15
注1 令和2年中の火災件数等の数値は、速報値であり確定値ではありません。 注2 小数点以下の数値は四捨五入しており、個々の数値の和が合計と合致しない場合があります。 注3 表中の符号「‐」は0 又は該当数字なし、「▼」は減少を示しています。 注4 治外法権火災(大使館等の治外法権対象物から出火した火災)及び管外からの延焼火災は、件 数のみ計上しています。 注5 年齢区分は以下のとおりです。 乳 幼 児・・・5 歳以下 未 成 年・・・6~19 歳 人・・・20~64 歳 前期高齢者・・・65~74 歳 後期高齢者・・・75 歳以上 高 齢 者・・・前期高齢者と後期高齢者の合算 注6 負傷程度は以下のとおりです。 篤・・・生命の危険が切迫しているもの 症・・・生命の危険が強いと認められたもの 中 等 症・・・生命の危険はないが入院を要するもの 症・・・軽易で入院を要しないもの 注7 建物構造関係は以下のとおりです。 耐 火 造・・・耐火建築物をいい、柱や壁などが鉄筋コンクリートなどで造られたもので、 外壁の開口部に防火戸等を設けた建築物をいう。 準 耐 火 造・・・準耐火建築物をいい、耐火建築物以外の建築物で、柱を鉄骨、壁をALC(軽 量気泡コンクリート)などで造られたもので、外壁の開口部に防火戸等を設 けた建築物をいう。 防 火 造・・・防火構造建築物をいい、外壁や軒裏が鉄鋼モルタルなどで造られ、屋根を瓦 などで造るか又はふいた建築物をいう。 造・・・木造建築物をいい、防火構造建築物以外の建築物で、柱やはりが主に木で造 られたものをいう。 その他構造・・・木造、防火造、準耐火造及び耐火造に分類できないもの。 注8 焼損程度は以下のとおりです。 焼・・・建物の 70%以上を焼損したもの又はこれ未満であっても残存部分に補修を加 えて再使用できないもの 焼・・・建物の 20%以上 70%未満を焼損したもの 部 分 焼・・・全焼、半焼、ぼやに該当しないもの や・・・建物の 10%未満を焼損したもので、かつ、焼損床面積又は焼損表面積が 1 平 方メートル未満のもの、又は収容物のみを焼損したものをいう。 延焼拡大率・・・火災件数に占める部分焼以上に延焼した火災の割合 令和2年第3四半期(1月から9月まで)の火災状況について

令和2年第3四半期(1月から9月まで)の火災状況について · 2,958 2,042 58 64 334 1,586 2 173 1 - 738 2 - 13,623 6,793 67 582 前年比 434 231 24 5 44 158 5 3

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注1 令和2年中の火災件数等の数値は、速報値であり確定値ではありません。

