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平成 25 年 8 月に社会保障と税の一体改革が示されました。 2025 年への後期高齢者の増加に対応する1つの方向が示されたわけで す。その中で5つの点が強調されています。すなわち、病院の機能分化(病 棟別機能報告制度、都道府県による医療ビジョンの作成、7 対 1 看護病床 の削減、地域包括ケア病棟の新設)、病院完結型医療から地域完結型医療 へ、医療と介護の連携、地域包括ケアシステムの推進、在宅(居宅)型医 療の充実です。平成 26 年 3 月の中医協の診療報酬改定でも、社会保障改 革を先取りした形で、後期高齢者の増加や医療費の増加に対応するため に、政策的に改定が行われました。 一方、欧州の医療をみてみますと、私が昨年訪問したフランス・ナンシー市では、人口 42 万 に対し 1 大学病院(1600 床、年間 1000 億円)とかかりつけ医で医療を行っております。宗教 観の違いや奉仕団体の活動の違いもあり、一概に比較はできませんが、日本の病床数が多すぎる のは確かなようです。 このような社会保障制度の改革、日本の医療制度の欠点をふまえ、われわれ医療人は日本の医 療の在り方を主体的に考え直す必要があります。本当に住民のための医療が行われているのか、 介護が独り歩きしていないか、住民の健康増進に寄与しているのか等問題は多くあると思われま す。 金沢市立病院は、金沢市の自治体病院として“安全・安心・味わいの医療”の提供をめざし、病 院の取り組みを行ってきました。味わいの医療とは、住民の方に参加していただく医療で、病院 待合室でのギャラリーの開催、病棟水回りの整備、かかりつけ医と協働した生活・食事指導、公 民館での講演や市民公開講座等を実践してきました。本年は、かかりつけ医のスタッフのみなら ず、療養型病院、介護施設、居宅型施設、福祉施設、住民等と連携した医療(=コミュニティー 医療)の実践を行っていきたいと考えています。コミュニティー医療の実践の中に、地域に根ざ した医療の根源があると考えています。 病院には、新しいスタッフも加わり活気にあふれています。先生方のご指導・ご鞭撻があって さらに成長します。本年度もよろしくお願いいたします。 金沢市立病院地域連携室通信「スクラム」Vol.032 All Rights Reserved Copyright 2014 Kanazawa Municipal Hospital 金沢市立病院地域連携室通信「スクラム」Vol.032 All Rights Reserved Copyright 2014 Kanazawa Municipal Hospital 金沢市立 病院事業管理者 (兼)病院長 高田 重男 金沢市立病院 地域連携室 TEL:245-2626 FAX:245-2693 お問い合わせ・ご予約などお気軽にご連絡ください。 http://www4.city.kanazawa.lg.jp/36001/byouin/index.jsp 新任医師のご紹介 新しいコミュニティー医療を目指して 平成26年 3 月 1 日より麻酔科 1 名、4月1日より腎臓内科1名、消化器内科1名、循環 器内科2名、呼吸器内科1名、外科 1 名の医師が着任しました。 これら7名を含め、26年度は医師39名体制で診療に当たります。 よろしくお願いいたします。 三宅 泰人 腎臓内科 本年度より金沢市立病院に勤務させて いただくこととなりました。 2012 年度にも 1 年間勤務させていた だきましたが、その際には皆様に大変お 世話になりました。 今年度は少しでも皆様のお役に立てれ ばと考えております。 ご迷惑をおかけすることもあるかと思 いますが、精一杯頑張りますのでどうぞ よろしくお願いいたします。 ミヤケ タイト 米島 淳 消化器内科 消化器内科 5 年目の米島です。 みなさんにご迷惑をおかけすること 多々あると思いますが、早く病院に貢 献できるよう日々努力していこうと思 います。 よろしくお願いします。 ヨネジマ アツシ 遠藤 直樹 外科 エンドウ ナオキ 本年度より当院外科に異動となり ました。 外科医としては、まだまだ未熟で はありますが、皆様に元気になって いただくよう力いっぱい頑張りま す。 小見 亘 循環器内科 前任地の金沢医療センターでは先生 方に大変お世話になりました。 新しい職場においても、虚血性心疾 患を始めとした循環器疾患および災害 医療を通して地域医療のお手伝いをさ せて頂きたいと考えおります。 御指導の程よろしくお願い申し上げ ます。 オミ ワタル 濱岡 卓人 循環器内科 ハマオカ タクト 本年度より当院循環器内科に異動と なりました。 至らない所が多く御迷惑をおかけす ることもあるとは思いますが、精一杯 頑張りますので、よろしくお願い致し ます。 長岡 愛子 呼吸器内科 H26 年 4 月より赴任した長岡です。 他科の先生達に助けて頂きながら 日々の診療に努めてまいります。 どうぞよろしくお願い致します。 ナガオカ アイコ 麻酔科 山田 秀治 ヤマダ シュウジ 麻酔科の山田秀治です。石川県立中央 病院より異動してきました。 医師として30年が過ぎましたがまだ まだ勉強の日々です。 よろしくお願いします。 編集後記。 当院では、褥瘡処置をはじめと する皮膚科往診を行っております。 往診時間等、ご予約は、 地域連携室までお願いし ます。

