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関東経済産業局 地域経済部 デジタル経済課 「稼ぐ力」事例集2020&チェックリスト の活用について 第4次産業革命デジタルテクノロジーの活用による 中小企業ビジネスの高付加価値化に向けて 1

「稼ぐ力」事例集2020&チェックリスト の活用について - ITC関東経済産業局地域経済部デジタル経済課 「稼ぐ力」事例集 2020 &チェックリスト

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関東経済産業局 地域経済部 デジタル経済課

「稼ぐ力」事例集2020&チェックリストの活用について

第4次産業革命デジタルテクノロジーの活用による中小企業ビジネスの高付加価値化に向けて

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デジタル技術活用による高付加価値化に向けた方向性 少子高齢化が進展する中、日本は産業競争力の強化、SDGsの達成やサーキュラーエコノミーへの移行、災害・ 感染症対策等の課題に対応しなければならず、一層のイノベーション創出が不可欠。

しかしながら、米中がテクノロジーを梃子にイノベーション力を高めている一方で、日本の科学技術・イノベーションを巡る状況は芳しくない(他国に比べてネガティブ)。

さらに、コロナの影響は、デジタル化への対応、ITインフラ、自動化・ロボット導入、強靱なサプライチェーンなど、日本が取り組まなければならない喫緊の課題を浮き彫りに。

「サイバー」と「リアル」の双方において、外生的ショックに柔軟かつ迅速に対応する「しなやかな経済・社会システム」への 転換が不可欠。

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成長モデルの社会実装へ

※産業構造審議会資料 抜粋(令和元年6月) 2

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日本の製造業で、デジタル化・データ活用が進んでいない

※産業構造審議会資料 抜粋(令和2年6月)

製造工程のデータ収集に取り組んでいる企業の割合は5割程度。 さらに、得られたデータを実際に活用している企業の割合は2割前後にとどまる。

33.4%

66.6%

32.4%

67.6%

42.0%

58.0%

49.0%

51.0%

2016FY

(n=4566)

2017FY

(n=4382)

2018FY

(n=4477)

2019FY

(n=3083)

22.3%21.8%17.4%15.5%

9.8%11.0%9.8%8.6%

38.7%41.4%39.4%40.5%

10.6%12.3%

14.5%15.3%

18.5%13.6%18.9%20.1%

【個別工程の機械の稼働状態について「見える化」を行い、改善等に取り組む】

【ラインもしくは製造工程全般の機械の稼働状況について「見える化」を行い、改善等に取り組む】いいえ

(データ収集していない)

はい(データ収集している)

2016FY 2017FY 2018FY 2019FY (n=4333) (n=4210) (n=4280) (n=2839)

(出典)三菱UFJリサーチ&コンサルティング(株)「我が国ものづくり産業の課題と対応の方向性に関する調査」(2019年12月)

10.5%11.8%10.2%8.8%

41.5%44.3%

41.2%42.1%

10.2%11.6%

14.1%14.8%

19.9%14.5%19.0%20.3%

13.9% 15.6% 17.9%17.9%

2016FY

(n=4333)

2017FY

(n=4206)

2018FY

(n=4272)

2019FY

(n=2823)

実施予定なし

実施予定なし別の手段で足りている

可能であれば実施したい

製造工程のデータ収集に取り組んでいる企業の割合

得られたデータを基に製造工程の改善等に取り組んでいる企業の割合

別の手段で足りている

可能であれば実施したい

実施する計画がある実施している

実施している

実施する計画がある

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デジタル技術を活用するメリット(本編P38)

<IT/IoT等活用の発展状況と経営の貢献>

中小製造業においては、IoT・AI・ロボット等のデジタル技術を上手に導入・活用し、効率化から高付加価値化創出へとその取り組みを発展させることが、今後ビジネス環境が大きく変革していく中では、ビジネス競争力を維持・拡大していく際の重要な手段になり得る。

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具体的効果

• 人手不足対応• 外的環境変化対応• 社内コストの最適化• 人事評価の最適化• 社内体制の最適化• 生産計画の最適化• 労働者の負荷軽減

• 適切な在庫管理• 適切な原価管理• 社員の意識改革• ミスの抑制

• 付加価値の高い製品を受注

• 新たな業界への販路の開拓

• 自社の魅力を明確化することで、他社と差別化できる

• これまでの事業領域以外の事業を創出(新規ビジネス)

