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Oracle SOA Suite および企業情報 ポータル - プロセス中心のポータ ルによる従業員の生産性の向上 オラクル・ホワイト・ペーパー 2006 6

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Oracle SOA Suite および企業情報

ポータル - プロセス中心のポータ

ルによる従業員の生産性の向上

オラクル・ホワイト・ペーパー 2006 年 6 月

Oracle SOA Suite および企業情報ポータル - プロセス中心のポータルによる従業員の

生産性の向上

概要

市場の変化、競争の激化、顧客ニーズの高まりによって、さらに柔軟でスピーディ

な IT が求められています。このような課題を踏まえ、大手企業がアプリケーショ

ンや IT 環境の複雑さを克服し、諸要件を満たすための手段として採用しようとし

ているのが、サービス指向アーキテクチャ(SOA)です。SOA は、新規アプリケー

ションの設計と開発、レガシー・ビジネス・アプリケーションとの統合において

根本的な方向性示し、統合と再利用が容易なモジュール型ビジネス・サービスと

しての基幹業務アプリケーションの開発を支援します。

SOA 環境内では、ユーザーとの対話を実現するためにサービスをポータルに結合

させる必要があります。Oracle Fusion Middleware のコンポーネントの 1 つ、Oracle

Portal は、作業環境に業務を集約させ業務を直感的な操作で行う単一のセキュアな

アクセス・ポイントを提供することで、時間とコストを節約します。Oracle Portal

は、作業効率を高めるサービス・ダッシュボード・ソリューションを提供します。

Oracle SOA Suite は、サービス指向アプリケーションを構築し任意のミドルウェ

ア・プラットフォームへデプロイできる最良の標準ベース・スイートです。構成

内容は次のとおりです。(i)サービスを開発するための統合サービス環境(ISE)、

(ii)アプリケーションを統合するためのマルチ・プロトコル Enterprise Service Bus

(ESB)、(iii)サービスのライフ・サイクルを把握し管理するためのサービス・

レジストリ、(iv)サービスをビジネス・プロセスに結合する BPEL ベースのオー

ケストレーション・エンジン、(v)ビジネス・ポリシーの取得と自動化を実現す

るビジネス・ルール・エンジン、(vi)サービスに関する認証と認可ポリシーを

施行し、サービスならびにプロセスの SLA コンプライアンスを監視する Web サー

ビスの管理およびセキュリティ・ソリューション、(vii)ビジネス・エンティティ

とその相互対話をリアルタイムで表示し、サービスを最適化する Business Activity

Monitoring (BAM)ソリューション、(viii)従業員、顧客、パートナがコンテン

ツと関連パフォーマンス基準にアクセスし、ビジネス・プロセスとの対話を介し

て協働できる企業ポータル。

Oracle SOA Suite は、市場のどのソリューションよりも強力に企業の柔軟性を向上

させ、コストを削減し、ミドルウェアの複雑な仕組みを軽減し、最高の TVO(投

資価値)の達成を支援します。

Oracle SOA Suite および企業情報ポータル - プロセス中心のポータルによる従業員の生産性の向上

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Oracle Corporation 発行「Oracle SOA Suite and Enterprise Portals - Enhance Employee Productivity with Process-Centric Portals」の翻訳版です。

はじめに

現在、どの企業でもグローバルなビジネス環境の変化を予測し、競合他社の動向

に即座に対応し、成長に向けて企業資産を最大限に活用する必要に迫られていま

す。基幹業務アプリケーション・インフラストラクチャは、これらのビジネスの

課題を満たすうえで役に立つ場合もあれば、逆に変化を妨げる場合もあります。

インフラストラクチャには、次のような能力が要求されます。

• 変化を予測しそれに対応する能力の向上

• 組織の生産性の強化

• 情報テクノロジ環境の簡素化

• 既存投資の活用

これらの要件を満たし IT 環境の複雑さを克服するために、大手企業はサービス指

向アーキテクチャ(SOA)を採用しています。SOA は、新規アプリケーションの

設計と開発、レガシー・ビジネス・アプリケーションとの統合において根本的な

方向性を示し、統合と再利用が容易なモジュール型ビジネス・サービスとしての

基幹業務アプリケーションの開発を支援します。

Oracle Portal は、基幹業務アプリケーション・インフラストラクチャの「SOA の

顔」として、1)組織の運営上、不可欠な情報とサービスを簡単な操作で配置し、

2)市場動向を予測し、それに対応する組織の能力を向上させるサービス指向ソ

リューションを提供し、3)異種アプリケーションと異種テクノロジが混在する環

境を統合するための標準ベースのフレームワークを提供します。

Oracle SOA Suite は、サービス指向アプリケーションを構築し任意のミドルウェ

ア・プラットフォームへデプロイできる、最良の標準ベース・スイートです。Oracle

SOA Suite は次のコンポーネントで構成されます。

1. サービス開発のための統合サービス環境(ISE)

2. アプリケーションを統合するマルチ・プロトコルの Enterprise Service Bus

(ESB)

3. サービスのライフサイクルを把握し管理するためのサービス・レジスト

4. サービスをビジネス・プロセスに結合する BPEL ベースのオーケストレー

ション・エンジン

5. ビジネス・ポリシーの取得と自動化を実現する Business Rules Engine

6. サービスで認証と認可ポリシーを施行し、サービスとプロセスの SLA コ

ンプライアンス状況を監視する、Web サービスの管理およびセキュリ

ティ・ソリューション

7. ビジネス・エンティティとその相互対話をリアルタイムで表示し、サー

ビスを最適化する Business Activity Monitoring(BAM)ソリューション

8. 従業員、顧客、パートナがコンテンツと関連パフォーマンス基準にアク

セスし、ビジネス・プロセスとの対話を介して協働できる企業ポータル

Oracle SOA Suite および企業情報ポータル - プロセス中心のポータルによる従業員の生産性の向上

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Oracle Corporation 発行「Oracle SOA Suite and Enterprise Portals - Enhance Employee Productivity with Process-Centric Portals」の翻訳版です。

