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機 材 支 部 技 術 委 員 会では、日本 非 破 壊 検 査 協 会 (JSNDI)非破壊試験有資格者の知識・技術のステッ プアップ、実 務での悩みの解 消、仲 間 作りなどを目的 に、今年度の新たな試みとして「NDT 塾」の開催を企 画し、その第 1回が1月24日(金)、当工業会(JANDT) 会 議 室において 20 名の受 講 者により開 催された。受 講者は検査会社・機材メーカー・製造メーカーなどの JSNDI有資格者を始め、機材販売会社営業技術員な ど多岐にわたり、また募集開始からわずかな期間で定 員に達するなど、この新たな講習会への期待感を望ま せた。講義のテーマは「基礎原理からその応用事例」 と題し、機材支部技術委員会委員を中心に非破壊検 査 各 部 門(PT・MT・ET・TT・UT・RT)に 関 連 する機材メーカーのベテラン技術者・営業技術員が講 師を担当した。各部門における基礎原理や応用事例、 最新の技術情報などについて多くの画像を交えながら 説明・紹介が行われた。 初めに、企画を担当した堀 充孝機材支部技術委員 長からこの講習会開催の主旨と開会の挨拶があり、早 速、講義がスタートした。1 時限目は浸透探傷試験と磁 粉探傷試験で、相村 英行講師が浸透探傷試験の基 礎、各種染色浸透探傷剤の特長と選定方法、試験環 境・試験条件による探傷剤の選定の実施例などにつ いて、次いで一本 哲男講師が磁粉探傷試験の基礎、 各種磁粉探傷法、複合磁化法などについて講義した。 2時限目は手塚 武夫講師が渦電流探傷試験の基礎、 きず及び材質による探傷波形の特徴、熱交換器の保 守検査での適用例、自動車部品の製造現場での応用 などについて講義した。午後からの 3 時限目は木村 彰 一講師が赤外線サーモグラフィ技術の基本原理から、 実際のインフラ調査でどのように適用されているか、コ ンクリート・タイル外壁等の剥離診断、プラント設備・電 気設備の状態監視など適用例について講義し、4 時限 目は名取 孝夫講師が超音波探傷試験の基本原理に 始まり、検査現場での使用状況、最新のフェーズドアレ イなどの基本原理と溶接部の探傷について解説した。 5時限目は栗原 基次講師が放射線透過試験の基本 原理、最新のデジタル放射線浸透試験技術、航空機 部品等の鋳造部品検査、プラント等での配管溶接部 や肉厚測定検査について紹介した。 受講者は各部門ごとの、基礎的な知識や最新の技 術情報・知識・知見、各種の現場での応用事例など の説明について興味を持って熱心に聴講し、講義後は 活発な質疑応答がなされた。最後に、猿渡 保機材支 部長の閉会の言葉を以て閉塾とし、その後、神田駅周 辺に会場を移し、今回の受講の感想や要望、講師陣 への追加質問、受講者の仕事の現況などを話題に懇 親会を開催し仲間作りの輪が広がった。 最後に、堀 充孝技術委員長は、「次 回も実施して欲しいとの声があり、受講 者からのアンケートを参 考に NDT 塾を 更に充実させていきたい。皆様のサポー トをお願いしたい。」と協力を求めた。 新型コロナウイルス感染症が拡大している状況を踏まえ、当工業会では「新 型コロナウイルス感染症に関する対応について」令和 2 年 3月9日付代表者 メールの発信を行いました。4月以降について、委員会等は今後の政府方針 や種々の状況に基づき判断し、講習会・試験は、感染防止対策を行った上で 予定通り実施する方向で準備します。また、この感染症により影響を受ける事 業主には、経産省・厚労省等から、経済支援や金融支援等の情報が発信さ れており、当工業会のWebサイト等を利用し適時情報発信を行います。 新型コロナウイルス感染症に関する対応について 厚生労働省: 新型コロナウイルス感染症に 係る雇用調整助成金の 特例措置の拡大について 経済産業省: 新型コロナウイルス感染症で 影響を受ける事業者の皆様へ ご参考 令和元年度 NDT塾 開催 講義のもよう 堀 充孝機材支部 技術委員長 (日本電磁測器) 工業会会報 第114号 1 令和2年3月31日 The Japanese Association For Non- Destructive Testing Industry (JANDT) 発行元 一般社団法人日本非破壊検査工業会 〒101-0047 東京都千代田区内神田2丁目8番1号 冨高ビル3F 電話 03-5207-5960 FAX 03-5207-5961 URL : http://www.jandt.or.jp/ E-mail : [email protected] 編集 : 広報部会 ⓒ日本非破壊検査協会

