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POSデータを用いた研究の周辺 平成18720佐藤忠彦 筑波大学大学院ビジネス科学研究科 於:一橋大学

POSデータを用いた研究の周辺 - Hitotsubashi University · 2011-08-02 · – 決定木,ニューラルネットワーク,c5.0 等 • 伝統的な多変量解析手法

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POSデータを用いた研究の周辺

平成18年7月20日佐藤忠彦 筑波大学大学院ビジネス科学研究科

於:一橋大学

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発表の概要

• マーケティングについて

• 小売業のデータについて

• 状態空間モデルを活用した効果的価格戦略実現のための研究の紹介

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流通環境のマクロ的な変化市場の成熟化・消費者嗜好の多様化

新商品数の増加,商品改廃の激化

小売店頭価格の下落

消費者の参照価格が下落

小商圏化,小売業の上位集中傾向

マイクロ・マーケティングの必要性が増大

FSPなどによる顧客囲い込み

価格政策・流通販促の効果の低下

価格プロモーションの悪循環構造

小売業からメーカーへの協力要請の増大

小売マーケティングを高度化し,効果的に販売活動を行うことが必要

科学的アプローチが重要

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小売業の役割の変化

業種

・もの中心

・販売代理業

・商品に愛情

・売り切り追求

業態

・ニーズ中心

・購買代理業

・消費者に愛情

・売れ筋追求

商品が戦略の中心 消費者が戦略の中心

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マーケティングと市場

<マーケティング>:Kotler, Marketing Management ME• マーケティングは社会活動のプロセスである.その中で個人やグループは,価値のある製品やサービスを作り出し,提供し,他者と自由に交換することによって,必要なものや欲するものを手に入れる

<市場>:

• 特定のニーズやウォンツを持つ潜在的顧客から成っており,彼らはニーズやウォンツを満足するために,取引をする意志と可能性を持つ

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マーケティング・サイエンスとは

• キーワードは「データ」,「論理」,「市場」,「マネジリアル」の4つ

• マーケティングにおける諸問題に対応したマネジメント・サイエンスの一部門

• データと論理に基づいて市場を捉えるための基本的考え方および具体的方法を探求するものであり,つねに意思決定者にとって有用であるというマネジリアルな視点から発想されるもの

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マーケティング・サイエンス・アプローチ

• マネジャーがいつも行っている問題発見・分析・解決のノウハウを論理的に整理して明示的なかたちに表現すること

• そのノウハウとマーケティング・サイエンスの知見を現実のデータをベースに融合していくこと

• 「仮説設定→データ収集・分析→実践→学習(仮説改訂)」というサイクルを何度となく繰り返すことにより,正確に市場をとらえるためのノウハウを明示的かつ有形な企業全体の共有資源として育てていくこと

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マーケティング・サイエンスにおけるモデル化の目的

法則(メカニズム)

制御( 適化)望ましい結果を得るためには?

予測何が起きるか?

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マーケティング・サイエンスの領域(1)

• 消費者行動– 消費者の購買行動のプロセス(問題認識,情報探索,評価,知覚,選好,購買決定),ブランド選択モデル,購買後行動

• マーケティング戦略の決定– 市場細分化,ターゲティングと戦略ポジショニング

• 製品デザイン– 製品ポジショニング,プロダクトマップ

• プライシング– 数量と価格の関係,小売価格戦略,差別的価格戦略,価格設定の心理的側面

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消費者の購買までのプロセス

来店の有無

無 有

カテゴリ生起

購買無 購買有

ブランド選択

Aブランド購買 Bブランド購買 Wブランド購買・・・・・・or or or

⎪⎩

⎪⎨

=無有

,0,1

nh,Z

⎪⎩

⎪⎨

=無有

,0,1

nh,Y

⎪⎪⎪⎪

⎪⎪⎪⎪

=

ブランド購買

ブランド購買ブランド購買

Wm

BA

,

,2,1

Μnh,X

第1階層

来店生起モデル

第2階層カテゴリ生起モデル

第3階層ブランド選択モデル

11p1

110 1 pp −=

21p2

120 1 pp −=

3Ap 3

Bp

Λ−−−= 333 1 BAW ppp

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ブランド選択モデル:ロジットモデル家計nのブランドiに対する確率的効用Uniは,

– マーケティング変数や家計属性などから成る非確率的効用Vni

– 測定誤差やその他の要因から成る確率的誤差項εni

の和で表される

Uni = Vni +εni

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代替案の集合をi=1,2,…,Iとする時,家計nがブランドiを選択する確率pniを,「ブランドiの確率的効用

が全代替案の中で 大になる」確率として定義する

pni = Pr(Uni≧ Un1, Un2 ,…, UnI)この時,確率的誤差項εniが極値分布に従うと仮定すると

1 2

1

ni ni

nj n n nI

V V

ni V V V V

j I

e epe e ee

≤ ≤

= =+ + +∑ L

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マーケティング・サイエンスの領域(2)

• 消費者コミュニケーションと広告– コミュニケーション・プロセス,広告のマネジメント・プロセス,広告効果,広告予算の決定,メディア計画,広告内容の決定

• プロモーション– プロモーション計画,プロモーション効果の測定,プロモーションのモデル

• 流通と営業– マーケティング・チャネルに関する意思決定分析,流通に関する意思決定分析,営業に関する意思決定分析

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セールスプロモーションの効果測定~データからの効果測定の考え方~

成果変数

点数PI

要因変数

売価

エンド陳列

チラシ掲載

プレミアム

売上(点数PI)の要因分解

回帰モデルにより上記関係をモデル化し、要因変数が成果変数にどの程度影響を与えるかをPOSデータ推定する!!

