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はじめに 1958年に,電子オルガンが日本で初めて誕生してから50 年近くが過ぎた。わが国では,ヤマハ(株)・(株)河合楽器 製作所・日本ビクター(株)・松下電器産業(株)・そして最 近ではローランド(株),などといった様々なメーカーが, 各々の特徴を生かし電子オルガンを開発してきた。商品登 録名は,エレクトーン・ドリマトーン・ビクトロン・テク ニトーン・アトリエである。 当初の電子オルガンは,トランジスタを使用したシンプ ルなものであったが,近年はGM General MIDI)の規格に 対応した音源などを内蔵してのフル装備になった。そして 扱われる音楽も,当時のコンボ編成の音楽から変遷して, オーケストラ作品やビッグ・バンド作品,と編成の大きな ものが主流になってきた。 音色的には大編成のものの表現を可能にはしているが, 実際は1人の演奏者が演奏することに限りはある。 そこで今回,電子楽器ならではの試みとして,シーケン サー(sequencer)を導入し,表現幅を広げることに挑戦した。 以下はそのプロセスである。 Ⅰ 今回使用する機材とソフトウェアについての 説明 本題に入るに当たり,この度の試みで使用するハードウ ェアとソフトウェアについての簡単な説明をしておく。 1.電子オルガンについて 電子オルガンは,「はじめに」の部分でも記したように, 日本国内の数種類のメーカーから発売されていて,その使 い勝手も各々の特徴を有する。ここでは,国内初の電子オ ルガンとして発売されたヤマハ製エレクトーンを例に取 り,その変遷をたどってみた。 ①ヤマハエレクトーンの変遷について 初代ヤマハエレクトーンとして開発されたD1 (機種名) は,4オクターブのマニュアル鍵盤2段と13keyのペダル鍵 盤,それぞれの鍵盤に対応する数個の音色レバーとエクス プレション・ペダル(expression pedal)を持った楽器として 誕生した。その後,エレクトーンはこの楽器を原型として, 音色の拡大やリズム装置などの付加が行われ改良を重ねて きた。 そして徐々に,アナログ・シンセサイザーの集大成とも いうべき「GX-1」,FM Frequency Modulation)音源を搭載し たデジタル方式による「Fシリーズ」,さらに楽器音を録音 しデジタル化してメモリーを蓄える方式のAWM Advanced Wave Memory)音源などを付加した機種が開発された。ま た各種設定に対しての外部記憶装置・MDR Music Disk Recorder)も活用されるようになった。 そして本論のテーマにもなる,XG音源と呼ばれる音源 モジュールを内蔵した「ELシリーズ」が出現し,現在もそ の進化を続けている。 2.シーケンサーの概要 ①シーケンサーとは 楽器で言うところのシーケンサーとは,MIDI信号を記 録・再生する機器,もしくはソフトウェアのことである。 シーケンサーは,もともと定型の動作を繰り返す機器のこ とをいい,音楽の専門用語というわけではない。 このソフトウェアは,専用機に比べ personal computer (以 PCと略す)の大きなディスプレイが利用できるため,一 度に多くの情報が表示できる。グラフィカルな方法で編集 できることの便利さも評価され,現在ではシーケンス・ソ フト(sequence soft)と呼ばれているソフトウェアが主流に なってきている。 ②MIDIとは Musical Instrument Digital Interfaceの略で,電子楽器同士 を接続するための通信規格である。この規格はもともと, 電子楽器の接続方法と制御方法を統一し,異なるメーカー 1 これからの電子オルガンのあり方についての考察 ― personal computerを併用しての音楽作り― 片桐 章子

これからの電子オルガンのあり方についての考察 - …...そして徐々に,アナログ・シンセサイザーの集大成とも いうべき「GX-1」,FM(Frequency

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Page 1: これからの電子オルガンのあり方についての考察 - …...そして徐々に,アナログ・シンセサイザーの集大成とも いうべき「GX-1」,FM(Frequency