注2 小数点以下の数値は四捨五入しており、個々の数値の和が合計と合致しない場合があります。

注3 表中の符号「‐」は 0 又は該当数字なし、「▼」は減少を示しています。

注4 治外法権火災(大使館等の治外法権対象物から出火した火災)及び管外からの延焼火災は、件

数のみ計上しています。

注5 年齢区分は以下のとおりです。

乳 幼 児・・・5 歳以下

未 成 年・・・6~19 歳

成 人・・・20~64 歳

前期高齢者・・・65~74 歳

後期高齢者・・・75 歳以上

高 齢 者・・・前期高齢者と後期高齢者の合算

注6 負傷程度は以下のとおりです。

重 篤・・・生命の危険が切迫しているもの

重 症・・・生命の危険が強いと認められたもの

中 等 症・・・生命の危険はないが入院を要するもの

軽 症・・・軽易で入院を要しないもの

注7 建物構造関係は以下のとおりです。

耐 火 造・・・耐火建築物をいい、柱や壁などが鉄筋コンクリートなどで造られたもので、

外壁の開口部に防火戸等を設けた建築物をいう。

準 耐 火 造・・・準耐火建築物をいい、耐火建築物以外の建築物で、柱を鉄骨、壁をALC(軽

量気泡コンクリート)などで造られたもので、外壁の開口部に防火戸等を設

けた建築物をいう。

防 火 造・・・防火構造建築物をいい、外壁や軒裏が鉄鋼モルタルなどで造られ、屋根を瓦

などで造るか又はふいた建築物をいう。

木 造・・・木造建築物をいい、防火構造建築物以外の建築物で、柱やはりが主に木で造

られたものをいう。

その他構造・・・木造、防火造、準耐火造及び耐火造に分類できないもの。

注8 焼損程度は以下のとおりです。

全 焼・・・建物の 70%以上を焼損したもの又はこれ未満であっても残存部分に補修を加

えて再使用できないもの

半 焼・・・建物の 20%以上 70%未満を焼損したもの

部 分 焼・・・全焼、半焼、ぼやに該当しないもの

ぼ や・・・建物の 10%未満を焼損したもので、かつ、焼損床面積又は焼損表面積が 1 平

方メートル未満のもの、又は収容物のみを焼損したものをいう。

延焼拡大率・・・火災件数に占める部分焼以上に延焼した火災の割合

令和2年第3四半期(1月から9月まで)の火災状況について

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注9 損害関係は以下のとおりです。

焼損床面積・・・建物の焼損が立体的に及んだ場合(耐火建物の内部が、立体的に焼損した場

合を含む。)に、建物としての機能が失われた部分について、その部分を床面

積の算定方法(その部分の水平投影面積)で算定する。

焼損表面積・・・建物の焼損が平面的で、立体的でない場合(耐火建物の内部が、表面的に焼

損した場合を含む。)に焼損部分を表面積で算定する。

主な出火原因分類の内訳は以下のとおりです。

分 類 内 容

放 火 ・ 疑 い 放火、無意識放火、放火の疑い

火 遊 び 火遊び

た ば こ たばこ

ガ ス テ ー ブ ル 等 ガスこんろ、ガステーブル、オーブン付ガステーブル、カセットこんろ

た き 火 たき火、焼却火

風呂がま(家庭) 風呂がま

溶 接 器 電気溶接器、溶接器、切断器、溶融片

石 油 ス ト ー ブ 等 石油ストーブ、石油ファンヒーター、ガソリンストーブ、石油火鉢

花 火 煙火、花火

マ ッ チ マッチ

ガ ス ス ト ー ブ ガスストーブ、ガスファンヒーター、ガス火鉢、簡易型ガスストーブ

電 気 ス ト ー ブ 電気ストーブ、温風機、ハロゲンヒーター、カーボンヒーター

電 気 コ ー ド 電気コード

取 灰 取灰

差 込 み プ ラ グ 差込みプラグ

ご み 焼 却 炉 ごみ焼却炉

ラ イ タ ー ライター

電 気 こ ん ろ 電気こんろ、電気クッキングヒーター

配 電 線 配電線・き電線(高圧・低圧)

コ ン セ ン ト コンセント

業務用ガスレンジ 業務用オーブン付ガスこんろ

ロ ウ ソ ク ロウソク、灯明、ちょうちん、燈ろう、走馬灯

蚊 取 線 香 蚊取線香

漏 電 漏電により発熱した部分

屋 内 線 屋内線

テ レ ビ テレビ

白 熱 灯 ス タ ン ド 白熱灯スタンド

蛍 光 灯 蛍光灯、蛍光灯スタンド

コ ン デ ン サ コンデンサ(高圧・低圧)、コンデンサリアクトル

業務用ガスこんろ 業務用ガスこんろ

ガ ス バ ー ナ ー ガスバーナー

火 の つ い た 紙 火のついた紙

電 気 冷 蔵 庫 電気冷蔵庫

モ ー タ ー 単相モーター、三相モーター

そ の 他 上記以外

※器具付きコードは出火した製品の本体に、消したはずのふとんはその他に計上しています。

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1

1 火災の発生状況

最近5年間の火災状況をみたものが表1です。

表1 最近5年間の火災状況

建 物 火 災 林

権 管外からの

焼損床面積

(

㎡)

焼損表面積

(

㎡)

