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Canadian Engineered Wood APA エンジニアード・ウッド協会 OSB 耐力壁 APA 大臣認定仕様の手引き

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Canadian Engineered Wood

APAエンジニアード・ウッド協会

OSB耐力壁 APA大臣認定仕様の手引き

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面材による耐力壁の特徴

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 耐力壁は、地震力や風圧力などの水平力に対して、建物が倒れないように抵抗するための、最も重要な構造要素です。耐力壁の種類によって、水平力に抵抗する仕組みが異なります。代表的なものとして、筋かいによる耐力壁と、面材による耐力壁についてご紹介します。

■筋かいによる耐力壁(軸力抵抗型)

 軸組の対角をつなぐように設けた筋かいは、水平力に対して圧縮力または引張り力の軸力だけで抵抗するので、筋かいの留め付け方と板厚が耐力に影響します。

OSBとは OSB(Oriented Strand Board、配向性ストランドボード)は、北米で住宅の構造用下地材として開発された木質系面材です。原木を「ストランド」と呼ばれる短冊状の削片に切削し、繊維方向の向きを揃えて層を構成し、3~5層を直交に積層して製造しています。 木材は繊維方向の強度が大きいため、ストランドを配向することによって、繊維方向の強度を最大限に利用し、高い曲げ強度を得ることができます。 カナダ産OSBの原料樹種は、アスペン(ヤナギ科の温帯広葉樹)が最も多く、ロッジポールパイン(針葉樹)やその他の広葉樹も利用されています。OSBは、アスペンのように他には使用方法のない未利用材や小径木、間伐木などを原料としているため、資源の有効利用という観点からも非常に優れた建築材料です。

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OSB耐力壁

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 圧縮と引張りのどちらの力が働くかは、水平力の作用する向きによりますが、納まりの関係上、引張り力に抵抗できるようにするのは難しいので、筋かいは左右対称になったものを一対にして用いるか、たすき掛けにする必要があります。

■面材による耐力壁(せん断抵抗型) 構造用合板やOSB(構造用パネル)などの面材を軸組にくぎ打ちした耐力壁は、壁全体が菱形に変形して、水平力に対して面で抵抗します。この力を面内せん断力と言います。 水平力を受けて軸組が変形すると、面材が波打つように変形するので、くぎが浮いて引き抜けてきます。このため、くぎの太さとくぎ打ちの間隔が耐力に大きく影響します。 また、面材自身の板厚と強度も関係します。OSBは面内せん断性能が高く、構造用合板の2~3倍の値を示します。このため、耐力壁には最適な材料です。

■どの形式の耐力壁が良いか どの形式の耐力壁であっても、適切に設計・施工・管理されていれば、十分な強さを発揮できますので、どれが強いか・弱いかという議論は成り立ちません。 ただし、面材による耐力壁は方向性がなく、加工・施工が単純で、接合部(くぎ)が分散されているので、大きな欠点が生じにくいという特徴はあります。筋かいによる耐力壁の場合、どれか一つの材、一つの接合部の破壊が全体の破壊に直結するため、要求される施工精度や材料品質が高いと言えるでしょう。

■壁倍率の高い耐力壁に は相応の接合金物を 地震などの水平荷重が作用すると、耐力壁の両端の柱の柱頭・柱脚には引抜き力が発生します。特に、壁が剛強で菱形に変形しない場合は、壁全体が回転するので、柱脚の浮き上がりが生じます。つまり、壁倍率の高い耐力壁ほど、柱頭・柱脚にかかる引抜き力も大きくなるため、柱頭・柱脚には高い耐力を持つ接合金物を取り付ける必要があります。

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■告示に規定されたOSB張り耐力壁の壁倍率 OSB(構造用パネル)を用いた耐力壁の壁倍率は、木造軸組工法は昭和56年建設省告示第1100 号に、枠組壁工法は平成13年国土交通省告示第1541号に規定されています。使用するOSBは構造用パネルの日本農林規格(JAS)に適合している製品であれば、曲げ性能の等級は問いません。