はじめに

1958年に,電子オルガンが日本で初めて誕生してから50

年近くが過ぎた。わが国では,ヤマハ(株)・(株)河合楽器

製作所・日本ビクター(株)・松下電器産業(株)・そして最

近ではローランド(株),などといった様々なメーカーが,

各々の特徴を生かし電子オルガンを開発してきた。商品登

録名は,エレクトーン・ドリマトーン・ビクトロン・テク

ニトーン・アトリエである。

当初の電子オルガンは,トランジスタを使用したシンプ

ルなものであったが,近年はGM(General MIDI)の規格に

対応した音源などを内蔵してのフル装備になった。そして

扱われる音楽も,当時のコンボ編成の音楽から変遷して,

オーケストラ作品やビッグ・バンド作品,と編成の大きな

ものが主流になってきた。

音色的には大編成のものの表現を可能にはしているが,

実際は1人の演奏者が演奏することに限りはある。

そこで今回,電子楽器ならではの試みとして,シーケン

サー(sequencer)を導入し,表現幅を広げることに挑戦した。

以下はそのプロセスである。

Ⅰ 今回使用する機材とソフトウェアについての

説明

本題に入るに当たり,この度の試みで使用するハードウ

ェアとソフトウェアについての簡単な説明をしておく。

1.電子オルガンについて

電子オルガンは,「はじめに」の部分でも記したように,

日本国内の数種類のメーカーから発売されていて,その使

い勝手も各々の特徴を有する。ここでは,国内初の電子オ

ルガンとして発売されたヤマハ製エレクトーンを例に取

り,その変遷をたどってみた。

①ヤマハエレクトーンの変遷について

初代ヤマハエレクトーンとして開発されたD1(機種名)

は,4オクターブのマニュアル鍵盤2段と13keyのペダル鍵

盤,それぞれの鍵盤に対応する数個の音色レバーとエクス

プレション・ペダル(expression pedal)を持った楽器として

誕生した。その後,エレクトーンはこの楽器を原型として,

音色の拡大やリズム装置などの付加が行われ改良を重ねて

きた。

そして徐々に,アナログ・シンセサイザーの集大成とも

いうべき「GX-1」,FM(Frequency Modulation)音源を搭載し

たデジタル方式による「Fシリーズ」,さらに楽器音を録音

しデジタル化してメモリーを蓄える方式のAWM(Advanced

Wave Memory)音源などを付加した機種が開発された。ま

た各種設定に対しての外部記憶装置・MDR(Music Disk

Recorder)も活用されるようになった。

そして本論のテーマにもなる,XG音源と呼ばれる音源

モジュールを内蔵した「ELシリーズ」が出現し,現在もそ

の進化を続けている。

2.シーケンサーの概要

①シーケンサーとは

楽器で言うところのシーケンサーとは,MIDI信号を記

録・再生する機器,もしくはソフトウェアのことである。

シーケンサーは,もともと定型の動作を繰り返す機器のこ

とをいい,音楽の専門用語というわけではない。

このソフトウェアは,専用機に比べpersonal computer(以

降PCと略す)の大きなディスプレイが利用できるため,一

度に多くの情報が表示できる。グラフィカルな方法で編集

できることの便利さも評価され,現在ではシーケンス・ソ

フト(sequence soft)と呼ばれているソフトウェアが主流に

なってきている。

②MIDIとは

Musical Instrument Digital Interfaceの略で,電子楽器同士

を接続するための通信規格である。この規格はもともと,

電子楽器の接続方法と制御方法を統一し,異なるメーカー

― 1―

これからの電子オルガンのあり方についての考察―personal computerを併用しての音楽作り―

片桐 章子

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の電子音楽機器を接続して相互に利用できるようにする目

的で作られた。

MIDIを使って作成されたデータは,MIDI楽器への演奏

の指示を出すための演奏情報である。この演奏情報は,16

進法で記述された容量の小さいものなので,近年では,カ

ラオケ・着メロ・ホームページのBGM等の様々な用途で

使用されている。

③MIDI規格とは

MIDIの普及が始まったばかりの当初は,MIDIデータに

よるやり取りがなされるようになったものの,それぞれの

音源ごとの音色配列や機能は,ばらばらであった。そこで,

ある規定を満たしていれば,どの音源でもある程度再生で

きるようにするために,GMという規格が誕生し,128種

類の音色の相互やり取りができるようになった。

その後ローランド社がGMの上位互換の規格として提唱

したのがGSフォーマットであり,さらにヤマハがそのGS

音源に対抗して提唱したのがXGフォーマットである。

Ⅱ シーケンサーを導入しての音楽制作

1.題材:『Let’s Dance』

①本来のオリジナル曲

�楽曲説明

今回題材にした音楽の本来のオリジナルは,カルル・マ

リア・フォン・ウェーバー(Carl Maria von Weber 1786~

1826)作曲の『舞踏への勧誘』(Aufforderung zum Tanz)であ

る。この曲はピアノ曲であるが,後にエクトル・ベルリオ

ーズ(Berlioz, Hector 1803~1869)により,管弦楽用に編曲

された。

原曲は変ニ長調であり,「序奏部-A-B-A-C-D-A-B-A-結

尾部」の形式を有する。ここで題材とする『Let’s Dance』は,

この原曲のCの部分を使用したものである。

�『舞踏会への招待』Cの部分の譜例(譜例1参照)

