5
はじめに 女性労働協会の調査によれば,月経困難症は 年齢が若い女性ほどその発症頻度は高く,25歳 未満では43.1%に月経困難症を認める〔1〕.思 春期女子の月経困難症の多くは機能性である が,近年,そのなかに子宮内膜症の初期病変が 高率に認められることが明らかにされてきた 〔2〕.さらに,機能性月経困難症と診断されて いた女子が将来子宮内膜症を発症しやすいとい う研究もある〔3〕.ここでは,これらの状況を 踏まえて,思春期女子の月経困難症/子宮内膜 症の実態,本症に対する米国および日本の学会 による治療指針を示し,対象が若年女子である ことから特に注意しなくてはならない治療上の メリットとピットホールについて,自験例と文 献による治験を交えて述べる. 思春期子宮内膜症の特徴と頻度 2010年における Dovey らによる思春期子宮 内膜症の review を,表1〔4〕に示す.慢性骨 盤痛または月経困難症を示す女子における子宮 内膜症の頻度は19~73%と高率であり,初経前 の女子であっても,慢性骨盤痛を示した場合に 25~38%に子宮内膜症が認められる.成人の子 宮内膜症で20歳前に症状が出現する頻度は80% であり,症状出現から診断までの平均期間は 9.28年と長い.また,思春期の子宮内膜症では 腹膜病変(red)が多く,活動性の高い進行性 の子宮内膜症の存在が考えられる〔2〕.このた め,診断までに長期間を有すれば,子宮内膜症 は進行して治療も難しくなり,妊孕性低下のリ スクも高くなる.なお,思春期子宮内膜症では, 月経困難症を64~94%,非周期的骨盤痛を36~ 91%に認める. 一方,1980~2011年の1,014論文から厳選さ れた15の論文からの review〔5〕では,腹腔鏡 で確認された思春期子宮内膜症は,慢性骨盤痛 または月経困難症を示す女子の62%(543 / 880 例)に認められ,NSAIDs や低用量エストロゲ ン・プロゲスチン配合薬(LEP)などの治療に 抵抗性の慢性骨盤痛を示す女子の約75%に認め られた.さらに,薬物治療でコントルールでき る痛みを示す女子のなかにもかなりの頻度で子 宮内膜症が認められること,中等度から重度の 子宮内膜症が思春期子宮内膜症全体の内,約 30%と高率に認められている(表2). 日本,米国における月経困難症に対する治療指針 『産婦人科診療ガイドライン 婦人科外来編 2011』〔6〕では,「機能性月経困難症の治療に は,鎮 痛 剤(NSAIDs な ど)ま た は LEP を投 与する(B)」ことが明示されており,日本産 科婦人科学会の『子宮内膜症取扱い規約 第2 〔ワークショップ2/思春期月経困難症(生理痛)~患者の将来を見据えた私の対処~〕 月経困難症 ―思春期女子に対するホルモン療法のメリットとピットホール― 総合母子保健センター愛育病院 安達 知子 表1 思春期子宮内膜症の特徴 文献〔4〕より作成 特徴 頻度 慢性骨盤痛 or 月経困難症の女子における 内膜症の頻度 19~73% (47%) 骨盤痛を示す初経前の思春期女子における 頻度 25~38% 成人内膜症で20歳前に症状が出現する頻度 66% 症状出現から診断までの平均期間 9.28年 思春期内膜症の疼痛状況 月経困難症 非周期的骨盤痛 64~94% 36~91% エンドメトリオーシス会誌 2014;35:116-120 116

月経困難症 ―思春期女子に対するホルモン療法のメリットとピッ … · 図1 思春期の月経困難症と子宮内膜症の評価および治療 (ACOG

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Page 1: 月経困難症 ―思春期女子に対するホルモン療法のメリットとピッ … · 図1 思春期の月経困難症と子宮内膜症の評価および治療 (ACOG

