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後処理基線解析ソフトウェア (NS-Survey) 操作マニュアル 2005/1/31 Ver1.1.6 「公共測量への PCV 補正(GPS スタティック測量)」対応版 日本GPSソリューションズ株式会社

後処理基線解析ソフトウェア (NS-Survey)esurv.hitachizosen.co.jp/download/pdf/NS-Survey_Manual...NS-Survey Ver1.1.3以前で基線解析したデータは、日本測量機器工業会の公

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後処理基線解析ソフトウェア

(NS-Survey)

操作マニュアル

2005/1/31 Ver1.1.6

「公共測量への PCV補正(GPSスタティック測量)」対応版

日本GPSソリューションズ株式会社

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1.はじめに

基線解析ソフトウェア(NS-Survey)は、NetSurv2000 または NetSurv3000 シリーズで観

測した静止測量データのインポート、基線解析および各種帳票出力を行うソフトウェア

です。

本書は、NS-Survey の操作と取り扱い説明、注意事項について説明したものです。安

全にお使いいただくために、本書をよくお読みいただき、また正しくお使いいただきま

すようにお願いいたします。

国土交通省国土地理院は、「平成 17 年 7 月 1 日から公共測量等に おいて異

機種アンテナの混在する GPS 測量を行なうことを認める」 との発表をしまし

た(平成 17 年 5 月 23 日付通知 国地企指第 41 号)。 異機種アンテナの混在する GPS 測量においては、日本測量機器工業会から提

供されるアンテナの位相特性 データを使った PCV 補正による基線解析を行う

必要があります。 詳細は

・ 国土地理院の HP (http://www.gsi.go.jp)

・ 日本測量機器工業会の HP(http://www.tim.hi-ho.ne.jp/jsima/index.html)

をご覧下さい。

NS-Survey Ver1.1.6 は、日本測量機器工業会が 2005 月 11 月1日公開にした

アンテナ位相特性データを取り込んだ形でリリースしています。

今後、アンテナ位相特性データが更新された場合は、日本測量機器工業会から

ダウンロードしたデータを NS-Survey にインポートする作業が必要になりま

す。インポート作業についてはマニュアル「アンテナ位相特性データの更新につ

いて」を参照してください。

NS-Survey Ver1.1.3 以前で基線解析したデータは、日本測量機器工業会の公

開にしているアンテナ位相特性データを使用していないため、観測記簿の「PCV

補正(Ver):」の欄が空白で表示されます。

最新のバージョンで再度基線解析を行うことで、日本測量機器工業会の公開

にしているアンテナ位相特性データ解析した結果となりますので、NS-Survey

Ver1.1.3 以前で基線解析したデータを使用する場合は、再度基線解析を行って

ください。

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・ ActiveReports Copyright(C) 2002 Data Dynamics,Ltd.

・ Windows、PocketPC は、Microsoft(R) Corporation の商標です。

・ Acrobat Reader は、Adobe Systems Incorporated の商標です。

以下の機能を実行するためには、「地籍オプション」が必要です。 ・ 社団法人 日本国土調査測量協会発行の「地籍測量及び地積測定にお

ける作業の記録及び成果の記載例(改訂版)」に沿った地籍測量用

の帳票出力

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1.1 処理の概要

NS-Survey の処理は、以下の手順で行います。

データのインポート

観測点の結合

固定点の設定

基線解析

点検計算

帳票の出力

・NetSurv2000/NetSurv3000で観測したデータをインポートします。

・同じ場所で観測されたデータを結合することで多角網を作成します。

・既知点の座標を入力して固定点にします。

・解析条件を設定し、基線解析を行います。

・基線解析結果の点検を行います。

NS-Networkへのエクスポート

・NS-Networkで三次元網平均計算を行うのに必要なファイルの 出力を行います。

・各種帳票の出力を行います。

現場の登録 ・現場を登録します。

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2.起動と終了

本プログラムを起動させるためにはハードウェアキー(Sentinel SuperPro)が必要で

す。USB ポートにハードウェアキーが挿されていることを確認してください。

本プログラムの起動は、デスクトップの「NS-Survey」のアイコンをダブルクリック

するか、Windows のスタートメニューから「NGS」グループの「NS-Survey」をクリック

することで行えます。

終了は、「ファイル」メニューの終了を選択することで行えます。

リスト配置図

メニュー

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3.現場管理

NS-Survey では、データを「現場」と呼ぶ単位で管理します。現場の管理方法として

は、以下の処理があります。

3.1 新規現場の作成 処理を行う現場を新規作成します。「ファイル」メニューの「新規現場の作成」を選

択すると以下の画面が表示されます。

入力する項目は、以下の通りです。 (1)現場名

現場名を入力してください(必須入力)。同じ現場名は重複して登録するこ

とが出来ません。 (2)地区名

作業現場の地区名を入力してください。 (3)平面直角座標系

作業現場の平面直角座標系での座標系番号を選択してください。 (4)ジオイド補正

ジオイドモデルの補正の有無を設定します。「ジオイド補正をする」にチェ

ックした場合、「参照」ボタンをクリックして「日本のジオイド2000」パ

ラメータファイルを指定してください。 オプション(10.1.4参照)で「デフォルトで使用するジオイドモデ

ル」が設定されている場合は、設定した値がデフォルトで設定されます 項目を入力して「OK」ボタンをクリックしてください。入力した内容で現場が作成さ

れます。

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3.2 現場を選択 既に登録してある現場一覧から処理を行う現場を選択します。「ファイル」メニュー

