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20 1996201419 72西MC便便西使便LSMLSM西Revs Now 20 LSMGお話を伺った 先進技術本部 NV事業統括部 LSM開発部 開発Gの皆さん 前列左から ■ 高橋 康文さん ■ 吉田 睦さん (GL) ■ 今 健人さん ■ 西村 政哉さん 後列左から ■ 有馬 央貴さん ■ 小渕 颯輝さん 09Revs 201911月号 Revs 201911月号08

日本の未来を開く 低速・自動運転車両で - Yamaha Motor …LSM開発部 開発Gの皆さん 開発者座談会 前列左から 高橋 康文さん 吉田 睦さん(GL)

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Page 1: 日本の未来を開く 低速・自動運転車両で - Yamaha Motor …LSM開発部 開発Gの皆さん 開発者座談会 前列左から 高橋 康文さん 吉田 睦さん(GL)

 現在、自動車メーカーを含めさまざまな企業が

自動運転技術の確立に取り組んでいて、その動向は

ニュースなどで活発に報じられています。

 では、当社はどうだったのでしょう。さかのぼる

こと約20年、1996年に電磁誘導式自動走行

ゴルフカーを実用化するなど、当社には以前から

自動運転に取り組む流れと蓄積がありました。

 2014年には国内でランドカーの公道走行が

認められ、またセンサー類の進歩もあり、低速自動

運転車両を利活用しようという動きが官公庁や

自治体などで高まっていきます。19年7月からは、

本社近くに開設予定の東海道本線の新駅(御厨駅)

近辺で、2年の予定で磐田市の実証実験も始まり

ました。

吉田自動運転の実用化には各社がさまざまなアプ

ローチで取り組んでいますが、まだ課題も多くこれ

からの領域です。

西村交差点の出合い頭でどちらが先に進むかなど、

人間がファジーに行っていることを車両に判断させる

のは、先進的な技術を組み合わせてようやくできるか

どうかといった難しいものです。でも大変な分、挑戦

しがいがあり面白いと感じています。

小渕自分は今年の新入社員です。希望はMC開発で

したが、ここで先進的な技術に携われて楽しいです。

高橋自分たちが開発した車両を公道で実証するとき

は、やはりワクワクしますね。地域住民の方に、自動運

転車両の可能性や重要性を知っていただけるように

働き掛けてもいきたいです。

今実証実験を行っている各地に出向くと、いろいろ

気づきがあります。永平寺駅に実証実験で出向いた

ときは、電車の駅からのアクセスが意外に不便で、あそ

こが自動運転車両でつながるといいなと感じました。

有馬最寄りの交通機関から歩くにはちょっと遠い

など、低速の自動運転車両がフィットするエリアは

日本全国にあると感じます。一方で、冷暖房が効かず

低速であることなど、既存の車が備える利便性で

比べても車には勝てない。そこで、低速だからこそ

喜んでもらえる価値、コンセプトの提案が大事になっ

てくると思います。

西村確かに。車社会の日本では、子どもを道で遊ばせ

られないという声を聞きます。一方アトランタには、

高校生がゴルフカーで通学する地区があるそうです。

町全体が、歩いたり低速での移動を楽しんだりする

仕組みになっている事例が世界にはポツポツ生まれて

きています。それを自動運転という手段を使って膨ら

ませられたら素晴らしいですね。

小渕従来の利便性を求めるなら車を選んでもらい、

逆にLSMは、車では味わえないゆったりした移動を

楽しめる場所で活用が進むといいと思います。

高橋沖縄で実証実験をしたときは、周囲の景色を

存分に楽しめて、低速車両の魅力を再確認しました。

今瀬戸内海の豊島には、軽自動車でも通るのが難しい

細い道や激しいアップダウンが多いんですよ。絶好の

ビューポイントに行くには、LSMがベストマッチだと

感じました。

吉田開発する以上は、これがあってうれしい、楽しい、

助かると思ってもらえるものにしたい。「低速で町を

移動するのが楽しいから外出してみよう」と思って

もらえるような車両に育てていきたいです。

 交通弱者の救済、ドライバー不足の解消やブレー

キとアクセルの踏み間違いによる事故防止など、

自動運転はさまざまな可能性を示唆しています。

しかし、越えるべきハードルは技術面、インフラ面

ともに非常に高いのも事実です。

有馬高速道路での自動運転は実現可能性大とされて

いますが、一般道となると、車両に人間と同等かそれ以

上の賢さが求められハードルは格段に高くなります。

そのため、自動運転に向けて道路環境をいかに整備

していくかも大事になってきます。

西村交通インフラをどう整えていくかなどについて

は、自分たちが頑張れば何とかなる世界ではなく、

官公庁や自治体の協力が不可欠になってきます。

吉田技術も、交通インフラを巡る動きも、日々状況が

変化しています。どの技術が採択されるかによって、

蓄積してきたものが生きるか不要になるかが分かれ

てしまいます。当社としてどこを押さえていくべきか

見定めるのが難しいですが、開発メンバーの肌感覚を

大切に進んでいきたいと思っています。

小渕技術面では、当社が二輪などで培ってきたのとは

まったく違う技術が求められていますね。

今社内に自動運転に特化したエンジニアがあまり

いないので、自分たちで考えて創り上げる挑戦をして

いくんだと感じています。

吉田若いエンジニアならではの感性を失わず、従来の

経験や常識にとらわれずにオリジナリティーを発揮

していってもらいたいと思っています。

Revs Now

ヤマハと自動運転、

関わりは20年以上

低速・自動運転

だからこその価値

未知の領域へ挑む

低速・自動運転車両で

日本の未来を開く

LSMの自動運転技術の確立に

取り組む開発Gの若手の皆さんに、

思い描く夢や越えるべきハードル

などについて聞きました。

お話を伺った先進技術本部 NV事業統括部LSM開発部 開発Gの皆さん

開発者座談会

前列左から

■ 高橋 康文さん ■ 吉田 睦さん(GL) ■ 今 健人さん ■ 西村 政哉さん後列左から

■ 有馬 央貴さん ■ 小渕 颯輝さん

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