作物の高付加価値化

(5)事業による波及効果

①地場産品の消費拡大と地域雇用機会の創出及び営農意欲の増進

②耕作放棄地の抑制

③学習の場の提供

④再生可能エネルギー活用促進への寄与

(6)費用対効果分析の結果

5.事業実施による環境 事業実施による環境の変化

の変化 (1)生活環境

(2)自然環境

6.今後の課題等 今後の課題等について整理

(1)農業水利施設等の適切な管理・計画的な更新

(2)地域一体となった農業水利施設等の維持管理

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2.評価の手順

(1)評価項目及び内容を設定

(2)事後評価に必要な基礎資料の作成

(評価項目)

①社会経済情勢の変化

②事業により整備された施設の管理状況

③費用対効果分析の算定基礎となった要因の変化

④事業効果の発現状況

⑤事業実施による環境の変化

⑥今後の課題等

(3)事後評価結果(案)を作成

(4)関係団体の意見を聴取

(5)事後評価結果(案)を取りまとめ

(6)技術検討会の意見を聴取

(7)事後評価結果を農村振興局長へ報告

(8)事後評価結果を公表・関係団体へ通知

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3.事後評価アンケート調査

事業実施による効果(波及的効果を含む。)の発現状況及び生活環境の変化について、受益農家及び受益地周辺に居住する地域住民の意向を把握し、その内容を評価結果に反映させることにより、既存資料等に基づく評価内容を補完するため、アンケート調査を実施した。なお、調査は、農業経営者、農家女性、地域住民を対象として平成27年8月

に行った。

対象者 配布数(部) 回収数(人) 回収率(%)

農業経営者 500 156 31.2%①受益農家

農家女性 500 116 23.2%

小 計 1,000 272 27.2%

十和田市 560 162 28.9%②地域住民

三沢市 30 8 26.7%

七戸町 10 3 30.0%

六戸町 120 39 32.5%

東北町 120 23 19.2%

おいらせ町 160 51 31.9%

小 計 1,000 286 28.6%

合 計 2,000 558 27.9%

(1)調査の実施方法について①受益農家(農業経営者、農家女性)

農家に対するアンケートは、女性の立場から見た農業生産、農村の自然・生活環境の変化等を把握するため、農業経営者と農家女性の2種類実施した。

1,000部(農業経営者500部、農家女性500部)

②地域住民地域住民に対するアンケートは、受益地周辺の在住者を対象とし、受益農家アンケートと同数程度の回収数を目標として、実施した。

十和田市 560部三沢市 30部七戸町 10部六戸町 120部東北町 120部おいらせ町 160部

(2)調査用紙の配布・回収方法について

①受益農家(農業経営者・農家女性)配布:平成27年8月、郵送により発送回収:平成27年9月

②地域住民配布:平成27年8月、郵送により発送回収:平成27年9月

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