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OLCグループ CSR REPORT 2018 ダイジェスト 2018年9月

OLCグループ CSR REPORT 2018...「2020中期経営計画」においては、働きやすい環境を整備 し、成長を実感できる施策を実施することで、ホスピタリティと

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OLCグループCSRREPORT2018

ダイジェスト2018年9月

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トップメッセージ

Q. 2017年度は「2020中期経営計画」の初年度でしたが、どのように取り組んだのでしょうか

 「2020中期経営計画」は「長期持続的な成長に向けた事業

基盤の強化」を遂げるべく策定し、2017年度は、満足度と

集客力を向上させるため、「新鮮さ」と「快適さ」を提供する

ハードの強化に取り組んできました。

 例えば、東京ディズニーシーに新たにオープンした「ニモ&

フレンズ・シーライダー」は、「新鮮さ」の強化だけではなく、

屋外待ち列エリアに屋根を設置し環境を改善するなど、「快適

さ」の強化にも寄与しています。また、フード施設やレスト

ルームの改修、海外ゲスト向けツールの拡充なども実施して

います。このように、細部においても地道な改修を積み重ね

ることで、今後もゲストの体験価値を着実に向上させていき

たいと考えています。

Q. 「ソフト(人財力)の強化」に向けての進捗は いかがでしょうか 「2020中期経営計画」においては、働きやすい環境を整備

し、成長を実感できる施策を実施することで、ホスピタリティと

オペレーション力を高めていくことを戦略として掲げています。

 キャストとの触れあいを楽しみにご来園いただくゲストも

多いため、ディズニー・テーマパークの魅力のひとつでもある

「キャストによるおもてなし」を、より一層高めていく必要が

あります。日本全体の労働人口は減少していますが、当社では、

新たな採用マーケティング手法の導入や、遠方在住者も働き

やすい環境を整備するなど、将来を見越した採用計画を進めて

います。

50年先、100年先にも、「夢、感動、喜び、やすらぎ」を提供するために

 また、ゲストが期待するサービスレベルは、年々高くなって

きていると実感しています。ゲストの期待を超えるサービスを

提供し続けるためには、キャストが自発的なサービスを行う

ことが重要です。そこで、サービス研修の強化や、よりゲスト

サービスに注力できる労働環境の整備を進めています。

Q. OLCグループにおける「長期持続的な価値創造」についてどのように捉えていますか

 今後は、人口動態の変化、テクノロジーの進化、ライフスタ

イルやコミュニケーションスタイルの多様化がより一層進んで

いくでしょう。それでも、喜びや感動、心の豊かさ、家族や大

切な方との絆といった目に見えない価値は変わらないもので

あり、むしろその重要性は増していくと感じています。

 50年先、100年先にも、社会に「夢、感動、喜び、やすらぎ」

という当社ならではの価値を提供し続けていくことが私たち

の使命です。それを実現していくためには、「CSR視点」を持っ

て社会の変化を見据えることが重要になります。事業を通じて

CSRに誠実に取り組み続けていくこと、そしてその取り組みを

進化させていくことが、長期持続的な価値創造につながると

認識しています。

 OLCグループは、常にステークホルダーの皆さまの声に

耳を傾けながら、社会からの期待や要請に応え、持続可能な

社会の実現に資するべく、CSRを推進してまいります。

代表取締役社長(兼)COO

上西京一郎

OLCグループ CSR REPORT 2018 ダイジェスト OLCグループ CSR REPORT 2018 ダイジェスト1

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執行役員商品本部長

神原里佳

東京ディズニーリゾート関連

特集:CSRストーリー

