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2013/12/5 1
2013/12/5 2
–磁気が物質を介して光に影響する。
– ファラデー効果・磁気カー効果など。例)光アイソレータ、光磁気ディスク(MO)読出し等
–光が物質の磁気的性質に影響する。
–光の与える熱によるものとフォトン自体によるものがある。例)光磁気ディスク書き込み等
2013/12/5 3 [1] C. D. Stanciu et al: Phys. Rev. Lett., 99 (2007) 047601
フォトンによる磁化反転[1] 円偏光のもつ角運動量が電子のスピンに影響
左右の円偏光で 0/1を書き込む
M
E
ファラデー効果
直線偏光
しかし、ファラデー効果では
行き:右回り⇒帰り:左回り
変化は磁化方向に依存し、光の進行方向に対し
て非相反となる
⇒磁気光学効果の特徴的なところ
k
Michael Faraday (1791– 1867) 電磁気学でおなじみのあのファラデー
光の相反性(行きと帰りの光は同じ経路を辿る)
行き:右回り⇒帰り:右回り
とならなければならない
磁気光学活性物質
(磁性体)
2013/12/5 4
M
E
磁気光学活性物質
(磁性体)
直線偏光
k 光を一方通行にするデバイス
(電気回路のダイオードに相当)
45° 回転するよう設計
45°
通さない!
偏光子
偏光子
2013/12/5 5
ファラデー効果を利用した“光アイソレータ”
半導体レーザ
2013/12/5 6
Electronic circuit
LD
AWG Optical
demultiplexer
Electronic circuit
PD
Coupl.
LD
Fiber Amplifier
Optical Transmitter
: Isolator
光通信におけるアイソレータの役割
Fiber
E/O
Fiber
光通信網からの反射光が半導体レーザ、光増幅器に入る
⇒不要な共振、波形の歪み⇒ノイズ ∴戻り光をカットするアイソレータが必要不可欠
光の進行方向
長さ
1.5mm
幅 2.5mm
磁石
ファラデー
回転子
偏光子
並木精密宝石(現アダマンド工業)より
磁石
偏光子
磁場
高い消光比>50dB、低い挿入損失
M
E
横磁気カー効果を利用した集積型光アイソレータ
p偏光
k
横磁気カー効果
光の進行方向に直角に磁化
反射率・位相(複素反射率)が磁化方向に対して非相反変化
偏光回転しない。p偏光のみで生じる
進行方向に対して光強度・位相を変えられるので光アイソレータに利用
※光の進行方向と直角に磁化
[2] H. Shimizu et al.: Jpn. J. Appl. Phys. 43 (2004) 1561 [3] Y. Sobu et al: Opt. Express 21 (2013) 15373
集積型光アイソレータ[2,3]
強磁性金属層
後進光
高反射率 低反射率
前進光
磁化
進行方向によって反射強度が変化 マッハツェンダー型
各腕の位相が変化
2013/12/5 7
交換相互作用のためスピンに偏り
↓スピンと↑スピンの励起エネルギーが分裂し、左右の円偏光が選択性をもつ。 ⇒左右の円偏光が異なる分極を生じる=異なる誘電率を感じる。
基底準位
励起準位
磁化なし
ii
11
2
1
0
1
直線偏光も左右の円偏光の重ね合わせなので、左右で異なる誘電率を受けると回転・楕円化する。
+𝜎 −𝜎
円偏光 角運動量を与える
L=0
L=1
磁性体の電子のエネルギー準位
磁化あり
電子の軌道運動がスピン磁気モーメントと影響する作用(スピン軌道相互作用)
右回り遷移と左回り遷移のエネルギーが分裂
同じ励起エネルギー
左右の円偏光が異なる光学遷移を持つ =左右の円偏光が異なる誘電率を感じる
分極 =上の軌道に混じること
2013/12/5 8
zxEE ˆˆ220
2
22
xxxxz
xneffxzxx
xx
xz
xxxneff
n
nn
nn
