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経営効率化への取組みについて 平成20年7月 関西電力株式会社

【最終】 H20改定効率化計画(H20 7 22) 2 - KEPCO2008/08/25  · 当期純利益 1,184 1,101 1,435 1,176 554 (注1)金額は億円未満切捨で記載している。

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  • 経営効率化への取組みについて

    平成20年7月

    関西電力株式会社

  • - 1 -

    目 次

    はじめに ・・・・・ 2

    Ⅰ.当社の収支状況 ・・・・・ 3

    Ⅱ.経営効率化への具体的な取組み(電気料金への織り込み) ・・・・・ 6

    1.設備形成、設備運用・保全の効率化 ・・・・・ 6

    2.資材調達コストの低減 ・・・・・ 9

    3.燃料調達コストの低減 ・・・・・ 9

    4.業務運営の効率化 ・・・・・10

    5.研究開発の推進 ・・・・・12

    Ⅲ.お客さまのニーズにお応えしていくための取組み ・・・・・13

    1.さらなるお客さま価値の創造 ・・・・・13

    2.負荷平準化への取組み ・・・・・14

    <効率化事例集> ・・・・・16

  • - 2 -

    はじめに

    平成12年3月に開始された我が国の電力小売市場の部分自由化は、平成17年4月

    からは高圧受電全てのお客さまが対象となり、当社販売電力量の約6割までその範囲が

    拡大されました。さらに、平成19年4月以降、総合資源エネルギー調査会電気事業分

    科会において電気事業制度改革の検討が進められてきましたが、その結果、小売の全面

    自由化は見送られる一方で、安定供給や環境適合との同時達成を前提としたさらなる競

    争環境整備がなされることとなりました。 当社はこれまでも、こうした経営環境の変化や電力自由化の進展を見据え、これまで

    培ってきた技術力を最大限活用し、絶えず創意工夫を積み重ねることで、電力の安全・

    安定供給を確保しつつ、経営全般にわたる効率化を積極的に進めてまいりました。こう

    した経営効率化の成果により、部分自由化が開始された平成12年以降、4度にわたる

    電気料金の引下げを実施し、価格競争力の強化を図るとともに、財務体質の改善をはじ

    めとする経営基盤の強化に努めてきたところです。 一方、当社をとりまく経営環境は大きく変化しつつあります。昨今の化石燃料価格の

    歴史的高騰や地球環境問題への社会的関心の高まり、電力供給設備の高経年化などとい

    った状況に鑑みると、今後の経営環境はますます厳しいものになることが予想され、一

    層の経営努力が不可欠であると認識しております。 こうした状況の中、当社は、送配電部門におけるコスト低減を踏まえ、託送供給料金

    の引下げを実施するとともに、あわせて、燃料費をはじめとする発電コストの増大とい

    った原価構造の大幅な変化を踏まえ、平成18年4月の電気料金改定以降の経営効率化

    の成果と今後見込まれる効率化を最大限反映させたうえで、本年9月1日から電気料金

    の見直しを実施することといたしました。 当社は、引き続き、CSRを軸として、社会のみなさまとのあらゆる接点においてし

    っかりと責任を果たしながら、安全を最優先とした事業活動を徹底してまいります。 また、低廉な電気を安定的にお客さまにお届けすることはもとより、経営環境の変化に

    適切に対応しつつ、たゆまぬ効率化に取り組むことにより、トップレベルの価格競争力

    の実現や、さらなる経営基盤の強化を図り、企業価値の増大に努めてまいります。 今後とも、変わらぬご支援、ご愛顧を賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げま

    す。

  • - 3 -

    Ⅰ.当社の収支状況

    [平成19年度の収支状況]

    平成19年度のわが国経済を見ますと、個人消費の伸び悩みや、年度終盤には景気の

    先行きに不透明感が見られたものの、輸出の増加を背景とした設備投資や生産の増加に

    牽引され、総じて景気は緩やかに回復を続けてまいりました。このような情勢に加え、

    冬場の気温が前年に比べて低く推移し、暖房需要が増加したことなどにより、総販売電

    力量は、1,504億2千万 kWh と前年度に比べて2.1%の増加となりました。 収入面では、総販売電力量の増加により電灯電力料収入が増加したことなどから、経

    常収益合計は2兆5,029億円と前年度に比べて800億円の増加(+3.3%)と

    なりました。 費用面では、諸経費の節減に努めましたが、燃料価格の上昇に加え、総販売電力量の

    増加や、他社からの購入電力量の減少などによる火力発電電力量の増加により、火力発

    電用の燃料費が大幅に増加したため、経常費用合計は2兆3,919億円と前年度に比

    べて、1,584億円の増加(+7.1%)となりました。 以上の結果、経常利益は1,109億円となりました。 また、原子力発電施設解体引当金に関し、法令等の改正に伴い放射性廃棄物として取

    扱う範囲が拡大されたことなどによる費用の増加額のうち、過年度の発電に対応する額

    として241億円を特別損失に計上したことなどにより、当期純利益は554億円とな

    りました。

    なお、平成19年度の利益水準は、至近5カ年で最も低位な水準となっています。 (次頁「至近5カ年の収支状況」をご覧ください。)

