- 1 - PWM ペルチェコントローラー  ver.1.0 取説 '13/5  細田 (0)概要 他の章のデジタル型のペルチェ素子制御回路(PWM 型)を利用した温度の自動制御システ ムについて、その使用法を記す。このシステムはペルチェ素子の PWM 制御による温度の自動 制御で述べたシステムを開放型のシャーシに組んだものであり、同じシステムでモーターの PWM 自動制御も行えるようになっており、自動制御を学習する際の学生実験のシステムとし て利用可能である。なお、ペルチェ素子による温度制御システムは線形性が良く、ほぼ理論ど うりに動作するので学習教材として向いている。 今回採用したデジタル型の PWM 制御によるコントローラーは、従来のアナログ型と比べ、 以下の長所がある。また、現在、広く採用されている技術であり、学生は学んでおく方が良い と思われる。 ・ペルチェ素子のパワー制御は PWM (Pulse Width Modulation) 方式によって行うため、デ ジタル的に発生したパルスを使用するので、温度変化等が少なく、高精度の制御が可能である。 ・アナログ型にありがちな、大きく重い電源部や、そこからと制御出力段のトランジスター からの発熱が少なく、加えて PWM 方式で Power-MOS FET のスイッチングで制御を行うため、 低消費電力化や装置の発熱を抑えることができ、かつ軽量化できる。 ・AVR マイコンの制御ソフトにより、広い範囲の PID 制御パラメーターを実装できる。(ア ナログ型では広い範囲の積分時間や微分制御は難しい。) ・Power-MOS FET の Full-bridge 回路を採用したため、ペルチェ素子に対し、+電源のみか ら逆方向電流も流す事ができ、発熱による温度制御も可能となった。加えて、逆極性の電流供 給に対応するための+ーの2電源は不要であり、+のみの1電源で済む。 ・デジタル型のため、プログラムの書き換えによって、任意の追加機能を持たせられる。ま た、非線形制御も可能。加えて、USB ポートによるPCとの通信インターフェースを持っており、 外部 PC からも制御温度等の設定が可能であり、3段階の設定温度を時間的に順次変化させて いくこと等も可能。また、サーミスターで読み取った温度を1時間分、記憶しておく事ができ、 後で PC に USB 経由で出力できるので、PID 制御の実習・実験の結果をチェックできる。 ・デジタル型であるので、グラフィック液晶に温度変化のグラフを表示でき、その場で制御 が良好か等を見る事ができる。また、最適な PID 値をすぐに知る事ができる。 (1)使用上の注意 ペルチェ出力信号どうしをショートさせたり、どちらか片側を GND にショートさせたままに して制御をスタートすると出力段の Power-MOS FET が壊れるので、注意。 制御を開始してしばらく経つとヒートシンクの温度が上昇し、その温度をモニターしている Th の数値が50〜60度 C を超えるような場合、放熱器が熱を十分に放熱できていないので、 使用を中止し、放熱器を再設計してください。このような状態を続けているとさらに温度が上

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PWM ペルチェコントローラー  ver.1.0 取説 '13/5  細田

(0)概要

 他の章のデジタル型のペルチェ素子制御回路(PWM 型)を利用した温度の自動制御システ

ムについて、その使用法を記す。このシステムはペルチェ素子の PWM 制御による温度の自動

制御で述べたシステムを開放型のシャーシに組んだものであり、同じシステムでモーターの

PWM 自動制御も行えるようになっており、自動制御を学習する際の学生実験のシステムとし

て利用可能である。なお、ペルチェ素子による温度制御システムは線形性が良く、ほぼ理論ど

うりに動作するので学習教材として向いている。

 今回採用したデジタル型の PWM 制御によるコントローラーは、従来のアナログ型と比べ、

以下の長所がある。また、現在、広く採用されている技術であり、学生は学んでおく方が良い

と思われる。

 ・ペルチェ素子のパワー制御は PWM (Pulse Width Modulation) 方式によって行うため、デ

ジタル的に発生したパルスを使用するので、温度変化等が少なく、高精度の制御が可能である。

 ・アナログ型にありがちな、大きく重い電源部や、そこからと制御出力段のトランジスター

からの発熱が少なく、加えて PWM 方式で Power-MOS FET のスイッチングで制御を行うため、

低消費電力化や装置の発熱を抑えることができ、かつ軽量化できる。

 ・AVR マイコンの制御ソフトにより、広い範囲の PID 制御パラメーターを実装できる。(ア

ナログ型では広い範囲の積分時間や微分制御は難しい。)