令和元年度 NDT塾 開催NDT工業会加盟の平成30年度検査会社144社の経営実態 平成30年度の会員登録票及び売上の調査結果よりまとめた。2

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Page 1: 令和元年度 NDT塾 開催NDT工業会加盟の平成30年度検査会社144社の経営実態 平成30年度の会員登録票及び売上の調査結果よりまとめた。2

機材支部技術委員会では、日本非破壊検査協会(JSNDI)非破壊試験有資格者の知識・技術のステップアップ、実務での悩みの解消、仲間作りなどを目的に、今年度の新たな試みとして「NDT塾」の開催を企画し、その第1回が1月24日(金)、当工業会(JANDT)会議室において20名の受講者により開催された。受講者は検査会社・機材メーカー・製造メーカーなどのJSNDI有資格者を始め、機材販売会社営業技術員など多岐にわたり、また募集開始からわずかな期間で定員に達するなど、この新たな講習会への期待感を望ませた。講義のテーマは「基礎原理からその応用事例」と題し、機材支部技術委員会委員を中心に非破壊検査 各 部 門(PT・MT・ET・TT・UT・RT)に関 連する機材メーカーのベテラン技術者・営業技術員が講師を担当した。各部門における基礎原理や応用事例、最新の技術情報などについて多くの画像を交えながら説明・紹介が行われた。

初めに、企画を担当した堀 充孝機材支部技術委員長からこの講習会開催の主旨と開会の挨拶があり、早速、講義がスタートした。1時限目は浸透探傷試験と磁粉探傷試験で、相村 英行講師が浸透探傷試験の基礎、各種染色浸透探傷剤の特長と選定方法、試験環境・試験条件による探傷剤の選定の実施例などについて、次いで一本 哲男講師が磁粉探傷試験の基礎、各種磁粉探傷法、複合磁化法などについて講義した。2時限目は手塚 武夫講師が渦電流探傷試験の基礎、きず及び材質による探傷波形の特徴、熱交換器の保守検査での適用例、自動車部品の製造現場での応用などについて講義した。午後からの3時限目は木村 彰一講師が赤外線サーモグラフィ技術の基本原理から、

実際のインフラ調査でどのように適用されているか、コンクリート・タイル外壁等の剥離診断、プラント設備・電気設備の状態監視など適用例について講義し、4時限目は名取 孝夫講師が超音波探傷試験の基本原理に始まり、検査現場での使用状況、最新のフェーズドアレイなどの基本原理と溶接部の探傷について解説した。5時限目は栗原 基次講師が放射線透過試験の基本原理、最新のデジタル放射線浸透試験技術、航空機部品等の鋳造部品検査、プラント等での配管溶接部や肉厚測定検査について紹介した。

受講者は各部門ごとの、基礎的な知識や最新の技術情報・知識・知見、各種の現場での応用事例などの説明について興味を持って熱心に聴講し、講義後は活発な質疑応答がなされた。最後に、猿渡 保機材支部長の閉会の言葉を以て閉塾とし、その後、神田駅周辺に会場を移し、今回の受講の感想や要望、講師陣への追加質問、受講者の仕事の現況などを話題に懇親会を開催し仲間作りの輪が広がった。

最後に、堀 充孝技術委員長は、「次回も実施して欲しいとの声があり、受講者からのアンケートを参考にNDT塾を更に充実させていきたい。皆様のサポートをお願いしたい。」と協力を求めた。

新型コロナウイルス感染症が拡大している状況を踏まえ、当工業会では「新型コロナウイルス感染症に関する対応について」令和2年3月9日付代表者メールの発信を行いました。4月以降について、委員会等は今後の政府方針や種々の状況に基づき判断し、講習会・試験は、感染防止対策を行った上で予定通り実施する方向で準備します。また、この感染症により影響を受ける事業主には、経産省・厚労省等から、経済支援や金融支援等の情報が発信されており、当工業会のWebサイト等を利用し適時情報発信を行います。

