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PBL教育への取り組み事例 1産学協同実践教育
「プロジェクトベース設計演習」
九州産業⼤学 情報科学部 稲永 健太郎PBLシンポジウム
〜産学連携によるプロジェクト型IT教育の普及に向けて〜2011年 9⽉24⽇(⼟) 於 東京⼯科⼤学
1
「双⽅向型」産学協同実践教育2
⼤学 企業学⽣向け 2004年〜実践的演習「プロジェクトベース
設計演習」
教員向け 2006年〜「開発プロジェクト研修」教員
現役技術者向け 2005年〜「企業技術者セミナ」
(専⾨基礎教育)教員
“教員インターンシップ”
インストラクタ(現役技術者)“逆インターンシップ”
産学協同実践教育「プロジェクトベース設計演習」
3
現実の開発プロジェクトを
在学中に体験
⼤学独⾃では実現しにくい
実践的演習を産学協同で実施
就職後の業務内容を理解
授業のモチベーション向上
ソフトウェア技術者の志望者増
組込みシステム
Webアプリケーション
本演習の教育⽬標
品質・納期・コストを意識した
• プロジェクト管理・運営能⼒の修得• チームワーク・コミュニケーション・ドキュ
メントの重要性についての理解
組込みソフトウェア・Webアプリケーション開発の製品設計技術の理解・修得
4
⽬標達成のための⼿段
チームワークおよびコミュニケーション
の重要性を認識
• 少⼈数かつ各⼈に役割を割当• 会議や成果報告会でのプレゼン体験
現実のプロジェクト運営を理解
• 少⼈数のプロジェクトにより遂⾏状況全体を把握
ドキュメンテーションの重要性を理解
• 毎回の議事録、⽇報作成等のドキュメント作成
5
本演習の実施概要(2010年度)演習題材• LEGO社MindStormsを使⽤した⾃動⾞おもちゃの開発• ⽇報管理のためのWebアプリケーションの開発
授業形態• 学部3年次後期の正規授業(2単位)、計14回(計42時間)
受講⽣• 3年次⽣(+⼤学院博⼠前期課程) 約40名
講師・インストラクタ• ⼤学教員 7名、学⽣サポータ 7名• 連携企業の現役技術者のべ17名(各回約5名)
6
主な演習内容講義• 「プロジェクト管理」「プレゼンテーション」「組込み開
発」等開発演習• 作業説明 → 朝会 → 進捗ミーティング → 開発演習 → ⽇報
作成成果発表会
• 地場企業参加の「産学懇談会」
7
演習スケジュール1.演習ガイダンス/PL等役割決め/班・チー
ム名決め・発表
2.講義(組込み開発とは?/プロジェクトと
は?)
3.要件定義/作業およびレビュー
4.構想設計/開発計画/各種作業およびレ
ビュー
5〜6.基本設計/詳細設計/各種作業および
レビュー
7. 実装/各種作業およびレビュー
8. 実装/各種作業およびレビュー/中間講評
9〜10. 実装/各種作業およびレビュー
11 単体テスト/結合テスト/システムテスト/各種作業およ
びレビュー
12.検収/講義(プレゼンの仕⽅)
13.成果報告準備/最終講評
14.成果報告会/終了レビュー
8
顧客
PL
サポート
進捗報告仕様確認
技術サポート外注委託
技術サポート
案件発注
相談
上司
技術
先輩
PL
演習実施体制 9
演習⾵景10
組込みシステム開発
Webアプリ開発
演習の成果物ドキュメント系
• 要件定義書• ソフトウェア設計書(構想
/基本/詳細設計書)• テスト仕様書兼報告書(結
合/システムテスト)• 議事録 他
その他
• ソースファイル• 実⾏モジュール
11
これまでの経緯と実績年度
連携企業数
授業回数
学生数
教員数
’04 開発実施 1 8 24 1経済産業省産学協同実践的IT教育訓練支援事業
『組込みソフトウェア技術者育成実践教育プログラム』
’05 改善実施 2 14 23 1
’06 指導体制
強化2 14 30 5 経済産業省産学協同実践的IT教育訓練基盤強化事業
