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「視覚的な支援に関するハンドブック」について ハンドブック本文「はじめに」より ※教材の内容に関する問い合わせは 高等部 山本まで この冊子は、平成27年度に本校の教職員に向けて行った「視覚的な支援に関す るアンケート」をもとに作成したものです。自閉スペクトラム症の子どもたちを はじめ、すべての子どもたちが見通しを持ち、主体的に活動できるようになるた めのアイデアがちりばめられています。校種や学部に関わりなく、使えそうなア イデアがあればどんどん参考にしていただければと思います。 なお、 HPへの掲載にあたり、個人情報や著作権への配慮から教材紹介 の写真やイラストに修正を施している場合があります。そのため実際 の教材と内容が異なる場合があることがあります。また今回ご紹介し ている教材は、本校で行われている視覚的な支援の一部であることを ここであらかじめおことわりしておきます。

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「視覚的な支援に関するハンドブック」について

ハンドブック本文「はじめに」より

※教材の内容に関する問い合わせは 高等部 山本まで

この冊子は、平成27年度に本校の教職員に向けて行った「視覚的な支援に関す

るアンケート」をもとに作成したものです。自閉スペクトラム症の子どもたちを

はじめ、すべての子どもたちが見通しを持ち、主体的に活動できるようになるた

めのアイデアがちりばめられています。校種や学部に関わりなく、使えそうなア

イデアがあればどんどん参考にしていただければと思います。

なお、HPへの掲載にあたり、個人情報や著作権への配慮から教材紹介

の写真やイラストに修正を施している場合があります。そのため実際

の教材と内容が異なる場合があることがあります。また今回ご紹介し

ている教材は、本校で行われている視覚的な支援の一部であることを

ここであらかじめおことわりしておきます。

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視覚的な支援に関するハンドブック

―子どもの主体的な活動をめざして―

平成 27 年度

大阪府立八尾支援学校

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もくじ

①教室、玄館など・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1

②朝の会・帰りの会など(時間割、スケジュール提示の工夫)・・・・・・・2

③自立活動、せいかつでの指導(基本的生活習慣、給食、個別学習など)・・3

④授業での指導場面・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・5

⑤児童・生徒とのコミュニケーション場面・・・・・・・・・・・・・・・7

⑥パニック時の指導の手立てとして・・・・・・・・・・・・・・・・・・8

⑦その他・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・9

視覚的な支援の工夫例・指導教材(小学部)・・・・・・・・・・・・・・10

視覚的な支援の工夫例・指導教材(中学部)・・・・・・・・・・・・・・26

視覚的な支援の工夫例・指導教材(高等部)・・・・・・・・・・・・・・37

はじめに

この冊子は、平成27年度に本校の教職員に向けて行った「視覚的な支援に関するアンケート」をもとに作

成したものです。自閉スペクトラム症の子どもたちをはじめ、すべての子どもたちが見通しを持ち、主体的

に活動できるようになるためのアイデアがちりばめられています。校種や学部に関わりなく、使えそうなア

イデアがあればどんどん参考にしていただければと思います。

コラム①「マカトンサイン(マカトン法)について」・・・・・・・・・・・・3

コラム②「「文化モデル」という考え方」・・・・・・・・・・・・・・・・・6

コラム③「構造化について」・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・9

この冊子は、平成27年度に本校の教職員に向けて行った「視覚的な支援に関するアンケート」をもとに作

成したものです。自閉症スペクトラムの子どもたちをはじめ、すべての子どもたちが見通しを持ち、主体的

に活動できるようになるためのアイデアがちりばめられています。学部に関係なく、使えそうなアイデアが

あればどんどん参考にしていただければと思います。

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1

①教室、玄関など

小学部

・教室に動物の絵がはってあるので、数字をまだ認識していない児童も「いぬのへや」などで分かること

があった。

・遊ぶ場所のカードやトイレカードを目に見える所に貼り、児童が意思を伝えやすいようにしている。

・リュックの中身を出す時に全部出し切らずあそびに行ってしまう児童に対して、持ち物を出す順番を示

した表をリュックの近くに貼ることでそれを見ながら全部出せるようになった。

・げた箱のロッカー、かばんかけ、給食袋かけ、机、いす等の個人のものには個人別のマークのついた名

前カードをはり、わかりやすく掲示。→文字をまだ認識していない児童も迷わずすすんで理解し、慣れて

くると自分の名札を見て片付けなどをすることができる児童もいた。

・雤の日に「ドアをあけません」の紙を貼る→あけてしまう子が自分から「紙を貼ってください」と言う

ようになった。

・そうじの際、モップをまっすぐかけるための目印マーク。ゴミ集めのための四角エリア。

中学部

・声の大きさが視覚的に分かるような表を使う。

・顔写真を使った下校確認、日番表。

・それぞれのロッカーなどに名前以外に絵を使って場所がわかるようにしたり、服をたたむなどの写真を

つかってどのように片付けたらよいかを視覚支援している。

・靴箱、タオル、エプロン、帽子かけの名札に生徒の好きな色(黄色)のテープを貼る(他の生徒の名札

と区別する。名札の名前(ひらがな、漢字)の理解が難しい生徒に対して行う)。

・黒板に登校から朝の会までのスケジュールを書いている。大まかに書いていた時は「やらへん」と言っ

ていた生徒が、することを細かく書くことによって自ら行動することが増えた。

高等部

・教室移動や授業ですること、自立に向けて必要なことなどをイラストと共に黒板に書き、イラストの表

情やコメント、イラストの周りに書いた言葉で生徒が確認できるようにし、できたことには「○」や「で

きた」など記入し、生徒が前向きに学校生活が送れるよう工夫している。

・教室の前方(黒板側)は、できるだけスッキリとシンプルにする。

・机の配置(正面を向いた状態にする)(余計な掲示はしない)。

・黒板は“黒板”(できるだけ何も貼付しない)の状態に保つ。

・着替えの時間が気になっている生徒に対して、黒板の時間割に「着替え」と記入している→効果あり。

・デイサービスに行く生徒をカレンダーにまとめている(生徒はそのカレンダーを見て確認している)。

・色分けした時間割表、レターケース・ロッカー・タオルかけ等の名札

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2

②朝の会・帰りの会など(時間割、スケジュール提示の工夫)

