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1 医薬品添加剤GMP自主基準の現状 日本医薬品添加剤協会 事務局長 木嶋敬二 医薬品添加剤 JPの製剤通則第3項「製剤には、別に規定するものほか、その保存中の性 状及び品質の基準を確保し又はその有用性を高めるため、賦形剤、安定 剤、保存剤、緩衝剤などの適当な添加剤を加えることができる。 ただし、その物質はその製剤の投与量において無害でなければならない。 また、その製剤の治療効果を障害し、又は試験に支障をきたすものであっ てはならない。」と規定されている。 このことは製剤の安定性や性状の向上がはかられても 医薬品の有効性が抑制される 安定性に問題が生じさせる 製剤の試験に支障をきたす このような場合は、その製剤は承認されないことを意味するわけである。 医薬品添加剤の種類 1)日本薬局方収載医薬品添加剤: 265品目 2)医薬品添加物規格「薬添規」収載品目「薬添規」1998: 436品目 3)日本薬局方外医薬品規格「局外規」収載品目: 48品目 1)+2)+3)の合計 749品目 4)使用前例のあるもの 1137品目 医薬品添加物事典収載の用途別分類と成分数 用途別 添加物成分数* 用途別 添加物成分数* 1 基剤 283 11 懸濁(化)剤 85 2 安定(化)剤 262 12 崩壊剤 70 3 賦形剤 238 13 溶解剤 69 4 コーティング剤 176 14 緩衝剤 67 5 乳化剤 167 15 滑沢剤 67 6 矯味剤 164 16 着香剤・香料 67 7 溶解補助剤 141 17 可溶(化)剤 64 8 結合剤 132 18 粘着剤 58 9 溶剤 124 19 防腐剤 58 10 分散剤 101 20 pH調整剤 55 21 粘稠剤 53 29 等張化剤 36 22 保存剤 52 30 粘着増強剤 36 23 着色剤 51 31 芳香剤 36 24 界面活性剤 48 32 可塑剤 33 25 光沢化剤 44 33 抗酸化剤 29 26 湿潤剤 43 34 防湿剤 29 27 甘味剤 39 35 軟化剤 27 28 糖衣剤 36 以下省略

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医薬品添加剤GMP自主基準の現状

日本医薬品添加剤協会

事務局長 木嶋敬二

医薬品添加剤

JPの製剤通則第3項「製剤には、別に規定するものほか、その保存中の性

状及び品質の基準を確保し又はその有用性を高めるため、賦形剤、安定剤、保存剤、緩衝剤などの適当な添加剤を加えることができる。

ただし、その物質はその製剤の投与量において無害でなければならない。また、その製剤の治療効果を障害し、又は試験に支障をきたすものであってはならない。」と規定されている。

このことは製剤の安定性や性状の向上がはかられても

医薬品の有効性が抑制される

安定性に問題が生じさせる

製剤の試験に支障をきたす

このような場合は、その製剤は承認されないことを意味するわけである。

医薬品添加剤の種類

1)日本薬局方収載医薬品添加剤: 265品目

2)医薬品添加物規格「薬添規」収載品目「薬添規」1998:

436品目

3)日本薬局方外医薬品規格「局外規」収載品目: 48品目

1)+2)+3)の合計 749品目

4)使用前例のあるもの 1137品目

医薬品添加物事典収載の用途別分類と成分数 用途別 添加物成分数* 用途別 添加物成分数*

1 基剤 283 11 懸濁(化)剤 85

2 安定(化)剤 262 12 崩壊剤 70

3 賦形剤 238 13 溶解剤 69

4 コーティング剤 176 14 緩衝剤 67

5 乳化剤 167 15 滑沢剤 67

6 矯味剤 164 16 着香剤・香料 67

7 溶解補助剤 141 17 可溶(化)剤 64

8 結合剤 132 18 粘着剤 58

9 溶剤 124 19 防腐剤 58

10 分散剤 101 20 pH調整剤 55

21 粘稠剤 53 29 等張化剤 36

22 保存剤 52 30 粘着増強剤 36

23 着色剤 51 31 芳香剤 36

24 界面活性剤 48 32 可塑剤 33

25 光沢化剤 44 33 抗酸化剤 29

26 湿潤剤 43 34 防湿剤 29

27 甘味剤 39 35 軟化剤 27

28 糖衣剤 36 以下省略

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GMP適用医薬品

局方添加剤

・人的要件:製造管理者(許認可の要件)