新任医師のご紹介 - kanazawa-municipal-hosp.comkanazawa-municipal-hosp.com/img/renkei/tsushin_vol32.pdf介護が独り歩きしていないか、住民の健康増進に寄与しているのか等問題は多くあると思われま

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平成 25年 8月に社会保障と税の一体改革が示されました。

2025 年への後期高齢者の増加に対応する1つの方向が示されたわけで

す。その中で5つの点が強調されています。すなわち、病院の機能分化(病

棟別機能報告制度、都道府県による医療ビジョンの作成、7対 1看護病床

の削減、地域包括ケア病棟の新設)、病院完結型医療から地域完結型医療

へ、医療と介護の連携、地域包括ケアシステムの推進、在宅(居宅)型医

療の充実です。平成 26年 3月の中医協の診療報酬改定でも、社会保障改

革を先取りした形で、後期高齢者の増加や医療費の増加に対応するため

に、政策的に改定が行われました。

一方、欧州の医療をみてみますと、私が昨年訪問したフランス・ナンシー市では、人口 42 万

に対し 1 大学病院(1600 床、年間 1000 億円)とかかりつけ医で医療を行っております。宗教

観の違いや奉仕団体の活動の違いもあり、一概に比較はできませんが、日本の病床数が多すぎる

のは確かなようです。

このような社会保障制度の改革、日本の医療制度の欠点をふまえ、われわれ医療人は日本の医

療の在り方を主体的に考え直す必要があります。本当に住民のための医療が行われているのか、

介護が独り歩きしていないか、住民の健康増進に寄与しているのか等問題は多くあると思われま

す。

金沢市立病院は、金沢市の自治体病院として“安全・安心・味わいの医療”の提供をめざし、病

院の取り組みを行ってきました。味わいの医療とは、住民の方に参加していただく医療で、病院

待合室でのギャラリーの開催、病棟水回りの整備、かかりつけ医と協働した生活・食事指導、公

民館での講演や市民公開講座等を実践してきました。本年は、かかりつけ医のスタッフのみなら

ず、療養型病院、介護施設、居宅型施設、福祉施設、住民等と連携した医療(=コミュニティー

医療)の実践を行っていきたいと考えています。コミュニティー医療の実践の中に、地域に根ざ

した医療の根源があると考えています。

病院には、新しいスタッフも加わり活気にあふれています。先生方のご指導・ご鞭撻があって

さらに成長します。本年度もよろしくお願いいたします。

金沢市立病院地域連携室通信「スクラム」Vol.032 All Rights Reserved Copyright 2014 Kanazawa Municipal Hospital

