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– 1 – Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータ および情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定の アドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の 図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 更新日:2020/3/9 石油天然ガス開発推進本部:野神 隆之 原油市場他:OPEC 及び一部非 OPECOPEC プラス)産油国での減産措置強化に関する交渉が決裂、 既存の減産措置も 2020 3 月末に終了へ、これを受け原油価格は下落(速報) OPEC 他) 1. OPEC 産油国は、2020 3 5 日にオーストリアのウィーンで臨時総会を開催し、3 31 日までの 減産措置を 2020 年末まで延長することに加え、さらに 2020 6 月末まで日量 150 万バレル減産を 強化することを、3 6 日に開催される予定ある OPEC プラス産油国閣僚級会合に進言することで合 意した。 2. また、その後同日、OPEC 産油国による非公式協議が実施され、日量 150 万バレルの減産措置の強 化期限を 2020 6 月末ではなく 2020 年末として OPEC プラス閣僚級会合に進言することで改めて 合意した。 3. ところが、3 6 日に開催された OPEC プラス産油国閣僚級会合では、減産措置強化を主張する OPEC 産油国と既存の減産措置の 6 月末迄の延長のみの実施を主張するロシアとの間での議論の 隔たりが解消しなかった結果、交渉が事実上決裂し、OPEC プラス産油国が 2020 1 1 日より実 施していた減産措置も 3 月末で終了、4 1 日以降 OPEC プラス産油国は事実上自由に原油生産 を行うことが可能となった。 4. 背景には、新型コロナウイルス肺炎の拡大による世界経済成長と石油需要の伸びの鈍化懸念等によ り下落した原油価格の浮揚を図りたいサウジアラビアと、長期的なエネルギー市場の安定を好ましい とするロシアとの間での減産措置強化を巡る見解の相違があったと見られる。 5. 3 6 日に開催された OPEC プラス産油国閣僚級会合での減産措置強化に関する交渉が事実上決 裂し、既存の減産措置も 3 月末で終了することとなったことにより、この先の新型コロナウイルス肺炎 拡大による世界経済成長及び石油需要の伸びの鈍化観測と併せ、世界石油需給緩和懸念が市場 で強まったことから、この日の原油価格(WTI )は前日終値比で 1 バレル当たり 4.62 ドル下落し、終値 41.28 ドルと、2016 8 3 日以来の低水準に到達した。 6. また、サウジアラビアは 4 月積みの同国産原油の全ての品種につき大幅な値下げを行う旨 3 7 に発表した他、同国は 4 月に日量 1,000 万バレルを相当程度超過する原油生産を行う意向である旨 3 8 日に報じられるなど、OPEC プラス産油国間で原油増産及び値下げ合戦の兆候が見られること から、石油市場関係者の心理が一層冷え込んだことで、3 8 日夜間(米国東部時間)の時間外取引 では原油価格(WTI )が一時 1 バレル当たり 30.00 ドルと前週末終値比で 11.28 ドルの大幅下落を示 す場面も見られている。

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  • – 1 – Global Disclaimer(免責事項)

    本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータ

    および情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定の

    アドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の

    図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。

    更新日:2020/3/9

    石油天然ガス開発推進本部:野神 隆之

    原油市場他:OPEC 及び一部非 OPEC(OPEC プラス)産油国での減産措置強化に関する交渉が決裂、

    既存の減産措置も 2020年 3月末に終了へ、これを受け原油価格は下落(速報)

    (OPEC他)

    1. OPEC 産油国は、2020 年 3 月 5 日にオーストリアのウィーンで臨時総会を開催し、3 月 31 日までの減産措置を 2020 年末まで延長することに加え、さらに 2020 年 6 月末まで日量 150 万バレル減産を

    強化することを、3月6日に開催される予定あるOPECプラス産油国閣僚級会合に進言することで合

    意した。

    2. また、その後同日、OPEC産油国による非公式協議が実施され、日量 150万バレルの減産措置の強化期限を 2020年 6月末ではなく 2020年末としてOPECプラス閣僚級会合に進言することで改めて

    合意した。

    3. ところが、3 月 6 日に開催された OPEC プラス産油国閣僚級会合では、減産措置強化を主張するOPEC 産油国と既存の減産措置の 6 月末迄の延長のみの実施を主張するロシアとの間での議論の