②『Let’s Dance』

�楽曲説明

この曲は,Fanny Baldridge/Joseph Bonime/Gregory Stone

の3者の合作で,“スィングの王様”として知れ渡ったベニ

ー・グッドマン率いるベニー・グッドマン楽団のテーマ曲

として使用され,一世を風靡した。演奏スタイルは当時の

アメリカを反映させたジャズ風にアレンジされている。

�『Let’s Dance』ビッグ・バンド・スコアの譜例(譜例2参照)

2.シーケンサーを導入したアレンジへのプロセス

①電子オルガン・ソロでの演奏の場合

このスコアを電子オルガンのソロ譜にする際,譜例2の

ビッグ・バンド・スコアに近い形で再現すると,譜例3の

ようになる。この場合,各パートとも音はほぼ忠実に拾え

るが,ベース部分1つをとらえても演奏の難易度が高く,

スィング・ジャズ本来の持ち味である,楽しさ・軽快さを

表現することはむずかしい。

そこで,オリジナルの雰囲気を壊さない程度に,電子オ

ルガン演奏として弾きやすさを重視したアレンジを試み

た。(譜例4)

この形式での演奏は,演奏者本人が楽しめる環境を容易

に作ることができる。しかしその反面,音の厚みがなく,

ジャズ独特のハーモニーやベース・ラインも表現されな

い。聞く側にとっての不消化現象をも生じさせる。

更に,どちらのアレンジにも共通な問題としてあげられ

ることがある。

右手パートで取る金管楽器セクション(トランペット4

本+トロンボーン4本)と左手パートのサックス・セクショ

ン(アルト・サックス2本+テナー・サックス2本+バリト

ン・サックス1本)では,息使い・タッチ(イニシャル・タ

ッチ&アフター・タッチ)などの面で対照的な動きを必要

とする。そこでおのずからフレージングなどの使い分けが

生じてくる。

最近の電子オルガンは,演奏時のタッチで,かなりきめ

の細かい強弱が表現できるようになった。しかし音楽全体

のダイナミクスなどは,やはりエクスプレション・ペダル

での表現に委ねることは否定できない。しかもこのペダル

はそれぞれの鍵盤ごとに装備されているわけではない。そ

れ故,上記のような異なったフレーズの使い分けには,演

奏者の苦労がつきまとう。

そこでこの対照的な金管楽器セクションのパートとサッ

クス・セクションのパートを別々に演奏して,1人アンサ

ンブルを試みることにした。

②シーケンサーをプラスした場合

ここでは,金管楽器セクションが受け持っているセカン

ド・メロディにあたるパートとフォー・リズム(Four

Rhythm)すべてを,あらかじめ録音することにした。フォ

ー・リズムとは,ドラムス・ギター・ベース・ピアノを総

じた言い方である。したがって,実際に演奏するのはテー

マの部分のサックス・セクションとクラリネットのソロの

部分となる。(譜例5参照。 からはアドリブ)

