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地域公共交通の必要性 島根県浜田市・イングランドを事例として1 中国地方における地域公共交通のあり方 を考えるシンポジウム2012 2012921日(金) 於: ホテグルランヴィア広島 F 悠久の間 島根県立大学 総合政策学部 西藤真一

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地域公共交通の必要性‐島根県浜田市・イングランドを事例として‐

1

中国地方における地域公共交通のあり方を考えるシンポジウム2012

2012年9月21日(金)於: ホテグルランヴィア広島 4F 悠久の間

島根県立大学 総合政策学部

西藤真一

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2島根県浜田市

島根県西部の中核都市人口:61,167人(H20.10)

島根県の人口:725,202人

平成17年10月 5市町村が合併島根県 59 → 19市町村

旧三隅町

旧浜田市

旧弥栄村

旧金城町

旧旭町

面積:約690km2

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623.0km2689.6km2 > 644.5km2661.0km2671.8km2687.6km2

約6万人 約971万人<約6万人 約971万人<

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4浜田市の人口推移

20

30

40

50

60

70

80千人

• 生産年齢人口割合の増加⇔高齢化の進展(特に後期高齢者の割合)• モビリティを持たない人口の増加が予想される

(資料) 島根県統計書、浜田市人口情報(原典) 国勢調査、住民基本台帳

0

10

20

1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2012

0~14歳 15~64歳 65~74歳 75歳以上

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5公共交通利用者の減少

25,000

30,000

35,000

40,000

45,000

50,000

自動車登録台数の推移

100

150

200

250 万人

浜田市内駅の年間利用者数

0

5,000

10,000

15,000

20,000

1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2009

貨物 乗合 乗用車 二輪車 その他

(資料) 島根県統計書(原典) 中国運輸局島根陸運支局

0

50

100

1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2009

久代 下府 浜田西浜田 周布 折居三保三隅 岡見

(資料) 島根県統計書(原典) 西日本旅客鉄道㈱米子支社、国鉄米子鉄道管理局

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6浜田市民の交通手段の変化

交通機関 1960(昭和35年)利用者数、マイカー利用回数

2010年(平成22年)利用者数、マイカー利用回数

%(対1960年比)

バス 324万人 79万人(うち、市主管交通16万人)

24.3%

鉄道 331万人 59万人 17.8%マイカー 100~150万回 1500~2000万回 約1500%

• 民間バス事業者の不採算路線からの撤退

• 浜田市民の交通手段の変化

マイカー 100~150万回(保有台数2900台)

1500~2000万回(保有台数37,500台)

約1500%(保有台数12.9倍)

(資料) 浜田市/浜田市公共交通活性化協議会(2012)「浜田市地域公共交通基本計画」.

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• 公平性(ミニマム)の確保とバスサービス

– 市場はミニマムの確保を保証しない (藤井, 2001)

– 現金による直接的な所得配分には限界がある (田邉, 2005)

• 自家用車を運転できない「交通弱者」の存在

• 現金給付だとそれ以外の財・サービスの消費に向けられる

7公共交通の必要性

• 現金給付だとそれ以外の財・サービスの消費に向けられる

• 移動手段としての交通は不可欠ではあるが、どのような交通手段が望まれるのか?

• 高齢社会の到来とともに、交通関連支出は増加する

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• 浜田市の住民意識に関する現状の一端の紹介

本報告のアウトライン

• イングランドの住民参画による交通計画の紹介

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浜田市の事例

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• 人口減少と過疎化への対応

• 中山間地域における公共交通の確保

• 高齢で免許を持たない人のモ

浜田市における交通の課題

• 地域の状況に適した交通

「浜田市地域公共交通基本計画」の策定

• 高齢で免許を持たない人のモビリティ確保

• 過度なクルマ利用からの脱却

• 財政負担の抑制

• 生活交通サービスの充実

• 中心部の利便性向上

• 交通空白地域への対応など

• 市民生活を支える移動環境

• 元気な浜田市を創る交通まちづくり

• 地域が支える公共交通

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11市民の意識調査

地域住民のニーズに対応したサービスを提供することが必要

浜田市の財政状況は悪化

• 浜田市民の移動手段についてのサンプル調査• 浜田市民の移動手段についてのサンプル調査• 浜田市民は公共交通に対してどのような意識を持っているのか• 受益者たる利用者が必要とするサービスに対して、人々がどの程度