 ・Power-MOS FET の Full-bridge 回路を採用したため、ペルチェ素子に対し、+電源のみか

ら逆方向電流も流す事ができ、発熱による温度制御も可能となった。加えて、逆極性の電流供

給に対応するための+ーの2電源は不要であり、+のみの1電源で済む。

 ・デジタル型のため、プログラムの書き換えによって、任意の追加機能を持たせられる。ま

た、非線形制御も可能。加えて、USB ポートによる PC との通信インターフェースを持っており、

外部 PC からも制御温度等の設定が可能であり、3段階の設定温度を時間的に順次変化させて

いくこと等も可能。また、サーミスターで読み取った温度を1時間分、記憶しておく事ができ、

後で PC に USB 経由で出力できるので、PID 制御の実習・実験の結果をチェックできる。

 ・デジタル型であるので、グラフィック液晶に温度変化のグラフを表示でき、その場で制御

が良好か等を見る事ができる。また、最適な PID 値をすぐに知る事ができる。

(1)使用上の注意

 ペルチェ出力信号どうしをショートさせたり、どちらか片側を GND にショートさせたままに

して制御をスタートすると出力段の Power-MOS FET が壊れるので、注意。

 制御を開始してしばらく経つとヒートシンクの温度が上昇し、その温度をモニターしている

Th の数値が50〜60度 C を超えるような場合、放熱器が熱を十分に放熱できていないので、

使用を中止し、放熱器を再設計してください。このような状態を続けているとさらに温度が上

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がり、ペルチェ素子が劣化します。放熱器を大型にするか、空冷するか液冷すると良いでしょう。

冷却の装置としては、最近はやっている CPU クーラーを利用すると便利です。または、制御負

荷が小さい場合は、制御温度を室温より高めにすると解決する場合もあります。

(2)仕様

温度設定範囲

10度〜40度 C(なお、プログラム変更によって任意の範囲にできる)

PWM パルス出力

電圧レベル:12V または、外部 DC 電源を使用する事により 3V 〜 20V

電流値:内部 12V 電源の場合は max. 8.5A。外部電源の場合はその電源による。

発生パルス幅:0 ~ DC、pulse 幅可変単位= 61 us.

パルス周期:62.5ms.

Power-MOS FET:Rhom SH8M4 を使用して Full-bridge 構成

2個並列接続により、電流 max. = 14A (なお、内蔵の 12V 電源は 8.5A max)

温度計測部

10k ohm サーミスター+ 10k ohm 金属皮膜抵抗器の直列回路による。

温度制御部の読み取り=上記回路の中点電圧を 16-bit ADC で読み取り。

上記直列回路への印可電圧= 3.3V。

温度分解能:実際の回路で実験したところでは、0.01C 程度。

ヒートシンク部の温度読み取り= 10k ohm サーミスターと 10k ohm の直列

読み取り分解能= 10-bit (AVR マイコン内部の ADC を使用。)

グラフィック液晶部

128 x 64 dot 液晶(Topway LM6063CFW:共立デジット)

BASCOM の液晶制御コマンドで使用可能

ユーザーインターフェース

パラメーター設定は、わざとボリュームからのアナログ値を AD 変換して

設定するようにしてある。この方が分かりやすいし、高速に変えられる。

USB 入出力

FTDI 社の FT232RL を搭載した基板(共立デジット USB-UART232RS)

仕様は FT232RL を参照。

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転送モード:Virtual COM ポート方式。

USB-UART232RS ボードの設定:

ハードウエア通信制御なしで使用。(DTR# 線は GND に接続)

AVR との入出力電圧は 3.3V (VCCIO に AVR 基板から 3.3V 供給)。

FT232R の +5V は USB のバスパワー。リセットは自動。

AVR 側には +3.3V は供給しない。以上のようにジャンパー設定。

PC 側通信ソフト= Hyper Terminal on Windows XP、

または TeraTerm (Free soft) on Windows7

(3)動作原理(詳細はプログラムソース Peltie_Controller_tst2.bas を参照)

 制御のスタートスイッチが押されると、AVR は Timer1 の PWM 動作を開始する。

Timer1 は 10-bit PWM モードで Phase correct PWM であり、OC1A ピンに PWM パルスを出

力する。BASCOM での具体的な設定は以下。

Config Timer1 = Pwm , Prescale = 256 , Clear Timer = 0 , Pwm = 10 , Compare A Pwm = Clear

