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富士重工業株式会 I スバル・リヤ・ヴィークル・ディテクション(後側方警戒支援システム) 通称名 車両型式 エンジン型式 適用時期 出典資料 DBA-VM4 FB16 レヴオーグ 新車解説書 U1230]] DBA-VMG FA20 サービスマニュアル G 1230]] DBA-VAG FA20 取扱説明書 A1230]] -C WRX 取扱説明書 A1240]] -B CBA-VAB E]20 1 概要 スバル・リヤ・ビークル・デイテクション (SRVD: Subaru . Rear . Vehicle . Detection) は, リヤ・パンパ 左右コーナ内部に搭載したレーダ・センサにより,隣接車線後方から後側方への車両や,後退時に左右から 接近する車両を検知し, ドア・ミラー鏡面内に設定されたインジケータを点灯・点滅させて,運転者の後方 確認時の視線移動の流れを妨げることなく 警告することで,車線変更時や後退時の後側方確認をアシストし, 安全性を 高めている 。 1 ) 取り扱い上の注意 (1) スバル・リヤ・ピークル・デイテクションは,隣接車線の後方から接近する車両や,後退時に左右から接 近する車両の存在を運転者に知らせることにより, 車線変更時や後退時の後側方確認をアシストするシステ ムである 。いかなるときも安全運転を行う 責任は運転者にある 。実際の車線変更や後退時には,必ず目視に よって,周辺状況を確認すること 。 (2) このシステムには,安全な車線変更や後退の可否を判断したり,車両や障害物との接触を自動的に防ぐ機 能はない。 (3) 道路,天候,交通状況などにより,隣接車線に車両が存在する場合や左右から接近する車両が存在する場 合でも, SRVD インジケータが点灯/点滅しなかったり,点灯/点滅が遅れる場合がある。 (4) 以下のような場合, SRVD 警告灯が点灯し,システムの作動を一時停止する 。なお状況が改善されると正 常復帰する 。 ーレーダ・センサ付近のリヤ・パンパ上に雪,氷,泥が多量についたとき -雪道もしくは周囲に何もない環境を長時間走行したとき ーレーダ・センサ付近の温度が非常に低くなったときや,非常に高くなったとき ーバッテリの電圧が規定より下がっているときや,上がっているとき (5) 以下のような場合, レーダ・センサの検知性能が低下し,システムが正常に作動しない場合がある 。 ーレーダ・センサ付近の リヤ ・バンパが変形,損傷したとき ーリヤ・パンパのレーダ・センサ付近にステッカなどがはられているとき ーリヤ・パンパのレーダ・センサ付近に雪,氷,泥が付着しているとき 一雨, 雪,霧など悪天候のとき 一雪道,水たまりなど,濡れた路面を走行するとき (6) 道路上及び道路端に構造物(ガード・レール, トンネル,側 壁 など)があるとき, SRVD インジケータが点 -148-

富士重工業株式会 I スバル・リヤ・ヴィークル ...kiroku.bufsiz.jp/gijyu/H28/gat/H28g-subaru.pdfWRX 20日.6 ~ 取扱説明書 A1240]] -B CBA-VAB E]20 1概要 スバル・リヤ・ビークル・デイテクション(SRVD:

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富士重工業株式会

I スバル・リヤ・ヴィークル・ディテクション(後側方警戒支援システム)

通称名 車両型式 エンジン型式 適 用 時 期 出典資料

DBA-VM4 FB16 レヴオーグ 20日.4~ 新車解説書 U1230]]

DBA-VMG FA20 サービスマニュアル G 1230]]

