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地方自治体オフィスの改修計画 - JFMA · 2016. 3. 24. · k8 k17 k18 k19 k20 k21 k12 k13 k11 k14 k15 k16 h9 h10 h11 h12 h5 h6 h7 h8 h1 h2 h3 h4 z13 z14 z15 z16 h13 h14

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  • 地方自治体オフィスの改修計画 ~三重県庁本庁舎を実例として~

    H28.2.25 JFMA FORUM 2016

    三重県伊勢建設事務所建築開発室 安藤 亨

  • 3

    ◇三重県庁本庁舎を実例としてみた 地方自治体オフィス改修計画の3つの視点

    1.多段階プロセスによる改修工事

    2.地方自治体の組織構造

    3.オフィスでのワークスタイル

  • 4

    1 多段階プロセスによる改修工事

  • ■三重県庁本庁舎

  • 6

    ◇本庁舎改修におけるFMマネジメントサイクル

    プロジェクト管理

    戦略・計画

    運営維持

    A P

    品質

    供給

    財務

    P: Plan D: Do C: Check A: Action

  • 7

    所在地 津市広明町13 設計/施工 (株)東畑建築事務所/(株)大林組

    構造/階数 SRC造/地上8階・地下1階 天井高さ 2,700㎜(一部2,400㎜)

    建築/延面積 2,768㎡/23,128㎡ 主要通路幅 2,150㎜

    竣工年月日 昭和39年4月15日 主要スパン 7,200㎜×7,600㎜グリッド

    三重県庁本庁舎4階平面図(S39設計時)

    三重県庁本庁舎建物概要

    ◆建物のライフサイクルから見る

  • 8

    ◇三重県庁FM改修モデルにおける3段階プロセス

  • PLAN 対 象 総務局の管財営繕課 県土整備部の都市計画課・まちづくり推進課・

    建築住宅課

    検討期間 平成12年9月~13年3月

    検討経過 オフィスのあり方委託、ワーキング、 ベンチマーキング(他県、民間企業) 、研修会

    事前調査(収納物量調査、満足度調査、行動

    パターン調査)

    事後調査 4月 打合せテーブル利用率調査 5月~6月 照度調査 7月 事後オフィス利用者アンケート

    第2段階への展開:

    →4階フロアー全体のオフィス改修

    実施内容 4課オフィス改善のポイント・・・次のスライド

    DO

    CHECK

    ACTION 課題

    12月 来訪者アンケート

    ◆4階東側4課のモデル的オフィス改修

  • ◇4課オフィス改修計画のポイント

    10

    課題① オフィスのオープン化

    課題② 明確なゾーニング

    課題③ オフィス・スタンダードの確立、

  • 11

    第1段階 改修範囲

    ◇第1段階 改修範囲

  • 13年度の改修にて間仕切り壁撤去

    ◆12年度以前

    各課で区切られた、階層的なオフィス。

  • 執務スペース

    執務スペース

    共用打ち合わせスペース

    ◆4階東側4課のモデル的オフィス改修

  • 14

    ◇事後調査 満足度調査結果(評価軸別平均事前・事後集計)

  • ◇4階フロア全体への展開

  • ◇4階オフィス改修計画のポイント

    16

    課題① オフィスのオープン化

    課題② 明確なゾーニング

    課題③ オフィス・スタンダードの確立

    課題(新) リフレッシュスペースの設置

    課題(変) オフィス・スタンダードの見直し *1島:片袖机8基→片袖机6基本+両袖机2基

    4課オフィス改修計画 のポイントに同じ

    4階オフィス改修計画にて追加

  • 17

    (1)継続して使用するためのファシリティマネジメントの視点 ・PDCAサイクル3段階プロセスにおける改修工事は、前段階終了時の要改 善ポイントは、次段階においてほぼ解消可能。

    (2)改修工事における想定外の問題の予防 ・前段階での検証結果が不適当な場合、結果を次段階にフィードバック可能。

    (3)多様な要素への対応 ・オフィス改修において、執務環境の改善や組織構造の変化等の外的要因 だけの対応ではなく、そこで実際に働く職員の満足度という対立する要素を 調整し、最適解を求める改修を行う場合においては、多段階プロセスを経た 方が、修正を加えることが出来る点で効率的である。

    多段階プロセスによるオフィス改修工事の有効性について

  • 18

    2.地方自治体の組織構造

  • ◆組織構造の変化

  • 20

    タイプⅠ

    管理がし易く 管理の度合い が強いタイプ

    タイプⅢ

    管理がし難く 管理の度合い が強いタイプ

    タイプⅡ

    管理がし易く 管理の度合い が弱いタイプ

    タイプⅣ

    管理がし難く 管理の度合い が弱いタイプ

    管理の強度(強)

    管理の強度(弱)

    管理の難易度(昜)

    管理の難易度 (難)

