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2018年11月22日 第3回保健医療分野AI開発コンソーシアム AI活用を前提としたヘルスケアプラットフォーム アクセンチュア株式会社 アクセンチュア・イノベーション・ハブ東京共同統括 マネジング・ディレクター 保科学世 資料1 保科構成員 提出資料

Reworking the Revolution OG GU call Jan16健康生活を 支えるビジネス の変化 生活環境 の中の医療 1 高速でトライ&エラーを 回し、リスクを抑えた

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2018年11月22日第3回保健医療分野AI開発コンソーシアムAI活用を前提としたヘルスケアプラットフォーム

アクセンチュア株式会社 アクセンチュア・イノベーション・ハブ東京共同統括マネジング・ディレクター 保科学世

資料1

保科構成員提出資料

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日常生活に浸透する医療サービスの実現

医療データに加え、ライフログ等の多様な情報を統合することで、国民が日々健康を実感できる世の中へ

日々の食生活も データ取得

いつでも どこでも 情報収集

薬局には オンデマンドに 在庫補充

端末が繋がり 患者のトータル ケアが可能に

患者と施設の コミュニケーションが

変化

医療関係者は リモートで モニタ可能に

ウェアラブル デバイスでセルフ 健康管理

個々の患者の 健康管理に役立つ

シームレスなサービス提供

グローバルインフラ・プロセスを 活用して継続的に コンテンツを届ける

Bi g Da t a &An a l y t i c s / これまでにないタイプ・ソース・量の データサプライチェーンを回し、インサイトと価値を創出 患者データを

活用した新たな エンジン

健康生活を 支えるビジネス の変化

生活環境 の中の医療

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高速でトライ&エラーを 回し、リスクを抑えた イノベーションの実現

統合的なプラットフォームを活用した コンテンツの再利用・重複排除等 による一人一人の最適を実現

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統合的な医療プラットフォームの必要性

患者接点・統合的なプラットフォーム

ターゲット患者・家族等へリーチ - データ取得・情報発信コンタクトポイント獲得

様々な領域での医薬品拡販 - 糖尿病・認知症・癌・パーキンソン・泌尿器 他

新規事業機会 - 医薬品以外も含めたサービス提供の可能性あり

プラットフォーム構築・運営支援

患者 製薬企業

行政

サービス 事業者

病院・医師

介助・援助者 (家族)

メンタルケア・Qo L 向上 - 日常生活の維持、生活意欲向上

身体的負担の軽減 - 病状改善実感、睡眠確保等

食事やケアプラン順守等の負担軽減 生活費の軽減 将来における不安の軽減

対象疾患患者に向けた新たなサービス機会識別

パイロット資材( コンテンツ・商品・サービス等) の提供

住民満足度向上 ケア環境の充実 早期治療による医療費軽減 プラットフォーム構築・運営支援

服薬管理・治療効果可視化/ 向上 患者から選ばれる病院・医師へ 治療データ提供

期待されるメリット 提供するもの

凡例

患者・医療従事者・サービス事業者を含め、それぞれの接点を通じたコラボレーションの機会創出が可能となる

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ヘルスケアプラットフォームで検証すべきこと、必要なデータ