DBA-VAG FA20 取扱説明書 A1230]] -C

WRX 20日.6 ~ 取扱説明書 A1240]] -B CBA-VAB E]20

1 概要

スバル・リヤ・ビークル・デイテクション(SRVD: Subaru . Rear . Vehicle . Detection)は, リヤ・パンパ

左右コーナ内部に搭載したレーダ・センサにより,隣接車線後方から後側方への車両や,後退時に左右から

接近する車両を検知し, ドア・ミラー鏡面内に設定されたインジケータを点灯・点滅させて,運転者の後方

確認時の視線移動の流れを妨げることなく 警告することで,車線変更時や後退時の後側方確認をアシストし,

安全性を高めている。

1 ) 取り扱い上の注意

(1) スバル・リヤ・ピークル・デイテクションは,隣接車線の後方から接近する車両や,後退時に左右から接

近する車両の存在を運転者に知らせることにより, 車線変更時や後退時の後側方確認をアシストするシステ

ムである。いかなるときも安全運転を行う 責任は運転者にある。実際の車線変更や後退時には,必ず目視に

よって,周辺状況を確認すること。

(2) このシステムには,安全な車線変更や後退の可否を判断したり,車両や障害物との接触を自動的に防ぐ機

能はない。

(3) 道路,天候,交通状況などにより,隣接車線に車両が存在する場合や左右から接近する車両が存在する場

合でも, SRVDインジケータが点灯/点滅しなかったり,点灯/点滅が遅れる場合がある。

(4) 以下のような場合, SRVD警告灯が点灯し,システムの作動を一時停止する。なお状況が改善されると正

常復帰する。

ーレーダ・センサ付近のリヤ・パンパ上に雪,氷,泥が多量についたとき

-雪道もしくは周囲に何もない環境を長時間走行したとき

ーレーダ・センサ付近の温度が非常に低くなったときや,非常に高くなったとき

ーバッテリの電圧が規定より下がっているときや,上がっているとき

(5) 以下のような場合, レーダ・センサの検知性能が低下し,システムが正常に作動しない場合がある。

ーレーダ・センサ付近の リヤ ・バンパが変形,損傷したとき

ーリヤ・パンパのレーダ・センサ付近にステッカなどがはられているとき

ーリヤ・パンパのレーダ・センサ付近に雪,氷,泥が付着しているとき

一雨, 雪,霧など悪天候のとき

一雪道,水たまりなど,濡れた路面を走行するとき

(6) 道路上及び道路端に構造物(ガード・レール, トンネル,側壁など)があるとき, SRVDインジケータが点

-148 -

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隼事E軍司

灯する場合がある。(図 1-1)

ーガード・レール コンクリート壁などが平行している場合

一ガード・レールや側壁の幅が狭くなっているところ

一トンネルの出口やトンネル内の側壁,退避所

2 構造・機能

1 ) 構成部品の配置(図 1-2)

トンネルの出入口やトンネル内

の側壁,待機所

図 Iー 1 取り扱い上の注意

ガード・レールや側壁の幅が

狭くなっているところ

アウタ・ミラー Ass'y(RH) レーダ・センサ(RH)(スレーブ)

f アウタ・ミラー Ass'y(LH) レーダ・センサ(LH)(マスタ)

デ、ータ・リンク・コネクタ

図 1-2 構成部品の配置

-149 -

スバル・リヤ・ビークル・ディテクションOFFスイッチ

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E事E軍司

2) 構成部品の構造・機能

(1) レーダ・センサ (図 1-3)

レーダ・センサは 24GHz帯のミリ波レーダを採用し, リヤ・コンビ・ランプの下側にブラケッ トを介して

車体に取り付けられている。左右に各1個, リヤ・バンパ内側に左右対称位置に搭載され,各々のレーダ・

センサが搭載側に接近する車両を検知している。

|レーダ・センサ照射イメージ |

図1-3 レーダ・センサ

(2) 後側方警戒支援システム OFFスイッチ (図 1-4)

後側方警戒支援システムの ON-OFFは,運転席のロ

ア・カバーに設けられたスイッチによって任意に設定可

能である。またイグニッション・スイッチを OFFした

ときの ON-OFF状態を記憶する仕様となっている。

(3) 後側方警戒支援システム・インジケータ (図 1-5)

車両斜め後方(死角)に車両が存在している場合など, ド

ア・ミラー鏡面に設定されたインジケータ (LED)を点

灯または点滅させて,運転者の後方確認時の視線移動の

流れを妨げることなく注意喚起を行う 。

-150 -

図1-4 側方警戒支援システム OFFスイ ッチ

図I一5 後側方警戒支援システム・インジケータ

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置主主主'