リズム・セクションとジャズ的フレーズの金管楽器セク

D

― 2―

片桐 章子

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ションのパートを聞きながら,左手でメロディを奏で右手

でソロのアドリブ・フレーズを演奏するのは,この方式で

のオーソドックスなアンサンブルの手法である。

但し,逆にする方法もある。主役のクラリネットのアド

リブを演奏する際,左手パートは,サックス・セクション

よりも金管楽器セクションの方が弾きやすいと感じる場

合,譜例6のようにするとよい。

3.シーケンサーでの音楽データ制作

①使用機種について

今回電子オルガンは,その世界で最も主流メーカーであ

るヤマハ(株)の最新機種のELS-01/01C(機種名)を使用し,

シーケンス・ソフトは最も歴史のあるMOTU(Mark of the

Unicorn)社のDP4(Digital Performer4)Ver. 4.1.2を,PC側は

Mac OS X Ver. 10.3.4を使用した。

尚,ELS-01/01Cに内蔵されているXG音源の種類はMU-

90Rである。

②その内容について

譜例5にあるように,実際の演奏で取り上げるクラリネ

ットのソロとサックス・セクション以外の部分をあらかじ

めリアルタイムでDP4に入力し,それに合わせて演奏する

試みに挑戦した。

ベースは電子オルガンで演奏するのが常套手段とされて

いるが,ジャズの4ビートによるベース・ラインはウォー

キングと言われ,左足で演奏するのは難しい。バッキング

(backing)のピアノとギターも,クラリネット・パート&

サックス・セクション・パートとの両立が困難である。以

上がこれらのパートを入力した理由である。

4.DP4の使用法とその手順

手順その1:電子楽器とPCの接続について

シーケンス・ソフトのDP4と電子オルガンは,共通言語

を持たない。そこでその媒体をするのが,MIDIである。

(MIDIに関しては上記に記載)そこで,そのMIDI信号の相

互変換機であるMIDIインターフェイス(interface)の登場とな

り,各メーカーから様々な機種が開発され発売されている。

しかし最近では,楽器内にすでにこの相互変換機能を搭

載しているものが多く,今回使用のELS-01/01Cも,PC側

でドライバーをダウンロードするだけで,USBにダイレク

トにつなぐことができる。図1は,Mac OS Xのドライバー

であるCore MIDIの設定を行うアプリケーション「Audio

MIDI設定」の画面である。

このように,PC画面上でセッティングのいかんを確認

することができる。

手順その2:MIDIデーター入力用のトラックの選択と設定

新規MIDIトラックの作成→MIDIデバイスとMIDIチャン

ネルの設定→デフォルト・パッチ(DEFAULT PATCH)の設定

→録音するトラックの選定(図2)という順で各設定を行う。

デフォルト・パッチとは,そのトラックで使用する初期

設定の音色プログラムであり,デフォルト・パッチ欄に

XG音源MU-90Rの音色を設定する。

この場合,ELS-01/01Cの音色は楽器側でセットし,PC

これからの電子オルガンのあり方についての考察

― 3―

譜例1

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― 4―

片桐 章子

譜例2-1

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これからの電子オルガンのあり方についての考察

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譜例2-2

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片桐 章子

譜例3

譜例4

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側にはレジストレーション(Registration)・チェンジのコン

トローラー(controller)としてPatch X(XはELS-01/01Cのレ

ジストNo.)を入力しておく。レジストレーションとは電子

オルガン上での上鍵盤・下鍵盤・ペダル鍵盤のボイスやリ

ズムの組み合わせをいう。

手順その3:Outputチャンネルの設定

チャンネルとは,独立して特定の信号を送受信する回路

である。トラックとほぼ同義語ではあるが,シーケンス・

ソフトでのMIDIチャンネルは,1つのチャンネルでいくつ

ものトラックを構成することができる。

MIDIチャンネルは,1~16まである。その中で,1チャ

ンネルはELS-01/01C・上鍵盤,2チャンネルはELS-

これからの電子オルガンのあり方についての考察

― 7―

譜例5

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01/01C・下鍵盤,3チャンネルはELS-01/01C・足鍵盤に固

定されている。さらに4チャンネルはELS-01/01C・リード

音色用,15チャンネルはELS-01/01C・リズム用,そして

16チャンネルは各パラメーターをつかさどるコントロール

用に指定されている。尚,10チャンネルもXG音源でのリ

ズム用に固定されている。

残りのMIDIチャンネル・5~9,11~13を使用して,この

たびの各トラックに振り分けてみた。(前出の図2参照。MU-

90R-8とは,8チャンネルに設定されていることを表わす)

尚,この送受信のチャンネルに関しては,「手順その1」

で触れたオーディオ・MIDI設定ウィンドウのプロパティ

に表される。(図3)この場合の受信チャンネルは1~16,

送信チャンネルは電子オルガンの上下鍵盤を使用するため

に1 & 2に設定してある。

手順その4:system exclusiveの設定

System exclusiveはMIDIチャンネルの16で交信される。

16チャンネルを振り分けたトラック16のイヴェント・リス

ト(event list)を開き,インサート・メニュー(insert menu)

でSystem exclusiveにデータを入力する。(図4)