要因変数の成果変数への影響度合いが回帰モデルのパラメータとして獲得できる

山積み

景品付き販売

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マーケティング・サイエンスの領域(3)

• テストとコントロール

– テストマーケティング,プロダクトライフサイクル,売上予測,マーケティング・ミックス・モデル

• その他

– 顧客プロファイル分析,顧客資産,ブランド資産,ブランド力測定,無形資産のモデル化,インターネット・マーケティング

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モデルのイメージ

出力 メカニズム 入力

売上 価格 誤差

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分析で用いられる手法• 記述統計

– グラフ,相関,平均,分散,各種検定法 実験計画 等

• データマイニング的手法– 決定木,ニューラルネットワーク,C5.0 等

• 伝統的な多変量解析手法– 因子分析,主成分分析,クラスタ分析,MDS(多次元尺度構成法),数量化,回帰分析,線形判別分析 等

• 統計的なモデル– 非集計モデル(ロジット,プロビット),時系列モデル,階層ベイズモデル,共分散構造分析,サポートベクターマシン,ベイジアンネットワーク 等

先端的な手法

実務的な手法

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消費者A

消費者B

消費者C

消費者D

個人の異質性/時間的異質性

好き

好き

好き

嫌い

消費者の軸

好き

嫌い

嫌い

嫌い

普通

嫌い

好き

嫌い

普通

嫌い

嫌い

好き

時間の推移の軸

1週目 2週目 3週目 4週目

これまでのマ|ケティングの視点

これからのマーケティングの新たな視点

融合が必要!!

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分析やモデル化に用いるデータ

• 1次データ

– アンケート調査

– 実験計画

• 2次データ(特に重要)– POSデータ

– 顧客データ• 購買履歴データによる顧客データベース(フリークエント・ショッパーズ・プログラム)

• ユーザー登録による顧客データベース

• キャンペーン応募データによる顧客データベース

• 会員組織化による顧客データベース

• 課題に対応するために消費者調査などを新たに実施することによって得られるデータを1次データ

という• 別の目的によって収集され,社内外に既に存在しているデータを2次データと呼ぶ

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マーケティング情報の現状

• 属人的意思決定からデータに基づく意思決定への変化(“感”→“サイエンス”)

– 属人的意思決定は組織として脆弱

– コンピュータの進歩

– 活用可能なデータの増大

– マーケティング・サイエンスの進歩

• マーケティングにおいて有用な情報を日常的かつ継続的に収集し,整理することが今日重要になってきている

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小売業のデータに関する整理

• POSデータはGMS,SM,CVS及びDRUGな

どの小売業においては100%獲得できる

– いつ,何が,何個,いくらで売れたかについては分かる

• また,フリークエント・ショッパーズ・プログラム実施小売業の増大に伴い,POSデータの情

報に誰が買ったかという情報を付加したデータが活用可能

• コーザル系のデータの整備はこれから・・・

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POS導入店舗数

7,93011 ,71121 ,328

42 ,880

70 ,0 61

92 ,461

122 ,141

149 ,638

178 ,340

207 ,819

235 ,000

262 ,0 00

296 ,000

314 ,000

332 ,000347 ,0 00

366 ,000380 ,000

394 ,0 00

0

50,000

100,000

150,000

200,000

250,000

300,000

350,000

400,000

450,000

1986 1987 1988 1989 1990 1991 1992 1993 1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004

POS導入店舗数

出典:流通システム開発センター

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販売データ等提供機関(有料)提供機関 データ種別 業態 その他

(財)流通経済研究所POS、スキャンパネルデータ(ストアースキャン)、店頭コーザルデータ

GMS・SM、ドラッグ、コンビニ

自主収集も含めて流通システム開発センターのPOSも使用

インテージPOS、スキャンパネルデータ(ホームスキャン)、店頭コーザルデータ

GMS・SM、ドラッグ、コンビニ、ホームセンター

日本 大のデータサービス会社

㈱ウィスダ POS、FSPデータ GMS・SMIRIの日本法人だったIRJが母体となってできた組織。ASPサービス主体

㈱CSKネットワークシステムズPOS、スキャンパネルデータ(ストアースキャン)

SM、ドラッグ、コンビニ

凸版印刷㈱ POSGMS・SM、コンビニ

流通システム開発センターのPOS

日本ユニシス情報システム㈱ POSGMS・SM、コンビニ

流通システム開発センターのPOS

(財)流通システム開発センター POSGMS・SM、コンビニ

商品コードJANを統括する組織

日経メディアマーケティング㈱ POSGMS・SM、コンビニ

自主収集も含めて流通システム開発センターのPOSも使用

エーシーニールセン・コーポレーション㈱

POS、スキャンパネルデータ(ホームスキャン:東急のQPR)、店頭コーザルデータ、テレビCM出稿データ

GMS・SM

世界的なデータサービス企業。日本では苦戦。東急エージェンシと共同で業務を行っている。

カスタマー・コミュニケーションズ㈱ FSPデータ、地理情報 GMS・SM

㈱ビデオリサーチマス広告出稿データ、移動者購買スキャンデータ

ー業態によらず購買した商品全てのデータ

㈱NTTデータ 食マップ ー世帯のおかずについてデータ

(株)Tカード&マーケティング基本的にはTSUTAYAのFSPデータ(雑誌)

