平成 30年度総務・地方財政、財務係関係予算のポイント

平成２９年１２月

高 橋 主 計 官

１．情報通信予算については、ICT による経済成長を実現するため、サイバーセキュリティの強化、ICT の安心・安全の確保や世界最高水準の ICT 環境の整備などの施策に重点化。

２．地方自治予算については、地域への「ヒト・情報」の流れの創出等を図るべく、地域経済の好循環の更なる拡大、地域力の強化に向けた取組みを推進。

３．統計調査・電子政府等については、行政機関が共用する情報システムの整備・管理及び統計調査の改善への取組み等を推進。

４．消防予算については、広域的な応援体制の整備により、大規模災害への対処能力を増強するとともに、消防団を中核とした地域防災力を充実強化。

総務省予算（交付税等、恩給関係費除く）内訳 （単位：億円） ２９年度

予算 ３０年度 政府案

対前年度 増▲減

一般会計分 ３，２９７ ３，４３８ ＋１４１

人 件 費 ６４４ ６４９ ＋５

周期統計関係経費等 ６７１ ７９１ ＋１１９

小 計

情 報 通 信 関 係

地 方 自 治 関 係

統 計 調 査 ・ 電 子 政 府 等

消 防 庁

官 房 経 費

１，９８２

１，０９７

４２５

２８４

１１１

６５

１，９９８

１，０９０

４２５

３０５

１１０

６８

＋１６

▲８

▲１

＋２２

▲１

＋３

復興特会（復興特別交付税を除く） １８ １８ ＋０

注１：「交付税等」は主要経費別分類における「地方交付税交付金」及び「地方特例交付金」、「恩給関係費」は「文官等・旧軍人遺族等恩給費」及び「恩給支給事務費」をさす。