小学部

・デイサービスの確認表。

・日付、1 日のスケジュールを絵カードと文字カードで提示。また、昨日、今日、明日の日付け、曜日の時系列がわかるようにカレン

ダーに、本日のところを示す□(枠)を動かして掲示。帰りの会では、次の日の予定を、絵カードと文字カードで提示。週の授業の予

定表を絵と文字の表で提示。

・晴れの日と雤の日の両方のスケジュールをはることで見通しがもてる。

・時間割の字のカード、絵カードを黒板に掲示している。また、場所の写真カードもあわせて掲示している。

・当番活動用に顔写真カードを使用している。

・児童が特に楽しみにしている予定が変更になったときは、朝の会で変更を伝えるよりも、登校してすぐに伝えた方が混乱が尐ないこ

とが多いので、登校前に登校後のカードをはりかえておく。

・朝の会で出席調べをし、欠席児童の顔写真を黒板のお休みの枠に貼る。

・帰りの会では次の日のスケジュールをカードを用いて確認。

・下校の行き先をホワイトボードに貼ってます(デイか家か)。児童も自分の予定を確認しています。

・当番の顔写真→当番を嫌がる子がいたが、順番にすると、何も言わずやるようになりました。

・時間割カード、当番表と曜日のカードの色と一致させてわかるように示している。

・小学部で統一されている時間割カード(文字と絵)を使用。繰り返し使うことで、授業と絵カードがむすびつき、活動へ向かうこと

がスムーズになる。

中学部

・時間割等に時計の絵を描いて支援をした。

・一日の予定把握、場所の確認、行事内容の確認、当番表など。

・日直の司会進行表を作って、仕事の準備を分かりやすく提示している。

・放誯後にデイサービスを利用する生徒もいるので黒板に今日のデイサービスの利用生徒の名前、施設名を目につきやすいように書き、

且つ言葉でも伝えるようにした。

・1日の時間割を小さくして手元で生徒と一緒に確認しながらホワイトボードに貼る。

・「朝ごはんは食べましたか?」「手はきれいに洗いましたか?」などを確認する絵カードを提示している。

・一日の流れ、特に授業でない時は、午前中のスケジュール、活動時間のスケジュール、午後のスケジュール、というように細かく分

けて黒板に書いて伝えるようにしている。

・字を読むと発音することが難しい生徒が日直をする時、点呼時に写真にタッチすると音が出るカードを(事前に名前を録音しておけ

る)を使用している。自主的に日直の仕事にとりくめているし、周りの友だちとのコミュニケーションにも役立っている。

・帰りの会の発表前にふりかえりプリントを書くことにより、発表できるようにする。

・一日の振り返りの際、「いつ、どこで、だれが、どうした、どうだった」と書かれた用紙を用意し、振り返りやすいように行っている。

高等部

・特別教室札(学情教材フォルダに保存済み)

・一日の流れ(予定など)をA4くらいの紙に書き、それをひとつひとつ確認させ、今、現在はここだよと言葉で説明(簡潔に)して

いる。本人に読ませて確認させる場合もある。

・一学期分の行事予定表の掲示(学校生活に見通しを持てるように)。

・スケジュールの確認などで DropTalk を活用する。

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3

③自立活動、せいかつでの指導(基本的生活習慣、給食、個別学習など)-⑴

小学部

・朝の準備、帰りの準備のスケジュール(写真)。

・その日の着替え、予備服のかごをそれぞれ用意している。

・登校後、朝の準備~着がえまでの順番を書いたカードを提示。

・衣服に印をつけてもらうことで、自分で前後を正しく着脱することができる。

・朝の個別学習でのちょうちょ結び練習カード、計算の際のブロックカード、お金の模型。

・着がえなどで気をつけてほしいところ(立ってきがえる、トイレの際、ズボンを下までさげない etc)につ

いてイラストで示し、意識できるようにしている。

・iPad の「絵カードタイマー」を使い、時間をわかりやすくした。

・イラストで物を投げないことを伝えることで理解できた。

・トイレに行くときに絵カードを使ったり、マカトンサインを出したりする練習をしている。

・トイレの写真カードを担任が常備→大便と小便のカードを見せて、行きたい方を指差しで伝えることがで

きた。

・「生理ってなんだろう」(自作の絵本のような冊子)、生理の際の手順カード。

・給食準備カード→運びたい食缶をえらんで顔写真を貼る。準備がはやくなった。表出の尐ない子も日によ

ってえらぶものが変わる子もいた。

・給食の当番の絵カードを、首にかけられるようにして提示(必要な子)。

・牛乳かごに数字カードを貼っている。給食当番用の写真カード、顔写真カードを使用している

・給食で残り時間をタイムタイマーで示す。

・歯みがきカードを作り、磨く場所をイラストと色わけで示している。鏡もあるので、自分を見ながら磨く

ことも可能なようにしている。タイムタイマーを用いて、一定時間みがくよう指導している。

・はみがき時、みがく部位を7つに分けて提示→「しあげしてください」と写真で示している。

・身体づくり(筋力アップ)を目標としている児童に活動を手順書で説明。

・衣服に印をつけてもらうことで、自分で前後を正しく着脱することができる。

コラム① マカトンサイン(マカトン法)について

マカトン法は、1972年にことばの発達が遅れている人の中でも、とくに聴覚障がいと知的障がいとをあわせ有する人

を対象として開発されました。現在では、知的障がいやダウン症、自閉症のある人たちへも広く適用されています。マカ

トン法は、ことばの理解よりも、ことばを話すことが苦手な人たちへの言語・コミュニケーション指導に有効で、動作サ

インやシンボルを話しことばと同時提示する方法が中心となります。すべてのことばにサインやシンボルをつけるのでは

なく、文脈を理解する鍵となる単語のみに、会話の語順にそって、動作サインやシンボルをつけて提示します。約330

の核語彙は、日常生活で頻繁に使用される基本的な語彙で幼児期の言語発達を考慮した上で厳選されています。核語彙は

言語発達や生活空間の拡がりを考慮して9つの段階に分類されているので、系統的に学習を進めることができます。マカ

トン法を用いた指導によって、言語面だけでなく、社会性や学習態度の向上といった変化も報告されています。

(http://www.geocities.co.jp/SweetHome-Brown/8866/ page023.html参照。)