3) システム制御

(1) 死角車両検知機能 (BSD: Blind ・Spot・Detection)(図 1-6)

後方視界がピラーなどで遮られて死角となってしまう車両斜め後方エリアに車両を検知するとドア・ミラー

鏡面内のインジケータが点灯する。この状態で運転者が車両を検知 している方向のウインカ操作した場合,

システムは車線変更の意志があると判断し,インジケータを点灯から点滅に変化させ,運転者に衝突の危険

性があることを知らせる。(車速がlOkm/h以上のときに検知を開始する。)

¥、闘争

4m T!中 lm-

車両検知ゾーン

Eω.0

車両検知ゾーン

図 1-6 死角車両検知機能

EA

Fhd

Ei

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E事E董冨

(2) 車線変更支援機能(LCA:Lane・Change• Assist) (図 1-7)

後方から高速で接近してくる隣車線の車両を検知するとドア・ミラー鏡面内のインジケータが点灯する。こ

の状態で運転者が車両を検知している方向のウインカを操作した場合, システムは車線変更の意志があると

判断し,インジケータを点灯から点滅に変化させ,運転者に衝突の危険性があることを知らせる。

(車速が10km/h以上のときに検知を開始し 検知した車両との相対速度差及び車間距離の関係から衝突の

危険性時間が4.0秒の車両を対象に警告を発する。)

中 -E言自「-LLZ-ー「l 検知最大距離詩70m J( I I I

===~=I===ー一一一一 日孟呼}

にお1 車両検知ゾーン |

図 1-7 車線変更支援機能

円〆臼

にJ

E4

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.言SJlヨ圃・

(3) 後退時支援機能 (RCTA: Rear ・Cross・Traffic• Alert) (図 1-8)

駐車場などでの後退時(Rレンジ走行中)に,車両後方の左右から近づいてくる車両を検知すると, ドア・ミ

ラー鏡面内のインジケータが点滅すると共に警告音を鳴らし,運転者に衝突の危険性があることを知らせる。

(衝突の危険性時間が3.5秒の車両を対象に警告を発する。)

車両検知ゾーン 7m

図 1-8 後退時支援機能

(4) 異常表示,警告灯(メータ内マルチ・インフォメ ーション・ディスプレイ部の表示)(図 1-9)

① :システム点検

SRVDシステムに異常が発生したとき 『システム点検』が表示され, SRVD警告灯(黄色)が点灯する。

② :一時停止

極めて高温又は低温の環境で使用したときや,バ ッテリ 電圧の異常が発生したとき 『一時停止』が表示される。

状況が改善されると一時停止状態から復帰して表示が消える。

③ :一時停止(レーダ検知不能)

レーダ・センサの検知性能が低下したとき 『一時停止レーダー検知不能Jが表示される。状況が改善される

と一時停止状態から復帰して表示が消える。

④ : SRVD' 0 FF表示灯

SRVD'OFFスイッチを押したため,SRVDシステムが停止していることを表示する。

円〈

UFhd

EA

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④ ③

-謹重重'

② ①

SRVD.OFF警告灯(黄色)SRVD警告灯(黄色)

異常表示,警告灯

システム構成図(図 1-10)

レーダ・センサ本体にはコントロール・ユニットが組み込まれていて,

制御上マスタ(主),

図 1-9

4)

車両認識と警報判断制御を行う 。左

スレーブ(従)として区別され, それ右のレーダ・センサは同一部品を使用しているが,

マスタ側レーダには

制御に必要な情報は車両CAN経由で他のコントロー

ドア・ミラーのインジケータは左右各々のレーダ・セ

相互通信を行いながら制御している。

車両CANとSRVD.OFFスイッチ信号が入力され,

ル・ユニットから入手する仕様となっている。なお,

ンサによって直接駆動する。

ぞれプライベー トCANによって繋がっており,

。凶」」

D」」一三」000寸

<.:l

レーダ・センサ

(RH)(スレーブ)

