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-1- 令和元年度 田川郡教育研究所の主な事績 田川郡教育研究所の研究主題に基づく実践及びデータの収集 (1) 研究所員による理論研究並びに研究主題の設定 「生きる力」を育む学習指導の研究(3年次) ~主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善を通して~ (2) 田川郡内小中学校教科等部会での研究員を中心とした情報交換及び研究・実践・記録 (3) 各教科・領域での実践の記録を年度末に研究紀要として集約 教育資料の収集と整備及び活用の奨励 (1) 田川郡内外小中学校の実践事例等の収集 人材育成 (1) 研修員研修会 (2) 研究員研修会 (3) 教育実践発表会並びに教育論文表彰式・発表会 (4) 筑豊地区教育研究所連絡協議会教育実践発表会 (5) 福岡県教育研究所連盟研究発表協議会 (6) 教育実践研究に関する研修会 (7) 講師等授業力アップ講座 (1) 小・中学校教科等部会への研究奨励と支援 (2) 田川郡小・中学校人材育成プログラムへの支援と助成 発行物等 研究物等の発行 (1) 研究紀要(関係教育機関へCDで配布) (2) 所報(年間2回発行) (3) 田川郡小学校・中学校教職員名簿 ホームページでの情報提供 (1) 研究所の研究内容・活動内容及び田川郡内の教育関係情報等の紹介 (2) 教育実践等の紹介 (3) 研修会のお知らせ その他 田川郡教育研究所教育論文の募集・審査・表彰及びふくおか教育論文作成の奨励 総会(年間1回)の実施 研究所理事研修会(年間2回)の実施 所員研修会(年間7回)の実施

令和元年度田川郡教育研究所の主な事績tagawa-lab.sakura.ne.jp/119(HP).pdf · (1)研究紀要(関係教育機関へCDで配布) (2)所報(年間2回発行)

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    令和元年度 田川郡教育研究所の主な事績

    Ⅰ 研 究

    1 田川郡教育研究所の研究主題に基づく実践及びデータの収集

    (1) 研究所員による理論研究並びに研究主題の設定「生きる力」を育む学習指導の研究(3年次)

    ~主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善を通して~

    (2) 田川郡内小中学校教科等部会での研究員を中心とした情報交換及び研究・実践・記録(3) 各教科・領域での実践の記録を年度末に研究紀要として集約

    2 教育資料の収集と整備及び活用の奨励

    (1) 田川郡内外小中学校の実践事例等の収集

    Ⅱ 人材育成

    1 研 修

    (1) 研修員研修会(2) 研究員研修会(3) 教育実践発表会並びに教育論文表彰式・発表会(4) 筑豊地区教育研究所連絡協議会教育実践発表会(5) 福岡県教育研究所連盟研究発表協議会(6) 教育実践研究に関する研修会(7) 講師等授業力アップ講座

    2 支 援

    (1) 小・中学校教科等部会への研究奨励と支援(2) 田川郡小・中学校人材育成プログラムへの支援と助成

    Ⅲ 発行物等

    1 研究物等の発行

    (1) 研究紀要(関係教育機関へCDで配布)(2) 所報(年間2回発行)(3) 田川郡小学校・中学校教職員名簿

    2 ホームページでの情報提供

    (1) 研究所の研究内容・活動内容及び田川郡内の教育関係情報等の紹介(2) 教育実践等の紹介(3) 研修会のお知らせ

    Ⅳ その他

    1 田川郡教育研究所教育論文の募集・審査・表彰及びふくおか教育論文作成の奨励

    2 総会(年間1回)の実施

    3 研究所理事研修会(年間2回)の実施

    4 所員研修会(年間7回)の実施

  • - 2 -

    令 和 元 年 度 研 究 の 概 要

    1 研究主題

    「生きる力」を育む学習指導の研究(3年次)~ 主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善を通して ~