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4

③自立活動、せいかつでの指導(基本的生活習慣、給食、個別学習など)―⑵

中学部

・時計の文字盤のカードを使って視覚的に昼休みや帰りの会の時間を支援している。

・清掃活動、給食当番などを示す。

・片付ける場所を写真で伝えます。

・小と大のトイレの写真を使って、トイレの仕方を教えています。

・個々で写真カードが本当に必要な場合に使用している。なるべく口頭での声かけで対応を行っている。

・「あと何分時計(タイムタイマー)」を利用している。着がえに時間のかかる生徒に「3分で着替えてみよう」

など。赤い部分の時間を学習する時間であると伝える。終わると合図が鳴るのでわかりやすい。

・曜日ごとのグラウンドの使用形態(自転車、球技など)について、掲示で示した。

・必要な生徒には見通しが持てるよう、ミニホワイトボードに個人のスケジュールをより細かく示している。

・ご家庭の協力を得られるところは、着がえの服と学校置きの服がわからなくなる生徒には、学校置きの服の

袋に学校用というシールを貼っていただいている。遊び道具の箱を用意すると必ず、その箱に片付けること

ができるようにしている。

・人との関わり方について。エプロンの着方。トイレの仕方。

・ランニングにて輪っかを使用。周回数をシール貼りするプリント使用。エプロン・コップなどをかけ、氏名

記入。

・次の行動に入る時間を黒板などに事前に提示している。

・排泄の際、絵カードを用いてスムーズな排泄を促している。またスムーズに排泄できた際に、生徒の好きな

キャラクターのシールなどを用意し、次につなげる。

・つばはきがおさまらない時のストップを絵で提示する。

高等部

・デイサービス予定表。

・黒板の掲示物を教員とともに確認する。

・掲示物の置き場所の一定化(固定化)。

・スライドショーなどを使用して学習内容を示す。

・自分の予定表(翌日の予定と持ち物を記入し、家庭に持ち帰る。当日持参して授業の内

容等を記録する)の活用。

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④授業での指導場面―⑴

(視覚的にわかりやすく示す工夫、スケジュール・作業手順等、その他の手立て) 小学部

・できあがりの作品を見せ、何を作るのか見通しをもたせる。

・①、②、③という箇条書きで、本時の予定を示している。ひとつずつできたら花丸するか、消すなど

して達成したことを確認している。

・授業で行うことの内容を①___②___③___と書く。終わったら消していく方法もあるが、ふり返りな

どをしたいので、消さずに番号に花マルをつける。

・各教科で特性に応じたカードやひらがなでの提示があるが、シンプルなものの方がわかりやすい様子

がみられる。

・音楽では、リズム打ちの部分にタンバリンの絵をはることで叩く所を明確にしている。

・見本を大きいサイズにすることで見やすくしている。

・グループ分けや、幅跳びの記録などを写真カードを使って示している。

・授業の始まりや終わりをジェスチャーを使って示している。

・その日に行う授業内容を、文字や絵カードなどで表す。終わった授業項目には、教師や児童が花マル

を書いて、終わりを分かりやすく明示していた。

・シュートするゴールをわかりやすいようにイラストカードを提示。

・ボウリングで投球する位置を示す足型カード。

・パワーポイントを用いたスケジュール提示(使う道具なども提示)。

・作業の手順表をつかって、自分でできる工程を増やす。

・手順を一度やってみせる。

・自分の分をカゴやトレーに分ける→集中できる。終わりが分かる。

・音楽のドレミプレートの踏む場所に足型シールをはっている。

・鍵盤ハーモニカの鍵盤に色シールをはっている。

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④授業での指導場面―⑵

(視覚的にわかりやすく示す工夫、スケジュール・作業手順等、そのたの手立て) 中学部

・教材に、興味のある題材を使用(色、イラスト、キャラクターなど)。

・集中力を欠くものは隠す。

・授業のスケジュールを①…②…③…のように黒板に書いています。

・授業で守るルールを生徒に選ばせ、黒板に貼ってもらいます(静かにする、すわってうける等)。

・作業で実際に作るものと同じサイズの見本を配り、作業する見通しを持たせる。

・授業の流れを黒板に貼り、活動が終わればその都度はがしている。

・行事等の事前学習をおこなう際は、パワーポイントを使い、画像を活用して指導している。

・番号を貼り、ラストの番号に「おわり」を入れる。

・授業のスケジュールは始まりのあいさつから終わりのあいさつまで、生徒の活動を箇条書きにして、終

わったものは消していく。作業の手順も同様に、活動を箇条書きにして、図を入れながら視覚的に提示し

ている。

・授業の流れを黒板に記入 or カードを使用。授業内容に絵カードを使用。

・黒板横の掲示物をかくすために、白い布をつけている。授業のスケジュールを提示。

高等部

・授業で取り組む内容を順番に書き、掲示する。

・本人が安心して(落ち着いて)取り組める様、本時の予定等学習の流れを予め伝えて

おくこと。

・授業内容を絵や写真で示すことで支援する。

・残り時間が視覚的に分かるタイマーを使用している。

コラム② 「文化モデル」という考え方

「文化モデル」とは、自閉症の治療教育の代表的存在である TEACCH(ティーチ)プログラムの根底に流れる

考え方です。自閉症の特徴を「違う文化を生きている人」と捉え直して「我々の文化をどう理解してもらい、相

手の文化をどう理解するか」ということを考えながら支援方針を決めていく考え方です。自閉症の人には自閉症

特有の感じ方、考え方、譲れない部分があり、非自閉症、すなわち一般社会には非自閉症の感じ方などがあると

考え、どう「折り合い」をつけていくかについてお互いに模索していくことになります。例えば、自閉症の人は

「一人でいることが楽」「マイペースでやりたい」というような感じ方をします。集団行動を重視する学校生活

ではこの特徴は大抵、問題(わがまま)とされます。そこで「自分のペースでやっていい時」と「人のペースに

合わせる時」などを明確にして、それぞれが折り合う形を設定するなどの具体的、実際的対応が必要になります。

自閉症のある子どもは、学校社会の中で、お互いの文化を尊重し接点を探る体験を積み重ねることで、将来の一

般社会とのつきあい方を学習していきます。

(以上、東京・日野市 公立中学校全教師・教育委員会 with 小貫悟『通常学級での特別支援教育のスタンダー

ド 自己チェックとユニバーサルデザイン環境の作り方』東京書籍、2012 年参照。)

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⑤児童・生徒とのコミュニケーション場面

小学部

・どこに行きたい(あそびたい)か、写真カードできく。

・好きな音楽を聞きたいときは、iPad カードを教師にわたす。曲リストを作り、聞きたい曲を指さしする

と、教師が鳴らす。

・プラレールの新幹線カードを指さしして、「かして」を言う練習をしている。

・遊びに行きたい場所は「ボールプール」「トーマス」「なかにわ」を提示し、指さしで決めている。

・あそびに行きたい場所などを聞く時に場所の写真カードを提示。2択の中から選ぶ場面が増えた。

・言葉がでにくい児童の思いや要望をきくのに役立てている。どこに行くのか、どこで遊びたいのかカー

ドでやりとりできるようになってきている。

・正しい関わり方を絵カードなどで示す。

・○×カードを使って、季節に合った服装(半袖、長袖)を伝えた(暑い時期にも長袖を着る児童がいた

ため)。繰り返し行うことで、児童も納得して半袖を着ることができるようになった。

・束になった写真カード(児童に次の活動を伝えたり、児童が行きたい(したい)活動を教師に伝えたり

する)。

・感情一覧表。

・しなければならないことや、○○だったから△△になったということをホワイトボードに書いて伝える。

中学部

・ホワイトボードを使ってコミュニケーションを図る。

・1人1人に応じた時間割等の提示。

・手元に視覚的な教材があれば言葉と並行して写真カードを利用して伝えるようにしている。

・場所、時間などを伝える時は、実際に時計などを本人と確認して見るようにした。

・サインや絵カードを見せながら、言葉と一緒に行う。

・顔の表情カード(ニコニコ、泣いている、怒っている)を使って、今の気持ちをことばだけでなくカー

ドを使って伝えている。

・時計カード、元気カード、意志カードなどを使い、時間や元気が気になる生徒と日々コミュニケーショ

ンをとっている。

・「○」「×」カード。

・端的な文で話すと伝わることが多いが、わかりにくそうだな、と感じたときは、紙や黒板にチャートや

図を用いてコミュニケーションをとる。

高等部

・iPhone のアプリを活用。

・たいていは言葉のやりとりで行っているが、本人の様子を見ながら文字で伝えた方が伝わりやすい時も

あるので二者択一で本人の気持ちを確認したり、いくつかの選択肢を用意して気持ちを確かめたり…。

・PECSカード(保護者作成)の使用。

・文字を使ってのコミュニケーション。

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⑥パニック時の指導の手立てとして

(パニックを予防するための指導や支援を前提として)