平成 28 年

2,897 2,017 60 68 313 1,576 1 203 1 1 672 2 - 13,416 5,556 69

(83) 658

平成 29 年

3,150 2,092 65 64 366 1,597 3 171 - - 883 1 - 16,754 6,514 60

(79) 584

平成 30 年

2,956 2,003 50 65 340 1,548 2 166 2 - 782 1 - 13,541 10,294 64

(86) 617

令和 元年

3,111 2,164 70 64 347 1,683 5 161 1 - 776 3 1 14,434 6,133 79

(108) 541

令和 2年

2,677 1,933 46 59 303 1,525 - 164 - - 579 1 - 9,968 5,469 65 508

5年 平均

2,958 2,042 58 64 334 1,586 2 173 1 - 738 2 - 13,623 6,793 67 582

前年比 ▼434 ▼231 ▼24 ▼5 ▼44 ▼158 ▼5 3 ▼1 - ▼197 ▼2 ▼1 ▼4,466 ▼664 ▼14 ▼33

5年 平均比

▼281 ▼109 ▼12 ▼5 ▼31 ▼61 ▼2 ▼9 ▼1 - ▼159 ▼1 - ▼3,655 ▼1,324 ▼2 ▼74

注1 死者欄の( )内の数値は年中の死者数を示しています。

2 治外法権火災及び管外からの延焼火災は、件数のみ計上しています。

○ 令和2年第3四半期までの火災件数は 2,677 件で、最近5年間で最少。

○ 1日あたりの火災件数は、平均 9.8 件発生。

○ 全火災件数に占める建物火災の割合は 72.2%で、前年同期(69.6%)より 2.6 ポイ

ント増加し、全火災件数の7割以上を占める。

○ 延焼拡大率(建物火災に占める部分焼以上の火災の割合)をみると 21.1%で、前年同

期(22.2%)と比べて 1.1 ポイント減少。

○ 焼損床面積が最近5年間で最少。

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2

2 火災による死傷者の状況

⑴ 火災による死者

火災による死者発生状況をみたものが表2、年齢区分及び主な出火原因別の死者発

生状況をみたものが表3です。

表2 最近5年間の火災による死者発生状況(自殺を除く)

表3 年齢区分及び主な出火原因別の死者発生状況(自殺を除く)

年 齢 区 分

男 女 別 主 な 出 火 原 因

火 (

疑い含む)