治療成果・ 治療体験の向上

予防医療・ 診療への活用

医薬品・サービス 開発への活用

データを統合し分析モデルを構築・インサイト創出

病院内で保有するデータ 電子カルテ情報 レセプトデータ 投薬履歴 検査結果 臨床試験データ 他

病院外のデータ R WD- NDB、処方箋 ゲノムデータ 生活データ - 行動・食事・運動 小売データ 人口動態や医療圏の特徴 等

インプットデータ

治療への活用

病院・医師 患者 製薬企業 他

AIの効果的な活用には、多種多様なデータとして病院内外双方でのデータを含めることが肝要

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論点④データ転送・標準化/匿名化

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異業種からの新規参入

ヘルスケア参入デジタル企業

•AP P L E H e a l t h K i t /

Ac t i v i t y / R e s e a rc h K i t / Ca re K i t etc. –ユーザーの日々の健康データを収集及び蓄積

• 医療系AP Iを提供することで、大学等各種研究機関がバイタルデータの収集・活用が可能に

•G o o g l e 親会社のAl p h a b e t

は2兆円近い金額をR &Dに投資。G o o g l e F i t の開発を通じて、データの収集とユーザーフレンドリーなU Iを通じたデータの可視化を進める

• AR顕微鏡など画像診断領域についても開発を進めている

スタートアップ企業

• ぜんそくやCOPD患者に対して、吸入器にPropellerセンサーを取り付ける事で、吸入のデータ等をスマートフォンに送る。

• そのデータは、家族や医師とも共有可能

• 患者がアプリを通じて看護師とコミュニケーション。主なターゲットは特に救急病院に行く予定の患者

• 症状の申告度合、受診要否、受診すべき診療科等をアドバイス。

• 心臓の鼓動をRemote Patient Monitoringシステムを通じて収集

• ウェアラブルモニターを通じてデータを収集し医師がその状況を確認する事ができる

P a g e r

P re v e n t ic e S o l u t i on s

P ro p e l l er H e a l t h

デジタル界の巨人がヘルスケア業界に参入しつつあるだけでなく、スタートアップ企業の参入も続く

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論点④データ転送・標準化/匿名化

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病院と企業におけるパートナーシップの重要性

患者中心のサービスを構築していくためには、病院、企業、研究機関の協力が重要

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CUSTOMER BASE

THROUGH ECOSYSTEMエコシステムで患者基盤を拡げる

幅広いサービスを実現するには組織間の連携が不可欠。

外部サービスを取り込み自組織のサービスを提供する

デジタル・エコシステムの構築が肝要。

DEVELOPMENT

SPEED & COSTスピーディーで安価な開発

TRUST ON

SECURITY & PRIVACYセキュリティとプライバシーに基づく信頼

新たな価値の創出においてはスピードも重要。

システムを、いかにエコシステムに組み込むかがカギ。

究極のパーソナルデータであるが故に情報漏えいは致命

的。患者の信頼を得ながら、病院や企業の壁を越えた

サービスをいかに提供するかが大きな課題。

論点④データ転送・標準化/匿名化

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病院と企業をつなぐプラットフォーム 協調的な開発の容易性・柔軟なデータ資源の活用・セキュリティに応えるプラットフォームが求められる

論点④データ転送・標準化/匿名化

A病院 B社, C社

病院内サービス

マイクロサービス機能を最小単位で構成し組み合わせやすくする

A社サービス

B社サービス

APIマネジメント内外のサービスを

組み合わせ、価値を拡大

病院内基幹システム

RPA/API既存病院内システムを最大限活用

PPDM暗号化したままデータを連携・活用

Io Tセンサー

データ転送 • 英国、米国の知見や、ウェアラブルデバイスからのデータとの親和性も検討が必要

• 標準仕様として情報交換規約H L 7 F H IR ( F a s t H e a l t h In t e ro p e ra b l e R e s o u rc e ) が存在

標準化 • 提供側・利用側の両面の状況を踏まえた検討が必要。時系列データの取りまとめであれば事例*もある。

• AP Iマネジメントでは、Ap i g e e ( G o o g l e ) やCA Te c h n o l o g y などが知られている

セキュリティ・匿名化 • 連携及び利活用に係る証跡の保存、管理(ブロックチェーン技術、スマートコントラクト、インターレッジャーの活用)

• P P DM(プライバシー保護データマイニング)による暗号化したままのデータの連携・活用 * 1 出典: Al v i n R a j k o ma r, e t a l . ( 2018 , Ma y 08 ) . S c a l a b l e a n d a c c u ra t e

de e p l e a rn i n g wi t h e l e c t ro n i c h e a l t h re c o rds Na t u re . h t t p s : / / www. n a t u re . c o m/ a rt i c l e s / s 4 17 4 6 - 018 - 0029- 1

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* 1 出典: S h a c k l e t t , M. (2017, July 21). Edge Computing: The Smart Person’s Guide . Te c h R e p u b l i c . h t t p : / / www. t e c h re p u b l i c . c o m/ a rt i c l e / e dg e -c o mp u t i n g - t h e - s ma rt - p e rs o n s - g u i de /

インフラアーキテクチャ最適化( 1/ 2)

クラウドAI中心 エッジAI活用

臨機応変のAIサービス困難

⁻ 処理速度/レスポンスの壁(“ミリ秒”の即応が困難)

⁻ セキュリティ/プライバシーの壁(センシティブデータ活用にリスク)

ストレージ逼迫

処理速度の限界(ムーアの法則の崩壊)