ハピネスをお持ち帰りいただくために~ベビー向け商品開発の取り組み~

OLCグループでは、安全かつ高品質な商品の企画開発·販売を行っています。本特集では、テーマパークで販売

する多彩な商品の中でも安全性により配慮した「ベビー向け商品」の開発の流れをご紹介します。

すべての方々が、ハピネスを実感できるモノづくりを目指して 私たちは商品を通して東京ディズニーリゾートでの思い出や体験を、いかに最高

のものにしていただけるかを常に考えながら、モノづくりに取り組んでいます。

 私たちが作っているのはただの「物」ではなく、ゲストにご自宅までお持ち帰り

いただく「思い出」であり「ハピネス」でありたいと考えています。そんな商品に

残念な点があると楽しかった1日がすべて台無しになってしまいます。そのために

日々安全を最優先に考え、品質にも細心の注意をはらっています。

 パークで提供する商品がゲストの手元に届くまでには多くの人が関わっています。

私たちが目指す姿は「モノを通じたしあわせの最大化」です。商品を手にする

ゲストはもちろん、企画開発、品質管理、物流、販売するキャスト、製造いただく

お取引先など関わるすべての人が「この商品に携わって良かった」と思える商品開発が大切だと思っています。その想いが

結集してこそ「東京ディズニーリゾートならではの商品」が実現し、ゲスト一人ひとりにとっての「大切な思い出」につながっ

ていくと考えます。

 35年前、赤ちゃんのときに買ってもらった商品を今でも大切にしてくださっている方もいらっしゃいます。さらには海外を

訪れた際に私たちの商品を身に付けている方を見かけることもあります。私たちの想いがゲストに届き、大切に使っていた

だけていることを本当に嬉しく思います。これからもすべての人が「ハピネス」を実感できるモノづくりにこだわり、ゲストに

最高の体験価値を提供し続けられる東京ディズニーリゾートを目指していきたいと思っています。

OLCグループ CSR REPORT 2018 ダイジェスト 2

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商品本部商品開発部レギュラー商品グループマスタープロダクトデベロッパー

飯嶋知子

チームで団結し、ゲストを「わくわく」させたい 品質、仕様、コストなどさまざまな側面で、バランスを取りながら企画全体を

精査するのが、私たち開発担当者の役割です。商品は一人で作るのではなく、

デザイナーや品質管理、店舗開発、販売促進などの社内スタッフ、さらに社外の

お取引先など、すべてのメンバーがアイデアを出しあい、力を尽くす必要があります。

このチームプレーがあって初めて、楽しい思い出とともに、安全で高品質な商品

をお持ち帰りいただくことができます。ベビー向け商品については、特に安全に

配慮しなくてはなりません。ゲストにわくわくした気持ちで商品を手に取ってもら

えるよう、総力戦で一つひとつの商品に向きあっています。

アイデアの段階から始まる、 厳しい品質管理

楽しい思い出が台無しになるような要素がないか、

企画段階から安全・品質を厳しくチェック。アイ

テム確定後は、ILSプログラム※や、当社独自の品質

管理規定に沿った工場審査のうえ、お取引先を

選定します。選定後も、国内外のお取引先に足を

運び、工場内の環境や生産ラインなどをチェック

します。

※ディズニー社の国際労働基準プログラム

発売10ヵ月前

アイテム確定

CSRPOINT

発売11ヵ月前

企画共有会議(承認)商品本部長・商品開発部長などを交えて、企画の方針について議論。問題がなければ承認されます。

発売8ヵ月前

デザインコンセプト承認アイテムごとにラフデザインやサンプル開発の意図を、ディズニー社とデザイングループ承認者に伝え、アイテムのコンセプトが承認されます。

START

開発担当者の想い

1 分析・企画アイテム確定と並行して、製造工場も含めたお取引先を決定します。お取引先には 、ディズニー社や当社の厳しい基準に基づい た監査を実施しています。

発売13ヵ月前

企画会議(発案)販売した商品の振り返りや市場分析などをもとに、新商品のアイデア等を出し合い、開発方針や商品コンセプト、ラフデザイン、参考サンプルなどを準備します。