はじめに女性労働協会の調査によれば,月経困難症は

年齢が若い女性ほどその発症頻度は高く,25歳未満では43.1%に月経困難症を認める〔1〕.思春期女子の月経困難症の多くは機能性であるが,近年,そのなかに子宮内膜症の初期病変が高率に認められることが明らかにされてきた〔2〕.さらに,機能性月経困難症と診断されていた女子が将来子宮内膜症を発症しやすいという研究もある〔3〕.ここでは,これらの状況を踏まえて,思春期女子の月経困難症/子宮内膜症の実態,本症に対する米国および日本の学会による治療指針を示し,対象が若年女子であることから特に注意しなくてはならない治療上のメリットとピットホールについて,自験例と文献による治験を交えて述べる.

思春期子宮内膜症の特徴と頻度2010年における Doveyらによる思春期子宮内膜症の reviewを,表1〔4〕に示す.慢性骨盤痛または月経困難症を示す女子における子宮

内膜症の頻度は19~73%と高率であり,初経前の女子であっても,慢性骨盤痛を示した場合に25~38%に子宮内膜症が認められる.成人の子宮内膜症で20歳前に症状が出現する頻度は80%であり,症状出現から診断までの平均期間は9.28年と長い.また,思春期の子宮内膜症では腹膜病変(red)が多く,活動性の高い進行性の子宮内膜症の存在が考えられる〔2〕.このため,診断までに長期間を有すれば,子宮内膜症は進行して治療も難しくなり,妊孕性低下のリスクも高くなる.なお,思春期子宮内膜症では,月経困難症を64~94%,非周期的骨盤痛を36~91%に認める.一方,1980~2011年の1,014論文から厳選さ

れた15の論文からの review〔5〕では,腹腔鏡で確認された思春期子宮内膜症は,慢性骨盤痛または月経困難症を示す女子の62%(543/880例)に認められ,NSAIDsや低用量エストロゲン・プロゲスチン配合薬(LEP)などの治療に抵抗性の慢性骨盤痛を示す女子の約75%に認められた.さらに,薬物治療でコントルールできる痛みを示す女子のなかにもかなりの頻度で子宮内膜症が認められること,中等度から重度の子宮内膜症が思春期子宮内膜症全体の内,約30%と高率に認められている(表2).日本,米国における月経困難症に対する治療指針『産婦人科診療ガイドライン 婦人科外来編2011』〔6〕では,「機能性月経困難症の治療には,鎮痛剤(NSAIDsなど)または LEPを投与する(B)」ことが明示されており,日本産科婦人科学会の『子宮内膜症取扱い規約 第2

〔ワークショップ2/思春期月経困難症(生理痛)~患者の将来を見据えた私の対処~〕

月経困難症―思春期女子に対するホルモン療法のメリットとピットホール―

総合母子保健センター愛育病院

安達 知子

表1 思春期子宮内膜症の特徴 文献〔4〕より作成

特徴 頻度

慢性骨盤痛 or月経困難症の女子における内膜症の頻度

19~73%(47%)

骨盤痛を示す初経前の思春期女子における頻度

25~38%

成人内膜症で20歳前に症状が出現する頻度 66%

症状出現から診断までの平均期間 9.28年

思春期内膜症の疼痛状況月経困難症非周期的骨盤痛

64~94%36~91%

日エンドメトリオーシス会誌2014;35:116-120116

Page 2: 月経困難症 ―思春期女子に対するホルモン療法のメリットとピッ … · 図1 思春期の月経困難症と子宮内膜症の評価および治療 (ACOG

問診,疼痛日記,画像診断,診察

周期的LEP投与+鎮痛剤

疼痛持続 18歳以上ならばGnRHaの診断的短期間使用→改善されたら,内膜症と診断

内膜症確認 内膜症なし

胃腸,泌尿器の評価へまたはペインクリニック

疼痛持続

<16歳

持続的LEP投与 GnRHa±add backまたは持続的LEP投与

持続的LEP投与 疼痛が消えてもLEPは継続する

原本ではLEPの部分は,combination hormone therapyと記載されており,LEPのほか, E/P patch, E/P vaginal ring, norethindroneacetateなどを含む