今日の企業情報ポータルは、概して情報源への単一アクセス・ポイントとして機

能しています(情報中心のポータル)。このホワイト・ペーパーでは、SOA 対応

ビジネス・プロセスへのアクセス・ポイントを一元化しビジネスの洞察力を提供

することにより、Oracle Portal がこうした情報中心のポータルからプロセス中心の

ポータルへ進化した経緯を説明します。プロセス中心のポータルを通じて、複数

のシステムにまたがるプロセスの状態を監視しプロセスと対話することができま

す。

ビジネス・ニーズ

大企業の多くが、内部システムで複数のパッケージ・アプリケーションを利用し

ています。これらのアプリケーションには、給与計算、人事管理(HR)、事務管

理部門の ERP システム、営業部門のカスタマー・リレーションシップ・マネジメ

ント(CRM)システムなどがあります。合併、買収が繰り返される今日、IT 組織

は、重複した機能を持つ異種システムを新たに結合したビジネス・エンティティ

に統合するうえで苦戦しており、この状況は深刻化しています。

「Oracle Portalは、Gartner社のHorizontal Portal Products Magic Quadrant のリー

ダと位置付けられます。Gartner 社では、

リーダとは、現在、好調な実績をあげ、

市場の方向性について明確なビジョンを

持ち、市場におけるリーダーシップを持

続するために積極的に競争力を高めてい

るベンダーのことです。」 − 出典: Gartner, Inc., "Magic Quadrant for Horizontal Portal Products, 2005 年", Gene Phifer, Ray Valdes, David Gootzit, Kim S. Underwood, Laurie F. Wurster, 2005 年 5 月 18 日1

こうした状況では、標準的なビジネス・プロセスが複数のバックエンド・システ

ムにまたがります。特に、異なるビジネス・エンティティを結合した結果、IT ト

ポロジでこの傾向が顕著です。実際に多数のビジネス・プロセスで、複数のバッ

クエンド・システムとの対話だけでなく、組織の境界を越えて顧客、パートナ、

サプライヤ、コンテンツ、サービスが関連しています。ユーザーとビジネス・プ

ロセス間の対話を健全で秩序あるものにするために、インフラストラクチャは次

の要件を満たす必要があります。

• 変化を予測しそれに対応する能力の向上 − ビジネス事象を表現する能

力を高め、新しいビジネス・サービスを迅速に開発、展開できること。

レガシー・システムとレガシー・アプリケーションを刷新できること。

市場の傾向に応じてビジネス・プロセスを最適化できること。

• 既存投資の有効利用 − モジュール性、オープン性、拡張性を備え、既存

のシステムを活かしながら異機種混在環境にも導入できること。

• 情報技術環境の簡素化 − 一元化したインフラストラクチャとして、プロ

ビジョニング、デプロイ、監視、管理できること。

• 組織の生産性の向上 − 正確なビジネス・インテリジェンスにより的確な

意思決定が容易なこと。従業員が必要な情報を検索し、その共有を支援

すること。従業員と顧客に対し必要に応じ情報を提供すること。

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Oracle Corporation 発行「Oracle SOA Suite and Enterprise Portals - Enhance Employee Productivity with Process-Centric Portals」の翻訳版です。

SOA 対応ビジネス・プロセスでの Oracle Portal の訴求価値

現在、プロセス中心のポータルは、ポータル・サイトに掲載するコンテンツやア

プリケーションを増やさずに、情報過多の状態を是正しています。さらに、従来

の価値あるものを誘導型ビジネス・プロセスに取り込み、ユーザーとビジネス・

プロセス間の対話をユーザーの思考プロセスと一致させることで、使い勝手をさ

らに向上させ、ポータルを直感的に使用できるようにしています。プロセス中心

のポータルは、ポータル内部の実態をビジネス・プロセスの枠内に簡単に取り込

んで利用できる環境を提供します。つまり、プロセス中心のポータルにより、業

務計画全体が遂行され、仕事用のツールが提供され、その使用方法が理解できま

す。

変化の予測および対応能力の向上

Oracle Portal は、Oracle SOA Suite の主要なサービスと一体となり業務の可視性を

高め、状況変化に応じて監視および最適化できる一元化された自動プロセスを提

供します。さらに、新しい機能を迅速に実装しデプロイできるサービス指向環境

を提供して、効率を促進し生産性を向上させます。

既存投資の活用

複合アプリケーションは、BPM ソフトウェアと Web サービスを結合して既存の

複数のバックエンド・システムからデータやロジックを取り出す、新しいカスタ

ム・ビジネス・アプリケーションです。たとえば、顧客情報を検索する複合アプ

リケーションでは、Web サービスを使用して、1 つのシステムで売掛管理からア

カウント履歴を取り込み、別のシステムから履行履歴を取り込んで、その結果を

1 つのカスタム Web インタフェースを介して表示する場合があります。

プロセス中心のポータルでは、複合アプリケーションが重要な役割を果たします。

プロセス中心のポータルでホスティングされるビジネス・プロセスはいずれも、

Web インタフェースを持つ複合アプリケーションです。これらの複合アプリケー

ションでは、プロセスのロジックに従って順次情報を表示し、それによりプロセ

スが明確になり途中で中断する可能性が減少します。このすべてが、コンテンツ

管理や ID 管理など、基盤となるポータル・プラットフォームのサービスと統合さ

れます。

情報技術環境の簡素化

Oracle SOA Suite が構築するプロセス中心のポータルは、アプリケーション機能の

UI 要素を各ユーザー向けにパーソナライズした単一ポータル・ページに統合する

だけでなく、1 つのビジネス・プロセスのすべての要素を 1 つのページの 1 つの

ポートレットに統合します。この 1 つのポートレットからは、ユーザーが、複数

の異なるバックエンド・システム、サービス、コンテンツ・ストア、個人にまた

がる複数のビジネス・プロセスとアクティブかつシームレスに対話できることが

必要です。効率的にビジネス・プロセスを自動化し最適化するためには、ビジネ

ス・プロセスと個人との相互作用を担当者の作業環境に直感的に組み込む必要が

あります。

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さらに、指定されたビジネス・プロセスに関する情報はすべて、ユーザーのビジ

