3
令和 2年2月 25日 発行 A J U 檜 の 里 (第 3 種郵便物承認) 第 100号 (4)

令和2年2月5 ;w l 第100号 (4) - asakegakuen.com · 令和2年2月5 a j U の (第3) 第100号 (6) 昨年十一月三日㈰に令和初の文化祭が行われまし

  • Upload
    others

  • View
    0

  • Download
    0

Embed Size (px)

Citation preview

Page 1: 令和2年2月5 ;w l 第100号 (4) - asakegakuen.com · 令和2年2月5 a j U の (第3) 第100号 (6) 昨年十一月三日㈰に令和初の文化祭が行われまし

令和2年2月25日 発行 A J U  檜 の 里 (第 3 種郵便物承認) 第100号 ( 4 )

Page 2: 令和2年2月5 ;w l 第100号 (4) - asakegakuen.com · 令和2年2月5 a j U の (第3) 第100号 (6) 昨年十一月三日㈰に令和初の文化祭が行われまし

令和2年2月25日 発行A J U  檜 の 里 (第 3 種郵便物承認)( 5 ) 第100号

 

大会直前、主管施設の社

会福祉法人けやきの郷が台

風十九号による大水害を被

り、利用者の多くが避難所

生活を強いられる大変な事

態が起こりました。そんな

最中、気丈な姿で大会運営

にあたられた法人スタッフ

の皆様に感謝を申し上げま

す。

 

令和元年十一月七~八日、

関東ブロック二十三施設の

後押しのもと、川越プリン

スホテルに於いて第三十三

回全日本自閉症支援者協会

埼玉大会が開催されました。

 

第一日目は、ともに発達

障害を担当する文部科学省

の田中裕一調査官、厚生労

働省の加藤永歳専門官の行

政説明から始まりました。

次に、TBS報道局解説・

専門記者室長の牧嶋弘子氏

によるけやきの郷理事長の

阿部淑子氏への大会記念イ

ンタビューがありました。

 

当初の予定では「わが子、

そして同志と共に」~扉を

開けて、未来につなぐ~と

いうテーマでしたが、前半

は今回の被害状況等の報告、

後半はテーマに沿いながら

今後の復旧の決意を述べら

れました。

 

休憩をはさみ、「自閉症支

援の歩みと到達点」と題し

た基調講演が、①横浜やま

びこの里の志賀利一氏の~

福祉の視点から~②日本自

閉症協会会長の市川宏伸氏

の~医療の視点から~があ

りました。

 

第二日目の午前は、日本

自閉症協会副会長の石井啓

氏が司会を担当し、「未来へ

の継承」~自閉症児者支援

の更なる発展を目指して~

というテーマで、シンポジ

ウムが行なわれました。発

表者は、岐阜県自閉症協会

の水野佐知子氏、全日本自

閉症支援者協会の松上利男

氏、厚生労働省の加藤永歳

氏、指定討論者は国立のぞ

みの園の日詰正文氏により、

活発な議論が展開されまし

た。

 

午後の分科会は、第一分

科会が「切れ目のない支援

体制を地域で構築・実践す

るために」、第二分科会「個々

を理解した豊かな生活のた

めに」~行動障害への支援

~、第三分科会「自閉症者

の安定した就労(活動)と

その支援」~働きは人生の

柱~、第四分科会「職員の

定着促進のヒントを探して」

~就活からの気持ちの変化

を追って、~第五分科会「親

から支援者・地域へのバト

ンタッチ」~生涯を支える

ために~のようなテーマで

発表・討議がありました。

 

なお、来年度の研究大会

は令和二年十二月十七~

十八日、開催地は滋賀県大

津市。主管施設はステップ

広場ガルが担当するとのこ

とです。

(あさけ学園施設長近

藤裕彦)

支援と連帯の輪・和利

用者の健康問題 

あさけ診療所所長

小西眞行

第33回全日本自閉症支援者協会 埼玉大会

テーマ「令和元年!節目の

年を迎えて、原点の再確認

と、生涯を支える切れ目の

ない支援の構築を!」

 

十一月二十八日㈭二十九日㈮で通所旅行(二グ

ループ)に行ってきました。参加メンバーは、利用

者六名、職員三名でした。

 

旅行のテーマはアートの旅!!。選んだ場所は愛

知県の西尾市。西尾市には今はやりのインスタ映え

する隠れスポット「三河ガラス工芸美術館」、アー

トの島「佐久島」があったので、テーマに合ってい

ると思い決めました。

 