の「現場を選択」を選択すると以下の画面が表示されます。

現場のリストの中から処理を行う現場を選択し、「選択」ボタンをクリックします。

選択された現場が画面に表示されます。 3.3 現場を閉じる

「ファイル」メニューの「現場を閉じる」を選択すると、処理している現場を閉じる

ことが可能です。 3.4 現場の編集

現場の情報を編集します。 「ファイル」メニューの「現場を編集」を選択すると以

下の画面が表示されます。

項目を編集し「OK」ボタンをクリックしてください。編集した内容が反映されます。

3.5 上書き保存

現場の情報を保存します。「ファイル」メニューの「上書き保存」を選択することで

保存されます。

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3.6 名前をつけて保存 現場の情報を新しい現場として保存します。 「ファイル」メニューの「名前をつけ

て保存」を選択すると以下の画面が表示されます。

項目を編集し「OK」ボタンをクリックしてください。編集した現場名で保存します。

3.7 現場を削除

登録されている現場の中から、選択された現場を削除します。「ファイル」メニュー

の「現場を削除」を選択すると以下の画面が表示されます

削除する現場のチェックボックスにチェックを入れ、「削除」ボタンをクリックしま

す。選択された現場が削除されます。

「現場を選択」している状態では、「現場の削除」は行えません。現

場を選択している場合、「現場を閉じる」を実行してから「現場の削

除」を実行してください。

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4.データ管理 4.1 データのインポート

観測データを NS-Survey にインポートします。

NS-Survey では、以下のファイル形式の観測データをインポートすることが出来ます。

・NetSurv データファイル(拡張子「*.DAT」)

・RINEX ファイル(拡張子「*.??o」「*.??n」)

「ファイル」メニューの「インポート」からのインポートしたい形式を選択します。

選択すると以下の画面が表示されます。

インポートするファイルを選択(複数選択可能)してください。

NetSurv2000/NetSurv3000 観測データファイルは拡張子が「DAT」のファイル、RINEX は

拡張子が「??o」(??は数字)の観測ファイルを選択してください。

ファイルを選択して、「開く」ボタンをクリックすると、選択されたファイルがイン

ポートされます。

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RINEX ファイルをインポートした時に観測ファイル(拡張子「??o」)と同じフォルダ

に同じ名前の衛星軌道情報ファイル(拡張子「??o」)に無い場合、以下の画面が表示さ

れます。

使用する衛星軌道情報ファイルを

・インポート済み(インポートが完了し、画面に表示されている観測点)

・インポート中(同時にインポートしている観測点)

・軌道情報ファイルを指定

のいずれの方法で指定してください。

RINEX ファイルをインポートして基線解析を行う場合、衛星軌道情

報ファイルが必要です。 衛星軌道情報ファイルは、観測時間±2時間以内の衛星軌道情報ファ

イルを指定してください。

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ファイルをインポートすると、ファイルから観測データを取り出し、観測点として登

録します。観測点 No が同じ観測点が存在する場合は、同じ場所で観測した点と判断し、

自動的に結合されます。ただし、観測点 No とセッション名が同じファイルを複数イン

ポートすることは出来ません(一方を先にインポートして観測点 No かセッション名を

変更後に、もう一方をインポートすることは可能です)。

次に、登録された観測点同士を比較し、「オプション」の「基線条件」(10.1.

3参照)を満たす観測点間に基線ベクトルを引きます。基線ベクトルの向きは、暫定的

に観測開始時間の早い観測点が始点になります。同じ観測点間に複数の基線が存在する

(以下、重複基線)場合、ベクトルの線が太く表示されます。

基線ベクトルのセッション名は、基本的に観測点と同じセッション名になります。し

かし、以下の場合は基線ベクトルのセッション名が取得出来ません。

・同じ始点、終点、セッション名の基線が既に登録されている。

・始点と終点のセッション名が違う。

・始点と終点のセッション名が取得出来ない。

この場合、始点と終点の組み合わせで連番の仮のセッション名(例:S0001)になりま

す。「ベクトルの編集」の「セッション名の変更」(5.4参照)で適当なセッション名

に変更してください。

観測点基線ベクトル

重複基線

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4.2 データのエクスポート

観測データを RINEX 形式のファイルにエクスポートします。

「ファイル」メニューの「エクスポート」からの「RINEX ファイル」を選択します。

選択すると以下の画面が表示されます。 出力する範囲を「現場全体」、「セッション」か「観測点」から選択し、「OK」ボ

タンをクリックします。保存先を選択するダイアログが表示されます。

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ファイルの保存先を選択して、「OK」ボタンをクリックします。選択された範囲の

