56
資料② 九州地方の道路整備の方向性 Ⅰ.九州における道路整備の方向性・・P Ⅱ.施策の展開・・・・・・・・・・ ・P Ⅲ.地域づくりを支援するための 道路整備の方向性・・・・・・・・P15 Ⅳ.道路行政の進め方の改善・・・・・P51 平成14年6月17日

九州地方の道路整備の方向性 - 国土交通省 九州地方整備局 · 2014-03-10 · 社会経済のグローバル化 成熟社会 IT化 時 代 の 潮 流 少子高齢化

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Page 1: 九州地方の道路整備の方向性 - 国土交通省 九州地方整備局 · 2014-03-10 · 社会経済のグローバル化 成熟社会 IT化 時 代 の 潮 流 少子高齢化

資料②

九州地方の道路整備の方向性

Ⅰ.九州における道路整備の方向性・・P 1

Ⅱ.施策の展開・・・・・・・・・・ ・P 2

Ⅲ.地域づくりを支援するための

  道路整備の方向性・・・・・・・・P15

Ⅳ.道路行政の進め方の改善・・・・・P51

平成14年6月17日

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- 1 -

Ⅰ.九州における道路整備の方向性

自然回帰

自然の大切さの再認識

環境問題への意識高揚

住民レベルでの取り組みへ

安心・安全への意識高揚

防災面への関心

社会参加への意識高揚

社会志向の高まり

国民意識、価値観の変化

ゆとり性の重視

こころの豊かさを重視

地域の個性(連携)

社会経済のグローバル化

成熟社会

IT化

時 代 の 潮 流

少子高齢化

高齢化が進む九州 自然災害を受けやすい九州

豊かな自然と歴史・風土に恵まれた九州 相当規模の都市が適度に点在する九州

東西間・南北間格差 我が国の経済を支えている特化産業

アジアとのつながりを深める九州 離島・半島の多い九州

九州の地域づくりの方向(九州・新長期ビジョン)

安全で安心できるゆとりある暮らしへ

環境と共生した循環型社会へ

豊かな個性が輝くふるさとへ

自立・一体的に発展する地域へ

東アジアとの国際交流を先導する地域へ

これまでの道路施策に内在する諸課題

渋滞および交通事故の増加事業期間の長期化

交通結節点の連携不備 依然として減らない路上工事件数

都市部と地方部での格差

都市間、都市地方間の連携強化による九州の活力強化と地域自立の支援

安心して暮らせる地域の実現

都市機能の向上と安全で快適な生活空間の確保

環境負荷の少ない交通体系の構築

東アジアの拠点としての経済活動の支援

九九九九州州州州づづづづくくくくりりりりにににに向向向向けけけけたたたた

施施施施策策策策のののの方方方方向向向向

九州の道路施策の目指すべき方向

市民と行政との共創による道づくり

峻別と重点化を図る道づくり

既存ストックの有効活用を図る道づくり

開かれた道路行政の運営

新技術・新工法の開発導入

道道道道路路路路施施施施策策策策のののの

改改改改革革革革のののの方方方方向向向向

<知事・首長の意見>

九州の道路は充足していない

道路整備のスピードアップが必要

現行の有料道路制度は重要だが、料金の割引等の弾力的運用も必要

道路特定財源による財源確保は不可欠

知事・首長、経済団体の意見を踏まえて

<経済団体の意見>

環境調和型の社会資本整備

東九州自動車道を中心にした東九州軸の活性化促進

九州ワイドの都市ネットワークの整備

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Ⅱ.瀬策の展開

九州づくりに向けた目標施策の展開

施策の進め方の改革・

改善

各 施 策 の 目 指 す べ き 目 標

1.市民と行政との共創による道づくり

・ 市民と共に創り、育てる道づくり

・ 市民の協力による道路管理

・ 道路空間(施設)の有効活用による地域づくり

・ ローカルルールによるコスト縮減

・ 峻別と重点化によるスピードアップ

2.峻別と重点化を図る道づくり

・ 情報提供によるストックの活用

・ 公共交通支援の強化

・ 有料道路の有効活用

3.既存ストックの有効活用を図る道づくり

・ 評価システムの導入

・ 積極的な情報開示

・ 5年で見える道づくり

4.開かれた道路行政の運営

都市間、都市地方間の連携強化による九州の活力強化と地域自立の支援

1.広域交流ネットワークの確立

2.都市部と地方部との交流を支える幹線道路の整備

3.個性ある地域産業活動(地域づくり)の支援

4.観光周遊ルートの形成

5.中心市街地の活性化

6.情報ハイウェイ構築の支援

安心して暮らせる地域の実現

1.道路の管理の充実

2.道路の防災対策・危機管理の充実

3.地域医療の支援

都市機能の向上と安全で快適な生活空間の確保

1.都市圏の交通円滑化の推進(渋滞対策)

2.拠点都市の機能高度化

3.安全な生活環境の確保

4.多自然居住地域の基板形成及び再生

5.交通機関相互の交通結節点強化

環境負荷の少ない交通体系の構築

1.良好な生活環境の形成

2.自然環境との調和

3.循環型社会の支援

東アジアの拠点としての経済活動の支援

1.物流効率化の支援

2.道路交通システムの高度化(ITS)の推進

・ 技術開発の推進

・ 新技術の活用・普及

5.新技術・新工法の開発導入

1.都市間、都市地方間の連携強化による九州の活力強化と地域自立の支援

・ 連携交流を促し、ヒエラルキーの確保された道路整備

・ 高いサービスネットワークの構築・ 都市へのアクセシビリティの向上・ ウォーキングトレイルの整備

・ 地方中核都市 1 時間圏カバー率の向上

・ 二次生活圏中心都市へ 30 分で到達できる市町村割合の向上

・ 自動車専用道路の分担率向上

2.安心して暮らせる地域の実現

・ リダンダンシーの確保・ 緊急輸送路の確保・ 防災対策・震災対策・ 地域医療を支える高いサービスネットワーク・ 都市へのアクセシビリティの向上・ 広域管理体制・防災管理体制の強化・ ライフラインの確保

・ 事前通行規制区間の年間通行止め時間の低減

・ 第三次医療施設 1 時間圏カバー人口の拡大

・ 離島における道路サービス水準向上

3.都市機能の向上と安全で快適な生活空間の確保

・ バリアフリー歩行空間整備・ コミュニティ・ゾーンの形成・ 電線類の地中化・ 渋滞の緩和とボトルネック踏切の解消

・ 各種交通機関の結節点におけるシームレス化

・ バス路線フレッシュアップ計画・ 事故多発箇所対策・ わかりやすい道路案内・ 幹線道路における分離帯設置など

・ 主要鉄道駅等周辺におけるバリアフ

リー化率の向上

・ 事故率の低減

・ 無電柱化率の向上

・ 安全かつ快適な自転車歩行空間の整

備率の向上

・ 渋滞損失額の低減

4.環境負荷の少ない交通体系の構築

・ 道路交通円滑化施策・ 交通結節点強化・ 沿道緑化の推進・ 循環型社会の形成(静脈物流の円滑化)

・ 騒音・大気汚染等対策

・ 主要渋滞ポイント数の低減

・ 環境基準の達成箇所数の向上

・ 都市内道路緑化率の向上

・ 夜間騒音要請限度達成率の向上

5.東アジアの拠点としての経済活動の支援

・ 国際競争力の向上を目指す高規格幹線道路及び地域高規格道路の整備

・ 物流コスト低減を目指す物流ネットワークの整備

・ 高速道路料金の見直し・ 都市内物流の円滑化・ 主要観光拠点を円滑に移動にできる道路環境整備

・ ITを用いたシステムの開発

・ 空港、港湾と高速道路の連結率向上・ ISO対応型道路整備率の向上・ ETC対応料金所整備率の向上・ 国際港湾 1時間圏カバー率の向上・ 国際空港 1時間圏カバー率の向上

目 標 施 策 の 方 向

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- 3 -

そう思う45.2%

どちらかといえばそう思う37.3%

どちらかといえばそう思わない

5.7%

そう思わない3.9%

わからない7.8%

地域連携の必要性

 我が国の総人口は少子化を主因

に 21 世紀初頭にはピークを迎え、

人口減少・高齢化時代が到来する

と予測されています。

少子高齢化

資料:年齢3区分人口推計(国立社会保障・人口問題研究所推計(千人)

0

2,000

4,000

6,000

8,000

10,000

12,000

14,000

1990 1995 2000 2005 2010 2015 2020 2025

(万人)

(年)

65歳以上人口

15~64歳人口

0~14歳人口

2000年総人口 12,693万人高齢化率 17.4%

2025年総人口 12,114万人高齢化率 28.7%

社会経済のグローバル化

高度情報化やボーダーレス

化する世界市場経済に伴い社

会経済はグローバル化し、国

際的な地域間競争が厳しさを

増しています。

特に、中国等の東アジア地

域において生産拠点化が進ん

できています。

【中国における日本IT企業の主な生産拠点・研究開発拠点】

政府のIT戦略会議とIT戦略

本部が決定した「IT基本戦略」(平

成 12 年 11 月)では、「5年以内に

世界最先端のIT国家となるこ

と」を目標に掲げています。

道路部門においては、ITを利

用して、業種を問わず、様々な事

業、サービスが展開されはじめて

おり、我が国の経済社会は大きく

変わろうとしています。

IT化

【カーナビ・VICSの普及状況】

【現在の生活に関する満足度】

 高度成長期やバブル経済を経て、あ

る程度「モノ」が満たされた感もあり

ます。現在、少子化による人口の停滞

も相まって、従来のような消費拡大に

よる右肩上がりの経済成長は見込めな

い状況にあります。

成熟社会

 成熟期を向かえた我が国にあっ

て、活力ある地域社会を形成するた

めには地域の個性を活かして相互に

連携し、地域が自らの将来を切り拓

くことが求められている時代となっ

ています。

そのため、九州では市町村の 76%

が広域的な検討組織を設置するべ

く、市町村合併の動きが本格化して

いる。 資料:国土の将来像に関する世論調査(内閣府;H13)

地域の個性(連携)

1.時代の潮流  ~時代は成長から成熟へ、そして社会構造は少子・高齢化、国際化、IT化へと進展~

e-Japan重点計画概要

IT基本戦略

e-Japan重点計画

すべての国民がITのメリットを享受できる社会

経済構造の改革の推進と産業の国際競争力の強化が実現された社会

ゆとりと豊かさを実感できる国民生活と個性豊かで活力に満ちた地域社会が実現された社会

地球規模での高度情報通信ネットワーク社会の実現に向けた国際貢献が行われる社会

2000年 11月 27日IT戦略会議

5年以内に世界最先端のIT

e-Japan戦略

2001年 1 月 22日第1回IT戦略会議本部決定

○e-Japan戦略を具体化○政府が迅速かつ重点的に実施すべき施策の全容を明示

基本的な方針

0

10

20

30

40

50

60

70

80

90

H8 H9 H11 H13

所得・収入資産・貯蓄耐久消費財住生活レジャー・余暇生活

資料:国民生活に関する世論調査(内閣府;各年)

【年齢区分別人口の推移】

【地域連携の必要性】

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- 4 -

24.4%28.3%

29.1%35.5%

30.7%37.8%

36.4%38.7%

39.9%47.3%

42.8%46.1%

55.3%50.4%

63.2%63.1%

0.0% 10.0%20.0%30.0%40.0%50.0%60.0%70.0%

景気対策

社会保障構造改革

高齢社会対策

雇用労働問題

物価対策

自然環境の保護

犯罪対策

行政改革

平成12年平成13年

環境問題への意識の高まり

オゾン層の破壊、地球温暖化、

熱帯林の減少などの地球環境問題

に関して約8割が関心をもってい

る。また、日常生活において約8

割の人が何らかの形で取組むとし

ており、環境問題への高い意識を

有しています。

 自然への関心(約8割)や自然との

ふれあい機会への意向(約7割)が高

く、自然の大切さの認識、自然回帰へ

の意向が伺えます。

自然回帰

 生活のどのような面に力をおく

かをみた場合、「心の豊かさ」に

力点をおく約6割を占めており、

物質的な豊かさではなく、ゆとり

ややすらぎある生活への志向がみ

られます。

ゆとり性の重視

 個人志向(個人生活の充実重視)よりも社会志向の割合が約5割と多く、国や社会全体のこと

にもっと目を向けるべきだという意識が高くなっています。

また、高齢者ボランティア活動意欲にみられるように、社会参加への意識が高まりをみせていま

す。

高齢者の社会参加意識の高まり

資料:国民生活に関する世論調査(内閣府;各年)

【今後の生活の力点】

44.8%

37.6%39.9%

40.3%

49.6% 50.3%

57.0%56.3%57.2%

52.0%

36.1%

29.3%30.1%29.0%30.5%32.0%32.9%

41.3% 41.4%

40.4%

10.7%12.0%10.9%

14.5%15.0%14.2%

14.0%16.0%15.8%

19.7%

0%

10%

20%

30%

40%

50%

60%

70%

S49 S51 S54 S57 S60 S63 H3 H6 H9 H11

心の豊かさ物の豊かさ一概に言えない

【自然とのふれあい機会への意向】

資料:自然の保護と利用に関する世論調査(内閣府;H13)

【自然への関心】

44.7% 28.1% 8.8%

1.9%

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%

今で十分16.4%

もっと増やしたい44.7%

今後は増やしたい28.1%

わからない増やしたいとは思わない

27.6% 54.3% 15.7%

1.8%

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%

非常に関心がある27.6%

どちらかといえば関心がある54.3%

わからない

あまり関心がない 全く関心がない

資料:社会意識に関する世論調査(内閣府;H12)

38.3

52.6

28.426.8

47.548.547.4

34.632.7

37.836.1

40.7

26.929.7 30.7

34.333.2

33.130.0 31.4

18.118.515.916.9

20.8

24.627.424.925.324.9

10.0

20.0

30.0

40.0

50.0

60.0

S49 S51 S54 S57 S60 S63 H3 H6 H9 H11

社会志向個人志向一概に言えない

【社会志向と個人志向】

阪神・淡路大震災などを契機として、安全に対する関心が高まっています。

また、近年は高齢社会対策に対する要望が多く、安心に対する関心が高くなっています。

安心・安全への意識の高まり

11.6%12.5%14.0%

16.2%18.1%18.5%

20.4%7.2%

22.7%25.2%

26.8%26.2%

46.2%55.0%54.8%

59.9%

0.0% 10.0%20.0%30.0%40.0%50.0%60.0%

医療・福祉・年金の充実

景気対策

自然環境の保護

土地・住宅問題

防災

生活環境の整備

地域の活性化

資源・エネルギー対策

平成6年平成7年

【政府に対する要望】

【地球環境に対する関心】

資料:地球温暖化防止とライフスタイルに関する世論調査(内閣府;H13)

40.2% 42.2% 13.3%

3.1%

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%

関心がある40.2%

ある程度関心がある42.2%

あまり関心がない

わからない

全く関心がない

【地球温暖化防止のための日常生活での取り組

9.6% 70.4% 8.1%

3.3%

8.8%

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%

積極的に取組む

できるだけ取組む70.4%

どちらかというと困難

難しい

わからない

56.5%

70.6%

33.2%

25.6%

0.0% 20.0% 40.0% 60.0% 80.0%

したことがある

参加してみたい

65-69歳

60-64歳

65-69歳

60-64歳

ボランティア活動を

ボランティア活動に

資料:国民選好度調査(内閣府;H12)

【高齢者のボランティア活動意欲】

2.国民意識、価値観の変化   ~国民の価値観はゆとり、環境、安全及び社会参加へと変化!~

資料:国民生活に関する世論調査(内閣府;H6,H7)

【政府に対する要望】

資料:国民生活に関する世論調査(内閣府;H12,H13)

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- 5 -

【九州の自然公園と歴史街道】

土砂災害

0

500

1000

1500

2000

2500

3000

3500

4000

4500

H元 H3 H5 H7 H9 H11 H13 平均

件数(件/年)全国九州

全全全全国国国国のののの土土土土砂砂砂砂災災災災害害害害発発発発生生生生件件件件数数数数のののの6666割割割割以以以以上上上上がががが九九九九州州州州内内内内

全国的に高齢化が進む中にあって、九州

は全国平均を上回るスピードで高齢化が進

んでいます。(全国より、約 5 年早い九州

の高齢化)

過去 10 年間で 65 歳以上の割合(高齢化

率)が 14.3%から 19.9%に増加しているの

に対して、15 歳未満の割合は出生率の低下

から 19.5%から 15.4%に低下しています。

資料:国勢調査(平成 12年)

【各県年齢構成特性】

資料:国土交通省

【土砂災害発生件数】

 福岡・北九州圏域では3大都市圏に次ぐ都市集積が進むとともに、県庁所在都市を中心に 10 万人以上の都市が適度な間隔で点在しています。

【人口 10 万人以上の都市】北九州市、福岡市、大牟田市、久留米市、春日市、佐賀市、長崎市、佐世保市、熊本市、八代市、大分市、別府市、宮崎市、都城市、延岡市、鹿児島市

九州には5つの国立公園と9つの国定公園

を有し、変化に富んだ美しい自然が残ってい

ます。

また、異国文化との交流が盛んであった長

崎を起点とする長崎街道をはじめとして、歴

史的まちなみが今も多く残存しています。

一方、近代土木遺産も全国の 13.2%に当

る 1,176 箇所を有しており、歴史的資産が広

く分布しています。

相当規模の都市が適度に点在する九州

豊かな自然と歴史・風土に恵まれた九州

高齢化が進む九州

 九州は台風常襲地帯であり、梅雨期の集

中豪雨等の自然災害が多く、全国の土砂

災害の約6割が九州で発生しています。

 また、5年に1度の大雨で道路を通行

規制した場合、第三次救急医療施設に60

分で到達できない地域が拡大します。

自然災害を受けやすい九州

3.九州の特性(国土の中での九州)~高齢化、自然災害等の問題を抱えつつ、我が国の経済を支える九州!~

【主要都市圏エリア】

【年齢階層別人口(H 12

資料:国勢調査(平成 2,12年)