  • - 4 -

    [参考]至近5カ年の収支状況

    (単位:億円)

    平成 15 年度 平成 16 年度 平成 17 年度 平成 18 年度 平成 19 年度

    電灯電力料 23,007 23,646 23,155 22,810 23,445

    その他収益 857 999 1,007 1,418 1,583

    経常収益 23,864 24,646 24,162 24,228 25,029

    人件費 3,307 2,921 2,461 2,069 2,119

    燃料費

    (火力)

    (原子力)

    1,684

    (1,123)

    (561)

    2,429

    (1,980)

    (448)

    3,002

    (2,530)

    (471)

    3,583

    (3,101)

    (481)

    5,567

    (5,139)

    (427)

    原子力バックエンド

    費用 1,088 639 998 1,260 1,196

    購入電力料 3,721 4,100 4,046 4,158 3,793

    修繕費 1,858 1,846 2,087 2,354 2,295

    減価償却費 3,887 3,595 3,382 3,104 3,127

    支払利息 985 778 626 565 526

    公租公課 1,644 1,607 1,593 1,574 1,519

    その他費用 3,799 3,986 3,769 3,663 3,773

    経常費用 21,976 21,905 21,969 22,334 23,919

    経常利益 1,888 2,740 2,192 1,893 1,109

    当期純利益 1,184 1,101 1,435 1,176 554

    (注1)金額は億円未満切捨で記載している。

    (注2)原子力バックエンド費用には、使用済燃料再処理等費、使用済燃料再処理等準備費、特定放射性

    廃棄物処分費、原子力発電施設解体費を整理している。

    (注3)公租公課には、固定資産税、電源開発促進税、事業税、雑税、水利使用料を整理している。

    [平成20年度の収支見通し]

    最近の急激な燃料価格の上昇に加え、現在、定期検査中の大飯発電所3号機の運転再

    開時期見直しの影響などで火力発電量が増加することにより、火力発電用の燃料費の大

    幅な増加が見込まれることなどから、平成20年4月30日の決算発表時に公表しまし

    た業績予想を修正し、平成20年度通期の経常損失を1,200億円、当期純損失を 810億円(いずれも個別業績予想)と見込んでおり、極めて厳しい収支状況となる見

    通しです。

  • - 5 -

    [原価構造の変化]

    近年の傾向といたしましては、効率化の成果などによる設備投資の低減や低金利等に

    よる減価償却費・支払利息の減少や、退職年金制度改定等による人件費の減少がみられ

    る一方、燃料価格の高騰による燃料費のウェイト増が顕著になっております。 [参考]経常費用に占める各費用項目の割合

    29.7% 28.5% 29.0% 29.2% 27.0%

    22.2%20.0% 18.2% 16.4%

    15.3%

    8.5%8.4% 9.5% 10.5%

    9.6%

    16.9%18.7% 18.4% 18.6%

    15.9%

    7.7% 11.1% 13.7%16.0%

    23.3%

    15.0% 13.3%11.2% 9.3% 8.9%

    0%

    10%

    20%

    30%

    40%

    50%

    60%

    70%

    80%

    90%

    100%

    H15 H16 H17 H18 H19

    人件費

    減価償却費・支払利息

    修繕費

    購入電力料

    燃料費

    その他費用

  • - 6 -

    Ⅱ.経営効率化への具体的な取組み(電気料金への織り込み)

    今回の電気料金の算定にあたっては、当社がこれまで着実に進めてきた経営効率化の

    成果に加え、今後見込まれる効率化を最大限反映し、合わせて400億円程度の効率化

    を織り込んでおります。 以下、当社が進めております経営効率化の主な取組みをご紹介いたします。

    1.設備形成、設備運用・保全の効率化

    (1)近年の設備投資、修繕費の動向

    設備形成および設備運用・保全については、電力の安全・安定供給を前提とした

    効率化を積極的に進めてまいりましたが、近年、電力供給設備の高経年化が進み、

    設備更新工事や改修工事の物量が増加してきたことや、安全・安定運転に万全を期

    すために原子力発電所における耐震裕度向上対策を実施することなどにより、設備

    投資・修繕費とも増加傾向に転じております。とりわけ、平成20年度および21

    年度の設備投資計画は、堺港発電所のコンバインドサイクル発電方式への設備更新

    や舞鶴発電所2号機の建設工事が佳境を迎えることなどにより、至近年度の水準を

    大幅に上回っております。 [参考]設備投資額の推移(関西電力個別)

    2,0352,551

    3,265

    4,105

    4,790

    6,122

    7,548

    1,8062,237

    2,688

    4,042 4,045

    0

    2,000

    4,000

    6,000

    8,000

    H10 H11 H12 H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19 H20(計画)

    H21(計画)

    (単位:億円)

  • - 7 -

    [参考]設備投資額の内訳(関西電力個別)

    (単位:億円)

    平成 17 年度 (実績)

    平成 18 年度(実績)

    平成 19 年度(実績)

    平成 20 年度 (計画)

    平成 21 年度(計画)

