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RH‐PAC地域医療ビジョン・地域医療計画ガイドライン(暫定版)
医療計画策定参画者研修ガイドライン~マルチステークホルダーで場を共有~
発表者
吉田真季(RH‐PAC世話人)
本プレゼンテーションは、RH‐PAC地域医療ビジョン/地域医療計画
ガイドライン(暫定版)の医療計画策定参画者研修ガイドラインをベースにしています。
1 策定に携わる人材の現状
医療計画策定参画者研修ガイドライン
地域医療ビジョン/地域医療計画策定ガイドライン(暫定版)
地域医療を動かす
RH‐PAC
2
地域医療を動かす
RH‐PAC研修
ガイドライン 都道府県職員の参画状況
都道府県庁内の複数の部局・課が策定に携わる 参画人数は5~20人の場合が多いが、ばらつきあり
職種は行政職と専門職(医師、歯科医師、保健師、看護師、薬剤師など)に大別される
• キャリアパスは多様、保健医療分野の経験年数も個人差大
地域医療ビジョン/地域医療計画策定ガイドライン(暫定版) 3
出典:厚生労働省医政局「医療計画の推進に係る都道府県への調査」
地域医療を動かす
RH‐PACその他ステークホルダーの
参画状況
都道府県により参画人数には幅がある• 「医療現場・提供者」の人数が最も多い• 「患者・住民」「医療現場・提供者」は全県で参画がみられた
策定に参画したその他ステークホルダーの延べ人数
地域医療ビジョン/地域医療計画策定ガイドライン(暫定版) 4
出典:H‐PAC/RH‐PAC「地域医療ビジョン/地域医療計画ガイドライン策定にあたってのアンケート」(以下、H‐PAC/RH‐PAC都道府県アンケートと記載)
二重線より上:該当する都道府県数(N=34)
患者・住民(市民団体代表、患者会代表、住民
代表など)
医療現場・提供者(保健師、助産師、看護師、薬剤師、医師、
歯科医師など)
有識者(大学研究者、メディア関係者など)
その他(町村会、市長会、社協、消防長会、議員、保険者など)
5人未満 10 1 15 22
5人以上20人未満 19 15 12 520人以上30人未満 3 3 6 230人以上50人未満 2 2 1 250人以上100人未満 0 5 0 2
100人以上 0 8 0 1
最小値 0人(1県) 3人(1県) 0人(3県) 0人(12県)
中央値 8人 24人 5人 3人最大値 36人(新潟県) 278人(茨城県) 35人(徳島県) 109人(愛知県)
研修ガイドライン
地域医療を動かす
RH‐PAC現在行われている研修の概要
(都道府県職員向け)
厚生労働省による都道府県職員向け研修(2014年度)• 医療計画作成支援データブックを用いた評価・見直し等都道府県担当者向け研修会(3月:1日間)
• 医療計画PDCA研修会(第1回7月:3日間、第2回9月:3日間)• 内容は計画策定スキル面に特化
大学法人等でも自治体職員向けの実践的プログラムを提供(いずれも約3週間)
• 政策研究大学院大学による「医療政策短期特別研修」• 自治大学校による研修
地域医療ビジョン/地域医療計画策定ガイドライン(暫定版) 5
研修ガイドライン
地域医療を動かす
RH‐PAC現在行われている研修の概要(その他ステークホルダー向け)
体系的な研修はほとんど実施されていない• 特に患者・住民に対する研修制度が不足している(RH‐PAC意見集約より)
• 都道府県側に、職員以外の人材を育成するという発想があまりない(都道府県ヒアリングより)
地域医療ビジョン/地域医療計画策定ガイドライン(暫定版) 6
研修ガイドライン
2 教育・研修等へのニーズ
医療計画策定参画者研修ガイドライン
地域医療ビジョン/地域医療計画策定ガイドライン(暫定版)
地域医療を動かす
RH‐PAC
7
地域医療を動かす
RH‐PAC必要な人材育成の要素
(RH‐PACガイドラインでの4区分)
RH‐PACでは、多様な立場の参加者による意見集約を経て、医療計画策定参画に必要な要素を分類・定義