一日目は、「三河ガラス工芸美術館」へ行きまし

た。インスタ映えするスポットで若い女性グループ

やカップルが訪れる場所でした。巨大万華鏡「スフィ

ア」彫刻鏡の部屋「四季」など煌びやかなスポット

を鑑賞し楽しみました。

 

二日目は、いよいよ〝アートの島佐久島〟の散策です。風は強かったですが、晴天に

恵まれて散策日和になりました。印象的だったのは「カモメの駐車場」。金属でできた

カモメが海岸線に規則的に並んでいるスポットで、風に揺られるとあたかも本物のカモ

メが鳴いているように聞こえてきました。不思議な光景に出会えました。

 

通所旅行は公共交通機関を利用した旅行です。電車やバス、渡船などでの移動なので

常に周りの状況を気にし、乗車時間を気にしてないといけないので、気を休める時があ

りません。そんな状況でも、自分より皆の方が落ち着いて参加してくれて、皆に大変助

けられた旅行でした。                    (支援員 

米川宗秀)

 

旧年の十二月は寒暖差が

大きかったせいか風邪引き

が各棟やホームで何人かず

つありましたが、幸い簡単

に治ってくれました。

 

今年はこれで終わりかと

ホッとしかけていたら、仕

事納めの日から正月にかけ

て利用者四名と支援員一

名のインフルエンザ感染が

次々と判明、にわかに対策

に追われることになりまし

た。幸い利用者の多くは外

泊中なので、感染の拡大は

最小限に食い止めたいとこ

ろです。

 

間もなく新年の外来診療

が始まります。幼児を始め

として、上は五十歳位になっ

た成人も受診します。幼児

期や小・中学生の頃に初診

した不登校や情緒の諸問題

は良くなれば終結です。

 

私としては自閉症などの

発達障害は青年期、壮年期、

老年期と長い生涯にわたり

必要な助言をしていきたい

と思っているのですが、色々

な制約でそうもいかないの

が残念です。

 

さて、外来に連れてこら

れた幼児の気持ちはどうで

しょうか。園での振舞い方、

家庭での過ごし方には、一

定の型があるのですが、時々

の診察室ではどう振舞った

らいいのか分らず混乱する

様です。それと母親と私の

やり取りはどうしてもその

子の困った事柄になるので、

子供はたいがい不機嫌にな

り怒って玩具を投げたりし

ます。

 

逆に、よく頑張れたこと

が時たま話題になると、子

供がいい表情になっている

のが見て取れます。以前は

うかつにも自閉症の子たち

にはこちらのやり取りは分

らないだろうと決めつけて

いました。しかし、そうで

は無いことが次第に分るよ

うになりました。

 

診察室での子供と母親と

私との三角関係は治療上望

ましいとは言えないのです

が、それでは短時間診療の

中でどう工夫すればいいの

か未解決のままです。

 

小学校の高学年や中学生

になると、受診に抵抗して

母親だけの来院が続き、必

要な服薬もしてくれなくな

ることがあります。けれど

この年齢になると、自分を

振り返る事(内省)が可能

となるので、なぜ三歳や四

歳から当院を受診する必要

があったのか、どうして服

薬が今も必要なのかを説明

することになります。

 

またこの年齢は障害名を

告知する時期でもあります。

それは本人にとって苦痛で

すが、同時に長年の不全感

や不適応の理由がやっと理

解できることになるので、

気持ちが整理されるのです。

治療者は自分の妨害者では

なく協力者であることが再

認識されると、治療が改め

て軌道に乗ることになりま

す。

 

この時期に関連の書籍を

紹介し親子で読むことを勧

めます。いい本には長年蓄

積されてきた問題行動への

対処法が記されていてとて

も参考になるからです。

 

十月十七日㈭から一泊二日の予定で、熊野・鬼ヶ

城方面まで旅行してきました。

 

参加メンバーは利用者五名と職員三名で、一日目

はレールマウンテンバイクとトロッコ電車の体験を

しました。うす暗いトンネルのなかでも、慌てずに

前を向いて一生懸命にペダルを漕いでいました。昭

和の香りが漂うレトロな車両はどこか懐かしい気持

ちになりました。夜の宴会では、焼き物や揚げ物、

お造りなど美味しそうな季節の会席料理を堪能しま

した。

 