の便益(支払い意思)を持つか• バスサービスについて、どのような要素を重視しているのか

平成23年度 「浜田市と島根県立大学との共同研究事業」研究分担者: 西藤真一・松田善臣 (島根県立大学総合政策学部)

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• 配布対象– 旭自治区と浜田自治区の一部各500世帯程度

• 配布期間– 2011年12月1日 浜田市広報 「広報はまだ」に折込

• 回収期間– 2011年12月1日~2011年12月16日

調査対象および調査期間

旭自治区浜田自治区

旭町(過疎地) 殿町(市街地)

配 布 数 508 568

回 収 数 (率) 215(42.3%) 193(34.0%)

有効回答数(率) 118(23.2%) 128(22.5%)

殿町

アンケート配布地域

交通空白地域

詳細地図詳細地図

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13交通機関の利用状況

57.1%

67.5%

19.0%

12.8%

4.0%

8.5%

0% 20% 40% 60% 80% 100%

殿町

公共交通利用頻度

利用しない 1往復未満 月に1往復 月に2往復

月に4往復 週に2往復 毎日利用

79.7%

86.6%

6.3%

1.7%

11.7%

9.2%

0% 20% 40% 60% 80% 100%

殿町

自動車の運転状況と免許保有状況

運転する ペーパードライバー 免許なし 無回答

• 自家用車の利用が大半

• モビリティの低い人は少数

• 旭自治区では、自家用車を保有していない世帯も存在する(3.4%)

17.5%

8.4%

35.7%

43.7%

10.3%

2.5%

0% 20% 40% 60% 80% 100%

殿町

世帯別・保有1台あたり

自家用車利用者数

1人未満/台 1人/台2人/台 3人/台4人/台以上 自家用車保有なし

無回答

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14バスに対する意見

34.4%

29.4%

28.9%

17.6%

14.8%

30.3%

10.2%

16.0%

3.9%

3.4%

0% 20% 40% 60% 80% 100%

殿町

赤字バス路線について

14.3%

33.6%

20.6%

10.1%

5.6%

1.7%

殿町

中山間地域のバスサービスに

対する関心

• 何らかの形でバスを維持すべきと考える人が多い

• 自分の住む地域のバスに対しては関心が高い

0% 20% 40% 60% 80% 100%

市の拠出額に上限を設けて維持

費用以外の指標を用いて維持

どれだけ費用が掛かっても維持すべき

分からない

無回答

赤字なら廃止すべき

0% 20% 40% 60% 80% 100%

非常に関心がある ある程度関心がある

あまり関心はない まったく関心がない

どちらともいえない

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15結果概要(コンジョイント分析)

係数推定値 支払意思額 寄与率

運賃(円) -0.00239*** -2.570円 42.5%

バス停までの距離(m) -0.00107*** -1.151円 7.6%

最大待ち時間(時間) -0.39856*** -428.559円 33.4%

納税額(円) -0.00093*** 16.5%

選択肢固有定数 1.94351***

尤度比検定における有意確率 p=0

• 係数の符号はすべてマイナス– 負担が大きくなるにつれて効用は減少する

• 寄与率(評価で重視する割合)– 運賃 ⇒ 待ち時間 ⇒ 納税額 ⇒ バス停までの距離

尤度比検定における有意確率 p=0

サンプル数 N=246

注)***は1%の有意水準を表す。

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イングランドの事例

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(出所)http://www.cilip.org.uk/pages/default.aspx

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• South Staffordshire Council– West Midlands region の

一部

• 人口10万人– 人口密度270人/㎢

利用者主導のサービス改善例

• 14%の世帯で自家用車を保有していない– 41%の世帯は1台/世帯

• 高齢化が進み、交通確保、医療サービス需要が増加すると見込まれる (出所)Google map

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• 公共交通のニーズ把握が十分ではなかった

– 住民アンケート、公聴会などでは一部の声しか把握できない

• 交通計画において、モビリティを持たない若年層は

消費者主導のプログラム

• 交通計画において、モビリティを持たない若年層は計画対象に明示的に含まれていなかった

• Customer Led Transformation Programme– 公共交通の計画段階において住民参画を促す

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• 5つの地区に区分

• 地区単位で住民・自治体がコミット

Programmeの概要①

• 地区内の具体的な交通に関して改善を行う

(出所) Local Government Association (2012)

