60
日本のベンチャー企業 6つの課題対応策6つの課題対応策 200893200893経済産業省

日本のベンチャー企業 ~6つの課題と対応策~ - VECvec.or.jp/wordpress/wp-content/files/VEC.pdf18-64歳人口に占める起業スキルがあると考えている人の割合

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日本のベンチャー企業~6つの課題と対応策~6つの課題と対応策

2008年9月3日2008年9月3日

経済産業省

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6つの課題

課題1 起業スキルの不足課題1.起業スキルの不足

課題2.グローバル級ベンチャー企業の不在課題 グ 級 ンチャ 企業 不在

課題3.起業家を育てる文化の欠如

課題4.資金力に乏しいベンチャーキャピタル

課題5.機関投資家不在の新興株式会社

課題6 IPO至上主義からの脱却課題6.IPO至上主義からの脱却

1

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課題1 起業スキルの不足課題1.起業スキルの不足

2

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企業数による開廃業率の推移(非一次産業)

8 0

(%)

5.95.9 5.6

6.86.1 6.27.0

8.0

開業率

廃業率

5.15.8

4.34.0

5.0

6.0

3.53.6

2 7

3.5

3.24.0

3.83.53.0

4.0

2.7

1.0

2.0

0.075~78 78~81 81~86 86~91 91~96 96~99 99~01 01~04 04~06

(年)

3

資料:中小企業庁「2008年版中小企業白書」

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起業活動率(TEA)の推移15%

10%

米国

イギリス

5%

イギリス

ドイツ

日 本

フランス

0%

1999年 2000年 2001年 2002年 2003年 2004年 2005年 2006年 2007年

4

資料:Global Entrepreneurship Monitor 2007(GEM)注:TEA(Total Entrepreneurial Activity:18歳から64歳までの人口に占める起業活動を行っている者(起業準備中の者および起業後3年半以内の者)の割合)

Page 6: 日本のベンチャー企業 ~6つの課題と対応策~ - VECvec.or.jp/wordpress/wp-content/files/VEC.pdf18-64歳人口に占める起業スキルがあると考えている人の割合

世界各国の起業活動率(TEA)

%

25.8

9%

26.8

7%

25%

30%

3%

75%

20.

16%

22.7

2%

20%

25%

% 5%

12.

21%

12.

48%

12.

72%

13.4

3% 14.4

3%

16.4

3

16.

7

15%

% % % 02%

.15%

4.3

4%

4.4

6%

4.78

%

5.01%

5.1

8%

5.3

9%

5.4

4%

5.53

%

5.58

%

5.7

1%

6.2

7%

6.4

7%

6.86

%

6.91

%

7.27%

7.6

2%

8.2

2%

8.44

%

8.53

%

8.56%

8.7

8%

9.3

6%

9.61

%

9.95

5%

10%

2.44

%

2.6

7%

3.0

6%

3.1

5

3.17 4. 4. 4 4

0%

5%

リア

シア

リコ

ギー

ンス

ニア ン

日本

ビア

ニア

リア

ンダ

ーク

エル

リス

ルコ

シャ

イス ー

リー

ンド

チア

イン

ンド

連邦

ンド

ビア

ガル

タン

米国

香港

アイ

ンド

ジル チリ

チン

中国

ニカ

エラ ア

ルー

タイ

オー

スト

ロシ

プエ

ルト

ベル

フラ

ルー

マニ

スウ

ェー

デ 日

ラト

スロ

ベニ

イタ

オラ

デン

マー

イス

ラエ

イギ

トル

ギリ

スイ

ノル

ウェ

ハン

ガリ

フィ

ンラ

クロ

アチ

スペ

アイ

ルラ

アラ

ブ首

長国

連 イン

セル

ポル

トガ

カザ

フス

タ 米 香

ウル

グア

アイ

スラ

ブラ

ジ チ

アル

ゼン

チ 中

ドミ

ベネ

ズエ

コロ

ンビ

ペル タ

5

資料:Global Entrepreneurship Monitor 2007(GEM)注:TEA(Total Entrepreneurial Activity:18歳から64歳までの人口に占める起業活動を行っている者(起業準備中の者および起業後3年半以内の者)の割合)

Page 7: 日本のベンチャー企業 ~6つの課題と対応策~ - VECvec.or.jp/wordpress/wp-content/files/VEC.pdf18-64歳人口に占める起業スキルがあると考えている人の割合

TEAと一人当たりGDPの関係30%

25%

30%

PE

TH

AR: ArgentinaAT: AustriaBE: Belgium

BR: BrazilCH: China

HR: CroatiaHU: HungaryIE: Ireland

IL: IsraelIN: India

PT: PortugalRO: RomaniaRU Russia

SE: SwedenSI: Slovenia

20%

25%

VE

CO

CL: Chile

CO: ColombiaDK: DenmarkDO: Dominican

ES: SpainFI: Finland

IS: Iceland

IT: ItalyJP: JapanKZ: Kazakhstan

LV: LatviaNL: Netherlands

SW: Switzerland

TH: ThailandTR: TurkeyUAE: Un. Arab Emirates

UK: United KingdomUS: United States

15%

動率

(2007年

CN

DO

CL

FR: FranceGR: GreeceHK: Hong Kong

NO: NorwayPE: PeruPR: Puerto Rico

UY: UruguayVE: VenezuelaYU: Serbia

10%

起業

活動

BR

KZ

UY

CLAR

UAEHK

IS

US

5%

IN YU

TR

KZ

HR

LV

HU

PT

SI

GR

ES

ITJP

IL

UAE

SE

NL

FI

UKSW

DK

US

IE

NO

0%

0 10,000 20,000 30,000 40,000 50,000

国民 人当たり (米国ド ) 年

RORU

PR FR

JP SE

BE AT

6

国民一人当たりのGDP(米国ドル): PPP, 2006年

資料:Global Entrepreneurship Monitor 2007 (GEM)

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18-64歳人口に占める起業スキルがあると考えている人の割合

自分が起業スキルがあると考えている人の割合は、日本では低水準となっている。

48.3% 48.7%50%

60%

38.9% 39.0%40%

(2002年)

(2006年)

(2002年)

31.1% 31.4% 32.2%33.5%

30%

(2002年) (2002年)

8 7%

15.2%

10%

20%

8.7%

0%

10%

ロシア 日本 台湾 韓国 香港 フランス 中国 ドイツ アメリカ イギリス

7

ロシア 日本 台湾 韓国 香港 フランス 中国 ドイツ アメリカ イギリス

資料:Global Entrepreneurship Monitor 2007(GEM)

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主要国における大学/大学院の

起業家育成コースの受講経験有りとする者の割合と開業率

主要国の開業率 大学/大学院の起業家育成コースの受講経験有りとする者の割合

主要国の開業率 大学/大学院の起業家育成コースの受講経験有りとする者の割合

21.0

25(%)

受講経験有りとする者の割合(各国の無作為に抽出した18歳から65歳までの住民に対する電話調査結果)

12.112

14

(%)

21.0

25(%)

受講経験有りとする者の割合(各国の無作為に抽出した18歳から65歳までの住民に対する電話調査結果)

12.112

14

(%)

15.614.015

2010.2 10.0

8

10

12

15.614.015

2010.2 10.0

8

10

12

1.65

105.1

2

4

6

1.65

105.1

2

4

6

0日本 アメリカ イギリス フランス

注:日本は2004年~2006年の平均、その他の国は2004年

資料:日本は中小企業庁 「中小企業白書2008年版」、その

資料:中小企業総合事業団 「主要国の起業意識・都道府県起業力比較調査報告書」(2001年1月)

0日本 アメリカ イギリス フランス

0日本 アメリカ イギリス フランス

注:日本は2004年~2006年の平均、その他の国は2004年

資料:日本は中小企業庁 「中小企業白書2008年版」、その

資料:中小企業総合事業団 「主要国の起業意識・都道府県起業力比較調査報告書」(2001年1月)

0日本 アメリカ イギリス フランス

他の国は「中小企業白書2007年版」他の国は「中小企業白書2007年版」

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日本における起業家教育科目導入大学数の推移

300 私立

(校)