ネス識別情報のコンテキスト内に表示する必要があります。たとえば、コール・

センターで新人従業員に必要なのは簡単な基本的 UI のみですが、上級ユーザーに

対しては、顧客への特別なサービスの提供やアップセルが実行できる充実した情

報を自動的に提供する必要があります。ビジネス・プロセスとの対話はすべて、

ユーザーの適切なスキル・レベルで行われる必要があります。

組織の生産性の向上

Oracle SOA Suite を使用してデプロイするプロセス中心のポータル・ソリューショ

ンは、すべてのユーザーに統一された作業環境を提供します。バックオフィス・

システムはシームレスに統合され、簡単かつ直感的に操作できる UI を提供します。

この UI は、バックオフィス・ユーザーに担当作業に関連した情報のみを公開しま

す。細分化された IT 環境により、事務管理部門のユーザーは、日常業務の円滑な

解決には介入せずに自主的かつ積極的にビジネス・プロセスに参加することがで

きます。ビジネス・プロセスに関与する従業員の動機付けだけでなく、給与計算

処理や休暇管理などのプロセスに依存する LOB ユーザーに適切なタイミングで

解決手段を与え、これらのユーザーの「実際」の作業に関与せず支援することで、

様々な生産性効果が得られます。

Oracle Portal の概要

Oracle Portal により、ポータル用 Web インタフェースの作成、情報の公開と管理、

動的データへのアクセスおよびポータル・エクスペリエンスのカスタマイズに必

要な優れた宣言的環境が、J2EE ベースのアプリケーション・アクセスや Web サー

ビスなど、任意の Web ベースのテクノロジのための拡張可能なフレームワークと

結合されます。Oracle Portal を使用することで、E-Business は、従業員、パートナ

および顧客と、各自が必要な情報を結びつけ、各コミュニティに適したビューを

柔軟に作成できます。

「アプリケーション実装に必要な最小限

のコードと社内ポートレット通信、およ

びビジネス・ユーザー、IT 専門家を問わ

ず他の基幹業務システムとの統合を容易

にした設定済の多数のポートレットに

よ っ て 、 OracleAS 10g Portal は 、

Plumtree や Sybase の製品を引き離し独

走しています。」 「OracleAS は必要なことすべてを実現し

てくれたため、コンパイラを準備する必

要はありませんでした。」 プロセス中心のポータルのユースケース − 出典 : 2004 年 4 月発行『Network Computing』の記事「Portal Power」 新しい従業員に携帯電話が必要な場合の調達要求を検討してみます。この従業員

は、年中無休のグローバル・オペレーションのサポートを担当するため、電子メー

ルに定期的にアクセスする必要があります。そのため、携帯電話にはGeneral Packet

Radio Service(GPRS)アクセスなどのサービスを追加する必要があります。通常、

こうした調達要求では、次に示すように、複数のシステムと複数のインタフェー

スにまたがる対話を数回繰り返す必要があります。

• 従業員は、業務上の正当な理由を添えて、Web ベースの調達システムで

携帯電話の調達要求を送信します。

• 管理者は業務上の正当な理由を検討し、Web ベースの調達システムを介

して承認します。

• 仕入担当者は、外部の携帯電話サービス・プロバイダの電話予定に関す

るバックエンド受注アプリケーションに、手動で注文を再入力します。

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• 仕入担当者はさらに、外部の携帯電話サプライヤの実際の電話に関する

バックエンド注文アプリケーションに手動で注文を再入力します。

• 従業員は、正当な理由を添えて、GPRS アクセスを要求する電子メール・

テンプレートを送信します。

• 業務上の正当な理由を再度確認した管理者は、再度電子メールで承認し

ます。

• さらに財務担当管理者は、業務上の正当な理由を確認して、電子メール

で承認します。

• 仕入担当者は、電子メールによる承認を受領後、プラン要求を手動で更

新してバックエンド注文システムに GPRS を含めます。

Oracle SOA Suite により構築したプロセス・ポータル・システムでは、すべてのバッ

クエンド・システム・プロセスは統合ビジネス・プロセス・フローの一部になり

ます。すべてのユーザーの対話(従業員、管理者、仕入担当者、財務管理者)は、

ポートレット・ページ上の単一のタスク・リスト・ポートレットを介して実行さ

れます。データや業務上の正当な理由を手動で再入力する処理はありません。必

要なのは、ビジネス・プロセスと対話するためにポートレットが 1 つ存在するこ

とです。ビジネス・プロセスに不可欠なデータとアクション、およびユーザーに

よる実行が必要なアクションのみが表示されます。

前述のプロセス中心のポータル・ソリューションで明らかになる 2 番目の重要な

ポイントは、SOA Suite のもう 1 つの主要コンポーネント Business Activity

Monitoring が提供する企業業績指標(KPI)ポートレットです。このポートレット

により、管理者は状況を監視しデプロイ済ビジネス・プロセスを積極的に管理で

きます。これらのポートレットから得られる業務上の洞察力は、デプロイしたビ

ジネス・プロセスを使用して迅速に問題を処理するうえで不可欠です。

Oracle Portal 10g R2 の新しいプロセス中心機能

Oracle Application Server Portal 10g R2 に組み込まれた様々な新機能と拡張機能に

より、SOA フレームワークで実行するプロセス中心のポータルの配置作業がサ

ポートされます。これらの機能には、Oracle BPEL Process Manager によるポート

レットの統合、ポータル標準 WSRP および JSR-168 のサポート、拡張性の強化、

ページ設計と開発の強化などが含まれます。

「Oracle Application Server 10g の評価で

は驚くことばかりでした。この製品は、

オラクル社のミドルウェア製品を 1 つに

まとめたものですが、我々が驚いたのは、

アプリケーション・サーバーや、ポータ

ル・サーバー、統合サーバーを 1 つのま

とまったプラットフォームに組み入れる

作業でオラクル社がいかに進歩している

かでした。」 BPEL Process Manager の統合 − 出典: 2005 年 3 月 30 日発行のレポー

ト「 The Forrester Wave: Application Server Platforms, Q1 2005」

Oracle Application Server 10g R2 では、Oracle BPEL Process Manager の一部として

ポートレット・プロバイダが組み込まれています。このプロバイダは、BPEL

Worklist Application を Oracle Portal ページにシームレスにデプロイできる Task

Listing および Task Analysis ポートレットとして公開し、ユーザーの手動による介

入が必要なタスクを実行することで BPEL プロセスにユーザーを参加させます。

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図 1: Oracle BPEL Worklist ポートレット