Up

これで 62,5ms おきの周期で PWM パルスが OC1A から出る。パルス幅は OCR1A(別名、

Compare1A)レジスターに設定する値で決まり、0でパルス幅0、1023 で最大パルス幅であ

る DC が出力される。

ついでに、Timer1 の PWM 宣言をする際に、以下のインタラプトを定義しておく。

On Ovf1 Tm1_int ' Interrupt subroutine definition

Disable Ovf1

これは、Timer1 が 10-bit PWM モードで 1023 に到達すると (Timer1 overflow、通常は 16-bit

だが、pwm=10 の場合は 10-bit 幅が適用される)、それごとにインタラプトを発生するという

宣言で、Enable Ovf1 とすると、上記に定義した Tm1_int ラベルのインタラプト処理に飛ぶ。

制御の開始で、Start Timer1 および Enable Ovf1 とする。

制御を始めると AVR は 62.5ms ごとの OVf1 インタラプトで 16-bit ADC で制御部の温度を読み

取る。

設定温度値との差を計算し、その値を dT とする。

制御値を Y とし、パルス周期= 62.5e-3 を dt とする。

Kp, Ki, Kd を PID 制御のゲイン(係数)とすると、Y は以下のように算出される。

Y = Kp * dT + Ki * (Sigma ( dT * dt)) + Kd * (dT - dT( 1つ前の値)) / dt)

ここで、Sigma ( dT * dt)) はインテグラル [ dT dt] に、(dT - dT( 1つ前の値)) / dt) は dT の微

分= dT/dt に相当する。これで制御値 Y が求まる。

制御値 Y(単位は温度の C)から PWM パルス幅は Y に Punit = 100 をかけて得られる。Punit

は1度ごとにどの程度パルス幅を変えるかの倍率で、Punit=100 なら Y が1度だけ変化すると

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パルス幅は 100 変化する。すなわち、10.23 度の Y 変化で 1023 の最大パルス幅となる。なお、

1023 以上を OCR1A にセットすると 10 ビットの折り返しによって変なパルス幅になるので、

ソフトで判別して、1023 以上の場合は 1023 をセットする。

 Y の値が負の場合は、PortD.7 を H にして、Power-MOS FET 部の電流方向信号を制御して逆

電流方向に電流を流すようにする。すなわち、PortD.7 = L ならペルチェの動作は制御部を冷却

するように(電流方向=正)、PortD.7 = H なら、逆に発熱するよう(電流方向=負)になる。

 Full-bridge 部の動作は、電流方向が正なら Peltier+ 線に+電圧が流れるように、そこにつな

がれた SH8M4 IC 内部の p-MOS が ON し、n-MOS は OFF する。それと同時に Peltier- 線につ

ながれた SH8M4 の内部の p-MOS は OFF し、n-MOS は ON して、Peltier- 線を GND にする。

これで Peltier+ 線に+、Peltier- 線に GND となって、+から−に電流が流れ、ペルチェを冷却

させる事になる。逆電流の場合は上記と逆の制御をすれば、Peltier+ 線に GND、Peltier- 線に+

となって、ペルチェに逆に電流が流れ、発熱させる事ができる。

 以上を 62,5ms おきに行っている。62.5ms としたのは、熱的な時間応答は遅いので、これで

十分と判断したためである。なお、Config Timer1 = Pwm , Prescale = 256, ... の prescale を小

さくすれば(例、64)、より速い周期でインタラプトを起こすこともできる。

 追補:制御部の温度読み取りに AVR 内部の 10-bit ADC ではなく、外部の 16-bit ADC を使っ

たのは、10-bit だと少し分解能が足りないためである。アバウトな制御を行う場合は 10-bit で

も良いが、それだと、PWM パルス幅の増減値が数十カウント以上の飛び飛びになってしまう。

まー、これでも ON/OFF 制御よりはましな制御ができるが。

図1 パネル面

PID 設定 温度設定SW1~SW4

USB I/F

Motor Connector

Peltier Connector

ペルチェと温度制御ブロック

PC ファンによる放熱

Power-MOS 基板

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(4) 使用法(図1参照)

4-1 本機の動作

 以下のモードを有す。SW3 を押すごとに切り替わる。(SW 群はパネル右下)

Mode0:PID 制御値を設定する。PID 範囲は 0~0.1, 0~1, 0~10, 0~100 の範囲を選べる。

Mode1:制御部の温度をサーミスターで読み取り、フィードバックをかけた PWM パルスを発

生し、温度制御を行う。(その際、設定温度や PID パラメーター値をリアルタイムに変化させ

る事ができる。)設定温度と制御部の温度差はリアルタイムにグラフ表示される。

Mode2:USB を経由して PC に記憶した温度変化値を出力できる。

4-2 Mode0

 PID セレクトボタン(SW4)を押すと、液晶上の*マークが移動し、PID が選択される。選

択されている項目で、SW1 で可変範囲が増加、SW2 で可変範囲が減少する。例えば、Kp の可

変範囲が 10 の場合、Kp は0〜10の範囲で変化できる。Kp、Ki、 Kd の連続変化はパネル左

下のスライドボリュームで行う。Kp、Ki、 Kd のスライドボリュームによる変化はリアルタイム

制御モードである Mode1 下でも可能。なお、可変範囲の設定は Mode0 のみで可能。

 パネル下にある回転ボリュームは設定温度を設定する。連続変化で設定できる。設定温度は

Mode1 下でも可能。

4-3 Mode1(温度制御のスタート/ストップ)