    電 源 289 819 935 1,472 1,491 送 電 235 278 343 534 459 変 電 160 206 263 355 424 配 電 285 308 327 324 360 その他 146 135 226 495 399 計 1,115 1,746 2,094 3,180 3,133

    原子燃料 652 442 566 838 900

    電気事業計 1,767 2,188 2,660 4,018 4,033 附帯事業 39 49 28 24 12 総 計 1,806 2,237 2,688 4,042 4,045

    [参考]修繕費、販売電力量当たり修繕費の推移

    2,2952,354

    2,087

    1,8461,8582,066

    2,450

    2,778

    3,113

    3,472

    1.271.331.46

    1.75

    1.952.22

    2.50

    1.421.60 1.53

    0

    500

    1,000

    1,500

    2,000

    2,500

    3,000

    3,500

    4,000

    H10 H11 H12 H13 H14 H15 H16 H17 H18 H190.00

    0.50

    1.00

    1.50

    2.00

    2.50

    3.00

    3.50

    4.00修繕費

    販売電力量当たり修繕費

    (単位:億円) (単位:円/kWh)

  • - 8 -

    (2)設備形成、設備運用・保全に係る効率化への取組み 設備形成、設備運用・保全については、以下の取組みなどにより設備投資・修繕

    費等の抑制に努めました結果、今回の電気料金算定にあたっては、80億円程度の

    効率化を織り込んでおります。

    また、堺港発電所の設備更新による熱効率の向上により、10億円程度の効率化

    を織り込んでおります。

    [設備投資の抑制]

    設備投資については、安全・安定供給を前提とした適切な設備更新を基本としつつ、

    新工法の採用や創意工夫による建設費の抑制に努め、資産効率の向上を目指します。 電源開発については、将来の需要動向を踏まえ、エネルギーセキュリティ、環境負

    荷特性、経済性を総合勘案し、各電源をバランスよく組み合わせていくこととしてお

    り、堺港発電所のコンバインドサイクル発電方式への設備更新による熱効率の向上や、

    火力燃料の中で最も安価な石炭による舞鶴発電所2号機の建設推進など、引き続き効

    率的な設備形成を図ってまいります。なお、姫路第二発電所においても、コンバイン

    ドサイクル発電方式への設備更新について事業性評価を実施することとし、平成19

    年5月より環境影響評価手続きを進めております。 電力流通設備については、安全・安定供給確保の観点から計画的に適切な設備更新

    を推進するとともに、運用・保全のしやすい設備形成を進めることで、高品質かつ効

    率的な設備の構築を目指します。また、施工方法の工夫などにより、建設費の抑制を

    図るとともに、お客さまへの電力供給の工期短縮に努めてまいります。 [修繕費、諸経費の抑制]

    修繕費については、発電所の定期検査スケジュールの変動等による増減が避けられ

    ませんが、安全を最優先とした電気の安定供給を確保するため、積極的に資源を投入

    してまいります。同時に、設備の点検・補修に万全を期しつつ、新技術・新工法の導

    入、供給信頼度に影響を与えない範囲での事後保全化の範囲拡大、設備診断技術の向

    上による点検周期・工事範囲の見直しを行うことにより、設備保全の効率化に努めて

    まいります。また、火力発電所については、その一部を長期計画停止とすることによ

    り、修繕費、諸経費の抑制を図っております。 (次頁「長期計画停止ユニット(平成20年度)」をご覧ください。)

  • - 9 -

    [参考]長期計画停止ユニット(平成20年度)