02004006008001,0001,200

0~4歳

5~9歳

10~14

15~19歳

20~24歳

25~29歳

30~34歳

35~39歳

40~44歳

45~49歳

50~54歳

55~59歳

60~64歳

65~69歳

70~74歳

75~79歳

80~84歳

85歳~

H12 H2

<全国

万人0 200 400 600 800 1,000 1,200

0~4歳

5~9歳

10~14

15~19歳

20~24歳

25~29歳

30~34歳

35~39歳

40~44歳

45~49歳

50~54歳

55~59歳

60~64歳

65~69歳

70~74歳

75~79歳

80~84歳

85歳~

<九州>

千人

【高齢化率変化】

17.3%

19.9%17.1%

14.3%

12.1%10.8%

9.7%8.5%

7.1%7.9%

9.1%10.3%

12.0%14.6%

5%

7%

9%

11%

13%

15%

17%

19%

21%

S45 S50 S55 S60 H2 H7 H12

全国九州

5年先を行く九州の高齢化

九州全国

資料:国勢調査(各年)

北九州市エリア

福岡市エリア

長崎市エリア

久留米市エリア

熊本市エリア

八代市エリア

鹿児島市エリア 都城市エリア

大分市エリア

延岡市エリア

宮崎市エリア

佐賀市エリア

佐世保市エリア

大牟田市エリア

【過去における県別通行規制状況】

資料:国土交通省(S53~H12年)の通行規制件数

0

10,000

20,000

30,000

40,000

福岡県 佐賀県 長崎県 熊本県 宮崎県 大分県 鹿児島県

規制時間計資料:国土交通省

5年確率降雨時

【大雨による事前通行規制で第三次医療が受けられない地域】

九州(H2

全国福岡

鹿児島大分

熊本長崎

宮崎 佐賀

九州(H12

14.0%

16.0%

18.0%

20.0%

22.0%

24.0%

13.0% 15.0% 17.0% 19.0%

65歳以上の占める割合

15歳未満の占める割合

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- 6 -

我が国の経済を支えている特化産業

九州の経済力は総じて我が国の1割を

占め、オランダ1国に匹敵する経済力で

あり、食料供給は2割を占めています。

しかし、企業の海外進出による製造業

の空洞化や、半導体生産額の低下、輸入

食品の増加等による「食料供給基地」と

しての役割の低下など、九州の経済を取

り巻く環境は厳しいものがあります。

12111409

1554

1880

240

920

1678

11821192740696

124107390

200400600800

100012001400160018002000

S50 S55 S60 H2 H7 H10 H11

野菜果実

27 46 82 124173

231298

355 376 398 417 435

2552

60

75

82

89

98106

110 120 124

140

100

200

300

400

500

600

H元 H2 H3 H4 H5 H6 H7 H8 H9 H10 H11 H12

その他アジア

(社) 輸入量(千 t)

資料:財務省「日本貿易統計」

【九州企業の海外進出】 【野菜・果実の輸入量】

東西間・南北間格差

高速交通基盤の整備が遅れている東九州

地域は、西九州地域に比べ人口や産業の伸

びが低く、地域間格差が生じています。

また、高速ICからの 30 分で到達できる

地域の面積カバー率をみると 30 ポイントもの

差がみられます。

【九州IC生産額・全国シェアの推移】

九州のIC生産額と全国シェア推移

0

2000

4000

6000

8000

10000

12000

14000

16000

18000

198819891990199119921993199419951996199719981999年度

生産額(億円)

0.0%

10.0%

20.0%

30.0%

40.0%全国シェア

九州IC生産額

全国シェア

【社会増減人口の変化】

資料:住民基本台帳注:東九州軸とは東九州自動車道沿線の 54 市町村。西九州軸とは九州縦貫自動車道の 57市町村。なお、北九州市は両軸に含む。

518

60

-5

-86 -92-100

-80

-60

-40

-20

0

20

40

60

80西九州軸東九州軸

昭和60年 平成9年平成3年

(千人)

0 200 400 600 800 1000 1200 1400 1600

オオオオラララランンンンダダダダ

九九九九        州州州州

0 500 1000 1500 2000 2500 3000 3500 4000 4500

オオオオラララランンンンダダダダ

九九九九        州州州州

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%

オオオオラララランンンンダダダダ

九九九九        州州州州

0 500 1000 1500 2000 2500 3000 3500

オオオオラララランンンンダダダダ

九九九九        州州州州

0 1000 2000 3000 4000 5000 6000 7000 8000 9000 10000

オオオオラララランンンンダダダダ

九九九九        州州州州

0 1 2 3 4 5 6

オオオオラララランンンンダダダダ

九九九九        州州州州

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%

オオオオラララランンンンダダダダ

九九九九        州州州州

オランダと九州の比較

総人口(万人)

河川整備率

高速道路延長(km)

港  湾(コンテナバース延長)

空  港(滑走路本数)

下水道普及率

ほぼ同程度

ほぼ同程度

約 1/5

約 1/4

約 1/3

約 1/5

約 1/2

総生産額(億ドル)

【高速ICから 30分圏の面積カバー率】

資料:国勢調査(H12年)   離島を除く

64.5%

57.9%

51.7%

75.7%

30.2%

35.5%

42.1%

48.3%

24.3%

69.8%

西九州 東九州

0% 20% 40% 60% 80% 100%

人口

農業粗生産額

工業出荷額

商業販売額

港湾貨物量

凡例

【人口・産業指標の東西バランス】

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- 7 -

朝鮮半島とは海峡を隔てて近接し、上海とは東京とほぼ同距離にあるなど、我が国の中で

最もアジアに近い地域です。アジアに近接する地理的優位性を生かし、九州とアジアの人的・

物的交流は全国平均を上回る水準にあり、アジアとの深いつながりがうかがえます。

アジアとのつながりを深める九州

【九州とアジアとの位置関係】 【アジアとの結びつき】

離島、半島の多い九州

九州は、全国の離島の約4割を有しています。

また、九州全体の約3割を離島、半島部が占めているものの、特に半島部での道路整備水準は十分で

はなく、港へのアクセス及び信頼性の向上などの固有課題にも対応する必要があります。

【 (例)長崎県のローカルルール】

長崎県は、多くの離島と半島を有してい

ます。

そのため、離島や半島部等における地形

が急峻な箇所(区間)では、2車線改良の

みならず、ローコストで建設可能な1車線

改良(車道4m、全幅5m)を進めていま

離離離離島島島島9999....8888%%%%

ううううちちちち半半半半島島島島部部部部11119999....5555%%%%

本本本本土土土土77770000....7777%%%%

九州面積計42,168k�

【九州における半島地域や離島面積の割合】

半島部は半島振興対策、離島は離島振興対策、奄美群島振興対策地域を指す

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- 8 -

78.1%

84.1%

80.7%

72.6%

64.6%

59.2%

55.8%

69.7%

0% 20% 40% 60% 80% 100%

鹿児島県

宮崎県

大分県

熊本県

長崎県

佐賀県

福岡県

九州

そう思う どちらともいえない そう思わない 未回答

 九州では「社会資本がまだ充足していない」との認識が約7割を占めています。特に、高速道路整

備が遅れている東九州側の宮崎県、大分県、鹿児島県の市町村での回答率が極めて高くなっています。

九州の道路は充足していません

資料:九州首長へのアンケート調査

【九州の社会資本は充足しているか(県別)】

 九州全体として今後力を入れて

ほしい道路整備は、「中心都市と

周辺市町村を連絡する幹線道路整

備」が重要との声が最も高くなっ

ています。

資料:九州首長へのアンケート調査

【今後力を入れてほしい道路整備(九州全

人口規模の大きい都市部の自治

体ほど「バリアフリー化され、気

軽に散歩を楽しめる歩道や時点車

道の整備」や「電線類の地中化」

への回答率が高くなっています。

資料:九州首長へのアンケート調査

【今後力を入れてほしい道路整備(人口規模

人口規模の小さい地方部の自治

体ほど、「隣接する市町村間を連

絡するトンネルや橋梁の整備」

や、地域の観光資源の有効活用を

図る上で必要な「観光拠点への連

絡を容易にする道路の整備」に対

する回答率が高くなっています。

資料:九州首長へのアンケート調査

【今後力を入れてほしい道路整備(人口規模

4.道路施策への新たなニーズ・課題 

● 「九州の道路整備はこれから」

という点を強調すべき。

● 九州では東西格差の是正、一

体的な活性化のために道路整

備が必要。

● 市町村の要望の多くは、道路

整備。道路整備の推進をお願

いしたい。

知事の声

・九州全体では中心都市と周辺市町

村を連絡する道路整備が重要です

・都市部では道路空間整備に対す

るニーズが高まっています

・地方部では、交流・連携を図る

道路整備に対するニーズが高まっ

ています

高速道路が整備されていない東

九州側の宮崎県、大分県ほど「地

域内の交流を便利にする高速道路

の整備」への回答率が高くなって

います。

・東九州側で高速道路整備に対す

るニーズが高まっています

資料:九州首長へのアンケート調査

【今後力を入れてほしい道路整備(県別)】

46.2%

51.3%

77.1%

81.6%

0% 20% 40% 60% 80% 100%

地域間の交流を便利にする高速道路の整備

バリアフリー化され、気軽に散歩を楽しめる歩道や自転車道の整備

身の回りの生活道路の整備

中心都市と周辺の市町村を連絡する幹線道路の整備

(上位4項目)

45.8%

81.8%

70.7%

38.3%

48.1%

32.7%

28.4%

46.2%

0% 20% 40% 60% 80% 100%

地域間の交流を便利にする高速道路の整備

九州計福岡県佐賀県長崎県熊本県大分県宮崎県鹿児島県

九州平均

13.2%

50.5%

42.1%

28.9%

35.9%

32.8%

42.3%

37.7%

0% 20% 40% 60% 80% 100%

観光拠点への連絡を容易にする道路の整備

隣接する市町村を連絡するトンネルや橋梁の整備

九州計0<1000010000<500050000<

九州平均

71.1%

51.3%

55.3%

59.6%

34.8%

29.7%

42.7%

33.6%

0% 20% 40% 60% 80% 100%

電線類の地中化

バリアフリー化され、気軽に散歩を楽しめる歩道や自転車道の整備

九州計

0<1000010000<500050000<

九州平均

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- 9 -

61.5%

65.9%

42.1%

61.1%

64.6%

53.1%

48.4%

56.8%

27.1%

31.8%

43.9%

23.2%

22.8%

30.6%

25.3%

27.9%

0% 20% 40% 60% 80% 100%

鹿児島県

宮崎県

大分県

熊本県

長崎県

佐賀県

福岡県

九州

現行の有料道路制度を支持

支持するが税金からの支出を増やすよう改める

なるべく税金でまかなうべきで、有料道路制度は支持できない

一概に言えない 未回答

 九州では「道路整備のスピードアップ」への要求が最も高くなっています。特に宮崎県の

回答率が高く、全市町村の約 96%を占めています。

道路整備のスピードアップが必

要です

資料:九州首長へのアンケート調査

【道路整備を進めるに当って特に重要なことは(県

 九州の半数以上の市町村が、「現行の有料道路制度を支持」しており、次いで約3割の

市町村が、「支持するが税金からの支出を増やすように改める」と回答しています。ただ

し、大分県では「支持するが税金からの支出を増やすように改める」が最も多く、約 44%

の市町村が回答しています。

現行の有料道路制度は堅持すべ

きです

資料:九州首長へのアンケート調査

【有料道路制度についての考えは(県別)】

特定財源による財源確保は不可

欠です

● 道路整備はまだまだ必要であ

り、道路特定財源制度を活用

し、整備を急ぐべき。

● 道路整備のスピードが遅く、

地域の動きについていけない

ので、早期整備を図る必要が

ある。

● 国の道路整備の進捗が遅い。

骨格となる幹線道路の早期整

備を。

知事の声

● 現行有料道路制度の堅持を。

● 有料道路制度は、財源が厳し

い中では有力な手法。

● 利用者負担軽減のための国費

投入など、現有料道路制度の

堅持を。

● 有料道路政策は、管理有料的

な発想に転換し、もっと必要

な国費を投入すべき。

知事の声

● 道路特定財源制度の活用、堅持。

● 道路特定財源制度を堅持し、特定財源の目的外使用は許されない。

● 道路特定財源は、合理的な制度であり、財源、税率ともに堅持し、遅れている道路

整備を推進すべき。見直すなら税率を変える議論になる。

● 受益者負担に基づく特定財源制度による財源の確保は重要。仮に道路整備以外に使

う場合は、都市・交通基盤の将来構想を明確にし、理解を得る必要あり。

知事の声

74.0%

22.7%

79.5%

77.3%

95.5%

20.7%

69.0%

63.8%

89.7%

18.1%

76.6%

7.6%

43.0%

6.1%

44.9%

79.6%

89.8%

15.8%

25.3%

56.8%

41.1%

76.8%

14.8%

17.9%

42.3%

62.3%

74.4%

69.8%

20.8%

14.6%

35.4%

84.4%

13.6%

11.4%

17.2%

37.9%44.7%

16.0%

58.5%

51.1%

72.2%

12.7%

72.2%

87.3%

22.4%

57.1%

80.0%85.8%

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%

積極的なPR

意見を受ける窓口設置

事業着手前の必要性、効果の評価

道路整備のコストダウン

計画段階からの住民説明の充実

道路整備のスピードアップ

九州福岡県佐賀県長崎県熊本県大分県宮崎県鹿児島県

九州平均

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第119回九州地方知事会議議題(平成14年6月5日 於山口県)より抜粋

〔運輸・交通対策〕

22 高規格幹線道路の整備促進について(共同提案)

23 海峡横断プロジェクトの推進について

  (福岡県・長崎県・熊本県・大分県・鹿児島県・山口県)

26 日本海国土軸構想の推進について(福岡県・佐賀県・山口県)

27 地域高規格道路の整備促進について(共同提案)

28 道路特定財源の確保について(共同提案)

-10-

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-11-

21世紀の九州地域戦略 自律的経済圏形成へのシナリオ(平成14年5月 (社)九州・山口経済連合会)より抜粋

自律的経済圏形成へのシナリオ

自律的経済圏形成へのシナリオ

モビリティの変化

人口構造の高齢化・少子化

産業構造の高度化

グローバリゼーションの進展

機能主義 発展戦略 知識経済化

Ⅰ.加速・反転する環境条件 Ⅱ-2.21世紀の九州地域戦略への視点

Ⅲ.九州地域発展への戦略課題

Ⅳ-2.21世紀における九経連の重点課題Ⅱ-1.九州地域の21世紀像

●モノの移動 (航空機・コンテナ等)●ヒトの移動 (航空機・高速道路等)●情報の移動 (インターネット・携 帯電話等)

■効率化・コスト削減

■機能の維持・向上

■利用コストの低下

■伸びるところを伸ばす

■伸びるメニューを豊富に

■重点投資による地域の

 底上げ戦略

■知識集約的部門への投資

■大学の役割

■個人のスキルの高度化

●第1次産業比率の低下 (イギリス並に)●第2次産業の雇用者数 減少(製造業の空洞化)●伸びる第3次産業 (情報化・知識経済化)

●人口減少社会へ (2050年に約1億人へ)●進む高齢化●一段と速い地方の 人口減少・高齢化

●貿易・投資の自由化●企業・産業・地域の 再編●国境を越えたヒトの 交流

自律的経済圏の形成

モビリティの向上

コンテンツの充実

産業

制度

地域・海外

戦略1

戦略3

戦略2

戦略5

戦略4

産業競争力を高めるビジネス環境の創造

1.アジアに開かれた循環型交通体系の整備

2.ITアイランド九州の構築

3.ビジネスコストの引き下げ

4.環境調和型の社会資本整備

5.社会資本の新たな整備・運営体制づくり

九州地域の強みを発揮する産業集積戦略

1.地域産業クラスターの形成促進

2.九州観光再生への戦略

3.新産業の創出

4.知的集積のネットワーク構築

九州地域の一体的発展と

隣接する地域ブロックとの連携強化

1.地域連携の推進

2.隣接する地域ブロックとの連携強化

3.新たな広域経済圏形成に向けた

 体制づくり

グローバル経済化を先導する

東アジア経済文化圏の形成

1.国境を越えた地域連携軸の構築

2.外資系企業の誘致等の促進

3.外国人留学生・海外研修生等の受入及び

 採用の拡大

4.国際交流の促進

地域制度の改革

1.市町村合併の推進

2.道州制の検討

1.産業競争力を高めるビジネス環境の創造に向けて

2.九州地域の強みを発揮する産業集積の強化に向けて

3.九州地域の一体的発展と隣接地域ブロックとの 連携強化に向けて

4.グローバル化を先導する東アジア経済文化圏の 形成に向けて

5.地方制度の改革に向けて

1.循環型高速交通体系の整備拡充2.九州新幹線の早期整備3.新福岡空港の建設促進4.「九州・山口光ファイバー通信ネットワーク (仮称)」の形成促進5.PFI事業の推進6.「九州地域戦略会議(仮称)」の設立

7.半導体クラスタ-形成の促進8.環境クラスターの形成促進9.九州観光の一体的な推進体制の強化10.新産業創出の推進11.九州大学学術研究都市構想の推進12.九州地域におけるビジネス・スクール構想の 推進

13.わが国第4の大都市圏・福北大都市圏の形成促進14.東九州自動車道を中心にした東九州軸の 活性化促進15.関門海峡道路の整備促進16.島原・天草・長島架橋構想の調査促進17.豊予海峡ルートの調査促進18.九州・沖縄・中四国の共同プロジェクトの検討