    隔たりが解消しなかった結果、交渉が事実上決裂し、OPEC プラス産油国が 2020 年 1 月 1 日より実

    施していた減産措置も 3 月末で終了、4 月 1 日以降OPEC プラス産油国は事実上自由に原油生産

    を行うことが可能となった。

    4. 背景には、新型コロナウイルス肺炎の拡大による世界経済成長と石油需要の伸びの鈍化懸念等により下落した原油価格の浮揚を図りたいサウジアラビアと、長期的なエネルギー市場の安定を好ましい

    とするロシアとの間での減産措置強化を巡る見解の相違があったと見られる。

    5. 3月6日に開催されたOPECプラス産油国閣僚級会合での減産措置強化に関する交渉が事実上決裂し、既存の減産措置も 3 月末で終了することとなったことにより、この先の新型コロナウイルス肺炎

    拡大による世界経済成長及び石油需要の伸びの鈍化観測と併せ、世界石油需給緩和懸念が市場

    で強まったことから、この日の原油価格(WTI)は前日終値比で 1バレル当たり 4.62ドル下落し、終値

    は 41.28ドルと、2016年 8月 3日以来の低水準に到達した。

    6. また、サウジアラビアは 4月積みの同国産原油の全ての品種につき大幅な値下げを行う旨3月7日に発表した他、同国は 4月に日量1,000万バレルを相当程度超過する原油生産を行う意向である旨

    3月8日に報じられるなど、OPECプラス産油国間で原油増産及び値下げ合戦の兆候が見られること

    から、石油市場関係者の心理が一層冷え込んだことで、3月8日夜間(米国東部時間)の時間外取引

    では原油価格(WTI)が一時 1バレル当たり 30.00ドルと前週末終値比で 11.28ドルの大幅下落を示

    す場面も見られている。

  • – 2 – Global Disclaimer(免責事項)

    本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータ

    および情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定の

    アドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の

    図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。

    1. 協議内容等

    (1) OPEC産油国は、2020年 3月5 日にオーストリアのウィーンで臨時総会を開催し、新型コロナウ

    イルス感染拡大により2020年の世界石油需要の伸びが2019年12月時点の見通しである日量110

    万バレルから今般日量 48 万バレルへと下振れしたことを考慮し、前回 OPEC 総会、そして OPEC

    及び一部非OPEC(OPECプラス)産油国閣僚級会合で合意した、3月31日までの減産措置(基準

    原油生産水準(概ね 2018年10月の原油生産量)から日量約170万バレル程度減産)を 2020年末

    まで延長することに加え、2020年 6月末まで日量 150万バレル減産を強化することを、3月 6日に

    開催される予定あるOPECプラス産油国閣僚級会合に進言することで合意した(参考1参照)。

    (2) 新たに強化する日量150万バレルの減産については、OPEC産油国で日量100万バレル、一部非

    OPEC産油国で同50万バレル、それぞれ負担するとした。

    (3) 総会では、新型コロナウイルス感染の拡大の石油市場への影響につきさらに継続的に監視する旨

    表明した。

    (4) また、その後同日、OPEC産油国による非公式協議が実施され、石油市場での展開(OPEC総会後

    も原油価格が下落し続けたことを指しているものと見られる)を考慮し、OPEC産油国は、3月6日開

    催予定の OPEC プラス産油国閣僚級会合に対する進言につき、日量 150 万バレルの減産措置の

    強化期限を総会で決定した 2020 年 6 月末ではなく 2020 年末とすることで改めて合意した(参考 2

    参照)。

    (5) ところが、3 月 6 日に開催された OPEC プラス産油国閣僚級会合では、減産措置強化を主張する

    OPEC産油国と既存の減産措置の6月末迄の延長のみの実施を主張するロシアとの間での議論の

    隔たりが解消しなかった結果、交渉が事実上決裂し、OPEC プラス産油国が 2020 年 1 月 1 日より

    実施していた減産措置も 3月末で終了、4月1日以降OPECプラス産油国は事実上自由に原油生

    産を行うことが可能となった(表1参照)。

    (6) 交渉が事実上決裂したことを受け、今回の OPEC プラス産油国閣僚級会合に関する声明は発表さ

    れない旨3月 6日に報じられた。

    (7) なお、OPECプラス産油国共同技術委員会(JTC: Joint Technical Committee)は 3月18日に開催

    される予定である他、OPEC プラス産油国共同閣僚監視委員会(JMMC: The OPEC-Non-OPEC

    Joint Ministerial Monitoring Committee、委員はサウジアラビア、クウェート、UAE、イラク、アルジェ

    リア、ナイジェリア、ベネズエラ、ロシア、カザフスタン、及びオマーン)の枠組みは存続する旨 3 月

  • – 3 – Global Disclaimer(免責事項)