153200

250公立

国立

130155 19

150

200

12

97

14

130

15109

50

100

30 30 35

02000年度 2001年度 2002年度 2003年度

注1:2000年度~2002年度は文部科学省調査に基づき、2003年度は筑波大学の調査に基づくため、母集団の違いあり。

注2:日本の大学数は、国立=87校、公立=89校、私立=568校(2006.5現在)、国立=100校、公立=76校、私立=526校(2003.5現在)文部科学省学校基本調査)。

9

資料:株式会社大和総研 「拡充すすむ大学の起業家教育」(2006春)、筑波大学「大学発ベンチャーの課題と推進方策に関する調査研究」(2004年3月)

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対応策1

(1)大学・大学院での起業家教育の拡充

①大学・大学院における起業家教育科目の受講機会がMBA MOTに限られ①大学 大学院における起業家教育科目の受講機会がMBA,MOTに限られている現状を変え、学部学生、社会人等、幅広い学生が受講できる環境を整備する。

②講師としてベンチャー創業経験者等の実務家を積極的に採用し、ベンチャー創業に役立つ実践的な教育内容を充実する。

③起業家教育の質を高めるため、全国の関係者による情報交換・ティーチングスキルの共有等を行う仕組みを充実する。

(2)ベンチャー創業にフォーカスした起業支援の充実

一般的な新規開業とベンチャー企業創業とでは 必要とする知識やス一般的な新規開業とベンチャー企業創業とでは、必要とする知識やスキル、マネジメント能力が異なる。ベンチャー企業創業にフォーカスした起業支援策を充実する。

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VB・VC教育フォーラム開催概要

1.開催日時・場所・主催日時:平成20年10月18日(土)10:00~17:20(その後懇親会)場所 京都大学(京大会館)場所:京都大学(京大会館)主催:京都大学・日本ベンチャー学会・経済産業省

プ グ 定2.プログラム(予定)(1)基調講演:先進的な起業家教育を行っている6大学からの報告

早稲田大学(大江建先生)、立命館大学(樋原伸彦先生)、早稲田大学(大江建先生)、立命館大学(樋原伸彦先生)、慶応大学(國領二郎先生)、一橋大学(マイケル・コーバー先生)、京都大学(寺西豊先生)、武蔵大学(高橋徳行先生)

(2)コメントセッション:主に大学の外の視点からのコメント國學院大學秦信行先生、株式会社リブセンス村上太一社長、日本ベンチャ キャピタル協会鴇田和彦会長日本ベンチャーキャピタル協会鴇田和彦会長、監査法人トーマツ北地達明代表社員、大和総研岡村公司産学連携調査部長、経済産業省吾郷進平新規産業室長

11

(3)参加者によるディスカッション

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課題2 グローバル級ベンチャー企業の不在課題2.グロ バル級ベンチャ 企業の不在

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日本のベンチャー企業の海外への展開状況

n=448

33.5% 31.0% 4.9% 30.6%

0% 20% 40% 60% 80% 100%0% 20% 40% 60% 80% 100%

展開している展開していないが、将来的に考えている展展開していないが、過去に展開したことがある展開していないし、将来的にも考えていない・わからない

13

資料:経済産業省「平成19年度ベンチャー企業の創出・成長に関する調査」(2007年12月)

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ビジネスウィーク「イノベーション企業トップ25社」

アメリカ企業18社中、1970年以降の新興企業は9社。一方で日本企業は、3社中0社。

順位 企業名 国名 創業年 順位 企業名 国名 創業年

アメリカ企業18社中、1970年以降の新興企業は9社。一方で日本企業は、3社中0社。

順位 企業名 国名 創業年 順位 企業名 国名 創業年順位 企業名 国名 創業年 順位 企業名 国名 創業年順位 企業名 国名 創業年 順位 企業名 国名 創業年1 Apple アメリカ 1976 14 Starbucks アメリカ 19712 Google アメリカ 1998 15 Target アメリカ 18813 Toyota 日本 1937 16 BMW ドイツ 1916

順位 企業名 国名 創業年 順位 企業名 国名 創業年1 Apple アメリカ 1976 14 Starbucks アメリカ 19712 Google アメリカ 1998 15 Target アメリカ 18813 Toyota 日本 1937 16 BMW ドイツ 1916

順位 企業名 国名 創業年 順位 企業名 国名 創業年1 Apple アメリカ 1976 14 Starbucks アメリカ 19712 Google アメリカ 1998 15 Target アメリカ 18813 Toyota 日本 1937 16 BMW ドイツ 19163 Toyota 日本 1937 16 BMW ドイツ 19164 General Electric アメリカ 1878 17 Samsung 韓国 19385 Microsoft アメリカ 1975 18 Virgin イギリス 19706 Procter & Gamble アメリカ 1837 19 Intel アメリカ 19687 3M アメリカ 1902 20 A アメリカ 1994

3 Toyota 日本 1937 16 BMW ドイツ 19164 General Electric アメリカ 1878 17 Samsung 韓国 19385 Microsoft アメリカ 1975 18 Virgin イギリス 19706 Procter & Gamble アメリカ 1837 19 Intel アメリカ 19687 3M アメリカ 1902 20 A アメリカ 1994

3 Toyota 日本 1937 16 BMW ドイツ 19164 General Electric アメリカ 1878 17 Samsung 韓国 19385 Microsoft アメリカ 1975 18 Virgin イギリス 19706 Procter & Gamble アメリカ 1837 19 Intel アメリカ 19687 3M アメリカ 1902 20 A アメリカ 19947 3M アメリカ 1902 20 Amazon アメリカ 19948 Walt Disney Co. アメリカ 1923 21 Boeing アメリカ 19169 IBM アメリカ 1889 22 Dell アメリカ 198410 Sony 日本 1946 23 Genentech アメリカ 1976

7 3M アメリカ 1902 20 Amazon アメリカ 19948 Walt Disney Co. アメリカ 1923 21 Boeing アメリカ 19169 IBM アメリカ 1889 22 Dell アメリカ 198410 Sony 日本 1946 23 Genentech アメリカ 1976

7 3M アメリカ 1902 20 Amazon アメリカ 19948 Walt Disney Co. アメリカ 1923 21 Boeing アメリカ 19169 IBM アメリカ 1889 22 Dell アメリカ 198410 Sony 日本 1946 23 Genentech アメリカ 197610 Sony 日本 1946 23 Genentech アメリカ 197611 Wal-Mart アメリカ 1962 24 eBay アメリカ 199512 Honda 日本 1948 25 Cisco Systems アメリカ 198413 Nokia フィンランド 1865

10 Sony 日本 1946 23 Genentech アメリカ 197611 Wal-Mart アメリカ 1962 24 eBay アメリカ 199512 Honda 日本 1948 25 Cisco Systems アメリカ 198413 Nokia フィンランド 1865

10 Sony 日本 1946 23 Genentech アメリカ 197611 Wal-Mart アメリカ 1962 24 eBay アメリカ 199512 Honda 日本 1948 25 Cisco Systems アメリカ 198413 Nokia フィンランド 1865

資料:Jena McGregor, “The World’s Most Innovative Companies” BusinessWeek. May 4, 2007.資料:Jena McGregor, “The World’s Most Innovative Companies” BusinessWeek. May 4, 2007.