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20Programmeの概要②

• ソーシャル・メディアを活用した双方向の情報発信・収集

• 高校でのデモンストレーションを実施

(出所) Local Government Association (2012)

• 交通以外にも、相談窓口の役割

• 人口、消費者相談、 育児・子供、地域の安全、経済、住宅、厚生福祉などの情報提供

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• 地域エージェント(Village Agents)の配置

– 地区ごとに配置

– コミュニティグループを設立させる

– 地区内活動への参加を呼び掛ける

Programmeの概要③

– 地区内活動への参加を呼び掛ける

– ターゲットを絞ったプロジェクトの遂行

– 地区内のボランティア育成

– 行政と住民の橋渡し的存在

– 適材適所の各種サービスの提供についてアドバイス

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• 「予想していなかったサービスニーズを把握できた」– 高校でのワークショップ等

– 以前には収集できなかった層へのはたらきかけ

– 地域政策の立案に若年層

リソースおよび成果内訳 金額(£)人件費 22,000コンサルティング/サポート費

29,000

広告宣伝費 16,000トレーニング(人材育成) 8,000ソフトウェア 5,000総額 80,000

– 地域政策の立案に若年層を参画させることにつながった

• 「迅速な情報収集とフィードバックが可能になった」– 実証運行を適時実施

– 路線・ダイヤ設定

総額 80,000

リソースは「地域事業パートナーシップ」(リージョナル政府機関であるLocal Enterprise Partnership)から自治体に交付される付される補助金を活用

(出所) Local Government Association (2012)

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イングランドの交通計画

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(出所)http://www.cilip.org.uk/pages/default.aspx

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24政府、自治体の構造

行政レベル 担当行政機関、区域 交通政策上の役割、運用

UK政府 運輸省 (DfT) UK交通政策

イングランド政府 運輸省 (DfT)UK白書、Planning Policy Guidance Note 13 ontransport (PPG 13)、中期計画

リージョン (8) 中央政府の交通政策の実施ロンドン地域 (1) 入札実施、財源提供、計画のモニタリング

リージョナル政府

カウンティ (34)Local Transport Planの作成により目標、成果指標、実際の戦略を構想・実現する。

Unitary Authorities (46)大都市バラカウンシル (36)ロンドンバラ (33)および大ロンドン市District Councils (238)

旅客輸送公社(Integrated TransportAuthorities/Passenge TransportExecutives)

都市部に設置。都市部の公共交通計画/実施を行う。

ローカル政府

ローカル政府は、1階層(single tier)のUnitary Authorityと2階層(two tier)のカウンティ+District Councilsがある。上位ほど計画立案のウェイトが高く、末端機関ほどサービス提供などの実務に近い。

地域

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• 交通関係でのDfT補助金は無視できない– 年間8億ポンド以上– ロンドン地域外のイングランドのバス路線距離のうち22%分が補助金支

給によって賄われている

• 今後も補助額は増加する見込み

ローカル政府に対する期待

• 今後も補助額は増加する見込み– 不採算路線からの民間事業者の撤退– ローカル政府主導のフランチャイズ制(補助金入札)によるサービス維持– 助成対象が増加すれば補助金支給の総額も増額させなければならない

• 「地域のニーズにしたがった交通政策は地方分権により実現」– ローカル政府機関が利用者の必要とするサービスを把握・計画すべき

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• バスサービスの質の改善と利用促進

– 定時性、接続性、環境、バリアフリー、スマートチケット

• ローカル政府に対するサポート

– バス事業者への収入補助の強化・改善

運輸省の基本的なスタンス

– バス事業者への収入補助の強化・改善

– バス事業者間の競争促進

– ローカル交通当局と事業者との連携強化

– 非商業的なバスサービスの促進・改善

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27政府助成のメカニズム

収入助成金(Revenue Support Grant)