OLCグループ CSR REPORT 2018 ダイジェスト OLCグループ CSR REPORT 2018 ダイジェスト3

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商品本部商品開発部商品デザイングループ

坂井田勝子

テーマパークの世界観を詰め込んだ、ゲストを楽しませるデザイン どんなシチュエーションで使うか、どんな会話をするかなど、常に「商品を手に

したゲスト」を思い描いてデザインを行います。例えば、キャラクターをあしらった

Tシャツとパーカーは、両方同時に着たときのキャラクターの見え方にも留意しま

した。また袖や靴下のつま先など、子どもが喜ぶ場所にワンポイントを置いたりと、

細かい工夫をちりばめています。もちろん肌に直接触れる部分は特に柔らかくする

など、安全面への気配りも欠かせません。テーマパークの世界観を楽しんでいた

だくために、子育ての経験を活かしつつ、最新のトレンドも踏まえ、常に改良を積み

重ね、楽しみながらモノづくりに取り組んでいます。

ベビーを守るための試作品チェック

試作品の段階でも、品質管理の視点が欠かせません。

ひもやリボンなどは取り付け場所や長さがJIS規格通り

安全にできているか 、色落ちしないか 、パーツが外れ

ないか 、角や尖った部分が痛くないかなど 、実際の

使用状況を想定して、商品仕様を厳密にチェックします。

CSRPOINT

パッケージ、製品表示の準備パッケージデザインをデザイナーが監修。表示法に定められた法令表記、実際の使用状況を想定した取扱説明や注意表記については、品質管理担当者が監修します。

デザイナーの想い

2 開発開発担当者が固めたコンセプトに沿って、テーマパークの世界観を表現するデザインを立案。安全性や法令遵守の視点から、商品デザインやパッケージ、製品表示について、厳しくチェックを行います。

発売6ヵ月前

入稿お取引先に、デザインデータを入稿します。

発売5ヵ月半前

試作品チェックお取引先から試作品を受領。デザイナーや品質管理部門が監修します。

発売7ヵ月半前

原画制作開始デザイナーが、商品のコンセプトにあったイラストレーターをアサインし、色やタッチなどを細かくディレクションしながら、デザインの原画を制作します。また、知的財産権の確認や注意表記の提案など、品質管理担当者のチェックも実施します。

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Page 6: OLCグループ CSR REPORT 2018...「2020中期経営計画」においては、働きやすい環境を整備 し、成長を実感できる施策を実施することで、ホスピタリティと

3 生産・品質管理試作品段階、生産開始の前後、出荷前、納品前など、何段階ものステップの中で、何度も厳しい品質チェックを行います。第三者機関での製品検査は、発売後も年に1回、繰り返し実施します。

商品本部商品管理部商品品質管理グループ

岡本周也

ベビーの敏感な肌を守るために、一人ひとりが考え抜く 開発担当者やデザイナーは、世界観を表現するために、自由な発想でモノづくり

を行います。その想いは最大限に尊重しながら、私たち品質管理のメンバーも、

安全性だけは絶対に譲れません。安全でかつ魅力的な商品を作るためには、社内の

担当者やお取引先、すべてのスタッフの知恵を結集する必要があります。ゲストは、

化学物質の含有量などは目で見て確認することができません。私たちが化学的に

調査を行い、論理的に資料を揃え、安全性と品質についてしっかりと保証することで

初めて、ゲストに安心を提供することができるのだと、常に心がけています。

品質管理担当者の想い

発売4ヵ月半前

最終試作品販売するものと同じ最終試作品について、お取引先、開発担当者、品質管理担当者が、最終仕様をチェック。生産時の注意点、検品項目などを確認、合意します。

発売4ヵ月前

生産開始ILSプログラムの監査や、OLC審査に適合した工場で生産開始。開発担当者や品質管理担当者による、現地工場での生産状況確認も行います。

発売時と年1回の、第三者専門機関による品質確認

染色堅牢度(摩擦や汗、洗濯による耐久性)、組成(表示通りの素材を使用している

か)、法令表示(表示法に従っているか)などについて、年間約1,000SKU※のアイ

テムに対し検査や検品を実施。特にベビー(生後24ヵ月以内)商品に対するホル

ムアルデヒドの規制基準は、法律が定める0.05abs以下よりさらに厳しい、

0.03abs以下を当社基準としています。

※StockKeepingUnitの略。同一商品でも色やサイズ違いについて、別のSKUとして区別します。

CSRPOINT

発売1ヵ月半前 

第三者による製品検査・工場出荷前検品

第三者機関で製品検査や出荷前検品を実施し、検査・検品の適合後、工場から出荷されます。不適合の場合は改善を施し、再検査・再検品を実施します。

発売1週間前

納品前検品当社への納品前に、製品検査適合書類、出荷前検品適合書類、その他品質保証上必要な書類を確認。また、製品表示内容や値札の確認(スキャンチェック)、最終試作品で合意した内容通りの仕様に生産できているかなどを確認し、製品内容に問題がなければ納品となります。