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対応策2

(1)ベンチャー企業の意識改革

グローバル・ニッチ市場の拡大や、情報通信の発達による海外展開グ ル ッチ市場の拡大や、情報通信の発達による海外展開コストの低減という環境変化を踏まえ、ベンチャー企業は海外展開に積極的に取り組むべき。

(2)ベンチャー企業海外展開への国の積極支援

JETRO 中小機構等の施策を活用して ベンチャ 企業の海外展開にJETRO、中小機構等の施策を活用して、ベンチャー企業の海外展開に対する支援を一層強化する。

(3)外国人人材の活用

人材面でも、高い能力と起業家精神を有する外国人人材を積極的に活用すべき 外国人労働者や外国人留学生に係る政策検討の際にも活用すべき。外国人労働者や外国人留学生に係る政策検討の際にも、ベンチャー企業への影響も考慮するべき。

15

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“ベンチャー・インキュベーション in USA/UK”

優秀な技術をもつ日本のベンチャー・中小企業や個人の米英における事業展開を支援するプログラム

対象業種:

を支援するプログラム

対象業種ハイテク分野(IT、バイオ、ナノテク等)で活躍されているベンチャー 企業や新たに起業を検討している個人

支援概要支援概要:

オフィス・スペースの賃貸料、アドバイザリー支援サービス、ビジネス・サポート費用をジェトロが負担

• オリジナルプログラム( 長2年間)

• 短期入居プログラム(3ヶ月間)

対象インキ ベ タ対象インキュベータ:インキュベータ(シリコンバレー、シカゴ、ボストン、ロサンゼルス)

ウェットラボ付きインキュベータ(シリコンバレー、フィラデルフィア、英国ケ

16

ウ ットラボ付きインキ タ(シリ ン レ 、フィラデルフィア、英国ケンブリッジ)

資料:「ジェトロのベンチャー海外展開支援」(2008年2月27日 JETRO産業技術部)(第6回ベンチャー企業の創出・成長に関する研究会プレゼン資料)

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ジェトロが提携するインキュベータ

【米国6ヶ所、英国1ヶ所】

Technology Innovation Center(シカゴ:IT、バイオ、素材対象)

Babraham BioscienceTechnologies

(ケンブリッジ:ウェットラボ)

US-Japan BusinessInnovation Center

(シリコンバレ IT バイオ対象)

(ケンブリッジ:ウ ットラボ)

★★

(シリコンバレー:IT、バイオ対象)

★ ★

★ CambridgeInnovation Center(ボストン:IT バイオ)

B-Bridge Int’l(シリコンバレ ウ トラボ)

Science Center(フィラデルフィア:ウェットラボ)

(ボストン:IT、バイオ)(シリコンバレー:ウェットラボ)

★Business Technology Center

f LA C tof LA County(ロサンゼルス:IT、コンテンツ、

バイオ/ライフサイエンス等)

17

※ワシントンDC(IA)、オースティン(ATI)、ロサンゼルス(EC2)は入居ニーズ少なく廃止 資料:「ジェトロのベンチャー海外展開支援」(2008年2月27日 JETRO産業技術部)

(第6回ベンチャー企業の創出・成長に関する研究会プレゼン資料)

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審査プロセス

オリジナル・プログラム( 長2年間の支援期間)

四半期毎募集~

応募

第一次審査

第二次審査

合格~

入居

- ビジネスプラン(英語)- サマリー(英語・日本語)- 登記簿謄本

書類・面接審査(場所:東京)

面接審査(場所:米国)

会社設立ビザ取得住居 免許 生活立上げ

短期入居プログラム(3ヶ月間の期間限定)

登記簿謄本- 決算書

住居・免許・生活立上げ

2週間 4週間

随時募集~ 審査

合格~

短期入居プ グラム(3ヶ月間の期間限定)

※短期入居プログラム終了後はオリジナルプログラムへの

応募審査

入居

書類・面接審査(場所 東京または米国)同上

ラ移行が可能。

18

(場所:東京または米国)- 同上 - 同上

4週間資料:「ジェトロのベンチャー海外展開支援」(2008年2月27日 JETRO産業技術部)

(第6回ベンチャー企業の創出・成長に関する研究会プレゼン資料)

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入居企業の一覧

【IT分野:9社】 【バイオ、他:6社】

リアルコム株式会社(ソフトウェア)

オーエスエスブロードネット株式会社(ソフトウ ア)

株式会社レグイミューン(創薬)

インビボサイエンス株式会社(創薬支援)トウェア)

DTS株式会社(ハードウェア)

ぷらっとホーム株式会社(ハードウェア)

援)

Axcyte Genomics, Inc.(検査機器)

株式会社ABsize(創薬)ぷらっとホ ム株式会社(ハ ドウェア)

株式会社ネットプライスドットコム(ウェブサービス)

株式会社ABsize(創薬)

株式会社メドレックス(創薬)

Red-Ion Medical株式会社(医療機株式会社サルガッソー(ソフトウェア)

ウタゴエ株式会社(ソフトウェア)

TOOL株式会社(ソフトウ ア)

器)

TOOL株式会社(ソフトウェア)

Lunascape株式会社(ソフトウェア)

※インキ ベ タ入居企業数 15社(2008年2月現在)

19

※インキュベータ入居企業数:15社(2008年2月現在)

資料:「ジェトロのベンチャー海外展開支援」(2008年2月27日 JETRO産業技術部)(第6回ベンチャー企業の創出・成長に関する研究会プレゼン資料)

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ベンチャー海外研修事業

インキュベーション・マネージャー研修(インキュベーション事業で

蓄積した支援ノウハウを日本展開)

ベンチャー海外研修(実践的ビジネスノウハウを提供)

年度

2002年 2003年 2004年

インキュベー インキュベー インキュベー

年度 2005年 2006年 2007年

海外起業予定者(分野は不

ICT分野で海外展開を図る企業

バイオ/ライフサイエンス分野で海外

間接

対象

インキション・マネージャー

インキション・マネージャー

インキション・マネージャー、VC、TLO関係者 対象

者(分野は不問)

展開を図る企業 エンス分野で海外展開を図る企業、大学、TLO関係者

接支援か

シリコンバレー(サンノ

シリコンバレー(サンノゼ他)、

シリコンバレー(サンノゼ他)、

(20名)(21名)(11名)

シリコンバレー シリコンバレー サンディエゴ

から直接支

(20名)(20名)(20名)

場所 ゼ他)、シカゴ、

オーランドシカゴ シカゴ 場所 (サンノゼ他) (サンノゼ他)

支援へ転換 ・ 新ビジネス事情レクチャー

内容

内容

換・北米インキュベータ 新事情レクチャー・著名インキュベータ視察・NBIA(全米インキュベーション協会)トレーニングセッション、等

・ベンチャー企業、起業家とのネットワーキングセッション

・ビジネスプラン、プレゼンテーションブラッシュアップ、等

20資料:「ジェトロのベンチャー海外展開支援」(2008年2月27日 JETRO産業技術部)

(第6回ベンチャー企業の創出・成長に関する研究会プレゼン資料)

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課題3 起業家を育てる文化の欠如課題3.起業家を育てる文化の欠如

21

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ベンチャー起業の成長段階別の資金調達

エク

数十

エク

数十ク

イティ調

外部資本

株式公開

数億

十億円

クイティ調

外部資本

株式公開

数億

十億円

調達額

自己資本

外部資本ベンチャーキャピタル

数千万

億円

調達額

自己資本

外部資本ベンチャーキャピタル

数千万

億円

創業者一族知人等

自己資本ビジネス・エンジェル

数百万

万円

創業者一族知人等

自己資本ビジネス・エンジェル

数百万

万円

創業

シー

アー

拡大

上場

知人等

VC投資社数(のべ):約 社

VC投資社数(のべ):約2 500社

開業数:約16万社

開業数:約16万社

新興株式市場(※)新規公開社数:

新興株式市場(※)新規公開社数:

万円

創業

シー

アー

拡大

上場

知人等

VC投資社数(のべ):約 社

VC投資社数(のべ):約2 500社

開業数:約16万社

開業数:約16万社

新興株式市場(※)新規公開社数:

新興株式市場(※)新規公開社数:

万円

業・

ド期

ーリー期

大期

場へ

ベンチャー企業の成長ステージ

約2,500社(2006年)

約2,500社(2006年)

約16万社(2001~

2004年の平均)

(2001~2004年の平均)

新規公開社数:155社

(2006年)

155社(2006年)

※新興株式市場とは東証マザーズ、ヘラクレス、JASDAQ、セントレックス、アンビシャス、Q-Board

業・

ド期

ーリー期

大期

場へ

ベンチャー企業の成長ステージ

約2,500社(2006年)

約2,500社(2006年)

約16万社(2001~

2004年の平均)

(2001~2004年の平均)

新規公開社数:155社

(2006年)

155社(2006年)