二日目はあいにくの雨でしたので、鬼ヶ城散策を

断念して、熊野本宮大社を参詣しました。サッカー

日本代表チームのエンブレムで知られる八咫烏の祈念碑も見ることができて大満足で

した!瀞峡のウォータージェット船も体験しました。水面ギリギリを走行するので、慣

れるまでドキドキしながら窓から景色を眺めていました。

 

熊野市駅で帰りの電車を待っていると、大雨で乗車予定だった特急が運行しません

でした。駅で約四時間も足止めになり、夕方には熊野市に避難勧告が発令されたので、

昨日宿泊した瀞流荘にもう一泊しました。そのような状況でも利用者さん達は落ち着

いていました。翌日になってもJRは復旧せず、レンタカーを借りて松阪駅に向かい、

電車に乗って家族の待っている四日市駅に無事到着することができました。

(支援員 

廣井 

晶)

Page 3: 令和2年2月5 ;w l 第100号 (4) - asakegakuen.com · 令和2年2月5 a j U の (第3) 第100号 (6) 昨年十一月三日㈰に令和初の文化祭が行われまし

令和2年2月25日 発行 A J U  檜 の 里 (第 3 種郵便物承認) 第100号 ( 6 )

昨年十一月三日㈰に令和初の文化祭が行われまし

た。穏

やかな天候に誘われて地域の方々が早くから出

かけてくださり、あさけ学園からは例年の如く職員、

利用者のお手伝いもあり、焼き芋、手作りの梅ぼし、

ゆかり、みそ他、ラスク等も販売されました。色鮮や

かな糸の手織り作品もとても美しく目をひきました。

大徳食品㈱様は、永年にわたり大量の麺を提供し

て頂いています。百五銀行のボランティアさんもすっ

かり慣れた手つきであったかい焼きそばを保護者と一

緒にお手伝いを、井村屋㈱さんは、あんこたっぷりのどら焼を、又飯田後援会会

長の奥様は、有志の方と手作りのベストを毎年沢山、この日のために制作して頂

きました。

地域の方々と利用者・職員および保護者の温かいご協力、誠にありがとうござ

いました。                   (保護者会長 

高橋容子)

一〇〇号記念

 社会福祉法人檜の里機関紙(広報誌)が一〇〇号となりました。

 第一号は昭和六十年三月二十五日(1985

)に発刊され、題字は「あさけ学園」設立にご尽力をいただ

いた十亀史郎先生の揮毫です。

 今回、一〇〇号を記念して、利用者がお世話になり以前紙面「こんにちは」に掲載した、地域のお三

方に利用者の様子をインタビューさせていただきました。                【編集部】

ご寄付ありがとうご

ざいました

 

紙上を借りて厚く

お礼を申し上げます

(敬称略)

【物品】

 

▽堀勉=

梅(梅干

し作り用)

ようこそ「あさけ」へ

HAIRSTAG

E

ちぐさ

千ちぐさ種幸ゆきひこ彦さん

 

C棟の女性利用者の殆ん

どが、お世話になっている

美容室『H

AIRST

AGE

ぐさ』の店長千種幸彦さん

にインタビューをさせてい

ただきました。

 

長い人で三十五年程の付

き合いになります。始めの

頃は、じっと座っている事

が出来ずケープを外したり

と大変でしたが、今では、

大人しく座って髪を切れる

様になりました。カットで

気を付けていることは何か

と伺うと、髪を切る時は正

面で切る様に心掛けていま

す(利用者さんと目線が合

伊藤歯科医院 

伊いとう藤 

滋しげる院長

 

学園が開設した頃から、

治療や定期検診でお世話に

なっている歯医者さんで

す。親しみと感謝を込めて

歯医者さんと呼ばせていた

だきます。

 

今回この機関紙が一〇〇

号になり、お世話になって

いる方々に、再びお話を

聞きたい旨をお話しする

と「私が偉いのではなく、

最初に治療してくれないか

と話を持ってきた看護婦さ

んが一生懸命で、それに心

を打たれたのです。一緒に

やったことです。」とお話

しされました。

 

困った事や嫌なことが多

かったのではと、お聞きす

ると色々あったようです

が、「やってきた事です。」

ときっぱりとおっしゃいま

した。また、「以前と違う

のはこの診察台に座ってい

る事です。以前は座れませ

んでした。」と話をされま

した。三十五年前と視力や

毛髪力も変わらない先生。

このインタビューの日は先

生の誕生日でした。

 

どうぞ、いつまでもお元

気でと、さらなる感謝の念

を持ちました。

(支援員 

鈴木秀明)