表記はすべて16進法である。11ページの表は,16進法と

10進法の表記を対比させたものである。

図4でのF0, F7はSystem exclusiveの始まりと終わりを表

す情報である。2段目以降の43, 10, 4CはXG固有の情報で

あり,5段目以降の43, 70はヤマハ電子オルガンの固有の情

報である。

具体的に記すると,1-1-002に入力されたデータはGM音

源オンを表す。これは今回のように,ヤマハのXG音源の

みを使用する場合必要ないが,他社のGM音源で再生する

場合などのために,入れておくと便利である。

1-1-005はXG音源を初期化するためのデータである。

1-1-010と1-1-020のデータはリバーブ・タイム値とリバ

ーブ・センド値である。このデータは通常以上に幅を持た

せるため,あえて筆者が設定したものである。このデータ

の入力がなくても,通常のリバーブはかかる。

1-3-000は電子オルガン・モードの設定を表わす。1-3-

005から1-3-030までのデータは,ヤマハ電子オルガンに内

蔵されているリズム・シーケンサーをオンにするデータで

ある。

2-1-000と2-1-030に表されているものは,電子オルガン

のリズム・シーケンサーのスタート&ストップのためのデ

ータである。但しこの場合,リズム開始時の電子オルガン

のレジストレーションを,左フットスウィッチのモードを

「リズム」,リズム設定を「停止」に設定しておく。

尚,これらのデータは,同タイムに入力すると誤操作が

起きやすいので,わずかにタイムをずらして入力すること

が必須である。

― 8―

片桐 章子

譜例6

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手順その5:テンポ&拍子・メトロノームの設定

コンダクター・トラックにおいて,テンポと拍子を設定

する。(図5)

尚,後述するが,ELS-01/01Cのリズム・シーケンサー

を使用する場合のため,こちらの方にも同テンポの設定を

する。

リアルタイム録音で不可欠なメトロノームの設定を図6

のように行う。

手順その6:各パラメーター(parameter)のセットアップ

入力信号から不要なデータをあらかじめカットしておく

ため,Input Filterを図7のようにセットする。

個々の理由は,この度はPitch bend,Mono pressure,

Poly pressureは演奏上使用しないのでオフ。またTune

これからの電子オルガンのあり方についての考察

― 9―

図1

図2

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requestはアナログシンセの場合にのみ必要な設定なので,

今回はオフ。Mode changesはModeを複数持っているモジ

ュールを使う場合の設定なので,これもオフ。(今回の

ELS-01/01Cは1つ)

不要なデータを解除する理由は,不必要な設定がデータ

量を増大し,それによって発音を遅らせる可能性が出てく

るためである。

その他に,ELS-01/01C側で演奏する際の強弱をエクス

プレション・データとして入力するため,Create Continuous

Dataを図8のように設定しておく。

手順その7:録音開始

それぞれに設定したデータを生かすため,オーヴァータ

ブ・メトロノームを各々オンにしておく。(図9)

入力の順序としては,リズム・セクションを先に入力す

ると,メロディ・パートが弾きやすいので,下記のような

順序で試みた。入力はすべてリアルタイムである。

①バス・パートの入力

②ドラムス・パートの入力(リズム・データは電子オルガン

本体に内蔵されるリズム・シーケンサーにも入力してお

くが,DP4側にも入力し,演奏の目的により使い分ける)

③ピアノ・パートの入力

④ギター・パートの入力(このパートに関しては表拍と裏

拍を2つのトラックに分けて入力した。理由はこの曲が

2拍・4拍を強くするアフター・ビート(after beat)である

ため,トラックを分けておくと,ベロシテイ(velocity)や

デュレーション(duration)を揃える処理がしやすいからで

ある。もちろん,でき上がってから合成してもよい。)

― 10―

片桐 章子

図3

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これからの電子オルガンのあり方についての考察

― 11―

図4

16進法10進法16進法10進法16進法10進法16進法10進法

60964064203200

61974165213311

62984266223422

63994367233533

641004468243644

651014569253755

661024670263866

671034771273977

681044872284088

691054973294199

6A1064A742A42A10

6B1074B752B43B11

6C1084C762C44C12

6D1094D772D45D13

6E1104E782E46E14

6F1114F792F47F15

70112508030481016

71113518131491117

72114528232501218

73115538333511319

74116548434521420

75117558535531521

76118568636541622

77119578737551723

78120588838561824

79121598939571925

7A1225A903A581A26

7B1235B913B591B27

7C1245C923C601C28

7D1255D933D611D29

7E1265E943E621E30

7F1275F953F631F31

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⑤トランペット1・パートの入力

手順その8:エディット(Edit)作業

このアレンジの金管楽器セクションに関しては,8パー

ト(トランペット4本+トロンボーン4本)ともほぼ同じ音型

を有する。1パートだけリアルタイムで入力しておき,そ

のデータをもとにエディット作業で他のパートを作成して

いく。

具体的には,それぞれのパートのインターバル(たとえ

ば基本的に3度下げている場合は3度で)に応じたトランス

ポーズ(transpose)をかけ,そのインターバルではない動き

の部分だけを修正する作業を続ける。その場合,Quick

Scribe Editorを使うとやりやすい。(図10)