ネットワーク帯域のボトルネック化

大量データの生成・クラウド送信

パフォーマンスとセキュリティ/プライバシーを両立

⁻ その場処理による反射

⁻ センシティブデータ非保持

蓄積・処理データ量の最適化

必要なデータのみクラウド送信

データをその場でAI処理&使い捨て

507.5 ZB / 年2020年には、スマートセンサーやIoTデバイスが

507.5 ZB/年のデータを生成*1

セキュリティ/プライバシー

GDP Rなどセキュリティ/ プライバシー保護の機運が高

まりつつある

(1ZB=1兆GB)

取り扱うデータが今後も増大する中で、エッジコンピューティングの活用も新たな選択肢となる

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論点⑤クラウドでの計算データストレージ

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クラウド

ミドル

既存のシステム環境

エッジ

ネットワーク

ネットワーク

SCADA*1/PLC *2サーバー環境

ゲートウェイ(通信/API)

⁻ 学びの集約・分析・学習によるメタ・インサイトの生成

⁻ エッジ/サービスへのフィードバック、横展開

⁻ エッジのコントロールや従前のシステム環境との連携

⁻ HWアクセラレータを含む既存システム環境のAI化

⁻ エッジHWの処理能力向上、消費電力低減が進み、活用範囲は拡大

⁻ 一方で、エッジで「使い捨てる」データは複合的に判断が必要(通信環境・費用、プライバシー、計算量など)

*1 SCADA: 監視制御システム*2 PLC: プログラマブルロジックコントローラ

インフラアーキテクチャ最適化( 2/ 2)

インフラアーキテクチャとして、各レイヤにおける分担を最適化しつつ柔軟性を保つことが求められる

データ量や即応性といった技術的要件のみならず、プライバシー保護等の制度や業務に即した検討が必要

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論点⑤クラウドでの計算データストレージ

⁻ 医療データやライフログ等の収集と学習

⁻ 多様なデータを組み合わせ、予防及び未病対策に活用

⁻ 院内や研究機関内の秘匿性の高い情報処理

⁻ クラウド送信データの選別、前処理

⁻ 手術等におけるリアルタイム(遅延が許されない高速)処理

特性を踏まえた分担の検討

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AIシステムの検証

AIシステムを導入、定着させるには、最初の段階からAIの責任ある使用にコミットすることが必要

そのためには、AIが意図せぬ結果や影響をもたらさないように制御する必要がある

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論点⑥臨床での検証

ガードレールを設置する

AIが意図せぬ結果や影響をもたらさないように制御する。AIによる判断で許されること、許されないことの境界線を決め、実装に反映、またその境界線を周知する。

AIの出した結果について、視覚的なアウトプットを用意してその情報を人間が分析、確認できるようにすることでAIの不透明さ、ブラックボックス性が減少し、信頼を作り出す。

診断支援

低侵襲な医療行為

示唆・参考

高侵襲な医療行為

人間によるチェックポイントを設ける

倫理的クラッシャブルゾーンを最小限にする 倫理的心理的問題を検討する

アルゴリズムの誤りによる失敗の責任を人間が負わなければならないという問題(倫理的クラッシャブルゾーン)に対して対応を行う。

人間はAIから得られた結果を修正する能力を与えられると、重要な役割を担う一員だという感覚を持ち、よりAIを信頼しやすくなる。AIが自ら下した判断に対して説明を行い、人間が最終決定するようなプロセスが必要。

AIの評価をするシステム

アルゴリズムの説明責任

AIに異を唱える能力

継続的なモニタリング

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医療の専門家に加え、セキュリティの知識とデータサイエンスの知識を備えた

データインテリジェンスの専門家の育成と参画が必須

AIシステムの運用にあたって 学習データの重要性

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論点⑧商用展開/アップデート

データに基づく意思決定において、その影響、許容されるリスクなどの基準を定め、新たな潜在的な脅威も含めて取り組む必要がある。

学習データの確保

民間を含むアノテータの確保(マルチレイヤの実現)

信憑性の高いデータの効率的な収集

品質の低いデータの影響を低減

インセンティブの付与によるモチベーションの検討

品質の担保のための標準・自動化の検討

顕在化時の影響判断

定期的なバリデーションによる品質の低いデータの除外

品質の見える化(トレーサビリティ)の検討