• 社会・地域・産業課題を解決できるゲームチェンジャーへと成長(DX、ADX)

デジタル技術による新ビジネス創出

デジタル技術活用の発展状況

デジタル技術の経営への貢献

高付加価値創出段階(各社経営戦略)環境整備段階

例)本業のデジタル化で培ったノウハウや蓄積されたデータを活用しつつ、革新的製品・サービスの開発

デジタル技術未導入

デジタル技術による業務の効率化

既存事業の利益率向上

例)社内全体のデジタル化・自動化により生じた余剰で技術力強化を図る。或いは品質データやデータ管理体制そのものを戦略的に活用

右の領域に参入するための環境整備(データを集める、データを活用出来る柔軟な体制の整備)を行う

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本事例集では、企業の高付加価値化への取組みを「高付加価値化モデル」、「横展開モデル」、「起業モデル」の3つのモデルに分類して紹介している。

資料作成にあたっては、実際に経営者や現場で働く社員にインタビューを行い、各社でこれまで取り組んできたデジタル技術への投資やツール紹介、ネットワーク体制の構築についてのポイント及び、各々のデジタル活用の考え方についての生声を掲載しており、経営層から現場の社員まで幅広い方を対象にした内容になっている。

「稼ぐ力」事例集2020に掲載の事例紹介(本編P39)

<高付加価値化モデルの概要>

モデル 概要

高度利用モデル デジタル技術を活用し、人手で実施していた各種業務を効率化。それにより空いた人的リソースや新たに獲得したデジタルデータ等を活用し、技術力や営業力等を強化して、新たな収益源を生み出す。

横展開モデル デジタル技術を用いて、自社の製造ノウハウ等をパッケージ化し、デジタルサービスとして他社に自社のノウハウを提供することで、新たな売上を獲得する。

起業モデル 本業で培った技術・ノウハウ、また独自開発したデジタルツール等をコアに、本業とは異なる領域でビジネスを立ち上げ、新たな収益源を生み出す。

<事例集掲載企業の取組みキーワード>モデル 企業名 概要

高度利用モデル

株式会社土屋合成(群馬県) デジタル品質、工場全体最適、新技術を用いた事業展開、作業負担リスクよりもデジタル技術への投資を優先

株式会社山口製作所(新潟県) 社員全員が常に問題意識を持った社会、紙業務の禁止、デジタル品質、工場全体最適

国本工業株式会社(静岡県) デジタルとリアルの融合、コスト削減で空いたリソースを高付加価値業務に振り分け、会社全体での課題解決、顧客期待以上の製品提案

横展開モデル株式会社ヒバラコーポレーション(茨城県) 技術継承、新ビジネスの創出、データの有効活用、デジタル品質、納期短縮(顧客ニーズに応えられる

環境形成)

小柳建設株式会社(新潟県) モノづくりからコトづくりへの転換、建設現場の課題解決(ムダな時間の削減)

起業モデル株式会社ミラック光学(東京都) 顧客課題の解決を自社の成長につなげる、現場の課題発見、スピード感、社外協力者との信頼関係の

ある役割分担

株式会社TerminalQ(東京都) モノづくりからコトづくりへ転換、クラウドによる見積作成業務の効率化、デジタルプラットフォームを目指す 5

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茨城県東海村にある金属塗装企業

<背景・課題>・塗装業の品質向上・品質保証のため、データによる管理を行う生産管理ステムが必要であった。・技術者不足による技術承継の遅れ。

<取組内容>・22年にわたりデジタルテクノロジーの活用に向けた取組を社長自ら推進し、年商を拡大。・熟練者の塗装の動きをロボットで自動化する技術を開発し、遠隔地でも熟練者と同様の動きをほぼ再現。・外販するにあたって、AIを活用して現場の温度、湿度等環境を考慮した塗装を行うことが出来るクラウドを活用したパッケージを開発。・商品販売に加えてコンサルティング事業も実施しており、利益率・売上も増加傾向にある。・今後、更にデジタル人材を強化して、コンサルティング業務を拡大していく。