    本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータ

    および情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定の

    アドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の

    図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。

    6日に伝えられる。

    (8) 3月6日に、ロシアのノバク エネルギー相は、次回のOPEC産油国閣僚級会合の日程を決定する

    前に新型コロナウイルス肺炎の状況や他の産油国の原油生産状況等を監視する必要があるとして、

    当該会合の次回開催については定まっていないことを示唆した。

    (9) ただ、OPEC プラス産油国は石油市場安定化に向け適宜非公式に協議を行う方向である旨 3 月 6

    日に報じられる他、ロシアが同意するのであれば、当初開催が予定されていた次回 OPEC 総会(6

    月 9 日)及び OPEC プラス産油国会合(6 月 10 日)前に OPEC プラス産油国間で会合を開催する

    こともありうる旨3月6日にUAE のマズルーイ エネルギー相は発言している。

    (単位:日量千バレル)

    基準生産量(≒2018年10月

    原油生産量)2020年1月1日以降の減産目標

    2020年1月1日以降の原油生産

    目標

    2020年1月1日以降の原油生産目標

    (非OPEC産油国コンデンセート

    を除外した場合)

    2020年1月原油生産量

    (非OPEC産油国はコンデンセート

    を除外)

    減産量(非OPEC産油国はコンデンセートを除外して計算)

    減産率(%)(非OPEC産油国はコンデンセート

    を除外)

    2020年4月1日以降の原油生産

    目標2020年4月1日以降の減産目標

    アルジェリア 1,057 44 1,013 1,013 1,012 45 102 - -アンゴラ 1,528 47 1,481 1,481 1,374 154 328 - -コンゴ 325 14 311 311 293 32 229 - -赤道ギニア 127 5 122 122 124 3 60 - -ガボン 187 8 179 179 196 -9 -113 - -イラク 4,653 191 4,462 4,462 4,501 152 80 - -クウェート 2,809 140 2,669 2,669 2,665 144 103 - -ナイジェリア 1,738 74 1,664 1,664 1,776 -38 -51 - -サウジアラビア 10,633 489 10,144 10,144 9,733 900 184 - -UAE 3,168 156 3,012 3,012 3,034 134 86 - -減産参加OPEC産油国 26,225 1,168 25,057 25,057 24,708 1,517 130 - -エクアドル 531 537 -6イラン 3,330 2,086 1,244リビア 1,118 796 322ベネズエラ 1,206 733 473OPEC産油国 32,410 28,859 3,550

    アゼルバイジャン 796 27 769 703 678 52 193 - -バーレーン 227 7 220 220 202 25 357 - -ブルネイ 107 4 103 103 117 -10 -250 - -カザフスタン 1,900 57 1,843 1,578 1,694 -59 -104 - -マレーシア 630 20 610 550 561 9 45 - -メキシコ 2,017 58 1,959 1,938 1,712 284 490 - -オマーン 995 34 961 848 816 66 194 - -ロシア 11,421 300 11,121 10,328 10,389 239 80 - -スーダン 74 3 71 71 71 3 100 - -南スーダン 132 4 128 128 135 -3 -75 - -減産参加非OPEC産油国 18,299 514 17,785 16,467 16,375 606 118 - -減産参加OPEC+非OPEC産油国 44,524 1,682 42,842 41,524 41,083 2,123 126 - -※減産量の列のマイナスは増産を示す※イラン、リビア及びベネズエラの基準生産量は2018年10月の同国原油生産量※2020年3月OPECプラス閣僚級会合開催時点で利用可能なデータをもとに構成

    出所:OPEC他データをもとに推定

    表1 OPEC及び一部非OPEC産油国減産幅

  • – 4 – Global Disclaimer(免責事項)