電気コード

テーブル等

合 計 元年 68 44 24 25 7 3 - 1 - 32

2年 58 35 23 7 7 6 3 2 1 32

乳 幼 児 元年 1 - 1 - - - - - - 1

2年 - - - - - - - - - -

未 成 年 元年 - - - - - - - - - -

2年 - - - - - - - - - -

成 人 元年 24 16 8 10 1 - - - - 13

2年 12 7 5 3 4 2 - - - 3

小 計 元年 43 28 15 15 6 3 - 1 - 18

2年 46 28 18 4 3 4 3 2 1 29

前期高齢者 元年 22 18 4 11 3 - - 1 - 7

2年 10 8 2 1 2 - - - - 7

後期高齢者 元年 21 10 11 4 3 3 - - - 11

2年 36 20 16 3 1 4 3 2 1 22

年 別

死者の発生した火災件数

火 災 種 別 死

年 齢 区 分

建 物 火 災 車

舶 航

高 齢 者 年

前期高齢者

後期高齢者

平成 28 年 52(2,895) 1.80 51 13 11 21 6 1 - - - 55 - - 17 36 18 18 2

平成 29 年 46(3,149) 1.46 45 13 9 21 2 1 - - - 48 - - 14 34 11 23 -

平成 30 年 49(2,955) 1.66 49 11 5 27 6 - - - - 55 - - 13 42 19 23 -

令 和 元 年 60(3,107) 1.93 60 12 13 26 9 - - - - 68 1 - 24 43 22 21 -

令 和 2 年 53(2,676) 1.98 53 18 9 23 3 - - - - 58 - - 12 46 10 36 -

5 年 平 均 52 1.77 52 13 9 24 5 - - - - 57 - - 16 40 16 24 -

前 年 比 ▼7 0.05 ▼7 6 ▼4 ▼3 ▼6 - - - - ▼10 ▼1 - ▼12 3 ▼12 15 -

5年平均比 1 0.21 1 5 - ▼1 ▼2 - - - - 1 - - ▼4 6 ▼6 12 -

注1 ( )内の数値は、全火災件数から治外法権火災及び管外からの延焼火災の件数を除いた数値になります。

2 死者発生率は「死者の発生した火災件数÷全火災件数」の計算式で算出しています。

○ 火災による死者数は 58人(前年同期比 10 人減少)発生。

○ 主な出火原因別の死者発生状況は、たばこ及び放火(疑い含む)による死者が7人で最多。

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3

⑵ 火災による負傷者

負傷程度別負傷者発生状況をみたものが表4、年齢区分別負傷者発生状況をみたも

のが表5です。

表4 最近5年間の負傷程度別負傷者発生状況

年 別 合 計

負 傷 程 度 負 傷 者 区 分

重 篤 重 症 中 等 症 軽 症 一 般 人 消防活動

従 事 者

平 成 2 8 年 658(8) 18(5) 80(3) 136(-) 424(-) 649 9

平 成 2 9 年 584(8) 18(7) 62(1) 160(-) 344(-) 577 7

平 成 3 0 年 617(15) 33(11) 80(4) 144(-) 360(-) 606 11

令 和 元 年 541(7) 22(4) 61(2) 126(1) 332(-) 536 5

令 和 2 年 508(2) 11(1) 51(1) 140(-) 306(-) 504 4

5 年 平 均 582(8) 20(6) 67(2) 141(-) 353(-) 574 7

前 年 比 ▼33(▼5) ▼11(▼3) ▼10(▼1) 14(▼1) ▼26(-) ▼32 ▼1

5 年 平 均 比 ▼74(▼6) ▼9(▼5) ▼16(▼1) ▼1(-) ▼47(-) ▼70 ▼3

注 ( )内は 30 日死者を内数で示しています。

表5 最近5年間の年齢区分別負傷者発生状況

年 別 合 計

年 齢 区 分

乳 幼 児 未 成 年 成 人

高 齢 者

小 計 前 期

高 齢 者

後 期

高 齢 者

平 成 2 8 年 658 10 42 410 196 97 99

平 成 2 9 年 584 8 31 368 177 76 101

平 成 3 0 年 617 4 21 421 171 77 94

令 和 元 年 541 8 23 350 160 65 95

令 和 2 年 508 15 33 302 158 72 86

5 年 平 均 582 9 30 370 172 77 95

前 年 比 ▼33 7 10 ▼48 ▼2 7 ▼9

5 年 平 均 比 ▼74 6 3 ▼68 ▼14 ▼5 ▼9

○ 火災による負傷者は 508 人(前年同期比 33 人減少)発生し、最近5年間で最少。

○ 年齢区分別負傷者をみると、成人が 302 人(59.4%、前年同期比 48 人減少)と最多。

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4

3 主な出火原因別の火災状況

⑴ 主な出火原因別の状況

主な出火原因別(上位 10 位)の火災状況をみたものが図1です。

⑵ 設備機器別の火災状況

火災を出火に直接関係したもの別に電気設備機器、ガス設備機器、石油設備機器に

分類し、件数(放火、火遊び、車両から出火した火災を除く。以下同じ。)をみたもの

が図2、全火災件数に占める割合をみたものが図3です。

484561

257

81 49 68 59 45 38 32

478

366

284

57 47 46 44 39 33 29

556479

260

73 48 51 55 42 31 300

100

200

300

400

500

600

放火

(疑い含む)

たばこ ガス

テーブル等

業務用ガス

こんろ

電気

コード

差込み

プラグ

電気

ストーブ

コンセント 蛍光灯 ロウソク

(件)

図1 主な出火原因別の火災状況(上位10位)