横展開モデル及び起業モデル事例の概要(本編P18~P33)

事例2 ヒバラコーポレーション事例1 ミラック光学東京都八王子市にある光学関連機器を取扱う企業

<背景・課題>・設立50年の際、会社の今後の展開に危機感。・気づきを得るため乗り込んだシリコンバレーのピッチコンテストに刺激を受け、本格的にAI開発に着手。<取組内容>・はこだて未来大学の松原教授と連携し、AIと画像処理技術を融合したソフトを開発・このソフトウエアに自社の光学技術と組み合わせることで、精度の高い検査装置を開発・開発以来、製品分野を問わず様々な顧客からAIの検査ニーズが寄せられている・今後は、中小企業を中心つぃたAI検査に関する相談依頼に対し、コンサルティングサービスの提供を検討・また、漁業や畜産、農業、林業といった1次産業にも取り組んでいく予定

AIと画像処理技術およびロボットを活用した検査 遠隔地のロボットアームが塗装を行うシステムを開発。

新潟県三条市にある建設関連企業

<背景・課題>・若手2代目社長の着任と同時に3Kと言われる建設会社をデジタル化により改善及び高度化を推進。

<取組内容>・人手不足対策、生産性向上、安全性の向上をITにより改善するべく社内の情報基盤を一新して経営基盤を強化。・更に、IT建設機器、測量ドローン等の先進技術の活用により、業務の高度化を推進。・加えて、建設現場を3D可視化するためのシステムを開発して、高付加価値なサービス事業を展開。・今後は、海外市場も含めた遠隔コンサルティングサービスや、建設二次製品の電子取引プラットフォーム構築等まで見据えた展開を志向。

事例3 小柳建設

最新のICT建設機械

ドローンによる3D測量

3Dレンズによる新たな事業

早期から自社技術の徹底的なデジタル化を推進 これら本業のデジタル化で培ったノウハウや蓄積されたデータを活用しつつ、外部ソリューション人材との連携により「モノづくり→コトづくり」への新たなビジネスを創出

確立したプラットフォームをベースに国内外の新たな市場獲得を目指す

アナログな光学技術とデジタル技術を組み合わせて画像検査システムを開発し、ものづくりから1次産業へ新事業を展開

AI・ロボットを駆使した遠隔塗装システムを開発して、コンサルティング業務を展開

遠隔地の建設現場を3D可視化するためのサービスを開発

6「AIハヤブサ」の概要

事例1 TERMINAL Q東京都八王子市の精密部品加工メーカーからのスピンアウトベンチャー

<背景・課題>・2代目社長就任時に見積もり作成に苦労。・企業のコア技術やノウハウの価値を見極め、価格として提示する「見積もり」の重要性を認識。

<取組内容>・ユーザーの活用実績をもとに、各社のコア技術・ノウハウをデータとして集約。AIを活用して顧客が最適な企業を見つけるためのマッチング、ビッグデータによるマーケティングを支援。・更に、各社の製造設備の稼働状況(IoTデータ)と連動させて、閑散時の効率的な受注獲得や中小企業間の仕事のシェア等を支援。・2000社を超えるネットワークに成長。

事業拡大により、新たな社名・本社所在地(立川→丸の内)を変更

見積もりの自動化システムを開発して中小企業に無料で提供。蓄積したビックデータを活用した受発注BtoBプラットフォーマー

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新潟県小地谷市にある金属加工メーカー

<背景・課題>・社長自らがIT知見が豊富であり、1968年の創業当時からコツコツとデジタル化を推進。

<取組内容>・社内の情報管理、作業効率化のための仕組みとして、生産管理システムを独自開発。また、生産設備の稼働状況の見える化、職人技のデータ化にも着手。・更に、生産管理と生産現場の両システムを連動させることで、新人でも技術力の高い仕事が容易にできるようになるなど、高い次元での効率化の促進に成功。・生じた余剰を従業員のスキル向上や研究開発等に活用することで、たえず新たな技術の獲得が進む好循環が生まれている。これら事業領域の拡大により新たな受注獲得に繋がっている。