腹腔鏡(診断,治療)

これで軽快すれば,この治療を続ける

≧16歳

部 治療編・診療編 2010』〔7〕でも,各種ホルモン治療のなかで LEPが勧められている.なお,特に初経後の思春期女子には全身に対するエストロゲン作用が十分に必要な時期であることから,各種ホルモン治療の内,低エストロ

ゲン状態を誘導しやすい,黄体ホルモン単剤:ジエノゲスト,GnRHアゴニスト,および男性ホルモン作用の強いダナゾール治療は不適である.また,未妊婦であることから,黄体ホルモン放出型子宮内避妊システム(IUS)も不適である.米国でも思春期女子の月経困難症/子宮内膜

症には,EP配合薬が強く奨められている.図1に,米国産科婦人科学会(ACOG)の commit-

tee opinionからの思春期の月経困難症と子宮内膜症の評価および治療のフローチャートを示す〔2〕.低用量OC/LEP製剤の禁忌対象と副効用表3に日本産科婦人科学会の低用量 OCガイ

ドライン〔8〕から抜粋した低用量 OCおよびLEPの禁忌対象と副効用を示した.不適切な対象としては,乳癌などの女性ホルモン依存性の悪性腫瘍,血管病変や重症の代謝性疾患,血栓症の素因やリスクをもつ対象などである.しかし,一般に思春期女子では上記のリスクをもつことはほとんどない.一方,副効用としては,思春期に頻度の高い

月経困難症をはじめとする月経異常を改善することや子宮内膜症の進行を抑えること,アクネの改善などの他,子宮体癌や卵巣癌に関しては,

表2 腹腔鏡で確認された思春期子宮内膜症の頻度〔5〕より作成(1980―2011年の1014の論文から抽出された15の論文よりまとめる)

特徴 頻度慢性骨盤痛 or月経困難症の女子における内膜症の頻度

62%(543/880例)

治療(NSAIDsや LEPなど)抵抗性の慢性骨盤痛の女子における内膜症の頻度

75%(237/314例)

治療に抵抗性とはいえない月経困難症における頻度治療に抵抗性とはいえない慢性骨盤痛における頻度

70%(102/146例)

49%(204/420例)

内膜症の女子の内,中~高度内膜症の頻度内膜症の女子全体における頻度治療抵抗性の骨盤痛における頻度

32%(82/259例)16%(17/108例)

内膜症の女子の内,中~高度内膜症の頻度治療に抵抗性とはいえない月経痛における頻度治療に抵抗性とはいえない骨盤痛における頻度

29%(21/74例)

57%(44/77例)

図1 思春期の月経困難症と子宮内膜症の評価および治療(ACOG Committee opinion April,2005より改変)

月経困難症―思春期女子に対するホルモン療法のメリットとピットホール― 117

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FullGeneticPotential

Menopause

High FractureRisk

InadequateEnvironmentalFactorsB

ON

E M

AS

S

HEREDITYEXERCISE/LOADING

CALCIUM & VIT D INTAKESTRUCTURAL

ERRORS

AGE0 10 20 30 40 50 60 70

服用中の期間ばかりでなく,服用後長期間,すなわち服用していた既往が将来的な癌発症をも抑制することが知られている.また,女性の癌死亡率第1位である大腸癌の発生も抑制される.低用量OC/LEP製剤の骨量に対する影響女性の生涯における骨量の変化を図2に示

す.女性は20歳までに最大骨量に達するが,18歳以降閉経前までは骨量および骨塩量に有意差はないとされる〔2〕.エストロゲンが骨量を上昇させて,骨粗しょう症の予防に繋がることはよく知られている〔8〕が,思春期における OC