19.東アジアとの経済交流の促進20.日韓IT光コリドー・プロジェクトの推進21.グローバルな人的ネットワークの拡充22.九州国立博物館(仮称)の建設促進

23.市町村合併の促進24.道州制の検討

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-12-

提言 新しい九州の一体的発展のグランドデザイン

~九州の一体的発展のグランドデザイン~21世紀の新しい九州を目指して~(平成13年11月 九州経済同友会)より抜粋

インフラ 産業・企業 生活者 行政

東アジア経済圏構想

1.東アジア経済コリドーの 建設

2.東アジアインターローカ ルエコノミック機構の 設置

3.東アジア沿岸地域の産業 ・文化の活性化

●東アジアにITコリドーを・東アジアギガビットコリドー・US-China Lineのクロスポイント沖縄●沖縄に第3のハブ機能を・東アジア経済圏への拠点加工基地機能強化●東アジア沿岸高速シーライン・エアライン・TSLの導入・エアラインの拡充

●東アジアインターローカルエコノミック機構(民間国際機関)の設置・東アジア沿岸回廊経済人会議●High Quality of East Asiaを求めて・東アジアISO推進会議・東アジアサポーティングインダストリー協議会・東アジアマイスター制度●国際クラスの観光コースの開発●ハイパ-シリコン回廊の形成●リサイクル産業技術の世界拠点に●九州のアイデンティティ産業の育成

自然共存型ライフスタイル構想

1.九州ワイドの都市ネット ワークの整備

2.九州型ライフスタイル運 動の提唱

●主要都市間90分交通圏の確立・九州・沖縄主要都市間の時間短縮・生活行動圏の広域化にあわせた都市間移動の時間短縮・沖縄-九州間のエアライン・シーライン増設、料金低廉化●中枢・中核都市60分生活圏の確立・離島や山間部のミニ空港・高速シーライン・都市との連携をめざしたインフラ整備●光ファイバー網の整備普及●都市機能ネットワークの整備

●21世紀型ビジネススタイルの構築・リフレッシュオフィス・テレワーク、SOHO(small office home office)のすすめ●自然のいやし能力をさぐる・自然のいやし能力のビジネス化

●グリーンツーリズムのすすめ・日帰りツーリズム●市民参加の自然環境保全運動・緑あふれる自然都市・ボランティア活動支援・エコマネー・地域エコ教室などによる意識の醸成●東アジア各国・地域における生活アイデンティティ運動・ローカル放送ネットワークによる共同放送・東アジア沿岸回廊文化圏の研究

九州自治州構想

1.九州はひとつ委員会の 設立

2.九州自治州の段階的実現

●九州はひとつ委員会の設立・地方行政の効率と効果をめざす委員会●新しい民間自治機構の設立●九州経済同友会の一体化

●市町村合併による基礎自治体の確立・生活実態に即した国と対等な立場のコミュニティ行政

●自由貿易協定の推進と自由貿易特区の制定●フリー&フリー(free&free)マーケット(国境市場の開催)●東アジア安全協議会の設置・取引や通行の安全性確保・ハッカー対策

●土地利用の見直し ●いやし空間の開発

●九州8県の合併で九州自治政府を ●九州府と九州自治政府 ●九州自治州にむけて

九州、韓国、台湾など東アジアの半導

体生産拠点の連携、ネットワーク化

環境保全や福祉活動に対して使われ

る、地域独自の通貨

九州の地理、歴史や文化的特性を反

映した産業。

・伝統工芸、農林水産業など

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- 13 -

5.これまでの道路施策に内在する諸課題

 昭和 50 年代までは、比較的

小規模バイパス等の箇所数が多

かったものが、60 年代以降箇

所数は年々減少しているもの

の、大規模な事業が増加し、従

前の残事業を含め完成までに長

期間を要する傾向にあります

(右図参照)

 このような状況のもと、平成

4 年以前の直轄事業化箇所で見

ると、事業後 10 年を経過し全

線供用している箇所は 1 割程度

しかない状況にあります。

事業期間の長期化

【九州の直轄国道の渋滞損失額(H9)】

【九州内直轄国道の事業期間】

渋滞及び交通事故の増加

 渋滞による年間の経済損失・時間損失は全

国で 12 兆円(一人当り 42 時間)、九州では

約 1兆 1,700 億円です。

 九州の中では福岡県における損失額が著し

く高く約 4,600 億円(全国8位)となってい

ます。

(資料:平成 9年度道路交通センサス)

【高齢者の事故要因】

 九州における交通事故件数は年々

増加しており、約半数が福岡県での

事故となっております。(人口比で

は、福岡県は約 4割)

 近年、高齢者の交通死亡事故件数

が増加してきており、65 歳以上の高

齢者が約 4割を占めております。

 事故の要因をみると、壮年層では

「自動車乗車中」での交通事故が約 6

割を占めるのに対して、65 歳以上の

高齢者では約半数が「歩行中」での

事故となっております。

【県別渋滞損失

(資料:平成 9年度道路交通センサス)

4,587

1,213

1,631

1,095 1,0501,383

788

0

1,000

2,000

3,000

4,000

5,000(億円/年)

九州計:1兆 1747億円/年

6.3 5.1 4.9 4.8 5.0 3.8 3.8 3.8 3.2 1.9 2.6 3.6

23.5 24.9 22.4 19.7 22.3 22.3 19.8 21.9 21.418.2 17.5 19.7

41.7 41.9 43.541.4 40.5

38.2 38.9 38.4 36.640.7 41.7 35.6

12.8 12.7 15.216.3 15.5

17.517.1 15.9 18.5 19.8 17.3

19.0

11115555....7777 11115555....5555 11114444....0000 11117777....9999 11116666....7777 11118888....3333 22220000....5555 22220000....2222 22220000....4444 11119999....4444 22221111....0000 22222222....1111

0%

20%

40%

60%

80%

100%

H2 H3 H4 H5 H6 H7 H8 H9 H10 H11 H12 H13

15歳以下

16~24歳

25~64歳

65~74歳

75歳以上

【交通死亡事故件数の年代別構成】

26.5

60.2

58.3

24.9

23.1

8.0

11.8

10.2

5.1

10.0

26.5

6.3

10.3

35.3

4.3

22.3

51.4

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%

15歳以下

16~24歳

25~64歳

65歳以上

自動車乗車中

自動二輪乗車中

原付乗車中

自転車乗車中

歩行中 その他

【交通事故件数の推移】

0

20,000

40,000

60,000

80,000

100,000

120,000

H1 H2 H3 H4 H5 H6 H7 H8 H9 H10 H11 H12 H13

福岡県

佐賀県

長崎県

熊本県

大分県

宮崎県

鹿児島

(件) 110,530

78,955

45

68

13

87

13

45 46 46 47 47 47 48 50 51 49 47 45

6 6 6 7 6 6 66

5 6 7 10

13 1314 14 14 13

13 1213

12

12 12

8 88 7 8 8 8

77

77 7

6 65 5 5 5

55

46

7 7

13 13 13 13 13 13 1212

12 1212 12

8 78 8 8 8 8

88 8 8 8

【道路事業費の推移】

H4以前事業化箇所における供用内訳

全全全全線線線線供供供供用用用用5555箇箇箇箇所所所所

未未未未供供供供用用用用9999箇箇箇箇所所所所

部部部部分分分分供供供供用用用用33332222箇箇箇箇所所所所

九州内に於ける直轄国道事業箇所数

HHHH4444以以以以前前前前事事事事業業業業化化化化箇箇箇箇

所所所所数数数数44446666箇箇箇箇所所所所

HHHH4444以以以以降降降降事事事事業業業業化化化化箇箇箇箇

所所所所数数数数33332222箇箇箇箇所所所所

九九九九州州州州内内内内事事事事業業業業箇箇箇箇所所所所数数数数

77778888箇箇箇箇

※事業期間10年を目安とした場合

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- 14 - (資料:都市計画ハンドブック(都市計画協会))

989

807792736

673

568524

489499470451

400

263301323354352367364347339290246

208

0

200

400

600

800

1000

1200

4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月11月 12月 1月 2月 3月

(件)

福岡市

北九州市

 近年の九州における路上工事件数は、平成 8 年度

以降、若干減少傾向にありますが、概ね横ばいとな

っており、多くは減少しておりません。

 また、年度末に工事件数が多くなっている面も見

られ、工事実施の時期的集中に対する批判も寄せら

れています。

交通結節点の連携不備

依然として減らない路上工事件数

【九州における道路工事件数の推移】【月別工事件数】

【地整別路上工事件数(H12年度)】

2836

3526

2492

895

4137

4378

1529

408

1134

2663393

1957

2426

1043

1487

14964591

1637

326

190

0

1,000

2,000

3,000

4,000

5,000

6,000

7,000

8,000

9,000

北海道

東北

関東

北陸

中部

近畿

中国

四国

九州

沖縄

占用工事道路工事

件数

6362

3387

8515

19371400

5350

34692983

6228

516

都市部と地方部での格差

福岡市から 60分交流人口

377万人

【福岡市を中心とした時間圏】

【延岡市を中心とした時間圏】

延岡市から 60分交流人口

23万人

注:H11年度末時点

注:H11年度末時点

九州における乗降客数 5,000 人以上の鉄道駅(地下鉄

を除く)において駅前広場の整備計画がある駅は 66.3%

であり、その内、現在供用している駅は、全体の約1/3

に過ぎません。

また、乗降客数 1,000 人以上の鉄道駅において、自由

通路の整備されている駅は約 15%程度であり、その内、

EVの整備されている駅は約 1/3に過ぎません。

都市部と地方部では等時間における移

動距離に大きな差が生じており、地方部

では生活行動圏域に大きな制約を受けて

います。

【九州における駅前広場整備状

(乗降客数 5,000人以上の鉄道駅)

(資料:平成 11年度都市計画年報)

(資料:○○○○○○○○○○○)

8.3

8.1

5.2

4.8

12.7

5.5

51.7

54.6

43.9

59.3

34.9

55.6

49.1

13.0

19.2

17.5

17.1

7.1

23.1

13.4

25.7

21.0

31.7

17.6

43.9

17.9

23.6

0.2

0.4

0

0.1

0.3

0.1

0.1

1.3

0.7

1.7

1.1

1.1

1.1

鉄道

4.1

2.2

バス市電 自動車 二輪車 徒歩 その他

0% 20% 40% 60% 80% 100%

鹿児島都市圏 1990

宮 崎都市圏 1981

大 分都市圏 1983

熊 本都市圏 1997

長 崎都市圏 1996

佐 賀都市圏 1987

北 部九州圏 1993

凡 例

 都市の地理的、地形的条件や公共交

通網の整備状況により、交通機関の利

用特性は様々ですが、それぞれの都市

交通の特性に応じた交通サービスレベ

ルの向上によって交通の円滑化や安全

で安心な交通行動を確保できるように

することが必要です。

(平成 13年度)0

10,000

20,000

30,000

40,000

50,000

60,000

70,000

H4 H5 H6 H7 H8 H9 H10H11H12H13

福岡県

佐賀県

長崎県熊本県大分県宮崎県

鹿児島

(件)

60,00257,102

60,065

53,50049,212

53,10452,97755,656

59,072

51,120

【都市圏別機関分担状況(パーソントリップデータ】

【EV の整備状況】

【九州における自由通路の整備状況】

(乗降客数 1,000 人以上の

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- 15 -

都市間、都市地方間の連携強化による九州の活力強化と地域自立の支援

1)道路整備を取り巻く社会情勢

広域交流ネットワークの確立

経済活動を支える広域道路網

● 九州における人流・物流活動の大半を道路が担っており、特に広域輸送を担う高速道路及び直轄国道は 11%の延長で 35%の交通を担っています。

資料:道路交通センサス(H11)

0% 20% 40% 60% 80% 100%

延長

走行台キロ

高速 直轄国道 補助国道 地方道

68%

41%24%

21%

24%11111111%%%%

8%3%

【九州における交通分担率】

人口の伸び

● 九州の西岸軸(九州縦貫道沿線)と東岸軸(東九州道沿線)における居住人口の変化では、西岸軸で全国値を上回る伸びを示しているのに対し、東岸軸では横ばい傾向です。

【産業の伸び】

広域的活動の支援への要請

2)道路整備に対するニーズ

● 「遠くに出かける際の地域の道路網」に対し、満足と指摘する方の割合は、福岡県で特に高くなっています。

● 不満足を指摘する割合に着目すると、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県で九州平均を上回っており、高速道路等の整備が不十分な地域で高くなっていることが伺えます。

【「遠くに出かける際の道路網」に対する満足度】

地域間交流を促進する広域道路整備

● 九州では「社会資本がまだ充足していない」との認識が約 7 割を占めています。特に高速道路整備が遅れている東九州側の宮崎県、大分県、鹿児島県の市町村での回答率が極めて高くなっています。

78.1%

84.1%

80.7%

72.6%

64.6%

59.2%

55.8%

69.7%

0% 20% 40% 60% 80% 100%

鹿児島県

宮崎県

大分県

熊本県

長崎県

佐賀県

福岡県

九州

そう思う どちらともいえない そう思わない 未回答 資料:九州首長へのアンケート調査

【九州の社会資本は充足しているか(県別)】

● 「九州の道路整備はこれか

ら」という点を強調すべき。

● 九州では東西格差の是正、

一体的な活性化のために道

路整備が必要。

● 市町村の要望の多くは、道

路整備。道路整備の推進を

お願いしたい。

知事の声資料:国勢調査

Ⅲ.地域づくりを支援するための道路整備の方向性

産業の伸び

● 西岸軸では、東岸軸に比べ、工業・商業の伸びが高く、特に、商業活動での伸びの差が大きくなっています。

● 広域交流を担う高速道路の整備が産業活動の活性化に役立っていると考えられます。

資料:各県統計年鑑   および日本統計年鑑

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- 16 -

広域交流ネットワークの確立

都市間、都市地方間の連携強化による九州の活力強化と地域自立の支援

交通拠点相互のアクセシビリティ向上

● 広域交流は、地域資源の活用による活性化をもたらします。先般開通した東九州自動車道津久見 IC について、港と最寄 IC までの時間短縮を例にとると、津久見港(宮河内 IC から津久見 IC へ)で 50 分もサービス水準が向上し、国内外に向けた交流の活発化、及び物流効率化による地域産業の活発化に寄与することが期待されます。

【港湾から高速 IC までの所要時間の短縮】

行動圏の拡大(都市間交流促進)

※中津港の現況は、小倉IC までの所要時間

大分宮河内~津久見間開通 H13.12.27

● 九州内主要都市間の高速道路利用交通量は、高速道路網の充実とともに増加し、各都市間の交流が促進されたことが伺えます。

● 八代~えびの間が開通したことにより、主要都市間の高速道路利用交通量は、熊本~鹿児島間、熊本~宮崎間が約3倍、福岡~鹿児島間が約2倍に増加し、行動圏の拡大に大きく寄与しています。

地域の安全性確保(リダンダンシー)

● 広域交流は、地域資源の活用による活性化をもたらします。先般開通した東九州自動車道津久見 IC について、港と最寄 IC までの時間短縮を例にとると、津久見港(宮河内 IC から津久見 IC へ)で 50 分もサービス水準が向上し、国内外に向けた交流の活発化、及び物流効率化による地域産業の活発化に寄与することが期待されます。

● 高速道路は、災害時において一般国道等の代替道路として、特に広域輸送面における緊急活動を支えます。

● 平成 9 年 7 月に発生した国道 219 号の路面決壊(熊本県球磨村)による通行止めの際には、九州縦貫自動車道(八代~人吉間)が平常時より約5,000 台/日多い交通を分担し、国道219号の代替路線としての役割を果たしました。

● 高速道路の整備は、このように主要幹線道路の機能を補完して安定的な都市間交通を可能にし、地域の自立に大きく寄与するものと考えられます。

【通常時と国道 219号通行止め時の交通量(九州縦貫自動車道)の変化】

【八代~えびの間開通前後における高速道路利用交通の変化】

出典:日本道路公団九州支社ホームページ

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- 17 -

3)道路整備の現状と課題

広域交流ネットワークの確立

都市間、都市地方間の連携強化による九州の活力強化と地域自立の支援

【高速自動車国道密度の全国比較(平成 13年度末)】

● 九州における高速自動車国道の整備率(供用延長/計画延長)は、平成 13 年度末現在で、62%となっており、全国値とほぼ同じとなっています。

● しかし、高速自動車国道密度でみると、九州は、沖縄県を除く全国 9 ブロックの中で、計画延長ベースで 7 位、供用延長ベースで 6 位と下位に位置しており、九州の面積や人口を考慮した場合、高速道路の計画水準や整備水準は、まだまだ低いと言えます。

東西間格差

● 九州において、最寄りの IC まで 30 分で到達できる市町村カバー率(面積)は、西岸軸で71.9%、東岸軸で40.8%と東西格差があり、均衡ある広域交流網が不十分です。

【高速ICから 30 分圏の面積カバー率】

資料:国勢調査(H12 年)   離島を除く

777711112222

1111,,,,222299994444

888800004444

1111,,,,888844447777

1111,,,,111166669999

888888884444

1111,,,,999911112222

1111,,,,333344447777

1111,,,,000011111111

1111,,,,000044442222

1111,,,,000000005555

0000 1111,,,,000000000000 2222,,,,000000000000 3333,,,,000000000000

北海道

東北

関東

北陸

中部

近畿

中国

四国

九州

沖縄

全国

1111,,,,999999997777

2222,,,,333333337777

1111,,,,111100003333

2222,,,,111155552222

1111,,,,999966660000

1111,,,,333366668888

3333,,,,111166661111

2222,,,,333377770000

1111,,,,666622224444

1111,,,,000044442222

1111,,,,666666663333

00001111,,,,0000000000002222,,,,0000000000003333,,,,0000000000004444,,,,000000000000

