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サテライト通信 発行:2016 年(平成 28 年)3 月 国立大学法人和歌山大学岸和田サテライト 〒596-0014 岸和田市港緑町 1-1 浪切ホール 2F 072-433-0875 Vol.19 和歌山大学 岸和田少子高齢化社会における地域の集落・コミュニティの維持という問題意識の下、和歌山大学(堀田祐三 子観光学部教授・金子泰純システム工学部教授・藤田和史経済学部准教授)と岸和田市都市計画課による 2 年間の研究事業を実施しました。10 回にわたる研究会では、岸和田市の市街化調整区域の地域的性格・都 市近郊農業の現状等をふまえた基礎的調査に続いて、住民の地域での生活の現状や定住意向を探るパイロッ ト調査(ヒアリング調査)、市街化調整区域のまちづくりの先行事例である兵庫県加古川市への視察調査を 行い、これらの成果を報告書にまとめました。 岸和田サテライトと岸和田市政策企画課は、学内および庁内との調整・報告書の編集等、研究会運営全般 のサポートを行いました。(神谷) 昨今の少子化の進展による児童・生徒数の減少にともない、複式学級化や学校統廃合など、今後の学校の あり方についての議論が盛んになりつつあります。岸和田市においても早い段階での準備を進める必要があ ると考えられることから、本学名誉教授久保富三夫氏を助言者として迎え、和歌山大学(岸和田サテライト)、 2 年間の地域課題研究の取り組み  浪切ホール研修室にて、本学紀州経済史文化史主催の講演会が開催され、講演後は、 岸和田駅発の駅舎ツアーも行われました。岸和田サテライトは、広報と当日の会場サポー トを担当しました。                    11 15 「駅舎建築の魅力を探る」 (紀州経済史文化史研究所) 岸和田サテライトのホームページ    「岸和田市山手のまちづくり研究」 1. 2 年間の地域課題研究の取り組み      2. mini 和歌山大学@浪切サロン- わだい浪切サロン -、岸和田サテライト友の会- サテライトを拠点とした地域活動 ー 3. 経済学部授業「地域調査研究」、高等教育事業10 年のデータから(1) 4. トピックス(「駅舎建築の魅力を探る」、「連携ひろばワダイ×キシワダ」他) 岸和田市内の事業所・団体の会員からなるサテライトを拠点とした交流促進組織「連 携ひろばワダイ × キシワダ」の第 1 回交流会を開催しました。第 1 回は、いずみの農業 協同組合、浪切ホール、ラヂオきしわだ、岸和田サテライト友の会より出席いただき、 岸和田市政策企画課と岸和田サテライトが進行を務めました。 岸和田商工会議所が発行する『きしわだ所報』(2015 年 10 月号 ~2016 年 3 月号)に 6 回にわたって連載されたコラム では、変動費、固定費、機会原価、管理可能性原則、予算等のキー ワードを用いて、管理会計が人々の意思決定とコントロールに 役立つ情報を提供するものであることを、具体的な事例をもと に解説しています。本文は下記のリンクからご覧いただけます。 (http://www.wakayama-u.ac.jp/kishiwada/post_391.html) 第 3 回・第 4 回委員会(12 月 25 日・3 月 24 日)では、進行中の事業の経過報告お よび次年度の岸和田サテライト 10 周年行事を中心とした事業計画案について協議しました。 なお、片山聡一郎教授(教育学部)の転出にともない、2016 年 4 月より山名敏之教授(教 育学部)が副サテライト長に就任、委員交代となります。 片山聡一郎先生、大変お世話になりありがとうございました。 2 13 「連携ひろばワダイ × キシワダ」第 1 回交流会 連載コラム「世界は管理会計でできている」 (妹尾剛好 経済学部准教授) 3 17 広島からのお客様 3 4 「岸和田市自治基本条例・協働推進員会議」での報告 CONTENTS 岸和田市の自治基本条例には、「市民と事業者と市の協働によるまちづくり」が理念 に掲げられています(第16条)。この日は、「自治体と大学との連携事業」と題して、 岸和田市政策企画課と岸和田サテライト(西田)が報告を行いました。出席者(市職員 44 名)へのアンケートでは、市と大学双方のメリットになる連携の推進や、市の行政 課題実践研究とサテライトの地域課題研究型プログラムのパッケージ化等をはじめとす る意見・提案がみられました。 トピックス 岸和田市教育委員会学校教育課、岸和田市政策企画課の三者による研 究会を組織しました。 研究会では、少子化による全国的な傾向と市内市立学校の現状およ び将来予測について、各種統計データに基づく確認と整理を行い、小 規模化する学校の活性化策を様々検討し、今後の展望にふれつつ、本 研究のまとめとして報告書を作成しました。(西田) 「少子化社会における学校のあり方をめぐる研究 - 岸和田市を中心に -」 (平成 26 年・27 年度岸和田サテライト地域課題研究型プログラム) (平成 26 年度和歌山大学独創的研究支援プロジェクトA) 写真左:久保富三夫名誉教授(中央)(2016 年1 月18 日) 岸和田市都市計画課作成資料 加古川市都市計画課訪問(2015 年 11 月 27 日) 広島修道大学副学長・ひろしま未来協創センター長の山川肖美先生、同人間環境学 部長の三浦浩之先生が本学地域連携・生涯学習センターの村田和子副センター長とと もに視察にお見えになりました。岸和田サテライトの事業・組織・開設後 10 年間の成 果と現在の課題等についてご説明し、広島修道大学の取り組みについても伺いました。 和歌山大学・岸和田市地域連携推進協議会企画運営委員会 発行者:藤田和史 編集:神谷千春 編集補:西田喜一 デザイン:梅田由美 http://www.wakayama-u.ac.jp/kishiwada/