    2 主題設定の理由

    (1)社会の要請と新学習指導要領の動向から知識基盤社会といわれる現代であるが、近年顕著となっているのは、知識・情報・技術をめぐる変化

    の速さが加速度的となり、情報化やグローバル化といった社会変化が予測を超えて進展するようになっ

    てきていることである。子どもたちに、このような予測不能な社会を生きるために必要な力である「生

    きる力」を育成することがより一層求められている。つまり、子どもたちには、その変化に受け身で対

    処するのではなく、主体的に向き合って関わり合い、その過程を通して、自らの可能性を発揮しながら、

    よりよい社会と幸福な人生の創り手となることが望まれる。

    このような状況を踏まえ、中央教育審議会答申(平成28年12月)では、今後、子どもたちに育成すべ

    き資質・能力は、①生きて働く「知識・技能」、②未知の状況にも対応できる「思考力・判断力・表現力

    等」、③学びを人生や社会に生かそうとする「学びに向かう力・人間性等」であるとしている。そして、

    学校においてこれらの資質・能力を育むためには「社会に開かれた教育課程」の理念に立脚した組織運

    営の改善と授業改善を図ることが重要であるとし、改善の視点として「カリキュラム・マネジメント」

    と「主体的・対話的で深い学びの実現」に向けた授業改善を提起している。

    新学習指導要領では、従来の各教科等の指導による「何を学ぶか」に加えて「どのように学ぶか」「何

    ができるようになるか」が答申で提起された子どもたちに育成すべき三本柱として、求められるように

    なっている。さらに、各教科等の目標や内容も再整理され「何ができるようになるか(資質・能力)」「何

    を学ぶか(内容)」が明確化されている。また、総則では「どのように学ぶか」について、教育課程編成

    ・実施の在り方(カリキュラム・マネジメント)や子どもの主体的、対話的で深い学びを実現するため

    の配慮事項が示されている。今後、各学校では新学習指導要領で示された内容をもとに教育課程の見直

    しや授業改善を進めることが急務となる。

    以上のことから、新学習指導要領の全面実施(小学校:令和2年度、中学校:令和3年度)を見据え、

    本主題を掲げた実践研究を行うことは、本郡学校教育の充実を図る上で大変意義深いと考える。

    (2)田川郡の児童生徒を取り巻く状況から

    エネルギー革命に伴う炭鉱閉山の影響は、長年にわたって児童生徒の生活に大きく影響を与えてき

    たと言われている。本郡の状況を見ても、経済的に厳しい状況にある家庭が依然として多い。また、

    児童生徒を取り巻く環境は、急速に変化し、特に情報通信機器の進歩は目覚ましいものがある。携帯

    電話やスマートフォンの所持率は、学年が上がるごとに高くなり、このことが基本的生活習慣の定着

    や健康面にも少なからず影響を及ぼしていると考えられる。

    本郡の学校教育においては、子どもたちの学力の向上が大きな課題とされて久しい。その中で、児

    童生徒の思考力・判断力・表現力の向上を図るための様々な試みがなされていることは資料1にも見て

    取れる。

  • - 3 -

    【小学校】 【中学校】

    今までに受けた授業では、課題の解決に向けて、自分で考え、自分から取り組んでいたと思いますか?

    当てはまるどちらかといえ どちらかといえば 当てはまら

    当てはまるどちらかといえ どちらかといえば 当てはまら

    ば当てはまる 当てはまらない ない ば当てはまる 当てはまらない ない

    全 国 29.1 47.6 19.0 4.2 全 国 26.3 47.5 20.8 5.3福岡県 26.5 47.5 21.4 4.5 福岡県 24.2 47.2 22.8 5.8田川郡 25.0 41.0 28.2 5.8 田川郡 24.4 42.7 26.1 6.8

    今までに受けた授業で、自分の考えを発表する機会では、自分の考えがうまく伝わるよう、資料や文章、話の組み立てなどを工夫して発表していたと思いますか?

    当てはまるどちらかといえ どちらかといえば 当てはまら

    当てはまるどちらかといえ どちらかといえば 当てはまら

    ば当てはまる 当てはまらない ない ば当てはまる 当てはまらない ない

    全 国 23.5 37.5 28.7 10.0 全 国 16.6 37.2 33.4 12.5福岡県 22.0 35.4 31.4 10.9 福岡県 14.6 33.9 36.0 15.2田川郡 18.8 30.6 34.6 16.1 田川郡 13.8 30.6 39.8 15.5

    友達との間で話し合う活動を通じて、自分の考えを深めたり、広げたりすることができていると思いますか?

    当てはまるどちらかといえ どちらかといえば 当てはまら

    当てはまるどちらかといえ どちらかといえば 当てはまら

    ば当てはまる 当てはまらない ない ば当てはまる 当てはまらない ない

    全 国 34.7 43.0 17.3 4.8 全 国 32.4 43.9 17.3 6.3福岡県 32.2 43.9 18.8 4.9 福岡県 32.2 43.8 17.5 6.4田川郡 31.1 40.4 22.8 5.7 田川郡 30.3 39.3 22.5 7.9

    【資料1 平成30年度実施 全国学力・学習状況調査より】

    しかしながら、資料2のように、国語A問題・B問題、算数A問題・B問題、数学A問題・B問題の平均正答率は、いずれも全国平均や福岡県平均、さらには筑豊地区よりも低く、特に思考力・判断力・表現力を問うB問題のポイント差は大きい。また、小学校は、少しずつ改善傾向にあるものの中学校では、横ばいの状況が続いている。

    [小学校第6学年・標準化得点] [中学校第3学年 ・標準化得点]

    国語A 国語B 算数A 算数B 国語A 国語B 数学A 数学B

    全 国 98.8 100.0 100.0 100.0 全 国 100.8 100.0 102.1 103.1

    福岡県 100.0 100.0 100.0 100.0 福岡県 100.0 100.0 100.0 100.0

    筑豊地区 94.2 90.9 94.4 90.2 筑豊地区 94.6 92.7 90.1 85.9

    【資料2 平成30年度実施 全国学力・学習状況調査より】

    以上のことから、グループでの交流活動や自分の考えを発表する場などの機会は設定しているもの

    の、活動そのものが目的になっている場合も少なからず見られ、児童生徒に確かな学力をつけること

    に必ずしもつながっていないと考える。

    したがって、本研究においては、活動そのものを目的とするのではなく、活動の中で「何を学び」「何ができるようになるのか」を児童生徒に実感させていくことで「主体的、対話的な深い学び」を実現することができ、「生きる力」を育むことにつながるものと考えた。