TSUTAYA 雑誌に購買に関するデータ

その他小売業が無償で提供するケースもある.ただし,メーカー及び卸売業に限る

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点数PIと売価の系列(POSデータ)兵庫1

0100200300400500600700800900

1000110012001300

19950807

19950904

19951002

19951030

19951127

19951225

19960122

19960219

19960318

19960415

19960513

19960610

19960708

19960805

19960902

19960930

19961028

19961125

19961223

19970120

19970217

19970317

19970414

19970512

19970609

19970707

19970804

19970901

19970929

19971027

19971124

19971222

19980119

19980216

19980316

19980413

19980511

19980608

点数PI

0102030405060

売価

CN(売価) CN(点数PI)

東京

0100200300400500600700800900

1000110012001300

19950807

19950904

19951002

19951030

19951127

19951225

19960122

19960219

19960318

19960415

19960513

19960610

19960708

19960805

19960902

19960930

19961028

19961125

19961223

19970120

19970217

19970317

19970414

19970512

19970609

19970707

19970804

19970901

19970929

19971027

19971124

19971222

19980119

19980216

19980316

19980413

19980511

19980608

点数PI

0

5

10

15

20

売価

DY(売価) DY(点数PI)

神奈川

0100200300400500600700800900

1000110012001300

19950807

19950904

19951002

19951030

19951127

19951225

19960122

19960219

19960318

19960415

19960513

19960610

19960708

19960805

19960902

19960930

19961028

19961125

19961223

19970120

19970217

19970317

19970414

19970512

19970609

19970707

19970804

19970901

19970929

19971027

19971124

19971222

19980119

19980216

19980316

19980413

19980511

19980608

点数PI

0

1020

3040

50

売価

JK(売価) JK(点数PI)

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兵庫1

0 .0% 2 .0%11 .3 %

26 .5 %21 .9 %11 .9%14 .6%11 .9 %

0 .0%0.0%

10.0%20.0%30.0%40.0%50.0%60.0%

598円未満

698円未満

798円未満

898円未満

998円未満

1098円未満

1198円未満

1248円未満

1248円

兵庫2

0 .0% 1 .3%12 .6 %

23 .8 %16 .6%

2 .6%

21 .9 %21 .2%

0 .0 %0.0%

10.0%20.0%30.0%40.0%50.0%60.0%

598円未

698円未

798円未

898円未

998円未

1098円未

1198円未

1248円未

1248円

東京

0 .7% 0 .7%6 .6%

22 .5 %11 .3%

19 .9%19 .2%

0 .7 %

18 .5%

0.0%10.0%20.0%30.0%40.0%50.0%60.0%

598円未満

698円未満

798円未満

898円未満

998円未満

1098円未満

1198円未満

1248円未満

1248円

滋賀

1 .3% 4 .0% 6 .6% 4 .6 %17 .9 %

6 .6%

37 .7%

0 .0 %

21 .2%

0.0%10.0%20.0%30.0%40.0%50.0%60.0%

598円未

698円未

798円未

898円未

998円未

1098円未

1198円未

1248円未

1248円

広島

0 .7% 2 .0%

17 .2 %17 .2 %

48 .3%

14 .6 %

0 .0 % 0 .0% 0 .0 %0.0%

10.0%20.0%30.0%40.0%50.0%60.0%

598円未満

698円未満

798円未満

898円未満

998円未満

1098円未満

1198円未満

1248円未満

1248円

京都

0 .0%10 .6%

26 .5 %31 .8 %20 .5%

10 .6%0 .0% 0 .0 % 0 .0%

0.0%10.0%20.0%30.0%40.0%50.0%60.0%

598円

未満

698円

未満

798円

未満

898円

未満

998円

未満

1098円

未満

1198円

未満

1248円

未満

1248円

神奈川

0 .0% 2 .0%13 .2 %

29 .1 %28 .5 %27 .2%

0 .0% 0 .0 % 0 .0%0.0%

10.0%20.0%30.0%40.0%50.0%60.0%

598円未満

698円未満

798円未満

898円未満

998円未満

1098円未満

1198円未満

1248円未満

1248円

茨城1

0 .0% 0 .7% 0 .7% 2 .6 %

23 .2%

9 .9%

25 .8 %

0 .0%

37 .1 %

0.0%10.0%20.0%30.0%40.0%50.0%60.0%

598円

未満

698円

未満

798円

未満

898円

未満

998円

未満

1098円

未満

1198円

未満

1248円

未満

1248円

茨城2

0 .0% 0 .7 % 0 .7% 2 .6%

15 .2 %6 .6%

32 .5 %

0 .0%

41 .7 %

0.0%10.0%20.0%30.0%40.0%50.0%60.0%

598円未満

698円未満

798円未満

898円未満

998円未満

1098円未満

1198円未満

1248円未満

1248円

価格帯別週数比率(店別)

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累積販売点数比率(店別)兵庫1

0.0% 2 .0 %

13 .2%

39 .7%

61 .6%

73 .5%

88 .1%

100 .0%100 .0%

0 .0 %

11 .8%

49 .9%

84 .6%93 .9%

98 .2% 99 .2% 100 .0%100 .0%

0.0%10.0%20.0%30.0%40.0%50.0%60.0%70.0%80.0%90.0%

100.0%

598円

未満

698円

未満

798円

未満

898円

未満

998円

未満

1098円

未満

1198円

未満

1248円

未満

124

8円累積週数比率(CN) 累積販売点数比率(CN)

滋賀

1.3% 5 .3 %11 .9%

16 .6%

34 .4%41 .1%

78 .8% 78 .8%

100 .0%

6 .9 %

30 .7%

61 .2%69 .8%

86 .9% 90 .4%95 .5% 95 .5%

100 .0%

0.0%10.0%20.0%30.0%40.0%50.0%60.0%70.0%80.0%90.0%

100.0%

598円

未満

698円

未満

798円

未満

898円

未満

998円

未満

1098

円未

1198

円未

1248

円未

1248

累積週数比率(HS) 累積販売点数比率(HS)

