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18回がん政策サミット2020 「患者を良くするがん計画の評価を みんなでわかりやすく実行しよう」 令和2年11月7日(土) 厚生労働省 がん・疾病対策課長 古元 重和 18回がん政策サミット2020 1 がん対策推進基本計画の現状と課題について

がん対策推進基本計画の現状と課題について67.5 42.844.0 0.0 20.0 40.0 60.0 80.0 100.0 全 部 位 口 腔 ・ 咽 頭 食 道 胃大 腸 ( 結 腸 ・ 直 腸 )

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第18回がん政策サミット2020

「患者を良くするがん計画の評価をみんなでわかりやすく実行しよう」

令和2年11月7日(土)

厚生労働省がん・疾病対策課長古元 重和

第18回がん政策サミット2020 1

がん対策推進基本計画の現状と課題について

Page 2: がん対策推進基本計画の現状と課題について67.5 42.844.0 0.0 20.0 40.0 60.0 80.0 100.0 全 部 位 口 腔 ・ 咽 頭 食 道 胃大 腸 ( 結 腸 ・ 直 腸 )

本日の内容

1. がんの現状

2. がん対策基本法・がん対策推進基本計画

3. がん対策推進協議会

4. 中間評価

5. 中間評価に向けた整理(がん予防の例)

第18回がん政策サミット2020 2

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1.がんの現状

3

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日本人の2人に1人が生涯でがんになる

4

男性 女性

生涯でがんに罹患する確率 65.5% 生涯でがんに罹患する確率 50.2%

(出典)国立がん研究センターがん情報サービス「最新がん統計」(2020.7.6更新)をもとに作成(https://ganjoho.jp/reg_stat/statistics/stat/summary.html)

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出典 令和元年(2019)年人口動態統計(確定)

我が国における粗死亡率の推移(主な死因別)

0

50

100

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200

250

300

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01

20

03

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20

09

20

11

20

13

20

15

20

17

20

19

結核 悪性新生物 心疾患 脳血管疾患 肺炎

(人口10万対)

約3人に1人ががんで死亡(2018年 年間死亡者数約37万人)

1981年「がん」が死因の第一位に

心疾患

脳血管疾患

がん

結核肺炎

5

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02

20

07

20

12

20

17

出典 令和元年(2019)年人口動態統計(確定)

我が国における性別年齢調整死亡率の推移(主な死因別)

0

50

100

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200

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300

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12

20

17

悪性新生物 心疾患

脳血管疾患 肺炎

(人口10万対)

男性は1990年代後半から、女性は1960年代後半から、がんの年齢調整死亡率が減少

心疾患

脳血管疾患 がん

肺炎

6

男性 女性

心疾患

脳血管疾患

がん

肺炎

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部位別がん罹患数と死亡数

部位別がん罹患数(2017年)

男女計 男性 女性

1位大腸

(153,193)前立腺

(91,215)乳房

(91,605)

2位胃

(129,476)胃

(89,331)大腸

(66,170)

3位肺

(124,510)大腸

(87,019)胃

(40,144)

4位乳房

(92,253)肺

(82,880)肺

(41,630)

5位前立腺

(91,215)肝臓

(26,576)子宮

(28,183)

部位別がん死亡数(2019年)

出典:全国がん登録報告2017年

男女計 男性 女性

1位肺

(75,394)肺

(53,338)大腸

(24,004)

2位大腸

(51,420)胃

(28,043)肺

(22,056)

3位胃

(42,931)大腸

(27,416)膵臓

(18,232)

4位膵臓

(36,356)膵臓

(18,124)胃

(14,888)

5位肝臓

(25,264)肝臓

(16,750)乳房

(14,839)

✓ 2017年に新たに診断されたがんは、97万7,393例(男性55万8,869例、女性41万8,510例)✓ 2019年にがんで死亡した人は、37万6425人(男性22万339人、女性15万6,086人)

7

出典:令和元(2019)年人口動態統計

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(%)

53.2 54.356.9 58.6

62.1 64.1

40

50

60

70

(年)

がん医療(放射線療法、化学療法、手術療法)の進歩は目覚ましく、生存率は上昇している。

(出典)全国がん罹患モニタリング集計 2009-2011年生存率報告(国立研究開発法人がん研究センターがん対策情報センター, 2020)厚生労働科学研究費補助金「都道府県がん登録の全国集計データと診療情報等の併用・突合によるがん統計整備及び活用促進の研究」

がんの5年相対生存率(全がん)の推移

5年相対生存率とはあるがんと診断された人のうち5年後に生存している人の割合が、日本人全体*で5年後に生存している人の割合に比べてどのくらい低いかを示す。

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部位別の5年相対生存率(%)(地域がん登録 2009-2011年診断例)

5年相対生存率とはあるがんと診断された人のうち5年後に生存している人の割合が、日本人全体*で5年後に生存している人の割合に比べてどのくらい低いかを示す。

64.163.5

41.5

66.671.471.271.8

35.824.5

8.5

81.8

34.9

94.692.3

78.776.581.3

60.0

99.1

73.368.6

35.6

94.7

67.5

42.844.0

0.0

20.0

40.0

60.0

80.0

100.0

全部位

口腔・咽頭

食道

胃 大腸(結腸・直腸)

結腸

直腸

肝および肝内胆管

胆のう・胆管

膵臓

喉頭

肺 皮膚

乳房(女性のみ)

子宮

子宮頸部

子宮体部

卵巣

前立腺

膀胱

腎・尿路(膀胱除…

脳・中枢神経系

甲状腺

悪性リンパ腫

多発性骨髄腫

白血病

(%)膵臓、肝臓・胆のう、肺がん等は予後不良

9

*1 以下を除外した解析:DCO,第2がん以降 ,悪性以外,上皮内がん(大腸の粘膜がんを含む),年齢不詳および100歳以上,または遡り調査患者。*2 悪性黒色腫を含む