・構造設備-5条(GMP適用外の医薬品)

GMP ソフト 5条の2-9 GMPハード

(GMP適用医薬品)

添加剤GMP自主基準の作成経緯

医薬品添加剤GMP自主基準(案)の作成経緯

1995年: 「医薬品添加剤の品質確保に関する研究」開始

1995年: 医薬品添加剤製造の実情のアンケート調査実施

1996年: 医薬品添加剤の製造管理及び品質管理に関する自主基準

「GMPソフト(案)」及び解説を作成

1997年: 「医薬品添加剤の品質確保に必要な構造設備に関する研究」開始

1998年: 医薬品添加剤製造所の構造設備に関する自主基準

「GMPハード(案)」及び解説を作成

1998年: GMPソフト(案)及びハード(案)についてのアンケート実施

1999年4月:「医薬品製剤原料の品質確保に関する研究」開始

2000年3月:実施のためのガイドブック作成

2001年3月:異物に関する対応状況調査、適合状況評価のための

ガイドブックの作成

2002年3月:Q&A、審査制度(案)の作成

医薬品添加剤GMP自主基準

GMPソフト体系: GMP自主基準でいう製品標準書及び管理基準書のこと。以下自主基準で 設置又は作成が求められている事項を「・・・」でくくる。必要により追加し、 各社としての製品標準書、各管理基準書を制定する。

GMP自主基準条文

第1章 総則

(目的)第1条 この自主基準は、医薬品添加剤の品質確保のために必要な自主規制を 行うと共に、医薬品添加剤として、より高度の医薬品開発への対応を可能 ならしめ、もって保健衛生の向上を図ることを目的とする。

(定義)第2条 この基準で「医薬品添加剤」とは、医薬品を製剤化するに際して、安定性・ 安全性又は均質性を保持し、また、その製剤の特徴に応じて溶解促進・ 徐放化等の目的で点化させる物資をいう。 「資材」「ロット」「管理単位」「一定期間」「バリデーション」「直接の包装、容 器に表示すべき事項」「収納、封」に関する遵守事項

(製造業者)第3条 製造管理責任者、品質管理責任者の設置

(製造管理者)第4条 製造管理者の業務

(製品標準書)第5条 「製品標準書」(GMP自主基準の中で次のように示されている)「原料、中 間体及び製品の規格及び試験方法」「内袋、容器の規格及び試験方法」 「表示材料及び包装材料の規格」「製造方法及び製造手順(工程検査も含 む)」

医薬品添加剤GMP自主基準

第2章 製造管理

(製造管理基準書及び製造衛生管理基準書)第6条

「製品標準書」「製造衛生管理基準書」の作成

(製造管理責任者の業務)第7条

製造業者は製造管理責任者に製品標準書、製造管理基準書又は 製造衛生管理者基準書に基づき添加剤の製造管理に係わる業務を 適切に行わせなければならない。

第3章 品質管理

(品質管理基準書)第8条

製造業者は、製造所ごとに検体の採取方法、試験検査結果の判定方 法などを記載した「品質管理基準書」を作成

(品質管理責任者の業務)第9条

製造業者は品質管理責任者に製造標準書又は品質基準書に基づき、 添加剤の品質管理に係わる業務を計画的にかつ適切に行わせなけ ればならない。

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医薬品添加剤GMP自主基準

第4章 その他の製造管理及び品質管理に関する業務

(バリデーション等の手順に関する文書)第10条

(バリデーション)第11条

(苦情処理)第12条

(回収処理)第13条

(自己点検)第14条

(教育訓練)第15条

第5章 二以上の製造所にわたる製造

(委受託による二以上の製造所にわたる製造)第

16条

「製品標準書」「製造管理基準書」「製造衛生管理基準書」「品質 管理基準書」へ、その旨記載

(自ら二以上の製造所にわたる製造)第17条

(16条との区別の明確化のため)

医薬品添加剤の製造管理及び品質管理に 関する自主基準(GMPハード)