注２：周期統計関係経費等は、周期統計関係経費や社会保障・税番号制度関係経費等の特殊要因及び政党助成金を表す。

注３：情報通信関係は、国際戦略局、情報流通行政局、総合通信基盤局及び総合通信局の予算を表す。

注４：地方自治関係は、自治行政局、自治財政局、自治税務局、自治大学校及び大臣官房番号制度企画室を表す。

注５：統計調査・電子政府等は、行政管理局、行政評価局、統計局、政策統括官（統計基準担当）、管区行政評価局及び公害等調整委員会を表す。

注６：数値は、精査の結果異動が生じることがある。端数において合計とは一致しないものがある。

総務省予算のポイント

30年度予算編成の基本的な考え方

― 1 ―

― ―0123456789

１ 情報通信

―サイバーセキュリティ―の強化、ICTの安心・安全の確保 29年度 30年度

① ナショナルサイバートレーニングセンター

の構築 １５.０億円 ⇒ １５.１億円

② IoTセキュリティ総合対策の推進 ― ⇒ ６.０億円

③ 衛星通信における量子暗号技術の研究開発 ― ⇒ ３.１億円

―世界最高水準の ICT環境の整備 29年度 30年度

① 革新的光ネットワーク技術の研究開発 ― ⇒ ９.５億円

② 革新的 AIネットワーク統合基盤技術の研究開発 ― ⇒ ５.４億円

③ ディープラーニング翻訳の高度化 ― ⇒ ２８０.３億円の内数※

※ 国立研究開発法人情報通信研究機構運営費交付金 280.3億円の内数。

この他、29年度補正予算に 50億円計上。

２ 地方自治

―地域経済の好循環の更なる拡大、地域力の強化に向けた取組みを推進 29年度 30年度

① チャレンジ・ふるさとワーク １０.０億円 ⇒ １０.１億円

② ローカル 10,000プロジェクト １８.７億円 ⇒ １４.５億円

３ 統計調査・電子政府等

―政府情報システムの集約化等に伴う政府共通プラットフォームの整備等経費、及び家計統

計の改善に係る経費等を計上

29年度 30年度

① 政府共通プラットフォーム整備等経費 ４９.１億円 ⇒ ５５.２億円

② 電子政府の総合窓口システム(e-Gov)更改経費 ― ⇒ ６.６億円

③ 家計統計の改善 ２.６億円 ⇒ ４.６億円

４ 消防防災

―大規模災害への対処能力を増強するとともに、消防団を中核とした地域防災力を充実強化

29年度 30年度

① 緊急消防援助隊の災害対応能力の充実強化 ６.８億円 ⇒ ３.０億円※

※ この他、29年度補正予算に 16.7億円計上。

② 消防団を中核とした地域防災力の充実強化等 ６.７億円 ⇒ ６.８億円

― 2 ―

― ―0123456789

うち、公共施設等適正

管理推進事業費

0.5兆円

（＋0.1兆円）

歳出特別枠

（地域経済基盤強化

・雇用等対策費）

－兆円

（▲0.2兆円）

震災復興特別交付税所要額（年度調整分含む）　0.4兆円（▲0.0兆円）

そ　の　他

歳入・歳出総額

5.7兆円

(＋0.1兆円）

そ　の　他

24.7兆円

（＋0.2兆円）

公　債　費

12.2兆円

（▲0.4兆円）

投資的経費

地方特例交付金

：1,544億円

地方特例交付金

0.2兆円

（＋0.0兆円）

（住宅ローン減税）

　地方法人税、

　 機構準備金、

特会借入金元利　　　等

　　　　　 6,479億円

　　　　 （▲2,476億円）

一般財源総額

62.1兆円

（＋0.0兆円）

一般行政経費

特例加算

1.0兆円

（±0兆円）

0.3兆円

（±0兆円）

　うち、まち・ひと・しごと

創生事業費

　うち、重点課題対応分

　地方税

・地方譲与税

42.0兆円

(＋0.4兆円）

11.6兆円

（＋0.3兆円）

給与関係経費

20.3兆円

（▲0.0兆円）

地方交付税

臨時財政対策債

4.0兆円

（▲0.1兆円）

（▲0.3兆円）

37.1兆円

（＋0.5兆円）

153,606億円

160,085億円

法定加算等

：3,012億円

＜　一　般　会　計　＞

＜ 交　付　税　特　会 ＞

＜地方財政収支見通し＞

（　歳　入　）

（　歳　出　）

16.0兆円

法定率分　

：148,938億円

交付税（入口）

交付税（出口）

（▲737億円）

（▲3,213億円）

：1,655億円

復 興 債 等

返還金

5億円（▲33億円）

＜　復　興　特　会　＞

　・　30年度当初予算に係る補助事業裏等の地方負担　0.3兆円（▲0.0兆円）

　・　地方単独事業、　地方税法の改正等に伴う地方税等の減収分

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　0.1兆円（▲0.0兆円）

(＋0.3兆円）

86.9兆円

地方交付税交付金等：155,150億円

（▲521億円）

＝+ 地方交付税

交付金

3,252億円

（▲173億円）

震災復興

特別交付税

3,257億円

（▲206億円）

（注）（）内は対前年度当初増減

（+3,743億円）

（＋515億円）

（▲4,995億円）

（＋216億円）

― 3 ―

― ―0123456789

＜主な歳出増減の内訳＞

（対２９当初）

(単位：億円）（対２９当初）

【特別会計出口ベース】

・　地方交付税　　　　　　　　：　　160,085億円（▲3,213億円）

・　震災復興特別交付税　　 ：　　 　3,257億円（▲206億円）　

191,275（▲2,833）

517,114(▲3,702)