。 1怪封一

SRVD.OFFスイッチ

ジヤンクション・

ボックス

ij レーダ・センサ

(LH)(マスタ)

間 12VehicleCAN +

システム構成図

-154 -

図 1-10

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E事E軍司

5) コントロール・ユニット 1/0信号 (図 1-11)

内容

端子番号 レーダ・センサLH レーダ・センサRH 測定条件 基準値

(マスタ) (スレーブ)

l←→ボデー・ アース プライベー トCANH プライベート CANH 常時 1MQ以上

2←→ボデー ・アース マスタ CANH 常時 1MQ以上

3←→ボデー・アース

-インジケータ点灯時

-イグニッション・スイッ 2.5~ 10.5V

4←→ボデー・アース 左ミラ ーLED出力 右ミラーLED出力チOFF→ON -インジケータ点滅時

'SRVD'OFFスイッチ 0 ←→ 2.5 ~ 1O.5V OFF→ON -インジケータ消灯時

1V未満

5←→ボデー・アース イグニッション電源 イグニッション電源イグニッション・スイッチ

1V 未満→9~16VOFF→ON

6←→ボデー・アース プライベート CANL プライベート CANL 常時 1MQ 以上

7←→ボデー ・アース マスタ CANL 常時 1MQ以上

-イグニッション・スイッ

チON8←→ボデー・アース SRVD'OFFスイッチ . SRVD' OFFスイッチ 1V 未満→9~16V

OFF→ ON(スイッチ押

し続けているとき)

9←→ボデー・アース

10←→ボデー・アース GND GND 常時 1 Q未満

図 1-11 コントロール・ユニット 1/0信号

3 点検・整備のポイント

1 ) ダイアグコード (DTC)の点検

システムに異常が発生した場合,マルチ・インフォメーション・ディスプレイ部に『システム点検』が表示さ

れ, SRVD警告灯が点灯するので,このような場合はスバル・セレクト・モニタを使用してDTCを確認し

サービス・マニュアルなどに従い故障診断を行う 。

2) レーダ・センサの光軸調整

レーダ・センサの脱着又は交換作業を行った場合には, レーダ光軸調整が必要となる。光軸調整は左右片側

ずつ実施する必要があるが,脱着又は交換作業を実施した側のレーダ・センサのみ調整が必要であり,脱着

又は交換作業を実施していない側は調整しなくてもよい。

(1) レーダ・センサ光軸調整前の準備事項

①基本点検

・タイヤの空気圧を基準値に合わせる 0

.荷物などは降ろしておく 。

・ガソリンを満タンにしておく 。

Fhd

Fhd

tEi

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.芸置~ヨ・・

②車両後方に約5m四方ほどのスペースが確保できる平坦な場所に車両を停止させる。(図 1-12)

約5m

約4m

約4m 約5m

図 1-12 レーダ・センサ光軸調整前の準備事項①

③スバル・セレクト・モニタ,レーダ・リフレクタ (SST),三脚又はスタンド,メジャー,水糸,下げ振り

(錘),ガム・テープなど,光軸調整に必要なものを準備する。(図 1-13)

レーザ・リフレクタ (SST: 87669ALOOA)

三脚(市販品)

(取り付け位置の高さが調整できる物)

図 1-13 レーダ・センサ光軸調整前の準備事項②

④レーダ・リフレクタを設置する。

(1) フロント左ホール・キャ ップの中心から下げ振り(錘)を下げ,地面に接する位置をマーキングする。

(A点)(図 1-14)

図 1-14 レーダ・センサ光軸調整前の準備事項③

156 -

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-三宮Eヨ圃・

地面に接する位置をマーキングする。(B点)リヤ右ホール・キャップの中心から下げ振り(錘)を下げ,(2)

(図 1-15)

レーダ・センサ光軸調整前の準備事項④図 1-15

A点及びB点を中心に水糸を張り,指定された寸法で弧を描き,交わった点にレーダ・リフレクタを設(3)

置する。(図 1-16)