第1条 目的 この自主基準は医薬品添加剤の品質確保のために、

製造所の構造設備に関して必要な自主規制を行うと

共に、医薬品添加剤をしてより高度の医薬品開発へ

の対応を可能ならしめ、もって保険衛生の向上を計る

ことを目的とする

第2条 定義 医薬品添加剤、製品、原料、資材、中間体

第3条 一般事項 設備及び器具、交叉汚染の防止など

第4条 作業所 採光、換気など

第5条 作業室 作業台、出入口、窓、天井、床など

第6条 原料、資材及び製品の貯蔵

貯蔵するための設備

第7条 試験検査設備 試験検査に必要な設備及び器具

医薬品添加剤の異物管理に関する調査結果

異物の種類(全体)

製品変質物:20% 虫類:12%

紙片:9% 繊維類:9%

毛髪類:9% 金属片:9%

樹脂片:6% 塵埃:6%

塗装片:3% 木片:4%

その他:14%

製品形状別

異物の種類 塊状製品 粉粒状製品 液ゲル状製品

(34品目) (82品目) (13品目)

製品変質物 9% 26% 8%

毛髪 6% 11% 0%

繊維類 6% 11% 0%

樹脂片 0% 9% 8%

紙片 13% 10% 0%

金属片 13% 7% 8%

塗装片 9% 1% 0%

塵埃 9% 2% 15%

虫類 16% 11% 8%

木片 3% 4% 0%

ガラス片 0% 0% 0%

その他 7% 9% 54%

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混入経路及び異物対策例

異物の混入経路(全体) 製品全体としての異物混入経路は、製造工程関係が42%、包装工程関

係が19%、購入品(包材、原料)関係が30%である。単独経路としては製造設備の22%、包装材料の19%、原料の11%の順であった。

製造工程由来の異物対策 製造工程由来の異物に対する防止対策として、93%の企業が篩過又は

ろ過装置を設置しており、その内の過半数は磁石、金属探知機、異物検査器等を併設している。また、81%と大半の企業は設備の製造・点検基準を定め、28%の企業は工程内検査としての異物検査を取り入れている。

包装作業員の異物対策 服装基準は78%の企業が定めており、帽子の着用率が93%、靴の外履

き・内履きの区別(69%)、マスク・手袋着用(61%)、作業着の内着、外着の区別(41%)、携帯・所持品管理(37%)等となっている。

医薬品添加剤GMP自主基準

-実施のためのガイドブック-

導入の手引き

1. 自主基準各条ごとに、自主基準・同解説の補足説明、医薬 品添加剤製造所での実施例、調査検討からの引用・補足、製品標準所等文章類の作成上の注意事項・チェックポイント等により、各条の具体化に必要な事項を取りまとめたものである。

2. 「医薬品GMP事例集」のQ&Aから関係あるものを選び、「医薬品」「原薬」を「医薬品添加剤」に、「中間製品」を「中間体」に、「管理規制」「施工通知」を「自主基準」「自主基準解説」等に一部変更した上、各条ごとに転載させていただいた。

3. このとおりに実施するよう求めているものではない。自主基準導入の緒についてところでもあり、ソフト作成時は本資料より必要な事項を選択あるいは参考とし、自社の実状に即した内容を構成する際の手引きとして利用させるよう願っている。

医薬品添加剤GMP自主基準 -実施のためのガイドブック-

主な項目(抜粋)

第1章 総則

第1条 ・目的

(目的) ・Q&A

第2条 ・添加剤の品質に重大な影響を与える工程

(定義) ・自主基準における定義の解釈

・Q&A

第3条 ・業務組織上の職位とGMP責任者

(製造業者) ・Q&A

第4条関係 ・出荷可否判定時に必要な文書

(製造管理者) ・必要な手順書等の文書(例)

・Q&A

第5条関係 ・製品標準書作成上の留意点

(製品標準書) ・Q&A

医薬品添加剤GMP自主基準 -実施のためのガイドブック-

主な項目(抜粋)

第2章 製造管理

第6条関係 ・製造管理基準書及び製造衛生管理基準書作成上の 留意点

(製造管理基準書及び製造衛生管理基準書)

・清浄度区分の例

・製造管理基準書への記載事項(例)

・製造衛生管理基準書への記載事項(例)

・Q&A

第7条関係 ・製造管理の実施例

(製造管理責任の業務)

・製造指図書及び製造記録書発行及び記載事項に関 する留意点

・製造管理結果の報告

・Q&A

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医薬品添加剤GMP自主基準 -実施のためのガイドブック-

主な項目(抜粋)

第3章 品質管理

第8条関係 ・品質管理基準書作成上の留意点

(品質管理基準書) ・Q&A

第9条関係 ・品質管理の実施例

(品質管理責任者の 業務)