■APA大臣認定仕様 APAでは、くぎの種類や間隔を変えることによって、より高い倍率の国土交通大臣認定を取得しました。表2にAPAが取得した大臣認定の概要を示します。

OSBを面材に用いた耐力壁の壁倍率

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表 1 告示に規定されたOSB 張り耐力壁の壁倍率

表 2 APA大臣認定仕様の概要

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APA大臣認定仕様に用いるOSBとくぎ

OSB耐力壁

規  格: 構造用パネルの日本農林規格(最終改正 平成 20 年農林水産省告示第 938 号)品  質: 曲げ性能の等級 4級以上厚  さ: 9.0mm

■面材(OSB) APA 大臣認定仕様に用いるOSBの品質や寸法は次のとおりです。使用できるOSBのサイズなどが決まっています。

許 容 差: 厚さ ± 0.8mm、  幅および長さ + 0mm、- 4.0mm

■くぎ 面材(OSB)の留め付けに用いるくぎは、太め鉄丸くぎCN50(JIS A5508)とします。

性能評価試験の様子

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APA大臣認定仕様の耐力壁【木造軸組工法】

木造軸組工法では、くぎ間隔に応じて2種類の壁倍率を取得しています。

■適用範囲 この耐力壁の適用範囲は、建築基準法施行令第40条~第49条(ただし48条を除く。)に準拠した木造軸組です。 建築基準法施行令第46条第4項表1に掲げる壁もしくは筋かいと併用する場合は、5を限度としてそれぞれの倍率を加算することができます。 また、この耐力壁は防水紙その他これに類するもので有効に防水されている部分で使用してください。

■軸組材 耐力壁を構成する軸組材の断面寸法や留め付け方は、下表にしたがってください。

■くぎ打ちの前に 面材にはくぎの種類(CN50)、くぎ間隔等を表示し、施工時にくぎ間隔、縁端距離をきちんと確保できるように墨出しを行ってください。

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Canadian Engineered Wood OSB耐力壁

■面材(OSB)の取り付け方法 面材は、軸組の柱、梁、間柱および胴つなぎ等に、くぎCN50で留め付けます。このとき、隣り合う面材同士の間隔(継手目地)は、2~ 3mm空けておきます。

 また、面材は柱、土台、梁、胴差および桁に50mm以上、継手間柱および胴つなぎに20mm以上かかるように取り付けてください。

 くぎ間隔は、倍率によって異なりますので注意してください。4.1倍の場合は外周部75mm以下、中通り150mm以下とし、3.2倍の場合は外周部100mm以下、中通り200mm以下とします。

くぎ打ちの縁端距離(面材の端部とくぎの間隔)は、12mm( ± 2mm)とします。

 面材を高さ方向で継ぐ場合、下側の面材は長さ1820mm以上として、その継手部分に胴つなぎを設けます。なお、胴つなぎを設けられる部分は、上下の横架材間に1箇所です。

APA耐力壁 試験結果の特徴 下のグラフは、APA 耐力壁(FRM-0326、木造軸組工法、CN50@75/150mm、4.1倍)の性能評価試験結果です。 加力開始後すぐには変形が進まずに荷重が上がることから、初期剛性が高いことがわかります。また、試験後半では、高い荷重を維持したまま変形が進むことから、粘りがあることがわかります。

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施工例 1 【4.1 倍の場合】

●くぎ間隔は、外周部75mm以下、  中通り150mm以下とします。

●面材に継手を設ける場合は、施工例2 のように胴つなぎを設けます。

(単位:mm)

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施工例 2 【3.2 倍の場合】

●くぎ間隔は、外周部100mm以下、 中通り200mm以下とします。

●面材に継手を設けない場合は、施工 例1のように上下横架材間を1枚張 りとします。

OSB耐力壁

(単位:mm)