第十八号『こんにちは』掲

載(平成四年十二月十日発

行)

う様に)。カット中に動い

てしまう時は、動かない

で!と声を掛けるのではな

く自分が動いて切っていま

す。

 

その人それぞれに合わせ

た髪型にもしています。時

には、良く動いてしまう事

もありますが、眉を切る時

は昔から絶対に動きませ

ん。利用者さんと目線が合

うのでこちらを信頼してく

れていると思うと言われま

した。

 

付き添いで職員も行かせ

てもらっていますが、店長

さんとの微笑ましい場面や

絶妙な声掛けやタイミング

で、やってもらっていて私

達の仕事は殆んどないで

す。これからもよろしくお

願いします。

(支援員 井戸久美

寺本慧里)

第十六号『こんにちは』掲

載(平成四年三月二十五日

発行)

カナヅ理容

金かなづ津吉よしたか誉さん、禮れいこ子さん

 

あさけの利用者が長年お

世話になっているカナヅ理

容さんに話を聞いてきまし

た。

 

昔は触れられるのを嫌

がったり動いてしまう方も

多かったのですが、お店の

方も個人個人の嫌がるポイ

ントや、できるやり方を考

えながら理解を深めていた

だき近頃は落ち着いて切っ

て頂けているそうです。

 

じっとしているのが苦手

な方が多いのでなるべく早

くできる様に心がけても

らっているそうです。

 

他の施設で、それも五日

間という長期間研修させて

いただくのは初めての経験

でしたが、職員の皆さんの

親切な対応でとても充実し

た研修期間を送らせていた

だきました。

 

様々な支援方法が考案さ

れている昨今、普段自身が

行っている物理的構造化を

中心とした支援とはまた異

なる、ワークシステムや視

覚的支援を用いた利用者さ

んへの関わりや支援の実際

を目の当たりにし、大いに

刺激を受けた一方で、利用

者さんに寄り添い、特性を

理解すること、職員が連携

あさけ学園の実習を終えて

社会福祉法人めひの野園 古瀬大祐

し、統一された支援を行う

という根本の目的は変わら

ないのだと改めて気づかさ

れた思いです。

 

あさけ学園さんでの研修

で得られた気づきをこれか

らの自身の支援に活かせる

よう努めていきたいと思い

ます。お忙しい中研修を受

け入れていただき、本当に

ありがとうございました。

令和元年九月一日から

十二月三十一日まで

(敬称略)

 

▽二ノ宮大輝(高田短

期大学)▽柴田孝之(菰

野町長)▽浅野優子(障

がい者センターあいさん

ハウス)▽渡邉友紀(愛

厚弥富の里)▽古瀬大祐

(社会福祉法人めひの野

園)

●この度「檜の

里」が一〇〇号

記念紙を発行す

ることとなりま

した。

 

本当に月日の経

つのは早いのに

感心するととも

に、今日まで当紙の編集

に関わってこられた方々

に心から感謝したいと思

います。

 

この間、「社会福祉法人

檜の里」は日本最初の成

人自閉症者のための療育

施設として、多くの問題

を抱えながら関係者の皆

様のご努力により、今日

の姿になってきたことを

ともに喜び合いたいと思

います。

 

いつも私が言っていま

すが、あさけ学園は現在

三つの老化をかかえてお

ります。

 

すなわち利用者の老

化、保護者の老化、施設

の老化です。簡単に解決

する問題ではありません

が、皆さんのご協力によ

り、なんとか乗り越えて、

次の「檜の里」一五〇号、

二〇〇号記念紙発行を目

指したいと思います。

(理事長 

山田 

勉)

 

カナヅ理容さんは来年の

四月でなんと五十周年!店

主の吉誉さんは高校卒業

後、トヨタ自動車に一年勤

められた後大阪で修行し

て、二十四歳で現在のお

店を始めたという少し変

わった経歴の持ち主で現在

七十三歳。

 

職業柄、足腰や肩の痛み

があり以前ほど手早く行う

事が難しくなっているとの

事ですが「付き添いの方に

も協力してもらいながら末

永くよろしくお願いしま

す。」とご夫婦そろって笑

顔で答えていただいたのが

印象的でした。

(支援員 

池田健一郎)

第三十五号『こんにちは』

掲載(平成十年六月十五日

発行)

学園だより━*

あさけ学園の

お客様

一〇〇号記念―特集―

永年お世話になった地域の方々