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8 30 Pregnancy As- sociated Glyco- protein 調28 60 28 60 28 50 60 30 60 繁殖部会から PAG検査の適期(分娩後65日で授精した例) 分娩後日数 0日 10日 20日 30日 40日 50日 60日 70日 80日 90日 100日 110日 120日 130日 授精後日数 0日 10日 20日 30日 40日 50日 60日 分娩後65日で授精したと仮定 授精後50日から60日はPAG値が低くなるので妊娠していても不妊と診断される可能性あり 不適期(前の妊娠時のPAG残留) 適期(授精後27日 -50日まで) 判定保留 が増える (注) 前妊娠期のPAGは消 失。授精後日数不足期 PAGにて診断 は可能

PAGをご存知ですか? · 2018-10-22 · 8 みなさんはPAGをご存知です もいらっしゃると思いますが、乳牛でか?「もう、やっている」という方

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Page 1: PAGをご存知ですか? · 2018-10-22 · 8 みなさんはPAGをご存知です もいらっしゃると思いますが、乳牛でか?「もう、やっている」という方

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みなさんはPAGをご存知です

か?「もう、やっている」という方

もいらっしゃると思いますが、乳牛で

人工授精後30日

前後の乳汁を検

査に出してPA

Gを測定して妊

娠か否かがわか

るというもので

す。P

AGとは、

Pregnancy�As-

sociated�Glyco-protein�

妊娠関

連糖タンパクの

略です。牛の胎

盤の細胞から血

液中に分泌され

乳汁へ移行しま

す。これを測定して一定以上の数値で

あれば、正しく胎盤が形成されてい

る=妊娠しているということになりま

す。ある調査では人工授精後28日目

において超音波による検査とほぼ同

等の精度であるとされています。

利用されている方はご承知のこと

と思いますが、検査を実施している

IDEXXラボ(東京)では、検査可

能な乳汁は、分娩後60日以降、授精

後28日以降となっています。分娩後

60日までは妊娠時のPAGが残ってい

る可能性があり、実際に高い数値が

検出されてしまい、不妊でも妊娠し

ていると診断されてしまいます。また、

授精後28日以前は低値になり、不妊

と診断されてしまいます。この条件

さえ守れば、乳汁で診断が可能です。

また、授精後50~60日では低値にな

り、判定保留が多くなるという結果

も出ているので、この期間は避けた方

が良いかも知れません(グラフ1・2

参照)。

牛を捕まえる必要がないし、獣医

師に依頼する必要もない。組合員の

みなさんが主体となって不受胎の牛

を発見できるというのが一番のメリッ

トではないでしょうか?

例えば、授精後30日前後でPAG

の検査を行って、妊娠と診断された

場合は、超音波での早期妊娠診断と

同様に、一度の診断だけでは胚死滅等

の妊娠喪失を発見できないので、授

精後60日以降の再度妊娠診断を行う。

また、不妊と診断された場合、あと

数日でくる予定の発情に注意し、発

情兆候があれば再び人工授精を行い、

発情兆候がなければ獣医師に診せる

ことにする。

このように予定を組んでしまえば、

繁殖の治療がスムーズに行えるかも

しれません。

PAGに関しては、現在も研究は

進められていて、今後、双子の判定、

周産期疾病との関係などもわかって

くるかも知れません。

超音波の早期妊娠診断もPAG検

査も上手に活用して、繁殖がよりよ

く回るようにしていきましょう。

繁殖部会から

PAGをご存知ですか?

釧路中部事業センター 虹別家畜診療所診療課

獣医師 石 川  行 一

PAG検査の適期(分娩後65日で授精した例)

分娩後日数 0日 10日 20日 30日 40日 50日 60日 70日 80日 90日 100日 110日 120日 130日

授精後日数 0日 10日 20日 30日 40日 50日 60日分娩後65日で授精したと仮定

注 授精後50日から60日はPAG値が低くなるので妊娠していても不妊と診断される可能性あり

不適期(前の妊娠時のPAG残留)適期(授精後27日-50日まで)

判定保留が増える(注)

前妊娠期のPAGは消失。授精後日数不足期

PAGにて診断は可能