使用はどのようなものであろうか?16歳未満に低エストロゲン状態となると骨量に影響を及ぼすといわれている〔2〕.そのため,LEPの骨量に対する影響は,服用開始が最大骨量に達する前(思春期)か,後かによって異なり,20歳以上での使用で,閉経周辺期の骨量は上昇することは認められている.また,黄体ホルモン単剤の長期投与(酢酸メドロキシプロゲステロンなどを2年継続投与する)は骨量低下のリスクがあることが,2004年に FDAからも勧告されている〔2〕ことから,思春期でのジエノゲストの長期投与は適さないと推測される.OC服用によって,思春期の骨量は増加す

る,あるいは非服用者(対照群)と比較して増加率に差はないとする研究は多いものの,エチニル・エストラジオール(EE)20μg含有錠では骨量増加率が低いとする報告もしばしば認められる.そのため,結論として,EE20μgの OC

は,思春期に最適な骨密度に達するためには十分ではないかもしれないと考えられ,思春期のOCの第一選択は EE30μgかそれ以上のものが望ましいと思われる〔10〕.日本の子宮内膜症に対する保険適用薬である3種の LEPの使い分けに対し,考慮すべき私見を表4にまとめた.思春期女子の月経困難症に対する LEP製剤使用のピットホール―自験例より

月経困難症の LEP投与効果が不十分であった2症例と LEP使用中の続発無月経の1症例を示す.症例1は,初経以来の月経困難症を認め,図

3に示すように,明らかな小さい子宮内膜症性

表3 LEPの禁忌対象と副効用

禁忌 避妊以外の副効用・乳癌患者 ・月経困難症の軽減・血栓症関連(既往,素因,周術期) ・過多月経の減少

・35歳以上のヘビースモーカー ・月経不順の改善

・重症高血圧 ・子宮内膜症の進行抑制と症状改善

・非代償性肝硬変 ・子宮体癌の予防・血管病変合併の DM ・卵巣癌の予防・巣症状のある片頭痛 ・大腸癌の減少・3週間以内のすべての褥婦や6週間以内の授乳婦 ・骨粗鬆症の予防

・思春期前の女性,妊婦など

・アクネ(にきび)の改善など

(文献〔8〕) 日本産科婦人科学会 低用量 OCガイドラインより作成)

表4 3種の LEPの使い分けに対し,考慮すべきこと

■EE35μg含有錠は,EE20μg錠よりも,不正出血の頻度は少ない→より周期コントロール良好■最大骨量に達していない思春期女子には骨量増加を考えて EE35μg錠の方が好ましい

■Pの種類が同じならば,E/P比が低い(P含有量↑)方が,疼痛や経血量減少に対する効果は大きいことが期待される→18歳以上であれば,効果不良ならEE20μg錠の LEPへの切り替え

■ドロスピレノン(DRSP)含有錠は,PMSへの効果が期待できる■慎重な投与は必要であるが,若年女性の血栓症リスクは低い

図2 女性の生涯における骨量の変化 文献〔9〕

118 安達

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卵巣囊胞を認めた.しかし,1.5ヵ月前から月経期間以外にも救急車を2回要請するような激しい骨盤痛を認め,最終的に腹腔鏡手術時に急性クラミジア感染症と診断された症例である.性交経験の有無や最近の性交と激しい症状出現時期の関連が十分に問診されていなかった.思春期女子の診察に際し,ガイドライン〔6〕に書かれているように保護者同席以外に本人のみに対する十分な問診は大切である.また,症例2は,思春期から月経困難症があ

り,20代から LEP(OC)を投与されていたが,効果不十分で痛みも増強し,当院へのセカンドオピニオンを求めて来院した34歳の女性である.詳細を割愛するが,内診で子宮と付属器の可動性は乏しく圧痛著明であり,画像診断では,左付属器の内膜症性囊胞が形成されていた.最終的に,副角子宮という性器奇形に伴う月経困難症が隠れていたもので,副角子宮の切除と左付属器の切除を行った.一方,症例3,18歳は,168cm,52.3kg(2