*1

*2

(出典)国立がん研究センターがん情報サービス「最新がん統計」(2020.5.7更新)をもとに作成(https://ganjoho.jp/reg_stat/statistics/stat/summary.html)

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2.がん対策基本法がん対策推進基本計画

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年次

昭和37年2月 国立がんセンター設置

昭和56年 悪性腫瘍が我が国の死亡原因の一位となる

昭和58年2月 老人保健法施行(胃がん・子宮頸がん検診の開始 その後、順次対象拡大)

昭和59年4月 「対がん10カ年総合戦略」の開始(第1次~第3次 昭和59年~平成25年)

平成13年8月 地域がん診療拠点病院制度の開始

平成18年6月 がん対策基本法が成立

平成19年6月 がん対策推進基本計画(第1期)

平成24年6月 がん対策推進基本計画(第2期)

平成25年12月 がん登録等の推進に関する法律が成立

平成26年4月 「がん研究10か年戦略」の開始

平成30年3月 がん対策推進基本計画(第3期) ←現在の計画

がん対策の歩み

11第18回がん政策サミット2020

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がん対策推進協議会

地方公共団体

がん対策推進基本計画(少なくとも6年ごとに検討を加える)

閣議決定・国会報告

厚生労働大臣がん対策推進基本計画案の作成

都道府県

都道府県がん対策推進計画がん医療の提供の状況等を

踏まえ策定

意見

連携

○ がんの予防の推進

○ がん検診の質の向上等

第一節:がん予防及び早期発見の推進

○ 専門的な知識及び技能を有する医師その他の

医療従事者の育成、医療機関の整備等

○ がん患者の療養生活の質の維持向上

○ がん医療に関する情報の収集提供体制の整備等

○ がんに関する研究の促進並びに研究成果の活用

○ 罹患している者の少ないがん及び治癒が特に困

難であるがんに係る研究の促進 等

基本的施策

がん対策基本法(平成18年法律第98号)

がん対策を総合的かつ計画的に推進

(平成18年6月成立、平成19年4月施行、平成28年12月改正・施行)

○ がん患者の雇用の継続等

○ がん患者における学習と治療との両立

○ 民間団体の活動に対する支援

第二節:がん医療の均てん化の促進等

第三節:研究の推進等

第四節:がん患者の就労等

第五節:がんに関する教育の推進

○ 学校教育等におけるがんに関する教育の推進 12第18回がん政策サミット2020

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がん対策推進基本計画(平成19年6月閣議決定)

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1.がん医療①放射線療法、化学療法、手術療法の更なる充実とチーム医療の推進②がん医療に携わる専門的な医療従事者の育成③がんと診断された時からの緩和ケアの推進④地域の医療・介護サービス提供体制の構築⑤医薬品・医療機器の早期開発・承認等に向けた取組(※)⑥その他(希少がん、病理診断、リハビリテーション)

(1) 放射線療法、化学療法、手術療法の更なる充実とこれらを専門的に行う医療従事者の育成

(3) がん登録の推進

2.がんに関する相談支援と情報提供患者とその家族の悩みや不安を汲み上げ、患者とその家族にとって

より活用しやすい相談支援体制を実現する。

(2) がんと診断された時からの緩和ケアの推進

第2期がん対策推進基本計画重点的に取り組むべき課題

分野別施策及びその成果や達成度を計るための個別目標

全体目標【平成19年度からの10年目標】

(平成24年6月)

(4) 働く世代や小児へのがん対策の充実(※)

(1) がんによる死亡者の減少(75歳未満の年齢調整死亡率の20%減少)

(2) すべてのがん患者とその家族の苦痛の軽減と療養生活の質の維持向上

(3) がんになっても安心して暮らせる社会の構築(※)

3.がん登録法的位置づけの検討も含め、効率的な予後調査体制の構築や院内

がん登録を実施する医療機関数の増加を通じて、がん登録の精度を向上させる。

4.がんの予防平成34年度までに、成人喫煙率を12%、未成年の喫煙率を0%、受動喫煙に

ついては、行政機関及び医療機関は0%、家庭は3%、飲食店は15%、職場は平成32年までに受動喫煙の無い職場を実現する。

5.がんの早期発見がん検診の受診率を5年以内に50%(胃、肺、大腸は当面40%)を達成する。

6.がん研究がん対策に資する研究をより一層推進する。2年以内に、関係省庁が連携し

て、がん研究の今後の方向性と、各分野の具体的な研究事項等を明示する新たな総合的がん研究戦略を策定する。

7.小児がん(※)5年以内に、小児がん拠点病院を整備し、小児がんの中核的な機関の整備を

開始する。

8.がんの教育・普及啓発(※)

子どもに対するがん教育のあり方を検討し、健康教育の中でがん教育を推進する。

9.がん患者の就労を含めた社会的な問題(※)

就労に関するニーズや課題を明らかにした上で、職場における理解の促進、相談支援体制の充実を通じて、がんになっても安心して働き暮らせる社会の構築を目指す。

(※)は第2期から盛り込まれた項目

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協議会資料2

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(1)がん研究(2)人材育成(3)がん教育、普及啓発

「がん患者を含めた国民が、がんを知り、がんの克服を目指す。」①科学的根拠に基づくがん予防・がん検診の充実 ②患者本位のがん医療の実現 ③尊厳を持って安心して暮らせる社会の構築

第2 分野別施策

第1 全体目標

第3 がん対策を総合的かつ計画的に推進するために必要な事項

4.これらを支える基盤の整備

(1)がんの1次予防(2)がんの早期発見、がん検診

(2次予防)