※新興株式市場とは東証マザーズ、ヘラクレス、JASDAQ、セントレックス、アンビシャス、Q-Board

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対応策2

(1)エンジェル税制の抜本強化と利用促進

平成20年度税制改正で1,000万円上限の投資額所得控除方式を導入予定。積極的な広報等により、エンジェル税制の利用拡大を図る

(2)エンジェルネットワークの組織化・活性化

の利用拡大を図る。

エンジェル投資活動の拡大を図るため、米国等先進国のエンジェルネットワーク運営手法を導入するとともに、ンジ ルネ トワ クの組織化 活性化を促進する

(3)エンジェル投資ファンドの造成

エンジェルネットワークの組織化・活性化を促進する。

(3)エンジェル投資ファンドの造成

ベンチャーキャピタルの仕組みを活用したエンジェル投資活動を活性化するため、中小機構のファンド出資事業

23

投資活動を活性化するため、中小機構のファンド出資事業等を活用し、エンジェル投資家ファンドを造成する。

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起業初期のベンチャー企業の資本調達を強力に支援するため、設立3年未満のベンチャー企業への投資につ

エンジェル税制の抜本拡充(ベンチャー企業投資に対する所得控除制度の創設)

いて、所得控除制度を導入。

これまでの制度(エンジェル税制) 平成20年度~(所得控除制度を追加)抜本拡充

1 優遇措置 1 優遇措置(投資家が以下のAとBの優遇措置のいずれかを選択)

(1)投資時点 (注1)投資額をその年の他の株式譲渡益から控除

(2)売却時点

1.優遇措置 1.優遇措置(投資家が以下のAとBの優遇措置のいずれかを選択)

A (1)投資時点 (注2)

(出資額-5千円)をその年の総所得金額等から控除但し、上限は、総所得金額等×40%と1,000万円のいずれか低い方。

(2)売却時点(①利益が出た時の優遇措置は廃止)①利益が出た時

譲渡益を1/2に圧縮して課税②損失が出た時

損失を翌年以降3年間の繰越控除B

(2)売却時点(①利益が出た時の優遇措置は廃止)②損失が出た時 損失を翌年以降3年間の繰越控除 ・・・・(継続)

(1)投資時点 (注1)

2.対象となるベンチャー企業

注1: 他の株式譲渡益から控除した投資額分だけ取得価額を引き下げる。

注2: 総所得金額等から控除した金額分だけ取得価額を引き下げる。

投資額をその年の他の株式譲渡益から控除 ・・・・ (継続)(2)売却時点(①利益が出た時の優遇措置は廃止)

②損失が出た時 損失を翌年以降3年間の繰越控除 ・・・・(継続)

対象となる ンチャ 企業創業(設立)10年未満の、未上場の中小企業者(風俗営業等に該当する事業を行う会社、大企業の子会社を除く)のうち

以下のイ、ロ要件のいずれかを満たすこと(1)

以下の要件を満たす企業(但し、優遇措置Aの対象となる企業は設立3年未満で前年、前々年の営業キャッシュ・フローが赤字の企業)

設立経過年数 イ要件(技術開発型ベンチャ ) ロ要件(ニ ビジネス型ベンチャ )設立経過年数 イ要件(技術開発型ベンチャー) ロ要件(ニュービジネス型ベンチャー)

1年未満 研究者が2人以上かつ全従業員の10%以上

開発者(技術開発、商品企画、マーケティングを含む)が2人以上かつ10%以上

1年以上2年未満試験研究費等(宣伝費、マーケティング調査費を含む)が売上高の3%超

2年以上5年未満 売上高成長率25%超

24

外部(特定の株主グループ以外)からの投資を1/6以上取り入れている会社であること(2)

認定ベンチャーキャピタルファンドの投資先グリーンシートエマージング銘柄の企業

5年以上10年未満 試験研究費等が売上高の5%超

については優遇措置Bが使える(2.の要件を満たせば個別案件毎に優遇措置Aも適用可)。※

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所得控除創設による投資インセンティブ (具体的計算例)

投資家Xさん 総所得金額(給与のみ) 2,500万円

ベンチャーへの投資額 1,000万円

今回の所得控除制度を利用する場合

現行制度の場合(所得控除を

※給与所得以外の所得は無いものとする

①所得控除 基礎控除 38万円

給与所得控除 円

を利用する場合 (所得控除を利用できない)

基礎控除 38万円

給与所得控除 円給与所得控除 295万円(給与収入金額×5%+170万円)

ベンチャーへの投資による所得控除

(出資額1,000万円-5千円) 999.5万円

給与所得控除 295万円(給与収入金額×5%+170万円)

※いずれの場合も配偶者控除等は考慮しない

課税所得金額に対する税率(各区分における 高納税額)

②課税所得 総所得金額-所得控除の合計額

1,167.5万円

総所得金額-所得控除の合計額

2,167万円

課税所得金額に対する税率(各区分における 高納税額)195万円以下:5%(9.75万円) 195万円超~330万円以下:10%(13.5万円)330万円超~695万円以下:20%(73万円) 695万円超~900万円以下:23%(47.15万円)900万円超~1,800万円以下:33%(297万円) 1,800万円超:40%

③納税額 課税所得1,167.5万円に対する納税額は 課税所得2,167万円に対する納税額は課税所得 , 万円 対する納税額は

(1,167.5-900)×33%+9.75+13.5+73+

47.15=約232万円

課税所得 , 対す 納税額

(2,167-1,800)×40%+9.75+13.5+73+47.15

+297=約587万円

25

以上より、1,000万円の投資額に対して所得控除を利用することにより約355万円の税額が控除される。

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投資時点における所得控除制度とこれまでのエンジェル税制の比較

B これまでのエンジェル税制の投資時点の優遇措置・・・投資額をその年の他の株式譲渡益から控除(繰延)

A 新たに追加された優遇措置(所得控除)・・・(出資額-5千円)をその年の総所得金額等から控除※上限は、総所得金額×40%と1 000万円のいずれか低い方。※上限は、総所得金額×40%と1,000万円のいずれか低い方。

投資家は B 、A のいずれかの優遇措置を選択可能。

①これまでのエンジ ル ②所得控除( A )利用の場合投資家Aさん

総所得金額 1,000万円

ベンチャーへの投資額 500万円

他 株式譲渡益

①これまでのエンジェル税制( B )利用の場合

②所得控除( A )利用の場合

100万円を株式譲渡益から控除

399.5万円を総所得金額等から控除

総所得

所得控除他の株式譲渡益 100万円 株式譲渡益から控除 ※総所得1000万円×40%-5千円

投資家Bさん

総所得金額 700万円

ベンチャーへの投資額 200万円

他の株式譲渡益 なし

利用不可199.5万円を

総所得金額等から控除※投資額200万円-5千円

投資家Bさん

所得控除

円を

投資家Cさん現行制度も

26総所得金額 500万円

ベンチャーへの投資額 300万円

他の株式譲渡益 400万円

199.5万円を総所得金額等から控除

※総所得500万円×40%-5千円

300万円を株式譲渡益から控除

現行制度も引き続き利用可能

26

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(参考)エンジェル税制の対象となる中小企業(株式会社)の定義

中小企業は、 “中小企業の新たな事業活動の促進に関する法律”第2条第1号から第5号に定義する中小企業のことです(※1)。

業種 資本金の額 従業員数

製造業、建設業

運輸業 その他の業種3億円以下 300人以下又は

運輸業、その他の業種

卸売業 1億円以下 100人以下又は

サービス業 5,000万円以下 100人以下

小売業 5,000万円以下 50人以下

又は

又は

ゴム製品製造業(※2) 3億円以下 900人以下

ソフトウェア業、3億円以下 300人以下

又は

又は情報処理サービス業

3億円以下 300人以下

旅館業 5,000万円以下 200人以下

又は

又は

27

※1:中小企業基本法の第2条で定められている中小企業者と同様の定義です。

※2:自動車又は航空機用タイヤ及びチューブ製造業並びに工業用ベルト製造業を除く。

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減税対象となるベンチャー企業の要件

優遇措置

(ベンチャー企業への投資額-5,000円)を、その年の総所得金額から控除※控除対象となる投資額の上限は、総所得金額×40%と1,000万円のいずれか低い方

ベンチャー企業への投資額全額を、その年の他の株式譲渡益から控除※控除対象となる投資額の上限なし

優遇措置置

A 優遇措置Aの対象となる企業 優遇措置Bの対象となる企業

I. 創業(設立)3年未満の中小企業者であること

II. 以下のイ、ロ要件のいずれかを満たすこと

I. 創業(設立)10年未満の中小企業者であること

II. 以下のイ、ロ要件のいずれかを満たすこと

置B

設立

経過年数

(事業年度)