RINEX ファイルが出力されます。出力されるファイルは、観測ファイル(拡張子が

「??o」)と衛星軌道情報ファイル(拡張子が「??n」)の2つがセットになっています。

ファイル名は、インポートファイルと同じファイル名になります(拡張子は除く)。

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5.データの編集

インポートしたデータは画面左側の配置図と。右側のリストで表示されます。リスト

下部のタブにより観測点と基線ベクトルの表示を切り替えられます。 5.1 配置図での操作

配置図では「オブジェクトを選択」「拡大」「縮小」「全体表示」が行えます。それ

ぞれの操作は、ツールバーでモードを切り替えることが出来ます。「表示」メニューで

も同様の操作が行えます。 (1) オブジェクトを選択 配置図上のオブジェクト(観測点、ベクトル)をクリックすることでオブジェクト

を選択することが出来ます。 ・ 観測点を左クリックすることで観測点を選択することが出来ます。また、右ク

リックすることで編集用メニュー(5.3参照)が表示されます。

・ ベクトルを左クリックすることでベクトルを選択することが出来ます。また、

右クリックすることで編集用メニュー(5.4参照)が表示されます。 (2)拡大 ・ 配置図を左クリックすることで、クリックした点を中心に表示範囲を拡大しま

す。

オブジェクトを選択 拡大 縮小 全体表示

観測点とベクトル切替

リスト配置図

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・ 配置図を範囲選択することで、選択した範囲を表示します。 (3)縮小 ・ 配置図を左クリックすることで、クリックした点を中心に表示範囲を縮小しま

す。

・ 配置図を範囲選択することで、表示している範囲を選択した範囲に縮小表示し

ます。 (4)全体表示 ・ 「全体表示」をクリックすることで、全観測データが表示されます。

5.2 リストでの操作 リストでは、以下の操作が行えます。 ・ リストのタブが観測点になっている状態で、観測点をクリックすることで観測点を

選択することが出来ます。また、右クリックすることで編集用メニュー(5.3参

照)が表示されます。

・ リストのタブがベクトルになっている状態で、ベクトルをクリックすることでベク

トルを選択することが出来ます。また、右クリックすることで編集用メニュー(5.

4参照)が表示されます。 5.3 観測点の編集

配置図又はリスト上の観測点を選択した状態でマウスの右ボタンを押すことで以下の

メニューが表示されます。 このメニューでは、観測点の編集が行えます。

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5.3.1 観測点情報の編集 「観測点情報の編集」を選択することで、観測点情報と固定点の設定が行えます。 固定点に設定するときは、固定点の既知座標を入力してください。座標は緯経度、平

面直角座標か地心直行座標、高さは標高か楕円体高で入力することができます(※標高

で入力する場合には、現場の設定で「ジオイド補正をする」にチェックが入っていなけ

ればなりません)。 「編集」メニューの「観測点情報の編集」でも同様の操作が行えます。

固定点に設定した場合、配置のアイコンが変わり、リストの「種類」の列に「固

定」の文字が表示されます。

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5.3.2 観測データの編集 「観測データの編集」を選択することで、観測データの編集が行えます。観測デー

タの編集は3つのタブで構成されます。 (1)観測

観測条件の設定が行えます。

(2)受信機

観測に使用した受信機の設定が行えます。

(3)アンテナ

観測に使用したアンテナの設定が行えます。

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5.3.3 セッション名の変更

「セッション名の変更」を選択することで、観測データのセッション名の変更が行

えます。セッション名を入力することで新しいセッションの作成も可能です。

NS-Survey が解析に使用するアンテナモデルは、米国測地測量局

(National Geodetic Survey)が定めたアンテナモデルを使用します。

NSAT2775-42W で観測したデータをアンテナ種別「Unknown」で解析

する場合、アンテナ位相中心高には、NetSurv2000 で観測したアンテナ

位相中心高に 0.029m 足した値を入力してください。

1つのセッションに同じ観測点 No の観測データが複数存在することは

出来ません。

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5.3.4 偏心設定 電波障害や上空視界などの理由で GPS による観測が行えない場合、その点を偏心

させて観測することが出来ます。「偏心設定」で偏心要素を入力することで、偏心点

からの本点の補正ベクトルを計算することが出来ます。「偏心設定」を選択すると以

下の画面が表示されます。

トータルステーションで観測した偏心要素を入力し、「OK」ボタンをクリックす

ることで、画面に本点と偏心補正ベクトルが表示されます。

本点 偏心点

偏心補正ベクトル

「NetSurv ベクトルデータファイル」と「Geodimeter ジョブファイル」

への出力時には、「偏心補正後のベクトル」のみが出力されます。

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5.3.5 結合 「結合」を選択することで観測点の結合が行えます。観測点が距離順にソートされ

て表示されるので、結合先を選択して「結合」をクリックしてください。「編集」メ

ニューの「結合」でも同様の操作が行えます。

5.3.6 有効/無効の切替

「有効」「無効」を選択することで観測点の有効/無効の切替が行えます。無効に

した場合は、基線解析の対象から外れます。「編集」メニューの「有効」「無効」で

も同様の操作が行えます。

5.3.7 削除 「削除」を選択することで観測点の削除が行えます。

5.3.8 エクスポート

「エクスポート」-「RINEX ファイル」を選択することで観測データを RINEX 形

式でエクスポートが行えます。

保存先とファイル名を選択し「保存」ボタンをクリックしてください。

・結合した観測点を分離させることは出来ませんので、結合するとき

は注意してください。 ・固定点に設定されている観測点は結合出来ません。 ・基線が引かれている2点の観測点の結合は出来ません。

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5.3.9 データ表示 「データ表示」を選択することで、選択している観測データのデータ表示を行いま

す。表示するデータは以下の通りです。 ① 衛星数

② 衛星配置

③ スカイプロット

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④ PDOP

5.3.10 観測手簿

「観測手簿」を選択することで、選択している観測データの観測手簿の表示を行い

ます。

観測点を NetSurv3000 観測データファイルか RINEX ファイルからイン

ポートした場合、③スカイプロットと④PDOP は表示されません。

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5.4 ベクトルの編集 配置図又はリスト上のベクトルを選択した状態でマウスの右ボタンを押すことで以下