xxxz
yy
xzxx
r M
0
00
0~
M
effx
rr
nnc
izyx
c
,0,,,
~2
2
EEE
波動方程式
固有値方程式
・・・・・
x
yz
この時の誘電率テンソル
p偏光(TMモード): ・進行方向によって値が変わる。 ・反射体にこの式を使うと横カー効果。反射光の振幅・位相(複素反射率)が非相反変化することが示される。 2013/12/5 9
非対角項は磁化に対して奇関数⇒磁気光学効果の非相反性が現れる
行列式= 0から、固有値・固有ベクトルを求める
0
z
y
x
xxxxzeffx
yyeffx
xzxzxxeff
E
E
E
nnn
nn
nnn
2
22
2
0
00
0
s偏光(TEモード): ・非相反な磁気光学効果は現れない。
・・・・・
yEE ˆ0
22
xyyneffnn
yEE ˆ0
22
xyyneffnn
0 20 40 60 80
0.0
0.2
0.4
0.6
0.8
1.0 0.125
0.1
0.075
0.05
0
強度反射率
入射角度[°]
強度差[dB]
空気/Fe 界面での反射強度の変化 p偏光、WL:1550nm : 磁化+ : 磁化– : 差
磁化によって+/– 進行方向によって+/–
M2 石坂 大介
B4 細田 昌志
2013/12/5 10
背景
2013/12/5 11
○自由空間型光アイソレータ メリット ・消光比が大きい(50dB以上)
デメリット ・半導体レーザとの集積が困難 理由 基板(InP)と偏光子やファラデー回転子 との結合が困難 ⇒光を自由空間に取り出す必要がある ⇒位置合わせが必要(人手) ・結合損失が生じる
磁化
偏光子
偏光子 ファラデー 回転子
自由空間型 光アイソレータの模式図
磁化
○半導体光アイソレータ 半導体レーザと同じInP基板で作製できる ⇒光を自由空間に取り出さずに半導体レーザと集積化可能 ⇒位置合わせが不要 =結合損失を低減
解決
半導体レーザへの戻り光が発生⇒光強度が不安定になり、誤動作の原因 戻り光を防ぐために光アイソレータは必要不可欠な素子
半導体光アイソレータ
2013/12/5 12
強磁性金属
p型クラッド層
n型クラッド層
磁化 低反射率 高反射率 +電極
-電極
伝搬損失小 光パワー大
伝搬損失大 光パワー小
・活性層内を光が全反射しながら伝搬 ・強磁性金属を製膜、伝搬光の一部が強磁性金属に達する ・強磁性金属を磁化⇒光の伝搬方向によって反射率が変化 ・横磁気カー効果によって一方向伝搬特性を実現 ・半導体レーザとほぼ同じ構造 ⇒半導体光アイソレータと半導体レーザを一体集積化可能
p型クラッド層
活性層(MQW)
n型クラッド層
+電極
-電極
通常の半導体レーザ
半導体光アイソレータ
活性層(MQW)
横磁気 カー効果
半導体光アイソレータの自作と測定結果
2013/12/5 13
-0.15T
+0.15T
素子の光学顕微鏡写真
導波路幅:2.5μm
Al2O3(絶縁層)
Au
TI
FeCo
素子の断面電子顕微鏡写真
外部磁場によって光強度が変化 半導体光アイソレータの消光比は
3~6dB/mm(素子構造による)
目標 : 消光比10dB/mm
導波路
500μm
作製工程 ・電子ビーム蒸着装置で金属(Fe,Au)を製膜 ・塩酸によるエッチング(導波路以外を溶かす)
2週間~1ヶ月で作製
レーザ 光源
分 光 器
光強度が変化
外部磁場
M2 阪西 祥平
M1 坂東 敬広
B4 八木 友飛
2013/12/5 14
研究背景
フォト ダイオード
レーザ 光信号
電気信号 電気信号
経路制御
ルータによる経路制御の概念図
経路1
光信号 経路2
電気信号
レーザ 電気信号
光信号
光信号
経路A
経路B
一時記憶
一時記憶 電気の信号処理で大きな消費電力が発生
※ 光-電気の信号変換を行うのは,光での一時記憶(光メモリ)が難しいため
近年,光通信におけるルータの消費電力増大が問題になっている
2013/12/5 15
フォト ダイオード
光一時記憶素子を実現したい!!