イ要件

(技術開発型)

ロ要件

(ニュービジネス型)

1年未満

研究者※1が2人以上かつ

開発者※2が2人以上かつ

全従業員の10%以上

設立

経過年数

(事業年度)

イ要件

(技術開発型)

ロ要件

(ニュービジネス型)

1年未満

研究者※1が2人以上

かつ

開発者※2が 人以上か全従業員の10%以上全従業員の10%以上

1年以上~

2年未満試験研究費等(宣伝費、マーケティング費用を含む)が売上高の3%

超で直前期までの営業

開発者※2が2人以上かつ

全従業員の10%以上

で直前期までの営業キャッシュ・フローが赤字

全従業員の10%以上 開発者※2が2人以上かつ

全従業員の10%以上1年以上~

2年未満 試験研究費等(宣伝費、マーケティング費用を含む)が売上高の3%超2年以上~

5年未満売上高成長率が25%超

超で直前期までの営業キャッシュ・フローが赤

字2年以上~

3年未満

売上高成長率が25%超で直前期までの営業キャッシュ・

フローが赤字

5年未満

5年以上~

10年未満

試験研究費等(宣伝費、マーケティング費用を含む)が売上高の5%超

※1研究者:特定の研究テーマを持って研究を行っており、社内で研究を主として行う者で、試験研究費等に含まれる支出がなされる者

※2開発者:新規製品やサービスの企画・開発に従事する者や、新規製品やサービスが市場において認知されるために必要となる広告宣伝や市場調査の企画を行う者

III. 外部(特定の株主グループ以外)からの投資を1/6以上取り入れている会社であること●発行済株式の総数の30%以上の株式を保有している株主グループ(株主とその親族等のことをいう。)の保有している株式の合計数が、発行済株式の総数の5/6を超えないこと。但し、発

行済株式の総数の1/2以上保有している株主グループがいる場合、その株主グループの保有している株式の数が、発行済株式の総数の5/6を越えないこと。

IV. 大規模法人(資本金1億円以上等)及び当該大規模法人と特殊の関係(子会社等)にある法人(以下「大規模法人グループ」という)の所有に属さないこと●発行済株式の総数の1/2以上を、一つの大規模法人グループに保有されていないこと。

28

●発行済株式の総数の2/3以上を、複数の大規模法人グループに保有されていないこと。

V. 未登録・未上場の株式会社で、風俗営業等に該当する事業を行う会社でないこと

※認定投資事業組合経由で投資する場合またはグリーンシートエマージング銘柄に投資する場合で、優遇措置Bを利用する場合には、上記Ⅱ、Ⅲの要件を満たす必要はありません。 28

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減税対象となる個人投資家の要件

※投資した年の減税措置(優遇措置Aまたは優遇措置B)に共通の要件です。

I. 金銭の払込により、対象となる企業の株式を取得していること。●他人から譲り受けた株式、現物出資等により取得した株式

は対象にはなりません。

II. 投資先のベンチャー企業が同族会社(その会社の上位3位までの株主グループ(個人及び親族等)が、当該企業の株式等をの株主グル プ(個人及び親族等)が、当該企業の株式等を50%超保有している会社)である場合には、持株割合が大きいものから第3位までの株主グループの持株割合を順に加算し、その割合が初めて50%超になる時における株主グループに属していないこと。

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欧米のエンジェルネットワーク数の推移

エンジェルネットワーク数の推移エンジェルネットワーク数の推移米国のエンジェルネットワーク数の推移欧州のエンジェルネットワーク数の推移

197

231 228211

200

250

197

231 228211

200

250

132152

177

150

200

132152

177

150

200

66

50

10066

50

100

0

50

0

50

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 20061999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006

資料:欧州 eban (european business angel network) 2005年調査米国 Center for Venture Research and Kauffman Foundation (04-05 date)

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エンジェルネットワークに関するシンポジウム(検討中)

1 開催日時 場所 主催1.開催日時・場所・主催日時:平成20年11月12日(水)13:30~17:00場所:都市センターホテル(東京都千代田区)主催:経済産業省・日本ベンチャー学会

2.プログラム(1)基調講演:

米国 Angel Capital Association (ACA) 前会長 John May 氏米国 Angel Capital Association (ACA) 前会長 John May 氏「米国でのエンジェル投資とは」(仮題)

米国 Angel Capital Education Foundation 会長 Peter Linder 氏 他「米国に見るエンジ ル投資の活性化方策」(仮題)「米国に見るエンジェル投資の活性化方策」(仮題)

(2)パネルディスカッション

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課題4 資金力に乏しいベンチャーキャピタル課題4.資金力に乏しいベンチャ キャピタル

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日米欧のVC投資額と出資者構成

日本のベンチャーキャピタル業界の投資規模は、欧米の5分の1以下。投資先一件あたりの投資額も小さく、世界級ベンチャーの不在や小型上場の原因にもなっている。

個人

事業法人2%

その他年金基金

5%

大学基金・財団

個10%

年金基金42%米国

年金基金(含む公的・企業年金)

26%政府系機関8%

16%

欧州

金融機関(銀行・証

券)

その他(他のVC、海外

等)22%

日本財団21%

42%

1.3兆円

金融機関14%

保険

個人9%

16.3兆円

31%

個人

GP18%

2,305億円

金融機関・保険25%

出所:2004NVCA Year Bookより

ファンドオブファンズ

17%

保険10%

出所:2007EVCA Year Boookより

個人4%

事業法人19%

基金・財団1%

出所:(財)ベンチャーエンタープライズセンター「平成18年

度ベンチャ キャピタル等投資動向調査(2006年12月)」出所:2007EVCA Year Boookより 度ベンチャーキャピタル等投資動向調査(2006年12月)」

一件当たりの投資額=10.4億円

一件当たりの投資額=4.5億円

一件当たりの投資額=8,300万円

34

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日米欧のベンチャーキャピタル投資の残高比較

31 02 31 5833.4035.0

40.0 米国 欧州 日本

26.55

30.06 30.49 30.37 31.02 31.58

28.06

24.67

27.38

25.0

30.0

14 8616.88

19.54

21.97

20.0

14.86

10.0

15.0

0.82 1.02 1.00 0.97 0.88 0.86 0.99

0.0

5.0

2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006

資料: 財団法人ベンチャーエンタープライズセンター 「ベンチャーキャピタル等投資動向調査」、NVCA Yearbook 2007、 EVCA Yearbook 20071ドル=119円 1ユーロ=158円にて換算

35

1ドル=119円、1ユーロ=158円にて換算。米国はVC投資のみでかつ米国内への投資に関しての結果であり、欧州はPE投資及び海外投資を含む。日本は03年までは再生、バイアウト投資を含むが04年以降は再生・バイアウト投資を除く(すべての年において海外投資を含む)。また、日本の投資残高は、各年3月末時点のデータである。

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対応策4

(1)年金基金からの出資の拡大

年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の管理運用方針を変更し、未公開株式投資(ベンチャーキャピタル投資を含む)を解禁するべきル投資を含む)を解禁するべき。

(2)ベンチャーキャピタル投資の情報提供情

機関投資家からの出資拡大のため、ベンチャーキャピタルの投資収益率の実績や投資状況に関するデータベースタルの投資収益率の実績や投資状況に関するデ タ スを構築する。

(3)外国人投資家からの出資の拡大(3)外国人投資家からの出資の拡大

日本の投資事業有限責任組合に投資をする外国人投資家への課税に係る問題(1号PE)が課題

36

家への課税に係る問題(1号PE)が課題。

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企業年金オルタナティブ投資投資しているオルタナティブ商品の内訳