基幹業務アプリケーションの統合

Oracle Portal は、設定済のポートレット統合機能により、Oracle E-Business Suite と

Oracle Collaboration Suite との強力な統合を達成してきました。Oracle の基幹業務

アプリケーション・ファミリに、PeopleSoft、JD Edwards、Siebel の製品ラインが

加わったことにより、Oracle Portal では、業界の主要な 4 つのアプリケーション・

スイート(Oracle E-Business Suite、PeopleSoft Enterprise、JDE EngerpriseOne、Siebel

Business Applications)を直接融合させ、単一のユーザー・エクスペリエンスをも

たらしました。また、SAP などの他の主要ベンダーとの連携により、これらの企

業の製品と Oracle Portal 全体のエクスペリエンスを密接に統合することができま

した。

PeopleSoft Enterprise

PeopleSoft Pagelet Wizard は、目的と機能の点で Oracle Portal の OmniPortlet に相当

します。このウィザードにより、ビジネス・ユーザーや事業案件の専門家は、

WYSIWYG ユーザー・インタフェースを使用して PeopleSoft アプリケーションの

データ・ソースからポートレットを迅速に生成することができます。この方法で

生成したポートレットは、ポータルのポイント・アンド・クリック機能により

Oracle Portal ページですぐに活用できます。

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JD Edwards EnterpriseOne

Oracle Application Server 10.1.2 で実行する場合と同様、EnterpriseOne は Oracle SSO

プロセスに参加できます。ただし、アプリケーション UI のレンダリングでは

PDK-Java のレンダラーを使用します。その結果、ほとんどすべての EnterpriseOne

基幹業務アプリケーションは、識別情報の完全な統合により Oracle Portal から直

接使用できます。さらに、EnterpriseOne Forms Design Aid ツールで作成したカスタ

ム・アプリケーションも、ネイティブの Oracle PDK-Java ポートレットとして自動

的にデプロイできます。

Siebel

Siebel Standard Interactive クライアントは、JSR-168 Portlet 仕様に準拠したポート

レットとして、Oracle Portal 10.1.4 より提供されます。

SAP

SAP の場合、Oracle Portal にポートレットを統合するレベルは、運用している SAP

のバージョンにより異なります。たとえば、SAP/R3 との統合は、SAP のバックエ

ンド・サービスへの直接アクセス(BAPI ファンクション・コールを使用)を中心

に展開しますが、新しいリリース(NetWeaver で稼働)では、Oracle Portal と SAP

MiniApps を直接統合できます。

Oracle Portlet Factory

Oracle Application Server Portal 10g では、前述した特定のアプリケーション統合ポ

イントだけでなく Oracle Portlet Factory も提供されます。この共通のポートレット

作成環境では、プロセス・フローに従い、単純な Rapid Application Development

(RAD)モデルに基づいた J2EE ベースのポートレット(PDK-Java および JSR168)