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APA大臣認定仕様の耐力壁【枠組壁工法】

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■適用範囲 この耐力壁の適用範囲は、平成13年国土交通省告示第1540 号及び第1541号に準拠した枠組壁工法です。 この耐力壁を平成13年国土交通省告示第1541号第1第5号表1-2に掲げる壁もしくは筋かいと併用する場合は、5を限度としてそれぞれの倍率を加算することができます。 また、この耐力壁は防水紙その他これに類するもので有効に防水されている部分で使用してください。

■枠組材 耐力壁を構成する枠組材の寸法や品質は、下表にしたがってください。

■くぎ打ちの前に 面材にはくぎの種類(CN50)、くぎ間隔等を表示し、施工時にくぎ間隔、縁端距離をきちんと確保できるように墨出しを行ってください。

■面材(OSB)の取り付け方法 面材は、枠組のたて枠、上枠および下枠に、くぎCN50で留め付けます。このとき、隣り合う面材同士の間隔(継手目地)は、2~3mm空けておきます。 くぎ間隔は、外周部75mm以下、中通り150mm以下とします。 くぎ打ちの縁端距離(面材の端部とくぎの間隔)は、たて枠では10mm( ± 2mm)、上枠および下枠では19mm( ± 2mm)とします。

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施工例 3 【3.6 倍の場合】

OSB耐力壁

●くぎ間隔は、外周部 75mm以下、 中通り150mm以下とします。

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(単位:mm)

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APA大臣認定の使用時には登録を!

性能評価試験はカナダ産OSBを使用 APA 大臣認定仕様ではOSBの産地まで規定されていませんが、性能評価試験はカナダ産OSBを用いて行いました。このため、性能が確認できているカナダ産OSBを使用することを推奨します。

産地によって異なる原材料や製造方法 OSBは、主にカナダやヨーロッパで作られています。原材料は、カナダ産がアスペン中心であるのに対して、ヨーロッパ産はレッドウッドが主流です。また、接着剤は、カナダ産では表層がフェノール樹脂、芯層がイソシアネート系であるのに対して、ヨーロッパ産はイソシアネート系を使用しています。 製造方法にも違いがあり、カナダでは合板製造時のように主に「多段プレス」を行いますが、ヨーロッパではPBやMDF製造時のように「連続プレス」を行っています。

性能評価試験はカナダ産OSBを使用 APA 大臣認定仕様ではOSBの産地まで規定されていませんが、性能評価試験はカナダ産OSB

 APAで取得した大臣認定の仕様は、施工要領にしたがって、どなたでも自由に使うことができます。ただし、カナダ産のOSBを使うことなど、いくつかの注意点がありますので、必ず使用の登録を行ってください。

 登録手続きにはAPAのウェブサイト(http://www.osbpanel.org)ニュース・イベント・セミナーのページ、若しくは下記APAのカナダOSBメーカー会員の日本連絡先までお問い合わせ下さい。

APAのカナダOSBメーカー会員

APAエンジニアード・ウッド協会〒105-0001 東京都港区虎ノ門3-8-27巴町アネックス2号館 9階

TEL:03-5401-0537 FAX:03-5401-0538Email:[email protected]:www.osbpanel.org

Forest Innovation Investment● BC 州森林及び林産業の保護育成を目的とした組織

Canada Wood Export Program (CWEP)● カナダ木材製品全般の普及 ・ 促進

インターレックス・フォレスト・プロダクツ・ジャパン LTD.〒101-0054東京都千代田区神田錦町3-15名鉄不動産竹橋ビル7階TEL: 03-5280-2771 FAX: 03-5280-2400E-Mail: [email protected]

有限会社タイガーインターナショナル〒135-0016東京都江東区東陽5-30-13 東京原木会館1007号TEL: 03-3645-9377 FAX: 03-3645-4881E-Mail: [email protected]

Tolko Industries, Ltd.トルコ・インダストリーズ・リミテッド

Ainsworth Lumber Co., Ltd.エインズワース・ランバー・カンパニー・リミテッド

■メーカー名 ■日本連絡先

honey_bear
タイプライターテキスト
EW1008JA.3/11.5M