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4 販売・改良ゲストに商品を販売した後も、ハピネス追求の取り組みは終わりません。社内外から率直な意見、アイデアを収集し、問題があれば迅速に対応。さらに次なる、より良い商品づくりに活かしています。

改良ショップのキャストのアイデアや、ゲストからのご意見を参考に、常に改良を繰り返しています。

お客さまの声「東京ディズニーリゾート・商品ゲストサービス」を設置するとともに、ショップのキャストを通じて、ゲストの声を収集しています。

誰もがお買物を楽しめる店舗づくり

2018年3月にオープンしたベビーと

幼児のグッズ専門店「ブレイブリトル

テイラー・ショップ」は、ディズニー映画

『ミッキーの巨人退治』がモチーフ。

扉や店内のスペースはゆとりを持たせたつくりで、ベビーカー のままでも

使用できる広いドレッシングルーム(試着室)も設けています。

CSRPOINT

発売1日前

ディスプレイショップのキャストとも連携し、「見やすく、選びやすく、買いやすい」お店づくりを追求しています。

さらなるハピネスを提供し続ける

東京ディズニーリゾート関連

対応例(帽子のタグの改良)

吊るして陳列していると、タグの先端がボア生地に埋もれ、切り離した際に取れにくいとのご意見をいただきました。

Before After

ゲストの声に応え、タグの先端に小さな布をはさみ、生地に埋もれにくくなるように改良しました。

発売

拡大 拡大

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OLCグループのCSR

 株式会社オリエンタルランドが社会に提供し続けてきたの

は、ほかのどの場所でも体験できない「ハピネス(幸福感)」

です。テーマパークからテーマリゾートへの展開、そしてそ

のほかの事業を加え、OLCグループの事業は拡大してきま

したが、「ハピネスの提供」を起点に、「夢、感動、喜び、やす

らぎを提供し、心の活力を創造すること」が社会に向けた提

供価値であるということは変わりありません。

企業使命

自由でみずみずしい発想を原動力に

すばらしい夢と感動、人としての喜び、そして、やすらぎを提供します

OLCグループCSR方針

OLCグループのCSRは、心豊かな社会、夢あふれる未来を目指して、

5つの「大事にしたいこと」に取り組んでいきます

 当社グループは、「自由でみずみずしい発想を原動力に

すばらしい夢と感動、人としての喜び、そして、やすらぎを

提供します」という企業使命のもと、「心豊かな社会、夢あ

ふれる未来」の実現に寄与したいと考えています。

 そのために5つの「大事にしたいこと」に取り組んでいく

こと、それが私たちのCSR(企業の社会的責任)です。

5つの「大事にしたいこと」

かけがえのない地球環境への思いやり

かけがえのない地球環境を次の世代につないでいくために環境への配慮を事業活動の前提として環境課題に真摯な姿勢で取り組んでいきます

社会からの信頼につながる誠実さ

健全な事業活動とマネジメント、社会・地域との共生や開かれたコミュニケーションなど、企業として誠実であり続けることで社会からの信頼を築いていきます

新たな感動を創造する活力あふれる人財

新たな感動を創造するために、一人ひとりが社会に視野を広げ、ポテンシャルを最大限に発揮できるよう支援します

未来をひらく子どもたちの笑顔

子どもたちの笑顔から広がる家族や地域の絆ひいては心豊かな社会のために企業市民として、子どもたちを育み、支える社会貢献活動に取り組んでいきます

お客さまと社会にひろがるハピネス

お客さまの社会的視点・ニーズを意識した事業活動によりお客さま、そして社会にさらなるハピネスを提供していきます

OLCグループ CSR REPORT 2018 ダイジェスト OLCグループ CSR REPORT 2018 ダイジェスト7

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社会からの信頼につながる誠実さ

お客さまの安全を確保し安心してお楽しみいただくことは、私たちの最も重要な責任です

企業としてコンプライアンスを遵守し、誠実であり続けることで、ステークホルダーとの信頼関係構築、 持続的成長を目指します

「夢、感動、喜び、やすらぎ」の提供を遂行するため、コーポレート·ガバナンスの強化に努めます

取り組みの詳細はウェブサイトへ http://www.olc.co.jp/ja/csr/5daiji/management.html

ゲストの体験価値を支える安全・品質の取り組み

「イッツ・ア・スモールワールド」における安全・品質の向上

技術本部ファシリティ技術部(当時)(イッツ・ア・スモールワールドリニューアルプロジェクトを統括)