・必要な手順書等の文書(例)

・Q&A

医薬品添加剤GMP自主基準 -実施のためのガイドブック-

主な項目(抜粋)

第4章 その他の製造管理及び品質管理に関する業務

第10条関係 ・手順に関する文書

(バリデーション等の手順に 関する文書)

・Q&A

第11条関係 ・医薬品添加剤製造工程におけるバリデーションの 実施

(バリデーション) ・手順書作成時のチェックポイント

・Q&A

第12条関係 ・手順書作成時のチェックポイント

(苦情処理) ・Q&A

第13条関係 ・手順書作成時のチェックポイント

(回収処理) ・Q&A

第14条関係 ・手順書作成時のチェックポイント

(自己点検) ・Q&A

第15条関係 ・手順書作成時のチェックポイント

(教育訓練) ・Q&A

医薬品添加剤GMP自主基準 -実施のためのガイドブック-

主な項目(抜粋)

第5章 二以上の製造所に わたる製造

第16条関係 ・委託者が受託者とあらかじめ取り決めておく事項

(委受託による二以 上の製造所にわた る製造)

・結果を適正に評価して出荷した旨の受託者による委託 者への報告事項

・受託者があらかじめ指定した者に行わせること

・Q&A

第17条関係 ・製造管理及び品質管理の適切な実施を確保するために 定める必要な事項

(自ら二以上の製造 所にわたる製造)

・Q&A

医薬品添加剤GMP自主基準 -適合状況評価のためのガイドブック-

(目的)

第3者機関による査察を考慮し、さらに自主基準であるが故の自己点検の重要性の両面から、IPEC(国際医薬品添加剤協会)より提示された「GOOD MANUFACTURING PRACTICE AUDIT GUIDELINE FOR BULK PHARMACEUTICAL EXCIPIENTS」(以下「AUDIT GUIDELINE」と称する)を参考に、自主基準への適合状況評価のための点検項目と評価基準に関するガイドブックである。

適合状況評価方法は、医薬品添加剤納入先会社に利用していただくことも可能だし、今後生まれるかもしれない第三者機関による査察、また、自身の会社における自己点検(自主基準第14条)といずれの場合にも利用できるように配慮されている。その目的は、自らの製造所における次に取り組むべきテーマを確認すること、あるいは、次に解決すべき課題を見出すことに本来の目的があるものと考えられる。

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医薬品添加剤GMP自主基準 -適合状況評価のためのガイドブック-

「自主基準各条別適合状況評価」

(1) 自主基準第1条から第17条まで、適合状況を評価するための各条項ごとの「設問」「点検項目」と「評価基準」を定め、「点検項目」毎に点検結果の記録欄を設けたフォーマットからなる。

(2)「設問」は「実施ガイドブック、参考様式14-1GMP自主基準自己点検表」の「設問」を準用した。

(3)「点検項目」は「同上、GMP自主基準自己点検表」の「設問」及び「自主基準各条とその解説記載事項」を組み合わせて具体的な質問形式とした。

(4)「評価ランク」は「実施ガイドブック」の評価基準から準用し、

A:適合

B:一部改善を要する

C:内容が不充分

D:不適合

と定め「点検項目」ごとに評価する形式とした。

(5)「評価基準」は「実施ガイドブック」との整合性を明確にした。

医薬品添加剤GMP自主基準 -適合状況評価のためのガイドブック-

「点検手順」

1)医薬品添加剤品質規格適合性

公定書収載品にあっては公定書品質規格及び試験方法と公定書収載品以外にあっては、納入先等の製造承認別紙規格等による納入契約に基づく品質規格及び試験方法と、社内製品標準書の規格及び試験方法ならびに実務との適合性を確認する。

2)自主基準各条別適合状況評価

自主基準各条別適合状況については「自主基準各条別適合状況評価」に従って品目ごとに評価する。

3) ① 2)で求めた自主基準各条別適合状況評価の結果を以下の品目別

評価項目にてらして品目別にその適合状況を評価する。

② 品目別自主基準適合状況の評価は、表の各品目別評価項目につ

き、評価対象となる各条の評価結果を勘案し、評価ランクと評価基

準により評価する。

医薬品添加剤GMP自主基準 -適合状況評価のためのガイドブック-

「点検手順」

評価対象となる条項

0 目的と定義 第1条、第2条1 GMP組織設置状況の評価基準 第3条2 GMP組織活動状況の評価基準 第4条

品目別評価項目

3

4

第5条、第6条、第8条、第10条、第16条第1項、第16条第2項、第17条

第7条、第9条、第11条、第12条、第13条、第14条、第15条、第16条第3項、第16条第4項、第16条第5項

書類作成状況の評価基準(記録の様式を含む)