令和元年

令和2年

5年平均

26.9 26.7 29.4 30.5 30.9

21.4 21.4 17.8

15.6

17.9

15.1

12.9 12.7 13.7

15.2

14.6

17.0 17.2

18.1

13.7

0.7 0.7 0.9 0.7 0.7 0

5

10

15

20

25

30

35

28年 29年 30年 元年 2年

図3 最近5年間の各設備機器と放火及びたばこ火災の構成割合

電気設備機器

放火(疑い含む)

ガス設備機器

たばこ

石油設備機器

○ 主な出火原因の最多は、放火(疑い含む)の 478 件で前年同期と比べて6件減少。

○ たばこは 366 件で前年同期と比べて 195 件減少、最近5年間で最少。

○ ガステーブル等は 284件で前年同期と比べて 27件増加。

○ 電気設備機器の火災件数は 828 件で前年同期と比べて 119 件減少、全火災件数に

占める割合は 30.9%で前年同期と比べて 0.4 ポイント増加。

779 841 870947 828

619674 526

484

478

438

406 374425

407422

536508

561

366

21 22 27 21 180

200

400

600

800

1,000

28年 29年 30年 元年 2年

図2 最近5年間の各設備機器と放火及びたばこ火災件数

電気設備機器

放火(疑い含む)

ガス設備機器

たばこ

石油設備機器

(件)

(%)

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5

4 主な建物用途別の火災状況

建物から出火した火災のうち、住宅(共同住宅等含む)及び住宅以外の用途(上位8

位)から出火した火災をみたものが表6、主な火元建物用途別の火災状況(上位 10位)

をみたものが図4です。住宅以外の用途から出火した火災の主な出火原因をみたものが

表7-1で、住宅火災の主な出火原因をみたものが表7-2です。

表6 建物用途別の火災状況

年 別

災(

計)

住 宅 火 災 住 宅 以 外 の 用 途 ( 上 位 8 位 )

物品販売店舗等

社会福祉施設等

平成 28 年 1,951 1,071 671 400 245 93 78 69 26 11 20 13

平成 29 年 2,007 1,174 749 425 235 118 82 51 19 17 8 20

平成 30 年 1,935 1,084 698 386 243 100 76 77 32 12 12 15

令和元年 2,090 1,147 702 445 272 130 89 64 40 21 14 14

令和2年 1,887 1,152 733 419 189 117 83 42 20 17 17 16

5年平均 1,974 1,126 711 415 237 112 82 61 27 16 14 16

前 年 比 ▼203 5 31 ▼26 ▼83 ▼13 ▼6 ▼22 ▼20 ▼4 3 2

5 年

平 均 比 ▼87 26 22 4 ▼48 5 1 ▼19 ▼7 1 3 -

注1 事務所等は 15 項のうち事務所、官公署及び銀行の合計です。

2 社会福祉施設等は六項ロ及びハの合計です(表6含む。)。

702

445

272

13089

64 40 21 14 14

733

419

189117 83

42 20 17 17 16

711

415

237

112 82 6127 17 14 16

0

100

200

300

400

500

600

700

800

共同

住宅等

住宅 飲食店 事務所等 物品販売

店舗等

工場・

作業場

学校等 社会福祉

施設等

停車場等 病院等

(件)

図4 主な火元建物用途別の火災状況(上位10位)

令和元年

令和2年

5年平均

○ 建物から出火した火災は 1,887 件で前年同期と比べて 203 件減少。

○ 住宅火災は 1,152 件(61.0%)で6割以上を占める。

○ 飲食店は 189 件で前年同期と比べて 83 件減少。

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6

表7-1 住宅以外の用途から出火した火災の主な出火原因

(

疑い含む)

飲 食 店

元 年 272 74 27 12 7 7 7 4 134

2 年 189 49 22 7 6 5 3 3 94

5年平均 237 63 19 10 9 9 4 3 120

前 年 比 ▼83 ▼25 ▼5 ▼5 ▼1 ▼2 ▼4 ▼1 ▼40

こ コ

事務所等

元 年 130 18 8 5 8 3 5 1 1 81

2 年 117 11 10 9 5 5 3 2 2 70

5年平均 112 11 6 6 7 4 3 1 1 72

前 年 比 ▼13 ▼7 2 4 ▼3 2 ▼2 1 1 ▼11

計 た

(

疑い含む)