光のメモリの手法
電気: コンデンサに電荷として保存可能
光: 保存が不可能
レーザから出射される光の波長をシンボルとし,光によるフリップフロップによってメモリを実現
周回光
電流
2013/12/5 16
光一時記憶素子(光フリップフロップメモリ)
半導体光アイソレータ
半導体リングレーザ: 円形の共振器をもつ半導体レーザ
光注入同期: レーザに外から光を入力すると,レーザで発生する 光の波長が外から入力した光の波長に切り替わる現象
光一時記憶素子を実現させるために使うもの
半導体光アイソレータ: 光を一方向のみに通す素子
外部光(入力) レーザ光(出力)
周回光
lA=0,lB=1
電流
0
1
時間 0
1
時間
時間
lA lB lA lB 光強度
lA lB lA lB
時間
光強度
2013/12/5 17
光一時記憶素子(光フリップフロップメモリ)
半導体光アイソレータ
半導体リングレーザ: 円形の共振器をもつ半導体レーザ
光注入同期: レーザに外から光を入力すると,レーザで発生する 光の波長が外から入力した光の波長に切り替わる現象
光一時記憶素子を実現させるために使うもの
半導体光アイソレータ: 光を一方向のみに通す素子
研究の現状
2013/12/5 18
曲げ導波路作製 半導体光アイソレータの作製
100m
曲げ導波路における光の損失を評価 半導体アイソレータの性能評価
小型の一方向発振リングレーザを作りたい
急峻な曲げ導波路によるリングレーザの実現
小さなアイソレータによる一方向発振の実現
• 低消費電力
• 多ビット化
電子顕微鏡写真 光学顕微鏡写真
M2 貝原 輝則
B4 安藤 健朗
2013/12/5 19
11.0 11.5 12.0 12.5 13.00
50
100
150
200 0.2
0.15
0.1
0.05
1/e propagation distance [μm]
Isolation [dB/μm]
Al2O3 Interlayer thickness [nm]
Isolation
Forward
Backward
高屈折率
低屈折率
強磁性金属
M
High loss
→Backward
Low loss →Forward
伝搬方向
プラズモンの閉込め状態を変化させるタイプ
1. 屈折率の異なる誘電体を挿入し光の閉込め状態を不安定化
2. 強磁性金属の誘電率が磁気光学効果のため変化
3. 閉込めが不安定なため容易に光分布も変化
4. 前進光と戻り光で伝搬損失が変化
強磁性金属/二層誘電体表面プラズモン
挟み込むAl2O3 の膜厚を閉込めギリギリに設計(~12.6 nm) 200 μmのアイソレータ長で最大消光比36dB、挿入損失8dB 程度が期待される
-44
-43.5
-43
-42.5
-42
-41.5
-41
-1.5 -1 -0.5 0 0.5 1 1.5
Tra
nsm
issi
on [
dB]
Magnetic field [kG]
Isolator length: 20 m, TM pol. @1550 nm
Al2O
3 thickness: 14 nm
0.6
作製したサンプルの非相反損失変化
2013/12/5 20
M2 Danish Abdul Wahid
M1 服部 貴也
B4 佐藤 譲
2013/12/5 21
研究背景
ピクセルのスイッチングスピードが速い(数十ns)
不揮発性→待機電力が無い
磁気光学空間変調器(MOSLM)
•光コンピュータ • 3Dディスプレイ
2013/12/5 22
従来の磁化反転方法 • コイルによる外部磁界(電流) →消費電力,発熱
新しい磁化反転方法 • 電圧の印加 • 光の照射 →効率的にスイッチング
・偏光子2枚と磁性体薄膜、磁化の方向を制御するコイルで構成される ・磁性体薄膜の2次元配列された任意のピクセルの磁化方位を制御することで透過光への変調を行う。
電流制御型磁気光学変調器 iMOSLM
23
原理と研究目的
2013/12/5 23
• イットリウム鉄ガーネットY3Fe5O12(YIG)はYをBiなどに置換することによって大きなファラデー効果を持つ
• YIGの磁性の起源はFeの3d軌道の電子
• 3d軌道の形状は異方的であり、その形により容易磁化の方向が異なる
→磁気異方性
• 製膜条件により酸素欠損などが発生し、余剰な電子(正孔)が生成される
電子の軌道運動によって磁気モーメントが生じる
1,電流によらない磁化反転の実現に最適な磁性体 薄膜の製膜条件を得る 2,磁性体ガーネットの磁気異方性を電圧の印加や 光の照射により変化させる
実験
・ 有機金属分解法(MOD法)によるBi:YIGの製膜 ・ 製膜温度を変化させた時のファラデー回転角の評価 →磁気異方性が変化
2013/12/5 24
Hs : 完全に磁化するための外部磁界
Hs: 620℃ > 750℃ 原因 ・電子数の変化 ・他の理由
Bi:YIG 左:750℃ 右:620℃
Thank you for your kind attention.
For further information,
Please come to N314 @Bldg.1
2013/12/5 25