金沢市立病院地域連携室通信「スクラム」Vol.032 All Rights Reserved Copyright 2014 Kanazawa Municipal Hospital

金沢市立

病院事業管理者

(兼)病院長

高田 重男

金沢市立病院 地域連携室 TEL:245-2626 FAX:245-2693

お問い合わせ・ご予約などお気軽にご連絡ください。

http://www4.city.kanazawa.lg.jp/36001/byouin/index.jsp

新任医師のご紹介

新しいコミュニティー医療を目指して

平成26年 3月 1日より麻酔科 1名、4月1日より腎臓内科1名、消化器内科1名、循環

器内科2名、呼吸器内科1名、外科 1名の医師が着任しました。

これら7名を含め、26年度は医師39名体制で診療に当たります。

よろしくお願いいたします。

三宅 泰人

腎臓内科

本年度より金沢市立病院に勤務させて

いただくこととなりました。

2012 年度にも 1 年間勤務させていた

だきましたが、その際には皆様に大変お

世話になりました。

今年度は少しでも皆様のお役に立てれ

ばと考えております。

ご迷惑をおかけすることもあるかと思

いますが、精一杯頑張りますのでどうぞ

よろしくお願いいたします。

ミヤケ タイト

米島 淳 消化器内科

消化器内科 5年目の米島です。

みなさんにご迷惑をおかけすること

多々あると思いますが、早く病院に貢

献できるよう日々努力していこうと思

います。

よろしくお願いします。

ヨネジマ アツシ

遠藤 直樹

外科

エンドウ ナオキ

本年度より当院外科に異動となり

ました。

外科医としては、まだまだ未熟で

はありますが、皆様に元気になって

いただくよう力いっぱい頑張りま

す。

宜しくお願い申し上げます。

小見 亘 循環器内科

前任地の金沢医療センターでは先生

方に大変お世話になりました。

新しい職場においても、虚血性心疾

患を始めとした循環器疾患および災害

医療を通して地域医療のお手伝いをさ

せて頂きたいと考えおります。

御指導の程よろしくお願い申し上げ

ます。 オミ ワタル

濱岡 卓人

循環器内科

ハマオカ タクト

本年度より当院循環器内科に異動と

なりました。

至らない所が多く御迷惑をおかけす

ることもあるとは思いますが、精一杯

頑張りますので、よろしくお願い致し

ます。

長岡 愛子

呼吸器内科

H26年 4月より赴任した長岡です。

他科の先生達に助けて頂きながら

日々の診療に努めてまいります。

どうぞよろしくお願い致します。

ナガオカ アイコ

麻酔科

山田 秀治 ヤマダ シュウジ

麻酔科の山田秀治です。石川県立中央

病院より異動してきました。

医師として30年が過ぎましたがまだ

まだ勉強の日々です。

よろしくお願いします。

編集後記。

当院では、褥瘡処置をはじめと

する皮膚科往診を行っております。

往診時間等、ご予約は、

地域連携室までお願いし

ます。

日本のがん検診受診率は主要国と比較すると低く、大腸癌においては約 25%

程度となっています。また、精検受診率も 60%程度と低値を示しており、その

理由として、内視鏡検査に対する不安や羞恥心などが原因のひとつとして挙げ

られます。検査の精度としては、内視鏡検査に勝るものはないですが、ほぼ同

等の精度で苦痛や羞恥心を軽減することが可能な大腸カプセル内視鏡や大腸

CT が近年保険収載され、当院においても今年 1 月より順に導入し検査を行う

ことが可能となっております。

大腸カプセル内視鏡は、その名の通り、飲み込んだカプセルによって

大腸を撮影する検査です。大腸 CTは肛門から二酸化炭素を注入し、大

腸を膨らませた状態で CT撮影を行い画像処理することによって、あた