岸和田サテ ラ イト通信 - Wakayama University · 課題実践研究とサテライトの地域課題研究型プログラムのパッケージ化等をはじめとす る意見・提案がみられました。

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Page 1: 岸和田サテ ラ イト通信 - Wakayama University · 課題実践研究とサテライトの地域課題研究型プログラムのパッケージ化等をはじめとす る意見・提案がみられました。

サテライト通信

発行:2016 年(平成 28 年)3月 国立大学法人和歌山大学岸和田サテライト 〒596-0014 岸和田市港緑町 1-1 浪切ホール 2F ☎ 072-433-0875

Vol.19和歌山大学

岸和田サテライト通信   

 少子高齢化社会における地域の集落・コミュニティの維持という問題意識の下、和歌山大学(堀田祐三

子観光学部教授・金子泰純システム工学部教授・藤田和史経済学部准教授)と岸和田市都市計画課による 2

年間の研究事業を実施しました。10 回にわたる研究会では、岸和田市の市街化調整区域の地域的性格・都

市近郊農業の現状等をふまえた基礎的調査に続いて、住民の地域での生活の現状や定住意向を探るパイロッ

ト調査(ヒアリング調査)、市街化調整区域のまちづくりの先行事例である兵庫県加古川市への視察調査を

行い、これらの成果を報告書にまとめました。

 岸和田サテライトと岸和田市政策企画課は、学内および庁内との調整・報告書の編集等、研究会運営全般

のサポートを行いました。(神谷)

昨今の少子化の進展による児童・生徒数の減少にともない、複式学級化や学校統廃合など、今後の学校の

あり方についての議論が盛んになりつつあります。岸和田市においても早い段階での準備を進める必要があ

ると考えられることから、本学名誉教授久保富三夫氏を助言者として迎え、和歌山大学(岸和田サテライト)、

■ 2 年間の地域課題研究の取り組み 

 浪切ホール研修室にて、本学紀州経済史文化史主催の講演会が開催され、講演後は、岸和田駅発の駅舎ツアーも行われました。岸和田サテライトは、広報と当日の会場サポートを担当しました。                   

■ 11月 15日 「駅舎建築の魅力を探る」(紀州経済史文化史研究所) 

岸和田サテライトのホームページ   

  「岸和田市山手のまちづくり研究」

1. 2 年間の地域課題研究の取り組み     2. mini 和歌山大学@浪切サロン- わだい浪切サロン -、岸和田サテライト友の会- サテライトを拠点とした地域活動 ー3. 経済学部授業「地域調査研究」、高等教育事業 10 年のデータから(1)4. トピックス(「駅舎建築の魅力を探る」、「連携ひろばワダイ×キシワダ」他)