新型コロナウイルス感染症に関する対応について

厚生労働省:新型コロナウイルス感染症に係る雇用調整助成金の特例措置の拡大について

経済産業省:新型コロナウイルス感染症で 影響を受ける事業者の皆様へ

ご 参 考

令和元年度 NDT塾 開催

講義のもよう

堀 充孝機材支部技術委員長

(日本電磁測器)

工業会会報 第114号

1

令和2年3月31日

The Japanese Association For Non-Destructive Testing Industry (JANDT)

発行元 一般社団法人日本非破壊検査工業会〒101-0047東京都千代田区内神田2丁目8番1号 冨高ビル3F電話 03-5207-5960 FAX 03-5207-5961URL : http://www.jandt.or.jp/E-mail : [email protected]編集 : 広報部会

ⓒ日本非破壊検査協会

Page 2: 令和元年度 NDT塾 開催NDT工業会加盟の平成30年度検査会社144社の経営実態 平成30年度の会員登録票及び売上の調査結果よりまとめた。2

NDT工業会加盟の平成30年度検査会社144社の経営実態平成30年度の会員登録票及び売上の調査結果よりまとめた。

2. 平成30年度売上高に占める産業分類別及び検査種目別等の比率(1)産業分類別  ※売上調査と合せた推計値

(2)検査種目別

産業分野別 全検査会社

独立系検査会社

メーカ系列検査会社

鉄鋼、製鉄、鋳造 17.7 26.1 4.9 造船、重機 13.7 4.9 27.1 重電、機械 2.6 1.9 3.8 原子力関連 2.6 2.0 3.4 電力関連 18.4 7.7 34.7 石油、化学関連 26.1 30.6 19.0 ガス、水道関連 2.0 2.8 0.9 土木・橋梁関連 3.5 5.1 1.2 建築関連 8.7 14.3 0.6 その他 4.7 4.6 4.4 合 計 100.0 100.0 100.0

産業分野別 全検査会社

独立系検査会社

メーカ系列検査会社

放射線検査(RT) 13.8 13.4 14.5 超音波探傷(UT) 32.4 31.5 34.2 磁粉探傷(MT) 9.8 8.3 12.2 浸透探傷(PT) 10.8 9.8 12.4 渦電流探傷(ET) 3.4 3.7 3.0 耐圧リーク(LT) 0.7 0.2 1.5 ひずみゲージ(ST) 1.2 0.5 2.4 赤外線サーモグラフィ(TT) 0.1 0.1 0.1 目視(VT) 4.5 5.6 2.6 レーダ等 3.4 5.2 0.3 材料試験 4.3 2.2 7.7 分析 1.9 0.7 3.9 インフラ点検 1.4 1.8 0.8 その他 12.3 17.0 4.4 合 計 100.0 100.0 100.0

平成26年度 平成27年度 平成28年度 平成29年度 平成30年度会員数(社)

(対前年度比)151

(+4)153

(+2)154

(+1)154

(±0)161*1

(+7)従業員数 (人)

(対前年度比)11,187

(+788)12,356

(+1,169)11,956

(-400)11,816

(-140)10,552

(-1,294)売上高(百万円)

(対前年度比)135,500

(+6,900)138,500

(+3,000)144,000

(+5,500)139,500

(-4,500)145,500

(+6,000)

1. 会員数、従業員数 売上高の推移

*1 平成30年度(2018年4月〜2019年3月)の会員数及び従業員数は平成30年7月1日現在の会員登録票による実数値

0

5

10

15

20

25

30

35

造船、重機

重電、機械

原子力関連

電力関連

石油、化学関連

ガス、水道関連

土木・・橋梁関連

建築関連

4.9

1.9 2.03.8 3.4

7.7

30.6

19.0

4.9

26.127.1

2.80.9

5.1

1.2

14.3

0.6

4.6 4.4

34.7

鉄鋼、製鉄、鋳造

その他

独立系検査会社

メーカ系検査会社

0

5

10

15

20

25

30

35

放射線検査(RT)

超音波探傷(UT)

磁粉探傷(MT)

浸透探傷(PT)

渦電流探傷(ET)

耐圧リーク(LT)

ひずみゲージ(ST)

赤外線サーモグラフィ(TT)

目視(VT)

レーダ等

材料試験

分析

インフラ点検

その他

13.4

31.5

14.5  

34.2

8.3

12.2

9.8

3.7 3.0

0.21.5

0.52.4

0.1 0.1

5.6

2.6

5.2

0.3 2.2

7.7

0.7

3.9 1.8

0.8

17.0

4.4

12.4

独立系検査会社

メーカ系検査会社

工業会会報 第114号

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非破壊検査業界の景気動向調査 令和元年度 令和元年度調査は会員企業 198社を対象に実施し、179社より回答を得た。