運用状況の評価基準(記録を含む)

医薬品添加剤GMP自主基準に関する審査制度

医薬品添加剤GMP自主基準(自主基準)が作成され

たが、現状では、GMP施行体制を整備している企業と

そうでない企業とに2極分化されていて、普及が進展

していない。そのため、第3者機関により自主基準の

実施状況の審査を行うことが、医薬品添加剤メーカー

とユーザーにとって有用であり、その結果、普及の促

進につながることが考えられる。第3者機関の審査に

より、メーカーにとっては自主基準の実施の過不足状

況及び具体的な実施方法と目標が明確になり、製造

品質の向上が期待できる。

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審査制度の組織図 1

日本医薬品添加剤協会

会長 事務局

GMP審査委員会

審査員

審査員

研修会 受審企業

受審証明書 異議

審査員

申請

GMP審査委員会

委員長

審査業務の委託

審査員

研修会

審査員

受審企業

事務業務の委託

日本医薬品添加剤協会

異議

審査員

申請

認定証

審査制度の組織図2

医薬品添加剤バルク IPEC GMPガイド(2001) 目的と範囲

1. このガイドは、添加剤製造に適切なGMP(GMP或いはcGMP)原則を適用する場所と程度に関して一般的なガイダンスを与えることを意図している。

2. 本ガイドはヒト用の医薬品、動物用の医薬品ならびに生物学的製剤に使用する添加剤の製造に適用される。

3. これは品質システムおよび製造から顧客への送達に至るサプライチェインのすべてを通して必要とされるGMPをカバーしている。

4. 本ガイドは、添加剤の製造に用いられている方法、設備および製造管理が、その添加剤が標榜通りの品質、純度安全性を有し意図する用途に適したものであることを適切に保証するものであるか否かの判定の助けとなる国際的ガイダンスとして利用されることを目的としている。

IPEC Good Manufacturing Practices Audit

Guideline for Bulk Pharmaceutical Excipients. 「IPEC医薬品添加剤GMP査察に関するガイドライン」

目的と範囲

1.ガイドラインは、適当なGMPの要求に適合することで一貫した製品の品質を保証するという添加剤の製造業者を支援するための参考となると。

2.添加剤製造業者の製造基準と品質システムを評価するうえで有用な手引きとして作成されたものである。

3.このガイドラインは、添加剤の製造業者、下請け業者、再梱包業者、配送業者が査察される場合でも適用可能である。

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形式(書式)

本審査ガイドラインには3つの形式が用意されているが、

そのどれもが査察者に個人の好みで使われてよいもの

である。

適正製造基準と同じ順番で整理されている詳細な質問

適正製造基準と同じ順番で整理されている短い助言となる表現

典型的な審査で行われる順番で整理されている詳細な質問

IPEC Good Manufacturing Practices Audit

Guideline for Bulk Pharmaceutical Excipients. 「IPEC医薬品添加剤GMP査察に関するガイドライン」

IPEC (International Pharmaceutical Excipients Auditing Inc)

IPEC-AmericasはIPEAを設立。IPEAは独自の査

察プログラムを確立。

実務はITS(Intertek Testing Services)が行う。

ITSはこの分野で歴史と伝統を有しており、

220を超える研究所と86カ国に430の拠点をもつ世

界最大のCertification & Testing会社である。

おわりに

医薬品添加剤自主GMPに関する基準及びガイドブッ

クは、医薬品添加剤メーカーへのアンケートの結果を

踏まえて、我が国における医薬品GMP及び、特に国

際的見地から IPEC Americas, EuropeのGMP関連事

項を参考に作成したものである。添加剤メーカーの多

くは、工業用、化粧品用、医薬品用とマルチで生産し

ている現状、HACCPやISOとの関連などの山積する

課題の中で、自社の実状に即してステップアップする

ことを期待し作成したものである。

特に審査制度に関しては製薬メーカー側とのコンセン

サスが不可欠であり、十分な意見交換が必要と思わ

れる。