(b)寸法

3465mm

(a)寸法

4310mm

車種

レヴオーグ

3430mm 4290mm WRX

レーダ・センサ光軸調整前の準備事項⑤図 1-16

指定の高さに調整する。レーダ・リフレクタの三角錐の中心がレーダ・センサに向くように設置し,

(図 1-17)

(4)

三一兆(d)

(d)寸法

615:t lOmm

車種

レヴオーグ

575:t lOmm

レーダ・センサ光軸調整前の準備事項⑥

iにd

11よ

WRX

図 1-17

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ー薯E軍司

(5) スバル・セレクト・モニタを接続しレーダ・センサ光軸調整を実施する。(図 I-18)

①イグニッション ・スイッチを ONして, 10秒間待つ。

②〈スタート 》画面で, {故障診断〉を選択する。

③《車両選択〉画面で車両情報を入力し, {確定〉を選択する。

④《メインメニュー〉画面で, {個別システム〉を選択する。

⑤《システム選択〉画面で, {後側方レーダ(LH))又は《後側方レーダ(RH))を選択する。

⑥《機能選択〉画面で, {作業サポート〉を選択する。

⑦作業サポート項目一覧から, {レーダ軸調整》を選択する。

③スバル・セレクト・モニタ画面に表示されるメッセージ、に従って作業する。

レーダ中央

区雪E レーダ軸のズレ方向は,+ (プラス), -(マイナス)で表示される。

図 1-18 レーダ・センサ光軸調整前の準備事項⑦

(6) 表示結果が許容範囲外であった場合は, レーダ・リフレクタ設置位置が正しくないか, もしくはレー

ダ・センサ・ブラケットや車両取り付け部位が変形している可能性がある。レーダ・リフレクタ設置位置,

レーダ・センサ・ブラケット車両取り付け部位を確認し再度レーダ軸調整を実施する。

-158 -

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E事E軍司

E ハイビーム・アシスト

通称名 車 両 型 式 工ンジン型式 適用時期 出典資料

DBA-VM4 FB16 レヴオーグ 20日.4 ~ 新車解説書 U1230J]

DBA-VMG FA20 サービスマニュアル G1230J]

DBA-VAG FA20 取扱説明書 A1230J] -C

WRX 20日.6 ~ 取扱説明書 A1240J] -B CBA-VAB E]20

1 概要

ハイビーム・アシスト (HBA: High . Beam . Assist)は,インナ・ミラーに取り付けた単眼カメラ・センサ

により ,先行車,対向車,街灯などが発する光源を検出し前方の状況に応じて自動的にハイビームとロー

ビームを切り替えることによってハイビームの使用頻度を増やし,夜間走行時の運転者の視認性を向上させ

るだけでなく ,アイ・サイトの視界も最大限に確保することで安全性を高めている。また,オート・ライト

機能と連動させることで運転者のハイビーム点灯/消灯のスイッチ動作頻度を低減している。

1 ) 取り扱い上の注意(図II-1)

(1) ハイビーム・アシストを過信しないこと。状況によっては,ハイビームが自動でロービームに切り替わら

ない場合がある。運転者は常に自らの責任で周囲の状況を把握し安全運転を心がけ,必要に応じて手動で

ハイビームとロービームを切り替えること。

(2) ハイビーム・アシストを正しく作動させるために以下のことを守ること。

・カメラ・センサの本体やレンズに触れない

-インナ・ミラーやカメラ・センサに強い衝撃を与えない

・インナ・ミラーやカメラ・センサを分解しない

-インナ・ミラーやカメラ・センサに液イ本をかけない

.ダッシュ・ボードの上に物を置かない

-荷物を積み過ぎない

-車両を改造しない

・スバル純正品以外のフロント・ガラスに交換しない

.下図のグレー部に以下のような行為をしないこと

ーカメラ・センサの近くのフロント ・ガラスにステッカ類(車検ステッカなど)をはらない

ーインナ・ミラーやカメラ ・センサ周辺にスバル指定以外のアクセサリ用品を取り付けない

子力 )片ミh¥ 1//1 ¥/¥/ TY

〈ハイビーム・アシスト装備車〉

一后Jι 丈 L -3 iLZL

(1 ,)