過剰 適正 不足 無回答 楽である 苦しい 無回答さほど苦しくない 上昇 変わらない 低下 無回答

上昇 変わらない 低下 無回答 増加 変わらない 減少 無回答 値上げ 変わらない 値下げ 無回答 過剰 適正 不足 無回答

先行き最近

先行き最近 先行き最近 前年比

先行き最近 先行き最近 先行き最近

仕事量 売上高 検査料金 雇用人員

H30 R1 H30 R1 H30 R1 H30 R1 H30 R1 H30 R1 H30 R1 H30 R1

H30 R1H30 R1H30 R1H30 R1H30 R1

100%

0%

100%

0%

検査設備 資金繰状況 経常利益

溶接検査株式会社本社:〒985-0874

宮城県多賀城市八幡2-16-10TEL:022-365-6040

FAX:022-366-3556URL:http://yosetsukensa.com

出張所 : 青森・山形・秋田

お客様と社員に信頼される企業でありつづける

本 社 〒652-0898 神戸市兵庫区駅前通 5 丁目 3 番 14 号

TEL 078(577)3691 FAX 078(576)2008

URL http://www.imc-ndi.com/

事業所 千葉事業所/中部事業所/関西事業所

事業内容 ■ 非破壊検査全般 ■ タンク・プラント保守検査

■ インフラ点検全般 ■ 品質管理業務

 早川工業株式会社

非破壊検査全般業務本社〒319-1411 茨城県日立市川尻町5-28-24

TEL 0294-43-3242FAX 0294-43-3258URL http.//www.hayakawa-kougyou.jp

研修センター〒319-1411 茨城県日立市川尻町1-34-17

TEL 0294-32-7520FAX 0294-32-7521URL http.//www.hayakawa-kougyou.jp

 

工業会会報 第114号

3

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関西支部は、1月10日に大阪市北区のホテルグランヴィア大阪にて関西地区非破壊検査業界令和2年新春賀詞交歓会を開催、関西地区における非破壊検査に係わる行政、団体及び会員など102名が参集した。

冒頭の挨拶にて、富田 裕樹支部長は「国土強靱化対策における非破壊検査の技術や機器の活用は、安心・安全な社会インフラ構築に貢献でき、その普及のため、本年も会員・支部協力員の皆様には、より一層のご協力をお願いしたい。」と述べ、また「当業界も少子高齢化等による人材不足が深刻になりつつあり、より良い人材確保のため、今後も本部広報活動と連携した活動を行う。」と挨拶した。

続いて、来賓を代表して山本 香苗参議院議員は、議員として過去1期〜3期における非破壊検査との関わりを振返り「産業分類の非破壊検査業確立やインフラ調査士制度制定の成果」を述べ、また「この4期目においては、非破壊検査の普及に更に尽力したい。」と挨拶された。その後、鰐淵 洋子衆議院議員、伊藤 孝恵参議院議員、高橋 光男参議院議員が登壇され「防災・減災と非破壊検査」についての挨拶をいただいた。

次に行政から、小橋 厚司近畿経済産業局産業部製造産業課長が「色々な制度改革による企業負担を減らすために、種々の補助金を活用して下さい。」と述べ、石和田 隆之大阪労働局労働基準部健康課長は「健康経営と安全衛生優良企業へのチャレンジを期待したい。」と述べられた。また、黒川 純一良国土交通省近畿地方整備局長は宴中での挨拶で、「今後の予算方針について」の話をされた。

来賓の祝辞の後、横野 泰和日本非破壊検査協会関西支部長のご発声による乾杯が行われ祝宴へと移った。会場では、来賓及び会員同士の歓談の輪が広がり、盛り上がったが、定刻となって森本 量也幹事の中締め挨拶により散会となった。