歳出総額

33（▲0）

交付税及び譲与税配付金特別会計

歳出純計額から国債

償還費、社会保障給

付費等を除いた額

歳出純計額

【平成30年度歳入予算】

519,216億円

（▲3,008）

借入金

316,173（▲4,000）

前年度剰余金受入等

7,685（＋1,273）

【平成30年度歳出予算】

地方特例交付金1,544（＋216）

交通安全対策特別交付金602（▲19）

517,114億円

（▲3,702）

国債整理基金特別会計へ繰入

325,839（▲870）

予備費等

33（▲0）

地方交付税交付金

163,342（▲3,419）

【うち復興経費

3,257（▲206）】

地方譲与税譲与金

25,754（＋390）

他会計より受入

163,007（▲713）

〔うち一般会計より受入〕

155,755（▲540）

〔うち財投特会より受入〕

4,000（±0）

〔うち復興特会より受入〕

3,252（▲173）

租税

32,351（＋432）

※計数はそれぞれ四捨五入しているので、合計において一致しない場合がある。

― 4 ―

― ―0123456789

１. 内閣の重要政策である観光立国の実現に向けた訪日外国人旅行者数の増加

やテロ対策を含む水際取締りの厳格化と迅速な通関を確保する観点から、税関における物的・人的体制の整備に予算を重点配分。

２. 行政事業レビューの点検結果や決算結果等を踏まえ、行政経費の効率化を図る。

（単位：億円）

項 目 29 年 度 30年 度 29’→ 30’増 減

財務省(財務係分)

９，５４７

９，６２９

＋８２（＋０．９％）

１ 観光立国の実現に向けた訪日外国人旅行者やテロ対策等への対応

―「明日の日本を支える観光ビジョン」や「経済財政運営と改革の基本方針 2017」等を踏ま

え、訪日外国人旅行者数の増加やテロ対策を含む水際取締りの厳格化と迅速な通関を確保す

るため、監視取締用機器等の整備や体制の強化を図るとともに、ストレスフリーで快適に旅

行できる環境整備を行う。 29年度 30年度

○ 税関治安対策経費 １２３．６億円 ⇒ １４２．５億円（＋15.3％）

○ 訪日外国人旅行者数の増加への対応のための増員（税関） ３０２人 ○ 税関検査場電子化ゲート等の整備（一部再掲） ８.０億円（新規）

２ 税制改正等への適切な対応

―30年度税制改正に適切に対応するため、国税情報システムの改修等を実施するほか、租税

回避等への対応のための体制整備の強化を図る。

30年度

○ 税制改正に伴うシステム改修等経費 ２３９.４億円

○ 租税回避等への対応のための増員（国税庁） ４１１人

平成 30 年度財務係関係予算のポイント

◆ 財務省予算（財務係分）のポイント

30年度予算編成の基本的な考え方

― 5 ―

― ―0123456789

３ 財務省の定員

―観光立国の実現に向けた訪日外国人旅行者の増加・テロ対策等を含む水際取締り（税関）

や、租税回避等への対応（国税庁）等に関する体制整備を強化する一方、既存の業務を見直

すこと等により減員を行い、メリハリのある定員措置を確保。

○ 財務省全体の定員

増 員 減 員 差 引

１，４８０ 人 ▲１，３１６人 ＋１６４人

（注）上記のほか、時限増員３３人、国家公務員のワークライフバランスの推進のための増員３４

人を措置。

４ 予算の効率化

―行政事業レビューの点検結果や決算結果等を踏まえ、行政経費の効率化を図る。

○ 税関業務特別庁費等（税関） 反映額 ▲１２．８億円

○ 税務特別庁費等（国税庁） 反映額 ▲ ５．４億円

― 6 ―

― ―0123456789

(計数は各々単位未満四捨五入） （ ）

30’

（ ）

（ ）

（主な歳入）

（ ）

（ ）

（主な歳出）

（ ）

（ ）

百万円 （ ）

百万円 （ ）

＜参考＞積立金の残高

平成30年度末（予定） 1兆3,155億円

（注） １回の地震等による総支払保険金の上限は、11兆3,000億円である。（そのうち、政府の支払保険責任額は、11兆1,268億円）

人 件 費 65

△

13.9 ％

そ の 他 8 26.5 ％

7.3 ％

再 保 険 費 1,868 億円

事 務 取 扱 費 1 億円

7.9 ％

4.1 ％

雑 収 入 256 億円

1,869 億円

【 概 要 】

地震等による被災者の生活の安定に寄与することを目的として、民間損害保険会社が負う地震保険責任を政府が再保険し、再保険料の受入れ、管理・運用のほか、民間のみでは対応できない巨大地震発生の際には、再保険金の支払いを行う。

