46
圧迫骨折の 理学療法 竹内

圧迫骨折の 理学療法E3%80...疫学 ④骨折ヨシキは、既存骨折が1椎あると3倍、 2椎で10 倍に上がるとされる ③有病率は、日本人女性の70−75

  • Upload
    others

  • View
    2

  • Download
    0

Embed Size (px)

Citation preview

圧迫骨折の

理学療法

竹内

復習問題

Q1パーキンソン病の四大兆候

を答えてください。

Q2パーキンソン病とパーキ

ンソン症候群の違いを答

えてください。

Q3パーキンソン病および

症候群のレベルを判断

する評価スケールを答

えてください。

Q1パーキンソン病の四大兆候

を答えてください。

四大兆候

固縮・・・・鉛管様、歯車様

無動・・・・動作緩慢

振戦・・・・安静時振戦(Pill rolling)

姿勢反射障害・・・姿勢保持障害

Q2パーキンソン病とパーキ

ンソン症候群の違いを答

えてください。

パーキンソニズムパーキンソニズムパーキンソニズムパーキンソニズム

(parkinsonism) 安静時振戦、無動、固縮、姿勢反射障害の四徴候のうち2つ以上が認められ

る場合をいう。

文献によっては四肢体幹の屈曲位、すくみ現象を含めた六徴のうち安静時振

戦、無動のほかもうひとつがあった場合を指す場合もある。

Q3パーキンソン病および

症候群のレベルを判断

する評価スケールを答

えてください。

圧迫骨折の理学

療法

竹内

疫学

④骨折リスクは、既存骨折が1椎あると3倍、2椎で10倍に上がるとされる

③有病率は、日本人女性の70−75歳では1/4、75−80歳では1/3以上

②転落、転倒、交通事故等によって発生する

①骨粗鬆性脊椎圧迫骨折は軽微な外力

または明らかな原因なく発生する

⑤会陰部、排尿障害が起こる事もある

病態

③若年者の後彎角20°以上は整復の必要が大きい

②胸腰椎移行部圧迫骨折では脊椎過屈曲で尻もちを

ついた際に椎体の楔状変形をきたす

①胸椎圧迫骨折は胸郭に囲まれ可動性が少なく

後彎しているため強い屈曲によって発生する

病態

高齢者の圧迫骨折は日常生活活動での軽微な外力によって発

生することが多い.

例えば,重いものを持ち上げる,椅子に勢いよく座る,草を引き抜

くなど...

明らかな転倒以外の原因でも外力が脊柱へ加わり骨折に至る場

合がある.また,思い当たる原因がなく発生する場合も少なくない.

病態

特別な原因がない場合には,骨粗鬆症による①骨の減少,②骨

組織の破錠に伴う骨の脆弱化と,③脊柱支持に関わる体幹筋力

低下によるところが大きい.

脊柱圧迫骨折の発生はTh7〜L1の胸腰椎移行部に多く,次いで

Th7〜8の中位胸椎,腰椎に続く.

症状(急性期)

寝返り・起き上がり動作時に疼痛を訴えることが多く,当該棘突起

周辺に圧痛を認める.

座位と立位を保つことができる症例の多くは体幹屈曲は比較的

楽だが,伸展と回旋は疼痛により制限されることが多い.

他に,脊柱筋群,肩甲帯周囲筋の筋緊張亢進と圧痛,腸骨稜上

の圧痛などが認められる.

症状(急性期以降)

椎体の圧潰,変形により脊柱が後弯を呈し,椎間関節の機能異

常や偽関節による可動性の異常などにより腰背部痛を訴える.

脊柱のアライメントの崩れにより,肩甲骨周囲筋の筋緊張亢進と

圧痛,股関節・膝関節周囲の疼痛を訴えることも少なくない.

症状(骨粗鬆症)

骨粗破錠した場合,骨片が脊柱管内に押し出され鬆症による椎体

骨折は種々の原因により椎体後壁が脊髄や馬尾を圧迫する.

歩行障害・尿失禁・麻痺が発生することがある.

数ヶ月経過後

治療(①保存的治療)

コルセット装着の目的:①骨折部への負担軽

減,②脊柱変形の防止,③偽関節の予防な

ど...

コルセット装着のリスク:長期固定による不動

は体幹筋群の筋力低下を招く.

筋力低下,骨折部の修復が不十分なまま脊

柱の可動を繰り返す➡椎体圧潰が進行➡偽

関節を呈する症例が散見➡それらは手術が

必要になる.

治療(①保存的治療)

偽関節発生予防の観点から(岸川ら,日浦ら,市村の報告より):

2週間の安静後,硬性コルセット装着にて①等尺性収縮による体

幹筋群の強化,②歩行練習を中心とした運動療法を進めていくこ

とが望ましい.