オルタナティブ投資を実施している企業年金の比率24.1%

93.8%

国内外REIT

ヘッジファンド

投資しているオルタナティブ商品の内訳

実施予定なし,15.2% 9.3%

16.0%

16.7%

プライベート・エクイティ

エマージング株式

不動産ファンド

検討中である,10.8% 9.3%

5.6%

6.2%

その他

インフレ連動債

CDO

0% 20% 40% 60% 80% 100%

投資しているプライベートエクイティ商品の内訳

37.5%

6.3%

37.5%国内ベンチャー・キャピタル

海外ベンチャー・キャピタル

国内バイアウト 37.5%

6.3%

37.5%国内ベンチャー・キャピタル

海外ベンチャー・キャピタル

国内バイアウト

実施している,74.0%

56.3%

6.3%

56.3%

国内バイアウト

海外バイアウト

国内ファンド・オブ・ファンズ

海外ファンド・オブ・ファンズ 56.3%

6.3%

56.3%

国内バイアウト

海外バイアウト

国内ファンド・オブ・ファンズ

海外ファンド・オブ・ファンズ資料:株式会社大和ファンド・コンサルティング

37

12.5%

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60%

その他 12.5%

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60%

その他

資料 株式会社大和ファンド ンサルティング「年金ニュースレター オルタナティブ投資特集」(2007年10月)

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公的年金から見たVC投資

GPIFは、管理運用方針に沿って、管理運用業務を行っている。2007年3月31日に改正された 新の管理運用方針でも、未上場株式は運用対象とされていない。

年金積立金管理運用独立行政法人の管理運用方針(抜粋)

(1)各資産に関する事項

②国内株式

ア.投資対象は国内の各証券取引所において公開された株式の銘柄とする。なお、アクティブ運用の場合は、投資対象企業の経営内容、当該銘柄の流動性等について十分な調査、分析を行った上で、銘柄を選択すること。行 、銘柄を選択する 。

イ.業種、銘柄等については、運用手法に応じて適切な分散化を図ること。同一の銘柄への投資は、管理運用法人から受託して運用する国内株式ポートフォリオにおける時価総額の5%以下とすること ただし ベンチマ ク インデ クスにおける個別銘柄の時価による構成割合がこのとすること。ただし、ベンチマーク・インデックスにおける個別銘柄の時価による構成割合がこの制限を越える場合等、上記制限によりがたい合理的な理由があるときはこの限りでない。同一の銘柄への投資が5%を上回る場合には、管理運用法人に報告を行うこと。同一企業が発行する株式への投資は、運用受託機関ごとに当該企業の発行済み株式総数の5%以下とするこ

38

する株式 投資 、運用受託機関 当該企業 発行済み株式総数 以下 すると。

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データベースの整備(1)

欧米では、VCのトラックレコードやベンチャー企業に対するVCの投資状況等についての詳細なデータベースが存在している。

VCから投資を受けた企業に関するデ タベ スを構築 VCとベンチャ 企業の双方から情報収集 四

Dow Jones VentureOne社

データベースの例

VCから投資を受けた企業に関するデータベースを構築。VCとベンチャー企業の双方から情報収集。四半期毎にVCに調査をかけるほか、ベンチャー企業には随時問い合わせを行っている。ベンチャー企業側からみたデータの集め方が特徴であり、どちらかと言えばベンチャー企業やその業界の活動を調べる際に強み。データベースには、ベンチャー企業の連絡先、社員数、設立年、成長ステージ、Status (startup, 長 pproduct development, profitable, public, inactive, restart, など)、産業分類、財務状況、投資家情報、資金調達履歴、経営陣、事業内容(product, market, competitor, など)、外部専門家(会計士等)などがある。

Th Fi i l社

VCから投資を受けた企業に関するデータベースを構築。VC側からみたデータの集め方が特徴であり、どちらかと言えばファンドの活動を調べるときに強み。データベースの内容は、Dow Jones VentureOneとほぼ同様 V O と異なり LPもデ タベ スでカバ されている

Thomson Financial社

同様。VentureOneと異なり、LPもデータベースでカバーされている。

Library House社

39資料: 経済産業省作成

VCから投資を受けたヨーロッパ企業に関するデータベースを構築。ヨーロッパのベンチャー企業については、VentureOneのおよそ2倍をカバーしている。

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データベースの整備(2)

VCのトラックレコードやベンチャー企業に対するVCの投資状況等に関する詳細なデータベースサービスが、日本でも望まれている。

設問. 海外では、トムソンファイナンシャルやVentureOneなど、VCのトラックレコードやVBに対するVCの投資状況等についての詳細なデータベースサービスが存在しています。同様のデータベースが日本にもあれば望ましいとお考えですか?

その他7.7%

必要ない11.5%

望ましい

40資料: 経済産業省によるJVCA会員へのアンケート調査 (2007年9月)

N=26望ましい

80.8%

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1号PE(Permanent Establishment)に係る問題(株式譲渡益が対象)

○現行税法上、組合契約(民法組合・投資事業有限責任組合・有限責任事業組合等)に係る事業利

益の配分については、当該組合の無限責任組合員が国内に事務所等を有する場合、非居住者に

と 恒久的施設と解され 当該非居住者自身が 内 事業を るも と 内源泉所とっての恒久的施設と解され、当該非居住者自身が国内で事業をしているものとして、国内源泉所

得として課税される。【源泉徴収の上、総合課税。(源泉徴収は平成17年度改正で導入)】

○諸外国においても同様の税体系が取られてはいるが 我が国においては 非居住者が無限責任○諸外国においても同様の税体系が取られてはいるが、我が国においては、非居住者が無限責任

組合員であるか有限責任組合員であるかにかかわらず課税される一方で、英米等では、単に出資

のみを行っている外国組合員(有限責任組合員)に対しては課税をしないこととされている。

日本海外

無限責任有限責任組合員

有限責任組合員 有限責任

組合出資

組合出資

組合出資

組合

組合員

我が国に恒久的施設を有

有限責任組合員

出資出資 投資先

我が国に恒久的施設を有するとされ、源泉徴収のうえ総合課税。

投資事業有限責任組合等

海外法に基づく組合契約の場合も課税関係は同様

責任組合等

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課題5 機関投資家不在の新興株式市場課題5.機関投資家不在の新興株式市場

42

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主体別売買シェア比較(金額ベース、2007年)

単位:%

東証1部 東証2部 マザ ズ JASDAQ ラクレス東証1部 東証2部 マザーズ JASDAQ ヘラクレス

金融機関 7.9 3.7 1.4 3.1 1.3

投資信託 2.6 2.3 0.7 1.9 0.8

事業法人 2.1 3.4 2.2 2.2 1.7

その他法人 0.4 0.9 0.2 0.5 0.2

証券会社 0 7 4 0 4 4 0 8 4 9証券会社 0.7 4.0 4.4 0.8 4.9

個人 27.6 64.0 76.3 79.0 78.6

外国人 58.7 21.7 14.8 12.6 12.6

合計 100 0 100 0 100 0 100 0 100 0合計 100.0 100.0 100.0 100.0 100.0

資料:各証券取引所HPより注:シェアは委託取引の買い代金のみで算出。

43

注 シ ア 委託取引 買 代 み 算出。

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対応策 5

(1)プロ向け市場の整備

①プロ向け市場のための金融商品取引法の改正が国会で審①プロ向け市場のための金融商品取引法の改正が国会で審議中。②東証は2008年中にロンドン証券取引所とともにプロ向け市場の創設を計画中。

(2)アナリスト紹介制度、ベンチマーク指標等の整備(2)アナリスト紹介制度、ベンチマ ク指標等の整備

①機関投資家が投資決定をするためのアナリストレポートのカバー銘柄の拡大を図るべき。のカ 銘柄の拡大を図る き。②機関投資家が運用会社の成績を評価するための新興株式市場用ベンチマークを整備するべき。

(3)機関投資家への情報提供

新興株式市場に上場するベンチャー企業は 機関投資家

44

新興株式市場に上場するベンチャ 企業は、機関投資家など株主との対話や情報開示を十分行っていくべき。

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課題6 IPO至上主義からの脱却課題6.IPO至上主義からの脱却

45

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ベンチャーキャピタルファンドによる投資回収手段(出口)の状況

日本ではベンチャー企業はIPOを目指すものという常識がある。ベンチャーキャピタルもIPOを前提に投資。

このため、新興株式市場のIPOが困難になると、未上場ベンチャー企業の資金調達も困難になる。

全体に占める損益 全体に占める損益

-9.9 )13.2%(101-1,004会社経営者等への売戻し

-24.6 )23.3%(179-4,411倒産・解散・償却

178.8 )44.9%(34561,688株式公開

一社当たり損益(百万円)全体に占める

割合※社数損益

(百万円)