 岸和田市内の事業所・団体の会員からなるサテライトを拠点とした交流促進組織「連

携ひろばワダイ×キシワダ」の第 1回交流会を開催しました。第 1回は、いずみの農業

協同組合、浪切ホール、ラヂオきしわだ、岸和田サテライト友の会より出席いただき、

岸和田市政策企画課と岸和田サテライトが進行を務めました。

 岸和田商工会議所が発行する『きしわだ所報』(2015 年

10 月号 ~2016 年 3 月号)に 6 回にわたって連載されたコラム

では、変動費、固定費、機会原価、管理可能性原則、予算等のキー

ワードを用いて、管理会計が人々の意思決定とコントロールに

役立つ情報を提供するものであることを、具体的な事例をもと

に解説しています。本文は下記のリンクからご覧いただけます。

(http://www.wakayama-u.ac.jp/kishiwada/post_391.html)

 第 3 回・第 4 回委員会(12 月 25 日・3 月 24 日)では、進行中の事業の経過報告お

よび次年度の岸和田サテライト10周年行事を中心とした事業計画案について協議しました。

 なお、片山聡一郎教授(教育学部)の転出にともない、2016年4月より山名敏之教授(教

育学部)が副サテライト長に就任、委員交代となります。

 片山聡一郎先生、大変お世話になりありがとうございました。

■ 2 月 13日「連携ひろばワダイ×キシワダ」第 1回交流会

☆ 連載コラム「世界は管理会計でできている」(妹尾剛好 経済学部准教授)

■ 3 月 17日 広島からのお客様

■ 3 月 4日「岸和田市自治基本条例・協働推進員会議」での報告

CONTENTS

 岸和田市の自治基本条例には、「市民と事業者と市の協働によるまちづくり」が理念

に掲げられています(第 16 条)。この日は、「自治体と大学との連携事業」と題して、

岸和田市政策企画課と岸和田サテライト(西田)が報告を行いました。出席者(市職員

44 名)へのアンケートでは、市と大学双方のメリットになる連携の推進や、市の行政

課題実践研究とサテライトの地域課題研究型プログラムのパッケージ化等をはじめとす

る意見・提案がみられました。

トピックス

岸和田市教育委員会学校教育課、岸和田市政策企画課の三者による研

究会を組織しました。

 研究会では、少子化による全国的な傾向と市内市立学校の現状およ

び将来予測について、各種統計データに基づく確認と整理を行い、小

規模化する学校の活性化策を様々検討し、今後の展望にふれつつ、本

研究のまとめとして報告書を作成しました。(西田)

 

「少子化社会における学校のあり方をめぐる研究 - 岸和田市を中心に -」   (平成 26 年・27 年度岸和田サテライト地域課題研究型プログラム)

(平成 26 年度和歌山大学独創的研究支援プロジェクトA)

写真左:久保富三夫名誉教授(中央)(2016 年 1月 18 日)

岸和田市都市計画課作成資料 加古川市都市計画課訪問(2015 年 11 月 27 日)

 広島修道大学副学長・ひろしま未来協創センター長の山川肖美先生、同人間環境学

部長の三浦浩之先生が本学地域連携・生涯学習センターの村田和子副センター長とと

もに視察にお見えになりました。岸和田サテライトの事業・組織・開設後 10 年間の成

果と現在の課題等についてご説明し、広島修道大学の取り組みについても伺いました。

■ 和歌山大学・岸和田市地域連携推進協議会企画運営委員会

発行者:藤田和史 編集:神谷千春 編集補:西田喜一 デザイン:梅田由美http://www.wakayama-u.ac.jp/kishiwada/

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サテライト通信 サテライト通信

  

■ mini 和歌山大学@浪切ホール ー わだい浪切サロン -

第 79回(1月 20日)憲法判例からみる日本国憲法の現状         森口佳樹 経済学部教授 /副学長 公務員の政治的行為の制限、家族法と憲法、参政権の実質的保障の 3 点に的を絞り、それぞれ代表的な判例にふれつつ、現在の日本国憲法の姿が紹介されました。いつもより女性の姿が多く見られ、憲法に対する今日の関心の高さがうかがえました。