小学部

・あそびに行きたくてパニックになった時、「給食→あそび」の流れを絵カードで伝えて納得することができた。

・好きな子と同じデイサービスに行きたくて、時々泣いてしまう児童がいるので、デイサービスの表を見せな

がら説明していく。

・嫌だった気持ちをメモに書いて見せて一緒に読んだり、次に行う活動や楽しみなことをメモに書いて気持ち

の切り替えを行っている。

・パニックになり、たたく児童の指導の手立てとして、たたかれて泣いている絵カードを使用。

・雤が降っていないのにプールに入ることができない日用のカードを作り、使用した。

・あそびと授業の切り替えが上手くできない児童に対して、ホワイトボードなどに「①おんがく②あそび…」

など、順序立てて説明したり、○○が終われば××ができるなどを繰り返し伝えたりすることで、気持ちを切

り替えることができた。

・場所(あそび)カードでリラックスできる場(好きな場)をえらぶ。

中学部

・刺激を減らす(視覚的な)。

・紙などに、見通しがもてるようにスケジュールを提示する。

・生徒がケンカした際や、パニックを起こした後に、話をしながら紙に気持ちを視覚的に整理していきます。

その後、どうすれば良かったか、一緒に考える機会をとります。

・思いがけない予定変更での気持ちの丌安定では、切り替えをスムーズに行えるように写真カードを提示して

移動のきっかけを不えるようにする。

・コミック会話で、一つ一つ丁寧に振りかえりをおこなっている。

・出来事をストーリー仕立てにし、文字や図にして整理をしている。

・パニック後に原因を聞きだしたことを簡単に書き出し、(原因→パニック→改善点)簡単に文にして生徒に示

し、改善点を考える。

・デイサービスに行く日、いつもとちがって帰りのバスに乗らないという時にパニックをおこす生徒がいるの

で、帰りの会で事前にデイサービス車の写真カードを提示しておき、「今日はバスに乗らずにベンチに座ってデ

イサービスの車をまつよ」と伝えている。そうすると、スクールバスが目の前で発車しても落ち着いてデイサ

ービスの車を待つことができるようになった。

高等部

・紙に書かれた言葉を確認して気持ちが切り替えられて落ち着く場合もある。

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9

⑦その他

小学部

・お風呂での体、頭洗い手順カード。

・タイムタイマー(いろいろな場面で)。

・食事の大切さシート。

・クラスの児童は、視覚的にカードを見せるより、言葉と身ぶりなどのジェスチャー(視覚的??)での

理解がスムーズな児童が多い(カードなどを見せても注視できない)。

中学部

・顔写真をつかった学級会(投票場面など)。

・ランニングにおいて、達成表を作成。

・1日のふり返りをシールを使用するなどして行う。

・視覚的な支援に加えて、選択肢を示すようにしている。

高等部

・できるだけ教室内の掲示はシンプルに保つ(余計な掲示物は貼らない)。

・できるだけ机もきちんと整理・整頓した状態に保つ。

・きれいに保つ(掃除)。

・視覚的な支援ではないが、タイマーを使用することで余暇活動の切り替えができるようになった。

コラム③ 構造化について

特に、自閉症の人の感覚にこちらが合わせる支援としては「構造化」という方法が有名です。これも前述し

た TEACCH プログラムの代表的な手法です。彼らは、イメージする(見えないものを想像する)、曖昧なも

のを理解する、抽象的な事柄を処理することなどに根本的な弱さがあります。これらの特徴を補うために構

造化が使われます。「構造化」とは、障がいのあることも・人たちの特性に合わせて、環境(周囲の人や物)

の方を調整し、彼らにとって理解しやすく、また安心できる状況を用意することです。例えば、教室の中を

分かりやすい配置にしたり、時間の区切りを明確にしたり、予定を事前に伝えてこれから起きてくることに

見通しをもたせたりする方法です。

(以上、東京・日野市 公立中学校全教師・教育委員会 with 小貫悟『通常学級での特別支援教育のスタン

ダード 自己チェックとユニバーサルデザイン環境の作り方』東京書籍、2012 年参照。)

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10

別紙2 視覚的な支援の工夫例・指導教材 平成27年度

学年クラス

小学部 1年 1組

工夫例の名称

(教材名)

文字のなぞりの練習

ねらい

・形の難しい文字のなぞりを形を意識して正しくなぞる練習をする。

写真、図など

指導の実際

展開方法

工夫した点

など

一筆ずつ色を分けて蛍光マーカーで線をひいた。

「ま」はまわる部分を2色に分けて線をひいた。

児童・生徒の様子

工夫の効果など

最初は「ゆ」と「ま」が書きづらい様子だったが、書いている隣で色を伝えたり、一

緒に描くことを繰り返すことで、1人で自信を持ってなぞることができるようになっ

た。

小学部

や ゆ

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11

別紙2 視覚的な支援の工夫例・指導教材 平成27年度

学年クラス

小学部 1年 2組

工夫例の名称

(教材名)

朝の準備のスケジュール

給食後のスケジュール

ねらい

・スケジュールを確認して、一人で準備することができるようになる。

・スケジュールを確認して、給食の片付けから歯磨き、着替え、帰りの準備までを尐

しの支援ですることができるようになる。

写真、図など

指導の実際

展開方法

工夫した点

など

・言葉での指示がなかなか入らなかったが、一緒にスケジュールを確認し、準備片付

けができらたら褒める。

・途中でする事を忘れてうろうろし始めてしまうので、その時に「次何するの?」と

言葉がけをし、思い出して活動できたらほめる。できなければ、もう一度一緒にスケ

ジュールを確認して、再度「次何するの?」と言葉がけをする。

児童・生徒の様子

工夫の効果など

・朝の準備はほとんど1人でできるようになってきた。

・給食後の片付けからの活動はどうしても一人ひとりスピードが違うので、他の児童

がやっている活動が気になり注意が散漫になってしまう。なので朝の準備よりも給食

後の片付けからを重点的に指導するようにした。

・給食後のスケジュールも、「次は?」の言葉がけで思い出して片付けができる回数

が増えてきている。

小学部

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12

別紙2 視覚的な支援の工夫例・指導教材 平成27年度

学年クラス

小学部 1年 2組

工夫例の名称

(教材名)