(1)がんゲノム医療(2)がんの手術療法、放射線療法、薬物療法、免疫療法(3)チーム医療(4)がんのリハビリテーション(5)支持療法(6)希少がん、難治性がん

(それぞれのがんの特性に応じた対策)(7)小児がん、AYA(※)世代のがん、高齢者のがん

(※)Adolescent and Young Adult:思春期と若年成人

(8)病理診断(9)がん登録(10)医薬品・医療機器の早期開発・承認等に向けた取組

(1)がんと診断された時からの緩和ケア(2)相談支援、情報提供(3)社会連携に基づくがん対策・がん患者支援(4)がん患者等の就労を含めた社会的な問題(5)ライフステージに応じたがん対策

3.がんとの共生2.がん医療の充実1.がん予防

1.関係者等の連携協力の更なる強化2.都道府県による計画の策定3.がん患者を含めた国民の努力4.患者団体等との協力

5.必要な財政措置の実施と予算の効率化・重点化6.目標の達成状況の把握7.基本計画の見直し

第3期がん対策推進基本計画(平成30年3月9日閣議決定)(概要)

15第18回がん政策サミット2020

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喫煙以外の生活習慣について 男性 女性

生活習慣病のリスクを高める量を飲酒している者の割合(%)

13.9(14.7)

8.1(7.6)

運動習慣のある者の割合(%)37.8

(36.1)27.3

(28.2)

◆がん検診の受診率が目標値に達しておらず、精密検査受診率も低い。

◆指針に定められていないがん種に対するがん検診等、科学的根拠に基づかないがん検診が実施されている。

◆がん検診受診者の30-60%程度は職域で受診しているが、任意で実施されているため、検査項目や対象年齢等実施方法は様々である。

指針に定められていないがん種に対するがん検診の実施状況

46.435.6

51.0 41.744.5 38.5 42.4 44.9

0

20

40

60

平成19年

平成22年

平成25年

平成28年

2次予防(がんを早期に発見し早期に治療することでがんによる死亡を減らすこと:がん検診)

◆効果的な受診勧奨、受診者の立場に立った利便性の向上等、受診率向上のための方策の検討

◆指針に基づいたがん検診の実施及び精度管理向上の取組

◆国内外の知見を収集し、科学的根拠に基づいたがん検診の方法等について検討

◆職域におけるがん検診に関するガイドライン(仮称)の策定

1.がん予防

出典:平成28年国民生活基礎調査

出典:平成28年度市町村におけるがん検診の実施状況調査 出典:平成28年国民生活基礎調査

85.7

13.80.5 実施した

実施していない

未回答(%)

(%)

1次予防(がんにならないための予防)

現状・課題

がん検診の受診率 (目標値 50%)

(全1,737市町村(特別区を含む)から回答)

がん検診の種類 %

胃がん 79.5

肺がん 79.8

大腸がん 66.9

子宮頸がん 72.4

乳がん 85.1

精密検査受診率 (目標値 90%)

出典:平成27年度地域保健・健康増進事業報告

24.1

18.2

0

10

20

30

平成19年平成27年

成人の喫煙率

現状・課題

◆喫煙(受動喫煙を含む)に対する更なる対策が必要。

◆生活習慣病のリスクを高める量を飲酒している者、運動習慣のある者等の割合に大きな変化がない。

◆肝炎ウイルス検査結果が陽性であっても、その後の受診につながっていない者がいる。

取り組むべき施策

◆喫煙の健康影響に関する普及啓発活動、禁煙希望者に対する禁煙支援

◆受動喫煙対策の徹底

◆スマート・ライフ・プロジェクト、食生活改善普及運動等を通じた普及啓発

◆肝炎ウイルス陽性者への受診勧奨・普及啓発、 B型肝炎については、定期予防接種の推進や治療薬の開発

場所 割合(%)

飲食店 41.4

遊技場 33.4

職場 30.9

路上 30.9

受動喫煙の機会を有する者

出典:平成27年国民健康・栄養調査

(%)

()内は平成24年のデータ

がん検診の種類 %

胃がん(40-69歳) 58

肺がん(40-69歳) 63

大腸がん(40-69歳) 55

子宮頸がん(20-69歳、過去2年) 32

乳がん(40-69歳、過去2年) 36

がん検診受診者のうち職域でがん検診を受けている者の割合

取り組むべき施策

16

注:平成28年国民生活基礎調査の数値は、熊本県を除いたものである。

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がんゲノム医療

がん医療提供体制 希少がん及び難治性がん対策

小児がん、AYA※

世代のがん及び高齢者のがん対策

◆がん診療連携拠点病院等(以下「拠点病院等」という。)を中心に、がん医療の均てん化を進めてきた。

◆拠点病院等の取組において、医療安全等の強化が必要との指摘がある。

◆免疫療法については、十分な科学的根拠を有する治療法とそうでない治療法があり、国民が免疫療法に関する適切な情報を得ることが困難となっている。

◆希少がん医療における中核的な役割を担う医療機関の整備◆難治性がんの診断法・治療法についての研究・開発の推進

2.がん医療の充実

※Adolescent and Young Adult(思春期と若年成人)

◆がんゲノム医療の提供体制の構築、社会環境の整備等が求められている。◆がんゲノム医療の実現に必要な人材育成等が必要である。

希少がん中央機関(国立がん研究センター)

大学等 企業等「がんゲノム医療中核拠点病院」

(医療機関より指定)

「がんゲノム情報管理センター」(ゲノム医療用データベース連結技術)

◆ 「がんゲノム医療中核拠点病院」の整備等、がんゲノム医療提供体制の構築

◆がんゲノム医療に必要な人材の育成の推進◆ゲノム情報等のビッグデータを効率的に活用するための「がんゲノム情報管理センター」の整備 出典:平成29年4月14日 未来投資会議資料より一部改変