のメニューが表示されます。

このメニューでは、ベクトルの編集が行えます。 5.4.1 基線ベクトルの編集

「基線ベクトルの編集」を選択することで、基線解析に使用するベクトルの編集が行

えます。

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画面左端のチェックボックスの ON/OFF を切り替えることで、衛星を解析にする/し

ないの切り替えが行えます。チェックボックスが OFF のときは、その衛星は基線解析に

使用されません。

画面中央の衛星のグラフを左クリックで範囲選択することで、衛星にマスクを掛ける

ことが行えます。マスクされた部分は基線解析に使用されません。 5.4.2 セッション名の変更

「セッション名の変更」を選択することで、ベクトルのセッション名の変更が行えま

す。セッション名を入力することで新しいセッションの作成も可能です。

5.4.3 有効/無効の切替

「有効」「無効」を選択することでベクトルの有効/無効の切替が行えます。無効に

した場合は、基線解析の対象から外れます。「編集」メニューの「有効」「無効」でも

同様の操作が行えます。

5.4.4 採用/点検/重複の切替 「採用」「点検」「重複」を選択することでベクトルの採用/点検の切替が行えます。

「点検」にした場合は観測記簿の書式が点検測量用、「重複」にした場合は観測記簿の

書式が点検計算(重複基線)用になります。「編集」メニューの「採用」「点検」「重

複」でも同様の操作が行えます。

1つのセッションに同じ始点と終点のベクトルは複数存在することは出

来ませんので、注意してください。

マスクされた箇所

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5.4.5 反転 「反転」を選択することで、ベクトルの向きの反転が行えます。基線解析後のベクト

ルを反転させると基線解析結果が削除されます。

5.4.6 基線解析 「基線解析」を選択することで、選択しているベクトルの基線解析を行います(6.

1参照)。 5.4.7 結果削除

「結果削除」を選択することで、選択しているベクトルの解析結果を削除します。

5.4.8 データ表示 「データ表示」を選択することで、選択しているベクトルのデータ表示を行います。

表示するデータは以下の通りです。

① 衛星数

② 衛星配置

「データ表示」は基線解析が終わっているベクトルのみ選択することが

できます。

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5.4.9 観測記簿 「観測記簿」を選択することで、選択しているベクトルの観測記簿の表示を行います。

5.4.10 座標計算簿 「座標計算簿」を選択することで、選択しているベクトルの座標計算簿の表示を行い

ます。

5.5 基線ベクトルの向きの自動整列 基線ベクトルの向きを、固定点を始点とした放射状の向きを自動整列させることが出

来ます。 「編集」メニューの「基線ベクトルの向きの自動整列」を選択すると以下の画面が表

示されます。 始点にする固定点を選択し、「OK」ボタンをクリックします。基線ベクトルの向き

が自動的に整列されます。

「観測記簿」は基線解析が終わっているベクトルのみ選択することがで

きます。

「座標計算簿」は基線解析が終わっているベクトルのみ選択することが

できます。

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6.基線解析 6.1 基線解析

基線解析を行います。「解析」メニューの「基線解析」を選択するか、「ベクトルの

編集」の「基線解析」を選択すると、以下の画面が表示されます。 「解析」メニューの「基線解析」を選択した場合は現場内の全ての基線が、「ベクト

ルの編集」の「基線解析」を選択した場合は選択した基線のみが、それぞれ表示されま

す。 最初に、基線解析を行うための条件設定を行います。条件設定は4つのタブで構成さ

れます。 6.1.1 解析

基本的な設定を行います。設定する項目は以下の通りです。

(1)軌道暦

基線解析に使用する軌道暦を設定します。「精密歴」を使用する場合は、「参

照」ボタンをクリックして精密歴のファイルを指定してください。 (2)時間

基線解析を行う時間を設定します。初期値は、解析する基線で最も早い時間と最

も遅い時間が設定されています。

精密暦は、国土地理院の公開している「IGS 精密暦ファイル」(拡張子

sp3)に対応しています。また、IGS(International GNSS Service)が公

開している sp3c フォーマットの精密暦ファイルにも対応しています。

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(3)周波数

基線解析する周波数を設定します。周波数は、 ①L1 :L1 帯のみ使用

②L1、L2 :L1 帯と L2 帯の両方を使用

③L1、L2>○km:基線長が○km より長いときは L1 帯と L2 帯を使用、 それ以外は L1 帯のみ使用

から選択してください。初期値は、「L1、L2>10km」が設定されています。

(4)仰角マスク 基線解析に使用する仰角マスクを設定します。初期値は、15 度が設定されてい

ます。 (5)解析間隔

基線解析するエポック間隔を設定します。初期値は、解析する観測データの中で

最長のエポック間隔が設定されています。 また、「公共静止測量条件」ボタンと「公共高速静止測量条件」ボタンをクリック

すると、国土地理院公共測量作業規程に準拠した静止測量と高速静止測量の条件が設

定されます。

「公共静止測量条件」ボタンをクリックしたときの設定

仰角マスク:15 度

解析間隔 :30 秒

周波数 :L1、L2>10km

「公共高速静止測量条件」ボタンをクリックしたときの設定

仰角マスク:15 度

解析間隔 :15 秒

周波数 :L1、L2>10km 6.1.2 順序

基線解析を行う順序の設定を行います。設定する項目は以下の通りです。

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・基線解析順序 基線解析を行う順序を設定します。チェックボックスにより基線解析の対象か