物品販売

店 舗 等

元 年 89 4 2 5 6 6 4 1 5 1 55

2 年 83 10 8 6 4 4 3 2 2 2 42

5年平均 82 5 6 5 5 5 3 1 4 1 49

前 年 比 ▼6 6 6 1 ▼2 ▼2 ▼1 1 ▼3 1 ▼13

工 場 ・

作 業 場

元 年 64 3 1 - 7 53

2 年 42 6 3 2 2 29

5年平均 61 5 1 2 5 47

前 年 比 ▼22 3 2 2 ▼5 ▼24

(

疑い含む)

学 校 等

元 年 40 - 7 2 1 - - 1 29

2 年 20 2 2 1 1 1 1 1 11

5年平均 27 1 4 1 1 - - 1 19

前 年 比 ▼20 2 ▼5 ▼1 - 1 1 - ▼18

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7

(

疑い含む)

社会福祉

施 設 等

元 年 21 1 3 - - 2 1 - 1 13

2 年 17 2 1 1 1 1 1 1 1 8

5年平均 16 1 1 - - 1 1 - 2 10

前 年 比 ▼4 1 ▼2 1 1 ▼1 - 1 - ▼5

(

疑い含む)

停車場等

元 年 14 4 1 9

2 年 17 3 1 13

5年平均 14 3 2 9

前 年 比 3 ▼1 - 4

(疑い含む)

病 院 等

元 年 14 2 - 1 11

2 年 16 2 1 1 12

5年平均 16 3 - 1 12

前 年 比 2 - 1 - 1

表7-2 住宅火災の主な出火原因

(

疑い含む)

住 宅 ・

共同住宅等

元 年 1,147 236 213 90 53 29 22 17 27 16 444

2 年 1,152 275 149 115 40 28 27 20 16 14 468

5年平均 1,126 242 189 102 52 27 25 19 20 19 431

前 年 比 5 39 ▼64 25 ▼13 ▼1 5 3 ▼11 ▼2 24

○ 飲食店の主な出火原因は、全項目で前年同期と比べて減少。

○ 物品販売店舗等の主な出火原因のたばこ及び放火(疑い含む)は、前年同期と比べ

て2倍以上に増加。

○ 学校等の主な出火原因の放火(疑い含む)は前年同期と比べて5件減少。

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8

5 住宅火災の状況

⑴ 住宅火災及び住宅火災による死者の状況

住宅火災件数と住宅火災により発生した死者数(自殺を除く)をみたものが図5、

住宅火災の主な出火原因別をみたものが図6です。

○ 住宅火災は、1,000 件台から 1,100 件台で推移。

○ 住宅火災の死者は 53 人(前年同期比 10人減少)発生し、このうち高齢者は 42 人

(79.2%、前年同期同数)発生。

○ 住宅火災の主な出火原因をみると、ガステーブル等が 275 件(23.9%)で最も多

く、次いでたばこが 149 件(12.9%)、放火(疑い含む)が 115 件(10.0%)。

1,0711,174

1,084 1,147 1,152

50

42

48

63

53

35

3139

42 42

0

10

20

30

40

50

60

70

0

300

600

900

1,200

1,500

1,800

平成28年 平成29年 平成30年 令和元年 令和2年

(人)(件)

住宅火災件数

住宅火災による

死者数

住宅火災による

死者のうち

高齢者数

236213

90

5329 22 17 27 16 9

275

149

115

4028 27 20 16 14 10

242

189

102

5227 25 19 20 19 11

0

50

100

150

200

250

300

ガス

テーブル等

たばこ 放火

(疑い含む)

電気

ストーブ

ロウソク 電気

コード

コンセント 差込み

プラグ

電気こんろ 石油

ストーブ等

(件)

図6 住宅火災の主な出火原因(上位10位)

令和元年

令和2年

5年平均

図5 最近5年間の住宅火災件数と住宅火災による死者数の推移(自損を除く)

