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日本経済論2011

日本経済論Ⅱinoue/nihonkeizai2011/pdf/...•利己的な人間ーホモ・エコノミクスの合理性 •カール・マルクスの人間像(p.7) •「社会関係の全体」-スーパー・マクロ的

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日本経済論Ⅱ2011③→

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• DVD「トヨタショックから1年」2009.11.

• Q1 2008年トヨタショックの後、部品会社の業績の最低時期はいつだったか?

• Q2 需要減への予防策?

• Q3 雇用状況はどう?

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• 1 最低時期は2009年3月 トヨタ国内生産が最低を記録(15万台) 2010年10月30万台

• 2 設備投資の抑制、昨年比減ー予防策

• 3 雇用の回復は厳しい 派遣社員の「派遣切り」→路上生活→職探し→雇用保険切れ

→生活保護申請

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• トヨタショックまでの愛知県、東海地域

• 人手不足が続く 全国から求職者が集まる

• 人手不足だが、企業は正社員を増やさない

• グローバル競争のためにコストを抑制する

• コストの大きな要因は人件費

• 会社は儲かっているのに、賃金は増えない

• 正社員よりも、派遣、契約、請負社員を+

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• 雇用停滞→消費停滞→企業販売停滞→

雇用停滞という悪循環が続く

・ 先行き不安感をどう解消するのか?

・ 輸出依存、政府奨励金という制度依存では一時的な効果、それよりも経済の将来設計

をどうするのか 安定的な雇用をどこに求めるか 独自の新規事業への進出

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震災ショック

• 東日本大震災と自動車産業

• 2008年リーマンショックはトヨタショックになる

• さらに、2011年震災ショックが重なる

• 東北地方 日本の製造業のサプライチェーン

• 数多くの部品工場 世界生産をになう・・・

• 震災で部品供給停止→製造業全体に影響

• 生産ネットワークの分散化の必要

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• 東北地方を始め、日本国内に残る低賃金

• 低賃金+良質な労働力

• 国外では労働力の質はよくわからない

• 労働力の質=教育水準+勤勉性

• モノ作りに必要な労働力は決まっている

• 日本の製造業→労働者の改善能力高い

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関連質問

1 東海経済の活力の源泉は何か?

2 東海企業経営の特徴は何か?

3 消費センスは何か?

4 企業経営なかで重要なのは何か?

5 中小企業は重要か?

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講義の進め方

• VTR利用→目で見る日本経済の変化

• 講義→耳で確認するVTRの中身

• 参考書→『経済学の世界へ』(有斐閣)

• 活字で確認する

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• 参考書 第1章 pp.14-27(ヨーロッパ近代)

• 系統発生を繰り返す個体発生

• 資本主義の誕生(まず西ヨーロッパ、GB)

• それが世界的に波及する過程18cー現在

• 日本のなかで系統(資本主義)の発展

• 名古屋経済圏と日本経済

• 戦国時代から江戸時代へ

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都市経済の繁栄

• 堺とヴェニスの繁栄(16世紀)ー大商人

• 共通の成長基盤ー遠距離交易

• 当時の経済成長の動力源ー生産<流通

• 名古屋経済ー生産+貿易(空・海)

• 堺の繁栄→大坂に移る、京都へ寄進

• ヴェニス→都市から国家へ、大遺産

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東海経済の活力

• 製造業ー加工組み立て産業

• 少なくとも戦国時代から鋳物産業さかん

• 当時の武器生産に需要あり→公共需要

• 現在の基礎ー第二次世界大戦中の生産

• 現在の特徴ー企業システム

• 大企業とそれを取り巻く中小企業の存在

• 複雑なシステムを形成→その例、トヨタグループ

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無借金経営とは何か

• すべて現金支払い、手形を発行しない

• それだけの現金の蓄積がある

• 堅実にして低リスクな経営が可能になる

• そのメリットがデメリットになるリスク

• 株式上場→外資(ファンド)の攻撃のリスク

• 企業価値に比べて安い株価→買収リスク

• 経営の難しさ→グローバル市場での生き残り

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今回の格言

• すべての経済は繁栄ののち、衰退を迎える

• ギリシア・ローマ時代以来、中国文明以来

• 経済成長のドラマとは?

• テイクオフ→成長→加速度→繁栄→衰退

• ひとつのサイクルか、それとも循環か

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④VTR質問

• 1 享保の改革のキーワード

• 2 宗春は「バカ殿」か、「名君」か

• 3 宗春以前の名古屋の気質

• 4 藩主宗春の決済方法

• 5 宗春の積極財政の結末

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日本経済論Ⅱ

• 『経済学の世界へ』第1章

• 資本主義とヨーロッパー1800年代に確立

• 経済学の歴史とオーバーラップ

• アダム・スミスの登場(p.6)

• 利己的な人間ーホモ・エコノミクスの合理性

• カール・マルクスの人間像(p.7)

• 「社会関係の全体」-スーパー・マクロ的

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エコノミー

• オイコノミアー家の秩序と家長(p.16)

• 家から都市へ、さらに国家へと発展、拡大

• 現在の経済学はeconomics、だが、

• 19世紀まで、political economy が経済学

• つまり、政治経済学であった(p.20)

• 社会科学の専門化、細分化の結果である

• 全体性の回復ー現在の経済学の課題

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市場・貨幣・資本

• 貨幣ー貨幣なしには社会が存在しない

• 貨幣・言語・法律ー近代社会のベース

• 資本(p.23)とは何か

• 賃金をもらって働くー賃労働者の存在

• エンクロージャー(16-18世紀イギリスp.25)

• 土地から農民を追い出す→賃労働者の発生

• 近代資本主義ー大量の賃労働者の存在

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徳川宗春とルイ14世

• 宗春(1696-1764)

• 宗春1730-1739 尾張藩藩主として藩政

• 政策『温知政要』ー倹約・規制の短所

• 支出、公共支出の奨励、個人消費の奨励

• ケインズ以前のケインズ主義的政策ー意義

• 「名古屋の繁栄に京(興)がさめた」

• 当時の中央政府・吉宗の反感・批判→失脚

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ルイ14世(1638-1715)

• ブルボン朝最盛期

• 「朕は国家なり」「太陽王」と呼ばれる

• 中央集権国家、重商主義政策(商業の重視)

• 商業、流通から国の富が生まれる

• 堺、ヴェニスの繁栄を継続する

• 重商主義とは、mercantilismの翻訳

• ヴェルサイユ宮殿建設、フランスの繁栄

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比較

• ケインズ以前のケインズ主義(宗春)

• 公共支出、個人消費の重要性

• 宮廷支出(ルイ14世)→奢侈の経済効果

• トリクルダウン効果ー金持ち(宮廷)の支出

• 末端にまで浸透して乗数効果を発揮する

• フランスの数々の職人的、伝統的技芸奨励

• ステンドグラス、タピスリー、シャンデリア、

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今週の一言

• 歴史は99%まですでに決められている

• 残りの1%は個人、そして集団の力で変わる

• 人間の一生もまた同じ