◆ゲノム医療、医療安全、支持療法など、新たに拠点病院等の要件に追加する事項の検討

◆ゲノム医療や一部の放射線療法等について、集約化のあり方の検討

◆免疫療法等に関する情報提供のあり方の検討

◆希少がん診療の専門施設と地域の拠点病院等との連携の必要性等が指摘されている。

◆難治性がんは、有効な診断・治療法の開発が必要とされている。

◆小児がん拠点病院と他の医療機関とのネットワークの整備が必要。

◆AYA世代のがんは、年代や個々の状況に応じたニーズに対応できるような体制の整備が必要。

◆高齢者のがん患者については、標準治療の提供に明確な判断基準が示されていない。

◆小児がん拠点病院以外の地域の連携病院での診療体制の検討◆AYA世代のがんの診療体制及び相談支援・就労支援体制の検討◆高齢者のがん診療に関する診療ガイドラインの策定及び普及

現状・課題

取り組むべき施策

現状・課題

取り組むべき施策

現状・課題

取り組むべき施策

現状・課題

取り組むべき施策

17

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◆患者の苦痛に対して、迅速かつ適切なケアが十分提供されていない。

◆緩和ケア研修会の受講勧奨、受講の利便性の改善、内容の充実が求められている。

◆苦痛のスクリーニングの診断時からの実施、緩和ケアの提供体制の充実

◆緩和ケア研修会の内容や実施方法の充実

全国のがん患者の患者体験調査 (n=5234)

からだのつらさがあると答えた患者の割合 34.5%

気持ちのつらさがあると答えた患者の割合 28.3%

出典:平成27年患者体験調査

◆小児・AYA世代のがん経験者の長期フォローアップ体制の整備

◆認知症等を合併したがん患者や、看取り期における高齢のがん患者の意思決定支援策の検討

◆がん相談支援センターが十分に利用されていない。◆がんに関する情報が氾濫し、正しい情報取得が困難な場合がある。

◆治療早期からのがん相談支援センターの利用促進、体制整備◆科学的根拠に基づく情報提供、医業等のウェブサイト監視体制強化

◆拠点病院等と地域の医療機関等との連携、在宅医療を提供する施設におけるがん医療の質の向上を図る必要がある。

◆多職種連携の推進、地域の施設間の調整役を担う者の養成

◆離職防止や再就職等の就労支援に、充実した支援が求められている。

◆アピアランスや生殖機能温存等の相談支援、情報提供する体制が構築されていない。

◆小児・AYA世代において、多様なニーズが存在し、成人のがんとは異なる対策が必要とされている。

◆高齢者は、認知症を合併することが多いが、がん医療における意思決定等の基準は定められていない。

現状・課題

現状・課題現状・課題

現状・課題

取り組むべき施策

現状・課題

3.がんとの共生緩和ケア

相談支援・情報提供

社会連携に基づくがん対策・がん患者支援

ライフステージに応じたがん対策

がん患者の就労支援・社会課題への対策

◆がん患者への「トライアングル型サポート体制」の構築

◆アピアランス支援研修会の開催、生殖機能温存等に関する相談支援、情報提供のあり方の検討

企業

両立支援コーディネーター

医療機関

主治医(意見書作成)医療ソーシャルワーカー

産業医産業保健スタッフ人事労務担当(両立支援プラン作成)

(相談)患者・家族

(調整) (調整)

(相談)

治療と仕事両立プラン作成支援

治療情報を共有し、継続的に支援

出典:平成29年3月28日働き方改革実行計画改変

取り組むべき施策

取り組むべき施策

取り組むべき施策

取り組むべき施策

18

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がん研究

人材育成 がん教育・がんに関する知識の普及啓発

◆がん医療の進歩・細分化が進んだことや、がんの特性・ライフステージに応じた対応のため、専門的な人材育成が求められている。

◆学校でがん教育を実施するため、教員や外部講師を対象とした研修会等の実施

◆民間団体や患者団体によって実施されている普及啓発活動の支援

4.これらを支える基盤の整備

◆「がん研究10か年戦略」に基づき、長期的視点を持って研究成果を産み出すこととしている。◆一方で、現在のがん患者を取り巻く社会の状況に応じた更なる研究が求められている。

◆「がん研究10か年戦略」の見直し◆AMEDによる、基礎的な研究から実用化に向けた研究までの一体的な推進◆小児がん、希少がん、難治性がん等の標準的治療の確立や診療ガイドラインの策定◆新たな治療法の開発が期待できるゲノム医療や免疫療法の研究の推進

◆がん医療や支援の均てん化に向けた、幅広い人材の育成についての検討

◆がん医療を専門とする医療従事者の養成の継続

◆ゲノム医療や希少がん及び難治性がんへの対応や、ライフステージに応じた対応ができる医療従事者等の育成

◆学校におけるがん教育について、地域によって外部講師の活用や、教員の知識等が不十分。

◆民間団体が実施している普及啓発活動への支援が不十分。

取り組むべき施策

現状・課題

現状・課題現状・課題

取り組むべき施策

取り組むべき施策

19

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3.がん対策推進協議会

20

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がん対策推進協議会第四章 がん対策推進協議会

第二十四条 厚生労働省に、がん対策推進基本計画に関し、第十条第四項(同条第八項において準用する場合を含む。)に規定する事項を処理するため、がん対策推進協議会(以下「協議会」という。)を置く。

第二十五条 協議会は、委員二十人以内で組織する。

2 協議会の委員は、がん患者及びその家族又は遺族を代表する者、がん医療に従事する者並びに学識経験のある者のうちから、厚生労働大臣が任命する。

3 協議会の委員は、非常勤とする。

4 前三項に定めるもののほか、協議会の組織及び運営に関し必要な事項は、政令で定める。

第十条 政府は、がん対策の総合的かつ計画的な推進を図るため、がん対策の推進に関する基本的な計画(以下「がん対策推進基本計画」という。)を策定しなければならない。

2 がん対策推進基本計画に定める施策については、原則として、当該施策の具体的な目標及びその達成の時期を定めるものとする。

3 厚生労働大臣は、がん対策推進基本計画の案を作成し、閣議の決定を求めなければならない。4 厚生労働大臣は、がん対策推進基本計画の案を作成しようとするときは、関係行政機関の長と協議するとともに、