群馬県富岡市にあるプラスティック射出成形企業

<背景・課題>・中国等との価格競争の激化。・24時間・365日工場をフル稼働させるが、夜間トラブル時の対応が大きな負担であった。<取組内容>・IoT、AI、ロボット等のデジタルテクノロジーを社長自らが学び、毎年売上の一部を20年間継続的に投資し、圧倒的な生産性向上を実現。・余剰人員を高付加価値化分野へ転用、更に取得したデジタルデータを品質保証・トレーサビリティに活用。・これにより、従来品より利益率の高い家電モーター部品を受託。利益率向上及び売上も拡大を続ける。・現在は検査部門にAI画像検査を取り入れて更なる高度化を図ると共に、より利益率の高い受注を取り込むべく取組を拡大。

事例1 土屋合成 事例2 山口製作所 事例3 国本工業

土屋合成の製品 徹底的なデジタル化の推進

AI画像診断を活用した自動検査装置

静岡県浜松市の自動車部品製造メーカー

<背景・課題>・約30年前IBMの精算管理システムを導入するなど、製造工程のデジタル化に積極的に取り組む。

<取組内容>・社内にて基本的なプログラミング等ができる人材を確保して、生産管理、受発注、品質管理等のデジタル化とそれぞれの連携による高度な効率化が実現。・生産現場では、100台のロボットが稼働しており、人手がかからずに大量生産品する仕組みが稼働。・余剰をつかって、自らの生産技術の高度化に活用することで、他社ではできない技術力を獲得、中小ながら、トヨタのTire1としてグループからの信頼も厚く、高い利益率を誇る。

100台のロボットが稼働社員自らがロボット導入も行う他社ではまねできない高度なパイプ加工技術

長年にわたり着々とデジタル化を推進 これにより生じた余剰をいかして、社員のスキル向上に活用すると共に、デジタル技術を活用した職人技の継承、デジタル品質保証等を実現

従来より高い利益率の仕事を受注するなど稼ぐ力を拡大

長年にわたり徹底的なデジタル化を推進。デジタルデーターを品質管理に活用して、利益率の高い生産を受注

職人技も徹底的にデジタル化することで、若手人材でも高いクオリティの生産が可能

中小企業ながらロボット100台が自動生産。余剰で新たな技術開発に取組み、トヨタも認める大会技術を獲得

高度利用モデル事例の概要(本編P6~P17)

山口製作所の製品

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◆デジタル化に向けて経営者が最も重視しなければならないこと、それは・・・

デジタル化において最も重要なことは・・・(本編P43)

経営 自社の強み・弱みを把握しているか 顧客ニーズや市場動向を把握しているか 解決すべき自社の課題を抽出・整理しているか データやデジタル技術の活用を志向しているか データやデジタル技術でどのような価値を創出したいか、ビジョンをもっているか ビジネスモデルや業務プロセス等をどのように変革するか、戦略とロードマップがあるか ビジョンの実現に向けて必要となる組織整備・人材確保・予算獲得等を実践しているか ビジョンの実現に向けた具体的な実行計画を作り、実践しているか 経営者が持続的に取組をリードしているか

まずは、とにかくロボットやITソリューションなどを導入する

→途中で挫折、せっかく入れたのに・・・といったことが起こる(実際に起こっている!)

まずは、社内の体制を見直す、課題整理するといった経営視点による環境整備を行う

→この会社に必要なツールは何か、どういった投資をしていけば良いかビジョンが明確になる!

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高付加価値化を実現するためのプロセス(本編P41) 「高付加価値化」を実現するためにデジタル技術活用を推し進めるには、社内や生産現場の個別作業レベルから検討するのではなく、全社的・経営的な視点から自社の課題整理等を行うことが不可欠。

<高付加価値化を実現するためのプロセスの概要>

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社内の全セクションと、密な意見交換による情報の把握を常時行っていくことが重要

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高付加価値化の実現に向けたチェックリスト(本編P42~P48)

デジタル技術を活用した高付加価値化の取り組み等に関心を有する企業が、現状の自社の実態を整理しながら、着実に高付加価値化の取り組み等を推進するためのガイドラインとして、チェックリストを作成した。