治療(①保存的治療)

しかし,体幹および下肢の筋力低下,認知症進行の観点からは

早期の離床が求められるため,離床時期については医師との情

報交換を密に行い,症例の状況を全体的に捉えた上でのリハビ

リテーションプログラム作成が求められる.

治療(②観血的治療)

手術が適応となるのは,脊髄・馬尾神経の圧迫症状があり,

①保存的治療を行っても症状が進行している場合,②膀胱直腸

障害を呈する場合,③日常生活に耐えられない疼痛を有する場

合などである.

治療(②観血的療法)

手術療法の利点:早期離床・早期退院,疼痛軽減,矢状面アライ

メントの改善.

手術療法の欠点:隣接椎体の圧潰,新規の脆弱性椎体骨折

実施される術式や患者の基礎疾患の状況により,リスク管理や術

後の経過・予後が異なる.

治療のポイント

④3Mほどで骨癒合が得られる

③1Mで痛みはほぼ消失する

②痛みの軽減まで1-2w安静

①保存療法が基本となる

症例別の具体的アプローチ

脊椎圧迫骨折後遺症

〜痛みの軽減良好タイプ〜

もともと活動量が高い方。

骨粗鬆症が軽度で骨癒合が比較的良好な方。

受傷前に廃用症候群がない方。

比較的若年者の方。

認知機能が良好な方。

脊椎圧迫骨折後遺症

〜痛みの軽減不良タイプ〜

高齢(80歳以上)

椎体後壁まで輝度変化がある方。

既存骨折がある方。

評価

痛みの評価

⇒(動作時痛/どんな所?/どんな時?)

ROM Test

⇒(股関節/膝)立ち上がりを意識

ADL Test

⇒(Barthel lndex)

�残存動作能力を検査し、障害の原因を追求し、治療計画を

立案すること。

�治療効果の判定や予後予測をすること。

�ADL能力を一定基準にしてスタッフ間で共有すること。

�対象者の生活の全体像を把握すること。

�機能的要因

⇒身体的機能、知的機能。

�環境的要因

⇒人や物、環境。

�志向的要因

⇒意志、意欲、元気、やる気、勇気。

脊椎圧迫骨折の理

学療法

大腿骨頸部骨折の

理学療法

竹内

復習問題

Q1高齢者脊椎圧迫骨折の受

傷機転をあげてください。

Q2脊椎圧迫骨折の保存療

法における基本的な治療

方針を書いてください。

Q3脊椎圧迫骨折後の疼

痛を消失させるための

ご自身の取り組みをお

書きください。

Q1高齢者脊椎圧迫骨折の受

傷機転をあげてください。

病態

高齢者の圧迫骨折は日常生活活動での軽微な外力によって発

生することが多い.

例えば,重いものを持ち上げる,椅子に勢いよく座る,草を引き抜

くなど...

明らかな転倒以外の原因でも外力が脊柱へ加わり骨折に至る場

合がある.また,思い当たる原因がなく発生する場合も少なくない.

Q2脊椎圧迫骨折の保存療

法における基本的な治療

方針を書いてください。

治療のポイント

④3Mほどで骨癒合が得られる

③1Mで痛みはほぼ消失する

②痛みの軽減まで1-2w安静

①保存療法が基本となる

治療(①保存的治療)

コルセット装着の目的:①骨折部への負担軽

減,②脊柱変形の防止,③偽関節の予防な

ど...

コルセット装着のリスク:長期固定による不動

は体幹筋群の筋力低下を招く.

筋力低下,骨折部の修復が不十分なまま脊

柱の可動を繰り返す➡椎体圧潰が進行➡偽

関節を呈する症例が散見➡それらは手術が

必要になる.

治療(①保存的治療)

偽関節発生予防の観点から(岸川ら,日浦ら,市村の報告より):

2週間の安静後,硬性コルセット装着にて①等尺性収縮による体

幹筋群の強化,②歩行練習を中心とした運動療法を進めていくこ

とが望ましい.

治療(①保存的治療)

しかし,体幹および下肢の筋力低下,認知症進行の観点からは

早期の離床が求められるため,離床時期については医師との情

報交換を密に行い,症例の状況を全体的に捉えた上でのリハビ

リテーションプログラム作成が求められる.

Q3脊椎圧迫骨折後の疼

痛を消失させるための

ご自身の取り組みをお

書きください。

症例

受傷3W

70歳代、女性

認知症なし

『何をしても痛い』

寝たきり状態

症例

受傷3M

70歳代、女性

認知症なし

活動時の疼痛

室内は移動自立

疼痛の軽減が得られず活動範囲が狭い