-9.9 )13.2%(101-1,004会社経営者等への売戻し

-24.6 )23.3%(179-4,411倒産・解散・償却

178.8 )44.9%(34561,688株式公開

一社当たり損益(百万円)全体に占める

割合※社数損益

(百万円)

注:社数には、重複計上がある。

5.5 )2.0%(1583その他

9.4 )16.3%(1251,173その他第三者への売却

0.0 )0.4%(30セカンダリーファンド等への売却

5.5 )2.0%(1583その他

9.4 )16.3%(1251,173その他第三者への売却

0.0 )0.4%(30セカンダリーファンド等への売却

資料:(財)ベンチャーエンタープライズセンター「ベンチャーキャピタル等投資動向調査」(2007年12月)

(金額単位:百万ドル)

2006年 2007年

株式公開 M&A 株式公開 M&A

社数 平均金額 社数 平均金額 社数 平均金額 社数 平均金額

第1四半期 10 54.1 105 111.2 18 121.7 82 156.6

第2四半期 19 105.8 104 100.9 25 165.9 82 114.0

第3四半期 8 116.8 93 92.7 12 78.8 95 206.0

第4四半期 20 81.6 61 154.7 31 98.2 46 290.2

46

年間合計 57 89.8 363 110.6 86 120.1 305 186.7

注:M&Aでは売買額を非公開としている案件も多く、平均金額は売買額公開案件の総額を社数で除した数値。

資料:NVCA,THOMSON Venture Economics

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対応策 6

(1)コーポレートベンチャリングの推進

大企業を中心とする既存企業も ベンチャー企業を活大企業を中心とする既存企業も、ベンチャ 企業を活用した戦略的新事業・新技術開発(コーポレートベンチャリング)に積極的に取り組むことにより、ベンチャー企業の育成に寄与するとともに、自社の技術開発の選択と集中を図り、既存企業の人材流動化を促進すべき。

(2)ベンチャーキャピタル・ベンチャー企業間の投資契約の改善

我が国の投資契約では 定期間内にIPOできない我が国の投資契約では、一定期間内にIPOできない場合に創業者がベンチャーキャピタルからベンチャー企業株式を一定額以上で買い戻すことを約する買戻条項がある。株式を 定額以上で買い戻すことを約する買戻条項がある。他企業への売却価格が買戻条項に定める価格よりは低額となることが一般的であるため、他企業への売却が行なわれ

47

にくくなっていることから、買戻条項の内容を変更するべき。

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【目的】環境 エネルギ 食糧 水 レアメタル代替 医療をはじめ 経済社会を巡る諸課題の解決を図るため

人材・長期資金の集中を促す「イノベーション創造機構」(仮称)の創設

【目的】環境・エネルギー・食糧・水・レアメタル代替・医療をはじめ、経済社会を巡る諸課題の解決を図るため、

組織や業種等の壁を超えた人材の結集や長期のリスクマネー供給等により、「新たな考え方・仕組みを通じて、新たな価値を生み出し、社会的な変化を与える(広義のイノベーション)」の創出を促す。

イ ベ シ 創造機構支援基準「3原則」(案)

① 目的の公益性、

イノベーション創造機構(株式会社)

・民間人材を結集・時限組織(15年)子 ンド等に対して 出資及び人材を派遣

国・産投出資

民間

② 成長可能性・革新性、

③ 市場中立性(民業非圧迫)

スキ ム

・子ファンド等に対して、出資及び人材を派遣

出資

民間出資 民間出資

出資

出資

スキームファンド等に対して、必要な資金の一部を出資。

海外からの投資受入や海外への投資も可。

特徴

(例1)ファンドα

出資

技術・人材等の目利き・ポートフォリオ組成技術

(例2)会社β

長期リスクマネーが必要な特徴

民間人材・民間ノウハウによる運営を基本とした「公設民営」型ソフト事業。

① 民間人材を活用した時限法人。企業の大小/分野/地域・国境

を超えた様々なプレイヤ

民間出資

出資技術人材

ポ トフォリオ組成技術人材

が必要なビジネス

① 民間人材を活用した時限法人。

② 個別事業体への出資判断は、中立的な委員会組織が実施。

(国は継続的にモニタリングし 事後的に評価 )

大企業A 中小企業B

・・ ・・

を超えた様々なプレイヤー

新会社

48

(国は継続的にモニタリングし、事後的に評価。)

③ 出資先への人材派遣、経営関与は機構の民間人材が実施。

ベンチャーC 大学D

・ ・

・・・

・・・

事業化 事業化

48

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買戻規定に関するデータ(1)

独立行政法人中小企業基盤整備機構の出資しているファンドのGPに対するアンケートによれば、「ベンチャーファンド出資事業」において、投資契約に買戻規定を含めている例が約70%あり、そのうち約7%に権利を行使している。

ベンチャーファンド出資事業

総投資企業数1 454社

権利を獲得している企業権利を行使している企

が約70%あり、そのうち約7%に権利を行使している。

総投資企業数1,454社

権利獲得率 行使率

取締役の派遣 n=1,274 360社 28.3% 195社 54.2%

オブザベ シ ンライトの獲 1 265 767社 60 6% 393社 51 2%

がんばれ!中小企業ファンド出資事業

オブザベーションライトの獲得

n=1,265 767社 60.6% 393社 51.2%

買戻(バイバック)規定 n=970 686社 70.7% 45社 6.6%

(注)

権利獲得率=権利を獲得している企業÷総投資企業数

がんばれ!中小企業ファンド出資事業

総投資企業数82社

権利を獲得している企業権利を行使している企

権利獲得行使率

行使率=権利を行使している企業数÷権利を獲得している企業

率行使率

取締役の派遣 n=66 18社 27.3% 5社 27.8%

オブザベーションライトの獲得

n=61 52社 85.2% 46社 88.5%

49資料:独立行政法人中小企業基盤整備機構 ファンド事業部 「新事業開拓促進出資事業に係るフォローアップ調査」

(2007年11月)

買戻(バイバック)規定 n=63 25社 39.7% 0社 0.0%

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買戻規定に関するデータ(2)

ベンチャーキャピタルが投資を行っているベンチャー企業に対するアンケートによれば、「一定期間内に株式公開を行わない場合、VC保有株式の買収義務を契約条項に含めるよう迫られる」との回答が約24%を占めている

ベンチャー企業から見たベンチャーキャピタルの問題点

よう迫られる」との回答が約24%を占めている。

ベンチャーキャピタルから投資を受けた際の障害(複数回答)(n=375)

0 0% 10 0% 20 0% 30 0% 40 0% 50 0% 60 0% 70 0%

11.7%

0.0% 10.0% 20.0% 30.0% 40.0% 50.0% 60.0% 70.0%

ベンチャーキャピタルから株式公開を迫られる

一定期間内に株式公開を行わない場合 VC保有株式の買収23.7%

6.7%

定期間内に株式公開を行わない場合、VC保有株式の買収

義務を契約条項に含めるよう迫られる

経営の意思決定が思うように行かない

62.7%

5.3%

障害になっていることはない

その他

50資料:経済産業省 「ベンチャー企業の創出・成長に関するアンケート調査」(2007年12月)

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VCにとっての買戻規定の意義

買戻規定が必要とされるVC側の理由としては、①IPOに向けたベンチャー企業の意識向上 ②ファンド終期に向けた流動性の確保 が挙げられる。

買戻規定が必要であるとするベンチャーキャピタル側の理由

・未上場企業への投資は、会社社長による買取、IPO、M&Aくらいしか出口がなく、いつまでも株を保有しようと思えばできてしまうので期限がない

①IPOに向けたベンチャー企業の意識向上

保有しようと思えばできてしまうので期限がない。・株式公開を条件とする買戻規定を入れておくことで、株式公開への取組を加速させる効果を持たせる。

・ディスクロージャーなど誠実に対応してもらう。精神的なプレッシャー。ディスクロ ジャ など誠実に対応してもらう。精神的なプレッシャ 。・投資はベンチャー経営者に対して行っているので、途中で辞めたりすることを防ぐこと。