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    2. 今回の会合の結果に至る経緯及び背景等

    (1) 前回OPEC 総会及び OPEC プラス閣僚級会合開催時(OPEC 総会が 2019 年 12 月 5 日、OPEC

    プラス閣僚級会合が 12月6日)時点では、2020年の世界石油需給が日量100万バレル程度供給

    過剰になると予想されたこともあり、OPEC は既存の減産措置に日量 50 万バレル程度を追加したう

    え、減産遵守徹底(これにより事実上日量 50 万バレル程度の供給を市場から排除できると見られ

    た)を要請することで、石油需給を均衡させるとともに原油価格の下支えを図ろうとした。

    (2) もっとも、2020 年の世界石油需給に関し、米国と中国の貿易紛争を巡る交渉の進捗状況、及び米

    国のシェールオイルを含む原油生産量の見通し、といった要素等に強い不透明感があったことか

    ら、この時の OPEC 総会及び OPEC プラス産油国閣僚級会合では、2020 年 3 月に改めて OPEC

    総会及び OPEC プラス閣僚級会合を開催し、必要であれば減産措置につき再調整するという余地

    を残す格好となった。

    (3) 2019年12月のOPECプラス産油国会合における減産措置拡大の決定により、世界石油需給の引

    き締まり期待が市場で醸成されたことに加え、米国と中国の貿易紛争を巡る第一段階の合意に関

    する文書署名実施への期待が市場で高まるとともに 2020年1月15日には実際に当該文書署名が

    行われたこと、そして 1 月 3 日に米国軍がイラン革命防衛隊ソレイマニ司令官を殺害したうえ、1 月

    8日にはイランがイラクに駐留する米軍基地を攻撃するなど、一時米国とイランとの対立が先鋭化し

    たことにより中東情勢の緊迫化と当該地域からの石油供給への不安が高まったこともあり、OPECプ

    ラス会合以降 1 月中旬にかけ原油価格は WTI の終値ベースで 1 バレル当たり 57.81 ドル~63.27

    ドル、ブレントのそれで同63.72~68.91ドルの範囲で推移していた(図1参照)。

  • – 5 – Global Disclaimer(免責事項)

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    および情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定の

    アドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の

    図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。

    (4) しかしながら、1 月下旬以降中国で新型コロナウイルス肺炎の拡大により同国等の経済成長と石油

    需要の伸びの鈍化懸念が市場で発生したことから、原油価格は下落し始め、2 月 4 日以降WTI で

    1バレル当たり50ドル、ブレントでは1月27日以降1バレル当たり60ドルを割り込むようになった。

    (5) このようなことから、2019年12月11日に実施したサウジアラビア国営石油会社サウジアラムコの株

    式公開後、原油価格の下落もあり同社の株式価格が下落傾向を示した(同社の株式売却価格は 1

    株当たり 30~32 サウジアラビア・リヤル(870~930 円程度)であり、上場初日の終値は 1 株当たり

    35.20リヤル、12月16日には38リヤルに到達したものの、その後原油価格の下落等の影響もあり、

    2020 年 3 月 5 日には 33.00 リヤルにまで下落してきている、図 2 参照)ことに対し、同社株式の相

    当部分を購入している同国投資家間での利回り低下に神経質になっていたサウジアラビアは、早

    急に原油価格の浮揚を図るべく減産措置の拡大を推進すべく調整を図り始めた。

    (6) 中国での新型コロナウイルス肺炎がどの程度拡大し、またいつ拡大ペースが鈍化するかが不透明

    である中、当該肺炎により世界石油需要がどれくらい下振れするかについては、市場でも評価が

    定まらなかったが、それでも 2020 年は日量 50 万バレル程度下振れするのではないかとの見方が

    市場で出始めた(2月3日には米国大手金融機関ゴールドマン・サックスが、新型コロナウイルス感

    染拡大により 2020年の世界石油需要が日量 50万バレル失われることを原油市場は折り込みつつ

    ある旨示唆している)。

    (7) そのような中で、OPECプラス産油国が当初の会合開催日程を2月14~15日に前倒しして日量50

    万バレル程度追加減産を実施する旨検討していると 2月3日に伝えられた。

    (8) そして、2月4~5日に開催された JTCは、2月6日へと協議を 1日延長したうえ、関係産油国全て

    が同意するのであれば日量 60 万バレルの減産措置強化を即時実施し 6 月末まで継続する旨

    OPECプラス産油国会合等に進言することで合意した。

  • – 6 – Global Disclaimer(免責事項)