竹下広太郎

東京ディズニーリゾート関連

 ゲストの安全を確保し、安心してお楽しみいただくことは、

私たちの最も重要な責任です。また、ゲストの体験価値を高

めるためには、厳しい品質管理も求められます。OLCグ

ループは、安全・品質の維持・向上のために、社会状況の変

化やゲストニーズなども見据えながら、継続的かつ徹底した、

さまざまな取り組みを行っています。

 「イッツ・ア・スモールワールド」は、東京ディズニーランド

のオープン時から変わらず多くのゲストに愛されているアト

ラクションです。安全面では、従来の安全対策に加え、35年を

経た社会と環境の変化を踏まえて、暑さ対策としての屋内

待ち列エリアの拡張、乗り場におけるカメラやスマートフォン

の落下防止、3ヵ国語によるサインや館内放送の拡充など、

ゲストにより安全にお楽しみいただけるよう強化しました。

 また、品質面では、伝統を守りながら、新たなストーリーや

ディズニーキャラクターを加えるという新鮮さの演出にこだ

わりました。アトラクションの世界観の中に、まるで最初から

そこにいたかのように自然に溶け込むディズニーキャラク

ターが新たな魅力を加え、アトラクション内のショーセットや

壁は、変わらぬ楽しさと懐かしさを感じていただけるように、

35年前の色彩を忠実かつ鮮明に再現しました。

屋内待ち列エリアを拡張

変わらぬ楽しさに新鮮さをプラス

出発前の安全確認

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新たな感動を創造する活力あふれる人財

「夢・感動・喜び・やすらぎ」の源泉は人財です。お客さまと社会にハピネスを提供し続けるため、従業員 一人ひとりのホスピタリティ向上を図ります

従業員満足(ES)を高め、全従業員が力を最大限に発揮しながら安心して働き、成長を実感、働きがいを 感じることを目指します

取り組みの詳細はウェブサイトへ http://www.olc.co.jp/ja/csr/5daiji/relation.html

さらなるハピネスを生み出すための働き方改革

 お客さまと社会にハピネスを提供し続けるために欠かせ

ないのが、ホスピタリティです。私たちの事業は、そのホス

ピタリティを生み出す「人」がいなければ成り立ちません。

OLCグループは、従業員満足を高め、すべての従業員がそ

れぞれのポテンシャルを最大限に発揮しながら安心して働

き、成長を実感し、働きがいを感じられるよう、さまざまな

取り組みを行っています。

(2017年度)

採用した労働者に占める女性労働者の割合(単体)

社員 その他の従業員

58.5% 77.6%

(2018年3月31日現在)

在籍労働者に占める女性労働者の割合(単体)

社員 その他の従業員

41.8% 77.0%

(2018年3月31日現在)

男女の平均継続勤務年数差異(単体社員)

女性 男性

13.2年 18.3年

差:5.1年

多様な人財が活躍できる環境づくりの推進

人事本部人事部 

中平朋子

 日本社会における労働力の不足を背景に、ダイバーシティ

や女性活躍がうたわれていますが、当社には男女が分け隔て

なく働く社風があり、職種や部門を問わず多くの女性が活躍

しています。当社では、女性管理職比率の数値目標を掲げて

いますが、「結果の平等」より「機会の平等」を方針とし、育成

施策全体を連動させる取り組みやチャレンジする機会の充

実化を推進しています。「機会の平等」という点において、育

児や介護などがそれを妨げキャリアが中断しないように、両

立支援制度の整備にも取り組んでいます。既存制度の改善

に加え、働き方を見直すトライアルを実施しながら、当事者

を対象にしたセミナーや、役員・管理職層を対象とした研修

を実施し、従業員が復職後も活躍しやすい環境の整備にも

力を入れています。

 私自身も2人の育児と仕事を両立していますが、育児、介

護など、従業員が直面する可能性のある課題と仕事との両立

をはかり、多様な人財が活躍できる環境づくりを今後も推進

していきます。復職支援セミナー

両立支援 取り組みの一例

取り組み 概要

育児休職前セミナー(定期開催)