がん対策推進協議会の意見を聴くものとする。5 政府は、がん対策推進基本計画を策定したときは、遅滞なく、これを国会に報告するとともに、インターネットの

利用その他適切な方法により公表しなければならない。6~78 第三項から第五項までの規定は、がん対策推進基本計画の変更について準用する。

21

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がん対策推進協議会 委員(2020年10月~)

22

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4.中間評価

23

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• 国は、計画期間全体にわたり、基本計画の進捗状況を把握し、管理するため、3年を目途に、中間評価を行う。その際、個々の取り組むべき施策が個別目標の達成に向けて、どれだけの効果をもたらしているか、施策全体として効果を発揮しているかという観点から、科学的・総合的な評価を行い、その評価結果を踏まえ、課題を抽出し、必要に応じて施策に反映するものとする。

第3期がん対策推進基本計画(平成30年3月閣議決定)より抜粋

中間指標とは 第71回がん対策推進協議会資料3より抜粋 (H28.11.21)

24第18回がん政策サミット2020

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全体目標

個別目標

科学的根拠に基づくがん予防・がん検診の充実

【4項目】

(1)がんの1次予防(2)がんの早期発見、がん検診

(2次予防)

【23項目】

患者本位のがん医療の実現

【6項目】

(1)がんゲノム医療(2)がんの手術療法、放射線療法、薬物療法、

免疫療法(3)チーム医療(4)がんのリハビリテーション(5)支持療法(6)希少がん、難治性がん(7)小児がん,AYA世代のがん,高齢者のがん(8)病理診断(9)がん登録(10)医薬品・医療機器の早期開発・承認等に

向けた取組

【59項目】

尊厳を持って安心して暮らせる社会の構築

【3項目】

(1)がんと診断された時からの緩和ケア(2)相談支援、情報提供(3)社会連携に基づくがん対策・がん患者支援(4)がん患者等の就労を含めた社会的な問題(5)ライフステージに応じたがん対策

【33項目】

• 拠点病院現況報告• 厚生労働科学研究

• 厚生労働省による統計調査(医療施設調査等) 等

医療に関する調査

• がん登録• 厚生労働科学研究

• 厚生労働省による統計調査(国民健康・栄養調査等) 等

がんに関する調査

• 患者体験調査• 遺族調査• 厚生労働科学研究

• 厚生労働省による統計調査(世論調査等) 等

患者・家族に関する調査

調査や評価指標により、全体・個別のがん施策の進捗や達成度を評価

第3期がん対策推進基本計画

(1)がん研究 (2)人材育成 (3)がん教育、普及啓発 【12項目】

中間評価指標に用いる調査

全140項目

25第18回がん政策サミット2020

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第4期がん対策推進基本計画閣議決定

第3期がん対策推進基本計画閣議決定

評価指標を元に中間評価などに関する議論

中間評価指標の議論

8期委員(2022/4~2024/4)

がん対策推進協議会 今後のスケジュール(案)

6期委員(2017/4~2019/4)2017年度 2018~2019年度 2020~2021年度 2022年度

基本計画(第4期)策定の議論

2023年3月

現行計画

次期計画

評価指標の決定・研究班等による測定

中間評価報告書

公表

26

(※)第3期がん対策推進基本計画は、2017年度から2022年度までの6年程度を一つの目安として定められている。

(次期計画に向けた課題)

第18回がん政策サミット2020

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評価指標を元に中間評価の議論

中間評価報告書

公表

がん対策推進協議会 中間評価にかかるスケジュール(案)

2020年度 2021年度10月16日 3月

【第74回】

中間評価指標結果の検討①

【第75回】

中間評価指標結果の検討②

【第76回】

中間評価指標結果の検討③

【第77回】

中間評価報告書の素案作成

(※)協議会の回数は、中間評価の議論を踏まえて決定する。

27第18回がん政策サミット2020

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(1)がん研究(2)人材育成(3)がん教育、普及啓発

「がん患者を含めた国民が、がんを知り、がんの克服を目指す。」①科学的根拠に基づくがん予防・がん検診の充実 ②患者本位のがん医療の実現 ③尊厳を持って安心して暮らせる社会の構築

第2 分野別施策

第1 全体目標

第3 がん対策を総合的かつ計画的に推進するために必要な事項

4.これらを支える基盤の整備

(1)がんの1次予防(2)がんの早期発見、がん検診

(2次予防)

(1)がんゲノム医療(2)がんの手術療法、放射線療法、薬物療法、免疫療法(3)チーム医療(4)がんのリハビリテーション(5)支持療法(6)希少がん、難治性がん

(それぞれのがんの特性に応じた対策)(7)小児がん、AYA(※)世代のがん、高齢者のがん

(※)Adolescent and Young Adult:思春期と若年成人

(8)病理診断(9)がん登録(10)医薬品・医療機器の早期開発・承認等に向けた取組

(1)がんと診断された時からの緩和ケア(2)相談支援、情報提供(3)社会連携に基づくがん対策・がん患者支援(4)がん患者等の就労を含めた社会的な問題(5)ライフステージに応じたがん対策

3.がんとの共生2.がん医療の充実1.がん予防

1.関係者等の連携協力の更なる強化2.都道府県による計画の策定3.がん患者を含めた国民の努力4.患者団体等との協力

5.必要な財政措置の実施と予算の効率化・重点化6.目標の達成状況の把握7.基本計画の見直し

第3期がん対策推進基本計画(平成30年3月9日閣議決定)(概要)

第74回で議論した箇所

28

第75回or第76回で議論予定

第75回or第76回で議論予定

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5.中間評価に向けた整理(予防分野の例)