神奈川

0.0% 2 .0 %

15 .2%

44 .4%

72 .8%

100 .0%100 .0%100 .0%100 .0%

0 .0 %

12 .0%

41 .8%

74 .8%

91 .2%100 .0%100 .0%100 .0%100 .0%

0.0%10.0%20.0%30.0%40.0%50.0%60.0%70.0%80.0%90.0%

100.0%

598円

未満

698円

未満

798円

未満

898円

未満

998円

未満

1098円

未満

1198円

未満

1248円

未満

124

8円

累積週数比率(JK) 累積販売点数比率(JK)

兵庫2

0 .0 % 1 .3%

13 .9 %

37 .7%

54 .3% 57 .0 %

78 .8%

100 .0%100 .0%

0 .0 % 3 .0%

47 .0 %

81 .3%90 .5% 91 .1 %

96 .3% 100 .0%100 .0%

0.0%

10.0%

20.0%30.0%

40.0%

50.0%

60.0%

70.0%80.0%

90.0%

100.0%

598円未

698円未

798円未

898円未

998円未

1098円未

1198円未

1248円未

1248円

累積週数比率(CR) 累積販売点数比率(CR)

広島

0.7% 2 .6%

19 .9 %

37 .1%

85 .4%

100 .0%100 .0%100 .0%100 .0%

15 .3%21 .8%

52 .6 %

68 .6%

94 .7%100 .0%100 .0%100 .0%100 .0%

0.0%

10.0%

20.0%30.0%

40.0%

50.0%

60.0%

70.0%80.0%

90.0%

100.0%

598円

未満

698円

未満

798円

未満

898円

未満

998円

未満

1098円

未満

1198円

未満

1248円

未満

1248円

累積週数比率(IG) 累積販売点数比率(IG)

茨城1

0 .0% 0 .7% 1 .3% 4 .0%

27 .2%

37 .1 %

62 .9% 62 .9%

100 .0%

0 .0 %7 .2% 9 .7%

18 .4%

67 .1%

77 .2 %

87 .5% 87 .5%

100 .0%

0.0%

10.0%

20.0%30.0%

40.0%

50.0%

60.0%

70.0%80.0%

90.0%

100.0%

598円未満

698円未満

798円未満

898円未満

998円未満

1098円未満

1198円未満

1248円未満

1248円

累積週数比率(KN) 累積販売点数比率(KN)

東京

0.7% 1 .3%7 .9%

30 .5%

41 .7%

61 .6 %

80 .8% 81 .5%

100 .0%

5 .6% 7 .0%

21 .4%

56 .0%

66 .4%

85 .7 %93 .2% 93 .4%

100 .0%

0.0%

10.0%

20.0%

30.0%

40.0%50.0%

60.0%

70.0%

80.0%

90.0%

100.0%

598円未満

698円未満

798円未満

898円未満

998円未満

1098円未満

1198円未満

1248円未満

1248円

累積週数比率(DY) 累積販売点数比率(DY)

京都

0.0%

10 .6%

37 .1%

68 .9%

89 .4%

100 .0%100 .0%100 .0%100 .0%

0 .0%

39 .2%

72 .8%

93 .0%98 .2% 100 .0%100 .0%100 .0%100 .0%

0.0%

10.0%

20.0%

30.0%

40.0%50.0%

60.0%

70.0%

80.0%

90.0%

100.0%

598円未満

698円未満

798円未満

898円未満

998円未満

1098円未満

1198円未満

1248円未満

1248円

累積週数比率(JI) 累積販売点数比率(JI)

茨城2

0 .0% 0 .7% 1 .3% 4 .0%

19 .2%25 .8 %

58 .3% 58 .3%

100 .0%

0 .0% 1 .8% 3 .0%

15 .6%

42 .2%51 .3 %

78 .8% 78 .8%

100 .0%

0.0%

10.0%

20.0%

30.0%

40.0%50.0%

60.0%

70.0%

80.0%

90.0%

100.0%

598円未満

698円未満

798円未満

898円未満

998円未満

1098円未満

1198円未満

1248円未満

1248円

累積週数比率(KT) 累積販売点数比率(KT)

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価格弾力性推定結果( ) ( ) ( )2,0~,loglog σεεα NC nnn ++= 売価点数 nPI

店舗 定数項 価格弾力性 修正決定係数兵庫1 53.0381 -7.6740 0.69兵庫2 37.5815 -5.4343 0.65東京 24.3339 -3.4729 0.60滋賀 45.0059 -6.5812 0.65広島 36.9774 -5.3027 0.60京都 47.3750 -6.8327 0.65神奈川 40.9428 -5.9029 0.51茨城1 30.4673 -4.5928 0.36茨城2 25.8047 -3.9262 0.32

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ここからの知見

• 店舗によって価格政策は異なる– 地域の競合状況

– チェーンの施策

– メーカーとの関係 等

• 店舗によって消費者の価格反応は異なる– 消費者の価格反応は店舗の価格施策に影響され形成される

– 売上→価格の因果は通常考えないが実はあるかもしれない(売れないから価格を下げる・・・)

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100

120

140

160

180

200

220

240

260

280

300

19970102

19970305

19970505

19970711

19970913

19971117

19980117

19980320

19980522

19980722

19980924

19981127

19990128

19990331

19990603

19990803

19991005

19991207

20000207

20000411

20000614

20000814

20001015

20001216

20010215

20010416

20010615

20010813

20011012

20011211

20020208

20020409

20020607

20020806

20021005

20021203

20030131

20030331

20030529

20030727

キッコーマン濃い口マンパック1L ヤマサ醤油1L キッコーマン購買 ヤマサ購買

醤油の例(ID付きPOSデータ)