    発電所名 ユニット 出力

    (万 kW) 備 考

    宮 津

    海 南

    多奈川第二

    1、2 号

    2 号

    1、2 号

    75.0

    45.0

    120.0

    既停止分

    計 5 ユニット 240.0

    2.資材調達コストの低減

    資材調達については、安全・品質・工事力を確保し、効率的な業務運営を実現するた

    めに、資材調達計画のホームページ掲載などによる新規取引先の開拓や発注方法の工夫

    など、市場の動向に対応した価格低減活動を継続してまいります。また、取引先とのパ

    ートナーシップの確立やグループ各社との連携強化を視野に入れながら、仕様・物流方

    法・発注単位の見直しをはじめとするサプライチェーンの全体最適化を推進してまいり

    ます。 3.燃料調達コストの低減

    火力燃料調達については、電力需要の変動に対する柔軟性を維持しつつ、石油・LN

    G・石炭の調達バランスの最適化を図ります。 石油については、内航船および備蓄タンクの追加確保を図るなど、需要増加時の対応

    力強化を推進してまいります。 LNGについては、調達先・契約期間の多様化を進める一方、上流権益取得や自社L

    NG船保有を推進し、ガスの生産から受入までの一貫体制の構築に努めてまいります。

    平成19年8月には、オーストラリアのプルートLNGプロジェクトにおいて当社初と

    なる権益を取得し、長期LNG購入に関する契約を締結しました。本プロジェクトは、

    平成22年以降の主要LNG供給源のひとつと位置づけております。 石炭については、柔軟性・経済性を勘案のうえで、購入契約における短期・中期・長

    期の組合せの最適化を図る一方、石炭専航船の確保を行っております。 原子燃料調達については、当社の基軸電源である原子力発電の安定性・経済性を高め

    る観点から、長期契約を基本としつつ調達先の分散を図る一方、発注方法や発注時期の

    工夫などに努めております。昨年、カザフスタン共和国のウラン鉱山開発プロジェクト

  • - 10 -

    への投融資を通じたウラン確保を行ったことにより、市況が上昇する中でも、経済性を

    維持しつつ、ウランの長期安定確保に道筋をつけることができました。 今後も、燃料調達の長期的な安定性・経済性の確保に努めてまいります。

    4.業務運営の効率化

    業務運営の効率化については、要員・組織の効率化やITの活用をはじめとする多

    様な取組みを推進してまいりました結果、今回の電気料金算定にあたっては、170

    億円程度の効率化を織り込んでおります。

    (1)要員・組織の効率化

    平成13年度から制御所等の運転業務の集約化を進めており、これまでに49拠

    点の運転業務を各支店・支社の給電制御所に集約しました。今後も、効率的かつ確

    固たる電力設備の運営体制確立に向けた取組みを着実に実施してまいります。

    また、平成19年6月には、お客さま本部において、法人営業部と地域開発部を

    廃止し、顧客セグメント別組織への再編を行いました。お客さま本部には、従来、

    計画業務を担当するグループと営業活動を行う法人営業部・地域開発部がありまし

    たが、これらの業務の連携強化を図る観点から、一般のご家庭や法人のお客さまな

    どの顧客セグメント別に、計画から営業活動までを一貫して行える体制としたもの

    です。この再編により、機動的かつ効率的な業務運営を実現し、お客さまのニーズ

    により適切かつ柔軟にお応えしてまいります。

    さらに、平成16年度に設立した株式会社関電オフィスワークにおいて、順次グ

    ループ各社の経理業務、給与関連業務等を集約し、当社グループ全体での業務効率

    化を図ってまいります。

    こうした取組みなどにより、従業員数は、引き続き減少傾向にあります。今後も

    効率的な業務運営に努めつつ、安全の確保を最優先に、長期にわたる電力の安全・

    安定供給の責務を果たし、お客さまサービスをさらに充実していくための体制を確

    保してまいります。 (次頁「従業員数、一人当たり販売電力量の推移」、「一般経費、販売電力量当たり

    一般経費の推移」をご覧ください。)

  • - 11 -

    [参考]従業員数、一人当たり販売電力量の推移

    25,988 25,567

    23,48822,656 22,482 22,233 22,166 22,113

    26,24826,333

    6.446.196.04

    5.475.505.355.27

    6.62 6.64 6.80

    0

    5,000

    10,000

    15,000

    20,000

    25,000

    30,000

    H10 H11 H12 H13 H14 H15 H16 H17 H18 H190.00

    1.00

    2.00

    3.00

    4.00

    5.00

    6.00

    7.00

    8.00

    9.00

    10.00

    従業員数

    一人当たり販売電力量

    (単位:人) (単位:百万kWh/人)

    (注)従業員数は、各年度末の在籍者数(出向・休職含む)。

    [参考]一般経費、販売電力量当たり一般経費の推移

    2,9142,703 2,780

    2,4492,621

    2,405

    2,698

    2,474 2,5242,548

    1.691.711.68

    2.101.93 1.95

    1.75 1.85 1.72 1.86

    0

    500

    1,000

    1,500

    2,000

    2,500

    3,000

    3,500

    H10 H11 H12 H13 H14 H15 H16 H17 H18 H190.00

    0.50

    1.00

    1.50

    2.00

    2.50

    3.00

    3.50

    4.00一般経費

    販売電力量当たり一般経費

    (単位:億円) (単位:円/kWh)

    (注)一般経費:消耗品費、賃借料、委託費、普及開発関係費、養成費、研究費、諸費の合計。

  • - 12 -

    (2)ITの活用による効率化

    ITについては、業務運営全般の効率化・高度化の原動力として、引き続き積極

    的な活用を図ります。

    まず、営業システムをはじめとした各事業分野の基幹系システムの再構築および

    増強や、当社グループの全従業員に情報を発信するための「ポータルサイト」など

    の整備を進めるとともに、知識・ノウハウの共有や技術力の継承を図るため、横断

    的検索機能等を有する新しい情報共有基盤(プラットフォーム)や、紙文書を電子

    化する「e-Docu(電子文書管理)システム」などの環境整備を推進し、情報

    収集の効率化を進めてまいります。

    また、効率的かつ高品質な情報通信サービスの実現に向けて、ホスト計算機の統

    合や、社内通信回線のIPネットワークへの移行などを進めることで、ITインフ

    ラの構築・運用に係るコストの低減を図ります。

    5.研究開発の推進

    電力の安定供給や環境保全などの公益的課題のための研究開発に取り組むとともに、

    業務効率化やエネルギーの効率的利用など、経営効率化に資する研究開発を推進してま

    いります。 (1)公益的課題のための研究開発

    電力設備の劣化診断技術の研究開発や、地球環境問題への取組みの一つとして、

    火力発電所の排煙からCO2を取り除くための分離・回収システムの高効率化・低

    コスト化といった研究を推進します。 (2)経営効率化に資する研究開発

    耐腐食型電線の開発などの電力供給設備の寿命延伸に関する研究や、センサ技術

    を活用した設備保全システムの研究など、設備形成、設備運用・保全の高度化と効

    率化を両立する技術の開発を推進し、安全・安定供給を前提に、設備形成・維持運

    用コストの低減を図ります。

    また、エネルギーの効率的利用に係るものとして、他の燃料電池に比べて発電効

    率が高く、コジェネレーションシステムとしての利用により高い総合効率が見込め

    るSOFC(Solid Oxide Fuel Cell:固体酸化物形燃料電池)発電システムについて数十kW級の実用化、次世代の半導体素子として期待される高耐圧・低損失のS