『「プロジェクトベース設計演習」FDプログラムの開発』
’07 改善実施 2 14 30 4
’08 高度化の
取組み2 14 33 4
H20年度九州産業大学教育改善・改革支援事業
『「プロジェクトベース設計演習」における演習テーマの強化改良』
情報処理学会情報システム教育コンテスト(ISECON)2008 「産学協同実践賞」受賞
’09改善実施
演習題材・人的体制の整備
2 14 39 6 情報処理学会情報システム教育コンテスト(ISECON)2009「サステナブル賞」受賞
’10 改善実施 2 14 39 7
12
これまでの実施体制の推移• 1社から2社連携企業数の増加
• 8回から14回(計42時間)授業時間の増加
• 24名から約40名受講学⽣数の増加
• 企業側:講師・インストラクタ約16名(各回6名程度)
• ⼤学側:FDプログラム研修を受けた専任教員3名を含め7名、学⽣サポータ7名程度
⼈的サポート体制の充実
13
これまでの演習内容の改善
演習内容の強化
• 複数班構成(1チーム2班)の体制でのプロジェクト運営
• 成果発表会に向けたプレゼン練習の強化
• 技術⾯での演習内容の⾼度化
演習題材数の増加
• 従来から⽤意された「組込みシステム開発」に「Webアプリケーション開発」を追加
14
今後の課題と対策
対策連携企業の継続的協⼒ 教育指導体制の改善
課題継続実施および受講者数増加への対応
2011年度以降、学部内コース(情報科学総合コース)の必修科⽬に採⽤
情報科学総合コース : JABEE(⽇本技術者教育認定機構)認定
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連携企業の継続的協⼒に向けて⼤学側による連携企業への教育的貢献の充実• 若⼿現役技術者に対する⾼い教育効果• “上司”役となり“部下”(“先輩”役の学⽣サポータや受講⽣)
に対する指導・教授⽅法の訓練の場を提供
現役技術者向け「企業技術者セミナ」のさらなる充実協同企業側への経済的⽀援• H23-26年度 九州産業⼤学 教育改善・改⾰⽀援事業に採択
⼤学との連携実施の意義についての相互確認• 情報技術者教育の観点で地元地域への社会貢献
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産学協同教育に対する協同企業側のビジョン
地域の活性化︵地場の独⾃性︶
有益な授業に対するモチベーションの向上(動機付け)
優秀なIT⼈材の育成
業界の発展 ⾃社の発展
実践的知識研修・OJT弛みない⾃⼰研鑽技術=知識×経験
体系⽴った基礎知識学問サイエンスエンジニアリング
⼊社前
⼊社後
•何故それを勉強しなければならないのか?•この知識は現場でどのように使われるのか?•チームでモノを作っていく難しさ、楽しさを体感
企業から与えることが可能
3K(向上⼼、研究⼼、好奇⼼)
⼈材
企業
⼤学
⼈材育成
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教育指導体制の改善に向けて 18
• 専⾨知識・技術の習得よりもプロジェクト管理の体験をより重視演習⽅針の⾒直し
• ⼈的体制の効率化・スリム化複数班への“上司役”
スタッフ配置• 過去の本演習の受講経験者を配置• ⾦銭的報酬(TA・SA)/ 単位授与も
学⽣サポータの増員
• 2班1チーム編成 から 1班1チーム へ学⽣チーム編成の
簡素化
• 演習後半から“ベテラン”として投⼊学⽣サポータの“メンバー化”
まとめ 19
産学協同実践教育「プロジェクトベース設計演習」• 在学中に現実の開発プロジェクトを体験• ⼤学独⾃では実現しにくい実践的演習を産学協同で実施
継続実施および受講者数増加への対応• JABEE認定コース必修科⽬化に伴う受講⽣増加• 連携企業の継続的協⼒• 教育指導体制の改善