•この2商品を買いまわっている消費者の購買履歴

•売価の系列はPOSデータより獲得

•購買のデータは同一の店舗の消費者から得られたデータより獲得

•このようなデータを用いて解析することがマーケティングでは多い

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データ取得に関する問題点

• データを購入できる機関が限定的である

– 無償で提供してくれるところがあるか・・・

• 小商圏化の影響により,地域によって状況が大きく異なる

– マーケティングではマイクロ・マーケティングと呼ばれる活動が脚光あびている(個人,あるいは個店,あるいは特定地域などに特化した活動)

– データをマクロ的観点から分析するには,願わくば,同一地域で複数のお店のデータ,かつそのようなグループをなるべく数多く取得したい

• 小売業によって品揃え,価格施策が異なる

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状態空間モデルを活用した効果的価格戦略実現のための研究

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日本における消費財市場の現状• 値引率の上昇傾向

– 消費者の価格への反応はどのように変化しているか?

• 小売業の価格戦略の転換 (Hi-Lo→EDLP)– 消費者の需要構造はどのように変化しているか?

– 小売業はどのような価格戦略を採用すべきか?

• SM・GMSでの需要量の減少傾向

– どうすれば売れるようにできるのか?

• ブランド資産の低下

– 利益のだせるブランドへはどうすれば育成できるか?

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本研究は,個々の店舗レベルで効果的な店頭価格戦略を実現するための示唆を獲得することを目的として行っている.

具体的には,

•POSデータを用いた状態空間モデルの構築

•数値実験による価格戦略の評価

を行う.

研究の目的

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分析データ例(時系列)

インスタントコーヒー 1

0

2

4

6

8

10

12

14

16

18

19960408

19960610

19960812

19961014

19961216

19970217

19970421

19970623

19970825

19971027

19971229

19980302

19980504

19980706

19980907

19981109

19990111

19990315

19990517

19990719

19990920

19991122

20000124

20000327

20000529

20000731

20001002

20001204

20010205

20010409

20010611

20010813

20011015

点数PI

0100200300400500600700800900100011001200130014001500

売価

点数PI 売価 エンド実施の有無

・売価が下がったときに売上が伸びる

・エンドが実施された時に売上が伸びる

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分析データ例(散布図)インスタントコーヒー 1

0

2

4

6

8

10

12

14

16

18

500 600 700 800 900 1000 1100 1200 1300 1400 1500

売価

点数PI

エンド非実施 エンド実施

・エンド非実施時:

売価が高い

点数PIが低い

・エンド実施時:

売価が安い

点数PIが高い

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プロスペクト理論(概念図)

利得

価値

==

参照点

(参照価格)

・Gain Regime・利得が正・参照価格より実際の価格が安い

・Loss Regime・利得が負・参照価格より実際の価格が高い

通常は個人レベルで議論されており,その先行研究は膨大

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( )

( )2

2211

3

2

1

0

0

100

0100

100

σε

βαβα

−=

⎪⎩

⎪⎨⎧

>−

=

⎪⎩

⎪⎨⎧

>−

=

,~:,,,

::

:,::::

,

,

,

,

:

N

ARpt

nEnRPnAP

RPAPZ

APRPAPRPZ

RPAPRPAPZ

ny

n

nnnn

n

n

n

n

n

nnn

nnnn

n

nnnn

n

n

時変パラメータ

す潜在変数短期的な循環変動を示成分定常

す潜在変数長期的な変動傾向を示トレンド成分

非実施実施有無週のエンド陳列実施の第

格週の店舗レベル参照価第

週の売価第

その他

の時

その他

の時

週の点数第

1

0

PI変数の説明

Loss Regime

Gain Regime

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モデル化のための仮定

• 売上は,当該週の売価と店舗レベル参照価格の差によって規定される

• 当該週の売価と店舗レベルの差が正の場合と負の場合で,売上に与える影響度合いが異なる

• それらの効果は時間とともに滑らかに変化する

• またそれらの効果はエンドの実施の有無で増減する

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( ) ( ) ( )

( ) ( )

( ) ( ) ( ) nnnnnnnn

nnnnnnnn

nnnnnnnnnnnn

APEpty

ZEpty

ZEZEpty

ε+β+α++=

ε+β+α++=

ε+β+α+β+α++=

loglog

log

log

11

311

222111

参照価格非考慮モデル

対称モデル

非対称モデル

検討観測モデル

•非対称モデル:

参照価格を基準として,売価と参照価格の差が正の場合と負の場合でその影響が異なると仮定したモデル

•対称モデル:

参照価格を基準として,売価と参照価格の差が正の場合と負の場合でその影響が同じであると仮定したモデル

•参照価格非考慮モデル:

参照価格を考慮しないモデル

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店舗レベル参照価格と価格変数の定義

• ここでは下記に示すような3つの変数を,店舗レベル参照価格として検討した

( ){ } ( ){ }の有無は前週の特別陳列実施とする.ただし 1

1111

111

1

1011 11

−−−−−

<<

+−+−= −−

n

Enn

Ennn

EbabRPAPbaRPAPaRP nn

,,

( )とする.ただし 10

1 211

2

<<

+−= −−

aaRPAPaRP nnn

,

週の販売点数とするは第ただし iunit

unit

APunitRP

j

n

jj

i

n

ii

n

,

∑−

=

=

×

= 1

1

1

13

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検討モデルの種類

• 本研究では,観測モデルのタイプと店舗レベル参照価格のタイプの組合せで下記に示す7つのモデルを比較・検討した

RP1 RP2 RP3 無非対称 1 2 3 -対象 4 5 6 -参照価格無 - - - 7

モデルのタイプ店舗レベル参照価格のタイプ

RP1 RP2 RP3 無非対称 10 9 8 -対象 8 7 6 -参照価格無 - - - 6

モデルのタイプ店舗レベル参照価格のタイプ

モデルID

モデルパラメータ数

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モデル比較(AIC)インスタント・コーヒー1 インスタント・コーヒー2