 SW3 によって Mode0 よりこのモードに入る。SW1 でスタート、SW2 で停止。

 スタートすると液晶には温度変化のグラフが出る(図2参照)。縦軸の中央の線が設定温度。

図2 温度制御開始時の液晶ディスプレイ

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縦軸の刻みは 1C/div である。

 表示の1行目は T =制御部の現在温度、Ts =設定温度、Th = Heatsink 部の温度である。ヒー

トシンクにサーミスターを貼付けておく事により、ペルチェ素子の過剰な発熱をモニターでき

る。(ヒートシンク=放熱板の温度が 60 度を超えるようだと、ペルチェ素子は劣化してくる事

があるので注意する事。)

 2行目に出ている数値は、PWM パルス幅の制御値のモニターで、左側が0〜 1023 までの値。

右が PID パラメーターによって計算された値であり、1023 以上の値や負の値も表示されたり

する。この値が常に 1023 以上になっているようだと制御不足や過大ゲインなので、そうなら

ないように PID 値を調整する事。

 一番下に表示されるのは PDI の各ゲイン係数である Kp, Ki, Kd の値。制御中でもスライドボ

リュームで可変できる。

 また、設定温度も制御中に可変できる。例えば、制御温度の設定を突然、2 度下げたりすれば、

自動制御理論におけるインディシャル応答の例をグラフ上で見る事ができる。さらに、Kp のゲ

インを上げたりすれば、自動制御における不安定な発振現象等も見る事ができる。

 グラフ表示は X 方向に100点しかないので、100点以上の範囲に時間進行すると、再度、

左側に折り返して表示される。その際はグラフ中央に現在のグラフ位置を表示する短い縦棒が

表示されるようになっている。

4-4 Mode2(USB 出力)

 SW3 を押して、このモードに入ると、グラフと USB 転送スタート/ストップの表示が出る。

なお、グラフは蓄積バッファーの最初から100点のみが出る。

蓄積バッファーには制御部の温度データーが 3600 秒分=1時間、一秒ごとに蓄積可能である。

なお、3600 秒を超えるとリングバッファーの折り返しが始まり、最近 3600 秒の分のみが蓄

積されている。

このモードで SW1 を押すと、データーが PC へ USB 経由で送られる。終了すると End と表示

が出る。途中で転送を止めたければ SW2 を押す。

 Mode1 で蓄積されたデーターは Mode1 で再度スタートスイッチ(SW1)を押すまで消され

ない。いつでも Mode2 に入る事で蓄積データーを見る事ができる(ただし、最初の 100 点のみ。)

(5)コントローラーと外部との接続

5-1 サーミスターとペルチェの接続

 図1のように 10k ohm のサーミスターからの配線をパネル左のコネクターに接続する。温

度制御部からのサーミスター配線とヒートシンク上のサーミスターからの配線を行う。図では

サーミスターはセロテープで温度計測部に貼付けられている。(これぐらいでも十分な事が多い。

なお、ヒートシンクが相当に発熱する場合には、アルミ板等によって外れないようにネジ押さ

えをした方が安全である。)温度制御部は写真上の厚さ 5mm のアルミブロック。その下にペル

チェ、さらに下がのがヒートシンク。ヒートシンク部は PC ファンで効率よく放熱される。図

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の構成では+− 0.2C 程度に制御できる。

サーミスターは単なる抵抗体なので、極性は無い。したがって、+ と GND は気にせずでよい。

GND を使う場合は、シールド線を使ってサーミスターに配線する場合に GND を取るため。

 ペルチェ素子はパネル右上のスピーカー端子を使って接続する。赤い端子にペルチェの赤が

つながった際に、温度制御部で冷却が起きるように接続する。ペルチェのどちらの面が冷却に

なるかは、ペルチェに 1.5V 電池をつないで赤い線に+を与え、冷えてくる面がそれ。

 ペルチェの耐圧は 15.4V のものを使用している。ペルチェにかかる電圧は +12V より得られ

ているため。また、使用した 12V 電源は 8.5A まで流せるため、それなりの電流耐性を持った

ペルチェを使う。(ペルチェ素子は千石通商にある。品種も多く、安い。)

5-2 USB ポート(図1参照)