図II-1 取り扱い上の注意

- 159 -

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隼事E童画

2 構造・機能

1 ) 構成部品の配置(図 II-2)

カメラ・センサ 周囲光センサ

図II-2 構成部品の配置

160 -

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ーヨi;~ヨ・・

2) 構成部品の構造・機能

(1) カメラ・センサ(自動防肢機能付きインナ・ミラー)(図 II-3)

ハイビーム・アシスト用カメラ・センサは,単眼のモノクロ C-MOSカメラを使用している。カメラ・セ

ンサは車両前方の物体を認識するのではなく,前方の光源体を認識し光源体の輝度(明るさ),色味,動き

(位置や流れる方向)から対象物を推定する。

インナ・ミラーは,光センサにより周囲光や後続車のヘッド・ライト光を感知し,まぶしさに応じて反射光

を自動的に減少させる。

※カメラが認識できるのは左右方向で約30度の範囲である。

図II-3 カメラ・センサ

3) システム制御(図 II-4, 5, 6)

(1) ハイビーム・アシスト操作方法

①ライティング・スイッチを AUTOの位置にする。

②ライテイング・スイッチのレバーを前方へ押しハイ

ビームの位置にする。

③オート・ライトによってヘッド・ランプが点灯しハイ

ビーム・アシスト作動灯が点灯すると,ハイビーム・ア

シスト機能がONとなる。

- 161 -

図II-4 システム制御①

図II-5 システム制御②

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竃書量童'

自動的に切り替える。④設定されたハイビームとロービームの自動切り替え条件に基づき,

〈先行車や対向車がいるとき(口ービーム))

(前方に何もいないとき(ハイビーム))

一一一一一一一一寸一六戸

システム制御③

(2) ハイビームと口ービームの自動切り替え条件

①以下の条件をすべて満たすとハイビームが点灯する。

-車速が約40km/h以上

-自車前方に先行車や対向車がいない ランプを点灯していないなど 車両前方が暗いとき

②以下の条件のいずれかのときはロービームが点灯する。

図II-6

-車速が約30km/h以下

-自車前方に街灯が並んでいたり街中を走行中など,車両前方が明るいとき

.対向車又は先行車がランプを点灯 している

(3) 異常表示/警告灯(図 II-7)

(メータ内マルチ・インフォメーション・ディスプレイ部の表示)

① :システム点検

ハイビーム・アシストハイビーム・アシスト・システムに異常が発生したとき『システム点検jが表示され,

警告灯(黄色)が点灯する。

② :一時停止

カメラ・センサの視界不良や温度異常(極めて高温または低温)の環境で使用したとき 『一時停止Jが表示され

る。状況が改善されると一時停止状態から復帰して表示が消える。

② ①

異常表示/警告灯

-162 -

ハイビーム・アシス卜警告灯(黄色)

図II-7

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ー翠E重富

4) システム構成図(図 II-8)

HBAユニット(カメラ含む)

前方認識 霊

前後進判定

車速条件判定

-

•• ン一報

冨】情

シ一様

一四仕

ピ』

ン『

コ,

メイジ通{言、BU$(CAN)

ヘッド・ライト

図II-8 システム構成図

3 点検・整備のポイント

1 ) ダイアグ・コード (DTC)の点検

システムに異常が発生した場合,マルチ・インフォメーション・ディスプレイ部に『システム点検jが表示さ

れ,ハイビーム・アシスト警告灯が点灯する。

このような場合はスバル・セレクト・モニタを使用して DTCを確認し,サービス・マニュアルなどに従い

故障診断を行う 。

2) ハイビーム・アシスト・ユニットの交換

ハイビーム・アシスト・ユニット(カメラ・センサ,インナ・ミラー,光センサなど)は,カバーを除いて一

体構造となっており ,非分解部品のためAss'y交換となる。なお,カメラ・センサには自動調整機能がある

ため,ハイビーム・アシスト・ユニット脱着又は交換時やフロント・ガラス交換時においても,エーミング

作業(カメラの照準を調整する作業)は不要である。

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