    (3)これまでの研究の経緯から

    当研究所では、これまでも下表のように、学習指導要領の改訂などを機に研究主題等を設定し、郡小

    中学校長会主催による教科等部会と連携して実践研究に取り組むことで、本郡教育の充実に一定の成果

    を上げてきた。ただ、過去の研究主題は時々の全国や本郡の教育課題を踏まえ「学力向上」、「評価」、「言

    語活動の充実」等、広く取組の方向性を示すものであり、各教科部会等での取組の自由度は高かったが、

    取組の具体化が不十分であった場合には公開授業研修等での視点が定まらず、協議が深まらなかったり、

    検証が十分できなかったりといった課題があった。

    今回の主題については、中教審答申や新学習指導要領等の内容を踏まえた目指す児童生徒の姿として

    設定した。また、児童生徒に身に付けさせる資質・能力やそのための手立て(主体的・対話的で深い学

    びの実現)についても示している。これにより、各教科部会等で本主題等を教科の本質や特質、専門性

    を踏まえて具体化することで、実践研究の一層の深化が期待できる。

    以上のことから、具体的な児童生徒の姿として設定した本主題は各教科部会等における実践研究の活

    性化を促す上で意義があると考える。

  • - 4 -

    年 度 研 究 主 題 国の動向

    平成 15 ~ 17 年度学力実態及び学力向上の取組に関する調査・研究 学習指導要領の

    ~学力検査結果の分析と実践事例の収集を通して~ 一部改正

    平成 18 ~ 22 年度学力向上の取り組みに関する研究 全国学力学習状況

    ~生きる力を身につけた児童生徒の育成~ 調査開始

    学習指導と評価に関する研究 学習指導要領改訂平成 23 ~ 28 年度

    ~言語活動の充実を図った学習指導と新しい評価の実践事例の収集を通して~ 小23、中24実施

    3 主題・副主題の意味

    (1)「生きる力」を育む学習指導とは「生きる力」を育む学習指導とは、各教科、特別の教科道徳、総合的な学習の時間及び特別活動にお

    いて、子供の発達段階や特性等を踏まえつつ、次に掲げる3点の資質・能力を偏りなく育成できるよう

    な授業づくりを行うことである。

    ① 生きて働く知識・技能の習得させること。② 思考力、判断力、表現力等を育成すること。③ 学びに向かう力・人間性等を涵養すること。

    (2)「主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善」とは【主体的な学び】

    学ぶことに興味や関心を持ち、自己のキャリア形成の方向性と関連づけながら、見通しを持って粘り強く取組み、自らの学習活動を振り返って次につなげる学び

    【対話的な学び】

    子ども同士の協働、教師や地域の人との対話、先哲の考え方を手掛かりに考えること等を通じ、自らの考えを広げ深める学び

    【深い学び】

    習得・活用・探究という学びの過程の中で、各教科等の特質に応じた「見方・考え方」を働かせながら、知識を相互に関連付けてより深く理解したり、情報を精査して考えを形成したり、問題を見いだして解決策を考えたり、思いや考えを基に創造したりすることに向かう学び

    主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善とは、この3つの学びの視点から学習過程の質

    的改善を行うことであり、そのことを通して、「生きて働く知識・技能の習得」「未知の状況にも対

    応できる思考力・判断力・表現力等の育成」「学びを人生や社会に生かそうとする学びに向かう力・

    人間性の涵養」を育成するものである。

    主体的・対話的で深い学びの実現に向け実践していく上で、具体的には、次の7つの事項を意識し

    た授業改善を行っていく必要がある。

    ① 各教科等の特質に応じた見方・考え方を働かせながら、知識を相互に関連付けてより深く理解

    したり、情報を精査して考えを形成したり、問題を見いだして解決策を考えたり、思いや考えを

    もとに想像したりすることに向かう学習の過程を重視する。

    ② 言語活動の能力を育成するため、各学校において必要な言語環境を整えるとともに、各教科等

    の特質に応じて、子供の言語活動を充実する。

    ③ 情報活用能力の育成を図るため、各学校において、コンピュータや情報通信ネットワークなど

    の情報手段を活用するために必要な環境を整え、これらを適切に活用した学習活動の充実を図る。

  • - 5 -

    ④ 子供が学習の見通しを立てたり学習したことを振り返ったりする活動を、計画的に取り入れる

    ように工夫する。

    ⑤ 子供が生命の有限さや自然の大切さ、主体的に挑戦してみることや多様な他者と協働すること

    の重要性などを実感しながら理解することができるよう、各教科等の特質に応じた体験活動を重

    視する。

    ⑥ 子供が自ら学習課題や学習活動を選択する機会を設けるなど、子供の興味・関心を生かした自

    主的、自発的な学習活動が促されるよう工夫する。

    ⑦ 学校図書館を計画的に利用しその機能の活用を図り、子供の自主的、自発的な学習活動や読書

    活動を充実する。

    4 研究の目標

    各教科・道徳・外国語活動・総合的な学習の時間・特別活動等において、新学習指導要領がめざす

    「カリキュラム・マネジメント」「主体的・対話的で深い学びの実現」に向けた授業改善について究

    明する。

    5 研究の内容

    (1)各教科・領域等の学力や児童生徒の実態を分析する。

    (2)各教科・領域等における主題を設定する。

    (3)各教科・領域等における主題を達成すべき学習指導等を明らかにする。

    (4)各教科・領域等において主題に基づいた研究実践を行う。

    (5)各教科・領域等において実践事例としてまとめ、成果と課題を明らかにする。

    6 研究仮説

    各教科、領域等において下記のような手立てをとり、子どもたちに育成すべき資質・能力を(3本

    柱「何を学ぶか」「どのように学ぶか」「何ができるようになるか」)明らかにし、授業改善の実践研

    究を進めていけば、児童・生徒が新学習指導要領で求められている力を身につけることができるであ

    ろう。

    (1)田川郡教育研究所と郡小・中学校校長会が連携し、各教科等部会を組織し、教職員が希望する

    教科等の理論や指導技術を磨く場を設定する。

    (2)各教科等部会において、当該教科等における学力や児童生徒の実態や課題を明確にし、以下の

    ように授業改善を推進する。

    ①子供たちに育成すべき資質・能力の明確化

    ②主体的・対話的で深い学びの実現の具体策の明確化

    7 研究の方法

    (1)研究の組織

    ①研究所員研修会■ア 構成:所長1名、副所長2名(小・中学校校長より各1名)、幹事1名(副所長1名が兼任)、

    書記1名、主任指導員2名(小・中学校教頭より各1名)、指導員4名(小・中学校主幹教諭

    より各2名)

    イ 役割:研究主題や研究構想の設定、研究の年次計画の立案等、研究推進の中核となる。主題

    にかかわる理論研究、実態調査等をもとに研究の見通しを設定し、授業設計の方向を示す。研

    究員との連携を図り、実証の援助を行う。

    ②研究員研修会■ア 構成:研究所所員、研究員(小・中学校各教科等部会の代表)

    イ 役割:教科の独自性を生かしながら、研究主題に基づいた指導内容・方法についての情報交

    換や協議を行い、課題解決に向けて計画立案し推進する。

  • - 6 -

    ③研究の組織図■

    (2)研究の計画

    ①1年次■ア 研究主題の設定

    イ 主題に基づく理論研究

    ウ 実践研究(各教科等・道徳・外国語活動・総合的な学習の時間・特別活動)

    ◇授業計画 ◇検証授業 ◇考察・まとめ

    エ 研究のまとめ

    オ 研究紀要の作成

    ②2年次以降■ア 研究主題・副主題の検討

    イ 主題に基づく理論研究

    ウ 実践研究(各教科等・道徳・外国語活動・総合的な学習の時間・特別活動)