ら外したり、基線解析の向きを反転させることが可能です。 6.1.3 衛星

基線解析に使用する GPS 衛星の設定を行います。設定する項目は以下の通りです。 ・GPS衛星

基線解析に使用しない衛星を設定します。解析に使用しない衛星のチェックボ

ックスにチェックを入れてください。

各基線の解析に使用する始点座標は、以下の順番で決定します。 ①固定座標 ②FIX 解である基線ベクトルの終点座標 ③解析済である基線ベクトルの終点座標 ④観測データの単独測位座標

※同一順番の座標が複数ある場合は、後に解析したものを採用。

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6.1.4 詳細 詳細な設定を行います。設定する項目は以下の通りです。

・解析モード

基線解析の解析モードを設定します。現在のバージョンでは「静止」のみ使用

可能です。 ・解析オプション

基線解析に使用する解析パラメータを設定します。通常、変更する必要はあり

ません。初期値は、最大残差(L1)「50mm」、最大残差(L2)「50mm」、最大残差

(L3)「30mm」、最大残差(L5)「100mm」、最小バイアス決定比「1.5」に設定さ

れています。 ・気象条件

基線解析に使用する対流圏モデルと、気温、気圧と湿度を設定します。初期値

は、対流圏モデル「Saastamoinen」、気温「20℃」、気圧「1013hPa」、湿度

「50%」に設定されています。 ・対流圏遅延評価

基線解析に使用する対流圏モデルの詳細な設定をします。初期値は、「使用し

ない」に設定されています。

対流圏遅延評価は、40km 以上の基線で効果を発揮します。それ以外

の解析で対流圏遅延評価を使用すると解析結果が悪くなる可能性があ

ります。

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条件の設定が終わりましたら「OK」をクリックします。以下の画面が表示され、基

線解析が始まります。

基線解析が終わると、解析結果がベクトルのリストに追加されます。また、配置図の

ベクトルの色が解析結果に合わせて変化します。解析結果とベクトルの色の関係は以下

の通りです。 解の種類 ベクトルの色 FLOAT 黄色

FIX 緑色 未解析 白 解析失敗 赤

解析結果の良否の判断材料として、「解の種類」「バイアス決定比」「FIX 率」があ

ります。以下の条件、満たしているとき、解析結果が良好であると判断出来ます。 ・「解の種類」が FIX。 ・「バイアス決定比」が解析条件設定の「最小バイアス決定比」より以上。または

「バイアス決定比が「最小バイアス決定比」未満だが、「FIX 率」が 80%以上。 を満たしているとき、解析結果が良好であると判断出来ます。

FLOAT

FIX

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6.2 結果削除

「解析」メニューの「結果削除」を選択することで、基線解析結果の削除を行うこと

ができます。

解析結果が ・「解の種類」が FLOAT ・「解の種類」は FIX だが、バイアス決定比が「最小バイアス決

定比」未満かつ「FIX 率」が 80%未満 の場合、以下のような処理を行って再解析することをお勧めします。

・解析する時間を変更する ・棄却率の高い衛星を外す ・解析に使用する周波数(L1、L2)を変える

周波数を「L1」で解析した場合でも、解析結果の使用周波数が

「L1,L2」になる場合があります。これは、L1 解析で FIX しないときに

L1,L2 で再解析を試みているためです。 解析後は、使用周波数を確認することをお勧めします。

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7.点検計算

基線解析結果の点検計算を行います。NS-Survey では、国土交通省公共測量作業規程

に記載されている次の3種類の点検計算に対応しています。 ・ 環閉合差 ・ 電子基準点間の閉合差 ・ 重複する基線ベクトルの較差(8.4参照)

7.1 環閉合差

異なるセッションの基線ベクトルの組み合わせによる最小辺数の多角形を選定し、基

線ベクトルの環閉合差を計算します。点検結果は点検計算簿として帳票出力されます

(8.5参照)。なお、点検結果は最後に「登録」が実行されたものについてのみ保存

されます。

「点検計算」メニューの「環閉合差」を選択すると以下の画面が表示されます。

次の操作で環を入力し計算します。

① 画面を開いたとき、点検に使用出来るベクトル(基線解析後のベクトル)が、

配置図に青色の太いベクトルで表示されます。また、「選択候補リスト」に

もリストアップされています。

選択候補リスト

経路リスト 配置図

点検リスト

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② 青色ベクトルの1本をクリックすると、クリックしたベクトルがオレンジ色

になり、「経路」リストに追加されます。

次に、「経路」リストに追加されたベクトルと接続されているベクトルが

次の選択候補として青色で表示されます。「次選択リスト」でベクトルを選

択し「追加」ボタンをクリックすることでも同じ操作が可能です。

③ ②の操作を繰り返して、環になるようにベクトルを追加します。クリックし

たベクトルが重複基線の場合、以下のように候補が表示されます。

④ 入力をやり直す場合は、画面右にある「戻る」ボタンをクリックすることで、

1つ前の経路に戻ることが可能です。また「クリア」ボタンをクリックする

ことで、最初からやり直すことが可能です。

環に追加されたベクトル

次の選択候補

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⑤ 環になるようにベクトルを追加すると、画面右下に閉合差と許容値が表示さ