醤油1 醤油2

インスタント・カレー烏龍茶

サラダ油・天ぷら油

RP1 RP2 RP3 無非対称 538.45 536.48 564.00 -対称 581.10 579.19 619.33 -参照価格無 - - - 709.08

店舗レベル参照価格のタイプモデルのタイプ RP1 RP2 RP3 無

非対称 470.15 468.15 475.71 -対称 515.15 513.15 539.42 -参照価格無 - - - 666.99

店舗レベル参照価格のタイプモデルのタイプ

RP1 RP2 RP3 無非対称 440.36 446.70 438.08 -対称 453.66 468.97 472.75 -参照価格無 - - - 592.93

店舗レベル参照価格のタイプモデルのタイプ RP1 RP2 RP3 無

非対称 480.76 479.68 509.04 -対称 505.72 505.78 526.50 -参照価格無 - - - 507.15

店舗レベル参照価格のタイプモデルのタイプ

RP1 RP2 RP3 無非対称 419.67 418.02 520.65 -対称 445.90 445.67 528.08 -参照価格無 - - - 611.06

店舗レベル参照価格のタイプモデルのタイプ RP1 RP2 RP3 無

非対称 349.75 355.12 326.00 -対称 355.77 364.42 337.05 -参照価格無 - - - 458.06

モデルのタイプ店舗レベル参照価格のタイプ

RP1 RP2 RP3 無非対称 188.36 196.17 196.52 -対称 194.86 201.41 196.40 -参照価格無 - - - 258.00

モデルのタイプ店舗レベル参照価格のタイプ

・いずれの商品でも,店舗レベル参照価格を考慮したモデルが採択される

・また,売価と店舗レベルの差が正の場合と負の場合でその影響度合いが異なると仮定したモデルが全ての商品で採択されている

・店舗レベル参照価格の生成メカニズムは,商品毎に異なっている

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インスタントコーヒー1インスタントコーヒー 1

0

2

4

6

8

10

12

14

16

18

500 600 700 800 900 1000 1100 1200 1300 1400 1500

売価

点数

PI

エンド非実施 エンド実施

インスタントコーヒー 1

0

2

4

6

8

10

12

14

16

18

19960408

19960610

19960812

19961014

19961216

19970217

19970421

19970623

19970825

19971027

19971229

19980302

19980504

19980706

19980907

19981109

19990111

19990315

19990517

19990719

19990920

19991122

20000124

20000327

20000529

20000731

20001002

20001204

20010205

20010409

20010611

20010813

20011015

点数PI

0100200300400500600700800900100011001200130014001500

売価

点数PI 売価 エンド実施の有無

インスタント・コーヒー1

0

200

400

600

800

1000

1200

1400

1600

1996

0408

1996

0624

1996

0909

1996

1125

1997

0210

1997

0428

1997

0714

1997

0929

1997

1215

1998

0302

1998

0518

1998

0803

1998

1019

1999

0104

1999

0322

1999

0607

1999

0823

1999

1108

2000

0124

2000

0410

2000

0626

2000

0911

2000

1127

2001

0212

2001

0430

2001

0716

2001

1001

売価

&店

舗レベル参

照価

売価 店舗レベル参照価格

112 950050 −− ⋅+⋅= nnn RPAPRP ..

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時系列の分解(インスタントコーヒー1)

tn+pn(インスタント・コーヒー1)

-4-3

-2-1

01

23

4

19960408

19960729

19961118

19970310

19970630

19971020

19980209

19980601

19980921

19990111

19990503

19990823

19991213

20000403

20000724

20001113

20010305

20010625

20011015

回帰成分(インスタント・コーヒー1)

-4-3

-2-1

01

23

4

19960408

19960729

19961118

19970310

19970630

19971020

19980209

19980601

19980921

19990111

19990503

19990823

19991213

20000403

20000724

20001113

20010305

20010625

20011015

誤差(インスタント・コーヒー1)

-4

-3-2

-10

1

23

4

19960408

19960729

19961118

19970310

19970630

19971020

19980209

19980601

19980921

19990111

19990503

19990823

19991213

20000403

20000724

20001113

20010305

20010625

20011015

Log(点数PI)(観測値:インスタント・コーヒー1)

-4-3

-2-1

01

23

4

19960408

19960729

19961118

19970310

19970630

19971020

19980209

19980601

19980921

19990111

19990503

19990823

19991213

20000403

20000724

20001113

20010305

20010625

20011015

トレンド+定常AR成分低下

Loss RegimeGain Regime

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インスタントコーヒー1(時変係数:平滑化)価格効果(インスタントコーヒー1)

-0.6

-0.4

-0.2

0

0.2

0.4

0.6

0.8

19960408

19960527

19960715

19960902

19961021

19961209

19970127

19970317

19970505

19970623

19970811

19970929

19971117

19980105

19980223

19980413

19980601

19980720

19980907

19981026

19981214

19990201

19990322

19990510

19990628

19990816

19991004

19991122

20000110

20000228

20000417

20000605

20000724

20000911

20001030

20001218

20010205

20010326

20010514

20010702

20010820

20011008

20011126

Loss(エンド非実施) Loss(エンド実施) Gain(エンド非実施) Gain(エンド実施) エンド

■エンドでの値引き(αn2+βn

2)

▲定番での値引き(αn2)

●比較的高価格でのエンド実施(αn1+βn

1)

●定番販売(αn1)

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取引の構造

メーカー 卸売業 小売業

生産者価格メーカー希望卸売価格

メーカー希望小売価格

メーカー希望小売価格の~割引きで売りたい.故に納価は~円にしてくれ.