かも内視鏡検査を行ったかのような画像が得られ、診断することが可能

な検査法です。どちらもこれまで、内視鏡検査に抵抗があり行ったこと

のない方や以前に苦痛のため断念された方などに、よい適応かと思われ

ます。病理検査が行えないというデメリットがありますが、明らかに画

像で癌やポリープが疑われればその後の検査を行うきっかけになると

思われます。

下剤の内服法や費用など違いがあり、適応に関してはご紹介いただけ

れば患者さんと相談させていただきます。よろしくお願いいたします。

当会は「糖尿病を主体とした生活習慣病の改善に向けて、地域内で継続的に

患者教育が行える人材の育成」を目標として活動を行っています。平成 25 年

度におきましては、当会の活動が「石川県高度・専門医療人材養成支援事業」

として採択され事業を実施いたしました。その内容を簡単にご報告させていた

だきます。

昨年度は当院の管理栄養士が地域で開業している2施設へ出張し、各施設に

通院している方を対象に、出前で栄養教室を行いました。延べ 6回開催し、4

0名以上の方にご参加いただきました。それぞれの施設の医療スタッフからは、

「食事指導のポイントが聞けて良かった」、「何度も顔を見ながら打ち合わせや経過について直接話し合

ったことで、顔の見える連携につながる実感が持てた」、「継続した指導が患者の意欲やデータ変化など

の経過と合わせてアウトカムの設定につながるのではないか」等の前向きなご評価をいただきました。

また、3月 9日に「住み慣れた地域でずっと元気に・・・糖尿病と上手に付き合おう!」と題した市

民公開講座を開催しました。今後も、継続した生活指導が行える人材の育成を目指して、地域の医療機

関と連携しながら事業に取り組んでまいりたいと考えております。

平成 26年 3月 15日に院内の災害対応訓練を行いました。

平成 25年度に災害対応マニュアルを改訂しましたので、新しいマニュアルでの

初の訓練となりました。

今回のマニュアルの特徴は特定の誰かが指定された職務を行うのではなく、

災害時に在院もしくは登院した職員で指揮命令系統を立ち上げるところにあり

ます。職員は職員カードを提出し、その職員に対し役割を付与します。役割に

応じたアクションカードを職員に渡し、職員はそのアクションカードに沿って

活動を行います。

今回の訓練前に災害医療の研修を 5 回に分けて行い、287 名の職員が研修を受講しました。訓練当日

は土曜日午後でしたが 97名の職員が参加しました。想定の日直職員で災害対策本部を立ち上げ、徐々に

参集してくる職員に本部・トリアージ・重症・中等症・軽症各エリアでの活動をアクションカードを用

いて指示しました。

最初は戸惑いもありましたが、終盤は本部とのやりとりもスムーズになってきました。今回は指揮命

令系統の立ち上げを主目的にしましたので、患者はカードとしましたが、今後は模擬患者なども用意し

て、より実際の災害に即した訓練を行っていきたいと考えています。

いずれは登録医の先生方のご協力もいただいて地域レベルの訓練を目指したいと思います。

よろしくお願いします。

整形外科 科長

(兼)災害対策室長

森川 精二

災害対応訓練

消化器内科 医長

野村 能元

メタボリックシンドロームケア研究会

中等症エリア

重症エリア

軽症エリア

大腸カプセル内視鏡、大腸 CT の導入

トリアージエリア

看護部長

(兼)メタボリックシンドロ

ームケア研究会代表

中西 容子

百円玉サイズのカプセルです

災害対策本部

大腸CT画像

~「いしかわ診療情報共有ネットワーク」が始まりました~

当院もネットワークに参加しておりますので、ネットワークに参加されている医療機関であれば、ご紹介いただいた

患者さんの当院での処方、検査、画像情報が”患者さんの同意のもと”ネットワーク経由で閲覧いただけます。

お問い合わせは地域連携室まで。