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9

36件

4.0%

37件

14.1%

30件

3.5%

63件

22.2%

145件

16.3%

56件

21.3%

144件

16.7%

63件

22.2%

708件

79.6%

170件

64.6%

689件

79.8%

158件

55.6%

0% 20% 40% 60% 80% 100%

設置あり

(889件)

設置なし

(263件)

設置あり

(863件)

設置なし

(284件)

全焼・半焼

部分焼

ぼや

⑵ 火元住戸における住宅用火災警報器又は自動火災報知設備、火災安全システム及

び警備会社の警報器の設置状況

注1 住警器・・・・住宅用火災警報器

2 自火報等・・・自動火災報知設備、火災安全システム及び警備会社の警報器

ア 火災状況

火元住戸における住警器又は自火報等の設置状況をみたものが図7、住警器又は

自火報等の設置区分別の火災程度の状況をみたものが図8です。

○ 住宅火災の火元住戸のうち住警器又は自火報等が設置されていた割合は、77.2%

(889 件)で前年同期より 2.0ポイント増加。

○ 「設置なし」の部分焼以上の割合は 35.4%で、「設置あり」の 20.4%と比較し 15.0

ポイント高い。

45.7%(527件)

45.8%(525件)

31.4%(362件)

29.5%(338件)

22.8%(263件)

24.8%(284件)

0% 20% 40% 60% 80% 100%

令和

2年

令和

元年

住警器

設置あり

自火報等

設置あり

設置なし

令 和元 年

令 和 2 年

図7 火元住戸における住警器又は自火報等の設置状況

図8 住警器又は自火報等の設置区分別の火災程度の状況

1,147 件

1,152 件

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10

イ 死者の状況

住宅火災による死者(自殺を除く)を火元住戸の住警器又は自火報等の設置状

況別にみたものが表8です。

表8 住警器又は自火報等の設置区分別死者の状況(自殺を除く)