れます。また、閉合差の計算に使用する既知点の座標は、固定点に設定して

いる点から選択可能です。

⑥ 画面右上の「No」と「名称」を入力し、「登録」ボタンをクリックすること

で、点検結果が点検リストに登録されます。登録された内容は、点検リスト

をクリックすることで確認することが可能です。

計算に使用する既知点

閉合差と許容値

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7.2 電子基準点間の閉合差 既知点が電子基準点のみの場合は、2点の電子基準点を結合する路線で、基線ベクト

ル成分の結合計算を行います。点検結果は点検計算簿として帳票出力されます(8.6

参照)。なお、点検結果は最後に「登録」が実行されたものについてのみ保存されます。

「点検計算」メニューの「電子基準点間の閉合差」を選択すると以下の画面が表示さ

れます。

次の操作で路線を入力し計算します。

① 画面を開いたとき、点検に使用出来るベクトル(固定点に接続されているベ

クトル)が、配置図に青色の太いベクトルで表示されます。また、「選択候

補リスト」にもリストアップされています。

② 青色ベクトルの1本をクリックすると、クリックしたベクトルがオレンジ色

になり、「経路」リストに追加されます。

次に、「経路」リストに追加されたベクトルと接続されているベクトルが

次の選択候補として青色で表示されます。「次選択リスト」でベクトルを選

択し「追加」ボタンをクリックすることでも同じ操作が可能です。

選択候補リスト

経路リスト 配置図

点検リスト

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③ ②の操作を繰り返して、他の固定点と結合するようにベクトルを追加します。

クリックしたベクトルが重複基線の場合、以下のように候補が表示されます。

④ 入力をやり直す場合は、画面右にある「戻る」ボタンをクリックすることで、

1つ前の経路に戻ることが可能です。また「クリア」ボタンをクリックする

ことで、最初からやり直すことが可能です。

環に追加されたベクトル

次の選択候補

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⑤ 他の固定点と結合するようにベクトルを追加すると、画面右下に閉合差と許

容値が表示されます。また、閉合差の計算に使用する既知点の座標は、固定

点に設定している点から選択可能です。

⑥ 画面右上の「No」と「名称」を入力し、「登録」ボタンをクリックすること

で、点検結果が点検リストに登録されます。登録された内容は、点検リスト

をクリックすることで確認することが可能です。

計算に使用する既知点

閉合差と許容値

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8.帳票出力

NS-Survey で出力する各種帳票は、下記のようなプレビュー画面で表示されます。

プレビュー画面では、印刷やファイル(PDF 形式)の保存が行えます。プレビュー画面

の操作は、プレビュー画面上部のツールバーで行います。

8.1 観測手簿

観測データの観測手簿を作成します。

「帳票出力」メニューの「観測手簿」を選択すると以下の画面が表示されます。 出力する範囲を「現場全体」か「セッション」から選択して「OK」ボタンをクリッ

クします。選択された範囲の観測手簿が出力されます。

見出しの表示/非表示の切替

印刷 帳票の拡大/縮小

ページ切替

PDFファイルへ出力

見出し 帳票

ツールバー

保存したファイル(PDF 形式)は、アドビ社の Acrobat Reader でご覧くだ

さい。

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8.2 観測記簿

観測データの観測記簿を作成します。

「帳票出力」メニューの「観測記簿」を選択すると以下の画面が表示されます。 出力する範囲を「現場全体」か「セッション」から選択して「OK」ボタンをクリッ

クします。選択された範囲の観測記簿が出力されます。 8.3 座標計算簿

基線解析の詳細な結果を出力します。座標計算簿を出力するには、基線解析が終わっ

ていなければなりません。

「帳票出力」メニューの「座標計算簿」を選択すると以下の画面が表示されます。 出力する範囲を「現場全体」、「セッション」か「基線」から選択して「OK」ボタ

ンをクリックします。選択された範囲の座標計算簿が出力されます。

「観測記簿」は基線解析が終わっているベクトルのみ選択することがで

きます。

「座標計算簿」は基線解析が終わっているベクトルのみ選択することが

できます。

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8.4 偏心計算簿

偏心補正計算の結果を出力します。偏心計算簿を出力するには、計算に使用するベク

トルが基線解析が終わっていなければなりません。

「帳票出力」メニューの「偏心計算簿」を選択すると以下の画面が表示されます。 出力する結果を選択して「OK」ボタンをクリックします。選択された偏心計算簿が

出力されます。

8.5 点検計算簿(重複基線較差)

2つのセッションで重複する基線ベクトルの較差を計算します。点検計算簿(重複基

線較差)を出力するには、基線解析が終わっていなければなりません。 「帳票出力」メニューの「点検計算簿(重複基線較差)」を選択すると以下の画面が

表示されます。 点検する2つのセッションと計算に使用する既知点を選択して「OK」ボタンをクリ

ックします。点検計算の結果が出力されます。

「点検計算簿(重複基線格差)」は基線解析が終わっているベクトルの

み出力することができます。

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8.6 点検計算簿(環閉合差) 点検計算(環閉合差)(7.1参照)で点検した結果を出力します。「帳票出力」メ