    iC(シリコンカーバイド)半導体素子を用いたインバータなどを開発し、電力用

    途における実用化を目指します。

  • - 13 -

    Ⅲ.お客さまのニーズにお応えしていくための取組み

    1.さらなるお客さま価値の創造 (1)より高品質な商品・サービスの創造・提供

    多様化・高度化するお客さまニーズにお応えできるよう、あらゆる業務において

    品質の向上に努め、お客さまのお役に立つ、より高品質な商品・サービスを創造・

    提供してまいります。とりわけ、お客さまの省エネ・省CO2の実現に貢献できる

    よう、環境性に優れた高効率エネルギーシステムをご提案してまいります。 (2)お客さまの視点に立った業務運営の徹底

    お客さまのニーズに的確かつ迅速にお応えするために、お客さまの視点に立った

    業務運営を徹底し、各種お申し込みの受付や検針・料金収納業務をはじめとしたお

    客さまサービス業務を確実かつ効率的に遂行いたします。 (3)トータルソリューションの提供

    お客さまの住生活の向上に貢献していくために、電化をベースとした環境に優し

    く安心・快適・経済的な暮らしの実現に向けたトータルソリューションをご提供し

    てまいります。そのために、環境性に優れたエコキュートのご提案やアフターサー

    ビスの充実を図るとともに、多様なライフスタイルに応じて、情報通信やホームセ

    キュリティなどのグループサービスをご提案してまいります。当社の各支店に設け

    ている「はぴeライフスクエア」については、IHクッキングヒーター、エコキュ

    ートといったオール電化機器のPRだけでなく、オール電化を中心とした暮らしを

    お客さまにご提案できる場としてさらなる充実を図ってまいります。 また、法人のお客さまに対しては、空調、給湯、厨房等における最適なエネルギ

    ー利用のご提案をベースに、お客さま設備のライフサイクルに合わせて、当社グル

    ープ各社とも連携を深めながら、最適なトータルエネルギーソリューションをご提

    供してまいります。そのために、よりきめ細やかなワンストップソリューションの

    ご提供や電話・インターネット等を活用した効率的かつ効果的な営業活動に努める

    とともに、環境性に優れた高効率空調やヒートポンプ給湯等を積極的にご提案して

    まいります。

    (4)魅力ある商品・サービスの提供

    環境性・省エネ性に優れたエコキュートのより一層の高効率化・コンパクト化に

    取り組むとともに、業務用・産業用の熱利用分野におけるヒートポンプ技術の適用

    拡大に取り組むなど、多彩で魅力ある商品の開発をさらに推進してまいります。ま

    た、省エネ・省CO2に関するコンサルティングやエネルギー診断、電化機器・設

    備全般を対象としたリースサービス、設備運用・管理やエネルギー管理支援など、

    お客さまのさまざまなニーズに応じた最適なサービスメニューを当社グループ各

    社と連携しながらご提供してまいります。

  • - 14 -

    (5)お客さまの声の活用の推進

    当社には、コールセンターや電化ライフ相談室をはじめ、お客さまから様々なご

    意見が寄せられています。当社は、こうしたご意見を踏まえ、電気料金の支払方法

    の多様化や、エコキュート・電気温水器のメンテナンスに係るお客さまへのサポー

    トの充実など、お客さまサービスの向上に努めています。今後も、お客さまの声に

    学び、改善を繰り返す企業体質の基盤作りを進めてまいります。 2.負荷平準化への取組み

    今後ともお客さまにとって魅力的かつ負荷平準化や経営効率化に有効な選択約款メ

    ニューの開発・普及促進や、負荷平準化に資する機器の販売促進に取り組み、平成29

    年度には、62.6%の負荷率達成を目指します。

    <年負荷率の見通し(気温閏補正後)>

    52.9

    62.6

    61.7

    60.6

    60.0

    58.4

    52

    54

    56

    58

    60

    62

    9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 24 29 (年度)

    (単位:%)

    (実績)

    平成

    ~~

    <負荷平準化に資する機器の普及状況>

    平成9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19

    電気温水器契約口数(千口)(電気温水器+エコキュート)

    368 379 392 409 434 472 523 592 673 773 873

    蓄熱調整契約軒数(口) 1,392 1,877 2,804 3,815 4,697 5,594 6,415 7,296 7,874 8,323 8,703 (注)年度末累計値