このチェックリストは、現状の自社の実態を整理するために役立つではなく、地域のデジタル化相談窓口へ相談し、適切な助言等の各種支援策を獲得する際にも役立つもの。

さらに、チェックリストと並行して、具体的なデジタル技術の活用イメージを知るために「稼ぐ力」事例集2020に掲載されている高付加価値化事例を参照することで、高付加価値化の取り組みに向けた具体的なアクションにつなげられる。

<チェックリストの全体像>目的 デジタル技術を活用する企業の現状の実態を整理するもの

活用(例)

何から手をつけたら良いか分からない企業⇒自社の状況を見える化し、課題の優先順位付けを行う

実施したい取り組みのイメージを持っており、それを具現化するIT等事業者を紹介して欲しい企業⇒具体的な取り組みを行う前に一度立ち止まり、その取り組みイメージが自社の最優先課題に対応したものなのか確認する

活用方法

1. (1)経営、(2)営業・事務処理・生産/製造管理等、(3)開発・設計・製造現場、(4)データ連携・分析、(5)新価値創出の順番に自社の実態を整理する。

2. 「高付加価値化を実現するためのプロセス」を踏まえつつ、自社の取り組みがそのプロセスに沿ったものになっているか確認する。

3. 上記、整理及び確認結果を基に、地域のデジタル化相談窓口へ相談することや、デジタル技術を活用した高付加価値事例集を参考に、具体的な自社の取り組みの進め方を検討する。

<チェックリストの概要>

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チェックリスト実施後の取組み(本編P48) チェックリスト実施後に、高付加価値化を実現するためのプロセスを参照することで、高付加価値化の取り組みに向けた具体的なアクションにつなげられる。

その参考例として、チェックリストの実施結果にもとづいた高付加価値化の取り組みに向けた、自社の立ち位置の把握、及び今後実施すべき取り組みの方向性について示しており、各社でデジタル活用に取り組む際の参考になる。

関東経済産業局のHPhttps://www.kanto.meti.go.jp/seisaku/iot_robot/kaseguchikara_jirei.html

<各社でデジタル化を検討する際の参考例>

<事例集へはこちらから>

❶全般的にチェックが少ない場合

高付加価値化の取り組みに向けて、その第一歩を進めていくべき状況にある。

そのため、第一歩として、自社の強み・弱みの把握、顧客ニーズや市場動向の把握、解決すべき自社の課題整理、データやデジタル技術でどのような価値を創出すべきかを示すビジョンの策定等、「①組織の改善」に関する取り組みを実施することが必要である

❷(2)および(3)と比べて(1)のチェックが少ない場合

❸(1)~(3)は比較的チェックがあるが、(4)のチェックがつかない場合 自社のビジョンや戦略とロードマップ等の検討を踏まえ、具体的なデジタル化の取り組みを実施している。

今後、「④現場をつなぐ」にチャレンジし、高付加価値化の取り組みを全体最適化の視点から実施することが求められる。

なお、全体最適化の視点が曖昧になった場合には、あらためて「①組織の改善」に立ち返り、ビジョンや戦略とロードマップ等を見直すことも必要となる。

「①組織の改善」において、ビジョンや戦略とロードマップ等の検討が不十分のまま、具体的なデジタル化の取り組みが先行している状況である。今後、個別に「③現場単位での改善」を進めても、高付加価値化の取り組みが全体最適にならない恐れもある。

そこで、今一度、「①組織の改善」の取り組みに立ち返り、検討を実施し、その後、既存の「③現場単位での改善」の取り組みを見直すことが必要となる。

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【参考】稼ぐ力創出のための支援について

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当局では、デジタル技術を活用した中小企業の稼ぐ力を創出を支援するため、経営の視点でアドバイスが出来る専門家や革新的なソリューションを有している企業による支援ネットワークを構築している

これまでのビジネス、業態の枠を超えて、新ビジネス創出、業態転換を検討している企業に対して、上記ネットワークの専門家を派遣する事業を実施している

潜在企業課題を持った企業

新ビジネス

創出

支援ネットワーク

課題の整理

◆支援の流れ(イメージ)

◆支援対象企業の条件(全てに該当すること)

新ビジネス創出を創出したい(具体的なビジョンは無くてもOK) 上記のために、社内体制を構築している又は構築したいと考えている企業 経営層及び若手社員が必ず事業に参加すること 支援効果について、公表に同意できること