 コントローラーには写真で右側に USB コネクターがある。PC にデーターを出力するのに使

用する。まず、コントローラーの電源を入れ、USB で PC につなぐ、FT232R のドライバソフ

トが既にインストールされていれば、何も言ってこない。もし、新しいハードウエアが見つかっ

たと行ってくれば、FTDI 社のサイトからダウンロードしておいたソフトをインストールする。

CD-ROM からインストールするように言ってくるが、無視して HDD の FTDI インストールフォ

ルダーからインストールしても良い。または、CR-ROM に FTDI のソフトを焼いて、そこを指

定して行うと楽かもしれない。

 HyperTerminal または TeraTerm ソフトにおける COM ポートの設定は、以下のようにする。

まず、新規接続を選択する。USB ポートに他のものがつながっていなければ、現在つないでい

るペルチェコントローラーの USB のみが COM ポートとして認識され、その接続が新規で行わ

れる。そこで、以下を設定。

ボーレート= 9600、8-bit non parity, 1stop bit。

注:ボーレートは BASCOM のプログラムを書き直せば速くできる。

設定は適当な名前をつけてセーブしておけば、次からはそれを開けばよい。ファイルはけっこ

う変な場所にセーブされるので、名前をメモしておいて、後でサーチする。その場所からエイ

リアスをデスクトップに作っておくとよい。接続のウインドを開いておいて、実際の温度制御

を少し行ってデーターを蓄積した後、Mode2 に行って、データー転送を開始し、データー文字

列が送られてくれば OK である。

5-3 PC fan モーターとの接続

 図3のように 4-pin の PC ファンモーター用のコネクターがあり、ここに PC ファンをつなぐ。

PWM 型の 4-pin のコネクターを有する PC ファンの場合、黄色いジャンパーをファンモーター

を定速回転で使うために、以下のようにセットする。ジャンパーを抜くと、高速の定速回転、ジャ

ンパーを右側に刺すと、低速の定速回転とできる。(PWM 型でない場合は上記の設定にはなら

ないが接続できる。おそらく、一定の高速回転となる。)

 4-pin の PD ファンの場合、4-pin コネクターの1番は GND、2番は +12V、3番ピンは回転

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数を知るためのタコメーターパルス、4番は PWM パルス。4番を解放で高速回転、4番を

GND で低速回転となる。3ピンコネクタでは4番ピンが無い。

5-4 ペルチェの放熱

 ペルチェ素子は冷却に使用した場合、逆の面は発熱する。この熱をどこかで逃がしてやらな

いと、どんどん温度が上がってペルチェが壊れる。従って、吸い取る熱量以上の熱をヒートシ

ンクで逃がしてやる必要がある。吸い取る熱量以上との理由は、ペルチェ自身も動作時に発熱

するから。今回のコントローラーではヒートシンク部の温度もモニターできるようにしてある

ので、その温度がじりじり上がり、50 〜 60 度を超えてくるようなら放熱器を大きくするか、

放熱器をファンで空冷するか、それでも足りない場合は水冷するという事になる。

 なお、吸い取る熱量はヒートシンクの初期温度と設定温度との温度差に依存し、差が大きい

ほど厳しくなる。従って、ヒートシンクの初期温度である室温近傍に設定温度を設定すれば、

非常に負荷が少なく済む。今回作成したコントローラーはペルチェを発熱させる事もできるの

で、ヒートシンクとの温度差がゼロ近傍でも制御できる。なお、発熱体が温度制御部に存在す

る場合はその発熱を考慮して少し設定温度を室温より上げてやると負荷が楽になる。

 放熱器として簡易で実際的な放熱器としては空冷型 CPU クーラーを使うと良い。大きな放

熱器とファンを買うよりも安く済むし、かつ、そのような放熱システムよりも非常に熱放散効

率が良い。図1にあるようなサイドフロータイプの空冷型 CPU クーラーを上下逆にして、CPU

に接触する部分にペルチェを乗せるとよい。今回使用したものは逆にしても設置が良い Ashura

という製品。ファンのコネクターが4ピンの PWM 型で低速と高速の切り替えができる。最近

図3 モーターコネクター部

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の空冷型 CPU クーラーのほとんどはヒートパイプで熱を効率よく放熱フィンに伝え、それを