育児休職に入る社員を対象に、事前準備や休職中の過ごし方を伝える

復職支援セミナー(定期開催)

育児休職中の社員を対象に、復職後の会社支援内容について理解を深めるとともに復職後のキャリア形成について考える機会を提供

役員・管理職層を対象とした研修(不定期開催)

組織の多様なメンバーをマネジメントするうえで大切なことを考える機会を提供。過去のテーマはダイバーシティ、介護など

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手話講座を受講し社内認定会で合格したキャストは、胸に手話ピンを着用

多言語に対応しているガイドマップ

お客さまと社会にひろがるハピネス

さまざまな形態のファミリーや外国人など、多様化するニーズの変化に目を凝らし、常に進化を続ける 姿勢を保ち続けます

子どもや高齢者、障がい者まで広く社会的な視点を取り入れた事業活動を通し、お客さまと社会に さらなるハピネスを提供し続けることを目指します

取り組みの詳細はウェブサイトへ http://www.olc.co.jp/ja/csr/5daiji/social.html

すべてのゲストのハピネスを創造する

 テーマパークでは、さまざまな形態のファミリーはもちろ

ん、海外ゲストやニューエイジング層(子どもが手を離れた

中高年層)など、多様なゲストをお迎えします。また障がい

のある方、怪我などによって一時的に体の機能が低下している

方もいます。私たちはすべてのゲストが快適に過ごせる環境

づくりを目指し、施設や支援ツールの整備、キャストによる

サポートを行っています。

 近年の訪日外国人の増加を受け、当社では「海外からのゲ

ストがテーマパークで快適に過ごせる体制の強化」を2020

中期経営計画のコア事業戦略に掲げています。全社横断的に

取り組みを推進するにあたり、CS推進部CS推進グループ、

マーケティング部海外グループを事務局とする「海外ゲスト受

入体制推進分科会」を設置し、毎月取り組みの協議、進捗の

共有を行っています。

 直近では、外国語ガイドマップ

の改良、外国語ウェブサイトのリ

ニューアル、キャストが携帯する

スマートフォンへの翻訳アプリの

導入などを行いました。外国語

サイトについては、日本語サイ

トと同等レベルに情報を拡充した

東京ディズニーリゾート関連

視覚に障がいのあるゲストにアトラクションやキャラクターの形状を伝えるスケールモデル

言語や文化の異なる環境でも快適に過ごせる体制の強化

CS推進部CS推進グループ(当時)

椎葉美貴子マーケティング本部マーケティング部海外グループ(当時)

石合弘幸

2017年8月に導入した翻訳アプリ

ことにより、キャストが日本語サイトと同じ要領でゲスト対応

に活用できるようになり、言語の違いによる不安の軽減にも

寄与することができたと考えています。

 2020年には東京でオリンピック・パラリンピックが開催

され、言語のみならず、文化や習慣の多様化も進むことが想定

されます。これからも、ゲストのニーズを捉え快適に過ごせる

体制強化に向け、取り組みを推進していきます。

両立支援 取り組みの一例

取り組み 概要

育児休職前セミナー(定期開催)

育児休職に入る社員を対象に、事前準備や休職中の過ごし方を伝える

復職支援セミナー(定期開催)

育児休職中の社員を対象に、復職後の会社支援内容について理解を深めるとともに復職後のキャリア形成について考える機会を提供

役員・管理職層を対象とした研修(不定期開催)