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    アドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の

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    (9) しかしながら、この場においてロシアは当該減産措置強化を受け入れるかどうか判断するために時

    間的猶予が必要である旨表明、態度を保留した(当初サウジアラビア側は日量 80~100 万バレル

    の規模の減産措置強化を希望したが、ロシアが拒否したため、日量60万バレルへと減産措置強化

    の規模を縮小し妥協を図ろうとしたものの、新型コロナウイルス肺炎の世界石油需要への影響を判

    断するには時期尚早であるとしてロシア側の姿勢は軟化しなかった旨2月6日に伝えられる)。

    (10) そして、2月7日にはロシアのノバク エネルギー相は、中国の新型コロナウイルス肺炎の世界石油

    需要への影響は日量 15~20 万バレルと有意な規模ではなく、従って減産措置を強化するには及

    ばない旨明らかにするなどしており、OPEC プラス産油国間での意思統一が得られない状況となっ

    た。

    (11) このため、2月14~15日へのOPEC総会及びOPECプラス産油国閣僚監視委員会の前倒しは行

    われず、当初予定通り 3月5~6日の会合開催となった。

    (12) しかしながら、2月下旬以降は中国のみならず中国以外の国でも新型コロナウイルス肺炎の拡大が

    目立つようになり世界各国・地域の経済成長と石油需要の伸びの鈍化懸念が市場で増大したこと

    から、原油価格はさらに下落し続け、2 月 28 日には WTI で 1 バレル当たり 44.76 ドル、ブレントで

    同 50.52 ドルの、それぞれ終値と、WTI で 2018 年 12 月 27 日(この時は同 44.61 ドル)以来、ブレ

    ントで 2018年12月24日(この時は同50.47ドル)以来の低水準に到達した。

    (13) このように原油価格が下落し続けたこともあり、2月28日にはサウジアラビア等が 2020年第二四半

    期において日量100万バレル減産措置を強化することを検討している旨明らかになった。

    (14) 他方、減産措置強化に消極的であったロシアは、2020 年の自国の予算措置の前提となっている平

    均原油価格想定がブレントで 1 バレル当たり 42.40 ドル(WTI で同 37 ドル程度)であるため、足元

    の原油価格水準は許容範囲である(また、3 月 5 日には同国のシルアノフ財務相も、OPEC プラス

    産油国閣僚級会合で減産につき合意できなくてもロシアは原油価格下落に対しての準備はできて

    いる旨示唆している)ものの、国外の相手先との間での協力を含め何らかの方策を講じることを排

    除するわけではない旨プーチン大統領が 3月1日に明らかにした。

    (15) また、同時にプーチン大統領は、原油価格の動きの予測が困難であることや、ロシアは複数のシ

    ナリオを検討する必要がある旨強調するとともに、OPEC 産油国との協力を通じ長期的な世界エネ

    ルギー市場の安定性を確保することが重要であることを示唆した(背景には、原油価格を短期的に

    かつ急激に上昇させてしまえば、米国のシェールオイル開発・生産活動が急速に活発化するととも

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    本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータ

