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214 Fig. 1 Chest roentgenogram onadmissionshowinga stripe inthe right middle lungfieldandexpansionof the mediastinal shadow. ●症 要旨:背景:肺多形癌は肺悪性腫瘍の中でも非常に稀な組織型と考えられ,治療抵抗性であり予後不良な疾 患と考えられている.今回,われわれは,発熱を主徴とし,化学療法が有用であった,肺多型癌の 1 例を 経験したので報告する.症例:74 歳の男性.発熱,体重減少及び縦隔リンパ節の急速な腫脹の精査加療目 的で当科に入院した.胸部 CT では,右上葉の結節影と肺門及び縦隔リンパ節の著明な腫脹を認めた.PET でも,同部位に一致して異常な集積を認めた.左鎖骨上窩リンパ節生検が施行され肺多形癌と診断された. ジェムシタビン(Gemcitabine;GEM)及びドセタキセル(Docetaxel;TXT)による隔週化学療法が導入 され,発熱及びリンパ節腫脹は改善を認めた.結論:肺多形癌の発症症状は多岐にわたり,本症例のように 化学療法が著効する場合もある. キーワード:肺多形癌,発熱,化学療法,ドセタキセル,ジェムシタビン Pulmonary pleomorphic carcinoma,Fever,Chemotherapy,Docetaxel,Gemcitabine 肺原発多形癌は稀な腫瘍であり,全肺腫瘍の0.1~ 0.3% とされる.2003 年の肺癌取扱い規約によると,本 腫瘍は病理組織上紡錘細胞あるいは巨細胞が少なくとも 10% を占めるものとされている .その病理の特性から 外科的切除検体により確定診断される報告が多いが,治 療成績は不良で予後不良の疾患と考えられている.また 化学療法が施行された症例報告も認められるが,奏効率 は低く化学療法感受性も低いと考えられている. 今回我々は,持続する発熱と体重減少を主徴とし,肺 多形癌と診断された症例を経験した.全身状態(PS)は 2 と不良であったが,化学療法が奏効したため,文献的 考察を加えて報告する. 患者:74 歳,男性. 主訴:発熱,体重減少. 家族歴:母 胆囊癌. 既往歴:大動脈弁狭窄症,高血圧,胆石症,腰部脊柱 管狭窄症. 喫煙歴:40 本! 日 34 年間,職業歴:農業,アスベス ト暴露歴なし. 現病歴:200X 年 2 月下旬より乾性咳嗽が出現し,呼 吸困難を伴ったため 3 月上旬前医を受診した.胸部レン トゲン写真上,異常陰影は不明瞭であったが,非定型肺 炎との診断で各種抗菌薬が使用された.咳嗽は改善を認 めたが,CRP は 18mg! dl と高値で改善を認めなかった. この加療期間中,38℃ を超える間欠熱のパターンを示 す発熱が出現し,体重減少を認めるようになった.前医 入院時に施行した胸部 CT において,右上葉に浸潤陰影 持続する発熱を契機に発見され,化学療法が奏効した肺多形癌の 1 例 市山 崇史 田名部 吾妻 俊彦 山本 小泉 知展 久保 惠嗣 〒3908621 長野県松本市旭 3―1―1 信州大学医学部内科学第一講座 安曇総合病院呼吸器内科 (受付日平成 21 年 5 月 22 日) 日呼吸会誌 48(3),2010.

持続する発熱を契機に発見され,化学療法が奏効し …ジェムシタビン(Gemcitabine;GEM)及びドセタキセル(Docetaxel;TXT)による隔週化学療法が導入

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Page 1: 持続する発熱を契機に発見され,化学療法が奏効し …ジェムシタビン(Gemcitabine;GEM)及びドセタキセル(Docetaxel;TXT)による隔週化学療法が導入

214

Fig. 1 Chest roentgenogram on admission showing a stripe in the right middle lung field and expansion of the mediastinal shadow.