■ 岸和田サテライト友の会 - サテライトを拠点とした地域活動 ー

 食品・流通をテーマにしたフィールドワークとして、2 月 15 日~ 17 日の 3 日間、経済学部の学生が岸和田市内の事業所を訪問しました。事前学習、岸和田サテライトの調整による現地見学、藤田先生によるまとめを通じて、食品を中心とした地域の流通の一端を学ぶことができました。 実施に当たり、業務時間を割いて熱心にご対応いただいた泉州卸売団地・岸和田中央青果株式会社(土生町)、岸和田市漁業協同組合(地蔵浜町)、株式会社米麦館タマヤ(下松町)、蛸地蔵商店街・フードショップフジモト(岸城町)の皆様、ありがとうございました。  3日間の様子は、ブログ「岸和田サテライトの毎日」でご覧ください。

 

第 78回(12月 16日)思春期の心との向かい方               則定百合子 教育学部准教授 思春期にみられる心理的・身体的・社会的変化について、専門用語の解説や事例を交えた講義と質疑応答により、理解を深めることができました。参加者には、子育て・孫育ての参考にと来場した方や、自治体・NPO等の関係職員の方々も見られました。

■ 経済学部授業「地域調査研究」(担当:藤田和史准教授) 

冬季講演会(2月 13 日)

 これまで防災の課題に取り組んできた友の会により、今回は2つの

講演「地図のチカラ!GIS と防災・まちづくり」(講師:人と防災未

来センター研究主幹 (当時)照本清峰氏)・「岸和田市の耐震化の取り

組み」(講師:岸和田市建設指導課 中村公亮氏)が開催され、一般参

加者を含む 47 名が参加しました。この企画は今年度後期の学部開放

授業「地図で地域をみる・発信する」の学習をもとに実現し、今後は、

2016 年度の新たな活動にもつなげていく予定です。

市民活動ステーション拡大版「コラボラ」出展(2月20日)

 岸和田サテライト友の会は、2015 年度、岸和田市市民活動団体の「ま

ちづくり分野」に登録しました。岸和田市立産業会館で開催された「コラ

ボラ(コラボレーション×ボランティアの造語)」には多数の市民活動団

体とともに出展参加し、ブースでは、防災を中心とした友の会活動のアピー

ルや岸和田サテライトの授業・講座等の案内を行いました。

(http://www.wakayama-u.ac.jp/kishiwada/namikiri.html)

(http://www.wakayama-u.ac.jp/kishiwada/post_392.html)

(http://blog.livedoor.jp/agent930/archives/52313181.html)

■ 高等教育事業 10年のデータから(1) - 大学院授業・学部開放授業 -  

 岸和田サテライトでは、社会人のスキルアップや地域発展のニーズに対応した大学院科目(経済学研究科・教育学研究科)および学部開放授業(教養科目)を開講してきました(教育学研究科は 2011 年度より休止、学部開放授業は 2008 年度より開講)。授業は土曜日と平日夜間に開講し、20 代~ 70 代の社会人が大学院生・学部生とともに、それぞれの目的に応じて学んでいます。 2006 年度の岸和田サテライト開設以降、これまでに大学院 82 科目、学部開放 22 科目を開講し、履修・受講のべ人数の合計は大学院 1,045 名、学部開放 321 名となり、この間に大学院科目等履修生を経て修士課程(経済学研究科)へ入学した人は 24 名にのぼります。 11 年目を迎える 2016 年度は、大学院 8科目、学部開放 4科目を開講します。

大学院科目の履修人数 学部開放授業(教養科目)の履修・受講人数

第 80回(3月 16日)ワイドショーより面白い幕末明治の浮世絵         菅原真弓「教養の森」センター准教授 黒船来航・安政江戸地震・文明開化などを描いた浮世絵多数が取り上げられました。なかでも、安政の大地震後に多数発行された「鯰絵(なまずえ)」は、震災の被害や悲惨さを伝えながらもユーモアに満ちており、当時の人々のたくましさが伝わってきました。

米麦館タマヤ 岸和田中央青果 フードショップフジモト

(http://www.wakayama-u.ac.jp/kishiwada/now.html)

わだい浪切サロンは、毎月第3水曜日の午後 7時 ~8時半、参加無料・申込み不要で開催しています。(8月と2月を除く)