29

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がん予防分野の中間評価に向けた整理(案)

30

第74回がん対策推進協議会

令和2年10月16日

資料

3-1

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31

項目番号 中間評価指標 用いた調査 数値 参考数値

1031 がん検診受診率 2019年国民生活基礎調査 2019年胃がん (男)48.0% (女)37.1%肺がん (男)53.4% (女)45.6%大腸がん (男)47.8% (女)40.9%

子宮頸がん(女)43.7%乳がん (女)47.4%

2016年胃がん (男)46.4% (女)35.6%肺がん (男)51.0% (女)41.7%大腸がん (男)44.5% (女)38.5%

子宮頸がん(女)42.4%乳がん (女)44.9%

参5 コールリコールを実施している市区町村の割合

令和元年度市区町村におけるがん検診の実施状況調査

2018年【個別受診勧奨】

胃がん 83.3%肺がん 82.3%大腸がん 85.2%乳がん 86.7%子宮頸がん85.4%

【個別受診勧奨を実施した自治体のうち、検診未受診者に対する個別再勧奨(全員又は一部)を実施した自治体】

胃がん 46.1%肺がん 44.7%大腸がん 52.5%乳がん 60.2%子宮頸がん58.5%

2017年【個別受診勧奨】

胃がん 81.2%肺がん 79.8%大腸がん 84.0%乳がん 81.9%子宮頸がん82.5%

【個別受診勧奨を実施した自治体のうち、検診未受診者に対する個別再勧奨(全員又は一部)を実施した自治体】

胃がん 44.7%肺がん 42.7%大腸がん 50.4%乳がん 57.3%子宮頸がん57.3%

個別目標

○検診受診率:50%○精密検査受診率:90%

国、都道府県及び市町村は、これまでの施策の効果を検証した上で、受診対象者の明確化や、将来的には組織型検診のような検診の実施体制の整備など、効果的な受診率向上のための方策を検討し、実施する。市町村は、当面の対応として、検診の受診手続の簡素化、効果的な受診勧奨、職域で受診機会のない者に対する受診体制の整備、受診対象者の名簿を活用した個別受診勧奨・再勧奨、かかりつけ医や薬局の薬剤師を通じた受診勧奨など、可能な事項から順次取組を進める。市町村や検診実施機関においては、受診者に分かりやすくがん検診を説明するなど、受診者が、がん検診の意義及び必要性を適切に理解できるように努める。

また、国は、がん検診と特定健診の同時実施、女性が受診しやすい環境整備など、受診者の立場に立った利便性の向上や財政上のインセンティブ策の活用に努める。

(2)がんの早期発見及びがん検診(2次予防)①受診率向上対策について

備考 ・胃がん、肺がん、乳がん、大腸がんは40歳~69歳。子宮頸がんは20歳~69歳。・健診等(健康診断、健康診査及び人間ドック)の中で受診したものを含む。

・乳がん・子宮頸がんは過去2年に受診したもの。・2016年(平成28)年の数値は、熊本県を除いたもの。

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36.6

28.3 26.4

23.028.1

23.9

37.7 39.1

45.8

33.8

47.5

37.441.4

34.5

42.143.4

46.4

35.6

51.0

41.744.5

38.5

42.444.9

48.0

37.1

53.4

45.647.8

40.9

43.747.4

0.0

10.0

20.0

30.0

40.0

50.0

60.0

平成22年('10)

平成25年('13)

平成28年('16)

令和元年('19)

○ 胃がん、肺がん、乳がん、大腸がんは40歳~69歳、子宮がん(子宮頸がん)は20歳~69歳。○ 健診等(健康診断、健康診査及び人間ドック)の中で受診したものも含む。○ 平成28年調査は、熊本県を除いたデータである。

出典:2019年国民生活基礎調査

(%) がん検診の受診率の推移目標値

50%

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(2)がんの早期発見及びがん検診(2次予防)①受診率向上対策について

進捗状況がん検診の受診率は、2019年国民生活基礎調査によると、40歳から69歳の者(入院者を除く。)について、過

去1年間に胃がん、肺がん、大腸がんの検診を受診した者の割合を性別にみると、男女とも「肺がん検診」が最も高く、男で53.4%、女で45.6%となっている。過去2年間に子宮がん(子宮頸がん)(20~69歳。入院者除く)、乳がん(40~69歳。入院者除く。)の検診を受診した者の割合をみると、「子宮がん検診(子宮頸がん)検診」(女性のみ)は43.7%、「乳がん検診」(女性のみ)は47.4%となっている。また、いずれの検診においても上昇傾向となっている。

がん検診受診率向上のため、対象者一人一人への受診勧奨・受診再勧奨や、子宮頸がん検診・乳がん検診の受診クーポン券の配布に取り組んできた。平成31年4月には、より効果的な取り組みとして、行動経済学の研究者が提唱した「ナッジ理論」に基づいた好事例を紹介した「受診率向上施策ハンドブック第2版」を公表し、受診率向上に向けた取り組みを推奨している。

職域におけるがん検診においては、「職域におけるがん検診に関するワーキンググループ」の報告書として、「職域におけるがん検診に関するマニュアル」を平成30年3月に公表している。職域においても、科学的根拠に基づくがん検診の普及啓発に取り組んでいる。

受診率向上施策として科学的根拠が示されているものとして、個別受診勧奨(コール)・個別受診再勧奨(リコール)があり、「ナッジ理論」等を活用するなどの効果的な受診勧奨の取り組みが行われている。個別の受診勧奨は約8割、再勧奨については約5割の自治体で実施されており、いずれの実施割合も向上傾向にある。