の自動生成を実行できます。

拡張性

製品を開発し拡張性を持たせるために、様々な領域に多数の新規 API が追加され

ています。特に、Oracle Portal Content Management Event Framework(CMEF)を使

用すると、事前定義された特定のポータル・イベントにプログラム・フックを追

加し、Portal のコンテンツ管理機能を拡張できます。これにより、サード・パー

ティー製プログラムはこれらのイベントを「サブスクライブ」し、Oracle Portal

PL/SQL Application Programming Interfaces(API)を使用してイベントに応じたプ

ロセスをコーディングできます。特に、承認/却下 API を BPEL プロセスと併用す

ると、Oracle Portal の外部でコンテンツを処理する承認プロセスを作成できます。

また、新しい Content Management API と Publishing API も追加されています。

標準サポート

ここで説明したとおり、標準ベースのポートレットの作成で Java 開発者をサポー

トする強力な JDeveloper ウィザードが利用できます。

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ポートレット標準

Oracle Portal のこのリリースでは、異なるポータル・プラットフォームにまたがる

ポートレットに相互運用性をもたらす OASIS 標準の Web Services Standard for

Remote Portlets(WSRP)、およびポートレット開発用 Java 標準仕様 JSR-168 を完

全にサポートします。WSRP は、プレゼンテーション指向の対話型 Web サービス

です。WSRP は、ポータル側でプログラミングすることなく、あらゆるコンテン

ツ・プロバイダとアプリケーション・プロバイダを簡単に検出し標準準拠のポー

タルにプラグインできる方法でサービスを提供する、標準を提供します。

オラクル社は引き続き標準化委員会に積極的に参加し、WSRP 標準の推進と進化

に貢献します。

Web サービス統合

SOA 開発者は JAX-RPC 標準を使用することにより、異なるプラットフォーム上

にデプロイされ、異なる言語で Oracle Portal にコーディングされた Web サービス

を簡単にパブリッシュできます。Developer の強力な機能により、Web サービス・

クライアントを JAX-RPC に基づいて生成し、このクライアントをポートレットと

して Portal Extension for JDeveloper を使用してシームレスにデプロイできます。ま

た、Oracle SOA Suite は、Basic 認証、SSL、WS-Security などの一般的なメカニズ

ムにより Web サービス通信の安全を確保します。

いずれの標準WebサービスもOmniPortletを使用してコンシュームし、Oracle Portal

にパブリッシュできます。その結果、追加設定なしで OA Suite サービスとの統合

が実現します。

OmniPortlet のレイアウト機能

OmniPortlet では、ページ・デザイナやコンテンツ寄稿者が、様々なレイアウトを

使用して異なるデータ・ソースからデータとサービス情報を簡単にパブリッシュ

できます。今回のリリースでは、OmniPortlet に、新しい HTML レイアウト・オプ

ションが用意され、このレイアウトを使用しコンテンツを表示するための独自の

HTML を指定します。たとえば、HTML レイアウトにより、ヘッダー、フッター、

データ表示のための個別 HTML スニプレットが定義できるため、スプレッドシー

トなどのデータ・ソースをヘッダー、行の繰返し部分、フッター付きの表として

表示できます。

ページ設計と開発

このリリースには拡張機能として、ページの作成と編集、ページの編成と管理、

ページとポートレットのカスタマイズを行うウィザードが含まれています。追加

された新機能によりページ・デザイナは、ページと項目の UI のレンダリングを完

全にコントロールすることができます。これらの機能には、Page Skin、HTML コ

ンテンツのレイアウト、新しい Item Placeholder Item Type などがあります。

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マイクロソフト製品との統合

確立された企業情報ポータル製品として、Oracle Portal は様々な手段で Microsoft

Office、Server 製品、Windows オペレーティング・システムと簡単に統合し、機能

を拡張します。

WebDAV

Oracle Portal は、Web-based Distributed Authoring and Versioning(WebDAV)プロト

コルによるアクセスをサポートします。Microsoft Office は、WebDAV クライアン

トの役割も果たすため、Oracle Portal のファイル・タイプ項目を WebDAV 対応の

デスクトップ・アプリケーションからだけでなく、任意の MS Office アプリケー

ションからも直接オープン、編集、保存することができます。

OracleAS Providers for Microsoft Exchange 2003 & Microsoft Exchange 2000

OracleAS Providers for Microsoft Exchange 2003 & Microsoft Exchange 2000 には、

Microsoft Exchange のコンテンツを OracleAS Portal 内部で公開する受信トレイ・

ポートレット、予定表ポートレット、連絡先ポートレットの 3 つのポートレット

があります。これらの各ポートレットには、ユーザーの Microsoft Exchange アカウ

ントに関連付けられた情報がレンダリングされます。

WSRP

Oracle Portal は WSRP に対応しているため、様々な方法で Microsoft 製品と統合で

きます。

• JDeveloper で構築された WSRP 対応 Oracle Producer は、Web Part として

認識され MS Sharepoint に追加できます。

• マイクロソフト社独自の WebPart コンポーネントと.net Web サービスを

WSRP Producer としてパブリッシュし、Oracle Portal でポートレットとし

てコンシュームできます。

• Oracle Portal 内部から Microsoft BizTalk プロセスとの対話を開始すること

ができます。

Oracle Drive Oracle Drive は、Oracle Portal と密接に統合された新しい強力な Oracle WebDAV ク

ライアントです。Oracle Drive は、Windows デスクトップから直接、ポータル固有

のコンテンツ管理業務をサポートする最初で唯一の WebDAV クライアントで、

Windows デスクトップと Oracle Portal をシームレスに融合します。これにより、

コンテンツ管理者は Portal Builder を使用せずに、デスクトップからポータル項目

を管理できます。Oracle Drive は、Windows のドライブに Portal Repository をマッ

ピングするため、レポジトリを Windows Explorer でネットワーク・ドライブとし

て使用できます。さらに、ポータル固有の右マウス・メニュー・オプションがポー

タル・ユーザーに公開されます。これらのオプションにより、ポータル・ユーザー

は、項目とページのメタデータ・プロパティの設定、アクセス管理情報の変更、

項目のバージョンの表示、設定および削除、コンテンツとページのプレビュー、

項目の承認または却下、承認を受けるための項目の送信などが実行できます。

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Oracle Drive には多数の有用なアプリケーションがあり、これらを使用してポータ

ル・ユーザーは次のことができます。

• Portal Repository の全コンテンツのウイルス・チェックを定期的に実施す

る。リポジトリはネットワーク・ドライブとしてマッピングされるため、

ドライブの定期スキャンを実行するようウイルス対策ソフトウェアを設

定できます。

• Windows Explorer から直接ファイルを検索する。たとえば、*.doc を使用

して、ページ・グループ内のすべての MS Word 文書を検索します。これ

は、Windows での検索とまったく同様です。

• 任意のデスクトップ・アプリケーションを使用して、Portal Repository に

格納されたファイルのオープン、保存、インプレース編集を実行する。

• コンテンツをオフラインで利用する。これにより、ネットワークに接続

せずに作業でき(たとえば飛行機内など)、後でネットワークと接続し

たときにローカル・マシンと Portal Repository 間でコンテンツを同期させ

ることができます。

• コマンドライン・バッチ・スクリプトを作成し、Portal Repository に対し

て実行する。

Windows ドメインでのシングル・サインオン

Windows との統合が、Oracle Identity Management の機能により実現します。これ

により、Oracle Portal内でホスティングされるWebアプリケーションだけでなく、

Windows ドメイン環境から Oracle Portal へのシームレスな統合とサインオンが実

現します。

Oracle が選択される理由

Oracle SOA Suite は、業界唯一の包括的な統合 SOA スイートです。他のベンダー

も同様のプラットフォームを持っていますが、Oracle SOA Suite は他の追随を許さ

ない独自の機能を提供します。

企業の柔軟性向上を実現

Oracle SOA Suite は、次に示す 4 つの点において企業の柔軟性を最も大幅に向上さ

せることができるソリューションです。

• サービス指向アプリケーション − Oracle SOA Suiteは、堅牢なSOAプラッ

トフォームにデプロイし管理するサービス指向アプリケーションを迅速

に開発できます。また、既存のアプリケーションとレガシー・システム

は、再コーディングせずにサービスとしてラップすることができます。 Oracle SOA Suite がサポートするのは、

IBM WebSphere、JBoss などのアプリ

ケーション・サーバー、 Ilog Jrules、Corticon などの主要なビジネス・ルー

ル・エンジン、Active Directory、iPlanet、Novell などの LDAP V3 準拠ディレクト

リ、IBM MQ、SonicMQ、Tibco、Oracle AQなどの主要なメッセージ・サービスなど

です。

• ビジネス・プロセスの最適化 − Oracle SOA Suite は、ビジネス・イベン

トを企業全体で可視化し、イベントに応じてビジネス・プロセスを最適

化することができます。設定済のポートレットにより、ポータルとビジ

ネス・プロセス・サーバー間をシームレスに統合できます。

Oracle SOA Suite および企業情報ポータル - プロセス中心のポータルによる従業員の生産性の向上

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Oracle Corporation 発行「Oracle SOA Suite and Enterprise Portals - Enhance Employee Productivity with Process-Centric Portals」の翻訳版です。