デイサービスの確認表

ねらい

・自分が放誯後どこに行くのかを確認する。

・友達はどこに行くのかを知る。

写真、図など

指導の実際

展開方法

工夫した点

など

・好きな友だちと一緒のデイに行きたくて泣いたり、デイの車に乗りたがらないこと

があったので、朝の会の時に今日のデイを確認し、帰りの会で再度確認するようにし

た。

・朝の会では教師が「○○君は○○に行きます」と言いながらカードを貼り、そのボ

ードを黒板に掲示しておく。帰りの会で一人ひとりに「今日どこ行くの?」と質問す

るようにした。

児童・生徒の様子

工夫の効果など

・一日に2回確認することで、落ち着いてデイに行けるようになってきた。

・好きな子と同じデイに行きたくても、写真を見せながら再度一緒に確認すれば、落

ち着いて車に乗れるようになった。

小学部

事業所 A 事業所 B

事業所 C

事業所 D

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別紙2 視覚的な支援の工夫例・指導教材 平成27年度

学年クラス

小学部 1 年 3 組

工夫例の名称

(教材名)

ごちそうさまでした

ねらい

・ごちそうさま時間の基準を示す。

・食後に遊びに行きたいが、食べることが遅くて遊びに行けなかった時に、なぜ行く

ことができなかったかをわかりやすくするためのルール作り。

写真、図など

指導の実際

展開方法

工夫した点

など

・本クラスは、食後遊びに行きたい児童が多数いる。

・食べ始めは 11:40。遊ぶ時間を 15 分は確保したい。歯磨きと着替えで 15 分。食事

に 30 分はかけようということで、時間を 12:15 に設定した。

児童・生徒の様子

工夫の効果など

・「3までに食べたら○○に遊びに行こう」というルールがクラスで確立された。

・食べることが遅かった日は、「3過ぎたから今日は遊びに行けないね」というと理

解することができた。

・遊びに行きたいという欲求が、嫌いな食べ物も食べないとごちそうさまができない

につながり、完食する児童が増えた。

・遊びに行きたい場所の写真カードを自分の机に置くことで、さらなる意欲につなが

り、ボーっとする時間が減り、食事にかける時間の短縮につながった。

小学部

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14

別紙2 視覚的な支援の工夫例・指導教材 平成27年度

学年クラス

小学部 2年 1組

工夫例の名称

(教材名)

・朝の準備カード

・写真カード

ねらい

・一人で準備することができる。

・自分の行きたい場所を伝える

写真、図など

指導の実際

展開方法

工夫した点

など

○朝の準備カード

文字だけでなく、イラストも一緒に表示し、カラーで印刷したものをリュック近くに

貼り、自分で確認しながら準備するよう促す。

○写真カード

よく遊びに行く場所の写真カードを用意し、遊びに行く前に2択で児童に提示。

児童・生徒の様子

工夫の効果など

○朝の準備カード

言葉かけをしなくても、自分から確認しながら準備することが増えてきた。

○写真カード

教師がカードを提示すると、行きたい場所のカードを1枚取って教師に伝える姿が増

えた。

小学部

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15

別紙2 視覚的な支援の工夫例・指導教材 平成27年度

学年クラス 小学 部 2 年 2 組

工夫例の名称

(教材名)

スケジュール(予定)カード

(自立活動)

ねらい

・1日学習活動を、視覚を通じて理解しやすい環境にする。

・ひらがなや絵のカードを使い、今日の学習活動を理解する。

写真、図など

指導の実際

展開方法

工夫した点

など

・主に朝の会の時間割の確認をしたり、帰りの会時の今日の活動の振り返

りをしたりする時に使っている。

・日直の児童が1日の予定を、カードを見て一つずつ確認していく。文字

の読みが難しい児童の場合、絵カードを教師と一緒に同様の活動をしてい

く。帰りの会は、カードで今日の授業を確認した後、「今日は体育で○○を

しました。」など振り返るきっかけとなっている。

・ひらがなカードと絵カードは独立していて、必要に応じて分けて使うこ

とができる。

児童・生徒の様子

工夫の効果など

児童の日直の仕事としてかなり定着しつつある。1日の流れも見通しを持

って学習活動に取り組めている様子が見られる。

ひらがなカードと絵カードがあるので、児童の実態や体調に合わせて使い

分けることができる。

小学部

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16

別紙2 視覚的な支援の工夫例・指導教材 平成27年度

学年クラス

小学部 2年 3組

工夫例の名称

(教材名)

①登校後、朝の準備の手順 ②日付カレンダー ③歯磨きカード

ねらい

① 朝の準備に自らとりくむ。(必要な児童・個別)

② 朝の会の時の今日の日付と曜日がわかる。③歯磨きが一人でできる。

写真、図など

指導の実際

展開方法

工夫した点

など

① 朝、登校するとカードを見せながら「1番~。」と言葉かけして次にすることを示

す。

② 昨日、今日、明日と枠をうごかしながら日付を確認する。

③ カードを自分でめくりながら歯ブラシを当てる場所を確認して1~10を数えな

がら磨く。

児童・生徒の様子

工夫の効果など

① 一連の流れを尐しの声かけで落ち着いて取り組めるようになった。

② 日付と曜日の時系列が理解できるようになった。

③ 自ら進んで歯みがきに一人で取り組むようになった。

① ③

小学部

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小学部

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18

別紙2 視覚的な支援の工夫例・指導教材 平成27年度

学年クラス

小学部 3年 4組

工夫例の名称

(教材名)

半袖・長袖カード

ねらい

・季節に合った服を着る。

・長袖を着る事にこだわりがある児童に対して、半袖を着る事を意識付けさせる。

写真、図など

指導の実際

展開方法

工夫した点

など

・ホワイトボードに日付や場所を書いて、その下に「○ 半袖」と「× 長袖」の絵

カードを貼る。

・ホワイトボードを見ながら、一緒に着る服を繰り返し確認する。

[工夫した点]

・半袖のカードは、児童が好きなアニメのキャラクターを用いた。

・○×カードを用いて、その日に着る服を分かりやすく示した。

児童・生徒の様子

工夫の効果など

・キャラクター(半袖カード)の服装を見て、半袖を着る意識が尐しずつ持てるよう

になった。

・毎日、ホワイトボードを見て、半袖を着る事を確認することで、着替えの時間がス

ムーズに行えるようになってきた。

・最初は、○×カードを教師が貼っていたが、慣れてくると、児童が自ら貼るように

なった。正しく貼ることが出来たときに褒めると笑顔をみせるなど嬉しそうな姿も見

られるようになった。

小学部

児童の好きな

キャラクター画像

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別紙2 視覚的な支援の工夫例・指導教材 平成27年度

学年クラス

小学部 4 年 1 組

工夫例の名称

(教材名)