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受診率向上施策ハンドブック

(第1版)~チェック あの町のがん検診受診率~

(第2版)~明日から使えるナッジ理論~

<受診率向上施策ハンドブック(第1版)(平成28年3月作成)のポイント>

健康行動理論(※)に基づいて、がん検診対象者への「行動に至るきっかけの提供」を目的として、自治体の担当者の視点から「メッセージ(勧奨資材の内容)」、「仕組み(検診の方法・他者との連携)」及び「費用対効果(効率的な手法)」の3つの観点における好事例を紹介するもの。(※)健康行動理論:人の健康行動について態度や意思決定の観点から解

明・説明する学問

<受診率向上施策ハンドブック(第2版)(平成31年4月作成)のポイント>

第1版に続き、がん検診受診の「行動に至るきっかけの提供」を目的として、より効果的な取り組みとして、行動経済学(※1)の研究者が提唱した「ナッジ(nudge) 理論(※2) 」に基づいた好事例を紹介するもの。(※1)行動経済学:人間の行動を心理学、経済学の側面から研究する学問(※2)nudge:(訳)そっと後押しする。対象者に選択の余地を残しながらも、より良い方向に誘導する手法

ハンドブックの目的

34

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35

備考 ・肺がん、乳がん、大腸がんは40歳~74歳。子宮頸がんは20歳~74歳。胃がんは、エックス線は40歳~74歳、内視鏡は50~74歳。・胃がん(内視鏡)は、H28(2016)から指針に導入。・数値については、四捨五入により100%とならない場合がある。

項目番号 中間評価指標 用いた調査 数値 参考数値

1032 精密検査受診率

精検機関より精検結果の報告があったもの。もしくは、受診者が詳細(精検日・受診機関・精検法・精検結果の4つ全て)を申告したもの。

平成29年度地域保健・健康増進事業報告(出典)国立がん研究センターがん情報サービス「がん登録・統計」

2016年度胃がん(X線)80.7% (内視鏡)83.6%肺がん 83.0%大腸がん 70.6%子宮頸がん 75.4%乳がん 87.8%

2015年度胃がん(X線)81.7%肺がん 83.5%大腸がん 70.1%子宮頸がん 74.4%乳がん 92.9%

参6 精密検査未把握率

精検受診の有無がわからないもの。および(精検受診したとしても)精検結果が正確にわからないもの全て(すなわち、上記の精検受診、未受診以外のもの全て)。

平成29年度地域保健・健康増進事業報告(出典)国立がん研究センターがん情報サービス「がん登録・統計」

2016年度胃がん(X線)11.5% (内視鏡)13.6%肺がん 10.6%大腸がん 16.6%子宮頸がん 17.6%乳がん 8.9%

2015年度胃がん 7.4%肺がん 10.0%大腸がん 17.2%子宮頸がん 18.3%乳がん 9.1%

参7 精密検査未受診率

要精検者が精検機関に行かなかったことが判明しているもの(精検として不適切な検査とは、1)大腸がん検診における便潜血検査の再検、および2)肺がん検診における喀痰細胞診要精検者に対する喀痰細胞診の再検を指す)。

平成29年度地域保健・健康増進事業報告(出典)国立がん研究センターがん情報サービス「がん登録・統計」

2016年度胃がん(X線) 7.7% (内視鏡) 2.6%肺がん 6.4%大腸がん 12.8%子宮頸がん 6.9%乳がん 3.3%

2015年度胃がん 10.9%肺がん 6.5%大腸がん 12.7%子宮頸がん 7.3%乳がん 3.5%

都道府県は、指針に示される5つのがんについて、指針に基づかない方法でがん検診を行っている市町村の現状を把握し、必要な働きかけを行うこと、生活習慣病検診等管理指導協議会(※)の一層の活用を図ることなど、がん検診の実施方法の改善や精度管理の向上に向けた取組を検討する。また、市町村は、指針に基づいたがん検診の実施及び精度管理の向上に取り組む。

国、都道府県及び市町村は、がん検診や精密検査の意義、対策型検診と任意型検診の違い、がん検診で必ずしもがんを見つけられるわけではないこと及びがんでなくてもがん検診の結果が陽性となる偽陽性等のがん検診の不利益についても理解を得られるように、普及啓発活動を進める。

国は、関係団体と協力し、指針に基づいた適切な検診の実施を促すとともに、国内外の知見を収集し、科学的根拠に基づいたがん検診の方法等について検討を進め、必要に応じて導入を目指す。

(※)がん、心臓病等の生活習慣病の動向を把握し、また、市町村、医療保険者及び検診実施機関に対し、検診の実施方法や精度管理の在り方等について専門的な見地から適切な指導を行うために、都道府県が設置・運営するもの。

(2)がんの早期発見及びがん検診(2次予防)②がん検診の精度管理等について

個別目標

○検診受診率:50%○精密検査受診率:90%

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備考 ・指針に基づいた対象年齢は、大腸がん・肺がん・乳がん検診:40歳以上、胃がん検診は50歳以上、子宮頸がん検診は20歳以上。・指針に基づいた受診間隔は、肺がん・大腸がんは毎年、胃がん・乳がん・子宮頸がんは2年に1回。

(※1) 胃がん検診については、指針に基づく年齢・間隔を平成28年度よりそれまでの40歳以上・逐年から50歳以上・隔年と変更してたため、当該調査についても同じ定義を用いて実施しているが、指針において、当分の間、40歳以上・逐年で実施しても差し支えないとしていることから、他のがん種に比べて実施率が低くなっている。

(※2) 実施率算出方法:集計対象市区町村が「実施した」と回答した調査項目数/(集計対象市区町村数×調査項目数)×100

項目番号 中間評価指標 用いた調査 数値 参考数値

1033 指針に基づくがん検診を実施している市区町村の割合※1

令和元年度市区町村における がん検診の実施状況調査

2018年度胃がん :対象年齢 4.8% 受診間隔 5.3%肺がん :対象年齢 80.1% 受診間隔 98.8%大腸がん :対象年齢 76.4% 受診間隔 99.6%子宮頸がん:対象年齢 97.1% 受診間隔 35.1%乳がん :対象年齢 61.3% 受診間隔 40.3%