再 保 険 料 収 入 1,613 億円 3.5 ％

億円（ 4.1 ％ ）

％ ）

地 震 再 保 険 特 別 会 計1,869 億円

歳 出1,795

歳 入1,795 億円

（ 4.1

平成30年度 地震再保険特別会計予算概算の概要

29 ’当初予算額（ 伸 率 ）

概 算 額

積立金は、巨大地震発生時の「再保険金並びに借入金の償還金及び利子に充てるために必要な金額」を積み立てているもの。

― 7 ―

― ―0123456789

＜主な歳出増減の内訳＞

（対２９当初）

・　契約件数の増加等による再保険料収入の増加等に伴う再保険費の増（＋74億円）

(単位：億円）（対２９当初）

地震再保険特別会計

1,869（+74）

1,869（+74）

歳出純計額から国債

償還費、社会保障費

等を除いた額

歳出純計額

歳出総額

1,869（+74）

事務取扱費等

1（+0）

1,869

億円

（+74）

再保険費

1,868（+74）

1,869

億円

（+7

4）

再保険料収入

1,613（+55）

雑収入

(預託金利子収入等)

256（+19）

【平成30年度歳入予算】

【平成30年度歳出予算】

― 8 ―

― ―0123456789

(計数は各々単位未満四捨五入） （ ）

30’

（ ）

（ ）

（主な歳入）（ ）

（ ）

（ ）

（注） （ ）

（主な歳出）

（ ）

（ ）

百万円 （ ）

百万円 （ ）

（ ）

（ ）

＜参考＞ 積立金の残高

平成30年度末（予定） 1兆　821億円

（注）　上下水道コンセッション推進のための補償金免除繰上償還に伴う利子収入の減少の補 塡に充てるため、2億円を投資勘定から受け入れることとしている。

前年度同額

前年度同額

△ 3.3 ％ ）財 政 投 融 資 特 別 会 計＜ 財 政 融 資 資 金 勘 定 ＞

26 兆 1,837 億円歳 入

27 兆 803 億円（

％ ）26 兆

　積立金は、毎会計年度の剰余金（損益計算上の利益に相当）が生じた場合、将来の金利変動による損失に備えるために金利変動準備金として積み立てているもの。

829 億円歳 出

26 兆 9,612 億円（ △ 3.3

財 政 融 資 資 金 よ り 受 入 12 兆 9,400 億円

【概要】

財政投融資計画の一環として、財投債で調達した資金等を原資に、日本政策金融公庫、独立行政法人等及び地方公共団体に対して貸付けを財政融資資金より実施しており、この財政融資資金の運用に関する経理を行う。