    および情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定の

    アドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の

    図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。

    に同国の原油生産が大幅に増加するため、原油価格が乱高下し石油市場が不安定化することに

    加え、原油価格の急激な上昇で産油国であるロシアの通貨ルーブルが急上昇することにより輸出

    収入に依存する同国製造業等が打撃を受けることに対する懸念があるとされる)。

    (16) このようなことにより、財政収支均衡価格がロシアより高水準(サウジアラビアの財政収支均衡価格

    は WTI で 1 バレル当たり 80 ドル程度、ブレントで同 85 ドル程度であると推定される)であり、かつ

    サウジアラムコの株式価格の浮揚という喫緊の課題を抱えるサウジアラビアと、国家予算措置の前

    提原油価格がサウジアラビアよりも大幅に低水準であり、かつ長期的な石油市場の安定を望ましい

    と考えるロシアとの間では、減産措置に対する姿勢に相違が見られる状況であった。

    (17) その後、ロシアは日量60万バレルの減産措置強化につき検討しているものの、日量100万バレル

    の減産措置強化については提案を受領していない旨ノバク エネルギー相が明らかにしたと 3月2

    日に伝えられる。

    (18) また、3月3日に開催された JTCでは、日量60~100万バレルの減産措置の強化をOPEC総会及

    びOPECプラス産油国閣僚級会合に対し進言したと報じられた。

    (19) しかしながら、新型コロナウイルス感染拡大により、2020年前半の世界石油需要は日量210万バレ

    ル下振れするという新たな見解を 3月3日にゴールドマン・サックスが披露した。

    (20) このようなこともあり、3月4日に開催された JMMCで、サウジアラビアが日量120~150万バレル程

    度の減産措置強化案を主張したとされたのに対し、ロシアは既存の減産措置を2020年第二四半期

    末まで延長する案を主張、委員会に出席していたノバク エネルギー相が途中退席する(そして、ノ

    バク氏はプーチン大統領に相談するためにロシアに帰国、3月 6日のOPECプラス産油国閣僚級

    会合の際にウィーンに戻る旨明らかにしたと 3 月 5 日に報じられる)など、両国の歩み寄りはなされ

    てないことが判明した。

    (21) そして、3 月 5 日になってもサウジアラビアとロシアとの間での調整が完了しなかったことから、

    OPEC産油国としては減産措置強化策を確定しきれなかったものと見られ、同日開催されたOPEC

    総会ではOPECプラス産油国閣僚級会合に向け既存の減産措置の期限延長と日量 150万バレル

    の減産措置強化を進言することで合意したものと見られる。

    (22) ただ、OPEC総会で打ち出された 2020年6月末までの日量150万バレルの減産措置の強化方針

    に対し、例えばゴールドマン・サックスが 2020 年第二四半期の世界石油供給過剰を防止しきれな

    いかもしれない旨同日明らかにしたこともあり、総会開催後も原油価格は下落が続いた。

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    本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータ

    および情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定の

    アドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の

    図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。

    (23) このようなこともあり、OPEC 総会後に、改めて非公式協議を OPEC 産油国は開催するとともに、日

    量 150 万バレルの減産措置の強化期限を 6 月 30 日から 2020 年末まで延長する方針に改定する

    旨決定した。

    (24) しかしながら、3 月 6 日にウィーンに戻ってきたロシアのノバク エネルギー相は OPEC プラス産油

    国閣僚級会合においても、従来の主張を繰り返したと見られ、日量 150 万バレルの減産措置強化

    を主張するサウジアラビアをはじめとする OPEC 産油国との間で妥協点が見出せず、交渉は事実

    上決裂した。

    (25) ノバク エネルギー相は、新型コロナウイルス肺炎と世界石油需給がどのように展開するかにつき

    把握する必要がある旨の認識を示した(原油価格の下落には多分に投機的要素がある旨発言した

    と 3月 6日に伝えられる)と 3 月 6日に伝えられており、この時点でもロシアとしては減産措置強化

    を判断するにはなお時期尚早であると認識していたことが示唆される。

    3. 原油価格の動き等

    (1) 3月5日に開催されたOPEC総会では、2020年6月末までの日量150万バレルの減産措置強化

    を OPEC プラス産油国閣僚級会合に進言する等の内容で合意したが、この時点でロシアによる当

    該措置強化への合意が得られていなかったことに加え、当該減産措置強化を以てしても 2020 年

    第二四半期の世界石油供給過剰感を払拭するには力不足であるかもしれない旨市場関係者から

    見解が示されたこと、さらに新型コロナウイルス感染拡大に対する懸念から米国株式相場が下落し

    たこともあり、この日の原油価格(WTI)の終値は 1 バレル当たり 45.90 ドルと前日終値比で 0.88 ド

    ルの下落となった。

    (2) ただ、その後OPEC産油国間で日量 150万バレルの減産措置の強化期限を 6月末から年末まで

    延長する旨変更したことから、世界石油供給過剰感が市場で後退したこともあり、3 月 5日夜間(米

    国東部時間)の時間外取引では、原油価格が上昇する場面も見られた。

    (3) しかしながら、ロシアの減産措置強化に対する姿勢が不透明であったことに加え、3 月 5 日の米国

    株式相場下落の流れをアジア市場も引き継いで当該地域株式相場が下落したことから、まもなく

    原油価格は下落に転じた。

    (4) さらに、3月6日に開催されたOPECプラス産油国閣僚級会合での減産措置強化に関する交渉が

    事実上決裂し、既存の減産措置も 3 月末で終了することとなったことにより、この先の新型コロナウ

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    イルス肺炎による世界経済成長及び石油需要の伸びの鈍化観測と併せ、世界石油需給緩和懸念