計算ブロックカード

ねらい

・10以上の数の計算になれる

・一人で計算できる

写真、図など

10のかたまりカード ☆長く使えるようにラミネート 1単位のカード(バラ)

5のかたまりカード

指導の実際

展開方法

工夫した点

など

・1位数+1位数、1位数-1位数の段階から2位数+1位数、2位数-1位数の学

習の発展に対応するために使用した。

・最初は教師とともに使い、なれてきたら尐しずつ距離を置いてその時の学習段階に

合わせて、アドバイスをする。5や10のかたまりカードの上に1単位のカードを重

ねて5や10のかたまりの数字に慣れ、できるようになってきたら、1単位のカード

を使わずに、指で隠すなど発展していく。

・使いやすい1単位のカードだけではなく、5や10のかたまりカードを使用してい

るのは大きな数字に対応していけるようにするためである。

児童・生徒の様子

工夫の効果など

・最初は使い方に慣れていなかったが、慣れてきたら一人で作業できるようになって

きた。また、カードから指の段階にも成長し、困らない時以外はほとんどカードなし

で取り組めるようになってきた。

・基本的な2位数+2位数、2位数-2位数の問題も解けるようになってきた。

小学部

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20

別紙2 視覚的な支援の工夫例・指導教材 平成27年度

学年クラス

小学部 4 年 1 組

工夫例の名称

(教材名)

バランスよく食べようシート

ねらい

・家庭、学校でバランスよく食事をする

・食事の大切さ知る

写真、図など

指導の実際

展開方法

工夫した点

など

・家庭と学校でこのシートを使用した。

・イラストを見ながら説明したり、児童が自分で確認したりした。

・児童の好きなキャラクターを入れることで興味を持ちやすくした。

児童・生徒の様子

工夫の効果など

・自分から手にとって見ることが多かった。

・自分からこのシートを持って教師に確認しに行く場面も見られた。

・このシートを使って約束した内容を家庭でも守ることができた。

小学部

キ ャ ラ ク タ

ー画像

キャラクター画像

キ ャ ラ ク タ

ー画像

キ ャ ラ ク タ

ー画像

イラスト

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別紙2 視覚的な支援の工夫例・指導教材 平成27年度

学年クラス

小学部 4年 2組

工夫例の名称

(教材名)

歯磨き指導

ねらい

・歯磨きの手順を学ぶ。

・一定時間歯を磨く習慣をつける。

写真、図など

≪タイムタイマー・歯磨きカード≫

指導の実際

展開方法

工夫した点

など

・歯磨きの際に手順カードをめくりながら行う。

・児童と一緒にタイマーを確認し、タイマーが鳴ったら歯磨きが終了することを伝え

る。教師が数を数えながら児童と一緒に磨くことからはじめ、一人で磨けるようにな

ってきたらタイムタイマーを使用するようにした。はじめは短い時間で設定し、徐々

に時間を延ばしていくようにしている。

児童・生徒の様子

工夫の効果など

・手順カードを見なくても、磨く場所がわかるようになってきた。

・すぐに磨き終わっていた児童も、タイマーで視覚的に時間を示すことで一定時間歯

磨きに取り組めるようになってきた。カードが終わってしまっても時間がまだ残って

いると、自分なりに考えて磨いていることもある。

小学部

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別紙2 視覚的な支援の工夫例・指導教材 平成27年度

学年クラス

小学部 5年 2組

工夫例の名称

(教材名)

絵カードタイマー(iPad アプリ)

ねらい

・給食を時間内に食べ終えることを意識する

写真、図など

指導の実際

展開方法

工夫した点

など

・苦手なメニューの際に食べることがゆっくりになってしまう児童に対して使用し

た。

・児童の見える位置に iPad を提示し、「数字が0になるまで」「赤い部分がなくなる

まで」に食べ終えることを伝えた。

児童・生徒の様子

工夫の効果など

・タイマーをよく見ながら食べていた。時計を確認するだけでは中々食べることのス

ピードアップにつながりにくかったが、この方法を用いたときは赤い表示が時間と

ともに進むにつれて早く食べようと意識している様子が見られ、時間内に食べ終え

ることができた。

小学部

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別紙2 視覚的な支援の工夫例・指導教材 平成27年度

学年クラス

小学部 5年 3組

工夫例の名称

(教材名)

予定カード

ねらい

・1 日の予定を確認して見通しを持たせる。

写真、図など

指導の実際

展開方法

工夫した点

など

・朝の着替えの時間に児童と一緒に確認する。

・ひとつずつカードを指差していき、行うことを確認する。

・次に何をするかわからないときは、このカードを見せてもう一度確認をする。

児童・生徒の様子

工夫の効果など

・朝の時間に予定カードを見ることで見通しを持てて落ち着くようになってきた。

・1 人でも予定の確認ができるようになってきた。

小学部

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別紙2 視覚的な支援の工夫例・指導教材 平成27年度

学年クラス

小学部 6年 1組

工夫例の名称

(教材名)

「みんなでモップ掃除をしよう!」

ねらい

・モップを壁から壁まで真っ直ぐかける練習をする。

・友だちと一緒に掃除することを楽しむ。

写真、図など

指導の実際

展開方法

工夫した点

など

①モップをぬらして絞る。

②モップをかける。

※壁から壁まで真っ直ぐモップをかけられるように、同じ色のマークから同じ色のマ

ークに向かってモップをかけるように促す。

※モップのもち手の部分にテープを貼り、両手正しく持てるようにした。

※決まった時間(2便下校の日の2:30から)に全員で取り組むことで、活動の一

部として定着できるようにした。

児童・生徒の様子

工夫の効果など

○マークを意識させることで、尐しずつ真っ直ぐモップをかけられるようになった。

○片手でモップをかけている時でも、もち手のテープの部分を持つように言葉かけす

ることで、正しく持てることが増えた。

○着替えるスピードが速くなったり、外遊びから帰ってくることがスムーズになった

りと、モップ掃除に向けて見通しを持って行動できることが増えた。

小学部

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別紙2 視覚的な支援の工夫例・指導教材 平成27年度

学年クラス

小学部 6年 2組

工夫例の名称

(教材名)

歯みがき手順書

ねらい

・丁寧に歯をみがく

・歯みがきの手順を理解する

写真、図など

指導の実際

展開方法

工夫した点

など

10 回ずつみがけるように、写真の下部に1~10の数字を書いた。

児童・生徒の様子

工夫の効果など

同じところをみがき続ける児童や、すぐに歯みがきを終えてしまう児童に上記の手順

書を見るように促すと、写真で場所を確認しながら順にみがけるようになった。

小学部

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別紙2 視覚的な支援の工夫例・指導教材 平成27年度

学年クラス

中学部部 1年 3組

工夫例の名称

(教材名)