●症 例

要旨:背景:肺多形癌は肺悪性腫瘍の中でも非常に稀な組織型と考えられ,治療抵抗性であり予後不良な疾患と考えられている.今回,われわれは,発熱を主徴とし,化学療法が有用であった,肺多型癌の 1例を経験したので報告する.症例:74歳の男性.発熱,体重減少及び縦隔リンパ節の急速な腫脹の精査加療目的で当科に入院した.胸部CTでは,右上葉の結節影と肺門及び縦隔リンパ節の著明な腫脹を認めた.PETでも,同部位に一致して異常な集積を認めた.左鎖骨上窩リンパ節生検が施行され肺多形癌と診断された.ジェムシタビン(Gemcitabine;GEM)及びドセタキセル(Docetaxel;TXT)による隔週化学療法が導入され,発熱及びリンパ節腫脹は改善を認めた.結論:肺多形癌の発症症状は多岐にわたり,本症例のように化学療法が著効する場合もある.キーワード:肺多形癌,発熱,化学療法,ドセタキセル,ジェムシタビン

Pulmonary pleomorphic carcinoma,Fever,Chemotherapy,Docetaxel,Gemcitabine

緒 言

肺原発多形癌は稀な腫瘍であり,全肺腫瘍の 0.1~0.3%とされる.2003 年の肺癌取扱い規約によると,本腫瘍は病理組織上紡錘細胞あるいは巨細胞が少なくとも10%を占めるものとされている1).その病理の特性から外科的切除検体により確定診断される報告が多いが,治療成績は不良で予後不良の疾患と考えられている.また化学療法が施行された症例報告も認められるが,奏効率は低く化学療法感受性も低いと考えられている.今回我々は,持続する発熱と体重減少を主徴とし,肺

多形癌と診断された症例を経験した.全身状態(PS)は2と不良であったが,化学療法が奏効したため,文献的考察を加えて報告する.

症 例

患者:74 歳,男性.主訴:発熱,体重減少.家族歴:母 胆囊癌.既往歴:大動脈弁狭窄症,高血圧,胆石症,腰部脊柱

管狭窄症.喫煙歴:40 本�日 34 年間,職業歴:農業,アスベス

ト暴露歴なし.現病歴:200X年 2 月下旬より乾性咳嗽が出現し,呼

吸困難を伴ったため 3月上旬前医を受診した.胸部レントゲン写真上,異常陰影は不明瞭であったが,非定型肺炎との診断で各種抗菌薬が使用された.咳嗽は改善を認めたが,CRPは 18mg�dl と高値で改善を認めなかった.この加療期間中,38℃を超える間欠熱のパターンを示す発熱が出現し,体重減少を認めるようになった.前医入院時に施行した胸部CTにおいて,右上葉に浸潤陰影

持続する発熱を契機に発見され,化学療法が奏効した肺多形癌の 1例

市山 崇史* 田名部 毅 吾妻 俊彦山本 洋 小泉 知展 久保 惠嗣

〒390―8621 長野県松本市旭 3―1―1信州大学医学部内科学第一講座*現 安曇総合病院呼吸器内科

(受付日平成 21 年 5月 22 日)

日呼吸会誌 48(3),2010.

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発熱を主訴とし,化学療法が奏効した肺多形癌 215

Fig. 2 Chest CT findings before chemotherapy showing: a) a nodule (16 mm×12 mm) in the right S1 area; b) lymphadenopathy of bilateral supraclavicular fossa; and c) mediastinal lymphadenopathy with a low-density area.

Fig. 3 Positron emission tomography (PET) with 18F-fluorodeoxyglucose (FDG) shows accumulation in a nodule in the right S1 area and in both supraclavicu-lar and mediastinal lymph nodes.