組織の多様なメンバーをマネジメントするうえで大切なことを考える機会を提供。過去のテーマはダイバーシティ、介護など

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未来をひらく子どもたちの笑顔

お客さまと社会にハピネスを提供するという企業特性を活かし、さまざまな社会貢献活動に取り組みます

特に子どもたちを育み、支えることを中心とした取り組みを通じ、次世代の育成やコミュニティの 発展に貢献することを目指します

子どもたちに笑顔を届ける活動を通して、大規模災害で被災された皆さまに、継続的な支援を実施します

取り組みの詳細はウェブサイトへ http://www.olc.co.jp/ja/csr/5daiji/contribute.html

子どもたちを育み、支える活動

世界の子どもを支援する「OLCグループこどもスマイル基金」

「ディズニー・ドリーマーズ・エクスペリエンス」の一場面

夢がとても大切なものだと気づいたようです。これから自分の夢をじっくり見つけたいと話してくれました(保護者)

東京ディズニーリゾート関連

 OLCグループは「夢、感動、喜び、やすらぎ」の提供を使命

とする企業として、「心」に着目し、未来をひらく「子どもたち」

を育み、支える活動を中心に、継続的な社会貢献活動に取り組

んでいます。「子どもたちを育む活動」では、子どもたちの知

的好奇心や思いやりの心を育む「心の育成」に、「子どもたち

を支える活動」では、さまざまな要因で困難な状況にある子ど

もたちの支援に取り組みます。

私たちの事業特性を活かして子どもたちに夢を伝えるプログラム

社会活動推進部

小林尚子

 東京ディズニーリゾートには、多様な職種があり、さまざ

まな夢やスキルを持った人財がいます。このような事業の

特性、企業の強みを活かして、私たちは2012年度から次世

代育成プログラムを実施しています。

 2015年にスタートした「ディズニー・ドリーマーズ・エク

スペリエンス」は、東京ディズニーリゾートのキャストとの交

流やテーマパークでの体験を通じて、子どもたちに夢につ

いて考える機会を提供しています。2017年度には合計123

名の子どもたちが参加し、エンターテイメントの出演者やレ

ストランのシェフと一緒に、自分にとっての夢はどのような

ものか、夢の実現のために大切なことは何かを考えました。

子どもたちの目の輝きや、保護者の方から寄せられたお子

さまの行動の変化が綴られたアンケートを見て、たいへん

嬉しく思うとともに、これからも子どもたちの夢の場所であ

り続け、社会からの期待に応じていきたいという想いをあ

らためて強くしました。

夢をかなえることは簡単ではないけれど、素敵なことだと教えてもらいました

参加者の声

努力すれば夢がかなうということがわかりました

夢に向かって何をすべきか考えるようになり、学習意欲に変化が見られました(保護者)