    ◇授業計画 ◇検証授業 ◇考察・まとめ

    エ 研究のまとめ

    オ 研究紀要の作成

    8 研究員の役割

    研究実践の中核となる。教科等部会での理論研究・実態調査をもとに研究仮説を設定、授業を通

    してデータの収集・分析を行い、研究主題の解明にあたる。

    【研究員研修会で研究員に研究の概要について説明をする様子】

  • - 7 -

    川崎町立川崎東小学校

    平成 29・30・令和元年度 福岡県重点課題研究・委嘱事業「最終報告会」

    【実施日】令和元年11月15日(金)【研究主題】

    健康な生活を送ることができる力を身に付けた児童の育成~授業づくり・健康カリキュラムづくり・健康教育環境づくりの工夫を通して~

    1 目指す児童像「健康な生活を送ることができる力」とは、生涯にわたって健康に生活するために「食」「運

    動」「生活習慣」のそれぞれの側面から自己の課題を捉え、よりよく解決するために自らが主体的に課題解決のための方法を考え選択したり、教師や友達、保護者や地域と話し合ったり、教え合ったりしながら課題を解決し、将来にわたって自分の健康の保持増進のためによりよくしていこうと実践していくことである

    2 研究構想図ならびに仮説検証のための着眼

    【着眼1】学校教育活動全体における

    「食」「運動」「生活習慣」の側面を中心とした健康カリキュラムの編成

    【着眼2】「深い学びの視点とその手立て」を明確に位置付けた授業づくり【着眼3】学校における健康教育環境の整備・充実

    3 研究の成果と課題

    <成果>

    〇 自分や他者が健康な生活を送るために必要な知識や技能を身に付けた児童を育成する上で、

    学校における健康教育の環境の整備・充実は、有効であった。特に、健康教育の積み重ねや児

    童自身の成長を見取れる「健康ファイル(健康ポートフォリオ)」の活用は、その良さを実感し

    た児童が多いことからも、効果的であったと言える。〇 自分の健康に関する状況・状態から自己の課題を設定し、自分で考えたり、他者と対話したりしながらよりよい解決に向けて判断や表現できる児童を育成する上で、「深い学びの視点とその手立て」を明確に位置付けた授業づくりは、効果的であった。

    〇 健康教育を推進するために、「健康カリキュラムの編成」と「9つの目指す児童の姿」と関連付けて取り組んだことは、児童の資質・能力を見取る上で大変有効であった。特に、児童の発達段階や定期的な見直し、付加・修正などを行い、カリキュラム及び評価の内容が具体化したことで、健康教育の目標を児童の姿で評価することができた。

    <課題>● 「食」「運動」「生活習慣」の中には、今後も付加・修正をしながら取組を継続して取り組む

    必要がある。特に、「生活習慣」に関しては、本校に実態として生活の基盤に関わるので、今

    後も取組を吟味・精選しながら取り組む必要がある。また、取組を数値化して児童の変容(成

    長)を見取るとともに、肯定的評価を意識しながら日々の取組をさらに検討していく必要がある。

  • - 8 -

    福智町立赤池中学校

    【実施日】 令和元年10月15日(火)