• 統一された作業環境 − Oracle SOA Suite は、企業情報ポータルによって従

業員の生産性を向上させます。このポータルは、組織情報、サービス、

ビジネス・プロセス、ビジネス・インテリジェンスへの統合アクセス・

ポイントとなり、情報の検索速度を向上させ共同作業を容易にします。

• 生産性を高め拡張可能なポータル − Oracle Portal は、ブラウザベース・

ツールの完全なセットを提供する唯一の企業情報ポータル・ソリュー

ションです。ビジネス・ユーザーは、ポータルを作成し、ユーザーとコ

ンテキストをポータルへ追加できます。これらのポータルの管理と展開

に専門的な開発者の支援は必要ありません。また、複雑な手動のプログ

ラミングなしで様々なデータ・ソースの情報を統合する、シンプルで操

作が容易なメカニズムを多数提供します。

ミドルウェアの複雑さの軽減

Oracle SOA Suite は、他のベンダーのどのソリューションよりも開発コストを大幅

に削減し、ミドルウェアの複雑さを軽減します。Oracle SOA Suite は、単一製品と

して技術的に完成された業界唯一の Oracle スイートで、次の 6 つの点で他のソ

リューションと大きく異なります。

• 単一の開発フレームワーク − Oracle SOA Suite は、基幹業務アプリケー

ションの開発、Web サービスの構成、企業情報ポータルの作成、ビジネ

ス・プロセスのオーケストレーションを実行するために単一の統合され

た設計環境を提供する唯一の SOA スイートです。1 つのツールでプラッ

トフォーム全体を学習することができます。

• 単一の配置アーキテクチャ − Oracle SOA Suite は、スケーラビリティ、可

用性、負荷分散、リソース管理、セキュリティ、メタデータ管理に必要

な共通アーキテクチャを備えた唯一の SOA スイートです。ミドルウェ

ア・インフラストラクチャの統合に必要な時間を短縮します。

• 単一の管理アーキテクチャ − Oracle SOA Suite は、ID 管理とシステム管

理で共通するアーキテクチャを備えた唯一の SOA スイートです。ユー

ザーとシステムを一元的に監視、管理し、コスト削減とセキュリティを

向上させます。

• 単一のメタデータ管理システム − Oracle SOA Suite は、すべてのコンポー

ネントで共通するメタデータ管理システムを利用し、アプリケーション

の開発期間を短縮し、メンテナンスが容易なアプリケーションを生み出

す唯一の SOA スイートです。

• 単一の統合ポータル − Oracle SOA Suite は、企業規模のポータルの開発と

デプロイに必要な機能(コンテンツ管理、ドキュメントの作成と公開、

ポートレット・ベースの統合、ID 管理、システム管理、ビジネス・イン

テリジェンス、Web キャッシング、マルチチャネル・アクセス)を提供

する企業情報ポータル・ソリューションが組み込まれた唯一の SOA ス

イートです。他のベンダーが提供するコンポーネントのセットは、ユー

ザー自身による統合が必要なうえ、ポータル・ソリューションが複雑で

脆弱です。Oracle はこれらの機能を統合し、複雑さを緩和しポータルの開

発と配布時間を短縮します。

Oracle SOA Suite および企業情報ポータル - プロセス中心のポータルによる従業員の生産性の向上

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Oracle Corporation 発行「Oracle SOA Suite and Enterprise Portals - Enhance Employee Productivity with Process-Centric Portals」の翻訳版です。

• 簡単な導入 − SOA Suite のコンポーネントはどれも業界標準に基づいて

構築されているため、これらのコンポーネントを段階的に導入し、既存

の IT インフラストラクチャに簡単に組み込むことができます。Oracle

SOA Suite は、既存の IT 環境にシームレスに統合します。この「ホット

プラガブル」なアーキテクチャを図 2 に示します。

図 2: Oracle SOA Suite のホットプラガブルなアーキテクチャ

最高の TVO(投資価値)の達成

Oracle SOA Suite では、次の 4 つの戦略によって最高の TVO(投資価値)を達成

することができます。

• アプリケーションの開発期間とデプロイ期間の短縮 − 市場で唯一の統

合 SOA スイート Oracle SOA Suite は、アプリケーションの設計、開発、

デプロイ、管理全面でコストの大幅な削減を実現します。アプリケーショ

ンの構築と製品化までの期間、それに関連した利益回収期間も短縮しま

す。経費が削減できるため、ソフトウェア・エンジニアならびに研究開

発資金を迅速に他のプロジェクトに振り向けることができます。

• アプリケーションの配置コストの削減 − SOA Suite は、グリッド・コン

ピューティングを活用して低価格なモジュール式ハードウェアとスト

レージに基幹業務アプリケーションをデプロイすることにより、コスト

削減するように設計された唯一の SOA スイートです。

• メンテナンス・コストと管理コストの削減 − Oracle SOA Suite は、複数の

システム・グループにまたがるソフトウェアのプロビジョニングを自動

化し、システムの監視と管理を一元化することにより、管理コストを削

減します。セキュリティの管理コストも、ID 管理とアクセス管理の一元

化により削減できます。

• より効果的なコラボレーション − 取引先の地理的分散化が進行したこ

とで、より緊密に統合されたコラボレーション・ツールがさらに必要と

なりました。Oracle Portal は、連携機能を作業環境に統合し、各ユーザー

の作業効率と共同作業の効率を高めます。

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Oracle SOA Suite は、開発コストと配置コストを削減し、その結果メンテナンス・