OLCグループ CSR REPORT 2018 ダイジェスト OLCグループ CSR REPORT 2018 ダイジェスト11

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かけがえのない地球環境への思いやり

ハピネスを次世代にも提供し続けるため、環境活動に真摯な姿勢で取り組みます

気候変動に対しては、温室効果ガスの排出を抑制する活動や、気温上昇などの影響がお客さまに及ぶ ことを最小限にするための「適応」への取り組みを推進します

取り組みの詳細はウェブサイトへ http://www.olc.co.jp/ja/csr/5daiji/environment.html

グループ全体で取り組む地球温暖化対策

セントラル・エネルギー・プラントの中央監視システム

ハウスや株元を加温するための熱交換器

通年で、高品質なイチゴを栽培

社屋の屋上に設置した太陽光パネル

 OLCグループは、かけがえのない地球環境を次世代につな

ぎ、ハピネスを将来世代にも持続的に提供し続けるため、さま

ざまな環境課題に真摯な姿勢で取り組んでいます。

 特に気候変動は、重要な社会課題です。私たちはグループ

全体で、エネルギー使用の効率化、電球のLED化、太陽光パネ

ルの設置など再生可能エネルギーの活用、サトウキビ由来の

材料を一部に使用したバイオマス包材の導入など、さまざま

な地球温暖化対策を進めています。

体験価値向上につながる再生可能エネルギーを活用したイチゴ栽培

フード本部フード企画室アグリ運営グループ 

櫻井祐摩

 食に関わる体験価値向上を目指し、高品質なイチゴの

自社栽培を検討するにあたり、季節を限定した一時的な生

産ではなく、通年での栽培が可能であることが必須要件で

した。そこで、夏冷涼で寒暖差があるというイチゴ栽培に

適した気候で、かつ冬季の低気温や積雪などの条件がクリ

アできる北海道の弟子屈町に着目しました。弟子屈には豊

富な温泉の湯脈があり、再生可能エネルギーである地熱・

温泉熱を活用することで化石燃料の使用を削減でき、CO2

削減やコストを含めたエネルギーの効率化につながります。

 地熱・温泉熱エネルギーを、冬季のハウス全体の加温、

イチゴの株元への加温、ハウス周辺の融雪に活用するこの

取り組みは、省エネルギー性能と新エネルギーの先進性を、

自治体など各所から評価していただいています。 「北国の省エネ・新エネ大賞」優秀賞(主催:経済産業省 北海道経済産業局)

「北海道省エネルギー・新エネルギー促進大賞」奨励賞(主催:北海道)

「新エネ大賞」新エネルギー財団会長賞(主催:一般財団法人新エネルギー財団)

「平成29年度北海道グリーン・ビズ事業所」認定

受賞歴など

OLCグループ CSR REPORT 2018 ダイジェスト 12

Page 14: OLCグループ CSR REPORT 2018...「2020中期経営計画」においては、働きやすい環境を整備 し、成長を実感できる施策を実施することで、ホスピタリティと

編集方針

Disney scenes © Disney Enterprises, Inc.*所属・担当は2018年9月現在のものです。年月日の記載のないデータは、2017年度のものです。*本レポートは、OLCグループのCSRをまとめたものです。TheWaltDisneyCompanyのCSRについては、下記をご参照ください。http://thewaltdisneycompany.com/citizenship

*OLCグループは、ディズニー・エンタプライゼズ・インクとライセンス契約を結び、東京ディズニーランド、東京ディズニーシー、ディズニーホテル、ディズニーリゾートラインを経営・運営しています。

*「東京ディズニーリゾート関連」と記載し罫線で囲んだパートは、株式会社オリエンタルランドがディズニー・エンタプライゼズ・インクのライセンスを受けて東京ディズニーリゾートを経営・運営する会社として実行・管理する取り組みを含みます。

会社概要(2018年3月31日現在)

社名 株式会社オリエンタルランド

本社所在地 〒279-8511千葉県浦安市舞浜1番地1

設立年月日 1960年7月11日

資本金 632億112万7千円

従業員数 正社員3,194名 準社員19,716名

お問い合わせ窓口

株式会社オリエンタルランド 社会活動推進部Tel:047-305-3053

報告範囲主に、OLCグループ全体の取り組みについて報告しています。株式会社オリエンタルランド単体やグループ会社の取り組みなどを報告している箇所では、その旨を記述しています。

報告対象の組織・施設の範囲 表記方法

OLCグループ全体の取り組みOLCグループまたは当社グループ

株式会社オリエンタルランド単体の取り組み 株式会社オリエンタルランド

東京ディズニーリゾート®の取り組み東京ディズニーランド®

東京ディズニーシー®

ディズニーアンバサダー®ホテル東京ディズニーシー・ホテルミラコスタ®

東京ディズニーセレブレーションホテル東京ディズニーランド®ホテルイクスピアリ®ボン・ヴォヤージュディズニーリゾートライン舞浜アンフィシアター

東京ディズニーリゾート

東京ディズニーランド®と東京ディズニーシー®の取り組み

テーマパーク

東京ディズニーランド®、東京ディズニーシー®個別の取り組み

東京ディズニーランドまたは東京ディズニーシー

報告期間主に、2017年度(2017年4月1日~2018年3月31日)の取り組みを報告していますが、継続的な取り組みや特徴的な取り組みなどについては、この期間前後の活動についても記述していることがあります。

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アニュアルレポート2018

PDFファイルの形式で、OLCグループの2017年度のCSRのエッセンスを報告しています。

ESGの枠組みで、CSR情報を掲載しています。

OLCグループのCSRを、方針・規定、体制、活動・パフォーマンスの枠組みで、網羅的に報告しています。

http://www.olc.co.jp/ja/csr.html

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