北北北北海海海海道道道道

東東東東 北北北北

関関関関 東東東東

北北北北 陸陸陸陸

中中中中 部部部部

近近近近 畿畿畿畿

中中中中 国国国国

四四四四 国国国国

九九九九 州州州州

沖沖沖沖 縄縄縄縄

全全全全 国国国国

7位

単単単単位位位位))))    kkkkmmmm////√√√√((((人人人人口口口口××××面面面面積積積積))))                    人人人人口口口口・・・・面面面面積積積積はははは、、、、HHHH11112222国国国国勢勢勢勢調調調調査査査査

高高高高速速速速自自自自動動動動車車車車国国国国道道道道密密密密度度度度 ==== 高高高高速速速速自自自自動動動動車車車車国国国国道道道道延延延延長長長長 //// √√√√((((人人人人口口口口××××面面面面積積積積))))

ルルルルーーーートトトト選選選選択択択択ササササーーーービビビビススススをををを表表表表すすすす指指指指標標標標でででであああありりりり、、、、密密密密度度度度がががが高高高高けけけけれれれればばばばルルルルーーーートトトトササササーーーービビビビススススがががが高高高高いいいいここここととととをををを意意意意味味味味すすすするるるる。。。。

出典:道路のサービス水準の評価に関する調査研究(平成2年度)

建設省道路局企画課道路経済調査室、建設省土木研究所道路部新交通研究室

7位

計画延長 供用延長

計画延長 共用延長

7位

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- 18 -

 

広域交流ネットワークの確立

都市間、都市地方間の連携強化による九州の活力強化と地域自立の支援

多目的機能を充備した広域交流ネットワーク

4)道路整備の方向性と施策の展開

● 広域交流ネットワークには、①人口 10 万人以上都市のカバー、②重要港湾のカバー、③リダンダンシーの確保と言った機能が求められます。

● しかし、現状の高規格、地域高規格道路では、それらが完全に充足されておりません。

● 九州における均衡ある社会経済活動や持続的な発展を促進するため、基幹都市及び地方生活圏中心都市を連携強化する広域交流ネットワークの整備が必要です。

○ 高規格幹線道路の整備

○ 地域高規格道路の整備

○ 広域ネットワークを補完する幹線道路の整備【広域交流ネットワークの機能】

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- 19 -

都市間、都市地方間の連携強化による九州の活力強化と地域自立の支援

1)道路整備を取り巻く社会情勢

都市部と地方部との交流を支える幹線道路の整備

【市町村別の10年間の人口増減(H12/H2)】

資料:国勢調査

都市部への人口集中と地方部の過疎化

● 県庁所都市及び都市部に人口や高次都市機能が集中する一方、農山漁村地域では、これまでにない過疎化・高齢化が進行しています。

● このようなことから、農山漁村地域では生産年齢人口の減少に伴

●高次な都市機能が集結する母都市への所要時間が 60 分以内の市町村では、人口が増加しており、高次な都市機能を提供する母都市への所要時間60 分内が人口定着の要因の1つとなっています。

都市へのアクセス時間と人口定着

【母都市への所要時間と人口増減(H12/H2)】

1.05

1.00

0.95 0.95 0.93

0.87

0.80

0.85

0.90

0.95

1.00

1.05

1.10

30分以内 31~60分 61~90分 91~2時間 2~3時間 3時間超

伸び1.0

資料:国勢調査(H12)

注:高次な都市機能とは、商業サービス、医療・福祉等において特に日常生活では得られない都市的サービスを提供する機能

8

16

34

76

3

6

9

19

30

179

0 50 100 150 200

5万人未満

5~10万人

10~30万人

30~50万人

50万人以上

(店)

第1種大規模店舗第2種大規模店舗

2

3

5

11

21

38

69

171

420

899

0 250 500 750 1000

5万人未満

5~10万人

10~30万人

30~50万人

50万人以上

(所)

病院特別養護老人ホーム

【都市の人口規模と立地する各種施【市町村別の高齢化率(H11)】

資料:人口推計

注:母都市とは人口30 万人以上または県庁所在都市

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- 20 -

 

4.0

11.2

0.0

2.0

4.0

6.0

8.0

10.0

12.0

母都市 その他市町村

(%

3)道路整備の現状と課題

4)道路整備の方向性と施策の展開

過疎化が進展する地方部での定住化を支援するため、都市部と地方部の連

携強化を図る道路整備が必要です。

● 都市部と地方部との連携交流を促す道路及び信頼度の高いヒエラルキーが確保された道路の整備

・高規格幹線道路の整備・地域高規格道路の整備・幹線道路に確実に連絡し信頼できるフィ-ダー道路の整備

● 九州では、母都市までの所要時間が60 分圏外に総人口の約19%、生産年齢人口の約19%が居住しています。● 母都市以外の市町村では、幅員5.5m 未満の一般国道の割合が高く、都市サービスを確実に享受しうる道路整備が求められます。

【幅員 5.5m未満延長の割合(H11)】

(一般国道対象)

2)道路整備に対するニーズ

●住民アンケート調査結果によると自宅から「大型百貨店」「地域文化センター」といった都市サービスまで許容できる所要時間を 60 分以内と回答した人が全体の9割、また「職場」も60 分以内と回答した人が全体の9割を占めています。

都市間、都市地方間の連携強化による九州の活力強化と地域自立の支援

*都市部と地方部との交流を支える幹線道路の整備

資料:道路交通センサス生産年齢人口(H12)

60分圏外19%

60分圏内81%

人口(H12

60分圏外19%

60分圏内81%

【母都市への 60分圏外人口(H12)】【母都市への 60分圏】

注:母都市とは人口30 万人以上または県庁所在都市

資料:国勢調査

【自宅から各種都市サービス等までの許容時

資料:国土交通省九州地方整備局 住民アンケート結果

10.3%

23.9%

40.4%

21.6%

2.0% 1.0% 0.6% 0.2%10.3%

34.2%

74.6%

100.099.8%99.1%98.1%96.2%

0.0%

20.0%

40.0%

60.0%

80.0%

100.0%

10分位まで 20分位まで 30分位まで 1時間位まで 1時間30分位まで 2時間位まで 3時間位まで その他0.0

20

40

60

80

10

割合

累計

大型百貨店

18.7%26.0%

38.5%

13.6%

2.0% 0.9% 0.4% 0.0%

18.7%

44.6%

83.1%

100.0%100.0%99.6%98.7%96.7%

0.0%

20.0%

40.0%

60.0%

80.0%

100.0%

10分位まで 20分位まで 30分位まで 1時間位まで 1時間30分位まで 2時間位まで 3時間位まで その他0

2

4

6

8

1

割合

累計

地域文化センター

15.0% 16.0%

42.5%

23.5%

2.5% 0.2% 0.0% 0.3%

15.0%

31.0%

73.5%

100.099.7%99.7%99.5%97.0%

0.0%

20.0%

40.0%

60.0%

80.0%

100.0%

10分位まで 20分位まで 30分位まで 1時間位まで 1時間30分位まで 2時間位まで 3時間位まで その他0

2

4

6

8

1

割合

累計

職場

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- 21 -

都市間、都市地方間の連携強化による九州の活力強化と地域自立の支援

1)道路整備を取り巻く社会情勢

我が国の食糧基地(農林水産業)

● 九州には、全国シェアの高い農水産品の生産地が数多く分布し、農業粗生産額、林業粗生産額、漁業粗生産額は、各々全国の 19%、17%、24%(平成 12 年)を占め、我が国有数の食料・木材供給基地としての役割を都市へのアクセシビリティの向上

● の内、生鮮品は高速道路を利用して全国に出荷されます。● 近年は他地域及び輸入による農林水産物の増加により価格競争が激化し、コスト面など食糧供給を取り巻く環境は厳しさを増しています。

【農水産物生産額の対全国シェア(H12)】

30.3

25.4

31.4

11.1

40.1

17.818.517.9

37.8

0

10

20

30

40

50

肉用牛 豚 鶏 工芸農作物 野菜 花卉 果実 米 のり

(%)

【主な農水産品の流れ】

資料:財務省「日本貿易統計」

野菜・果実の輸入量推移

240

12111409

16781554

920740696

12410739

1880

11821192

0

500

1000

1500

2000

S50 S55 S60 H2 H7 H10 H11

輸入量(千t)野菜果実

資料:九州農政局「さすが九州なんでも日本一」(H10)

【九州の主要農水産物の産地】

資料:生産農業所得統計

【野菜・果実輸入量の推移】

個性ある地域産業活動(地域づくり)の支援  観光周遊ルートの形成

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- 22 -

1)道路整備を取り巻く社会情勢

伝統的地場産業(製造業)

● 九州には、有田焼や大川家具など地域の資源を活用した伝統的な技術による地場産業が根付いています。

● 九州の製造品出荷額の全国シェアは6.5%ですが、地場産業である家具の全国シェアは9.1%、大川家具の産地大川市は2.5%を占めています。

【九州の地場産業】

高速道路 IC へのアクセス時間と産業活性化

資料:工業統計表

●九州の農業粗生産額は減少していますが、高速道路 IC への所要時間が90 分以内の市町村では九州平均を上回る伸び(H10/H7)を示しています。

資料:農林センサス(H7、H10)

【高速道路 IC への所要時間と農業粗生産額の伸び(H10/H7)】

0.94

0.970.96

0.90 0.89

0.80

0.85

0.90

0.95

1.00

1.05

30分以内 31~60分 61~90分 91~2時間 2~3時間

九州平均の伸び(0.94)

資料:工場立地動向調査

1.02

1.11

0.98 0.97 0.96

0.70

0.80

0.90

1.00

1.10

1.20

30分以内 31~60分 61~90分 91~2時間 2~3時間

九州平均の伸び(1.02)

●また製造業については、高速道路 IC への所要時間が 60 分以内の市町村では製造品出荷額等が増加しています。

●全国の工場立地状況をみても高速 IC から 40km(60 分:旅行速度40km/h 換算)以内が全体の95%を占めています。

【高速 IC への所要時間と工場立地件数シェア】

33339999....7777%%%%

22226666....6666%%%%

11118888....7777%%%%

7777....0000%%%%2222....5555%%%% 1111....7777%%%% 3333....9999%%%%

0%

10%

20%

30%

40%

50%

0~5km 5~10km10~20km20~30km30~40km40~50km50km以上

高速IC距離帯別の工場立地件数(全国:H12

資料:工業統計(H7、H10)

【高速 IC への所要時間と出荷額の伸び(H10/H7)】

6.5

2.8

9.1

11.5

0

2

4

6

8

10

12

14

製 造 品出荷額総額

家具 食料品 繊維

(%)

【製造品出荷額の全国シェア(H11)】

資料:財団法人九州経済調査協会「21世紀の九州・山口経済社会事典」

都市間、都市地方間の連携強化による九州の活力強化と地域自立の支援

個性ある地域産業活動(地域づくり)の支援  観光周遊ルートの形成

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- 23 -

33

429

993

0

200

400

600

800

1000

1200

1時間 2時間 3時間

(万人)

377

817

1012

0

200

400

600

800

1000

1200

1時間 2時間 3時間

(万人)

九州11%

その他89%

1)道路整備を取り巻く社会情勢

【福岡市の交流人口(H12)】

【九州の国立公園・国定公園】

都市部 、地方部間の 交流格差

● 福岡市と阿蘇くじゅう国立公園内に位置する一の宮町を対象に時間圏を比較評価すると、両市町に道路整備の遅れなどによる格差が生じています。

● その結果、交流人口にも大きな格差が生じ、一の宮町の交流人口は1時間圏で福岡市の約 1/10、2時間圏で約 1/2 にとどまっています。

豊かな自然(観光業)

● 九州には、世界最大のカルデラを有する阿蘇山や世界遺産に登録された屋久島など、特色ある美しい自然が観光資源のひとつとなっています。

● また、全国の国立公園 28 公園、国定公園 55 公園のうち、4 つの国立公園と 9 つの国定公園が九州に広がり、自然公園面積も全国の約13%を占めています。

【一の宮町の交流人口(H12)】

【一の宮町を中心とした時間圏(H12)】【福岡市を中心とした時間圏(H12)】

資料:九州地方整備局九州幹線道路調査事務所資料

【観光客数の全国シェア(H11)】

● このような豊かな自然を有する九州を訪れる観光客は、全国の約1割を占めています。

都市間、都市地方間の連携強化による九州の活力強化と地域自立の支援

資料:九州地方整備局九州幹線道路調査事務所資料

資料:各都道府県   日本観光協会「全国観光動向-都道府県別観光地入込客数統計」

注)全国値は都道府県が推計している観光地入り込み客数の合計

資料:国勢調査 資料:国勢調査

個性ある地域産業活動(地域づくり)の支援  観光周遊ルートの形成

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- 24 -

地方部の農林水産業や地場産業、観光業を支援し、地方の自立を促すため、地域産業を支える道路整備を進めて

いく必要があります。

主要観光地

60分圏外14%

60分圏内86%

工場適地

60分圏外12%

60分圏内88%

耕地面積(H12)

60分圏外25%

60分圏内75%

2)道路整備に対するニーズ

4)道路整備の方向性と施策の展開

● 地域産業を支える高いサービスネットワーク・高規格幹線道路の整備・地域高規格道路の整備

3)道路整備の現状と課題

● 九州の耕地面積の約25%が高速道路IC から 60 分圏外にあります。● また、工場適地(島嶼部除き209箇所)の約12%が高速道路IC から 60 分圏外に位置しています。● さらに、九州の主要な観光地(年間観光入込客数が 100 万人以上)の約 14%が高速道路 IC の 60

分圏外となっています。

●製造業では、約 80%の事務所が 60分!

【事務所から高速道路 IC までの許容時間(製造業)】

資料:国土交通省九州地方整備局 企業アンケート調査結果

●農林水産業では、約 80%の事業所が60 分!

●観光業では、約 90%の主要観光地が 60分!

● 都市へのアクセシビリティの向上   ・信頼性のあるフィーダー道路

【高速道路 IC への 60分圏】

【高速 IC60分圏外の工場適地】

【高速 IC60分圏外の耕地面積(H12)】

【高速 IC60分圏外の主要観光地】

農家人口

60分圏5%

60分圏95%

主要観光地

60分圏

60分圏86%

【高速道路 IC までの許容時間(観光業)】

資料:国土交通省九州地方整備局 企業アンケート調査結果

都市間、都市地方間の連携強化による九州の活力強化と地域自立の支援

注:工場適地とは「工場立地法第2条」に基づき行われる「工場適地調査」の結果、工場が立地するにふさわしい適地として工場立地調査簿に登載されたもの。

【事務所から高速道路 IC までの許容時間(農林水産業)】

資料:国土交通省九州地方整備局 企業アンケート調査結果

11.9%16.1%

31.0%

19.0%

8.9% 9.5%3.0% 0.6%

11.9%

100.0%99.4%96.4%

86.9%

78.0%

58.9%

28.0%

0.0%

20.0%

40.0%

60.0%

80.0%

100.0%

10分位まで 20分位まで 30分位まで 1時間位まで 1時間30分位まで 2時間位まで 3時間位まで その他0.0%

20.0%

40.0%

60.0%

80.0%

100.0%

割合

累計

13.9%

21.1%

32.3%

10.9%5.8%

8.5% 6.8%0.7%

13.9%

100.099.3%

92.5%

84.0%78.2%

67.3%

35.0%

0.0%

20.0%

40.0%

60.0%

80.0%

100.0%

10分位まで 20分位まで 30分位まで 1時間位まで 1時間30分位まで 2時間位まで 3時間位まで その他0.