  • - 15 -

    <選択約款一覧表>

    名 称 対象のお客さま 内 容

    はぴeタイム 季 節 別 時間帯別電灯

    従量電灯に該当し、総

    容量が4kVA 以上の夜間蓄熱式機器、または

    オフピーク蓄熱式電気

    温水器を使用されるお

    客さま

    次のとおり設定した季節別時間帯別の電力量料

    金の格差、さらに「はぴeプラン(全電化住宅

    割引)」による割引を通じて負荷移行等を促進

    し、負荷平準化その他の経営効率化を図る選択

    約款です。 ・デイタイム :10 時~17 時(休日扱い日を除く) ・リビングタイム:7時~10 時および 17 時~23 時

    (休日扱い日以外) 7時~23 時(休日扱い日)

    ・ナイトタイム :0 時~7時および 23 時~翌日 0 時

    時間帯別電灯 従量電灯に該当するお客さま

    昼間時間(7時~23 時)、夜間時間(0 時~7 時および 23 時~翌日 0 時)の時間帯を設定し、電力量料金の格差を通じて夜間時間へ負荷を移行

    することにより、負荷平準化を図る選択約款で

    す。

    低圧総合利用

    契約

    低圧で電気の供給を受

    け、電灯単独または電

    灯と動力をあわせて使

    用されるお客さま

    お客さまの電気設備の稼働度合いを高めていた

    だくとともに、夏季から夏季以外の季節に負荷

    を移行することにより、負荷平準化その他の経

    営効率化を図る選択約款です。

    深夜電力

    低圧で電気の供給を受

    け、23時から7時の

    間に動力(小型機器含

    む)を使用されるお客

    さま

    使用時間を深夜だけに限定して割安な料金を設

    定し、負荷平準化を図る選択約款です。

    第2深夜電力

    低圧で電気の供給を受

    け、1時から6時の間

    に動力(小型機器含む)

    を使用されるお客さま

    使用時間を深々夜だけに限定して割安な料金を

    設定し、負荷平準化を図る選択約款です。

    融雪用電力 低圧で電気の供給を受

    け、融雪のために動力

    を使用するお客さま

    道路等の融雪のために、電熱負荷設備等を冬季

    のピーク時間帯を避けてご使用いただき、負荷

    平準化を図る選択約款です。

    低圧蓄熱調整

    契約

    低圧電力または低圧総

    合利用契約で電気の供

    給を受け、一定の負荷

    移行が可能なお客さま

    冷暖房負荷等の蓄熱式運転によって、一定の負

    荷を移行することにより、負荷平準化を図る選

    択約款です。

    口座振替割引

    契約

    従量電灯、はぴeタイ

    ム、時間帯別電灯、低

    圧総合利用契約で電気

    の供給を受けるお客さ

    料金のお支払方法のコスト差を反映させた割引

    額を設定し、口座振替への移行によるコスト削

    減を通じて経営効率化を図る選択約款です。

  • - 16 -

    効 率 化 事 例 集

    当社は、従来から積極的に新技術・新工法を採用し、コスト低減に努めておりますが、

    ここでは、現時点において導入しているいくつかの事例をご紹介いたします。

  • - 17 -

    4導体電線張替えへの4条同時張替工法採用

    当社では、500kV送電線に代表される大型送電線には4導体の電線を多く採用して

    います。この電線を張替える場合は、一旦送電を停止して行うため、作業期間を短縮する

    ことが安定供給の観点から重要な課題でした。

    これまでは、鉄塔の設計上の強度との関係から、新設時と同様に4条の電線を2条ずつ

    に分けて張替えを行っていましたが、作業者の安全、鉄塔の強度、送電中の隣接回線との

    離隔距離等を検討した上で、4条同時に張替える工法を採用しました。

    その結果、作業期間について約35%の短縮を実現するとともに、電線張替え工事費の

    低減が可能となりました。

  • - 18 -

    新型地中終端箱(ポリマー碍管がいかん

    )の採用

    地中送電線と架空送電線を接続する際、その接続箇所には、地中終端箱を使用します。

    この工法において、154kV の地中終端箱は非常に重いことから、地上に設置する方法が一般的であり、そのため、既設の架空送電線を別の鉄塔に一時的に退避させてから鉄塔を

    改造するなど、大規模な工事が必要でした。 このたび、軽量化された新型地中終端箱を採用したことにより、終端箱を鉄塔上に設置

    できるようになりました。これにより、鉄塔の改造が簡素化され、工事期間の短縮や工事

    費の低減が可能となりました。

    内部:オイル 内部:ガス

    磁器製碍管

    約200kg約450kg

    従来型終端箱断面

    新型終端箱断面

    ポリマー碍管(シリコンゴム)

    内部:オイル 内部:ガス

    磁器製碍管

    約200kg約450kg

    従来型終端箱断面

    新型終端箱断面

    ポリマー碍管(シリコンゴム)