ファンで空冷している。前記した普通の放熱器を使うよりも非常に熱効率がよく、かつ静音で

ある。また、振動も少ない。ファンは 12V で動くので、ペルチェコントローラー内部の 12V

スイッチング電源から給電している。(電流は 0.5A 程度。)ファンの回転数を最低にするには、

4番目のピンを GND に落とすと回転数が最低となり、ほとんど振動が感じられなくなる。これ

でも放熱は非常に良い。なお、4番ピンは PWM 信号入力であり、解放で最高回転、GND で最

低回転となる。注意として、ここに 12V などをつないではいけない。(ファンが壊れる。)実験

では1V もかけると相当に大きな電流が流れ込むので、高速回転設定時は4番ピンは解放して

おく事。この空冷ファンでペルチェの冷却設定温度を室温から10度 C にして実験したところ、

1時間経ってもペルチェ素子の放熱側の温度はほとんど室温と同じか数度高い温度になってお

り、熱暴走は全くなかった。

(5)プログラムの拡張

 現在のプログラムメモリー占有率は、おおよそ ATMega1284 で13%程度である。したがっ

て、まだまだ、機能追加可能である。また、SRAM 容量は 8kB ほど余っている。

機能拡張の例としては、例えば、PWM 制御値などを記憶しておき USB に出力するというも

のもあるが、実はその値や制御量である Y 変数の値などは USB 出力する値から PC 側で計算

可能である。(Kp, Ki, Kd 値は USB 出力時に出力される。また、時間刻み(dt)は 62.5ms と

既知。Y = Kp * dT + Ki * (Sigma[dT * dt]) + Kd * dT/dt。ただし、dT = T - Ts, Ts = 設定温度。)

 その他の拡張としては、USB I/F を使った PC からの制御等である。現在は PC 制御モードは

インプリメントされていないが、将来、必要になった段階で、AVR プログラムの書き換えを行

えばよい。

 プログラミング時には図4のスナップスイッチを上側に倒して行う。(本機はモーター制御機

図4 AVR 基板と ISP programming コネクター

スナップスイッチはコネクターの左上にある。写真ではプログラミングのために上側に倒れている。

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器もかねているので、モーター制御の際はこのスイッチを下に倒す。詳細はモーター制御の取

説参照。)

(6)学生実験での利用

 本システムは自動制御の学習に向いている。PID パラメターによる変化がダイレクトにグラ

フから分かる。それらの結果は PC にも吸い取れるため、そこでのグラフ化や解析も可能であり、

レポートの作成もしやすい。また、あまり大掛かりなセットでないため、狭い面積の机上で簡

便に実験を行える。加えて、現代のパワー制御技術である PWM 制御という例題にもなってい

る。また、もし学生が現代的制御理論をソフト的に実装できればさらなる高度な課題とできよう。

ソフト開発には簡便な BASCOM-AVR を使用したが、AVR-Studio 上の C でも可能である。

 今回は製作の容易な開放型のシャーシに組んだ。P 板は感光基板で作成したが、ユニバーサ

ル P 板でも十分、作成可能である。なお、部品は大阪日本橋の共立シリコンハウス(SH8M4 等)、

デジット(グラフィック液晶と Mega1284 等)、マルツ、千石電子(2SK2961、ペルチェ等)、パー

ツランド(大きなスイッチとシャーシ)などですべて揃う。(ただし、16-bit ADC= AD7680 は

RS-Components。)

6-2 実際の制御例

 ペルチェ素子による温度制御は線形性が良いので自動制御の実例としては良い。なお、制御

を暴れさせたければ、温度制御部の熱容量を減らすためにアルミブロックではなく、薄いアル

ミ板を使って熱容量を減らすとよい。以下の図5〜7と前記の図2に、図1のシステム (

5 x 40 x 40mm アルミブロックを温度制御:ペルチェ素子= TECI-12710、15.4V max, 10A

max., 94.2W 吸熱能力 max.)で、種々の PID 設定値でどのような制御になるかの例を示す。

 図5の例では P(ゲイン)が高すぎ、かつ I = 0 の場合に、系が発振している様子が見て取れ

る。図6の例は P が小さく設定温度まで到達していない。また、微小なノイズ的振動が見られ

る。前記した図2の例では、PID 値の設定がまずく、長いアンダーシュートが見られる。図7

の例では、おそらく最適な PID 値が設定されており、きれいな自動制御が得られている。(P 値

と I 値を適正に設定。)なお、熱容量のあるような制御系の場合、D 値を増やしすぎるとかえっ

て不安定になったりする。これも実習の課題としても、おもしろいかも。系への変動は温度制

御部を手で触って熱を追加したり、温度設定ボリュームを急激に回してインディシャル応答を

与えてみたりする事で行う事ができる。

 最後に、図 8 〜 10 に本機の回路図を示す。

以上。

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図5 数制御がうまくいっていない例。

  制御値に発振が見られる。(P が大きすぎ。)

図6 数制御がうまくいっていない例。

  設定値= Ts まで達せず、小さなノイズが見られる。(P が小さすぎ。)

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- 12 -

図7 制御がうまくいっている例。(16.9 度 C へ冷却)