20

40

60

80

10

割合

累計

12.0%

29.4% 32.0%

14.7%

3.4% 4.8% 3.4%0.2%

12.0%

100.099.8%96.4%

91.6%88.2%

73.5%

41.4%

0.0%

20.0%

40.0%

60.0%

80.0%

100.0%

10分位まで 20分位まで 30分位まで 1時間位まで 1時間30分位まで 2時間位まで 3時間位まで その他0.0%

20.0%

40.0%

60.0%

80.0%

100.0%

割合

累計

個性ある地域産業活動(地域づくり)の支援  観光周遊ルートの形成

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- 25 -

都市間、都市地方間の連携強化による九州の活力強化と地域自立の支援

● 都市内においては、人々は多様な交通機関を利用して日常生活のための活動を行っています。

● 都市内の地理的、地形的条件や公共交通網の整備状況により、交通機関の利用特性は様々です。

1)道路整備を取り巻く社会情勢

*中心市街地の活性化

都市部への人口集中と高齢化の進行

● 良好な市街地環境の形成を目指す都市計画区域は九州の全面積の約 25%にすぎませんが全人口の 80%以上が集中して居住しています。

● 都市部の中でも中心市街地を含む既成市街地(DID)の人口密度は周辺地域に比べて極めて高いものとなっています。

【都市計画区域の面積と人口の占める割合】 【都市圏別機関分担状況(パーソントリップデータ)】

資料:平成 12年国勢調査  平成 13年都市計画年報 資料:「都道府県の将来推計人口」(国立社会保障・人口問題研究所、H14.3

【年齢区分別構成比】

資料:「平成 13年 都市計画年報」

【市街地と地方部の人口密

● 都市部においても高齢化の進行及びとしないにおける高齢人口の増加が進みます。(2025 年ピーク)

資料:「都道府県の将来推計人口」国立社会保障・人口問題研究所、H14.3

【年齢区分別人口の推移】

都市部での利用交通機関

資料:都市計画ハンドブック(都市計画協会)

83.3

24.5

16.7

75.5

都市計画区域 その他の地域

0% 20% 40% 60% 80% 100%

人 口

面 積

凡例

319

70

1,086

468

5,668

0 1,000 2,000 3,000 4,000 5,000 6,000

全九州平均

都市計画区域外

都市計画面積

DID周辺

DID

(人/km)

30.7

19.9

57.2

64.7

12.1

15.4

高齢人口 生産年齢人口 年少人口

0% 50% 100%

凡 例

2025

2000 13,445千人

12,618千人

3,763

3,798

3,749

3,523

3,163

2,951

2,674

6,989

7,225

7,503

7,891

8,343

8,557

8,702

1,487

1,595

1,696

1,784

1,853

1,932

2,069

2030

2025

2020

2015

2010

2005

2000

老年人口 生産年齢人口 年少人口

13,446

13,441

13,359

13,198

12,948

12,620

12,239

8.3

8.1

5.2

4.8

12.7

5.5

51.7

54.6

43.9

59.3

34.9

55.6

49.1

13.0

19.2

17.5

17.1

7.1

23.1

13.4

25.7

21.0

31.7

17.6

43.9

17.9

23.6

0.2

0.4

0

0.1

0.3

0.1

0.1

1.3

0.7

1.7

1.1

1.1

1.1

鉄道

4.1

2.2

バス市電 自動車 二輪車 徒歩 その他

0% 20% 40% 60% 80% 100%

鹿児島都市圏 1990

宮 崎都市圏 1981

大 分都市圏 1983

熊 本都市圏 1997

長 崎都市圏 1996

佐 賀都市圏 1987

北 部九州圏 1993

凡 例

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- 26 -

51.6%

57.1%

50.6%

60.4%

53.3%

57.3%

50.8%

61.5%

0% 50% 100%

都市計画区域内

用途地域内計

DID外

DID内 九州

全国

【都 心】福岡都市高速1号線(天神北ランプ) ~渡辺通4丁目 (約1km 約20分) 平均渋滞長 約1km

【都市部】福岡都市高速2号線(太宰府IC) ~福岡高速1号線(天神北ランプ) (約14.5km 約12分)

【都市間】大分自動車道(大分IC) ~九州自動車道(太宰府IC) (約142.7km 約106分)

大分市内から大分自動車道(大分IC)まで (約4km 約12分)

都市間

都心内BA E

都市間、都市地方間の連携強化による九州の活力強化と地域自立の支援

● 高齢化が進行し、また、高齢人口の増加が依然として進むなかにあっては、身体障害者を含む移動制約者の行動の安全性と安心さを確保できるよう交通施設全般にわたるバリアフリー化の実施が急務です。

● 特に、交通結節点となる鉄道駅については、乗り継ぎ利便性の向上のための駅前広場の整備や、鉄道線によって分断された両市街地間の交流を円滑化し、日常生活行動の負担の軽減や中心市街地活性化に寄与できるようなバリアフリー化された自由通路の整備が必要です。

2)道路整備の現状と課題

*中心市街地の活性化

● 都市においては、都市部及び周辺地域がともに享受できる都市的サービスの機能集積が必要です。

● しかしながら、商業施設の郊外展開なども相まって中心市街地の衰退や空洞化が進行しています。

● そのため、中心市街地活性化の基盤となる道路や、良好な居住環境もしくは高次な商業・業務施設等の都市機能を図るには、一体的に整備できる市街地開発事業(土地区画整理事業、市街地開発事業等)の実施が効果的です。

【都市計画決定された駅前広場の供用率】

資料:「平成 13年 都市計画年報」

【市街地(用途地域)の面整備状況】

【地方から都市への移動時間の内訳(大分市~福岡市天神間 夕方ピーク時天神着)】

資料:「平成 13年 都市計画年報」

【市街地(用途地域)内の幹線街路の整備状況】

資料:「平成 13年 都市計画年報」

● 大分市(地方)と福岡市(都市)を連絡する高速バスの運行状況を見ると、高速道路及び都市高速道路 IC までの都市内幹線道路走行時間が全走行時間(150 分)の約 2 割を占めています。特に福岡市内の渋滞は著しく、1 ㎞の移動に 20分もの時間を要しています。

● このため、都市部においては、都市機能の集積の効果を効率的に地方部へ波及できるようにするため、広域的なアクセス交通網ばかりでなく、これらと一体的に構成されるアクセス性の高い都市内交通体系の整備が必要です。

● さらには、多様な交通機関の利用利便性の向上を図るために、路線バスを含む自動車交通の円滑性の確保や交通結節点となる鉄道駅へのアクセス性向上のため、幹線街路網のよりいっそうの整備が必要です。

3)道路整備の方向性と施策の展開

都市部における都市機能集積を図るための市街地活性化や、都市部と地方部との連携

を強化するためのアクセス性の高い都市内交通体系の整備を図る必要があります。

● 都市内のアクセス向上・ 市街地へのアクセス道路整備・ 市街地内道路の整備

● 中心市街地活性化を支援する道路整備・ 区画整理等の面的整備・ 駅前広場の整備・ 駐輪、駐車場の整備・ 歩行者ネットワークの整備・ トランジットモールの整備

82.8%

14.2% 3.0%

0% 50% 100%

施工中施工済

面整備:土地区画整理事業による

大分市内(A~B) 福岡市天神内(D~E) 3分/km 20分/km

※ 渋滞長は、停止線から自由走行ができずに徒歩速度(4km/h)以下になっている車両の最後尾までの距離である。

50.2

64.3

供用

49.8

35.7

未供用

0% 20% 40% 60% 80% 100%

凡 例

箇 所

面 積

126箇所 127箇所 253箇所

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都市間、都市地方間の連携強化による九州の活力強化と地域自立の支援

● 世界最先端の IT国家を目指すとともに、地方部において、都市部並みの情報機会を提供すべく、光ファイバー網の整備を進めていきます。

・ 道路管理者光ファイバー整備率(直轄)・・・約 93%・ 光ファイバー収容空間整備率・・・約 94%

1)道路整備を取り巻く社会情勢

*情報ハイウェイ構築の支援

e-Japan 戦略

● 政府の IT 戦略会議と IT 戦略本部が決定した「IT 基本戦略」(平成 12 年 11 月)では、「5年以内に世界最先端のIT国家となること」を目標に掲げています。

【九州地方整備局管内 光ファイバーネットワーク図】

資料:

e-Japan重点計画概要

IT基本戦略

e-Japan重点計画

すべての国民がITのメリットを享受できる社会

経済構造の改革の推進と産業の国際競争力の強化が実現された社会

ゆとりと豊かさを実感できる国民生活と個性豊かで活力に満ちた地域社会が実現された社会

地球規模での高度情報通信ネットワーク社会の実現に向けた国際貢献が行われる社会

2000年 11月 27日IT戦略会議

5年以内に世界最先端のIT

e-Japan戦略

2001年 1月 22日第1回IT戦略会議本部決定

○e-Japan戦略を具体化○政府が迅速かつ重点的に実施すべき施策の全容を明示

基本的な方針

日韓 IT 光コリドープロジェクト

● 日韓 IT 光コリドープロジェクトは、平成 13年 3 月の「日韓 IT 協力イニシアティブ」の政府間合意に基づき、勧告全国経済人連合会と九経連が共同で進めるプロジェクトです。

● 日韓共催ワールドカップに間に合うよう、福岡・釜山間約 250 ㎞を無線継方式光ファイバ海底ケーブルで連携します。

2)道路整備の現状と課題

● 光ファイバー収容空間の整備・ 情報ボックス・ 電線共同溝・ 共同溝

3)道路整備の方向性と施策の展開

均等な情報機会を提供するため、情報ハイウェイ構築の支援を図る道路整備を進める必要があります。

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- 28 -

安心して暮らせる地域の実現

1)地域を取り巻く社会情勢 2)道路整備に対するニーズ

● 九州は梅雨及び台風等の多雨期に地すべり等の自然災害が多く、全国の土砂災害の約6割以上が九州で発生しています。● また、活動的な火山が多く存在することから、雲仙普賢岳噴火災害に代表される火山災害も過去数多く発生しています。

道路の管理の充実  道路の防災対策・危機管理の充

【地域別台風接近回数の平均】

● 企業アンケート調査結果によると、高速道路 IC まで許容できる迂回時間(交通規制時における迂回のために余計にかかる時間)は 60 分以内と回答した事業所が約9割を占めています。

● また、利用者満足度調査結果によると「大雨等の異常気象時の道路利用」に不満(やや不満を含む)を持つ人は約4割存在し、その理由として「代替道路がない」ことが 1 位にあげられています。

資料:国土交通省九州地方整備局 CS調査結果

【大雨等の異常気象時における道路利用の満足度】

37.0%

27.6% 27.2%

27.2%

23.3% 12.5%

35.8%

9.4%

0% 20% 40% 60% 80% 100%

1

2

満足 やや満足 どちらともいえない やや不満 不満

やや不満を含むやや満足を含む

48.2%

39.5%

29.5%

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60%

代替道路がない

地すべり・がけ崩れが不安

その他 複数回答

不不不不満満満満のののの内内内内容容容容

0.0

1.0

2.0

3.0

4.0

5.0

6.0

7.0

8.0

北海

東北

関東

東海

近畿

中国

四国

九州

沖縄

1.2

2.2

3.73.2 3.1

2.83.2

4.9

7.31961~1990年資料

関東・甲信には伊豆諸島を含む九州には山口県・奄美諸島を含む

(件)

【九州地方の地形災害】

【事業所から高速 IC まで許容できる迂回時間】

多発する自然災害

【全国と九州の土砂災害発生件数の比較】

土砂災害:土石流、地すべり、崖崩れ

土砂災害

0

500

1000

1500

2000

2500

3000

3500

4000

4500

H元 H3 H5 H7 H9 H11 H13 平均

件数(件/年)全国九州

全全全全国国国国のののの土土土土砂砂砂砂災災災災害害害害発発発発生生生生件件件件数数数数のののの6666割割割割以以以以上上上上がががが九九九九州州州州内内内内

資料:国土交通省九州地方整備局 企業アンケート結果

出典:日本地誌

16.8% 17.7%

34.7%

19.6%

4.2% 4.5%1.9% 0.6%

16.8%

34.5%

69.2%

100.0%99.4%97.5%93.1%

88.8%

0.0%

20.0%

40.0%

60.0%

80.0%

100.0%

10分位まで 20分位まで 30分位まで 1時間位まで1時間30分位まで2時間位まで 3時間位まで その他

割合累計

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- 29 -

3)道路整備の現状と課題

【高速道路IC60 分圏】

● 九州では、異常気象時や災害発生時における全面通行止めがH3~H12 の 10 年間で428回(直轄国道のみ)発生しています。

● こうした道路の通行止めは地域の産業に大きな損害を及ぼしており、国道220号、国道226号沿線都市ではそれぞれ約38億円(H3~H12 の 10 ヶ年の合計)、約6億円( 〃 )の営業損失が発生しています。

● 全面交通止めが発生している地域の中には、許容時間である「高速道路 IC への 60 分圏」から外れているところもあり、災害時の迅速かつ確実な輸送ルート確保が求められます。

【直轄国道における全面通行止めの状況】

資料:国土交通省九州地方整備局

32 29

124

7

51 51

81

1428

11

0

20

40

60

80

100

120

140

H3 H4 H5 H6 H7 H8 H9 H10 H11 H12

(箇所数)(回数)

【災害履歴図(全面通行止め1日以上:H3~H

資料:国土交通省九州地方整備局

安心して暮らせる地域の実現

【緊急輸送ネットワーク】

● 災害時の避難・救助をはじめ、物資の供給、諸施設の復旧等広範な応急対策活動を広域的に実施するために重要な路線を緊急輸送道路として定めています。

● しかしながら、災害が多発する九州では、国道 220 号など全面通行止めが発生している区間も緊急輸送道路として定めざるを得ない状況にあり、災害時の緊急輸送路として機能しないケースも想定されます。

*道路の管理の充実  道路の防災対策・危機管理の充実

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- 30 -

 

*道路の管理の充実  道路の防災対策・危機管理の充実

3)道路整備の現状と課題

● また、災害発生時のライフライン確保のため、電線共同溝等を設置し、電線や光ファイバーの地中化を進めています。

● さらに、IT を活用し、防災管理の情報化や地域と連携した防災管理体制などソフト面からの防災対策にも取り組んでいます。

① 情報BOX全体 1900km に加え電線共同溝等 89km (内 32km 完成(36%)

【情報ハイウェイにつ

4)道路整備の方向性と施策の展開

● リダンダンシーの確保 ● 震災対策・高規格幹線道路の整備 ● 広域管理体制・防災管理体制の強化など・地域高規格道路の整備 ● ライフラインの確保

● 緊急輸送路の確保   ・電線の地中化● 道路の維持・管理の充実   ・共同溝の整備● 防災対策

九州は自然災害の頻度が高く、災害による通行止めが多発しています。ナショナルセキュリティ

確保の観点から、リダンダンシーの確保、既存ストックの有効活用などを図りながら、自然災害

に強い道路網整備を進める必要があります。

【防災監視システム 概略図】

【防災TV カメラ(CCV)システム】

【空港・港湾へ2車線道路にてアクセス可能な市町村】

● 離島部は本土部に比べ、2車線道路の整備率が低い状況にあります。● そのため、本土部との窓口となる空港、港湾へ2車線道路でアクセス可能な市町村は空港で約2割、港湾で約5

割にすぎません。● これらの幹線道路で災害が発生した場合、本土からの交通が途絶し、食品や日用品等の物資の輸送が途絶え、日

常生活に多大な影響を及ぼすこととなります。

安心して暮らせる地域の実現

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- 31 -

 

1)道路整備を取り巻く社会情勢

● 九州における第三次救急医療施設は、県庁所在都市や政令指定都市を中心に立地しており、地方部では高度医療サービスを受けにくい環境にあります。

● また、介護サービス(65 歳以上人口 10 万人当り介護事業所数)も、人口2万人未満の市町村では全国平均を下回っており、高齢化が進展する地方部でのサービスが低い状況にあります。

2)道路整備に対するニーズ

【九州における第三次医療施設】

【都市規模別介護サービス】(65歳以上人口10万人当り介護事業所数)

18.6

18.2

20.4

18.2

19.4

18.4

17.0

17.5

17.5

12.5

11.5

6.3

0.0 5.0 10.0 15.0 20.0 25.0

  人口100万人以上

   50~100万人未満

    30~ 50

    20~ 30

    10~ 20

    5~ 10

    4~ 5

    3~ 4

    2~ 3

    1~ 2

   5千~ 1万

   5千人未満

平均17.2

資料:「訪問看護統計調査」厚生労働省

● 国土交通省九州地方整備局で実施した住民アンケート調査によると、第三次医療施設などの高度な医療施設まで1時間以内であれば許容できると回答した人が、全体の 90%以上を占めています。

● 九州では災害が多発していますが、世論調査による災害時の不便内容の第2位に「医療機関への移動の障害」があげられており、災害時の救急搬送への対応が求められています。

資料:「高齢者の生活と意識に関する国際比較調査(H12)」内閣府

【高齢者に対する重要な施策や支援】

67.8%

57.3%

54.1%

33.2%

30.6%

23.5%

23.1%

23.1%

18.4%

15.7%

0% 20% 40% 60% 80%

働く場の確保

公的な年金制度の充実医療サービスの整備、充実

介護や福祉サービスの整備、充実高齢者に配慮したまちづくり

高齢者向けの住宅の整備、充実

事故や犯罪防止の対策老後の個人的な財産形成の充実

ボランティア活動学習の場の確保

高齢者の人権についての理解

資料:国土交通省九州地方整備局 住民アンケート結果

【自宅から国立病院等の高度医療施設までの許容時間】

高次医療・介護サービスの享受

● また、高齢者(60 歳以上)にとって重要な政策や支援として「介護や福祉サービスの整備、充実」をあげた高齢者が5割を超え、介護・福祉への関心が高いことがわかります。

資料:「道路に関する世論調査(H13)」内閣府

【災害時における不便の内容】

56.4

46.8

30.6

29.6

28.0

0 20 40 60

緊急・救急車両の到着の遅れ

医療機関への移動の障害

通勤・通学の障害

日常品の買い物の障害

緊急避難先への移動の障害(複数回答)

注)上位5項目のみ記載

安心して暮らせる地域の実現

22.3%

31.9% 30.7%

12.0%

2.1% 0.4% 0.4% 0.2%

22.3%

54.3%

85.0%

100.099.8%99.4%99.0%96.9%

0.0%

20.0%

40.0%

60.0%

80.0%

100.0%

10分位まで 20分位まで 30分位まで 1時間位まで 1時間30分位まで 2時間位まで 3時間位まで その他0.0%

20.0%

40.0%

60.0%

80.0%

100.0

割合

累計

● 九州のホームヘルパー延べ利用者数は H7 から H10に 1.87 倍の伸びを示しています。

● 地方中心都市への所要時間別に訪問介護の伸びを見ると 60 分以内でその伸びが高いことがわかります。

1111....99991111

1111....666600001111....66665555

1111....88886666

1.40

1.50

1.60

1.70

1.80

1.90

2.00

30分以下 31~60分 61~90分 91分以上

九九九九州州州州平平平平均均均均((((1111....88887777))))

【地方中心都市への時間と訪問介護需要の伸び(H10/H7)】

資料:「老人保健福祉マップ(H7,H10)」厚生労働省

注:地方中心都市とは地方生活圏の中心都市(島嶼部除く)

*地域医療の支援

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- 32 -

 

3)道路整備の現状と課題

● 九州には、第三次救急医療施設まで60分以上を要する地域が地方部(中山間地域)に136市町村分布しており、そこに九州全人口の約16%が居住しています。

【第三次救急医療施設への 60分圏】

【第三次医療施設への60分圏外人口】

【地方中心都市への60 分圏】

【地方中心都市への60分圏外高齢者人口】

● 介護サービスが充実している地方中心都市まで60分以上要する市町村も地方部(中山間地域)であり、そこに約5%の高齢者が居住しています。

【災害時に孤立する可能性がある自治体(宮崎県北部)】

人口(H12

60分圏外16%

60分圏内84%

高齢人口(H12)

60分圏外5%

60分圏内95%

● 九州には、市町村の中心(市町村役場)から第三次救急医療施設が立地する県庁所在都市への主要経路内に、未改良の一車線道路がある市町村が多数存在しています。

● 特に、宮崎県北部に位置する椎葉村、南郷村、北郷村、西米良村においては、周辺市町村と連絡する国道は未改良区間の多い1車線道路です。これらの国道で災害が発生し交通が途絶した場合、前述の4村は周辺市町村への連絡道路が途絶え孤立してしまう可能性があります。