西日本支部は1月23日、北九州市小倉北区の「リーガロイヤルホテル小倉」にて令和2年新年例会を開催した。例会の冒頭挨拶に立った坂本 敏弘支部長は、

「米中貿易摩擦や韓国間の問題、国内では個人消費の停滞により、景気後退の局面にある。また、地球温暖化による自然災害も頻発しており、持続可能な開発目標(SDGs)も工業会及び企業が取り組む必要性を感じている。業界としては、定修の平準化に向けて、石油化学工業協会と定修に係わる事業者団体5団体による研究会を立ち上げ、近々その報告書がプレス発表されるとのこと。またインフラ調査士の活用について、中国地方整備局と九州地方整備局の局長殿へ特記仕様に記載の申し入れを行い、普及活動を進めている。本日の特別講演は、「株式とマーケットの見方」と題して、FFG証券殿による株式の動向・国内外の景気について講演して頂きますので是非参考にして頂きたい。」と述べた。最後に、引き続き支部活動の支援と協力を求めた。

続いて松村 康人理事長は、令和年号変わりの年明け挨拶の後、国内外の社会構造・経済構造が変化する中、当工業会では、残業時間等への対応を図る為に、昨年より関連する協会団体とともに研究会に参画し、平準化が図れる様に取り組んでいる。今年度は一歩進んだ形での定修平準化研究会が発足される。またインフラ整備の条件項目として「資格者の適用」が明示され、この条件を生かし地方公共団体への普及活動も進めている。こうした活動に併せ、教育講習部門では、「e-ラーニング」を活かした、「インフラ調査士資格講習」や「JSNDIに於ける2305試験対策」もJSNDIと打ち合わせしている。これらを報告し、市場拡大や業界企業の礎となる活動を進めていくので、引き続きの理解と協力を求めた。

その後、坂本支部長により支部事業活動と本部事業報告がなされ、小休憩を挟んで、FFG証券ダイレクト営業室 松元室長による「株式とマーケットの見方」と題して特別講演が行われた。

例会終了後、会場を移し坂本支部長の挨拶、衆議院議員斉藤 鉄夫事務所の稲田秘書、参議院議員高瀬 弘美事務所の稲又秘書、日本非破壊検査協会の中山九州支部長と来賓挨拶が続き、九州工業大学加藤名誉教授の乾杯のご発声で懇親会が開宴し、和やかな歓談が行われた。定刻になり、松村理事長の中締め挨拶で散会となった。

関西支部 令和2年新春賀詞交歓会を開催

西日本支部 令和2年新年例会を開催

富田 裕樹支部長

坂本 敏弘支部長

松村 康人理事長

賀詞交歓会のもよう

工業会会報 第114号

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令和2年1月30日、西日本支部 教育講習委員会の活動計画に基づき、北九州市戸畑区の九州機械工業振興会にて、「フェーズドアレイ講習会」を7社12名の参加者のもと開催した。

講習会前半は、講師にオリンパスの山本産業販売促進担当課長を迎えて、超音波検査装置の原理・フェーズドアレイの原理・使用方法・事例紹介・デモが行われた。また、後半は上村西日本産業営業課長代理による新機種の紹介があった。

最後に、総括としての質疑応答では質問が相次ぎ活発な議論が交わされた。「今回は座学が中心でしたが、次回は検査装置を実際に使っての実技講習を希望する。」との意見もあり、1日間での駆け足の講習会ではあったが、参加された方々にとっても非常に有意義な講習会であった。

工業会では教育や安全確認の手引きとして活用していただくために【安全手帳】を発行している。検査技術者が現場作業に従事する場合に考慮すべき安全衛生の基本項目、法規制、有資格者、関連する異業種の危険防止事項などをコンパクトにまとめてある。このたび法令改正等による変更・追加等、全般的な見直しを行い、2020年3月版として発行した。価格(税抜き):会員200円、非会員330円