ここでの注意点は,同じチャンネルから同じタイミング

で音高の等しいデータがある場合,フェイジング(phasing)

が生じるため,削除しておくことである。

もう1つの注意点は同じチャンネル内でのデュレーショ

ンの重なりである。この重なりがあると発音しない音が生

じる場合があるため,重複が認められた場合に修正してい

く。重複箇所は図11のGraphic Editor画面で確認できる。

このようにして作成した各パートの音量調節はミキシン

グボードで行う。(図12)

タイミングのバラつきはクォンタイズ(quantize)機能で

調整する。この場合はスウィングなのでバウンス(bounce)

感をもたせたい。クォンタイズを100%にすると機械的に

なるので,あえて85%くらいにしてみた。(図13)この数

字は演奏するテンポなどによって変えてみるのもよい。ま

た部分的なバウンス感を変えたいところなど,その部分だ

けのクォンタイズを設定するとおもしろい。

デュレーションやベロシティも統一することが可能だ

が,生弾きの特徴を生かすため,敢えてエディット作業を

施さなかった。もし修正の必要な箇所があれば,そのデー

タのみを個々にエディットしていくとよい。

尚,ベース・パートに関してだけは,次々加えていくパ

― 12―

片桐 章子

図6

図5

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ートのタイミングの安定感を考え,図14のようなクォン

タイズをかけた。

メロディ・パートは,筆者が自然感を表現するため,リ

アルタイム録音でクォンタイズ機能を極力使用しない方法

を試みている。

補足になるが,DP4には,ステップ入力などの機械的な

これからの電子オルガンのあり方についての考察

― 13―

図7

図8

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データに対して,敢えて音符を自動的にバラつかせるヒュ

ーマナイズ機能も搭載されている。

尚,電子オルガンなどを使用する場合,シーケンサーの

endを譜面の終止線に合わせると,余韻がミュートされて

しまう。その場合,シーケンス・データでの入力を,実際

の曲の長さより多少長くしておくとリバーブの余韻が残

― 14―

片桐 章子

図10

図9

Page 15: これからの電子オルガンのあり方についての考察 - …...そして徐々に,アナログ・シンセサイザーの集大成とも いうべき「GX-1」,FM(Frequency

これからの電子オルガンのあり方についての考察

― 15―

図11

図12

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る。それには,シーケンス・データに何か貼り付けておく

必要があるので,筆者は拍子記号などを入力している。

手順その9:ミキシング(Mixing)作業

ミキシングとは,個々のデータに対する音量・パンニン

グ(panning)そしてエフェクター(effector)の調整のことで

― 16―

片桐 章子

図13

図14

Page 17: これからの電子オルガンのあり方についての考察 - …...そして徐々に,アナログ・シンセサイザーの集大成とも いうべき「GX-1」,FM(Frequency

ある。

楽器の定位をXG音源で再現するには,様々なパラメー

ターを設定しなければならないが,この度は,音量とパン

ニングとリバーブ(reverb)量のみで表現してみた。

本来のフル・バンドは,図15(舞台の真上から見た想定)

のような配置が一般的である。しかし,XG音源を使用し

ての音楽作りの場合は,視点を変えて考える必要がある。

図16は,今回の定位を図式化したものである。この図

は正面から見た想定で,各々の楽器音の左右の配置と奥行

きを表現してある。

ピアノ・ドラムスの音色に関しては,サンプリングの際

にステレオ録音で広がるような指向性に作り上げられてい

るため,このような大きさでの表記をしてみた。

図12は,XG音源の音量およびパンニングを示したもの

であり,図17・図18・図19はELS-01/01Cの音量およびパ

ンニングを示したものである。

本来は,楽器の配置が奥になるほど,音量は小さくリバ

ーブ量は多くなるのが普通である。

但しこの場合は,音色によって奥行き感が違うため,耳

で聞いたバランスなども考慮した。

その結果,リバーブ量は,金管楽器セクションは40,ギ

ターは30,ピアノは20,ベースは8,ドラムスは20という

これからの電子オルガンのあり方についての考察

― 17―

図15

図16

Page 18: これからの電子オルガンのあり方についての考察 - …...そして徐々に,アナログ・シンセサイザーの集大成とも いうべき「GX-1」,FM(Frequency