ニューの「点検計算簿(環閉合差)」を選択すると以下の画面が表示されます。

出力する結果のチェックボックスにチェックを入れて「OK」ボタンをクリックしま

す。選択された点検計算の結果が出力されます。

8.7 点検計算簿(電子基準点間の閉合差) 点検計算(電子基準点間の閉合差)(7.2参照)で点検した結果を出力します「帳

票出力」メニューの「点検計算簿(電子基準点間の閉合差)」を選択すると以下の画面

が表示されます。

出力する結果のチェックボックスにチェックを入れて「OK」ボタンをクリックしま

す。選択された点検計算の結果が出力されます。

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8.8 点検測量(重複基線較差)

2つのセッションで重複する基線ベクトルの較差を計算します。点検測量(重複基線

較差)を出力するには、基線解析が終わっていなければなりません。 「帳票出力」メニューの「点検測量(重複基線較差)」を選択すると以下の画面が表

示されます。 点検する2つのセッションと計算に使用する既知点を選択して「OK」ボタンをクリ

ックします。点検測量の結果が出力されます。

「点検測量(重複基線格差)」は基線解析が終わっているベクトルのみ

出力することができます。

「国土地理院公共測量作業規程」では点検測量の許容範囲が明記されてい

ないため、「点検測量(重複基線較差)」の許容範囲は空白で出力されます。 オプションで設定することで表示することが可能です。

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8.9 地籍測量

社団法人 日本国土調査測量協会発行の「地籍測量及び地積測定における作業の記録及

び成果の記載例(改訂版)」に準拠した地籍測量用の帳票を出力します。

8.9.1 地籍図根三角測量精度管理表(環閉合差)

点検計算(環閉合差)(7.1参照)で点検した結果を出力します。「帳票出力」-

「地籍測量」メニューの「地籍図根三角測量精度管理表(環閉合差)」を選択すると以

下の画面が表示されます。

日付、記入者と点検者を入力し、出力する結果のチェックボックスにチェックを入れ

て「OK」ボタンをクリックします。選択された点検計算の結果が出力されます。

8.9.2 地籍図根三角測量精度管理表(重複辺の較差)

重複する基線ベクトルの較差を出力します。地籍図根三角測量精度管理表(重複辺の

較差)を出力するには、基線解析が終わっていなければなりません。 「帳票出力」-「地籍測量」メニューの「地籍図根三角測量精度管理表(重複辺の較

差)」を選択すると以下の画面が表示されます。

この帳票を出力するためには「地籍測量オプション」が必要です。

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日付、記入者、点検者、計算に使用する既知点を入力して「OK」ボタンをクリック

します。点検計算の結果が出力されます。

8.9.3 点検計算簿(重複基線較差)

2つのセッションで重複する基線ベクトルの較差を出力します。点検計算簿(重複基

線較差)を出力するには、基線解析が終わっていなければなりません。 「帳票出力」-「地籍測量」メニューの「点検計算簿(重複基線較差)」を選択する

と以下の画面が表示されます。 点検する2つのセッションと計算に使用する既知点を選択して「OK」ボタンをクリ

ックします。点検計算の結果が出力されます。

この帳票を出力するためには「地籍測量オプション」が必要です。

「点検計算簿(重複基線格差)」は基線解析が終わっているベクトルの

み出力することができます。

この帳票を出力するためには「地籍測量オプション」が必要です。

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8.9.4 点検計算簿(環閉合差) 点検計算(環閉合差)(7.1参照)で点検した結果を出力します。「帳票出力」-

「地籍測量」メニューの「点検計算簿(環閉合差)」を選択すると以下の画面が表示さ

れます。

出力する結果のチェックボックスにチェックを入れて「OK」ボタンをクリックしま

す。選択された点検計算の結果が出力されます。

8.9.5 点検計算簿(電子基準点間の閉合差) 点検計算(電子基準点間の閉合差)(7.2参照)で点検した結果を出力します

「帳票出力」-「地籍測量」メニューの「点検計算簿(電子基準点間の閉合差)」を

選択すると以下の画面が表示されます。

出力する結果のチェックボックスにチェックを入れて「OK」ボタンをクリックしま

す。選択された点検計算の結果が出力されます。

この帳票を出力するためには「地籍測量オプション」が必要です。

この帳票を出力するためには「地籍測量オプション」が必要です。

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8.10 その他計算 8.10.1 ΔXYZからΔNEUへの変換(環閉合差)

点検計算(環閉合差)(7.1参照)で点検した結果のΔXYZからΔNEUへの変

換に使用したパラメータを一覧で出力します。 「帳票出力」メニューの「ΔXYZからΔNEUへの変換(環閉合差)」を選択する

と以下の画面が表示されます。

出力する結果のチェックボックスにチェックを入れて、「OK」ボタンをクリックし

ます。選択された点検計算の結果が出力されます。

8.10.2 ΔXYZからΔNEUへの変換(電子基準点間の閉合差)

点検計算(電子基準点間の閉合差)(7.2参照)で点検した結果のΔXYZからΔ

NEUへの変換に使用したパラメータを一覧で出力します。 「帳票出力」メニューの「ΔXYZからΔNEUへの変換(電子基準点間の閉合

差)」を選択すると以下の画面が表示されます。

出力する結果のチェックボックスにチェックを入れて、「OK」ボタンをクリックし

ます。選択された点検計算の結果が出力されます。

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9 ファイル出力

「ファイル出力」メニューで、基線解析結果を様々なファイル形式で出力することが

出来ます。

9.1 NetSurv ベクトルデータファイルの出力

観測データを「NetSurv ベクトルデータファイル」形式のファイルで出力します。

「ファイル出力」メニューの「NetSurv ベクトルデータファイル」を選択すると以下の

画面が表示されます。 出力するセッションと出力先を選択し、「OK」ボタンをクリックします。 出力先が「ファイルに出力する」の場合、選択されたセッションの観測データが