令和2年3月1日現在、198社(東日本支部76社、関西支部42社、西日本支部43社、機材支部37社)会員動向本 部

安全手帳 2020年3月改訂を発行 -あなたの職場の安全チェックを!!-

西日本支部 「フェーズドアレイ講習会」を開催

講習会のもよう

水でも、マシン油でも、グリセリンでも、

『耐水マーカー』

マークテック株式会社 営業部(東京) 03-3765-1712 /(大阪)06-4861-3700

・水濡れ面の上から書ける・UT接触媒質の上から書ける・接触媒質を拭いてもマークが残る・こすると拭き取れる

工業会会報 第114号

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劇場、病院、ホテル、学校、事務所等特殊構造物は、建築基準法第12条 国交省告示282号に基づき10年に1回打音検査等により外壁診断し定期報告することが義務付けられている。また、道路橋、トンネル等のインフラは、道路法施行規則第4条に基づき、打音検査を含む近接目視により5年に1回点検・診断し、維持管理することが定められている。打音検査とは、コンクリート構造物等をハンマで叩いた際に発生する音で部材の剥離・浮き等欠陥の有無を診断する技術である。たとえば、タイル・モルタル等の外壁に剥離がある場合、検査員は、健全部と剥離部のハンマ打撃時の振動周波数(音の高低、音色)、振動加速度の強さ(音の強弱)の違いを耳で判断し異常の有無を診断する。打音検査は、官能検査のため検査員の経験に基づくところが大きく、定量化されていない。このたび検査員の官能検査を機械化した剥離診断装置を製品化したので、その概要を紹介する。

1.剥離診断手法ここで提案する剥離診断手法は、ハンマ打撃時に発生する剥離部曲げ振動に着目し、図1に示す通り剥離

部の振動加速度(又は振動加速度に比例した打音音圧)の最大振幅値と一次固有周波数を測定することにより、剥離の大きさと剥離深さを定量的に算出する解析的手法である。正方形状の剥離試験体を用い、試験体の剥離深さと剥離一辺の大きさに対する剥離深さ、大きさの測定結果をそれぞれ図2、図3に示す。測定結果は、試験体の剥離寸法と良い相関が得られている。

2.剥離診断装置本剥離診断装置は、打撃ハンマと信号処理部から構成される。打撃ハンマは、ハンマ打撃力測定用センサ、

打撃時の被検体の曲げ振動を音圧として検出するマイクロホン及びこれらの信号を増幅し信号処理部に送信するプリアンプが内蔵されている。信号処理部では、打撃力、音圧信号を受けて、FFT処理、一次固有周波数の抽出、剥離演算、健全部判定等をリアルタイムで処理し、剥離部寸法(大きさ、深さ)、健全部判定結果等を表示、出力する機能を有している。製品外観を図4、打診試験状況を図5に示す。

3. 装置の特長(1) 打撃時の打音等(打撃力、音圧)測定値から直接剥離の大きさ、深さを算出するため、点検に検査員の

高度な経験に基づく判断を必要としない。(2) 解析的手法による剥離診断のため、面倒な健全部との比較、検量線の作成が不要である。(3) 検査員のハンマ打撃力が変動しても、剥離診断結果への影響が無視できる。(4) 剥離大きさ、深さの算出結果は、被検体の物性値(ヤング率、ポアソン比、密度)の変動の影響が少ない。(5) 打撃操作のみの診断のため取扱が容易である。

打音法によるコンクリート構造物の剥離診断装置

問合せ先 :株式会社KJTD 開発部TEL:072-965-6235  FAX:072-962-6236  URL: http://www.kjtd.co.jp

図1 剥離診断手法

① インパクト打撃力の測定

③ 打音一次固有周波数の測定

剥離の大きさ・深さの検出

② 最大音圧の測定 (剥離部最大振動加速度と等価)

図2 剥離深さ測定例 図3 剥離大きさ測定例

図4 剥離診断装置外観 図5 打診試験状況

技術情報

工業会会報 第114号

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問合せ先 :日本電測機株式会社 技術研究所 永野 徹TEL:093-602-6547  FAX:093-602-6314  Eメール:[email protected]

1.はじめに鋼とコンクリートの境界部は、雨水などが滞水しやすいため、腐食環境として非常に厳しい構造部位である。そ

の腐食は、局部的で進行も早く、構造物の弱点となる可能性が高い。一方、この腐食は、コンクリートの内部に生じる場合も少なくなく、コンクリートをはつらずに簡易に検査ができると点検コストの削減が期待できる。ここでは、鋼部材とコンクリートとの境界部(地際部)の腐食損傷の合理的・経済的な非接触・非破壊検査技術ついて紹介する。

2.概要鋼材部に対して非接触にコイルを走査させ、渦電流探傷により鋼部材とコンクリートとの境界部腐食深さの推

定を行う。コイルは図1(a)のように、境界部から垂直方向の上部にある健全部(約100㎜)を起点に垂直方向に走査させる。渦電流探傷は図1(c)の波形のように腐食の真上を通過した時に最大の電圧変化が得られるが、コンクリートをはつる前では図1(b)のような信号しか得られない。そこで、コンクリートをはつる前の波形から非線形回帰分析を行う事で、はつった後の波形を推測する手法を検討した。図2(a)の点線波形は探傷波形(実線波形)より非線形回帰分析を行うことで推定した結果である。図2(b)は傷の上を通過させた波形とはつり前の非線形回帰分析結果を重ね合わせたもので、ほぼ同等の波形である事が分かる。非線形回帰分析を用いることでコンクリートをはつらずに境界部の腐食深さの推定を行う手法を確立した。このような手法で鋼・コンクリート境界部の腐食検査する「バウンダリー チェッカー」を図3に示す。