と約 16mm大の結節影及び縦隔リンパ節腫大が認められた.炎症反応陽性と浸潤陰影の存在から肺炎として,抗菌薬の治療が継続された.しかし 3月中旬には薬剤性と思われる肝障害も出現し,各種抗菌薬が変更され使用継続されたが解熱を認めなかった.肝障害も遷延し,画像所見上縦隔リンパ節の急速な腫大を認めたため,精査加療目的で同年 4月中旬当科入院となった.この間,約10kg の体重減少を認めた.入院時現症:身長 144.7cm,体重 44.8kg,血圧 142�74

mmHg,脈拍 84�分,体温 37.2℃.貧血・黄疸なし,両側下背部に乾性ラ音を聴取,呼吸音左右差なし LavineIII̊�IV̊ の収縮期心雑音聴取,左鎖骨上窩に小指頭大のリンパ節を触知した.PSは 2.血液検査所見:白血球数上昇(18,200�µl)及び CRP

高値(21.83mg�dl),血沈の遷延(115mm�hr)を認めた.生化学では,肝酵素の上昇(AST 129U�l,ALT 174U�l)及び低アルブミン血症(Alb 2.0g�dl)を認めた.また sIL-2R(2,994U�ml),シフラ(5.4pg�ml),KL-6(1,269U�ml),1-CTP(1.4ng�ml),proGRP(62.4pg�ml)の高値を認めた.胸部単純写真所見:右中肺野に線状影を認める.縦隔

陰影の拡大を認め,リンパ節腫大が疑われた(Fig. 1).胸部 CT所見:右 S1 に 16mmの辺縁凹凸不整で

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日呼吸会誌 48(3),2010.216

Fig. 4 Histological findings of the left supraclavicular fossa lymph node, revealing closely packed atypical pleomorphic spindle cells with giant cells. (A: H.E. stain×25, B: H.E. stain×100)

Fig. 5 Chest CT findings after 6-cycle chemotherapy shows the disappearance of the nodule in the right S1 area (a) and a marked reduction in both supraclavicular and mediastinal lymph nodes.

spicula を伴う結節影を認めた.肺門縦隔リンパ節及び両側鎖骨上窩リンパ節腫大を認めた.右上葉に軽度の浸潤陰影を認めた(Fig. 2).PET所見:右肺の結節影に一致し SUV-max 9.1 の集

積.縦隔リンパ節にも SUV-max 14 の高い集積を認めた.また,両鎖骨上窩リンパ節にも著明な集積を認めた.(Fig. 3).

入院後経過

悪性腫瘍を第一に考え,コンベックス気管支鏡補助下縦隔リンパ節生検を施行した.組織学的に悪性所見を認めたが,その組織学的確定診断は困難とされた.確定診断目的で,左鎖骨上窩リンパ節生検を施行した.

組織検体のほとんどが紡錘細胞及び巨細胞の混在を認めた(Fig. 4).PET検査及び下部消化管内視鏡等の各種全身検索においても,原発巣と考えられる病変が右肺上

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発熱を主訴とし,化学療法が奏効した肺多形癌 217

葉にしか認められなかったため,この組織所見とあわせて臨床病期 IIIB(T1N3M0)の肺原発多形癌と診断した.入院時に認められていた肝障害は入院前に使用されて

いたスルバクタムナトリウム・セフォペラゾンナトリウム(sulbactam sodium・cefoperazon sodium;SBT�CPZ)に対するリンパ球刺激試験が陽性となり薬剤性の肝障害と考えられた.その後自然軽快を認めた.また当初より認められた腫瘍熱と思われる発熱に対して,ナプロキセン投与を試みたところ,同日より解熱した.5月中旬からジェムシタビン(1,000mg�m2)+ドセタキセル(30mg�m2)の隔週投与を開始した.胸部単純写真上縦隔陰影は著明に縮小を認め治療効果は良好と考えられた.有害事象として軽度の口腔粘膜障害が出現したが,対症療法により改善した.化学療法開始後,ナプロキセン投与を中止したが,発熱は認められなかった.徐々に全身状態の改善が得られ,入院および外来化学療法を含めて,計 6回の治療が行われた.6回終了時の胸部CTにて部分奏効(PR)と診断した(Fig. 5).最近のKL-6値は,1,751U�ml と経過上不変で,間質陰影の出現等も認めず,約 1年経過しているが無増悪生存中である.