    【研究主題について】

    「望ましい食生活を基盤に主体的に学ぶ生徒の育成」~授業方法の工夫と学力の基盤となる食生活の改善を目指したアプローチを通して~

    子どもが健やかに成長するには、バランスのとれた食事、十分な睡眠、適度な運動が大切にな

    る。しかし、社会の変化にともない、家庭のあり方が変わり基本的な生活習慣が乱れがちになる

    家庭が増え、このことが学習意欲や体力、気力の低下の要因の一つとして指摘されている。

    本校は、今まで授業づくりの取り組みを積み重ね、学力については上昇傾向にあるとは言える

    ものの、これまで以上の学力の定着が必要である。また、授業中に集中力に欠ける生徒が多く、

    学習意欲にも課題がある。これらは朝食の摂取の有無が授業への意欲に関わることからも、生徒

    の学力の基盤となる、食生活の見直しを行うことも必要であると考え、本主題を設定した。

    【研究の実際】

    ① 道徳科における取り組みの推進

    各学年で発達段階に応じて道徳

    科における食育の推進を図った。

    [第1学年]食への関心を持たせ、望ましい生活習慣を身につけて心身の健康の増進を図る。

    [第2学年]ルールとマナーの共通点・相違点を考えさせることで、望ましい食生活のルールや

    マナーを身に付けさせる、自他への配慮と思いやりの態度を養う。

    [第3学年]本校の給食の残量や日本の食品ロスの現状を体感させ、自らの食生活を振り返り、

    今後の食への取り組みを具体的に考えさせる。

    ② 給食指導及びきょうだい班活動

    町給食センターの栄養教諭と連携し、「中学生に必要な栄養と給食について」の内容で講話を

    していただいた。その中で町内6校中、最も残食が多いのは本校であることが判明し、生徒会と

    ともにフードレスキュー(給食の残食を減らす取り組み)を全校で取り組み、栄養教諭に評価し

    ていただいた。きょうだい班活動では、3年生がリーダーとなり、下級生に食事マナー講座を実

    施した。さらに異学年でランチタイムを行い、食事がもつ楽しさを実感させるような取り組みを

    行った。

    ③ 外部講師を招いての食育講演会

    「はなちゃんのみそ汁」で著名な安武伸吾氏に「私たちが次の世代に残していけるもの~生き

    ることは食べること~」と題し、保護者も参加し講演していただいた。その中で、四国で始まっ

    た「生徒が作るお弁当の日」について提案していただき、2学期に本校でも「お弁当の日」を実

    施した。結果は生徒・保護者ともに好評であり、3学期にも実施予定である。さらに岡山県川崎

    医療福祉大学 教授 小野章史氏に「朝食の大切さ」と題し講演していただいた。朝食の重要性

    について生徒に分かりやすく、科学的に説明していただいた。学力向上と「朝食をきちんと摂る」

    ことに大きく関係していることを生徒に理解させることができた。さらに保護者啓発を兼ねて、

    部活動保護者会では「部活動と食の関係について」と題し栄養教諭による講話や、保護者向けの

    給食試食会を実施し、栄養教諭に献立の説明や給食センターでの給食に配慮していることを説明

    していただいた。

  • - 9 -

    【国語科部会】 校長 白 石 毅 【社会科部会】 校長 髙 上 克 也

    第1回 講話「今求められる 田川郡小学校の国語科授業」 第1回 組織作り、社会科の授業作りについて

    講師 筑豊教育事務所 安永真須美 指導主事 ・1学期の各学年の交流、学習のまとめについて

    第2回 実践発表及び協議 第2回 フィールドワーク研修

    教 諭 中原 正文 先生 ・みやこ町歴史民俗博物館、橘塚古墳、綾塚古墳

    主幹教諭 稲冨 哲市 先生 第3回 授業研修会

    第3回 授業研修会 ・ 教諭 東 亜紀 先生

    授業者 教諭 萩原詩乃 先生 ・第6学年「憲法とわたしたちの暮らし」

    単元名 くらべてよもう「じどう車くらべ」 第4回 実践研修及び年間のまとめ

    第4回 実践発表及び協議 ・新年度教科書、地図帳の活用について

    教諭 伊藤 有紀 先生 ・年間のまとめ及び次年度に向けて

    教諭 髙木 美和 先生

    【算数科部会】 校長 奥 浩 幸 【理科部会】 校長 岩 川 秀 治

    第1回 部会長からの問題提起と方向性決定 第1回 研究グループづくり 活動計画作成

    組織作り及び各部会の年間計画作成 第2回 講師招聘による研修会

    全国学力調査の分析結果より提言 「理科におけるプログラミング教育の実際」

    【 主幹教諭 夕田美穂 先生】 ○ルビィのぼうけんワークショップ

    第2回 講師招聘研修【附属小 小川毅彦 先生】 ○「メッシュ」、「スクラッチ」演習

    「主体的・対話的で深い学びに向かう授業」 第3回 実践交流と今年度のまとめ

    各部会ごとに実践交流 各種研修会参加

    第3回 赤小学校 授業研究会への参加 筑豊地区小学校理科教育研修会研修会

    【附属小:田中博史先生】 各部会実践 福岡県小学校理科教育研究大会

    第4回 各部会ごとに1年間の実践交流 年間総括

    【生活科・総合的な学習の時間部会】校長 益田 茂 【音楽科部会】 校長 中 野 寿

    Ⅰ 組織づくりと活動計画案の作成、情報交換 ○ 組織作り及び年間研修計画 情報交換

    Ⅱ 講師招聘による研修会 ○ 研修「新学習指導要領と音楽科学習指導の

    実習:パン作り(7月) 実際について」(講話・演習)

    講師: 阿部 浩明 氏 ・ 教頭 綾部 光浩 先生

    Ⅲ 一般研修(11月) ・ 教諭 山口 由一郎 先生福岡県国際理解教育研究大会参加 ○ 音楽部会 授業研修会 (場所:小学校)

    Ⅳ 実践発表(1月) ・授業者 中園 佳代 先生

    総合的な学習実践報告 ・題 材 5年 詩と音楽を味わおう

    「アフリカのことを知ろう」 ○ 県、地区小学校音楽教育研究大会(感田小)

    発表者: 林 修平 先生

    【図画工作科部会】 校長 金 子 祥 二 【家庭科部会】 校長 縄 田 房 枝

    6月 組織作りと活動計画作成 ○組織づくりと年間活動計画

    実技研修「キーホルダー作り」 ○実技研修会

    7月 実技研修「糸のこ等の道具の使い方」 講師:井上 洋子先生

    ~ブックエンド作りを通して~ 内容:実技講習「やってみよう!ソーイング」

    8月 筑豊地区小図工研究会実技研修会参加 ○筑豊地区小学校家庭科教育研究大会参加

    12月 県小児童画展田川郡審査(真崎小) 「自らよりよい生活を創り出す子供を

    県小児童画展筑豊地区審査(島門小) 育てる家庭科教育」

    1月 実践レポート綴じ合わせと実践交流 ~自分の成長を実感する学習展開の工夫を通して~

    及び本年度のまとめ ○授業実践交流会と本年度のまとめ

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    【体育科部会】 校長 石 堂 昌 彦 【道徳科部会】 校長 植 村 徹 也

    ○ 第1回部会 6月24日(金田小) ○第1回部会 6月24日(今任小)

    組織づくりと年間計画及び4部会の情報交換 ・組織作り

    ○ 第2回部会 7月24日(金田小) ・講話 筑豊教育事務所指導主事手嶋圭吾先生

    実技講習(スポコン広場)4部会実践交流 「特別の教科道徳の授業づくりについて」

    ○ 第3回部会11月26日 ○第2回部会 7月24日(今任小)

    授業研 岡本 啓吾 教諭 ・2学期授業研の指導案検討及び情報交換

    ・体つくり運動(多様な動きをつくる運動) ○第3回部会11月26日(猪位金学園)

    指導助言 小学校 石堂 昌彦 校長 ・地区別道徳教育研究協議会への参加

    ○ 第4回部会 1月28日(金田小)まとめ ○第4回部会

    ・実践の交流及び情報交換

    【外国語活動部会】 校長 森 隆 子 【特別活動部会】 校長 川 上 三千夫

    第 1回 組織づくりと年間計画作成、情報交換 ○第1回部会 6月 24日〈小学校〉第 2回 講話・演習 ・組織作りと活動計画、情報交換(実践交流)「2学期からの授業に向けて ○第2回部会 7月 24日〈小学校〉

    ~言語活動、技能統合について~」 ・実践報告・協議会〈柳井先生〉

    講師 筑豊教育事務所 中西由恵指導主事 ○第3回部会 1月 16日 授業研修会第 3回 授業研修 小学校 4年 ・「公開授業」~5年1組、津田努先生Alphabet (Let’s Try!2 Unit6) ・授業研究「学級活動(1)-ア、学級会」授業者 岸野 未来 教諭 ○第4回部会 1月 22日〈中津原小学校〉指導助言 筑豊教育事務所 中西由恵指導主事 ・今年度のまとめと次年度の方向性について