小売の要請で納価を下げたので,その分リベートで補填してくれ.

メーカーはリベートを抑制する価格戦略の実現が必要•価格差を現況よりも小さくしたHi-Lo型•EDLP•EDMP

リベートにより利益が圧迫される.

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メーカーの粗利益算定法(例)生産者価格

メーカー希望卸売り価格

メーカー希望小売価格

円x円x7500.円x7130.円1478円1109円1054

25%5%

30%引きで売って,粗利を20%とりたいから納価を下げてくれ.

円828-

円281− リベートで補填

例えばこの額をメーカーと小売業で折半するなどする

( )( ) ( ) ( ) ( ){ }1個当たり補填額負担率生産者価格販売個数

メーカーの純売上

×−

=

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売上増大のための効果的店頭価格実現の方向性

① 参照価格を低下させない価格戦略をとる– 過度な値引きをせずともAP-RPを負で大きくで

きる

– すなわち,高い価格でもある程度売上が獲得し易くなる

② 店頭価格を低く設定する– コストを抑え,低価格を実現することで,AP-RP

を負で大きくできる

– しかし,RPもそれに伴って低いレベルに推移する

現実的には,①の戦略を指向することが肝要である

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設定したシナリオ

•シナリオ1は,現況通りの価格戦略を採用しつづけた場合を想定

•シナリオ2は,中間的な価格で価格差をつけない価格戦略を採用した場合を想定

•シナリオ3は,比較的低い価格設定の価格戦略を採用した場合を想定

•シナリオ4は,シナリオ3より 低売価と 高売価の差が小さい場合を想定

この設定はあくまでも例であり,自社の問題に実際に適応させるためには,この設定を変更することが必要である

低売価

大売価

低売価

大売価

1 現況通り 0.80 1,098 1,478 998 1,198 983 1,035 1,4782 EDMP 0.45 998 1,098 998 1,098 866 911 1,0983 EDLP1 0.40 798 898 798 898 768 808 8984 EDLP2 0.40 798 848 798 848 741 780 848

シナリオNO

価格戦略値引き額のメーカー側の

補填率

非エンド時 エンド時生産者価格

メーカー希望卸売価格

メーカー希望小売価格

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各シナリオ下での店舗レベル参照価格の推移現況通り

0

100

200

300400

500

600

700

800

900

1000

11001200

1300

1400

1500

2000

1225

2001

0129

2001

0305

2001

0409

2001

0514

2001

0618

2001

0723

2001

0827

2001

1001

2001

1105 2 7 12 17 22 27 32 37 42 47 52 57 62 67 72 77 82 87 92 97 102

EDMP

0

100

200

300400

500

600

700

800

900

1000

11001200

1300

1400

1500

2000

1225

2001

0129

2001

0305

2001

0409

2001

0514

2001

0618

2001

0723

2001

0827

2001

1001

2001

1105 2 7 12 17 22 27 32 37 42 47 52 57 62 67 72 77 82 87 92 97 102

EDLP1

0

100

200

300

400

500

600

700

800

900

1000

1100

1200

1300

1400

1500

2000

1225

2001

0129

2001

0305

2001

0409

2001

0514

2001

0618

2001

0723

2001

0827

2001

1001

2001

1105 2 7 12 17 22 27 32 37 42 47 52 57 62 67 72 77 82 87 92 97 102

EDLP2

0

100

200

300

400

500

600

700

800

900

1000

1100

1200

1300

1400

1500

2000

1225

2001

0129

2001

0305

2001

0409

2001

0514

2001

0618

2001

0723

2001

0827

2001

1001

2001

1105 2 7 12 17 22 27 32 37 42 47 52 57 62 67 72 77 82 87 92 97 102

現況

シミュレーション期間現況 シミュレーション期間

シミュレーション期間 シミュレーション期間

現況

現況

横這い若干低下

低下 低下

•店舗レベル参照価格の観点からは,現況通りの価格戦略を採った場合は横這い,EDMPを採用した場合は若干低下,EDLPを採用した場合は大きく低下する

•前述したように,消費者は当期の価格と参照価格の差により購買する傾向が強いため,EDLPを採用した場合は中

長期的にみると,困難な事態を招く可能性がある

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各シナリオ下での平均販売点数平均週販(エンド非実施)

0

10

20

30

40

50

60

13週

目ま

26週

目ま

39週

目ま

52週

目ま

65週

目ま

78週

目ま

91週

目ま

104週

目ま

現況通り EDMP EDLP1 EDLP2

平均週販(エンド実施)

0

10

20

30

40

50

60

13週

目ま

26週

目ま

39週

目ま

52週

目ま

65週

目ま

78週

目ま

91週

目ま

104週

目ま

現況通り EDMP EDLP1 EDLP2

・現況通りの価格戦略を採用しつづけた場合の販売点数の推移が も低い

・その他の価格戦略は差が小さい

・価格戦略変更当初はEDLP型の価格戦略は売上が増大するが,その後EDMP型の価格戦略と同程度まで低下する

・現況通りの価格戦略をとりつづけた場合の販売点数のレベルが も高いレベルにある

エンド非実施時

エンド実施時

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各シナリオ下での平均週当たりメーカー純売上メーカー純売上(売上-販促費)(シミュレーション結果の平均)