  アンダーシュートやオーバーシュートがほとんどなく、

  Ts(設定温度)に収束し、以後、一定を保つ。

  温度制御は+− 0.1 度 C 以内に保たれる。

  Th は Heat-sink 部の温度。PC ファンにより、あまり上がらずにすむ。(室温= 24 度 C)

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- 13 -

13

/05

/07

21

:57

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0.7

5 /A

pp

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tion

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LE

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11

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3.3

V

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T232R

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D

to F

T232R

RX

D

to D

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f F

T232R

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D

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R

me

tal-

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R

VC

C AG

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GN

D

10k

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Th

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47k

0.1

Topw

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M6063C

FW

ME

GA

1284P

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Re

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t

GN

D

AG

ND

Ju

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10k

0.1

AG

ND

VC

C

0.1

0.1

VC

C

0.1

100u

VCC

GN

D

GND

VCC

0.1

47k

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VC

C

0.1

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0.1

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D

VC

C

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47k

47k

47k

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7

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DG

ND

GN

DG

ND

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C

1S2076

GN

D

VC

C

0.1

GN

D

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T2

32

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D

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0.4

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GN

D

47k

0.1

GN

D

GN

D

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47k

47k 0

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48033F

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7680_

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16-B

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4.7

GN

D10k

VC

C

Moto

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F

GN

D

ICP

3

1k

VC

C

2.2

k

GN

D

PAD_TERMAL

PAD_TERMAL

10k

R1

1 2

J1

R2

C1

A0

1

/RD

2

/WR

3

/RE

S4

/CS

5

GN

D1

6

GN

D2

7

VD

D8

D0

9

D1

10

D2

11

D3

12

D4

13

D5

14

D6

15

D7

16

BA

CK

_LIG

HT

+17

BA

CK

_LIG

HT-

18

NC

119

NC

220

LC

D1

(XC

K0/T

0/P

CIN

T8)P

B0

1

(CLK

O/T

1/P

CIN

T9)P

B1

2

(IN

T2/A

IN0/P

CIN

T10)P

B2

3

(OC

0A

/AIN

1/P

CIN

T11

)PB

34

(OC

0B

/SS

/PC

INT

12)P

B4

5

(MO

SI/IC

P3/P

CIN

T13)P

B5

6

(MIS

O/P

CIN

T14/O

C3A

)PB

67

(SC

K/P

CIN

T15/O

C3B

)PB

78

RE

SE

T9

VC

C10

GN

D11

XTA

L2

12

XTA

L1

13

(RX

D0/P

CIN

T24/T

3)P

D0

14

(TX

D0/P

CIN

T25)P

D1

15

(RX

D1/IN

T0/P

CIN

T26)P

D2

16

(TX

D1/IN

T1/P

CIN

T27)P

D3

17

(XC

K1/O

C1B

/PC

INT

28)P

D4

18

(OC

1A

/PC

INT

29)P

D5

19

(OC

2B

/IC

P/P

CIN

T30)P

D6

20

(OC

2A

/PC

INT

31)P

D7

21

(SC

L/P

CIN

T16)P

C0

22

(SD

A/P

CIN

T17)P

C1

23

(TC

K/P

CIN

T18)P

C2

24

(TM

S/P

CIN

T19)P

C3

25

(TD

O/P

CIN

T20)P

C4

26

(TD

I/P

CIN

T21)P

C5

27

(TO

SC

1/P

CIN

T22)P

C6

28

(TO

SC

2/P

CIN

T23)P

C7

29

AV

CC

30

GN

D31

AR

EF

32

(AD

C7/P

CIN

T7)P

A7

33

(AD

C6/P

CIN

T6)P

A6

34

(AD

C5/P

CIN

T5)P

A5

35

(AD

C4/P

CIN

T4)P

A4

36

(AD

C3/P

CIN

T3)P

A3

37

(AD

C2/P

CIN

T2)P

A2

38

(AD

C1/P

CIN

T1)P

A1

39

(AD

C0/P

CIN

T0)P

A0

40

IC1

11

22

SW

1

R3

C2

C3

C4

C5

L1

C6

R4

C7

C8

1 2

J2

C9

C10

C11

12

3

SV

1

45

6

R5

R6

R7

C12

C13

C14

RA

1

D1

D2

D3

13

12

1110

98

12

34

56

C15

1 2 3 4 5 6

J3

1 2 3

J4

4 5 6

D4

C16

R8

1 2 3

J5

4 5 6

P1

P2

P3

P4

P5

R9

C17

P6

P7

P8

P10

1 2 3

CN

1

4 5 6 7 8

R10

R11 C

18

C19

P11

P12

VI

1GND

3

VO

2

IC2

P13

VD

D1

GN

D1

2

GN

D2

3

VIN

4S

CK

5

NC

6

SD

ATA

7

/CS

8

IC3

C20

R12

1 2 3

CO

N1

123

SW

2

R13

R14

P14

P15

P17

P18

R15

/RE

SE

T

/RE

SE

T

AD

C1

AD

C1

MO

SI

MO

SI

MIS

O

MIS

O

MIS

OS

CK

SC

K

SC

K

SW

1

SW

1

SW

2

SW

2

SW

3

SW

3

SW

4

SW

4

OC

1A

_P

D5

OC

1A

_P

D5

OC

1A

_P

D5

RX

D

RX

D

TX

D

TX

DA