    第 4回 実践報告と本年度のまとめ * 12月4日筑豊地区大会(伊左座小)~部会員参加

    【特別支援教育部会】 校長 堺 裕明

    1.組織づくり、年間活動計画及び情報交換

    2.講師研修会

    講話「障がいの特性に応じた児童理解と支援」

    講師 福岡県立特別支援学校学校

    指導教諭 松島 弘子 先生

    教 諭 南條 智子 先生

    3.実践報告及び実践交流(まとめ)

    報告者 小学校 講師 神馬 誠吾先生

    テーマ「障がいの状態等に応じたきめ細か

    な指導・支援のあり方の研究」

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    【国語科部会】 校長 村 上 きぬよ 【社会科部会】 校長 中 川 智 晴

    〇研究主題

    ・総会及び研修会(6/10) 思考力・判断力・表現力を高める組織づくり、年間計画作成 社会科学習指導の研究

    ・田川郡中学校書写大会(10/10) 〇第1研修会 6月10日 中学校・公開授業研究会(11/5)中学校 組織づくり 研修計画作成 活動内容の確認【授業者】 〇第2研修会 7月 1日

    秋元 のりこ 先生 公開授業者 大鶴 裕司

    【単元】2年 仁和寺にある法師「徒然草から」 単 元 名 (地理)アジア州・JA作文募集及び審査 〇研究紀要執筆・審議 11月~1月

    研 究 員 園山 勝

    【数学科部会】 校長 堀 川 浩 昭 【理科部会】 校長 重 藤 公 暢

    〇第1回部会(6月10日) 〇総会(6月)【於 勾金中学校】

    ・研究主題、研修計画作成、活動内容の確認 ・組織づくり、研修計画検討・作成

    ・講話「主体的・対話的で深い学びを実現す

    る授業改善について」 〇実験講習会(11月)【於 中学校】講師:筑豊教育事務所 髙峰寛 指導主事 ・講師:上田 向人 氏「(株)ナリカ」

    〇第2回部会(公開授業:10月15日) ・演示実験、観察・実験機器の紹介

    ・会 場:福智町立中学校

    ・授業者:遠藤 智之 先生 〇公開授業(2月)【於 中学校】

    ・単元名:第2学年 「一次関数の利用」 ・授業者:宮原 卓 教諭

    ○その他(年間のまとめ等) ・単元名:「大地の変化」

    【音楽科部会】 校長 金 高 智 典 【美術科部会】 校長 伊 藤 敬 之

    〇組織・部会計画策定(6月) 〇総会及び研修会(6月 中学校)〇研修・公開授業(1月) ・組織づくり、年間計画作成題材名「筝に親しもう~さくらさくら他~」 〇第63回福岡県中学校美術教育研究大会へ

    授業者 髙栁 麻巳 先生 の参加 (10月17日)

    講 師 筑豊教育事務所 ・会場 中間市立中学校

    指導主事 安永 真寿美 氏 公開授業 「ゼンタングルを使ったパターン

    講 話 新教育課程における音楽科の指導と アート作品の制作」授業者 石井康文 教諭

    評価 講演 「美術教育の本質を求めて」

    〇研究のまとめおよび紀要の原稿審査(12月) 講師 福岡教育大学教授 阿倍 守 先生執 筆 森本 祐子 先生 〇第29回福岡県中学校美術展への作品搬入

    ならびに展示(2月)

    【保健体育科部会】 校長 安 部 博 智 【技術・家庭科部会】 校長 春永 功次郎

    ○ 第1回 保健体育部会:6月10日(月) ・総会(6月 金田中学校)

    ・組織づくりと年間活動計画の作成 組織づくり,年間活動の作成及び確認

    ・「体力向上プラン」実践交流 ・公開授業(技術科)研修会

    ○ 公開授業:10月11日(金) 10月28日 中学校 早麻 三千子

    ・【授業者】満生 剛 先生 「木材による製作」

    ・【単 元】球技(タグラグビー) ・授業研修

    ○ 第2回 保健体育部会:3月 県中学校技術・家庭科研究大会筑前大会

    ・本年度のまとめと次年度の組織体制 ・第24回福岡県創造アイデアロボコン運営

    ・第22回福岡県中学校技術・家庭科作品展運営

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    【英語科部会】 校長 井 上 修 一 【道徳科部会】 校長 井 上 修 一

    ◯総会及び研修会(6月) ・総会及び研修会(6月 25日)・組織づくり 年間計画 組織づくり、年間計画作成

    ・研究主題「生きる力」を育む英語科学習指 ・公開授業研究会(11月 8日)導の研究 【授業者 田中 美穂 先生】

    ◯公開授業(1月) 中学校 中学校 2学年 1組・授業者 田中 祥生 先生 主題 「規則の役割」

    ・題材名 Unit9「チャイナタウンへ行こう」 内容項目【C-10遵法精神 公徳心】◯研究協議(1月) 筑豊教育事務所 高尾指導主事を招聘しての

    ・授業における「即興でのやり取り」の活動 事後研修会

    の手立ての有効性について考える協議

    【総合的な学習の時間部会】校長 安藤 志保美 【特別活動部会】 校長 栗 林 秀 幸

    ○田川地区総合部会 6/25・組織・役割分担確認 ○ 田川郡総会 7月1日 (於 池尻中学校)研究員 玉井正次郎教諭(鷹峰中学校) 組織づくりと年間活動の作成

    ○研究主題 福岡県特別活動研究会総会の報告

    自分の生き方を考え「生きる力」を育む総合的 ○ 実践研究及び紀要執筆

    な学習の時間 「自主的・実践的な態度を養う、修学旅行の取

    ~職業人へのインタビュー活動を通して~ り組み」~一人一人の役割・目的を意識させ

    ○11/26【於 大任中学校】 る活動を通して~

    ・今後の教育課程部会についての説明 教諭 森方 良一

    「教育指導計画作成の手引き」活用について ○ 第24回福岡県中学校特別活動研究大会参加

    福岡県教育庁筑豊教育事務所 ・参加できなかった学校への資料の配付

    指導主事 永水 徳之先生

    ◆『教育実践研究に関する研修会』受講者 ◆『講師等授業力アップ講座』受講者

    職名 氏 名 教科等 職名 氏 名 教科等

    教諭 久冨光太郎 国語 講師 生島 未裕 国語

    教諭 井村 昴 算数 講師 松永佑里亜 社会

    教諭 松岡 綾 算数 講師 吉村 祐介 社会

    教諭 鎌田 季紗 理科 講師 江口 悦正 社会

    教諭 野村 純平 社会 講師 原田浩太朗 社会

    講師 岡崎 龍 道徳

    講師 平林 大 道徳

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    『自ら考え,表現する子どもを育てる算数科学習指導』