0

5,000

10,000

15,000

20,000

25,000

13週目まで 26週目まで 39週目まで 52週目まで 65週目まで 78週目まで 91週目まで 104週目まで

現況通り EDMP EDLP1 EDLP2

•本シナリオの設定においては,価格戦略変更半年までは,EDLP型の価格戦略が利益を増大させる可能性がある

•しかし,その後は現況通りかあるいはEDMP型の価格戦略の方が,利益を向上させえることが示唆されている

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本数値実験からの知見• EDLP型の価格戦略は導入当初は売上・利益とも出しやす

い– しかし,中長期的にみると,参照価格の低下に伴い,売上が伸びなくなる可

能性が高い

• 一方EDMP型及び現況型の価格戦略は導入当初こそ,EDLP型の戦略に売上・利益とも劣るが,参照価格がそれほ

ど低下しないため,中長期的には売上が出しやすい– しかし,現況通りの価格戦略をとり続ける限りにおいては,販促費問題を解

決できない

本シミュレーションの結果からは,EDMP型の価格戦略に変更し

ていくことが望ましいことが示唆される

•設定が変われば,本結論は変わる可能性はあるが,このフレームで考えれば,より現実に即したように将来の戦略変更を評価できる.このことが重要.

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まとめ

• マーケティングについて

• 小売業のデータについて

• 状態空間モデルを活用した効果的価格戦略実現のための研究の紹介

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Thank you!佐藤忠彦: 筑波大学大学院ビジネス科学研究科

Contact: [email protected]

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参考:状態空間モデルを活用した効果的価格戦略実現のための研究

のモデル

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状態空間モデル

[ ]( )

[ ]( )RNwwxHy

QNvGvFxx

nnnnn

nnnn

,~,

,~,

0

01

+=

+= −

観測モデル

システムモデル

•観測モデル:

時系列ynが観測される仕組みを表現するモデルであり,xnは

その回帰係数.•システムモデル:回帰係数xnの時間的な変化の様子を表現するモデル

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システムモデル(非対称モデルのケース)

( )( )

( )( )( )( )2

6662

12

25

5521

2

24

4411

1

23

3311

1

22

221211

21

111

0

0

0

0

0

0

τ+β=β

τ+α=α

τ+β=β

τ+α=α

τ++=

τ+=

−−

,~,,~,,~,,~,

,~,,~,

NvvNvvNvvNvv

NvvpapapNvvtt

nnnn

nnnn

nnnn

nnnn

nnnnn

nnnn

平滑化事前分布の導入

•平滑化事前分布を導入することにより,回帰係数の時間変化を実現できる

•ベイズ統計の言葉で言えばt,p,α,βはPriorということになる

•システムノイズの分散τはhyper Parameterになる

•本モデルのフレームではτは 尤法により推定される(Empirical Bayes)

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状態空間表現(非対称モデルのケース)

( )

⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟

⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜

ττ

ττ

ττ

=

⎥⎥⎥⎥⎥⎥⎥⎥

⎢⎢⎢⎢⎢⎢⎢⎢

⎥⎥⎥⎥⎥⎥⎥⎥⎥

⎢⎢⎢⎢⎢⎢⎢⎢⎢

+

⎥⎥⎥⎥⎥⎥⎥⎥⎥

⎢⎢⎢⎢⎢⎢⎢⎢⎢

βαβα

⎥⎥⎥⎥⎥⎥⎥⎥⎥

⎢⎢⎢⎢⎢⎢⎢⎢⎢

=

⎥⎥⎥⎥⎥⎥⎥⎥⎥

⎢⎢⎢⎢⎢⎢⎢⎢⎢

βαβα

⋅+⋅=

26

25

24

23

22

21

6

5

4

3

2

1

21

21

11

11

2

1

1

21

2

2

1

11

000000000000000000000000000000

100000010000001000000100000000000010000001

10000000100000001000000010000000010000000000001

0

Q

vvvvvv

ppt

aappt

QN

n

n

n

n

n

n

n

n

n

n

n

n

n

n

n

n

n

n

n

n

,

,~, nn1nn vvGxFx

( )[ ]2211

2

011

0

nnnnnn

nnn

ZEZZEZNy

⋅⋅=

σεε+=

n

nn

H

xH ,~,

<システムモデル>:

<観測モデル>:

<未知パラメータ>:

{ }26

25

24

23

22

2121 ττττττ= ,,,,,,,,, aabaθ

モデルパラメータの推定は,a,bはグリッド

サーチ,その他のパラメータは数値的 適化により,入れ子型の形で同時に推定する

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Kalman Filter/固定区間平滑化

tt1n|1n1nn|

1n|1n1nn|

GQGFFVV

Fxx

+=

=

−−−

−−−

<一期先予測>:

<フィルタ>:

<固定区間平滑化>:

( )( )

( ) 1nn|nnnn|

1nn|nnn1nn|nn|

1tn1nn|n

tn1nn|n

VHKIV

xHyKxx

RHVHHVK

−−

−−−

−=

−+=

+=

( )( ) t

nn|1nN|1nnnn|Nn|

n|1nN|1nnnn|Nn|

1n|1n

tnn|n

AVVAVV

xxAxx

VFVA

++

++

−+

−+=

−+=

=

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数値実験の手順

• いくつかの価格変化のシナリオ設定し,上記に示す手順でシミュレーションを行う

• 各設定50ケースづつ系列を発生させる

• 参照価格の推移,売上,粗利益から各シナリオを比較する

エンド実施の有無の発生

各シナリオ下での価格の発生

Zn1とZn2の規定

tn, pn, αn, βn, γnの一期先予測

観測ノイズの発生点数PIの規定