    仮鉄塔建設送電線移設が必要

    仮鉄塔撤去送電線復元

    変電所へ

    現状鉄塔改造

    地中終端箱

    仮鉄塔建設が不要

    送電線移設 新型地中終端箱

    変電所へ

    軽微な鉄塔改造

    従来工法

    新工法

    仮鉄塔建設送電線移設が必要

    仮鉄塔撤去送電線復元

    変電所へ

    現状鉄塔改造

    地中終端箱

    仮鉄塔建設が不要

    送電線移設 新型地中終端箱

    変電所へ

    軽微な鉄塔改造

    従来工法

    新工法

  • - 19 -

    通信型回線選択リレーの開発による工事費の低減

    これまで、新たに4箇所目の変電所を設置して既存の送電線に連系する場合、各変電所

    に系統の保護を目的に設置されている「回線選択リレー」(注1)に代えて、全ての変電所

    に新たに「電流差動リレー」(注2)を設置し、それらを通信回線で連携させる必要があっ

    たため、多大な工事費の支出が避けられませんでした。 このたび「通信型回線選択リレー」(注3)を開発したことにより、既存リレー設備の取

    替が一部の変電所だけですむようになったため、工事費の低減が可能となりました。 (注1)自変電所で検出できる交差電流(2回線に流れる電流のベクトル差分)の方向により同時に2回線分の事故検

    出を行う保護リレー。伝送路を必要としないため低コストで保護システムを構築することが可能であるが、この

    保護リレーを適用できる系統では、2回線で受電できる変電所数が原則3変電所以下に制約される。 (注2)伝送路を介して各変電所の電流データを送受信することにより各回線の差電流演算を行って事故検出を行う保

    護リレー。この保護リレーを適用できる系統では、8変電所まで2回線受電が可能であるが、各変電所に通信設

    備を設置して変電所間に伝送路を構築する必要があると共に、保護リレー自体も伝送機能を実装した電流差動リ

    レーとする必要があるため、高コストのシステム構築となる。 (注3)いくつかの変電所の情報を伝送路により収集し、電気的には3変電所の2回線受電系統と等価とみなすことに

    より、回線選択リレーの原理で4変電所以上の多端子系統の保護を可能とした保護リレー。

    新規

    回線選択リレー

    変電所A

    変電所B

    変電所C変電所D

    回線選択リレー

    回線選択リレー

    既存の送電線に新設変電所を連系

    変電所を新設変電所を新設

    回線選択リレー

    変電所A

    変電所B

    変電所C変電所D

    回線選択リレー

    回線選択リレー

    既存の送電線に新設変電所を連系既存の送電線に新設変電所を連系

    変電所を新設変電所を新設

    通信装置

    電流差動リレー

    通信装置

    通信装置

    電流差動リレー

    電流差動リレー

    変電所B

    変電所C変電所D

    通信装置

    電流差動リレー

    伝送路

    伝送路

    伝送路

    従来の方法

    取替取替

    取替取替

    変電所A

    取替取替

    通信装置

    電流差動リレー

    通信装置

    通信装置

    電流差動リレー

    電流差動リレー

    変電所B

    変電所C変電所D

    通信装置

    電流差動リレー

    伝送路

    伝送路

    伝送路

    従来の方法従来の方法

    取替取替取替取替

    取替取替取替取替

    変電所A

    取替取替取替取替

    通信装置

    回線選択リレー

    変電所B

    変電所C変電所D

    通信装置

    通信型回線選択

    リレー

    通信型回線選択

    リレー

    回線選択リレー

    伝送路

    新しい方法

    取替取替

    変電所A

    通信装置

    回線選択リレー

    変電所B

    変電所C変電所D

    通信装置

    通信型回線選択

    リレー

    通信型回線選択

    リレー

    回線選択リレー

    伝送路

    新しい方法新しい方法

    取替取替取替取替

    変電所A

    新規 新規

    流用可能

    流用可能

  • - 20 -

    高度配電自動化システムの導入

    当社は、電柱上に設置した開閉器を営業所から遠隔操作することで停電時の迅速な復旧

    を可能とする配電自動化システムをさらに高機能化した「高度配電自動化システム」を導

    入しております。

    具体的には、お客さまからのお問い合わせ等に対して迅速かつ的確な対応を行うために

    営業部門で導入した「ワンストップサービスシステム(OSS)」との系統設備情報の連

    携や、給電制御所システムとの系統運用情報の連携による送配電系統の一体的運用により、

    系統運用業務の効率化、供給信頼度の維持・向上を図っております。

    また、停電事故時に広範囲の系統から電気を高速で自動融通できる「高速多段切替機能」

    を従来の配電自動化システムに付加することで、より迅速な停電復旧を図るとともに、配

    電系統の効率的運用が可能となり、配電線の新設・増強工事費を低減することができまし

    た。

    配電用変電所

    変電所TC

    営業所

    操作卓

    配電自動化システム

    給電制御所

    給電制御所システム

    他営業所

    操作卓配電自動化システム

    計算センター

    事務処理系システム(OSSシステム)