設定にした。

リバーブの設定値は,前出の図14の2-1-000の2段目のコ

ントロール・チェンジ(control change)91のデータである。

そして,実際に演奏する電子オルガン側のリバーブは,

前述の図17・図18・図19で,音量およびパンニングの設

定と同時に確認ができる。

よく使われるエフェクターとしては,リバーブのほかに,

コーラス(chorus)・ディレイ(delay)などがあげられる。そ

れぞれのコントロール・チェンジは,コーラス93,ディレ

イ94である。0~127の範囲で希望のエフェクト量を入力す

ることができる。

尚,図14のデータ内のコントロール・チェンジ11は,

― 18―

片桐 章子

図17

図18

Page 19: これからの電子オルガンのあり方についての考察 - …...そして徐々に,アナログ・シンセサイザーの集大成とも いうべき「GX-1」,FM(Frequency

電子オルガン側のエクスプレションの動きを表している。

手順その10:SMFに変換

SMFとはStandard MIDI Fileの略で,ソフトウェアごとに

異なるMIDIの演奏情報を統一して,互換性を持たせた保

存形式である。DP4のデータをSMFに変換するには,

MIDI File Optionを図20のようにFormat1-separate tracksで設

定するとよい。

できたファイルの名前を,MDR_00. midとしておく。電

子オルガンのデータを同じフロッピー・ディスクのbank

01に入れておくと,電子オルガン側とDP4側のデータが合

成できる。電子オルガンに入れておくデータは,実際に演

奏するときの音色データとリズム・データ等である。

リズム・データに関しては,電子オルガン本体とシーケ

ンス・データと2種類用意する形式を取ったが,DP4側で

入力した方が他のデータとのバランスが取りやすい。しか

も,細かい設定なども可能であるので,本番用などにはお

勧めである。

ただし,練習過程などで特定のフレーズを頻繁に繰り返

す場合などは,どこからでもリピートできる電子オルガン

内のリズム・データを使用した方が扱いやすい。

5.電子オルガンで演奏する

「手順その10」の様式で制作したフロッピー・ディスクの

データを,電子オルガンに読み込ませ演奏してみる。

実際の演奏とDP4のデータとのアンサンブルを試みて,

不都合な箇所があれば,そのつど「手順8」に記したエディ

ット作業を繰り返し,入念に調整していく。

特に,SMFに変換してフロッピー・ディスクに入れた

XG音源のデータは,電子オルガンとの音量バランスを取

るのが難しい。この場合はDP4側で全体の音量を小さめに

入力しておき,電子オルガンの音色側でバランスを取ると

やりやすい。

これからの電子オルガンのあり方についての考察

― 19―

図19

図20

Page 20: これからの電子オルガンのあり方についての考察 - …...そして徐々に,アナログ・シンセサイザーの集大成とも いうべき「GX-1」,FM(Frequency