「NetSurv ベクトルデータファイル」形式のファイルで出力されます。出力したファイ

ルを NS-Network でインポートすることで、三次元網平均計算が行えます。 出力先が「すぐに NS-Network でインポートする」の場合、NS-Network が起動し、選

択されたセッションの観測データが直接 NS-Network でインポートされます。

出力先で「すぐに NS-Network でインポートする」を選択するために

は、NS-Network Ver1.4.0 以降がインストールされていることが必要で

す。

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9.2 Geodimeter ジョブファイルの出力

観測データを「Geodimeter ジョブファイル」形式のファイルで出力します。「ファ

イル出力」メニューの「Geodimeter ジョブファイル」を選択すると以下の画面が表示

されます。 出力する範囲を「現場全体」か「セッション」から選択し、「選択」ボタンをクリッ

クします。選択された範囲の観測データが「Geodimeter ジョブファイル」形式のファ

イルで出力されます。

出力したファイルを NS-Network か Trimble Total Control でインポートすることで、

三次元網平均計算が行えます。

9.3 観測図(DXF)ファイルの出力

観測データから観測図の原型となる図形データを DXF 形式のファイルで出力します。

「ファイル出力」メニューの「観測図(DXF)」を選択すると以下の画面が表示されま

す。

「出力ファイル」「縮尺」「現場名」を入力し、「出力」ボタンをクリックします。

現場の観測図が DXF 形式のファイルで出力されます。出力した DXF ファイルはお手持

ちの CAD ソフトで編集してください。

NS-Network は「NetSurv ベクトルデータファイル」と「Geodimeter ジ

ョブファイル」の2つのフォーマットをインポート出来ますが、

「NetSurv ベクトルデータファイル」の方が出力される項目が多いた

め、三次元網平均計算を NS-Network で行う場合は、NetSurv ベクトルデ

ータファイルを使用することをお勧めします。

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10.ツール 10.1 オプション

環境設定を行うことが出来ます。「ツール」メニューの「オプション」を選択すると

オプション画面が開きます。オプション画面はタブで機能ごとに別れています。

10.1.1 帳票

(1)ページ番号を印刷する

帳票のページ番号のON/OFFを切り替えることが出来ます。

(2)帳票に出力する時間

帳票に出力する時間を「UTC」と「JST」から選択することが出来ます。デフォル

トは「UTC」です。

(3)手簿に出力する最少衛星数

観測手簿に出力する最少衛星数を「観測データから取得した衛星数」と「固定し

た衛星数」から選択することが出来ます。デフォルトは「観測データから取得」で

す。

(4)記簿に出力する楕円体モデル

観測記簿に出力する楕円体モデルを「GRS80」と「WGS84」から選択することが出

来ます。デフォルトは「GRS80」です。

楕円体モデルを変更しても、記簿の表示が変更されるだけで座標は変わ

りません。

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(5)記簿に出力する基線解析モード

観測記簿に出力する基線解析モードを「空白」、「全ベクトル解析」と「ユーザ

選択方式」から選択することが出来ます。ユーザが任意に入力することも可能です。

デフォルトは空白です。

10.1.2 許容値

(1)重複基線較差

帳票「点検計算簿(重複基線較差)」で出力する許容値を設定することが出来ま

す。「初期値」ボタンを押すことでデフォルトに戻すことが出来ます。

(2)環閉合差

帳票「点検計算簿(環閉合差)」で出力する許容値を設定することが出来ます。

「初期値」ボタンを押すことでデフォルトに戻すことが出来ます。

(3)電子基準点間の閉合差

帳票「点検計算簿(電子基準点間の閉合差)」で出力する許容値を設定すること

が出来ます。「初期値」ボタンを押すことでデフォルトに戻すことが出来ます。

(4)点検測量

帳票「点検測量(重複基線較差)」で出力する許容値を設定することが出来ます。

「初期値」ボタンを押すことでデフォルトに戻すことが出来ます。許容値の表示/

非表示を設定することも出来ます(デフォルトは非表示)。

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10.1.3 インポート

(1)基線条件

観測データをインポートしたときに基線を作成する条件を設定します。

・同時観測時間

2点の同時観測時間が設定した時間以上のときに基線を作成します。

・共通衛星数

2点の共通衛星数が設定した数以上のときに基線を作成します。

(2)インポートした基線ベクトルを有効にする

(1)の条件で作成したベクトルの有効/無効を設定します。チェックボックスが

ONの場合、インポート時の基線ベクトルは全て有効になっています。デフォルト

は「ON」です。

(3)デフォルトで使用する閏秒

GPS 時間と UTC との閏秒(時差)を設定します。

基本的に閏秒は観測データから取得します。観測データから閏秒が取得

できなかったときに、この設定を使用します。

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10.1.4 変換パラメータ

(1)デフォルトで使用するジオイドモデルファイル

「新規現場の作成」のときのジオイドモデルのデフォルト値を設定します。

ジオイドモデルファイルは、(財)日本地図センターの「数値データ 2km

メッシュ(ジオイド高)」を購入してご利用ください。

購入したフロッピー内のファイル「gsigeome.lzh」を任意のフォルダに

解凍してください。解凍したファイルの「gsigeome.ver4」がジオイド

モデルファイルです。