    ~三段階に表現する活動の設定を通して~

    教諭 熊野 大樹

    本研修を通して,自分の授業実践を客観的に振り返ることの大切さを学ぶことができました。こ

    れまでの自分の授業実践は,どのような力を付けることができたのかを具体的な子どもの姿から振

    り返ることができていませんでした。今年度,このような研修の機会を与えていただいたことで,

    子ども一人ひとりの表情,発言,記述などの具体的な姿から授業を振り返り,授業改善につなげて

    いく意識が高まりました。また,研究の方法や論文のまとめ方についても理解することができまし

    た。今後も本研究で学んだことを生かして,よりよい授業づくりを目指していきます。1年間ご指

    導いただきありがとうございました。

    『文章の特徴や書き手の意図を把握する力を育てる第五学年国語科学習指導』

    ~単元構成の工夫と読んで考えたことを図で表す活動の設定を通して~

    教諭 鍋藤 秀晃

    本研修を受けて、自分の教材研究や授業をふり返ることで、手立ての何が有効で何が課題なのか

    を見つけることができました。また、実践から一つひとつの課題を見直し、授業改善を行うことで、

    児童の学ぶ姿に変化を見ることができ、成果や新たな課題を見つけることができました。このこと

    から意図的・計画的に単元の学習計画を立て、実践と考察を通して手立ての有効性を検証すること

    の重要性を知ることができました。今後、本研修で学んだことを生かし、子どもたちが楽しく自主

    的に学び、力をつけることができるよう、私自身が学び続けていきたいと思います。一年間ご指導

    していただき、本当にありがとうございました。

    『仲間とともに運動する達成感を味わう保健体育の学習』

    ~学び合い活動を位置づけた単元構成の工夫を通して~

    教諭 田村 拓也

    本研修を通して、自分自身の授業の振り返りや生徒の成長に触れることができ大変有意義な経験をするこ

    とができました。保健体育の中で学び合い活動を取り入れ友達同士のアドバイス活動などの手立ての重要さ

    を感じ、今後の保健体育授業に取り入れていきさらに高まるように今後の授業に取り入れていこうと思いま

    した。ご指導をいただく中で、生徒の見る視点や有効な方法、実践を振り返りまとめる中で自分自身の授業

    中にでた課題を見つけ、改善していくことができました。今後、本研修を学んだことを生かし、生徒達が楽

    しく学び、力をつけることができるよう、自分自身が学び続けていきたいと思います。一年間ご指導いただ

    き、本当にありがとうございました。

    『課題を自ら設定し実験や観察の結果を分析・解釈する力を育てる第1学年理科学習指導』

    ~仮説設定・振り返りシートの活用と話し合い活動の工夫を通して~

    教諭 桑野 善徳

    私は、本研修をとおして、自分の授業実践を丁寧に振り返ることの大切さや必要性を学びました。

    意図的・計画的に実践を行い、考察をとおして授業を改善していく中で、今までできていないたく

    さんの課題に気が付くことができました。指導員の先生方のご指導により実践の仕方や検証のまと

    め方等について学ぶことができ、自分自身の授業についてより深く考えることができました。

    今回の研修で学んだことを今後の実践に生かし、よりよい授業をつくっていけるように努力してい

    きます。一年間ご指導していただきありがとうございました。

    令和元年度 研修員研修会を終えて

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    ふくおか教育論文(優良賞)受賞

    1月7日福岡県庁の講堂で、令和元年度福岡県とびうめ教育表彰式が行われました。その中の教育

    論文表彰部門で 伊藤有紀 先生が見事に【優良賞】を受賞されました。県内で 10人しかいない(優

    秀賞・優良賞)に選ばれたことは快挙といえます。おめでとうございます。

    伊藤先生は、昨年度(平成30年度)の田川

    郡教育研究所研修員研修会で実践研究について

    学ばれた先生です。ちなみに昨年度のふくおか

    教育論文で【優秀賞】を受賞された 楠木先生

    も田川郡教育研究所研修員研修会を受けた先生

    です。今年度奨励賞の福壽先生は筑豊研究所連盟

    の教育実践研修を受けた先生です。本研究所の研

    修の成果が出ていると嬉しく思います。

    【とびうめ教育表彰式で表彰される様子】

    № 所属校名 職名 氏 名 応募部門 応募内容 受賞

    1小学校 教諭 中園 佳代 学校教育 音楽

    友達と協働しながら音楽をつくる楽しさを味わう児童の育成

    2中学校 教諭 岩野 桃香 学校教育 道徳

    道徳的価値を自分自身のこととして捉え、自己の生き方についての考えを深める道徳科の在り方

    3小学校 教諭 福壽 翔太 学校教育 国語 奨励賞

    主体的な読みにつなげる第 1学年国語科「読むこと」の学習指導小学校 教諭 水津 真二 学校教育 算数・数学

    4 (職員集団)