Ⅲ 他のシーケンサーについて

以上が,DP4で制作したデータを電子オルガンに併用し

て演奏するプロセスだが,ここで他のシーケンサーの特徴

にも触れてみる。

1.現在主流になっているシーケンス・ソフトについて

#1 Digital Performer

米Mark of the Unicorn社(通称MOTU)の製品で,代表的

なオーディオ・MIDIシーケンス・ソフト(オーディオ・ト

ラックとMIDIトラックの両方を扱えるシーケンス・ソフ

ト)の1つであり,その歴史は古い。現在,発売されている

ものはMacintosh版のみである。

#2 Cubase

独Steinberg社の製品で,これもまたオーディオ・MIDI

シーケンス・ソフトの1つであり,Digital Audio Worksta-

tion(通称DAW)の代表格的ソフトである。Windows版,

Macintosh版ともにリリースされている。

#3 Logic

独Emagic社の製品で,これもやはりオーディオ・MIDI

シーケンス・ソフトの1つである。以前はWindows版,

Macintosh版ともにリリースされていたが,Emagic社が米

Apple社に買収され,Windows市場からは撤退した。

#4 SONAR

米 Twelve Tone社(現 Cakewalk社)の製品で,以前は

Cakewalkの名称で呼ばれていたオーディオ・MIDIシーケ

ンス・ソフトである。プロ用シーケンス・ソフトとしては

数少ないWindows対応である。日本での取り扱いはローラ

ンド社であるため,ヤマハ社のXG音源よりもローランド

社のGS音源をコントロールするのに適している。

#5 SOL

ヤマハ社が開発しているXGworksという名のオーディ

オ・MIDIシーケンス・ソフトにオーディオ機能を組み込

んだソフトウェアで,Windows対応である。

#6 ACID PRO4.0

米Sonic Foundry社の製品で,ループ・シーケンス・ソフ

トである。ループ・シーケンス・ソフトとは,フレーズな

どの音声データを画面上に貼り付けて並べるだけで,コー

ドやテンポなどが自動的に調整され簡単に曲を作ることが

できるソフトである。これもWindows対応である。

#7 Singer Song Writer

インターネット社の製品のオーディオ・MIDIシーケン

ス・ソフトである。Windows版,Macintosh版がリリースさ

れている。ビギナー用としての機能を満載しているのが特

徴である。

おわりに

シーケンサーは,その本体の中に,何人かの演奏家がい

るという仮想空間が作れる。そしてそこで作られた音楽は,

「私」という人間の集合体でのアンサンブルを可能にする。

但しあくまで,ここで処理される音源は,電子音である。

生楽器のアンサンブルを題材にしても,実際に作り上げら

れる音楽は,また異質なものとなる。

電子音は,音のデータ処理をして音楽作りをしていくこ

とが多くなった現代には,非常に便利な音源である。しか

し,人間の耳に聞こえてくる音として,温かみや透明感と

いった自然の中の音色にある世界をもとめても,無理が多

くなることは避けられない。

その反面,勉強過程の段階で,オーケストラやフル・バ

ンドといった編成の大きな音楽の構成や編曲を研究するに

は,電子楽器の研究,そして特に今回のシーケンサーを使

用した音楽作りは,まことに意義のある勉強法の1つであ

ると筆者は確信する。

最近ではハードウェア・シンセサイザー(synthesizer)に

対して,PCのソフトウェアでエミュレート(emulate)する

ソフトウェア・シンセサイザーが実用化され,非常に手軽

で扱いやすいものも出てきている。このソフト・シンセサ

イザーは安価なものから高価なものまで多種あり,高級な

ものになると,そのクォリティは,電子オルガンに内蔵さ

れたXG音源などと比べるべくもなく高いものもある。

なので,シーケンサー・データはPC側から出力したほ

うが,音楽的には望ましい場合もある。

ただし,この度の研究は,あくまでも学生など勉強段階

の諸氏がシーケンサー導入音楽を学ぶ場合,簡略で仕様勝

手のよい方法の1つとしてお勧めする。

これからの電子オルガン音楽のあり方は,やはりPCと

の併合がごく当たり前になりつつある。ゆえにソフト・シ

ンセサイザーの音源を付加するなどして,音質のレベル・

アップを試み,最終的に音楽としての完成度を高くしてい

くことが望まれている。

協力者塚山エリコ(作・編曲家)鈴木浩之(シンセサイザー・プログラマー)

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片桐 章子

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長尾淳子(譜面製作者)

参考文献青山忠英(編著)2001『XG解体新書』YAMAHA MUSIC MEDIA

CORPORATION

秋山公良 2003『デジタル・ミュージックの基礎用語』東京:音楽之友社.

高橋信之 2003『Digital Performer 4. X for Mac OS X徹底操作ガイド』東京:Rittor Music.

永野光弘 2003『Digital Performer4音楽制作術』東京:音楽之友社.

日本シンセサイザー・プログラム協会(編)2001『ミュージック・メディア 実務ノウハウ』東京:社団法人音楽電子事業協会.

参考URL「MOTU製品DigitalPerformer」

(http://www.musetex.co.jp/products/motu/dp/dp4/index.html)「Cubase講座◆準備編◆CubaseVST」

(http://www.sound.co.jp/~jimi/cubase/pageA06.html)「高機能シーケンサーソフトの魅力」

(http://www.cablenet.ne.jp/~atari/logic10.htm)「製品情報 SONAR日本語版」

(http://www.roland.co.jp/products/dtm/Sonar.html)「YAMAHA PRODUCTS SYNTH & DTM」

(http://www.yamaha.co.jp/product/syndtm/p/soft/xgwstw/

index.html)「ACID 4.0」

(http://www.hookup.co.jp/software/acid4.0/acid4.0.html)「Singer Song Writer 7.0 for Windows」

(http://www.ssw.co.jp/products/win/ssw70w/ssw70w.html)

参考楽譜ウェーバー s.d.『舞踏への勧誘』全音ピアノピース No. 62 東

京:全音楽譜出版社ウェーバー1952年『舞踏への勧誘』(ベルリオーズ編曲)OGT44

東京:音楽之友社Baldridge, F., G. Stone and J. Bonime, s.d.『ベニー・グッドマン

Let’s Dance』AZ-161 東京:ミュージックエイトCopyright by Edward B. Marks Music Company.

The right for Japan licensed to Sony Music Publishing (Japan) Inc. 許諾番号(0315562-301)

(かたぎり あきこ 電子オルガン)

これからの電子オルガンのあり方についての考察

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