ローカル交通計画(LTP)に基づく資本投資補助

統合交通ブロック(Integrated Transport block)メンテナンス以外で500万ポンド以下の事業への補助

メンテナンス補助ローカルな道路メンテナンスに対する補助

主要スキームのための配分

ーカル政府に

対するサポ

ート

• 「主要スキーム」はリージョンに対する補助に変更(2006~)– リージョンは10年計画を策定し、

政府に申請– リージョンはローカル計画の

優先順位づけをする

主要スキームのための配分500万ポンド以上の公共交通プロジェクト、道路当局への配分

にト

政府10年計画 リージョンへの配分

リージョナル政府計画申請 計画に対する審査・助成

ローカル政府

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• ローカル事業協力機関の設置– Local Enterprise Partnership:LEP– 2010年から順次設置、2015年までに移行予定

– リージョナル機関であった地方開発局(Regional Development Agencies: RDA)と政府の出先機関(Government Office for the Region)を廃止・移譲

– リージョンの役割の縮小

ローカル機関への権限移譲

– リージョンの役割の縮小• 交通政策の立案・決定をローカルレベルで行う

• 中央政府はローカル政府と直接的な協力を行う

• 権限移譲に伴う懸念– リージョンレベルで優先事項を決定する仕組みの縮小

– ローカル機関だけで計画&チェック⇒責任が曖昧にならないか

– “They must be self-directed, bottom-up creations.”

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• 浜田市民を対象にした調査の結果– 運賃や待ち時間(運行本数)を重視する– 自分の住む地域の交通ほど関心度は高い

• イングランドによる事例・制度調査の結果– 住民参画では特定のターゲットの絞り込みが奏功した– 交通計画の地方分権を推進する方向にある

まとめ

– 交通計画の地方分権を推進する方向にある– しかし、実際は「中央集権の下での地方分権」である

• 分権化と集権化のバランス– 住民ニーズは末端計画の立案で不可欠だが、– 分権化と各機関の役割分担(計画、チェック、優先順位決定)を

考慮する必要がある

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• 合崎英男、西村和志(2007)「データ解析環境Rによる選択型コンジョイント分析入門」『農村工学研究技報』No.206, pp.151-173.

• 朝野煕彦(2000)『入門 多変量解析の実際 第2版』講談社.• 加藤浩徳・村木美貴・高橋清 (2003) 「英国の新たな交通計画体系構築に向けた試みとその我が国への示唆」

『土木計画学研究・論文集』, 第20巻第1号, pp. 243-254.• 高見淳史・原田昇(2006)「イングランドの地方交通計画に基づく財源配分システムの実態と改善の方向」『土木

計画学研究・論文集』第23巻第3号, pp. 693-700.• 田邉勝巳(2005)「地域交通におけるミニマム基準の考え方-選択型コンジョイント分析によるアプローチ」『運

輸政策研究』Vol.7, No.4, pp.27-35.• 藤井彌太郎(2001)「交通事業の公共性」,藤井彌太郎・中条潮・太田和博(編)『自由化時代の交通政策 現代

交通政策Ⅱ』東京大学出版会、第1章所収.• 2002

参考文献

• 森山昌幸、藤原章正、杉恵頼寧(2002)「高齢社会における過疎集落の交通サービス水準と生活の質の関連性分析」『土木計画学研究・論文集』Vol.19, No.4, pp.725-732.

• 湧口清隆、山内弘隆(2002)「交通サービスにおけるオプション価値の理論と現実-弘南バス深谷線におけるオプション価値計測の試み-」『運輸政策研究』Vol.5, No.3, pp.2-12.

• Community Transport Association (2010) The CTA State of the Sector Report for England 2010.• House of Commons (2012) Local Transport and Finance in England, 2010-.• House of Commons (2012) Buses: policy and administration.• House of Commons (2012) Buses: grants and subsidies.• Local Government Association (2012) Costomer Led Transformation Programme: Case study – Shouth

Staffordshire.• Northern Ireland Assembly (2010) Community Transport: Provision in England, Scotland, Wales and the

Republic of Ireland, Research Paper 27/10.• Scottish Executive (2006) Review of Regional Transport Strategies in the UK.

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ご清聴ありがとうございました

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