    が市場で強まったことから、この日の原油価格(WTI)は前日終値比で 1 バレル当たり 4.62 ドル下

    落し、終値は 41.28ドルと、2016年 8月 3日(この時は同40.83ドル)以来の低水準となった。

    (5) そして、OPEC プラス産油国閣僚級会合での交渉決裂を受け、サウジアラビアは 4 月積みの同国

    産原油の全ての品種につき大幅な値下げを行う旨 3 月 7 日に発表した(当初サウジアラビアは自

    国の 4 月積み原油価格につき 3 月 5 日に決定する予定であったが、OPEC プラス産油国閣僚級

    会合での結果を考慮するため、発表を 3 月 7 日に遅延させる旨 3 月 5 日に伝えられていた)他、

    同国は4月に日量1,000万バレルを相当程度超過する(日量1,100万バレル近くの水準とも伝えら

    れる)原油生産(因みに 1~2 月の同国原油生産量は日量 970 万バレル程度であったと推定され

    る)を行う(必要とされる場合には日量1,200万バレルにまで増産することもありうる)意向である旨3

    月 8 日に報じられるなど、OPEC プラス産油国間で原油増産及び値下げ合戦の兆候が見られるこ

    とから、石油市場関係者の心理が一層冷え込んだことで、3 月 8 日夜間(米国東部時間)の時間外

    取引では原油価格(WTI)が一時 1バレル当たり 30.00ドルと前週末終値比で 11.28ドルの大幅下

    落を示すとともに、2016年2月22日の取引日(この時の安値は同29.48ドルであった)以来の低水

    準に到達する場面も見られた他、米国時間 3月 8日午後 7時(日本時間3月 9日午前 8時)現在

    も 32ドル台後半近辺で推移している。

    (6) また、この先短期的にも世界石油供給過剰感が市場で意識される結果、原油相場に下方圧力が

    加わる他、サウジアラビア、そして他のOPECプラス産油国の実際の原油生産状況によっては、原

    油相場が低迷したままとなるといった展開も想定される。

    (7) さらに、中国内外での新型コロナウイルス肺炎の拡大ペースが継続したり、加速したりするようだと、

    世界石油需給が一層緩和するとの観測が市場で発生する結果、原油相場が一層下振れする場面

    が見られるといった可能性も否定できない。

    (8) ただ、今後 OPEC プラス産油国による石油市場安定化のための減産措置実施を含めた再調整の

    動きが出てくるようであれば、世界石油需給引き締まりに対する市場関係者の期待が発生すること

    により、原油相場が持ち直すといったことはありうる。

    (9) そして、そのような中で、米国と中国との貿易紛争に関する第二段階の合意に向けた交渉状況と

    両国等の経済成長及び石油需要の伸びの見通しに対する市場の心理、米国とイランとの対立を

    含む中東情勢の安定性を含めた地政学的リスク要因に対する市場の懸念、リビアでの和平交渉の

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    行方と同国の原油生産状況、及び、投資家等資金供給者から生産量確保よりも収益確保を優先す

    るように圧力を加えられているとされる一部米国石油会社を含む石油会社のシェールオイル開発・

    生産方針と実際に生産状況、といったことを含む要素も市場関係者の焦点となり、それらを巡る情

    報等が原油相場に影響を与えていくものと考えられる。

    (10) なお、原油価格の下落を受け、3 月 8 日のサウジアラムコ株式終値価格は 1 株当たり 30 リヤルと

    前取引日(3月5日)終値比で 9.09%の下落となっている。

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    (参考 1:2020年 3月 5日開催OPEC臨時総会時声明)

    OPEC 178th (Extraordinary)

    Meeting of the Conference

    concludes

    No 03/2020

    Vienna, Austria

    05 Mar 2020

    The 178th (Extraordinary) Meeting of the Conference of the Organization of the Petroleum

    Exporting Countries (OPEC) was held in Vienna, Austria, on Thursday, 5 March 2020, under the

    Chairmanship of its President, HE Mohamed Arkab, Minister of Energy of Algeria and Head of its

    Delegation.