● そのため、災害時に求められる医療機関への移動も途絶してしまいます。

安心して暮らせる地域の実現

資料:国勢調査

資料:国勢調査

注:地方中心都市とは地方生活圏の中心都市を意味し、右図では平戸市の人口 2.3 万人が最小となっている。(島嶼部除く)

*地域医療の支援

● また、長崎県離島部においても、第二次救急医療施設と連絡する道路に一車線道路がある市町村が約5割存在しており、地域医療を支援する上でも2車線道路での整備が求められます。

【第二次救急医療施設等へ2車線道路で      アクセス可能な市町村(長崎県離島部)】

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- 33 -

安心して暮らせる地域の実現

地域医療の支援

4)道路整備の方向性と施策の展開

● 地域医療を支える高いサービスネットワーク・高規格幹線道路の整備・地域高規格道路の整備・離島部における地域道路の整備

● 都市へのアクセシビリティ向上● 広域管理体制・防災管理体制の強化● ライフラインの確保

・電線類の地中化・共同溝の整備

● リダンダンシーの確保・地方部主要経路線の2車線化・代替路の整備

地方部における公平な高次医療・福祉サービス享受の観点から地域医療を支えるネットワーク整備や、救急医

療への対応が必要な災害発生時におけるリダンダンシー確保など、安心して暮らせる地域の実現に向けた道路

整備を図る必要があります。

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都市機能の向上と安全で快適な生活空間の確保

1)道路整備を取り巻く社会情勢

● 九州は全国平均を上回るスピードで高齢化が進んでいます。(全国より、約5年早い九州の高齢化)● そのため、九州における運転免許保有者数は微増傾向にあるものの、高齢者の免許保有者数は急増してい

ます。

都市圏の交通円滑化の推進(渋滞対策)  拠点都市の機能高度化 交通機関相互の交通結節点強化

【高齢化率の推移】

2)道路整備に対するニーズ

● 高齢者(60 歳以上)の5割が地域社会への参加を望んでおり、今後、外出する高齢者は増加すると考えられます。

● しかし、九州における利用者満足度調査によると高齢者や障害者の方の「主要駅周辺における歩き易さ」について約6割の方が不満を持っています。

● 不満の理由としては「歩道の狭さ」「凸凹や段差の存在」に対する指数が高くなっています。

33332222....6666%%%%44447777....9999%%%%

11115555%%%%

4444....8888%%%%

参加したいが、事情があって参加できない

参加したい

参加したくない

わからない

高齢者の社会参加意欲

資料:「高齢者の地域社会への参加に関する意識調査(H10)」総務庁

【高齢者の社会参加意欲】

資料:国土交通省九州地方整備局 CS調査結果

【高齢者の外出時の歩きやすさの満足

68.3%

67.0%

38.1%

36.0%

23.0%

19.6%

6.8%

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80%

歩道が狭い

デコボコや段差がある

障害物が多い

横断がしにくい

案内標識等が不十分

道路の勾配がきつい

その他

不不不不満満満満のののの内内内内容容容容

15.3%

12.6% 25.7%

25.7%

40.5% 18.6%

59.1%

2.6%

0% 20% 40% 60% 80% 100%

1

2

満足 やや満足 どちらともいえない やや不満 不満

やや不満を含むやや満足を含む

複数回答

【車の流れに対する満足度】

資料:国土交通省九州地方整備局 CS調査結果

29.7%

22.2% 24.1%

24.1%

35.4% 10.7%

46.2%

7.5%

0% 20% 40% 60% 80% 100%

1

2

満足 やや満足 どちらともいえない やや不満 不満

やや不満を含むやや満足を含む

72.2%

49.4%

23.6%

21.4%

19.2%

18.0%

16.6%

4.1%

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80%

ラッシュ時の車が多すぎる

特定場所で車が集中する

信号のタイミングや連携が悪い

違法駐車が多い

道路の数が足りない

休日に車が多すぎる

到着時間が読めない

その他

複数回答

不不不不満満満満のののの内内内内容容容容

● 九州における利用者満足度調査結果によると「車の流れ」に対して不満を持つ人が約5割を占め、その理由としては「ラッシュ時の車の多さ」が第一位となっています。

● また、「道路の環境」については、不満を持つ人が約4割を占め、その理由としては「自動車の騒音のひどさ」が第一位となっています。(P40【道路の環境に対する満足度】参照)

17.3%

19.9%17.1%

14.3%

12.1%10.8%

9.7%8.5%

7.1%7.9%

9.1%10.3%

12.0%14.6%

5%

7%

9%

11%

13%

15%

17%

19%

21%

S45 S50 S55 S60 H2 H7 H12

全国九州

5年先を行く九州の高齢化

九州全国

高齢化の進展

【九州における運転免許保有者数の推移】

都市部の生活環境の悪化

資料:国勢調査

【九州の直轄国道の渋滞損失額(H9)】● 九州では自動車保有台数が増加しています。● 自動車交通は都市部に集中しており、交通渋滞が

市民生活に多大な損失を与え、大きな社会問題となっています。

● また、大量の自動車が走行する際に発生する自動車騒音は、都市住民の快適な生活環境を阻害しています。

【九州における自動車保有台数の推移】

90

100

110

120

130

H8 H9 H10 H11年別

指数 全体高齢者男性女性

528

642

764

847

0

300

600

900

S60 H2 H7 H12

(万台)

資料:自動車保有車両数((財)自動車検査登録協力会)

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- 35 -

上記計画は、地方部において、現在分散している各路線バス停を一箇所に集約し、利便性の向上を図ることを目的とし、実施するものです。

3)道路整備の現状と課題

● 九州における広幅員歩道の設置率(県道以上対象)は全体の約1割(約 2,040km)、直轄国道における電線類の地中化率も、全体の約2%(36km)にすぎない状況です。

【広幅員歩道の設置率】      【電線類の地中化率】  

資料:国土交通省九州地方整備局

3m未満91.5%

3m以上8.5%

県道以上L=24,113k

未整備98.3%

地中化整備1.7%

直轄国道L=2,150km

※ 広幅員歩道・・・幅員3m以上

資料:H11 道路交通センサス

【直轄国道の混雑度(H11)】

都市圏の交通円滑化の推進(渋滞対策)  拠点都市の機能高度化 交通機関相互の交通結節点強化

● その目的のひとつである高齢者ドライバーの快適な移動を支援する『ゆずり車線』(直轄国道で約2km余り)の整備を進めています。

● また、高齢者、ハンディキャッパーの戸外生活を支援する『道の駅』、『トイレ案内標識』の整備、さらには『トイレマップ』の作成を行っています。

● 地方部において高齢者の足となるのはバス交通です。そのため、地方部における公共交通機関との連携強化策の一環として、バス路線フレッシュアップ計画等を実施しており、バス利用の利便性向上に役立つ道路整備を実施しています。

【鹿児島市バス路線フレッシュアップ計画事例】 【山鹿バスの駅周辺地区整備事例】

都市部

● 九州では、197 箇所の交差点で著しい交通渋滞が発生しており(主要渋滞ポイント)、その約5割は県庁所在都市周辺で発生しています。

● また、踏切待ちの交通が滞留し渋滞が発生しているボトルネック踏切が 28 箇所あります。

● 九州内主要都市間を連絡する直轄国道では、交通渋滞が発生しており、特に県庁所在都市周辺で混雑度が高くなっています。

● このように多くの自動車が走行する幹線道路沿線では、夜間の騒音基準(65dB)を達成していない箇所が約7割あります。(P41【騒音レベル超過状況(距離ベース)】参照)

資料:道路交通センサス

地方部

【新幹線路線図】

● 新幹線や高速バスネットワーク等の整備進捗により、今後、高速交通機関の選択肢が増加します。

● これらの公共交通機関と道路、さらには公共交通機関相互の連携を強化することにより、自動車交通から公共交通機関への転換を促し、渋滞緩和に向けた自動車交通の削減を進める必要があります。

出典:西日本新聞社「九州データ・ブック 2002」

都市機能の向上と安全で快適な生活空間の確保

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1)道路整備を取り巻く社会情勢

26%

8%

6%3%11%

10%

8%

8%3%

11%6%

39%

44%17%

道路構造関係交通状態関係

道路施設関係人的要因95%

道路環境要因5%

その他

急勾配・急カーブ等視距不十分合流・分岐深いわだち等その他施設の不足、不備道路照明無し等信号機無し等横断施設無し等歩道設置無し等渋滞路上工事

資料:国土交通省九州地方整備局

4)道路整備の方向性と施策の展開

● バリアフリー歩行空間整備● 交通結節点のバリアフリー化● コミュニティ・ゾーンの形成● 電線類の地中化● 渋滞の緩和とボトルネック踏切の解消● マルチモーダル交通連携事業● 各種交通機関の結節点におけるシームレス化● バス路線フレッシュアップ計画        

・バスレーンカラー舗装・幅の広い歩道・パーク&ライド駐車場・サイクル&ライド駐輪場・ハイグレードバス停・マウントアップ型歩道・道路案内標識・道路情報提供装置・ポケットパーク・歩道連絡通路

                   など

今後、全国平均を上回る九州の高齢化に向け、高齢者の社会活動を支援する道路環境の整備が必要です。ま

た、選択肢の増える交通機関へのアクセシビリティを強化する他、交通渋滞対策による都市部での快適な生

活環境を確保することも重要です。

都市圏の交通円滑化の推進(渋滞対策)拠点都市の機能高度化 交通機関相互の交通結節点強化

安全な生活環境の確保

● 我が国の交通事故による年間死傷者数は年々増加しており、平成 12 年においては約 116 万人(内死者数9,066 人)、この内、九州は約12%の 14 万人(内死者数991人)を占めています。

● 高齢者が関連する交通事故も増加傾向にあり、平成 10 年においては、九州における交通事故死者数の約4割が高齢者で占められ、全国に比べ高い割合となっています。

● なお、九州の直轄国道における交通事故の要因は人的要因が 95%、道路環境要因が 5%となっています。この 5%の道路環境要因の内訳をみると、急勾配・急カーブ等の「道路構造」、歩道や照明施設がない等の「道路施設」が全体の約8割を占めています。

増加する交通事故

【高齢者(65歳以上)死者数の割合】

0

200,000

400,000

600,000

800,000

1,000,000

1,200,000

1,400,000

H1 H2 H3 H4 H5 H6 H7 H8 H9 H10H11H12

(人)

116万人(内死者9066人

資料:財団法人交通事故分析センター「交通統計」

【道路環境要因による交通事故発生要因(直轄国道)】

【交通事故死傷者数の推移(全国)】

22.7

27.4

34.5

26.6

34.2

38.8

0

10

20

30

40

H元 H5 H10

全国九州

(%)

資料:財団法人交通事故分析センター「交通統計」

都市機能の向上と安全で快適な生活空間の確保

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- 37 -

 

50.4

27.6

0

20

40

60

80

100

九州 全国

(%)

3)道路整備の現状と課題2)道路整備に対するニーズ

安全な生活環境の確保

● 「道路に関する世論調査」では生活者にとって道路や自動車の通行による迷惑事項として「交通事故の危険」を上げた人が約4割と2番目に高く、交通事故に対する関心は高いものがあります。

4)道路整備の方向性と施策の展開

● 事故多発箇所対策● わかりやすい道路案内● 幹線道路における分離帯設置

増加している交通事故の削減を図るため、交通事故多発箇所への対策等、安

全な生活環境の確保の実現へ向けた道路整備を進める必要があります。

● 九州では事故多発地点が316箇所存在し、交通事故損失額は 2,486 億円に達しています。

・交通事故損失額…2,486億円

・ 事故多発箇所…316箇所(うち直轄分157箇所)

● 全国の交通事故多発地点を沿道状況別に整理すると、交差点部についてはDID(人口集中地区)が約8割、単路部においても約5割を占め、交通量の多い道路に集中していることがわかります。また、単路部では、平地や山地にも交通事故多発地点が存在しています。

● 市街地(DID 地区)における多車線道路の中央分離帯設置率は約5割にすぎず、事故要因のひとつとなっています。

注1)交通事故損失額は、負傷者一人あたり 157.7 万円、死亡者一人あたりの賠償額を3,435.7 万円と仮定し算出

(出典;道路投資の評価に関する指針(案))注 2)事故多発箇所とは、平成2~5年の4年間のデータに基づいて、

平成6~7年データを加味し、10年毎に1件以上の死亡事故が再起して発生する可能性が高い箇所(国土交通省)

【道路や自動車による迷惑の内容】

34.0%

18.0%

12.5%

5.7%

43.4%

45.4%

0% 10% 20% 30% 40% 50%

騒音

交通事故の危険

ゴミなどのポイ捨て

振動

大気汚染

電波障害

資料:「道路に関する世論調査(H13)」内閣府

【多車線道路の中央分離帯設置率(H11)】

(一般道路以上対象)

【交通事故多発地点の沿道状況別内訳(全国)】

DID(人口集中地区)

80%

交差点部1,713箇所

その他市街地9%

平地11%

山地 0%

DID(人口集中地区)

49%

単路部1,483箇所

その他市街地17%

平地23%

山地11%

都市機能の向上と安全で快適な生活空間の確保

資料:道路交通センサス

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- 38 -

都市機能の向上と安全で快適な生活空間の確保

● 国土交通省では、特に重要な歴史的・文化的価値を有する道路を「歴史国道」として選定し、保存、復元、活用を図り、歴史文化に触れ合うことのできる道づくりを進めています。

● 九州では、日田往還、長崎街道「日見峠」、薩摩街道「大口筋」において、歴史国道整備が進められています。

● また、古くから残された歴史的町並みを活かした地域づくりの一環として、周辺の景観を考慮した道路整備も行っています。

1)道路整備を取り巻く社会情勢

*多自然的居住地域の基盤形成及び再生

豊かな歴史・風土

● 九州には、異文化との交流が盛んであった長崎を起点とする長崎街道をはじめとして、歴史的まちなみが今も多く残存しています。

● 一方、近代土木遺産も全国の 13.2%にあたる 1,176 箇所を有しており、歴史的遺産が広く分布しています。

【九州の歴史街道】 【長崎街道「日見峠」整備イメージ】

出典;九州地方建設局道路計画第二課 「九州のみち」パンフレット

出典;建設省道路局 「歴史とロマンの体験道づくり 歴史街道」パンフレット

2)道路整備の現状と課題

● 歴史国道整備● 歴史的町並みを活かした道路整備● 歴史・文化施設をつなぐウォーキングトレイルの整備

3)道路整備の方向性と施策の展開

地域固有の歴史と文化を活かした地域づくりを支援するため、これらの資源を活用した道路整備が必要です。

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環境負荷の少ない交通体系の構築

良好な生活環境の形成  循環型社会の支援

● 平成9年、気候変動枠組条約第3回締約国会議(COP3)において、温室効果ガスの排出量を 2010 年前後で 1990 年比マイナス6%を目標とする京都議定書が採択されました。

● 運輸部門では平成 22 年までに 1,300 万㌧のCO2排出削減が求められており、道路整備による走行速度向上に伴う排出量削減(1,000万㌧)にも取組んでいます。

1)道路整備を取り巻く社会情勢

地球温暖化に向けた取り組み

循環型社会実現に向けた取り組み

● 循環型社会形成に向け、容器包装リサイクル法(H9.4 施行)、家電リサイクル法(H13.4 施行)が制定され、現在、自動車リサイクル法について審議が進められているところです。

● リサイクル財を原料に作りかえ、これらを新たに他の産業分野の原料として活用する「エコタウン事業」が展開されています。九州では、北九州、大牟田市、水俣市の3都市が承認を受けており、リサイクルプラントの整備計画が進められています。

【九州のエコタウン指定状況】

2)道路整備に対するニーズ

関心がある40.2%

ある程度関心がある

42.2%

あまり関心がない

13.3%

全く関心がない13.3%

わからない1.1%

【地球環境問題に対する関心】

資料:「地球温暖化防止とライフスタイルに関する世論調査(H13)」内閣府

● 地球温暖化やオゾン層の破壊など、地球規模での環境問題がクローズアップされており、地球環境に対する関心が高まっています。

3)道路整備の現状と課題

● 九州には主要渋滞ポイントが 197箇所、ボトルネック踏切が 28箇所存在しています。● 直轄国道では交通渋滞が発生し、特に県庁所在都市周辺で混雑度が高くなっています。(P35【直轄国

道の混雑度(H11)】参照)● このような交通渋滞による自動車の走行速度低下がCO2排出量を増大させており、渋滞解消に向けた

道路整備を進めていく必要があります。

● 旅客輸送機関では、営業用乗用車や自家用自動車のCO2排出原単位が比較的大きくなっています。

● そのため、旅客をより環境負荷の少ない公共交通へシフトさせ自動車の走行量を削減したり、物流においても環境負荷の少ない大量輸送機関の利用を推進していく必要があります。

【旅客輸送機関のCO2排出原単位】

● なお、地方部においては、公共交通サービスが低いため自家用車を利用せざるを得ない現状にありますが、都市郊外部の乗り替え拠点整備を図るなど、TDM施策により地方部から都市部へ流入する交通を調整する必要もあります。

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良好な生活環境の形成  循環型社会の支援

3)道路整備の現状と課題

● 沿道植栽は、高木約 10 本で乗用車1台分のCO2を吸収することができ、地球温暖化防止に大きく貢献しています。

● 九州の道路の緑化率は県道以上で約 11%となっており、高い水準とはいえません。

● 道路においても、緑のストック増加を図り、「緑のみち」のネットワーク形成を進めていく必要があります。

・幹線道路の緑化率(沿道緑化率:県道以上)…約11%

● エコタウンのリサイクルプラントには、各地からリサイクル財が運ばれてきます。

● しかし、大牟田市エコタウン、水俣市エコタウンは、高速道路などの広域的なネットワークと連絡していません。(P39【九州のエコタウン指定状況】参照)