声の大きさ表

ねらい

・声の大きさを視覚的に理解する

・自分の声の大きさを意識する。

写真、図など

指導の実際

展開方法

工夫した点

など

・生徒に声のレベルを記入させたり、色塗りさせたりすることで親しみを覚えるよう

にする。

・ラミネートし、いつでも生徒が確認できるようにする

児童・生徒の様子

工夫の効果など

・「今のはレベル4の声だったから3の声にしようか」などの声かけで、声の大きさ

を意識できるようになりつつある。

中学部

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別紙2 視覚的な支援の工夫例・指導教材 平成27年度

学年クラス

工夫例の名称

(教材名)

スケジュールボード

ねらい

・本人が見通しを持って取り組めるようになる。

写真、図など

指導の実際

展開方法

工夫した点

など

・登校後すぐに本人に一日の予定を確認してもらう。

・終わったら、生徒本人がそ終了した予定の上に二重線を引くことで、終わったこと

を自分で確認できるようにする。

児童・生徒の様子

工夫の効果など

・いつもと異なるスケジュールの時にも、落ち着いて見通しを持って過ごすことがで

きるようになった。

中学部

○月○日 ちょうりじっしゅう

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別紙2 視覚的な支援の工夫例・指導教材 平成27年度

学年クラス

中学部 1年 5組

工夫例の名称

(教材名) 1日の振り返り表

ねらい ・日々の振り返りの確認をする。

写真、図など

指導の実際

展開方法

工夫した点

など

・シールを使用する。(賞罰ではなく、確認のため)

・振り返りをすることで1日の良かったことやがんばったこと、反省することなどを

自主的に発言できるようにし、翌日以降に活かす。

・表にしてシールを貼っていくことで、視覚的にも確認できるようにして意欲を高め

る。

・達成感が得られるように、振り返りができれば全員シールを貼る。

児童・生徒の様子

工夫の効果など

・自己反省ができるようになってきている。

・その月の目標に対して前向きに取り組むことができ、目標が達成できなかったこと

もしっかりと受け入れ、翌月に活かすことができている。

中学部

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29

別紙2 視覚的な支援の工夫例・指導教材 平成27年度

学年クラス

工夫例の名称

(教材名)

スケジュール/片付けの指示

ねらい

・見通しを持つことができるように

・生徒が主体的に片付けできるように

写真、図など

指導の実際

展開方法

工夫した点

など

楽しみを作った。

児童・生徒の

様子

工夫の効果

など

楽しんでジャングルジムの活動に取り組めた。 自分で意識して片付けることができた。

中学部

①ランニング

②べんきょう

③きゅうしょく

④えほん

⑤おぼん

⑥ジャングルジム

フ ッ ク の

写真

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別紙2 視覚的な支援の工夫例・指導教材 平成27年度

学年クラス

中学部 1年 6組

工夫例の名称

(教材名)

① 顔写真のカード

② 文字を使ったスケジュール管理

ねらい

・目で見ることで理解力を高める。

・スケジュールを共有する。

写真、図など

① ②

指導の実際

展開方法

工夫した点

など

① デイサービスを利用している生徒が、今日の放誯後どこに行くのかを分かりやす

く提示する。ひとりひとり今日どこへ行くかを確認(可能な生徒のみ)し、写真

の横へ記入。

② 夏休み中の登校日など、普段と違うスケジュールに混乱しているときに、紙など

に日付と予定を書く。口頭でも伝える。

児童・生徒の様子

工夫の効果など

① ・自分から今日は○○へ行く、お家に帰る、という予定の見通しを持てるように

なった。

・他の生徒も○○くんはどこ、と分かっているので、バスなどに乗らないように

気にかけてくれるようになった。

② 日付とスケジュールが一致すれば落ち着いた。

7月24日(金)プール・畑

7月25日(土)

7月26日(日)

7月27日(月) 休み

7月28日(火)

7月29日(水)プール

(プールおわり)

7月30日(木)たんじょうび会

中学部

事業所 A

事業所B

事業所C

事業所D

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別紙2 視覚的な支援の工夫例・指導教材 平成27年度

学年クラス

中学部 1年 8組

工夫例の名称

(教材名)

視覚からの支援による予定確認

ねらい

写真、図など

指導の実際

展開方法

工夫した点

など

・放誯後にデイサービスを利用している生徒が居てるので、今日はどこに行くのかを

分かるように黒板に提示している。

→朝の会・帰りの会で今日は誮がどのデイサービスを利用するのかを確認する。

・1 日の予定を朝の会で確認しているが、思いがけない予定の変更がある時に気持ち

が丌安定になってしまう生徒もいてるので気持ちの切り替えをスムーズにできるよ

うに写真カードを提示して移動のきっかけをあたえるようにした。

児童・生徒の様子

工夫の効果など

・デイサービスの予定確認が定着し、こちらからの声かけがなくても朝の会・帰りの

会の時に自分たちで気付き予定の確認を行えるようになった。

・思いがけない予定変更があっても視覚的な支援により気持ちの切り替えが早くな

り、スムーズに集団に入れるようになった。

中学部

事業所 A

事業所 B

名前

名前

名前

名前

名前

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別紙2 視覚的な支援の工夫例・指導教材 平成27年度

学年クラス

中学部 部 2 年 3 組

工夫例の名称

(教材名)

時間割(個人用)

ねらい

・手元で一日の流れを確認する。

・時間も一緒に理解できるように時計の絵も付ける。

写真、図など

指導の実際

展開方法

工夫した点

など

・朝の会で黒板で一日の流れを確認しながら、生徒と一緒にひとつひとつ確認しなが

らおこなう。

児童・生徒の様子

工夫の効果など

・徐々に一日の流れを理解できるようになってきた、次は何と聞くと答えられるよう

になってきた。

中学部

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別紙2 視覚的な支援の工夫例・指導教材 平成27年度

学年クラス

中学部 2年 5組

工夫例の名称

(教材名)

タイムタイマー

ねらい

・時間を目に見えるものにする。

・終わりがわかる。

写真、図など

指導の実際

展開方法

工夫した点

など

①朝の着替えに時間がかかる生徒に対して

「3 分で着替えてみよう!」赤い部分を見せて確認する。

「よーいスタート!」「合図がなるまでに着替えよう!」

⓶健康診断などの待ち時間にクラスアクティブで取り組む時間を確認し、生徒にタイ

マーをセットさせて黒板に示してから、活動した。

児童・生徒の様子

工夫の効果など

① 終了の合図がなる前に着替えを終えようと時間を気にして、積極的に着替えに取

り組めた。今では 1 分以内に着替えることもできるようになってきた。自分でも

セットできる。

⓶どれだけの時間を集中して取り組んだら良いのかがわかる。約束の時間を

守ることができた。

中学部

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別紙2 視覚的な支援の工夫例・指導教材 平成27年度

学年クラス

中学部 2年 5組

工夫例の名称

(教材名)

表情・感情カード(教材室にあるものをコピーしてラミネートした)

ねらい

・今どんな気持ちなのかカードで示し、理解させる。

写真、図など

指導の実際

展開方法

工夫した点

など

・今の言葉、今の行動が他人にどう伝わったのかをカードで示す。

今の友だちや教師はどう感じているのかをカードで示す。

目を吊り上げて、かんかんにおこってる!