設 置 区 分

年 齢 区 分 家 族 構 成

し 高

合 計 元年 63 - - 21 22 20 20 15 10 8 10

2年 53 - - 11 8 34 21 14 7 8 3

住 警 器

設 置 あ り

元年 19 - - 6 5 8 5 9 2 - 3

2年 31 - - 5 4 22 12 9 3 6 1

自 火 報 等

設 置 あ り

元年 9 - - 3 5 1 3 1 - 2 3

2年 1 - - - - 1 1 - - - -

設 置 な し 元年 35 - - 12 12 11 12 5 8 6 4

2年 21 - - 6 4 11 8 5 4 2 2

○ 住宅火災による死者のうち火元住戸に住警器又は自火報等が設置されている割合

は60.4%で、前年同期より16.0ポイント増加。

○ 住宅火災による死者を家族構成別にみると、高齢者一人暮しが21人(39.6%)と

最多。

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11

6 令和2年第3四半期の火災の特徴

⑴ 最近5年間の建物から出火した月別火災状況をみたものが表9です。

表9 最近5年間の建物から出火した月別火災状況

月 7

合 計 9,860 1,413 1,331 1,216 1,105 1,036 973 928 967 891

平 成 2 8 年 1,949 298 247 230 218 207 201 204 171 173

住 宅 火 災 1,071 186 144 131 129 117 98 95 84 87

住宅火災以外 878 112 103 99 89 90 103 109 87 86

平 成 2 9 年 2,004 287 262 279 221 199 217 177 191 171

住 宅 火 災 1,174 182 167 186 120 113 122 91 96 97

住宅火災以外 830 105 95 93 101 86 95 86 95 74

平 成 3 0 年 1,934 273 266 224 211 212 196 187 195 170

住 宅 火 災 1,084 178 169 133 119 108 92 93 100 92

住宅火災以外 850 95 97 91 92 104 104 94 95 78

令 和 元 年 2,088 283 267 252 259 226 185 202 213 201

住 宅 火 災 1,147 175 162 145 152 124 87 90 110 102

住宅火災以外 941 108 105 107 107 102 98 112 103 99

令 和 2 年 1,885 272 289 231 196 192 174 158 197 176

住 宅 火 災 1,152 182 156 138 135 140 99 89 118 95

住宅火災以外 733 90 133 93 61 52 75 69 79 81

○ 住宅火災の火災件数をみると、令和2年は 1,152 件で、最近5年間で二番目に多い。

○ 建物火災から出火した火災に占める住宅火災の割合をみると、令和2年は 61.1%

で、最近5年間で最も高く、二番目に高い平成 29 年(58.6%)と比べても 2.5 ポイン

ト高い。

○ 住宅火災以外の火災件数をみると、令和2年は 733 件で、最近5年間で最も少なく、

二番目に少ない平成 29 年(830 件)と比べても 97 件と大幅に減少。

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12

⑵ 最近5年間の住宅火災(5,628 件)のうち、ガステーブル等から出火した火災の火

災に至った理由別状況をみたものが表 10、行為者年齢区分別をみたものが図9で

す。

表 10 最近5年間のガステーブル等から出火した住宅火災の火災に至った理由別状況

放置する・忘れる

可燃物が接触する

誤ってスイッチが

り 使

可燃物が沸騰する

可燃物が落下する

可燃物が転倒する

合 計 1,212 489 179 135 97 72 67 65 16 13 8 47 24

平 成 2 8 年 256 111 32 26 27 17 9 12 2 3 1 10 6

平 成 2 9 年 245 116 24 31 15 16 7 8 4 2 1 13 8

平 成 3 0 年 200 83 26 23 14 5 13 18 2 - 1 11 4

令 和 元 年 236 79 49 25 12 14 21 18 1 3 2 7 5

令 和 2 年 275 100 48 30 29 20 17 9 7 5 3 6 1

注 行為者不明(5年間合計 60 件)を除いています。

0.2%

2件

0.8%

2件

4.4%

51件

7.0%

17件

3.6%

8件

2.5%

5件

5.0%

12件

3.6%

9件

59.9%

690件

56.6%

138件

59.4%

133件

62.4%

123件

61.3%

146件

60.2%

150件

15.4%

177件

16.0%

39件

14.3%

32件

13.2%

26件

18.5%

44件

14.5%

36件

20.1%

232件

20.5%

50件

22.8%

51件

21.8%

43件

15.1%

36件

20.9%

52件

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%

5年間

合計

令和2年

令和元年

平成30年

平成29年

平成28年

図9 住宅火災におけるガステーブル等の行為者年齢区分

乳幼児

(5歳以下)

未成年

(6歳から19歳)

成人

(20~64歳)

前期高齢者

(65歳~74歳)

後期高齢者

(75歳以上)

249件

238件

197件

224件

244件

1,152件

Page 15: 令和2年第3四半期(1月から9月まで)の火災状況について · 2,958 2,042 58 64 334 1,586 2 173 1 - 738 2 - 13,623 6,793 67 582 前年比 434 231 24 5 44 158 5 3

13

○ 住宅火災のガステーブル等から出火した火災件数をみると、令和2年は 275 件発生

し、最近5年間で最多。

○ 火災に至った理由別をみると、令和2年は「放置する・忘れる」の 100 件(36.4%)

が最も多く、次いで「可燃物が接触する」が 48 件(17.5%)、「接炎する」が 30 件

(10.9%)、「引火する」が 29 件(10.5%)、「過熱する」が 20 件(7.3%)発生。

○ 令和2年の火災に至った理由別件数を前年同期と比べてみると、「放置する・忘れ

る」の 21 件増加が最も多く、次いで「引火する」が 17 件増加、「過熱する」が6件

増加。

○ 「引火する」(29 件)の着火物をみると、「LPG(エアゾール用)」が 16 件(55.2%)、

「LPG(カセット用)」が5件(17.2%)で7割以上を占める。

○ 「引火する」の出火場所別でみると、台所・ダイニングキッチンで 26 件(89.7%)

発生し、9割近くを占める。

○ ガステーブル等の行為者年齢区分別をみると、令和2年の未成年が 17 件(7.0%)

と最近5年間で最も多く、その火災に至った理由別をみると「放置する・忘れる」が

5件(29.4%)、「過熱する」及び「可燃物が接触する」が各3件(17.6%)で6割以

上を占める。