    ◆組織構造のタイプ

    フラット型 ネットワーク型

    グループ型 ヒエラルキー型

  • ◆Aタイプオフィス(ヒエラルキー型組織時) 12年度以前平面

    ・・・各課で区切られた、階層的なオフィス。

  • ◆Bタイプオフィス(フラット型組織時) 13年度平面図

    ・・・管理職席も定型で配置するフラットなオフィス。

  • 23

    ◆Cタイプオフィス(グループ型組織時) 20年度平面図

    ・・・管理職席の独立化による責任者の明確化。

  • 24

    定 型 管理の難易度

    管理の強度

    階層的

    並列的

    非定型

    ヒエラルキー型組織オフィス 課長補佐 課長

    主査

    係員

    主査

    係員

    係員

    主幹

    係長

    主査

    係員

    主査

    係員

    係員

    主幹

    係長

    フラット型組織オフィス

    TM

    GL

    G

    G

    G

    G

    G

    G

    GL

    G

    G

    G

    G

    G

    G

    GL

    グループ型組織オフィス

    室長

    副室長

    室員

    室員 室

    室員

    室員

    副室長

    室員

    室員

    室員

    室員

    室員

    ネットワーク型組織オフィス

    フリー

    アドレス

    フリー

    アドレス

    管理職席も並列にて定型で配置する、ユニバーサルオフィス

    フリーアドレスに代表されるネットワーク的なノンテリトリアルオフィス

    部屋が課で仕切られ階層的に上下関係を持って配置されている島型対向式オフィス

    階層的にグループを単位とし、業務形態に即して一定の自由度を持って配置するオフィス

    フリー

    アドレス

    組織構造とオフィスの対応について

  • 25

    3.オフィスでのワークスタイル

  • 26

    定型業務が多い - 非定型業務が多い

    仕事を個人で進めることが多い - 仕事をグループで進めることが多い

    プライバシーを重視する - コミュニケーションを重視する

    執務室で作業することが多い - 執務室外で作業することが多い

    自席で作業することが多い - 自席外で作業することが多い

    継続的に自席を利用する - 断続的に自席を利用する

    個人で成果を求められる - グループで成果を求められる

    執務室内を移動しながら仕事をすることが少ない - 執務室内を移動しながら仕事をすることが多い

    自席での会話が多い - 自席外での会話が多い

    仕事を企画・提案することが少ない - 仕事を企画・提案することが多い

    来庁者への対応が多い - 来庁者への対応が少ない

    設問項目

    (以下の一対の質問を1~4の4段階で評価)

    ◆ワークスタイル調査

  • 27

    ①N=15 人

    ②N=19 人

    ③N=18 人

    ④N=16 人

    相互作用性(第二主成分)

    広域

    性(

    第一

    主成

    分)

    ◇広域性・相互作用性での分類

  • 28

    *h1:(英小文字)+(数字)はワーカーを表す。 は管理職等を示す:例)h1 * A :(英大文字)は区域を示す。

    z9

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    z12

    A

    A

    C

    B

    A

    A

    C

    C

    B

    B

    B

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    j21 C

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    j3

    j17

    ( Con )

    ( Col )

    ( I )

    (S)

    xK 室 xH 室 zK 室 zJ 室

    ◇ワークスタイル別 分布図(座席位置での確認)

  • 29

    ◇ワークスタイルと実際のワーカーの行動 (実際の行動をマッピングで確認)

  • 30

    地方自治体職員のワークスタイルの類型化。

    主成分分析による、広域性(第一主成分)、相互作用性(第二主成分)によるワークから、ワークスタイルを次の4類型化した。

  • 31

    ワークスタイルのオフィス計画への反映。

    ワークスタイルの4分類についてオフィスの平面計画への適用を以下のとおり考察した。 1)(Col)や(Con)に分類される相互作用性の高いワーカー同士の席を 離すことで、広範囲でのコミュニケーションが、期待できる計画とな る。 2)(Col)、(S)に分類される広域性の高い職員については、各室の周辺 部や共用ミーティングスペース近くに配置することで広域的業務に 効率的に対応できる。 3) (I)に分類される相互作用性と広域性共に低いワーカーは、個人で 業務に集中できるように、室の内側に配置することで業務に効率的 に対応できる。

  • 32

    まとめ

  • 33

    ◇地方自治体オフィスの改修計画に関する研究◇

    1.多段階プロセスの改修工事 2.オフィスの組織構造 3.オフィスのワークスタイル

    (1)ライフサイクルから見た改修計画(2)多段階プロセスによる改修工事 (3)可能性を保障した改修計画

  • 34

    PDCAを加えて建物のライフサイクルで考える。

  • 35

    〇建物のライフサイクルで考え、できるだけDを少なくする必要がある。

  • 36

    三重大学HP:地方自治体オフィスの改修計画に関する研究 http://miuse.mie-u.ac.jp/bitstream/10076/14736/1/2015DE002.pdf