涙を流して、下をむきとっても悲しい!

にこにこの笑顔、ルンルン気分

先生は今こんな気持ちやでーとおこったカードを見せる。何でだと思うか考えさせ

る。

児童・生徒の様子

工夫の効果など

・とてもわかりやすい 3 枚のカードで、親しみやすいのか?気に入っているのか?黒

板に貼ってあるこの 3 枚のカードを使って関わり遊びをしている。

中学部

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別紙2 視覚的な支援の工夫例・指導教材 平成27年度

学年クラス

中学部 3年 5組

工夫例の名称

(教材名)

ひらがな学習プリント(個別)

ねらい

・興味のあることから意欲的に学習に取り組む。

写真、図など

指導の実際

展開方法

工夫した点

など

・懇談時に、保護者から家庭でのプリント学習を嫌がる様になったとの相談があり実

施。

・プリント学習に意欲的でない生徒に対し、大好きなスポーツ選手の写真を載せ、選

手名を平仮名で書く学習を継続しておこなった。

児童・生徒の様子

工夫の効果など

・特別活動の時間を楽しみにしている様子で、主体的に学習に取り組むことができる

ようになった。また、「今日は○○選手!ポジションは○○!」など、会話を楽しむ

コミュニケーションツールにもなった。

中学部

ス ポ ー

ツ 選 手

の画像

スポーツ選手の名前

ス ポ ー

ツ 選 手

の画像

スポーツ選手の名前

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別紙2 視覚的な支援の工夫例・指導教材 平成27年度

学年クラス

中学部 3年 6組

工夫例の名称

(教材名)

黒板カレンダー

ねらい

・日々の見通しを立てる。

・自分たちで日にちや曜日を変えていくことで、日にちに対する意識を高める。

写真、図など

指導の実際

展開方法

工夫した点

など

・教室の黒板と連動して使用することができる。

・カレンダーからその日の日付と曜日を取り、教室の黒板に貼ることができるように

している。

・月が変わる時に、みんなで貼りかえることで日付に対する意識ができるようにして

いる。また、赤と黒の数字を両方用意して貼りかえさせることで、休日や祝日にも

意識がいくようにした。

児童・生徒の様子

工夫の効果など

・毎回、月が変わる時に黒板カレンダーを貼りかえることを楽しみにしている。

・日付を意識するようになった。

中学部

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37

別紙2 視覚的な支援の工夫例・指導教材 平成27年度

学年クラス

高等部 1年 1組

工夫例の名称

(教材名)

授業の流れを示すラミネート

ねらい

・生徒が見通しを持って授業に取り組めるようになるため。

写真、図など

指導の実際

展開方法

工夫した点

など

授業の初めにこの図を見せながら授業の流れを確認する。

現在、進んでいるところを矢印で示す。

児童・生徒の様子

工夫の効果など

慣れてくると、生徒が自ら矢印を動かしに来る場面が増えた。

見通しを持って、授業に参加しているように感じる。

高等部

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別紙2 視覚的な支援の工夫例・指導教材 平成27年度

学年クラス

高等部 1 年 3 組

工夫例の名称

(教材名)

・朝の会と帰りの会の時間割 ・時間割表

・自分の予定表 ・レターボックス

ねらい

・見通しをもって活動できるように支援する。

・自分の物を認識する。

写真、図など

指導の実際

展開方法

工夫した点

など

・わからなくなったら、その都度確認するように促した。(朝の会・帰りの会)

・教科ごとに色分けされていることを説明し、各曜日の授業の順番を意識づけした。

(時間割表)

・翌日の時間割や持ち物を自分で記入して持ち帰り、自宅で確認できるようにした。

また、当日には「どんな内容を学習したか」「どう感じたか」を書き、自分の行動

を視覚化できるようにした。(自分の予定表)

・レターケースやロッカー、タオルかけ等、名札で自分の物が認識できるようにした。

児童・生徒の様子

工夫の効果など

「朝の会、帰りの会」に関しては、手順を覚えるまでは多くの生徒が確認するために

活用していた。「時間割表」も同様である。

「自分の予定表」はまだまだ試みの段階であるが、意識づけになっているようで保護

者より「自分で翌日の準備をしていることもある」とコメントをいただいた。

高等部

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別紙2 視覚的な支援の工夫例・指導教材 平成27年度

学年クラス 高等 部 1 年 4 組

工夫例の名称

(教材名)

・デイサービス予定表

・水筒、体育館シューズ入れの札

・エプロン、帽子掛け、タオル掛け、コップ置き場の見やすい配置

・掃除、給食当番表

ねらい

・生徒が見通しを持てるようにする

・自分の持ち物の自己管理能力を伸ばす。

写真、図など

指導の実際

展開方法

工夫した点

など

・イラストの入った「水筒、体育館シューズ入れの札」は、これまで個別に作成した

ものが使われていたが、今回作成したものを学情教材フォルダに保存した。イラスト

の入った「掃除、給食当番表」も、私が作成したものを学情教材フォルダに保存して

いる。共有フォルダを活用することで、作成の手間を減らし、毎年共通の視覚情報と

して使用できる。

・プリント入れには、配布時に名前が見やすいように、上にも名札を追加した。コッ

プ置き場やエプロン掛けは、個別に縦に見やすいように位置を揃え直した。

児童・生徒の様子

工夫の効果など

・デイサービス予定表を見て、生徒自身が見通しを持って落ち着いて過ごせている。

また、予定表作成後、生徒の送り間違いが無い。

高等部

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別紙2 視覚的な支援の工夫例・指導教材 平成27年度

学年クラス

高等部 3 年 2 組

工夫例の名称

(教材名)

DropTalk を使った、修学旅行における予定の確認資料

ねらい

・視覚支援が必要な自閉症スペクトラムの生徒に予定を伝える。

写真、図など

指導の実際

展開方法

工夫した点

など

修学旅行の3日間の予定を DropTalk の図や写真を使いながら、毎日確認するように

した。

Word にプリントアウトしたものと、iPod にいれたものとを持参し、起床後や、昼食

時、夕食時などに本人に見せながら確認した。 iPod を使うときには、音声も利用し

た。

児童・生徒の様子

工夫の効果など

本人は、教室でも時々使っているため、利用には慣れており、よく理解できているよ

うであった。場所が変わったが、家庭の協力も得て(家でも文字や写真で予定を確認

しておられる。)スムーズに動くことができた。

高等部

水族館