    大口お客さま

    計量器

    給電制御所システムとの系統運用情報連携

    OSSシステムとの系統設備情報連携

    高速多段切替機能の導入

    配電線

  • - 21 -

    ケーブル引込工法の省スペース化による地中化工事費の低減

    従来、配電線地中化に伴う地中ケーブル引込工事は、ケーブルを引き出すウインチを搭

    載した工事車両を車道に設置する必要があるため、道路使用許可条件の制約により、大半

    が深夜施工となっていました。

    このたび、ケーブルドラムの小型化や小型ウインチ等を組み合わせて使用することによ

    り、車道を占用せず省スペースで工事可能なケーブル引込工法を開発いたしました。

    これにより、深夜割増工事費の低減が可能となったことに加え、作業安全の確保、作業

    員の疲労軽減を図ることができました。

    車道ケーブルドラム

    ウインチ車地中化機器

    ハンドホール管 路

    歩道

    車道

    ケーブルドラムウインチ車地中化機器

    ハンドホール管 路

    歩道

    車道

    【断 面 図 】【断 面 図 】

    車道

    【断 面 図 】【断 面 図 】

    従来の工法

    新しい工法

  • - 22 -

    20kV級架空ケーブル柱上分岐工法の開発による工事費の低減

    従来、架空ケーブルを分岐する場合は、分岐する箇所に人孔(マンホール)および管路

    を建設し、人孔内の地中分岐接続箱においてケーブル分岐を行い電柱上へ立ち上げる工法

    を採用していたため、相当の工事費、工事期間が必要となっていました。 そこで、このたび、既設の架空直線接続箱と、一部の特別高圧屋内供給設備で採用して

    いるT形の分岐接続箱を組み合わせることにより、電柱上での分岐接続が可能となる工法

    を開発いたしました。 新工法の適用により、人孔および管路工事が不要となることで、工事期間の短縮・工事

    費の低減が可能となっただけでなく、既設設備の有効活用、廃棄物(掘削による残土等)

    の削減を実現することができました。

    【従来の分岐工法】

    人孔(マンホール)

    地中分岐接続箱

    管路

    【既設直線接続箱】

    【開発した分岐工法】

    【既設直線接続箱+T分岐接続箱】

    【新しい分岐工法】

  • - 23 -

    新技術導入によるITインフラの統合

    当社は、大規模災害時におけるバックアップ機能の維持・向上といった信頼度確保を大

    前提に、近年の技術革新を活用し、サーバの統合やデータ保存装置の有効活用を図ってお

    ります。

    1.サーバの統合

    近年、当社のサーバ数量は、IT化の進展に伴い増加を続けてきました。

    そこで、このたび、1台で複数のシステムを稼動させることができる仮想化技術を採用

    した統合サーバを導入いたしました。

    これにより、サーバ内の処理能力の有効活用を図ることができ、サーバ数量の節減が可

    能となりました。

    統合前 統合後

    サーバシステムA

    サーバシステムB

    サーバシステムC

    サーバシステムD

    統合サーバ

    サーバシステムE

    :CPU

    システムC

    システムE

    システムA

    システムB

    システムD

    各システムに必要な処理能力を割当

    仮想化技術により、一台の統合サーバに

    複数のシステムを統合

    各サーバに余剰能力があっても、他のシステムで使用することはできない

    サーバ約サーバ約100100台を台を1/101/10程度に統合程度に統合

    統合前 統合後

    サーバシステムA

    サーバシステムB

    サーバシステムC

    サーバシステムD

    統合サーバ

    サーバシステムE

    :CPU

    システムC

    システムE

    システムA

    システムB

    システムD

    各システムに必要な処理能力を割当

    仮想化技術により、一台の統合サーバに

    複数のシステムを統合

    各サーバに余剰能力があっても、他のシステムで使用することはできない

    サーバ約サーバ約100100台を台を1/101/10程度に統合程度に統合

  • - 24 -

    2.仮想化技術を活用したデータ保存装置の有効活用

    近年、IT化の進展や情報セキュリティ強化を目的としたログ蓄積等により、保存すべ

    きデータ容量が大幅に増加したため、これに対応したデータ保存装置の増強が避けられま

    せんでした。

    そこで、このたび、新たに仮想化技術を採用することにより、従来はシステムごとに個

    別に設置していたデータ保存装置を複数のシステム間で共用することを可能としました。

    これにより、各データ保存装置の容量を有効活用することができ、データ保存装置の増

    強を抑制することができました。

    統合前 統合後

    既存サーバ

    システムA

    既存サーバ

    システムB

    既存サーバ

    システムC

    仮想化技術により各システム個別に利用していたディスクを共用化

    ディスク ディスク ディスク

    既存サーバ

    システムA

    既存サーバ

    システムB

    既存サーバ

    システムC

    ディスク ディスク ディスク

    新規サーバ

    システムD

    新規サーバ

    システムE

    ディスク容量に余剰があっても、他のシステムで使用することはできない

    サーバとディスクを橋渡し

    データの配置変更を行い、ディスク容量を有効活用

    仮想化装置

    統合前 統合後

    既存サーバ

    システムA

    既存サーバ

    システムB

    既存サーバ

    システムC

    仮想化技術により各システム個別に利用していたディスクを共用化

    ディスク ディスク ディスク

    既存サーバ

    システムA

    既存サーバ

    システムB

    既存サーバ

    システムC

    ディスク ディスク ディスク

    新規サーバ

    システムD

    新規サーバ

    システムE

    ディスク容量に余剰があっても、他のシステムで使用することはできない

    サーバとディスクを橋渡し

    データの配置変更を行い、ディスク容量を有効活用

    仮想化装置