3.検証事例発錆が確認された角形鋼製橋脚基部の腐食損傷調査に本システムを適用した(図4(a)、(b))。得られた電

圧変化のデータ(図4(c))を解析することで、コンクリート内部の腐食損傷の位置と腐食深さ(図4(d))を推定した。検査後にコンクリートをはつり、3D計測器にて腐食深さを詳細に計測(図4(e))したところ、渦電流探傷(ECT)結果と実腐食深さとの誤差は1mm程度であった(図4(f))。これにより、コンクリートに埋設された目視点検できない鋼材の腐食損傷を確認する手法として、この腐食検査システムが有効な手段であることが確認された。

鋼・コンクリート境界部の腐食検査技術の開発

(a)コイル走査 (c)はつり後 (a)非線形回帰分析 (b)推定結果との比較

(b)はつり前

図1 渦電流探傷検査 図2 非線形回帰分析による腐食深さの推定 図3 渦電流探傷装置例

コイル

地際腐食部

はつり前の探傷波形(実線)

はつり後の探傷波形(実線)

非線形回帰(点線) 非線形回帰(点線)

走査センサ

(a) 実証試験の検査対象

(d) 平均腐食深さの推定値

(e) 腐食表面の計測結果(A部)

(f) 推定結果との比較(A部)

(b) 腐食損傷(検査前)状況

(c) 渦電流探傷結果橋脚材端からの距離 X(mm)

120 80 400

30 20 10 0-10-20-30

012345

012345

地際からの距離

Y(mm)

平均腐食深さ

D(mm)

地際からの距離

Y(mm)

平均腐食深さ

D (mm)

図4 実証試験結果

根巻きコンクリート天端

検査対象A部

500 1000 1500 20000

950 1000 1050 1100900

950 1000 1050 1100900

500 1000 1500 20000

ECT結果 実腐食深さ(最大)

技術情報

工業会会報 第114号

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2月27日インフラ調査士資格実務(二次)試験が実施された。【実務試験】新規受験者数:95 名、再試験者数:26 名

2020年度前期(第12回)インフラ調査士の講習会・一次試験の開催予定は次のとおり。

【講習会】4月9日~ 10日 (一社)日本非破壊検査工業会【学科(一次)試験】 5月14日 東京、大阪、九州

■講習会開催情報配筋探査実技講習会 [教育講習部会] 1月20日~23日 リロの会議室水道橋(東京) 受講者60名

1月28日~30日 エル・おおさか(大阪) 受講者46名

2月4日 ~ 5日  計測検査(北九州) 受講者26名

NDI資格取得のための受験対策セミナー [東日本支部] 2月29日~3月8日 当工業会 受講者38名

NDIレベル2春期一次試験対策セミナー [関西支部] 2月29日 エル・おおさか 受講者60名

■講師派遣情報危険物保安技術協会(東京) 「コーティング上からのタンク底部板厚測定講習会」 2月17日~20日

第11回 インフラ調査士資格実務(二次)試験 受験者情報

第23回 コンクリート構造物の配筋探査技術者資格試験 受験者情報

2020年2月、配筋探査実技(二次)試験が実施された。合格者・合格率は次のとおり。

 実技(二次)試験結果関東 関西 九州 受験者合計 合格者 合格率

電磁波レーダ 164名 76名 43名 283名 177名 62.5%電磁誘導 143名 71名 48名 262名 203名 77.5%

2020年度前期(第24回)資格認証試験日程

受験地関東

( 学科:東京、 実技:川崎市)

関西(大阪市)

九州(北九州市)

学科(一次)試験 5月27日 5月27日 5月27日

実技(二次)試験 8月25日~28日

8月18日~20日

8月6日~7日

資格 橋梁-鋼橋

橋梁-コンクリート橋 トンネル 付帯施設

受験者数 29名 29名 32名 31名

合格者数 24名 24名 23名 27名

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