年前60kg)で,月経困難症に対して LEP使用中に無月経となった症例である.LEPに伴う

月経欠如と考えて経過観察していたが,思春期にありがちな急激な体重減少に伴う無月経(52.3→44kg,8.2kg減少/6ヵ月)であった.LEPを中止して,食事指導と適切な体重についての生活指導を行い,月経が回復したのちLEPを再開した.LEP服用中の体重増加などは注意して問診しているが,思春期の場合には体重減少についても注意を払うべきである.なお,OCの服用の仕方が悪く断続的出血が続きやすい事象などもしばしば経験する.あらためて,思春期女子の月経困難症には,

器質的なものとしてクラミジア感染症や性器奇形に伴う月経血の流出路障害などもあることを念頭に置くべきであること,また,ホルモン剤使用に伴うむくみや体重増加とは正反対のダイエットなどによる体重減少も思春期女子ではしばしば起こりうることなどから,受診のたびに体重計測などを行うことも必要である.慎重な問診や観察,生活指導は重要である.以上を踏まえて,私の行う思春期月経困難症

のホルモン療法の留意点を表5にまとめた.

当院初診時経腟エコー左卵巣チョコレート囊胞 2.4cmCA12529.4WBC3830, CRP0.03

腹腔鏡所見子宮・両側付属器周囲の強固な癒着クラミジア感染症と診断

摘出物

図3 症例1 18歳の画像所見と腹腔鏡所見

月経困難症―思春期女子に対するホルモン療法のメリットとピットホール― 119

Page 5: 月経困難症 ―思春期女子に対するホルモン療法のメリットとピッ … · 図1 思春期の月経困難症と子宮内膜症の評価および治療 (ACOG

おわりに思春期の月経困難症/子宮内膜症についての

文献的考察と,自験例からみた管理のピットホールおよび留意点を示した.今後の思春期女子の診療の参考になることを期待している.

文 献〔1〕働く女性の身体と心を考える委員会(座長 坂元

正一).月経痛 働く女性の健康に関する実態調査

結果 働く女性の身体と心を考える委員会報告書.財団法人 女性労働協会 2004;21-22

〔2〕ACOG Committee. ACOG Committee Opinion.No310, Endometriosis in adolescents. Obstet Gy-necol2005;105:921-927

〔3〕Treloar SA et al. Early menstrual characteristicsassociated with subsequent diagnosis of endometri-osis. Am J Obstet Gynecol2010;202:534. e1―6

〔4〕Dovey S et al. Endometriosis and the adolescent.Clin Obstet Gynecol2010;53:420-428

〔5〕Janssen EB et al. Prevalence of endometriosis di-agnosed by laparoscopy in adolescents with dys-menorrhea or chronic pelvic pain : a systematicreview. Hum Reprod Update,2013;19:570-582

〔6〕日本産科婦人科学会・日本産婦人科医会編.産婦人科診療ガイドライン 婦人科外来編2011 http ://www.jsog.or.jp/activity/pdf/gl_fujinka_2011.pdf

〔7〕日本産科婦人科学会編.子宮内膜症取り扱い規約第2部 治療編・診療編.金原出版 2010

〔8〕日本産科婦人科学会編.低用量経口避妊薬の使用に関するガイドライン(改訂版).2005年12月 http ://www.jsog.or.jp/activity/pdf/guideline01feb2006.pdf

〔9〕Heaney RP et al. Peak Bone Mass, review arti-cle. Osteoporos Int2000;11:985-1009

〔10〕Agostino H et al. Low-dose Oral Contraceptivesin Adolescents : How Low Can You Go? J Pedi-atr Adolesc Gynecol2010;23:195-201

表5 思春期月経困難症の管理―ホルモン療法を中心に―

●十分な問診(親といっしょ,ならびに本人単独への問診)は重要→服用状況や消褪出血の状況,体重のチェックは大切●治療開始前のクラミジア検査(性交有)や画像検査は重要●初めての LEP使用では,原則的に周期コントロール良好な EE35μg含有錠を用いる

●血栓症への対応:若年女子の血栓症の頻度は少ないが,脱水の予防や生活指導,血栓症初期症状についての説明や対応などを的確に行う.安全性のためには,初回処方は2シートまでとして,1シート終了後に来院を指示する.

120 安達