● そのため、循環型社会の形成に向けては、効率的かつ効果的な静脈物流を支援する道路ネットワーク整備を進めていく必要があります。

4)道路整備の方向性と施策の展開

● 道路交通円滑化施策・ ボトルネック交差点の解消・環状道路の整備・鉄道との立体交差化・渋滞対策       など

● 沿道緑化の推進● 循環型社会の形成   ・静脈物流の円滑化

全国及び世界規模で取り組んでいる地球温暖化問題や循環型社会に対応した道路整備を進めていく必要

があります。

良好な生活環境の形成

1)道路整備を取り巻く社会情勢

排出ガス規制の強化

● 自動車交通量の増大などの理由により、特に従来の自動車NOx 法で対策の目標とした二酸化窒素の大気環境基準の達成が困難になっています。

● また、PMによる大気汚染も依然として厳しい状況にあり、特にディーゼル車から排出されるPMについては、発ガン性の恐れがある物質として国民の健康への悪影響が懸念されています。

● このため、NOxに対する従来の施策をさらに強化するとともに、自動車交通に起因するPMの削減を図るため、改正自動車NOx法が平成 13年6月に成立しました。

【自動車NOx・PM法の改正について】

自動車の旅行速度と排出ガス量

● 都市部では渋滞問題の深刻化に伴い、自動車から排出される大気汚染物質として窒素酸化物、粒子状物質が問題となっています。

● 交通渋滞の緩和・解消により、自動車の旅行速度が向上すると、これらの物質の排出量が大幅に減少します。

【自動車の旅行速度と排ガス量の関係】

資料:建設省

20km/時 → 60km/時

NOXは約45%減

SPMは約40%減

2)道路整備に対するニーズ

● 九州における利用者満足度調査結果によると「道路の環境」に対して不満を持つ人が約4割を占め、その理由としては約7割の方が「自動車の騒音のひどさ」を、約6割の方が「空気の悪さ」を指摘しています。

28.3%

20.9% 37.1%

37.1%

23.9% 10.7%

34.7%

7.4%

0% 20% 40% 60% 80% 100%

1

2

満足 やや満足 どちらともいえない やや不満 不満

やや不満を含むやや満足を含む

55.3%

70.8%

9.9%

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80%

空気が悪い

騒音がひどい

その他 複数回答

不不不不満満満満のののの内内内内容容容容

資料:国土交通省九州地方整備局 CS調査結果

【道路の環境に対する満足度】

環境負荷の少ない交通体系の構築

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3.8%7.0%

65.5%

23.7%

0%

10%

20%

30%

40%

50%

60%

70%

昼のみ超過 夜のみ超過 両時間超過 両時間達成

● 九州の幹線道路沿線には、夜間の環境基準を達成していない、騒音の発生量が大きい箇所が約7割あります。

● そのため、騒音の低減を図る高機能舗装や遮音壁等の対策を実施しています。

・高機能舗装整備延長…約 94km(区間延長)・遮音壁設置延長…約 27km(片側換算延長)

● 我が国では、道路沿道に居住する人々の生活の保全を図り、よりよい沿道環境の実現を目指して、沿道環境改善に取り組んでいます。

● 特に、夜間の騒音が 73dBを超過する地域で優先的に対策を実施しています。

【騒音レベル超過状況(距離ベース)】

注)値は、環境基準に対する(昼間:70dB,夜間:65dB)評価結果である。   

資料:H12道路環境センサス

【通常舗装】タイヤ溝と舗装面の間に挟まれた空気の逃げ道がなく、空気圧縮音、膨脹音が発生する。

【高機能舗装】空隙に空気が逃げ、音が生じにくい。(約3dBの低減効果が見込まれる)

【環境対策のイメージ】

①低騒音効果のある高機能舗装

②低層遮音壁

②遮音壁

良好な生活環境の形成

●騒音・大気汚染等の対策・防音壁、高機能舗装による騒音対策・排出ガスのバッファーとなる沿道緑化

3)道路整備の現状と課題

● 九州には主要渋滞ポイントが 197箇所、ボトルネック踏切が 28箇所存在しています。● 直轄国道では交通渋滞が発生し、特に県庁所在都市周辺で混雑度が高くなっています。(P35【直轄

国道の混雑度(H11)】参照)。● これらにより、九州における大気汚染の環境基準達成率はNO2(二酸化窒素)で約 89%、SPM

(浮遊粒子状物質)で約 73%となっています。● そのため、自動車交通の分散や円滑な走行の確保により、適正速度での走行を可能とすることが求

められています。

・自動車によるNO2 の環境基準達成率…約89%・自動車によるSPMの環境基準達成率…約73%

資料:自動車排出ガス測定局(H11)

4)道路整備の方向性と施策の展開

地域住民が快適な生活を営めるよう沿道環境に配慮した道路整備を進めていく必要があります。

環境負荷の少ない交通体系の構築

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【国や地方公共団体への要望】

41.9

36.5

29.8

26.5

25.5

25.0

0 5 10 15 20 25 30 35 40 45

自然保護問題を学校や社愛養育の場で十分取り上げる

自然保護のための規制を強める

自然保護のためのボランティア活動を支援する

自然にふれあい、自然を理解するための行事を行なう

自然環境を復元するような公共事業を進める

自然保護や開発などについての情報を一般の人も容易に入手できるようにする

(%)

(複数回答)

(上位6項目)

環境負荷の少ない交通体系の構築

1)道路を取り巻く社会情勢

*自然環境との調和

環境アセスメントの法制化

● これまでの開発事業は事業の必要性や採算性を重視して進められてきましたが、尊い自然環境を後生に残すためには、環境の保全に対しても検討し事業に着手する必要があります。

● 我が国では、1997 年「環境影響評価法」が制定され、環境アセスメントが法制化されました。

● 道路事業においても、環境アセスメントを実施しつつ、環境保全の観点も重視し、自然生態系に配慮した事業の実施が求められます。

2)道路整備に対するニーズ

● 「自然の保護と利用に関する世論調査」においては、国や地方公共団体への要望として、「自然環境を復元するような公共事業を進める」と回答した人が4人に1人います。

資料;「自然保護と利用に関する世論調査(H13)」内閣

3)道路整備の現状と課題

● 豊かな自然が残る地域で道路整備を行うにあたっては、自然環境を保全するため道路の調査、計画から設計、施工、管理まで含め、生態系にきめ細かく配慮した「エコロード」の整備を行なっています。

● 野生動物の生息環境を道路が分断する場合などは、動物用横断ボックスを用いるなど、自然生態系に配慮した道路整備を進めています。

4)道路整備の方向性と施策の展開

豊かな自然を後生に残すため、自然生態系へ配慮した道路整備を行なう必要があります。

● エコロード

● 自然景観を活かした道路整備

● ビオトープネットワークの構築

【国道 220 号 鹿児島県串良町 新設した動物用横断ボックス〔遠景〕】

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東アジアの拠点としての経済活動の支援

1)道路整備を取り巻く社会情勢

● アジアに近接する優位性を生かし、九州では貿易や企業進出、アジア地域への出国者や入国者に占めるアジア地域の割合は全国平均よりも高く、様々な人的、物的交流が盛んです。

【九州と東アジア諸都市の位置関係】

(対外国に占めるアジア諸国の比:対外国全体=100%)

資料:九州経済産業局資料

55.143.0

79.385.1

88.1

84.041.5

43.2

74.7

43.8

83.5

61.061.6

28.334.7

67.9

37.1

76.173.3

43.6 0.0

100.0輸出

IC輸出

輸入

コンテナ航路便数

海外投資

出国者

入国者

在留外国人

国際線数

姉妹都市

九州全国

アジアとの結び付き

● 我が国の食糧自給率は約4割であり、他の先進国に比べて低い状況にあります。● このような状況のもと、九州の農業粗生産額、林業粗生産額、漁業粗生産額は、各々全国の 19%、

17%、24%(平成 12 年)を占めており、我が国有数の食料・木材供給基地としての役割を担っています。

● しかしながら、近年は輸入農林水産物の増加による価格競争が厳しくなっています。● これらの農水産品の内、生鮮品は高速道路経由で、鮮度が重要とならない産品はJRやフェリ

ーを利用して、全国各地に出荷されています。(P21【主な農水産品の流れ】参照)

農林水産業

資料:国連食糧農業機関「食料需給

表」

136%

127%

97%

71%

40%

0% 50% 100% 150%

フランス

アメリカ

ドイツ

イギリス

日本

240

1211

1409

16781554

920740696

12410739

1880

11821192

0

500

1000

1500

2000

S50 S55 S60 H2 H7 H10 H11

輸入量(千t

野菜果実

【先進国における食糧自給率(カロリーベース)

【野菜・果実輸入量の推移】【アジアとの結び付き】

資料:財務省「日本貿易統計」

*物流効率化の支援と

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東アジアの拠点としての経済活動の支援

7.47.1

7.5

6.8

6.3

7.3

5.5

6.0

6.5

7.0

7.5

8.0

H7 H8 H9 H10 H11 H12

(%)

32.531.2

29.4

33.835.0

37.9

25.0

30.0

35.0

40.0

H7 H8 H9 H10 H11 H12

(%)● 「カーアイランド」、「シリコンアイランド」と称される九州は、我が国の生産拠点のひとつですが、全国シェアは低下傾向にあります。より一層国際競争への対応が求められています。

● 九州で生産される自動車は、一部高速利用であるものの、ほとんどが港湾経由で国内外に出荷されます。一方、高付加価値品であるICは、一部空港までの高速利用を含み航空輸送がなされています。

1)道路整備を取り巻く社会情勢

物流効率化の支援

製造業

【IC 及び自動車の生産地】【自動車及びIC関連生産品の主な流れ】

日本自動車工業会・日産自動車九州工場・トヨタ自動車九州宮田工場調べ

資料:財団法人九州経済調査協会「図説九州経済 2001/2002」

九州経済産業局調べ

資料:財団法人九州経済調査協会「図説九州経済 2001/2002」

【乗用車生産台数の対全国シェア】   【IC生産数量の対全国シェア】● 近年、アジア等への企業進出が増加し、東アジア

地域の生産拠点化が進むとともに、九州と東アジア地域との水平分業の関係が強まっています。こうした中で産業の国際競争力の低下や中小企業を中心に産業の空洞化が懸念されています。

【九州と中国・韓国との半導体貿易】

【中国における日本IT企業の主な生産拠点・研究開発拠点】

1995年 1996年 1997年 1998年 1999年 95/99比

輸出 中国へ 47 48 80 103 298 6.3倍韓国へ 497 545 758 474 623 1.3倍

輸入 中国から 1.0 6.7 25 30 45 45.0倍韓国から 292 281 297 273 224 0.8倍

(注)半導体:集積回路・半導体素子、関連部品等(億円)資料:通関統計

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● 国内の拠点港から約 130km 以内に消費地がある場合は、拠点港に荷揚げし陸上輸送した方が物流コストは低くなるものの、130km を越えると、海外のハブ港を経由して消費地に近い港から荷揚げした方が安くなります。

注)99 年の平均為替レートで試算日本道路公団調べ

● 高規格幹線道路等の整備が遅れている地域では、単純な輸送コスト比較では大差ないものの、時間価値を考慮した物流コスト面から見ると、他地域と比べ不利益となっています。

1)道路整備を取り巻く社会情勢

物流効率化の支援

【輸送距離と価格差の関係】

国内の物流コスト

● 国内の陸上輸送に利用される高速道路は、先進国と比べて利用料金が極めて高い状況にあり、現在、国土交通相の諮問機関である社会資本整備審議会において、料金の見直しの検討がなされています。

(普通車、走行距離1km当たりの料金)

【高速道路料金の比較】

24.6円

8.0円5.5円

日本 フランスイタリア

米国、ドイツは原則として無料

0

100000

200000

300000

400000

国道10号利用 東九州利用

陸上輸送費海上輸送費

単純な輸送コスト比較では、東九州自動車道利用の場合が11,000円高くなる

(円)

通常の輸送コスト

1073000

1074000

1075000

1076000

1077000

1078000

1079000

国道10号利用 東九州利用

時間価値を考慮した輸送コスト

陸上輸送時間が約5時間短縮されるため、東九州自動車道利用の場合が約3,500円安くなる

(円)

時時時時間間間間価価価価値値値値をををを考考考考慮慮慮慮

資料;国土交通省九州地方整備局

(40fコンテナ1個当たりの料金)

資料;国土交通省九州地方整備局

東アジアの拠点としての経済活動の支援

【北米から(北九州港を経由)宮崎県庁までの物流コスト比較】

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1)道路整備を取り巻く社会情勢

● 観光を目的とする自動車交通は、大分⇔佐賀、佐賀⇔熊本、長崎⇔宮崎方向で伸びており、東西間の県間をまたいだ広域的な流動と言えます。

物流効率化の支援

資料:西日本データブック2002

法務省「出入国管理統計年報」

【観光目的自動車流動の伸び(H11/H6)】

資料:道路交通センサス

観 光

● アジアからの観光客も年々増加傾向にあり、温泉や火山などの自然をはじめ、自国には少ないテーマパーク、大型商業施設等への訪問を目的にしています。

【入り込み観光客数の推移】

0

50,000

100,000

150,000

200,000

250,000

300,000

1991年 1995年 1998年

9,169 10,753 10,24711,225 11,904 12,310

48,877 47,679 49,560

38,211 43,45353,629

24,98929,258

30,17526,47829,705

31,582

65,975

72,219

80,048

福岡県

佐賀県

長崎県

熊本県

大分県

宮崎県

鹿児島県

(千人)

注)資料は九州各県の観光動態調査に基づく

【入国外国人数の推移〈九州8県〉】

【九州の主な観光資源】

東アジアの拠点としての経済活動の支援

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物流効率化の支援

東アジアの拠点としての経済活動の支援

2)道路整備に対するニーズ

●企業アンケート調査によると、国際ビジネスに必要な国際空港、国際港湾への所要時間については、約8割の企業が60分位までなら許容できると回答しています。

●「主要観光地から高速 IC まで許容できる所要時間」を60分以内とした観光関連企業が全体の約 9 割を占めています。

12.0%

29.4%32.0%

14.7%

3.4% 4.8% 3.4%0.2%

12.0%

100.099.8%96.4%

91.6%88.2%

73.5%

41.4%

0.0%

20.0%

40.0%

60.0%

80.0%

100.0%

10分位まで 20分位まで 30分位まで 1時間位まで 1時間30分位まで 2時間位まで 3時間位まで その他0.0%

20.0%

40.0%

60.0%

80.0%

100.0%

割合

累計

【高速道路 IC までの許容時間(観光)】

資料:国土交通省九州地方整備局 企業アンケート調査

【企業から国際空港、国際港湾まで許容できる所要時間】

0.9%

47.6%

9.7% 7.7%1.4% 0.1%

27.4%

5.2%0.9%

100.0%99.9%98.5%

90.8%

81.1%

33.5%

6.1%

0.0%

20.0%

40.0%

60.0%

80.0%

100.0%

10分位まで 20分位まで 30分位まで 1時間位まで 1時間30分位まで 2時間位まで 3時間位まで その他0.0%

20.0%

40.0%

60.0%

80.0%

100.0%

割合

累計

国際空港

2.7%

42.9%

8.3% 6.0%1.7% 0.4%

29.6%

8.4%

2.7%

100.0%99.6%97.9%91.9%

83.6%

40.7%

11.1%

0.0%

20.0%

40.0%

60.0%

80.0%

100.0%

10分位まで 20分位まで 30分位まで 1時間位まで 1時間30分位まで 2時間位まで 3時間位まで その他0.0%

20.0%

40.0%

60.0%

80.0%

100.0%

割合

累計

国際港湾

資料:国土交通省九州地方整備局 企業アンケート調査

3)道路整備の現状と課題

●九州の事業所の約 32%が国際空港から 60 分圏外に立地しています。また、約 28%がアジア定期航路のある港からの 60 分圏外にあります。

【国際空港への 60分圏】 【アジア定期航路のある港への 60分圏】

事業所(H11

60分圏外32%

60分圏内68%

【国際空港への 60分圏外の事業所(H11)】

資料;事業所統計

【アジア定期航路のある港への60分圏外の事業所(H11)】

事業所(H11

60分圏外28%

60分圏内72%

資料;事業所統計

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物流効率化の支援

3)道路整備の現状と課題

東アジアの拠点としての経済活動の支援

●高速道路等の IC から 10 分以内で到着可能な空港は約9割、港湾は約3割であり、「新総合物流施策大綱」の目標には達していません。

・主要な空港連結率…約 88%・主要な港湾連結率…約 26%

●さらに、コンテナの大型化に対応した 25t車対応道路は、直轄国道でほぼ達成(96%)しているものの、依然として荷揚げから末端の消費地への積替えを余儀なくされています。

●そのため、九州の港が国際的な優位性を確保するためには、荷揚げから消費地までの効率的な輸送システムを構築する必要があり、それらを支援する広域的な道路ネットワーク整備が必要となります。

【ISO対応(25t車対応)道路の整備状況】

【「新総合物流施策大綱」の目標値】

『21世紀初頭までに、自動車専用道路等の IC から 10 分以内到着可能な空港・港湾の割合を約9割にする』

【空港・港湾と高速道路・

地域高規格連絡道路の連絡状況】

● また、九州の主要な観光地(年間観光入込客数が 100 万人以上)の約86%が高速道路 IC の 60 分圏内となっています。

● そのため、国際的にも水準の高い九州の観光地を円滑に移動できる(周遊できる)広域的なネットワーク整備が必要です。

【高速道路ICへの60分圏と主要観光地】

鹿児島港が南の国際観光クルーズ拠点として整備されるとともに、アクセス道路、新幹線が整備されることにより、九州全土の4割が半日観光圏になります。

主要観光地

60分圏外14%

60分圏内86%

【高速道路 IC への60 分圏外主要観光地】

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物流効率化の支援

3)道路整備の現状と課題

● 九州では都市部を中心とした交通渋滞により、走行性・定時性が悪化しており、年間 11,747 億円の渋滞損失額が発生しています。(P34【九州の直轄国道の渋滞損失額(H9)】参照)