資 金 運 用 収 入 1 兆 △ 10.1 ％

公 債 金 12

2,134 億円

兆円

0.9

△ 5.6 ％

人 件 費 3,728 2.3 ％

兆円

他 勘 定 よ り 受 入 2 億円 皆　増

％

財政融資資金へ繰入 12

％

諸 支 出 金 3,178 億円 △ 7.4 ％

事 務 取 扱 費 59 億円 △

△ 5.8

そ の 他 2,131 △ 6.2

平成30年度 財政投融資特別会計（財政融資資金勘定）予算概算の概要

29’当初予算額（ 伸 率 ）

概 算 額

％国債整理基金特別会計へ繰入 13 兆 7,592 億円

― 9 ―

― ―0123456789

＜主な歳出増減の内訳＞

（対２９当初）

・　財投債の償還額の減少等に伴う「国債整理基金特別会計へ繰入」の減

(単位：億円）（対２９当初）

※　計数はそれぞれ四捨五入しているので、合計において一致しない場合がある。

財政投融資特別会計財政融資資金勘定

121,676（▲239）

260,829（▲8,782）

歳出純計額から国債

償還費、社会保障費

等を除いた額

歳出純計額

歳出総額

59（▲1）

（▲8,529億円）

予備費1（—）

260,

829億

円

（▲8,782）

財政融資資金へ繰入

120,000（—）

国債整理基金

特別会計へ繰入

137,592（▲8,529）

事務取扱費59（▲1）

公債等事務取扱費

一般会計へ繰入1（＋0）

諸支出金

3,178（▲253）

261,837億円

（▲

8,966）

公債金

120,000（—）

財政融資資金

より受入

129,400（▲7,714）

資金運用収入

12,134（▲1,370）

雑収入301（＋116）

【平成30年度歳入予算】

【平成30年度歳出予算】

他勘定より受入2（皆増）

― 10 ―

― ―0123456789

(計数は各々単位未満四捨五入） （ ）

30’

）

）

（主な歳入）

（ ）

（ ）

（ ）

（ ）

（主な歳出）

（ ）

（ ）

＜参考＞ 基金の残高

平成30年度末（予定） 3兆63億円

平成30年度 国債整理基金特別会計予算概算の概要

29’当初予算額（ 伸 率 ）

概 算 額

（注） 公債金は、復興債借換分等を除き、60年償還ルールに基づいて計算される借換債発行額を計上。

2.2 ％

復 興 債 整 理 支 出 3 兆 5,033 億円 △ 24.6 ％

国 債 整 理 支 出 187 兆 7,174 億円 △

％う ち 復 興 借 換 公 債 金 1 兆 8,587 億円 △ 2.8

20.3 ％

公 債 金 103 兆 2,371 億円 △ 2.7 ％

う ち 東 日 本 大 震 災 復 興他 会 計 よ り 受 入

983 億円

一般会計又は特別会計からの繰入資金等を財源として公債、借入金等の償還及び利子等の支払いを行う。

他 会 計 よ り 受 入 86 兆 350 億円 △ 1.7 ％

歳 出196 兆 6,416 億円

（ △ 2.8

【概要】

△ 2.8 ％ ）

国 債 整 理 基 金 特 別 会 計191 兆 2,207 億円

歳 入196 兆 6,416 億円

（

％ ）191 兆 2,207 億円

（

（

基金残高は、翌年度以降の国債償還等に充てるため、全額31年度の歳入に繰り入れられるもの。

― 11 ―

― ―0123456789

＜主

な歳

出増

減の

内訳

＞（対

２９

当初

）(単

位：億

円）（対

２９

当初

）

・　普

通国

債等

の債

務償

還費

の減

（▲40

,974

億円

）

・　普

通国

債等

の利

子及

割引

料の

減（▲

1,56

9億円

）

※　

計数

はそ

れぞ

れ四

捨五

入し

てい

るの

で、

合計

にお

いて

一致

しな

い場

合が

ある

。

国債

整理

基金

特別

会計

歳入

・　復

興債

等の

債務

償還

費の

減（▲

11,5

22億

円）

歳出

1,91

2,20

7

1,91

2,20

7

(▲ 5

4,209

)

(▲ 5

4,209

)

【平成

30年

度歳

出予

算】

債務

償還

費（復

興）

34,4

03（

▲11

,522）

【平成

30年

度歳

入予

算】

一般

会計

より

受入

233,0

10（▲

2,2

65）

各特

別会

計よ

り受

入626,3

57 （

▲12,8

10）

1,912,207億円

（▲

54,209)

利子

及割

引料

107,5

57（▲

1,56

9）

債務

償還

費1,7

68,2

69（▲

40,9

74）

公債

金収

入1,0

13,7

84（▲

27,8

89）

公債

金収

入（復

興）

18,5

87（

▲53

1）

その

他19,4

87（

▲10

,880）

その

他1,9

77（▲

144）

東日

本大

震災

復興

特別

会計

より

受入

983（+1

66）

1,912,207億円

（▲

54,209)

― 12 ―

― ―0123456789