考 察

原発性肺多形癌は,発症平均年齢は約 65 歳とされ,男女比 4.5:1 と高齢男性に多く,喫煙との因果関係があるとされている.本症例でもその臨床背景因子は一致する.本症例の主症状は発熱と体重減少であった.多形癌は

進行が早く,胸壁への浸潤傾向も強いことより,初発症状としては胸痛や咳嗽が多い.Mochizuki らの報告では70 例の肺多形癌のうち,喀血は 49%,咳嗽は 46%,胸痛・背部痛は 14%に認められている.発熱及び体重減少は 3%とその頻度は低い2).Fishback らも,78 例の肺多形癌例をまとめ,胸痛 30%,咳嗽 19%の症例に認められていると報告し,体重減少は 12%,発熱は 5%と比較的少ない3).本例も,当初不明熱として鑑別を要する入院精査の対象患者として扱われていることからも,このような発症形式の肺多形癌を含めて肺癌診療に注意を要すると思われた.多形癌に対する化学療法は,抵抗性があり予後不良と

されている.Bae らは,術後再発及び進行期多形癌 13例に対し,ドセタキセルを含まない初期治療レジメンの効果を検討し,奏効例を認めず 11 例が増悪した(PD)と報告している5).一方で,進行期多形癌に対し,シスプラチンとビノレルビン酒石酸塩の併用による化学療法が著効した症例が報告され6),また術後カルボプラチンとパクリタキセルの併用による追加化学療法により長期生存を得た症例も報告されている7).

しかし,このような有効な化学療法の報告は散見される程度に留まっている.本症例では,大動脈弁狭窄症を合併していたこと, 体重減少を伴う PS2 であったこと,および年齢を考慮し,ジェムシタビンとドセタキセルの非白金製剤併用療法を選択した.本治療法は,白金製剤併用の治療成績とほぼ同等な治療成績を示す一方で,薬剤性間質性肺炎の発症頻度が高いといった報告も認められる8)9).よってその適応には注意が必要であるが,本例では,治療後速やかに改善傾向を示し,有用な治療法となった.川野らは,手術検体を用いて,肺多形癌の抗がん剤薬剤感受性を検討し,タキサン系の感受性が高いことを報告している10).本症例で得られた効果も,この invitro の結果を支持できる臨床経過と考えられ,タキサン系の薬剤の有用性が示唆された.多形癌の病理診断は,様々な組織型の混合することか

ら,気管支鏡による組織診や細胞診では正確な診断が困難とされる.本症例も気管支鏡による縦隔リンパ節吸引細胞診では,低分化腺癌と診断されていた.Mochizukiらは多形癌と他の非小細胞肺癌との比較において,多形癌の予後が有意に不良と報告している2).日常診療において化学療法抵抗性の非小細胞肺癌の症例は散見される.その中で,気管支鏡検査のみで診断された症例に関しては,その中に多形癌が混在している可能性も考慮すべきと思われる.よって本症の診断には可能なかぎり生検組織を採取することが望まれる.肺多形癌の画像所見については,Kimらが 30 例の検

討を報告している4).全体の 77%にあたる 23 例が上葉に存在し,腺癌細胞と巨細胞もしくは紡錐形細胞の混合の多形癌症例 7例中 86%の 6例が末梢の病変であった.また,15 例の症例で中心部の低吸収領域を認めていたと報告されている.本症例も原発巣は右上葉の末梢に存在し,縦隔リンパ節転移部位の中心部は低吸収領域を呈していた.本例の画像所見でもこれらの報告にほぼ一致する所見と思われた.肺多形癌が正式にWHO分類に掲載されてから,多形

癌の症例報告が増加してきている.今後正確な診断を行い,症例を蓄積することで,本疾患に有効な化学療法及び予後について検討していく必要があると考えられる.