    自ら考え、表現し合う子どもの育成

    小学校 教諭 伊藤 有紀 学校教育 国語 優良賞5

    考えを広げたり深めたりする力を高める国語科学習指導のあり方

    № 所属校名 職名 氏 名 応募部門 応募内容 受賞

    1小学校 教諭 久冨 光太郎 学校教育 国語

    説明的文章における読む力を高める国語科学習指導

    2中学校 教諭 鎌田 季紗 学校教育 理科

    理科の見方・考え方を働かせる理科学習指導

    小学校 教諭 井村 昴 学校教育 算数・数学 佳作賞3

    的確に演算決定ができる子どもを育てる第6学年算数科学習指導

    中学校 主幹教諭 犬丸 成美 学校教育 特別活動4

    AIに仕事を奪われない勤労意欲を高めるキャリア教育「職業人に学ぶ」

    令和元年度 ふくおか教育論文 応募者・入賞者

    令和元年度 田川郡教育研究所教育論文 応募者・入賞者

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    令和元年度 教育実践発表者の紹介

    ◆令和元年度 田川郡教育研究所教育実践発表会

    ◇小学校 教諭 東 亜樹 先生

    『進んで問いをもち、学び続ける子どもを育てる算数科学習指導』

    ~「問いづくり」「思考づくり」「価値づくり」を促す発問の工夫を通して~

    ◇中学校 教諭 岩野 桃香 先生

    『道徳的価値を自分自身のこととして捉え、自己の生き方についての考えを深める道徳科の在り方』

    ~「自己理解をする場を位置づけた授業構成と自己を振り返る学習活動の工夫~

    ◇小学校 教諭 福壽 翔太 先生

    『主体的に自らの読みを深める第1学年国語科「読むこと」の学習』

    ~子どもが主体的に言語活動を展開する単元構成の工夫を通して~

    ◆令和元年度 筑豊地区教育研究所連絡協議会教育実践発表会

    ◇中学校 教諭 井上 裕太 先生

    『社会的な思考力・判断力・表現力を育成する社会科学習指導』

    ~資料読解や自分の考えを表現する活動を通して~

    ◆第48回 福岡県教育研究所連盟研究発表協議会

    ◇小学校 教諭 岡本 啓吾 先生

    『子どもが「できる」「わかる」喜びを味わいながら運動を追求する体育科学習』

    ~チームタイムを位置づけた学習過程と支援の工夫を通して~

    論文発表をする福壽先生

    【田川郡教育研究所教育実践発表会並びに教育論文表彰式・発表会の様子】

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    栄養教諭 北島 真奈美 養護教諭 上 田 千 明

    ●赤池中学校 田川郡学校給食研究発表 田川郡学校保健会では 11 月 21 日に直方市の10月15日、赤池中学校で平成30年度・ 県立直方特別支援学校と北九州市の新小文字病

    令和元年度田川郡学校給食会研究発表会(研究 院の視察研修をしました。

    主題『望ましい食生活を基盤に主体的に学ぶ生 午前中は直方特別支援学校を訪問し、改めて

    徒の育成』~授業方法の工夫と学力の基盤とな 特別支援学校の教育課程を研修し校舎や寄宿舎

    る食生活の改善を目指したアプローチを通して の見学をしました。

    ~)が開催され、授業方法の工夫をした公開授 午後からは北九州市の新小文字病院を訪問し

    業、2 年間にわたる研究の報告、國學院大學教 ました。リハビリ担当の理学療法士の方より姿授 田村学先生の講演等が行われました。 勢の大切さと、脊髄脊柱外科部長高橋雄一先生

    研究報告では、「食」に関する課題や解決方法 より、「脊髄脊椎外科治療は整形外科でもなく、

    を主体的に探る活動を取り入れた教科横断的な 脳神経外科でもなく、脊髄脊椎外科を専門にし

    学習や、保護者や生徒会、栄養教諭、外部講師 て治療を行うチームが行うべきで、神経を含ん

    等と連携した取組(残菜ゼロの取組・保護者も だ運動器官の治療です。整形外科や脳神経外科

    参加した食育講演会・給食指導等)など、多方 にはとらわれず特化すべき分野と考えていま

    面からの継続的な食育が大変参考になりまし す。」と熱く丁寧な講話を聞くこができました。

    た。 1 月 30 日(木)には第 2 回研修会を行い、●川崎町学校給食センター「優良賞」受賞 小倉きふね病院アレルギー科でアレルギーエデ

    10月17日、福岡県学校給食料理コンクー ュケーターとして働いていらっしゃる岩﨑七々

    ルが開催されました。田川郡を代表して川崎町 枝さんをお招きし、「食物アレルギー知識と対

    学校給食センターの調理員 藤本あすかさんが 応~学校現場での対応を中心に~」という演題

    「あじの唐揚げおろしソース・小松菜とさくら で事例も交え、学校現場でアレルギー症状が出

    エビのガーリック炒め・さつまいものみそ汁・ たときの対応の仕方やかかりつけの医療機関と

    梨のミルクゼリー」の献立で、出場されました。 の情報交換の仕方など、大変有意義な学習がで

    地場産物の活用や衛生的かつ手際のよい調理技 きました。各学校でのアレルギー研修に役立た

    術が評価され、優良賞を受賞されました。 せたいと思いました。

    田川郡教育研究所

    [ 所 在 地 ] 〒825-0002

    田川市伊田3292-2 田川総合庁舎 筑豊教育事務所田川駐在内

    [TEL・FAX] 0947-47-1081[ E - m a i l] [email protected][ U R L ] http://tagawa-lab.sakura.ne.jp/

    所 長 長野 修

    副所長 井上 修一 副所長 藤田 昭介

    幹 事 井上 修一 書 記 朝部 瑶子

    主任指導員 田上 修司 主任指導員 荒川 正史

    指導員 森 孝太郎 指導員 稲冨 哲市

    指導員 中川 靖 指導員 松内 暢子

    1 研究主題2 主題設定の理由  (1)社会の要請と新学習指導要領の動向から  (2)田川郡の児童生徒を取り巻く状況から  (3)これまでの研究の経緯から3 主題・副主題の意味  (1)「生きる力」を育む学習指導とは  (2)「主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善」とは4 研究の目標5 研究の内容6 研究仮説7 研究の方法  (1)研究の組織    ①研究所員研修会    ②研究員研修会    ③研究の組織図  (2)研究の計画    ①1年次    ②2年次以降8 研究員の役割