②ファンド終期に向けた流動性の確保

・流動化させる際に、何か基準となる価格を決めておかないと、ベンチャー企業との交渉が始まらない。

・ファンドをクローズするときには、できるだけ高い価格で買ってもらって回収する努力をしなければ

② ァンド終期 向けた流動性の確保

51

ファンドをク ズするときには、できるだけ高い価格で買ってもらって回収する努力をしなければならない。

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ベンチャーキャピタルファンド投資契約の買戻条項の改善

通常 買 条 発動条件と通常、買戻条項の発動条件として、

1)ベンチャー企業側に法令・投資契約への違反があった 場合

2)株式公開が実現されない場合

( ⅰ)努力不足型、ⅱ)外形標準型 の二つに分けられる。)

の二つが規定されているケースが大半であるが、加えて、

3)ファンド終期が近づいた場合

が含まれているケースもある。

52

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「努力不足型」と「外形標準型」

(i) 努力不足型

例1: 損益状況 財務状況その他ベンチャー企業の経営状況からみて 株式公開をする要件を

(i) 努力不足型

例1: 損益状況 財務状況その他ベンチャー企業の経営状況からみて 株式公開をする要件を例1: 損益状況、財務状況その他ベンチャ 企業の経営状況からみて、株式公開をする要件を充足しているにもかかわらず、ベンチャー企業が株式公開をしない場合

例2: ○年○月において財政及び経営成績の点で上場要件を満たしているにも関わらず同ベンチャ 企業が経営戦略上株式公開を断念した場合

例1: 損益状況、財務状況その他ベンチャ 企業の経営状況からみて、株式公開をする要件を充足しているにもかかわらず、ベンチャー企業が株式公開をしない場合

例2: ○年○月において財政及び経営成績の点で上場要件を満たしているにも関わらず同ベンチャ 企業が経営戦略上株式公開を断念した場合チャー企業が経営戦略上株式公開を断念した場合

例3: ベンチャー企業がその財政状態および経営成績等が株式公開のための形式的基準に適合し、幹事証券会社の判断、既公開会社の事例等に照らし、すでに公開の準備を開始又は

ピ ず

チャー企業が経営戦略上株式公開を断念した場合

例3: ベンチャー企業がその財政状態および経営成績等が株式公開のための形式的基準に適合し、幹事証券会社の判断、既公開会社の事例等に照らし、すでに公開の準備を開始又は

ピ ず続行できると、ベンチャーキャピタルファンドが判断したにもかかわらず、同ベンチャー企業が株式公開のために必要な準備又は手続きを開始せず、その実現に向けて合理的な努力をしなかった場合

続行できると、ベンチャーキャピタルファンドが判断したにもかかわらず、同ベンチャー企業が株式公開のために必要な準備又は手続きを開始せず、その実現に向けて合理的な努力をしなかった場合

(ii) 外形標準型

例1: ベンチャー企業が、○年○月までに株式公開しない場合

(ii) 外形標準型

例1: ベンチャー企業が、○年○月までに株式公開しない場合

例2: ベンチャー企業の業績、株式市場の状況、その他の事由により○年○月までに公開することが著しく困難になったとベンチャーキャピタルファンドが判断したとき

例2: ベンチャー企業の業績、株式市場の状況、その他の事由により○年○月までに公開することが著しく困難になったとベンチャーキャピタルファンドが判断したとき

53

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「努力不足型」の買戻価格

a社 b社 c社 d社 e社 f社 g社 h社 i社 j社 k社

以下の価格のうち、 も高い価格以下の価格のうち、 も高い価格

①VCファンドの取得価額(◎は経過利息付き) ○ ◎ ◎ ○ ○ ◎ ○ ○ ◎

②VCファンド取得額の1.2倍 ○

③VCファンド取得時の算定方式による価格 ○ ○

④一株当たり純資産額 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○

⑤類似業種比準方式による価格 ○ ○ ○ ○ ○

適正な⑤類似業種比準方式による価格 ○ ○ ○ ○ ○

⑥直近の取引価格 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○

⑦VCファンド選任の第三者による鑑定価格 ○ ○ ○ ○ ○ ○

な価格

⑧第三者による鑑定価格 ○

※ 恵国待遇 ※ ※ ※ ※

54

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「外形標準型」の買戻価格

l社 m社

以下の価格のうち、 も高い価格

①VCファンドの取得価額(◎は経過利息付き)

②VCファンド取得額の1.2倍

③VCファンド取得時の算定方式による価格

④一株当たり純資産額 ○

⑤類似業種比準方式による価格 ○

⑥直近の取引価格 ○

⑦VCファンド選任の第三者による鑑定価格 ○

⑧第三者による鑑定価格⑧第三者による鑑定価格

※ 恵国待遇 ※

55

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ファンドの終期が近づいた場合(1社のみ)の買戻価格

①VCファンドの取得価額(◎は経過利息付き) ○

以下の価格のうち、協議の上、ベンチャーキャピタルファンドが選択した価格

①VCファンドの取得価額(◎は経過利息付き) ○

②VCファンド取得額の1.2倍

③VCファンド取得時の算定方式による価格

④一株当たり純資産額 ○

⑤類似業種比準方式による価格

⑥直近の取引価格 ○

⑦VCファンド選任の第三者による鑑定価格

⑧第三者による鑑定価格 ○⑧第三者による鑑定価格 ○

56

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考察(1)

2)株式公開が実現されない場合のうち(ii)外形標準型2)株式公開が実現されない場合のうち(ii)外形標準型、

あるいは、3)ファンド終期が近づいた場合に、

その買戻価格をその買戻価格を、

ベンチャーキャピタルファンドの取得価額(あるいはこれに経過利息を加え

た価額)とた価額)と

買戻請求時点での様々な方法による株価評価価額のうち も高い価格

(あるいはベンチャーキャピタルが決定した価格)とすることは、(あるいは ンチャ キャピタルが決定した価格)とすることは、

買戻条項の発動がベンチャー企業自身の努力とは関係なく外的環境に

よって発生するにもかかわらず、その結果のダウンサイドリスクをすべてベ

ンチャー企業側に負わせているという意味で、衡平を逸しているのではな

いか。

57

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考察(2)

2)株式公開が実現されない場合((i)努力不足型および(ii)外形標準型)

あるいは 3)ファンド終期が近づいた場合にあるいは、3)ファンド終期が近づいた場合に、

その買戻価格を、買戻請求時点での様々な方法による株価評価価額のうち

も高い価格(あるいはベンチャーキャピタルが決定した価格)とすることは、結も高い価格(あるいは ンチャ キャピタルが決定した価格)とすることは、結

果として、ベンチャーキャピタルファンドの投資回収手段(「出口」)として、他企

業への売却をしにくくしているのではないか。

すなわち、仮に、株式公開に比して、他企業への売却の方が高額で売却でき

る場合であっても、他企業への売却価格が、買戻条項に定める様々な方法に

よる株価評価価額のうち も高い価格を超えることはまれである(むしろ様々なよる株価評価価額のうち も高い価格を超えることはまれである(むしろ様々な

方法による株価評価価額の中間値・平均値になる可能性の方が高い)ことから、

ベンチャーキャピタルファンドの出資者から見ると、契約上は、他企業への売却

を行うよりも ベンチ 企業あるいは経営者に当該株式の買戻を求める方がを行うよりも、ベンチャー企業あるいは経営者に当該株式の買戻を求める方が、

多額の投資回収ができることになるからである。

58

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上記の二つの観点を踏まえると、

2)株式公開が実現されない場合のうち(ii)外形標準型2)株式公開が実現されない場合のうち(ii)外形標準型、

あるいは、3)ファンド終期が近づいた場合には、

買戻請求時点での様々な方法による株価評価価額を基準としつつ ベンチャ買戻請求時点での様々な方法による株価評価価額を基準としつつ、ベンチャー

企業側とベンチャーキャピタルファンド側とが協議をして定めた価格(すなわちそ

の時点での適正価格)で、買戻すこととするべきではないか。

また、2)株式公開が実現されない場合のうち(i)努力不足型については、また、2)株式公開が実現されない場合のうち(i)努力不足型については、

買戻請求時点での様々な方法による株価評価価額を基準としつつ、ベンチャー

企業側とベンチャーキャピタルファンド側とが協議をして定めた価格とベンチャー

キャピタルファンドの取得価額(あるいはこれに経過利息を加えた価額)のうちい

ずれか高い価額で買戻すこととすることも考えられるのではないか。

59