コストが削減され、最高の TVO を達成し ROI を最短期間で実現します。

Oracle Portal が選択される理由

企業情報ポータルは、ビジネス環境の変化を予測しそれに対応した能力を大きく

向上させ、企業の生産性を高めます。また、既存の IT 投資を活用しながら IT 環

境の簡素化を図ることができます。他のベンダーも企業情報ポータル製品を発表

していますが、Oracle Portal は現在、市場で最も広く使用されているソリューショ

ンで、顧客数は世界各国で 7,000 社を超えます。これらの顧客が Oracle のポータ

ル・ソリューションを選ぶ理由は、Oracle Portal が今日、最も機能が充実し、最も

統合され、最も生産的で、かつ拡張性を備えた最もミッション・クリティカルな

ソリューションであるためです。

将来を見通したアーキテクチャ

2002 年の前半から、Oracle Portal に導入されたポートレット・プロバイダのアー

キテクチャは、JSR-168 標準と WSRP 標準の発表により将来を見通していること

が証明されました。SOAP-over-HTTP によりアクセスするリモート・プロバイダ

のコンテナを備えた Oracle のモデルは、現在、業界標準の JSR-168 ポータル標準

と WSRP ポータル標準の組合せから得られるモデルとほぼ同一です。他の主要な

ポータル・ベンダーが、ポータルと同じローカル J2EE コンテナにポートレットを

デプロイできるようになったのはごく最近のことで、柔軟性や機能が大幅に制限

されています。顧客は当然、カスタムで作成した Java コードをベンダーが提供す

る本番のポータル・コードと共存させる必要があり、安定性に影響を与える可能

性があります。

さらに、このアーキテクチャでは、リソース集約型プロバイダ・コードを核とな

るポータル・エンジンから切り離すことで、管理者が負荷を管理、チューニング

し、複数のノードへ負荷を分散させ、パフォーマンスと管理のボトルネックを防

止します。

ポータル・アーキテクチャには、ポートレット・コンテンツの検索、キャッシン

グの管理、ポータル・ページの組立、完成したページの配布をすべてパラレルに

実行する高度にチューニングされたマルチスレッド・サーブレット・エンジンが

含まれています。このエンジンは、オラクル社の拡張性に優れた J2EE フレーム

ワーク、OracleAS Containers for J2EE(OC4J)上にデプロイされるため、パフォー

マンスを最大限に引き出します。このアーキテクチャは、サーバー・ファーム内

にデプロイされたコモディティ・ハードウェアを使用できるため、ハードウェア

のコストを最小に抑えます。

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必要なのは Web ブラウザのみ

Oracle Portal そのものが、完全にポートレット対応です。ポータルの主要な管理、

開発、エンド・ユーザーの機能はすべて、ポートレットからアクセスされます。

Oracle Portal では、一連のビルトイン・ポートレットをポータル開発、ポータル管

理およびポータル・ユーザーによる使用のためにインストール、設定されて出荷

されます。他のポータル・ベンダーの製品とは異なり、Oracle Portal ユーザーは、

いずれの段階でも Thick クライアント・プログラムを必要としません。

業界をリードするキャッシング技術の統合

完全に統合されたインテリジェント・キャッシュにより、ポータル・ページとポー

トレット・コンテンツをむやみに再生成する必要がなく、最高レベルのパフォー

マンスが達成できます。Oracle Portal は、オラクル社の特許取得済のインメモ

リー・キャッシュ・テクノロジ Oracle Application Server Web Cache を最大限に活

用します。OracleAS Web Cache では、キャッシング、圧縮および Edge Side Include

(ESI)と呼ばれるオープンな標準のアセンブル技術を組み合せて、静的および動

的に生成されたポータル・コンテンツを迅速に配信します。また、パフォーマン

スと可用性を向上させるために、バックエンド Web サーバーのロード・バランシ

ング、フェイルオーバー、サージ保護機能を提供します。

実証例 − プロセス中心のポータル

Texas Industries 社

Texas Industries(TXI)社は、セメント、コンクリート、砂利などの建築資材の大

手サプライヤです。セメント製造部門は、テキサス州では最大、カリフォルニア

州では大手製造会社の 1 つ、袋詰セメント製品については全米最大です。TXI 社

は、働きやすい企業となること、そして非常に効率的に社内プロセスと社外プロ

セスを実装する企業となることを目標にしています。主要な顧客は、空港や道路

など大規模な建設工事に携わる大手建設会社です。同社の工事請負契約では、通

常、工事の期間全体で数千件もの納入物が必要です。

「TXIonline.com は、いくつもの紙ベース

のプロセスを自動化された単一の SOAベースのソリューションに変え、顧客と

弊社との共同作業を容易にしました。」 − Texas Industries 社情報サービス部門

部長、Terry Marshall 氏

これが、データ収集用に少なくとも 7 つのレガシー・システムに分散した、紙ベー

スの物流および照合プロセスで問題でした。営業チームは、様々なレガシー・ア

プリケーションや特注アプリケーションにある関連情報へ迅速にアクセスして表

示することができず、影響は販売プロセス全体に及んでいました。2 年前、TXI

社は、目標達成に必要な業務変革には、ビジネス・プロセスを最適化し企業情報

ポータルをデプロイする必要があると実感しました。この企業情報ポータルに必

要なことは、関連情報とアプリケーションを公開して、再設計したプロセスをサ

ポートするために単一インタフェースを提供できることです。

TXI 社は、ビジネス・プロセス管理(BPM)と企業情報ポータル技術を結合させ、

サービス指向ポータルを構築しました。その結果、様々なアプリケーションへの

パーソナライズ・アクセスで業務効率が向上し、紙ベースのプロセスが削減され、

単一ポータル・インタフェースにより、販売チームは様々な効果を実現すること

ができました。その中には、顧客に関する知識の拡充、毎日の未決済売上げの減

少、受注から現金化までのプロセスの効率化などがあります。ポータルに埋め込

まれた機能には、CRM、契約管理、注文ステータス、オンライン発送、売掛金/

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年齢調べ、ドキュメント・イメージ、販売計画と予測、ビジネス・インテリジェ