    The Conference took note of the announcement from Ecuador that it has withdrawn from its Membership of

    OPEC, with effect from 1 January 2020.

    The Conference recalled the First OPEC Summit held from the 4-6 March 1975, exactly 45 years ago, in

    Algeria. The Summit saw the establishment of OPEC’s sister organization, the OPEC Fund for International

    Development. The Conference acknowledged Dr Abdulhamid Alkhalifa, Director-General of OFID, and his

    able staff, for their great achievements in contributing to reducing poverty and improving the lives of millions

    of people around the globe.

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    The Conference reviewed the report and recommendations of the Joint Ministerial Monitoring Committee

    (JMMC), whose work continues to be ably supported by the Joint Technical Committee (JTC) and the OPEC

    Secretariat.

    The Conference took note of oil market developments since it last met in Vienna on 6 December 2019 and

    reviewed the oil market outlook for the remainder of 2020.

    It noted the positive ramifications of the decision to further voluntarily adjust production at the 177th Meeting

    of the Conference, and subsequently the 7th OPEC and non-OPEC Ministerial Meeting, with market

    sentiment improving in the weeks thereafter.

    However, the COVID-19 outbreak has had a major adverse impact on global economic and oil demand

    forecasts in 2020, particularly for the first and second quarters. Global oil demand growth in 2020 is now

    forecast to be 0.48 mb/d, down from 1.1 mb/d in December 2019. Moreover, the unprecedented situation,

    and the ever-shifting market dynamics, means risks are skewed to the downside.

    The Conference noted that the further impact of the COVID-19 outbreak on oil market fundamentals

    necessitates further continuous monitoring.

    Accordingly, in view of the current fundamentals and the consensus on market perspectives, the Conference

    decided to recommend to the 8th OPEC and non-OPEC Ministerial Meeting to extend the adjustment levels

    agreed at the 177th Meeting of the Conference and the 7th OPEC and non-OPEC Ministerial Meeting for the

    remainder of the year. It also agreed to recommend to the 8th OPEC and non-OPEC Ministerial Meeting a

    further adjustment of 1.5 mb/d until 30 June 2020 to be applied pro-rata between OPEC (1.0 mb/d) and

    non-OPEC producing countries (0.5 mb/d) participating in the Declaration of Cooperation.

  • – 13 – Global Disclaimer(免責事項)

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    図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。

    The Conference commended all OPEC Member Countries, as well as non-OPEC countries participating in

    the Declaration of Cooperation, for their continued commitment to achieving and sustaining balance and

    stability in the market.

    Member Countries reaffirmed their continued focus on fundamentals for a stable and balanced oil market, in

    the interests of producers, consumers, and the global economy. The Conference emphasized the ongoing

    dialogue with consuming countries, and the consultations undertaken in a collegial spirit before reaching

    decisions. Member Countries are resolute and committed to being dependable and reliable suppliers of crude

    and products to global markets.

    The Conference confirmed that its next Ordinary Meeting will convene in Vienna, Austria, on 9 June 2020,

    and noted that September 2020 will mark the 60 Year Anniversary since the founding of OPEC in Baghdad

    in 1960.

    The Conference expressed its continued gratitude to the Government and to the people of Austria, as well as

    the authorities of the City of Vienna, for their warm hospitality and excellent arrangements for the Meeting.

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    (参考 2:2020年 3月 5日開催OPEC産油国非公式協議時声明)

    OPEC Heads of Delegation hold further consultations

    No 04/2020

    Vienna, Austria

    05 Mar 2020

    In view of market developments and following OPEC’s 178th Extraordinary meeting today, the

    Heads of Delegation of the OPEC Conference held further consultations and decided to recommend

    extending the duration of the proposed 1.5 million barrel per day additional adjustment until the end

    of 2020, instead of 30th of June 2020.

    The consultations, monitoring and constant review undertaken of current market conditions demonstrate the

    strong commitment of OPEC Member Countries to work together to restore oil market stability. Declaration

    of Cooperation members are determined to jointly rise to meet the current pressing challenge.

    1. 協議内容等2. 今回の会合の結果に至る経緯及び背景等3. 原油価格の動き等