結 論

今回,我々は,発熱・体重減少を主徴とし,肺多形癌と診断された 1例を経験した.化学療法が著効し,全身状態の改善が得られ,延命に寄与していると考えられるため,文献的考察を加え報告した.謝辞:本症例の生検検体に対して病理学的検討をして頂いた信州大学医学部附属病院臨床検査部上原剛先生に深謝致します.

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日呼吸会誌 48(3),2010.218

文 献

1)Brambilla E, Travis WD, Colby TV, et al. The newWorld Health Organization classification of lung tu-mours. Eur Respir J 2001 ; 18 : 1059―1068.

2)Mochizuki T, Ishii G, Nagai K, et al. PleomorphicCarcinoma of the Lung Clinicopathologic Character-istics of 70 Cases. Am J Surg Pathol 2008 ; 32 :1727―1735.

3)Fishback NF, Travis WD, Moran CA, et al. Pleomor-phic (Spindle�Giant Cell) Carcinoma of the Lung―AClinicopathologic Correlation of 78 Cases. Cancer1994 ; 73 : 2936―2945.

4)Kim TS, Han J, Lee KS, et al. CT Findings of Surgi-cally Resected Pleomorphic Carcinoma of the Lungin 30 Patients. Am J Roentgenol 2005 ; 185 : 120―125.

5)Bae H-M, Min HS, Lee S-H, et al. Palliative chemo-therapy for pulmonary pleomorphic carcinoma.Lung Cancer 2007 ; 58 : 112―115.

6)鏑木大輔,富澤由雄,佐藤 賢,他.Cisplatin+Vi-norelbine による化学療法が効果を示した原発性肺多形癌の 1例.日本胸部臨床 2005 ; 64 : 173―178.

7)中村信元,堀内宣昭,桂 大輔,他.Carboplatin+Paclitaxel による術後化学療法により長期生存を得ている肺多形癌の 1例―本邦報告例 23 例の文献的検討―.癌と化学療法 2008 ; 35 : 965―968.

8)Takeda K, Negoro S, Tamura T, et al. Phase III trialof docetaxel plus gemcitabine versus docetaxel insecond-line treatment for non-small-cell lung can-cer : results of a Japan Clinical Oncology Group trial(JCOG0104). Ann Oncol 2009 ; 20 : 835―841.

9)Pujol JL, Breton JL, Gervais R, et al. Gemcitabine-docetaxel versus cisplatin-vinorelbine in advancedor metastatic non-small-cell lung cancer : a phase IIIstudy addressing the case for cisplatin. Ann Oncol2005 ; 16 : 602―610.

10)川野亮二,日野春秋,星野竜広,他.肺多形癌切除7例の臨床病理学的検討と抗癌剤感受性試験の結果について.肺癌 2008 ; 48 : 106―111.

Abstract

A case of a pulmonary pleomorphic carcinoma with fever which responded well to chemotherapy

Takashi Ichiyama1)2), Tsuyoshi Tanabe1), Toshihiko Agatsuma1), Hiroshi Yamamoto1),Tomonobu Koizumi1)and Keishi Kubo1)1)First Department of Internal Medicine,

Shinshu University School of Medicine, and Shinshu University Hospital2)Azumi General Hospital

Background : Pulmonary pleomorphic carcinoma is a very rare pulmonary malignant tumor which has vari-ous clinical manifestations and a poor prognosis. Case : A 74-year-old man presented with fever and weight loss ofmore than 10kg during 2 months from April 200X. Chest CT showed a nodule in the right upper lobe, and su-praclavicular and mediastinal lymphadenopathy. Positron emission tomography (PET) comfirmed 18F-fluorodeoxyglucose accumulation in the sites. A left supraclavicular node biopsy demonstrated pulmonary pleo-morphic carcinoma. The tumors responded well to gemcitabine plus docetaxel combination chemotherapy. Thissymptoms disappeared and the response continued for 1 year after 6 cycles of chemotherapy. Conclusion : We re-port a case of pulmonary pleomorphic carcinoma presenting with fever, which showed a marked response to che-motherapy.