ンス、運賃計算、人事管理(HR)のセルフ・サービスなどがあります。

このポータルの成功によって、TXI 社は、紙ベース情報の送付を削減すると同時

に、請求書、売上履歴、計算書、製品資料など、顧客が必要な情報へ安全にアク

セスできる、顧客向けのセルフサービス・ポータルを開発することになりました。

現在、顧客はオンラインで TXI 社に対する製品発送要求や支払いを行っています。

TXI 社は、事務処理を削減し、請求書が正確になっただけではなく、顧客に対し

て適切なタイミングで関連情報を提供できるようになり、顧客満足度が向上しま

した。また、働きやすい会社にするという目標も達成しました。

企業改革法のコンプライアンスの点から見ると、TXI 社には、ビジネス・プロセ

スとして設計された管理の実行が必要な事業所が数カ所あります。BPM とポータ

ル・テクノロジを使用して、TXI 社は、月末に自動的に起動して組織内の様々な

担当者に必要な管理文書の提出を促すシステムを開発しました。このシステムは、

プロセスを監視する機能もあり、段階的拡大手順も組み込まれています。このワー

クフロー・ドリブン・プロセスによって、TXI 社は、企業改革法のコンプライア

ンス要件を満たすと同時に、適切なタイミングで決算処理を実行できます。毎月、

数百のドキュメントが安全なドキュメント・リポジトリに保存され、TXI 社のコ

ンプライアンスを証明しています。

Agder Energi 社

Agder Energi 社は、従業員数約 900 名、顧客数 15 万を越えるノルウェーの公益事

業会社です。その中核業務はエネルギーの生産と、企業および家庭への配給です。

Agder Energi 社は、トリプルプレー市場(インターネット・アクセス、TV および

電話)への参入に際し、ブロードバンド・サービスの配信・サポート全体を扱う

ソリューション(iLOS)の構築に Oracle 認定パートナ企業 e-vita の支援を仰ぎま

した。このソリューションは、Oracle Technology に完全に基づいて構築されます。

フロント・エンドには Oracle Portal を利用し、バックエンドでは社内システムと

社外システムを統合するために Oracle Fusion Middleware のプロセス統合機能を利

用します。プロジェクトは、開始後 3 ヶ月足らずで納入され、本番運用されまし

た。

「 iLOS により、弊社の製品納入と顧客

サービス両面で品質と正確さが大幅に向

上しました。」 − Agder Energi 社取締役、Ragnhild Aas Hystad 氏

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図 3: Agder Energi 社の iLOS ソリューション

iLOS により、Agder Energi 社は、顧客基盤全体で急増するブロードバンド接続を

管理するための最新のプロビジョニング・ソリューションを実現しました。

iKnowBase 固有の柔軟性と Oracle Fusion Middleware を活用することで、iLOS は新

製品と新しいサービスを提供するために継続的に拡張されています。

Oracle 認定パートナ e-vita 社は、ノルウェーのコンサルティング市場を主導し、革

新的なテクノロジを使用して様々な問題を解決し顧客にビジネス・ソリューショ

ンを提供します。e-vita 社は、従業員、顧客、ベンダーがネットワークを介して情

報を共有しトランザクションを実行することで、効率的に連携できるコラボレー

ション・ソリューションに重点を置いています。Oracle テクノロジに基づいて構

築された e-vita 社のナレッジ管理ソリューション iKnowBase は、ノルウェーの大

手公営企業および民間企業で使用されています。

「Oracle Fusion Middleware によって、既

存の個別サービスと情報を短期間で結合

させ、Adger Energi に必要なソリュー

ションを提供することができました。」 − e-vita 社 CEO、Eirik Lygre 氏

結論

Oracle SOA Suite は、サービス指向アプリケーションの構築と任意のミドルウェ

ア・プラットフォームへのデプロイを可能にする標準ベースの最良のスイートで

す。Oracle SOA Suite は、いずれのソリューションよりも強力に企業の柔軟性を向

上させます。さらにコストを削減し、ミドルウェアの複雑な仕組みも軽減します。

最終的には、最高の TVO(投資価値)を達成することができます。

Oracle SOA SuiteとOracle Portalは、SOAベースのビジネス・プロセスをコンシュー

ムし個々のアプリケーションの詳細からユーザーを遮断する、プロセス中心の

ポータルを短期間でデプロイする手段を提供します。プロセス中心のポータルは、

大きなビジネス価値と多大な投資回収率を実現します。

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1. Magic Quadrant について

Magic Quadrant は、2005 年 5 月 18 日に Gartner 社が著作権を取得しており、転載

など再利用する際は、同社の許可が必要です。Magic Quadrant は、特定の時点や

特定の期間における、ある市場の状況をグラフ化したものです。Gartner 社が定義

した当該市場についての基準に特定のベンダーを照らし合わせて得た評価を

Gartner 社が分析したものです。Gartner 社は、Magic Quadrant に示されたいずれの

ベンダー、製品またはサービスも支持せず、また「リーダ」内に位置づけられた

ベンダーのみを選択するような助言は行っていません。Magic Quadrant は、リサー

チ・ツールとしての用途にのみ限定されており、特定の行為に導くことを意図し

ていません。Gartner 社は、本リサーチに関し、明示的または黙示的を問わず、特

定の目的のために商品性または適合性に関する保証を含め、いなかる責任も負い

ません。

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Oracle SOA Suite および企業情報ポータル − プロセス中心のポータルによる従業員の生産性の向上 2006 年 6 月 著者: Mick Andrew 寄稿者: Oracle Portal Product Management Oracle Corporation World Headquarters 500 Oracle Parkway Redwood Shores, CA 94065 U.S.A. 海外からのお問合せ窓口: 電話: +1.650.506.7000 ファックス: +1.650.506.7200 www.oracle.com Copyright © 2006, Oracle. 無断転載を禁ず。 この文書はあくまで参考資料であり、掲載されている情報は予告なしに変更されることがあります。 オラクル社は、本ドキュメントの無謬性を保証しません。また、本ドキュメントは、法律で明示的または暗黙的に記載

されているかどうかに関係なく、商品性または特定の目的に対する適合性に関する暗黙の保証や条件を含む一切の保証

または条件に制約されません。オラクル社は、本書の内容に関していかなる保証もいたしません。また、本書により、

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的に、いかなる形式や方法によっても再生または伝送することはできません。 Oracle は、Oracle Corporation の登録商標です。その他の名称は、それぞれの所有者の商標です。 Oracle、JD Edwards、PeopleSoft および Siebel は、Oracle Corporation および関連会社の登録商標です。他の製品名

は、それぞれの所有者の商標です。