・主要渋滞ポイント…235箇所・渋滞損失額   …年間11,747 億円・ボトルネック踏切…28 箇所

● 物が集中する都市部での交通渋滞は、物流にも多大な損失を与えており、物流効率化を推進していくためには、都市内物流の円滑化に向けた交通渋滞対策が必要です。

4)道路整備の方向性と施策の展開

● 国際競争力の向上を目指す高規格幹線道路及び地域高規格道路の整備● 物流コスト低減を目指す物流ネットワークの整備

・物流ネットワークの整備   ・情報ハイウェイの整備・ITSの推進        ・ISO対応型道路の整備

● 主要観光拠点を円滑に移動できる道路環境整備・広域観光拠点ネットワークの整備・道の駅での国際情報の提供

● 高速道路料金の見直し● 都市内物流の円滑化

・渋滞の緩和とボトルネック踏切の緩和         

東アジアに近接した九州では、東アジアの拠点としての経済活力を向上するため、また、我が国の食料供給

基地、IC 及び自動車の生産拠点として、より一層の国際競争力を確保するため、効率的な物流を支援する道

づくりを進める必要があります。

東アジアの拠点としての経済活動の支援

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17.2

12.9

11.6

9.6

8.4

0 5 10 15 20

料金所で止まらなくても支払いができる技術の開発

自動運転システムの開発

目的地までの経路・交通手段が選択できる情報システムの開発

危険を事前に知らせる情報通信技術の開発

居眠り運転を防止する情報通信技術の開発

(%)

1)道路整備を取り巻く社会情勢

● 政府のIT戦略会議とIT戦略本部が決定した「IT基本戦略」(平成 12年 11月)では、「5年以内に世界最先端のIT国家となること」を目標に掲げています。

道路交通システムの高度化(ITS)の推進

e-Japan 戦略

【IC 及び自動車の生産地】

資料:建設省 ボイスレポート

e-Japan重点計画概要

IT基本戦略

e-Japan 重点計画

すべての国民がITのメリットを享

受できる社会

経済構造の改革の推進と産業の

国際競争力の強化が実現された

ゆとりと豊かさを実感できる国民生活と個性豊かで活力に満ちた地域社会が実現された社会

地球規模での高度情報通信ネットワーク社会の実現に向けた国際貢献が行われる社会

2000年 11 月 27 日IT戦略会議

5年以内に世界最先端のIT国

e-Japan 戦略

2001年 1月 22 日第1回IT戦略会議本部決定

○e-Japan 戦略を具体化○政府が迅速かつ重点的に実施すべき施策の全容を明示

基本的な方針

日 韓 I T 光 コ リ ド ー ・プロジェクト

● 日韓IT光コリドープロジェクトは、平成 13 年 3 月の「日韓IT協力イニシアティブ」の政府間合意に基づき、韓国全国経済人連合会と九経連が共同で進めるプロジェクトです。

● 日韓共催ワールドカップに間に合うよう、福岡・釜山間約 250km を無線継方式の光ファイバ海底ケーブルで連携します。

2)道路整備に対するニーズ

●また、平成13年7月に閣議決定された「新総合物流施策大綱」では『平成 17 年度までに、船舶が入港してから貨物がコンテナヤードを出ることが可能となるまでに必要な時間を2日程度に短縮』との目標を掲げており、情報化の推進が必要です。これにより陸上輸送コストと連携したトータルの低減化が望まれます。

● 情報通信技術に対しては、移動に係るコスト低減や安全な交通環境の確保を目的に「料金所で止まらなくても支払いができる技術開発(ETC)」や「自動運転システムの開発(AHS)」、「目的地までの経路・交通手段が選択できる情報システムの普及(VICS)」が望まれています。

● 物流コストの低減に向け、トータルコストにおける陸上輸送コストの低減が必要です。

【情報通信技術における今後の施策・対策】

3)道路整備の現状と課題

●世界最先端のIT国家を目指し、光ファイバー網の整備を進めています。

・道路管理者光ファイバー整備率(直轄)…約93%

・光ファイバー収容空間整備率…約94%

● 全国の港湾で海上貨物通関情報システム(Sea-NACCS)が稼働しており、輸入にあっては、本港の入港から貨物の船卸し、輸入申告・許可、国内への引き取りまで、輸出にあっては、貨物の保税地域への搬入から輸出申告・許可・船積み、本船の出港までの一連の保税手続きがオンラインで処理されています。

● しかし、船舶が入港してから貨物がコンテナヤードを出るまでに3~4日要しており、国際的にみても、効率的な物流システムではありません。

4)道路整備の方向性と施策の展開

国際競争力のある物流システムを構築するため、情報化を進める必要があります。

● 物流コスト低減を目指す物流ネットワークの整備・情報ハイウェイの整備

● ITを用いたシステムの開発・ Sea-NACCSの機能強化・ ETCの整備・ VICS の整備

【カーナビ,VICS 普及状況】

東アジアの拠点としての経済活動の支援

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○新しい道路政策の導入にあたり、場所や期間を限定して施策を試行(実験)、評価し、本格実施への移行などの判断材料を得る社会実験を、地域の協力を得ながら実施しています。

○ 道路に駐車場、駐輪場等を設置し、道路空間の有効活用を図っています。

<各地の事例>○ 国道3号関屋高架橋下の空間を有効活用し、駐車場として利用しています。○ 広幅員歩道の一部を駐輪場として整備しています。○ 道路の一部を荷捌き施設として整備しています。

市民と行政との共創による道づくり

市民と共に創り、育てる道づくり

市民と共に“プランする”道づくり(PI の実施)

Ⅳ.道路行政の進め方の改善

○○道路計画策定委員会  メンバー:学識経験者、各業界関係者、行政 等

事 業 者

一 般 市 民   意見交換会 ・沿道住民 ・道路利用者 等

報告提案書

広報(インターネット・広報

意見・提案(インターネット アンケート)

提言レポート

提案等

▲ 意見交換会風景  (熊本東環状道路)

▲ 道路整備における PI を導入した委員会の進め方

○事業の施策形成の各段階において、一般の方々にも参加していただき意見を反映するPI(パブリックインボルブメント)の導入を積極的に行っております。

市民の協力による道路管理

<熊本東環状道路における事例>○熊本東環状道路の整備に向けては、H13 年3月に「熊本東環状道路計画検討委員会」を設立するとともに、沿線住民の方々の意見を反映させる「意見交換会」を開催、当道路機能・道路構造などの考え方を地域の人と一緒に検討しつつ進めています。

<鹿児島北バイパスにおける事例>○鹿児島北バイパスの整備に向けて、H13 年3月に「鹿児島北バイパス磯の道づくりPI委員会」を設立するとともに、本委員会を中心に、地元町内会や一般の市民等の意見を踏まえ、最適なルート及び道路構造の基本的な考え方をとりまとめていきます。

社会実験

<『九州IT'S(いつ)バス』の実証実験>○「九州IT's(いつ)バス」は、福岡~大

分間を走行する高速バス(3経路256便)を対象に、高速バスの運行状況を知らせるシステムです。このシステム は 、 ITS ( Intelligent Trans-portSystems : 高度道路交通システム)の実現に向けた、実証実験として行われています。九州 IT's(いつ)バスでは、バスの遅れ時間(いつ来る)や、到着予測(いつ着く)の情報をインターネット対応の携帯電話や、パソコンでご覧いただくことができます。

ボランティア・サポート・プログラム

▲ プログラムの仕組み ▲ ボランティア・サポート・プログラム  による道路美化

○道路を慈しみ、住んでいるところをきれいにしたいという自然な気持ちを形あるものにしようと考え出されたのが、『ボランティア・サポート・プログラム』です。アメリカでのボランティアの人たちが、道路を我が子のように面倒を見ている「アダプト・ア・ハイウェイ・プログラム」からヒントを得ています。「道」をきれいにしようという活動から始まって、地域のコミュニティの活性化が期待されます。

道路空間(施設)の有効活用による地域づくり

▲ 高架下を活用した駐車場(福岡県太宰府市)

▲ 歩道の一部を活用した駐輪場(福岡市)

▲ 道路の一部を活用した荷捌き施設(福岡市)

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峻別と重点化によるスピードアップ化ローカルルールによるコスト縮減

峻別と重点化を図る道づくり

▼道路構造等の見直しイメージ

2車線整備

1車線整備+待避所設置

2車線整備

構造規格要件の緩和及び横断構成の見直し

標準幅員の見直し

▼地域に応じた道路構造の検討の目的と項目

整備区間 13年調査区間 11年計画区間 23年

       〃     未満 2,116.8km4732.4km→ 交通量1,000台/12h以上 2,615.6km

必要事業費 239km×60億円/km=14,340億円

必要事業費 717km×45億円/km=32,270億円

所要年数 14,340億円÷780億円/年=18年

所要年数 32,270億円÷690億円/年=47年

必要事業費 1,019km×35億円/km=35,670億円

所要年数 35,670億円÷1,070億円/年=33年

必要事業費 5,084km×15億円/km=76,260億円

所要年数 76,260億円÷1,460億円/年=52年

候補区間及び都市圏自動車専用道路等を除く

残事業費と整備所要年数の算定

3638.5(61.2%)

1287.3(21.7%)

530.5(8.9%)

488.8(8.2%)

混雑度1未満 1.5未満 混雑度1.5以上 未改良

整備済(4,925.8km) 整備が必要(1,019.3km)

10647.7(61.6%)

1573.0(8.7%)

351.6(2.0%)

4732.4(27.3%)

混雑度1未満 1.5未満 混雑度1.5以上 未改良

整備済(12,220.7km) 整備が必要(5,084.0km)

計322km

83km(25.8%)

239km(74.2%)

供用済 未供用

計782km

65km(8.3%)

717km(91.7%)

供用済 未供用

地域高規格道路

高規格幹線道路

一般国道

一般県道

計5945.1km

計17304.7km

整備区間

201km

調査区間

172km

計画区間

344km

○今後整備が必要な国県道の延長は約6100㎞であり、残事業費を勘案すると現在の投資規模で進めた場

合、あと50年以上を要します。

そのため、対象となる道路の峻別と整備の重点化を図るとともに、コスト縮減や事業のスピードアップ

推進のため、全国一律の構造規格を見直し、地域の特性にあった構造規格の検討(ローカルルールの適用)

を進めています。

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情報提供によるストックの活用

既存ストックの有効活用

ITS 高速道路交通システム

○ITS とは、最先端の情報通信技術を用いて人と道路と車両とを情報でネットワークすることにより、交通事

故、渋滞などといった道路交通問題の解決を目的に構築する新しい交通システムで、ナビゲーションの高度

化、自動料金収受システム、安全運転の支援などの9つの開発分野から構成されています

<歩行者 ITS>

○歩行者ITS(歩行者支援システム)とは、高齢者や障害者等の交通弱者をはじめ、歩行者にも携帯端末機等で、

現在位置や施設・経路の案内、誘導等を行います。

だれもが、安全に、安心して利用できる快適な道路環境の形成を図る歩行者に優しいシステムです。

公共交通支援の強化

高速バス&バスストップ

○高速バス&バスストップとは、現状で十分な結節

が確保されていない高速バスストップと一般道

路バス停留場を一体的に整備し、バス交通ネッ

トワークの形成や、郊外部の交通拠点形成を推

進する試みです。

▲ 高速バス&バスストップ整備イメージ

○地下鉄整備の際、路上の乗降口相互を結ぶ自由通

路や自転車駐輪場を併せて整備を行うことによ

り、歩行者の安全な歩行空間を確保するととも

に、地下鉄利用者の利便性向上を図ります。

▲ 地下鉄整備時における自由通路及び自転車駐輪場整備イメージ

駐輪場入口

自由通路

駐輪場入口

駐輪場

軌道系施策への支援策

既存道路の有効活用

農林道等のとの連携

 今後の道路管理(整備を含む)にあたっては、農林道など国土交通省管轄外の道路を含め、網形成の視点

及び利用実態からみて省庁を超えた取り組みが求められています。

 したがって、農林道なども道路ネットワークの一部として一体的に

捉え、計画的・効率的な利活用を進めることが必要です。

○ 事例:長崎県島原半島(広域営農団地農道の活用)

 島原半島には国道 251 号に並行して、島原半島広域営農団地農道(雲

仙グリーンロード)が走っており、現在事業中の地域高規格道路と広

域営農団地農道と接続することにより、早期に整備効果が発揮できま

す。

島 原 道 路

島原深江道路

広域農道

普賢岳

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既存ストックの有効活用

有料道路の料金体系の見直し

 全国一律の基準で決めている高速道路の通行料金制度を見直し、路線ごとに弾力的な料金設定ができる

よう、国土交通相の諮問機関である社会資本整備審議会の道路政策部会において議論を進めています。具

体的には、利用者の少ない路線の通行料金の引き下げ、毎日高速道路を利用する人向けに定期券のような

割引制度の設定などの検討です。

 また、各地で供用している一般有料道路においても、早期開通に向けた投資量に対し、通行料金の抵抗

が予想以上に大きく、利用交通量が低調状況にあります。

 この課題には、高速道路同様、料金の調整により、一般道路からの転換を進め、ネットワーク全体とし

て適切な交通バランスを確保するなど、既存ストックを十分に活用した施策が必要です。

▲ 料金体系見直しによる交通量の増減と減収額(試算)

※ 九州道(植木~八代)通行料金を10%、20%、30%、50%低減※ 各ケースでの並行する国道3号、57 号の交通量の変化を表示※ 各ケースでの料金収入の変化を表示

有料道路の有効活用

有料道路利用への助成

 高速道路や有料道路の利用活性化に向け

て、一般道の渋滞状況や回数券の利用実績を

勘案して、利用回数券の割引販売等を行って

います。

○ 事例:山形道・秋田道・

東北中央道(米沢南陽道路)

◎ 課題 ①料金割引導入による料金収入減への措置(例:ガソリン税の一部を投入)

     ②他の箇所への影響(新たな混雑箇所の出現)

▼高速道路の回数券の助成事例

対象区間山形道庄内あさひ~酒田

秋田道秋田南~秋田北秋田北~昭和男鹿半島

東北中央道米沢北~南陽高畠(米沢南陽道路)

交通量(H12年度・日平均 1,768台/日 4,276台/日 2,649台/日

対象車種 全車種 軽自動車・普通車 全車種実施期間 H9.10~(期間限定) H11.7~(期間限定) H9.11~(期間限定)

一般道の渋滞状況や回数券の利用実績を検討し、地元負担金の担保を確認したうえで年度毎に実施期間を延長

                                       

JH 販売:11115555%%%%割割割割引引引引  ※20%割引 協協協協議議議議会会会会 販売:11115555%%%%割割割割引引引引

  ※10%割引おおおお客客客客様様様様

33330000%%%%割割割割引引引引

102.8101.6 101.5

107.1

111.8

108.0

90

95

100

105

110

115

交通量伸び率

(%)

横手~大曲 大曲~協和 協和~秋田南 秋田南~秋田中央

秋田中央~秋田北

秋田北~昭和

導入前(H9.11導入後(H11.6

平均伸び率109%

▼区間別回数券制度導入前後交通量伸び率

<現在の環境改善を図るための有料バイパスの夜間無料化例>

○ 事例:藤枝BP,掛川BP,磐田BP,浜名BP

現道の夜間の環境改善を図るため、並行する有料バイパスを夜間無料化し、バイパスへの利用促進を図ることで現

道の夜間の環境改善を図っています。

<他の交通モードでの助成例>

○ 事例:航空(大分~ソウル線)

大分県では、大分空港発着の大分~ソウル線国際定期便を利用して、韓国または韓国以外の外国において交流活動

を実施する団体に対して補助金を交付しています。(3,000~8,000 円/人)

○ 事例:航空(佐賀空港)

佐賀県では、佐賀空港発着便を利用した団体旅行を主催または手配する旅行会社に対して、補助金を交付していま

す。(1,000~2,500 円/人)

また、佐賀空港発着便を利用して修学旅行及び研修交流事業を行う県内の学校に対して、補助金を交付しています。

植木~八代

-20%

-10%

0%

10%

20%

割引率

交通量増減(%)

0

1000

2000

3000

4000

5000

6000

7000

8000減収額(百万円)/年

減収額 高   速 R3(植木・熊本) R3,57(熊本・益城)

R3,57(益城・松橋) R3(松橋・八代) 全 線 計

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評価システムの導入

開かれた道路行政の運営

事業評価

○道路事業を行う際には必ず、混雑がどれくらい緩和できるか、交通事故がどれくらい削減できるか、沿道

環境がどれくらい良くなるか、などの効果の評価を行っています。

また、その事業による効果が費用に見合うかどうかについても確認を行っています。

こうした事業評価は、新たに事業を実施しようとするとき、事業を実施している途中、事業が完了した後

の3段階で実施されます。

積極的な情報公開

▲ 事業評価の流れ

広報活動・工事板

○ 道路事業箇所には工事版を設置しますが、

近年は工事期間だけでなく、開通予定年次

や期待される整備効果などを、幅広い情報

を提供しています。

○道路事業における積極的な情報開示として、以下を実施しています。

・道の相談室

・IRサイト(国土交通省ホームページ)

・入札開示

○ 道路計画時には、調査の各段階で近隣住民の皆様に状況をお知らせする広報活動(広報の配布や公聴

会の実施等)を行っています。

事例:東バイパスみちづくりニュース

(国土交通省熊本工事事務所)

東バイパスの計画立案にあたり、近隣住民の皆

様の意見を広く取り入れるために、広報誌を発

行し配布しています。