DC

2

AD

C2

PD

4

PD

4

PD

6

PD

6

PD

7

PD

7

AD

C3

AD

C3

AD

C4

AD

C4

PA

5

PA

5

PA

0

図8 AVR 部回路図

Page 14: PWMペルチェコントローラー ver.1.0 取説 '13/5 細 …a-phys.eng.osaka-cu.ac.jp/hosoda-g/site1/PWM_Peltier...- 1 - PWMペルチェコントローラー ver.1.0 取説 '13/5

- 14 -

13

/05

/07

21

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f=

0.8

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pp

lica

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s/E

AG

LE

5_

11

/pro

jects

/Peltie

_P

uls

e_

Drive2

/Peltie

_P

Drive2

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(S

heet: 1

/1)

to P

eltie

r

Peltie

Pow

er

(12V

?)

ON

/OF

F

Direction

PW

M P

uls

e

from

AV

R b

oard

SH

8M

4

SH

8M

4

SH

8M

4

SH

8M

4

2S

C1

81

5

2S

C1

81

5

2S

K2

96

1

2S

K2

96

1

10k

10k

GN

DG

ND

GN

D

+V

+V

GN

D

47

0

1

1

GN

D

+V

GN

D

GN

D

+V

1 1

+V

GN

D

10

0

10

0

10

0

10

0

10

0

10

0

10

0

10

0

SB

D

SB

D

220 220

+V

+V

GN

D

GN

D

Peltie

-

Peltie

+

10k

GN

D

74

HC

04

N7

4H

C0

4N

74

HC

04

N

74

HC

04

N7

4H

C0

4N

74

HC

04

N

GN

D

from

AV

R

GN

D

VC

C

VC

C GN

D

0.1

0.1

Po

wer+

Po

wer

GN

D

SMALL_MID_PAD

GN

D

SMALL_MID_PAD

GN

D

SMALL_MID_PAD

GN

D

74

HC

08

N7

4H

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8N

74

HC

08

N7

4H

C0

8N

V-

1

G-

2

V+

3

G+

4O

UT

+1

5

OU

T+

26

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T-1

7

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8

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V-

1

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OU

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T-1

7

OU

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V-

1

G-

2

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3

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UT

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OU

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OU

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7

OU

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1

G-

2

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3

G+

4O

UT

+1

5

OU

T+

26

OU

T-1

7

OU

T-2

8

IC4

Q2

Q3

TR

2

TR

3

R1

R2

C1

C2

C3 C4 C5

R3

R4

R5

R6

R7

R8

R9

R1

0

D1

D2

R11 R12

P3

P4

R13 12

IC6

A3

4

IC6

B5

6

IC6

C

98

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D11

10

IC6

E

13

12

IC6

F

714 IC6

P

GNDVCC

1 2 3

J1

4 5 6

C7

C8

P1

P2

P5

P6

P7

1 23

IC7

A

4 56

IC7

B

9

10

8

IC7

C

12

13

11

IC7

D

714 IC7

P

GNDVCC

D D

図 9 Power-MOS FET driver for PWM power control

Page 15: PWMペルチェコントローラー ver.1.0 取説 '13/5 細 …a-phys.eng.osaka-cu.ac.jp/hosoda-g/site1/PWM_Peltier...- 1 - PWMペルチェコントローラー ver.1.0 取説 '13/5

- 15 -

13

/05

/07

21

:58

f=

1.5

0 /A

pp

lica

tio

ns/E

AG

LE

5_

11

/pro

jects

/PW

M_

PC

fan

_IF

_b

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WM

_P

Cfa

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IF_

bo

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(S

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to R

ed

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in

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In

put

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re (

ICP

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Moto

r ro

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puls

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on

trol-

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Moto

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con

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)

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-colle

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lsig

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WM

PC

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PW

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Peltie

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from

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ut

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12

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WM

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ort

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GN

D

GN

D

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1

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Moto

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er

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V)

GN

D

X1-1

X1-2

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X1-4

123

CO

N1

12

J1

+1

2V

図 10 PC ファンコネクター部