2017年度胃がん :対象年齢 4.2% 受診間隔 4.6%肺がん :対象年齢 79.4% 受診間隔 98.7%大腸がん :対象年齢 75.7% 受診間隔 99.7%子宮頸がん:対象年齢 96.4% 受診間隔 34.1%乳がん :対象年齢 60.2% 受診間隔 39.8%

参8 指針に基づかないがん検診を実施している市区町村の割合

令和元年度市区町村における がん検診の実施状況調査

2018年度85.4%

2017年度87.2%

1034 「事業評価のためのチェックリスト」を実施している市区町村の割合

平成30年度市区町村におけるがん検診チェックリストの使用に関する実態調査

2018年度【チェックリストの実施率※2】

胃がん(X線) :集団 79.1% 個別 67.4%胃がん(内視鏡):集団 66.5% 個別 66.3%大腸がん :集団 78.6% 個別 68.0%肺がん :集団 78.5% 個別 66.3%乳がん :集団 79.1% 個別 69.8%子宮頸がん :集団 78.9% 個別 69.9%

2017年度【チェックリストの実施率※2】

胃がん :集団 76.0% 個別 63.6%

大腸がん :集団 75.6% 個別 64.0%肺がん :集団 75.5% 個別 61.6%乳がん :集団 75.7% 個別 65.8%子宮頸がん:集団 75.5% 個別 66.2%

都道府県は、指針に示される5つのがんについて、指針に基づかない方法でがん検診を行っている市町村の現状を把握し、必要な働きかけを行うこと、生活習慣病検診等管理指導協議会(※)の一層の活用を図ることなど、がん検診の実施方法の改善や精度管理の向上に向けた取組を検討する。また、市町村は、指針に基づいたがん検診の実施及び精度管理の向上に取り組む。

国、都道府県及び市町村は、がん検診や精密検査の意義、対策型検診と任意型検診の違い、がん検診で必ずしもがんを見つけられるわけではないこと及びがんでなくてもがん検診の結果が陽性となる偽陽性等のがん検診の不利益についても理解を得られるように、普及啓発活動を進める。

国は、関係団体と協力し、指針に基づいた適切な検診の実施を促すとともに、国内外の知見を収集し、科学的根拠に基づいたがん検診の方法等について検討を進め、必要に応じて導入を目指す。

(※)がん、心臓病等の生活習慣病の動向を把握し、また、市町村、医療保険者及び検診実施機関に対し、検診の実施方法や精度管理の在り方等について専門的な見地から適切な指導を行うために、都道府県が設置・運営するもの。

(2)がんの早期発見及びがん検診(2次予防)②がん検診の精度管理等について

個別目標

○検診受診率:50%○精密検査受診率:90%

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種類 検 査 項 目 対象者 受診間隔

胃がん検診問診に加え、胃部エックス線検査又は胃内視鏡検査

のいずれか

50歳以上

※当分の間、胃部エックス線検査については40歳以

上に対し実施可

2年に1回

※当分の間、胃部エックス線検査については年1回

実施可

子宮頸がん検診 問診、視診、子宮頸部の細胞診及び内診 20歳以上 2年に1回

肺がん検診 質問(問診)、胸部エックス線検査及び喀痰細胞診 40歳以上 年1回

乳がん検診問診及び乳房エックス線検査(マンモグラフィ)

※視診、触診は推奨しない40歳以上 2年に1回

大腸がん検診 問診及び便潜血検査 40歳以上 年1回

指針で定めるがん検診の内容

市町村のがん検診の項目について厚生労働省においては、「がん予防重点健康教育及びがん検診実施のための指針」(平成20年3月31日付け健発第0331058号厚生労働省健康局長通知別添)を定め、市町村による科学的根拠に基づくがん検診を推進。

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(2)がんの早期発見及びがん検診(2次予防)②がん検診の精度管理等について

進捗状況精密検査未受診者へ郵送や電話などによる、個別受診再勧奨の取組が自治体において行われているところ。

精密検査受診率は、がんの種類によっても異なるが、大腸がんでは、約7割である一方で、乳がんでは約9割と概ね目標を達成している。

医療機関との連携の下、精密検査の受診結果等の把握に努めているが、精密検査未把握率は、胃がん検診は増加、その他の検診は、 ほぼ横ばいとなっている。

精密検査未受診者を正確に特定し、受診勧奨を行うことが重要であり、精密検査未受診率は、胃がん検診は減少、その他の検診は、ほぼ横ばいとなっている。

市町村が実施するがん検診については、実施状況調査等により、適宜実態把握と分析を行っている。胃がん検診については、指針に基づく年齢・間隔を平成28年度よりそれまでの40歳以上・逐年から50歳以上・隔年と変更してたため、当該調査についても同じ定義を用いて実施しているが、指針において、当分の間、40歳以上・逐年で実施しても差し支えないとしていることから、他のがん種に比べて実施率が低くなっている。

また、乳がん検診の40歳未満での実施、乳がん検診や子宮頸がん検診の逐年実施が多いと考えられる。指針に基づかないがん検診の実施率は、85.4%と高い状況が続いている。これらの検診のうち、最も多いも

のは、前立腺がん検診(PSA検査)となっており、その他、子宮体がん検診や肝臓がんの検診(エコー)などである。

指針において、がん検診の事業評価を行うに当たっては、「事業評価のためチェックリスト」等により実施状況を把握することとしており、国立がん研究センターが作成する「全国がん検診実施状況データブック」において、実施率等を公表している。自治体において、チェックリストの全項目のうち、60~80%の項目を実施しており、実施率は向上している。

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ご清聴ありがとうございました。

ひと、くらし、みらいのために

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