• 数県の策定担当者にヒアリングし、概ね妥当であると確認
図表 RH‐PACガイドラインで定義する「医療計画策定参画に必要な人材育成の要素」
地域医療ビジョン/地域医療計画策定ガイドライン(暫定版) 8
主な要素
A 政策知識専門用語の意味や定義政策や制度の知識疾病・事業の基本知識
B 計画策定スキル
必須データの所在や入手法データの具体的活用法、将来推計方法圏域間や都道府県間の比較分析方法専門家の意見を理解し解釈する力論理的思考力
C マネジメントスキル
説明力表現力多様なステークホルダー間で調整しまとめる力互いを尊重した対話を行う力
D リーダーシップ
十分な対話から本質的意見を引き出す力個々の意見を尊重しつつ合意形成に至らせる力地域住民の理解を得る力意見や利害の違いを超えたファシリテーション(活動・議論が円滑に行えるよう中立的に支援する)力全体の中の相対的位置付けを踏まえて主張できる力人間力
研修ガイドライン
地域医療を動かす
RH‐PAC各要素の充足状況
(都道府県アンケートより)• 都道府県職員で充足度評価が低いのは「計画策定スキル」
図表 それぞれの要素の充足度(第6次医療計画策定時)
地域医療ビジョン/地域医療計画策定ガイドライン(暫定版) 9
出典:H-PAC/RH-PAC都道府県アンケート(設問への回答件数=33)
(1)都道府県職員
(2)その他ステークホルダー
9%
9%
15%
15%
58%
45%
55%
61%
27%
42%
27%
21%
6%
3%
3%
3%
政策知識
計画策定スキル
マネジメントスキル
リーダーシップ
1.十分であった 2.おおむね十分であった 3.やや不十分であった 4.不十分であった
18%
18%
21%
21%
70%
58%
61%
67%
12%
21%
18%
12%
3%
政策知識
計画策定スキル
マネジメントスキル
リーダーシップ
1.十分であった 2.おおむね十分であった 3.やや不十分であった 4.不十分であった
研修ガイドライン
地域医療を動かす
RH‐PAC各要素の必要度合い(RH‐PAC意見集約より)
「患者・住民」「医療現場・提供者」「有識者」「その他(保険者・議員)」各者で4つ要素の必要度を検討
• 全てのステークホルダーで、4つの要素とも必要
• それぞれの基本的内容が共有されていることが大切
地域医療ビジョン/地域医療計画策定ガイドライン(暫定版) 10
政策知識計画策定スキル
マネジメントスキル
リーダーシップ
都道府県職員
患者・住民
医療現場・提供者
有識者ほか
すべての要素が必要 すべてのステークホルダーにとって必要 基本的内容が共有されていることが大切
研修による向上の余地は大きい
研修ガイドライン
3 教育・研修等への提案
医療計画策定参画者研修ガイドライン
地域医療ビジョン/地域医療計画策定ガイドライン(暫定版)
地域医療を動かす
RH‐PAC
11
• アンケートと意見集約により、各ステークホルダーの課題を把握
地域医療を動かす
RH‐PAC人材育成の課題
地域医療ビジョン/地域医療計画策定ガイドライン(暫定版) 12
都道府県職員
医療現場提供者
保険者議員など
患者・住民
研究者メディア
研修ガイドライン
多様な関係者の声を拾いきれない
出典:H-PAC/RH-PAC都道府県アンケート(設問への回答件数=33)
定期的な人事異動
受講者が限られる
多様な相手への説明力が必要
人選、任命プロセス未整備
各ステークホルダーの役割・責任が
不明確認識の共有が難
人材少ない
属人的能力に依存
研修が
ほとんどない
多忙
専門分野の議論を理解しづらい
臨床以外の知識・スキルに接する場がない
職能団体や組織の利害に基づく言動になりがち
地域医療を動かす
RH‐PAC提案:二段構えの研修体系
地域医療ビジョン/地域医療計画策定ガイドライン(暫定版) 13
全てのステークホルダー共通の「地域医療計画策定人材養成講座」を新たに設ける
都道府県職員対象の「個別専門研修」を拡充
研修ガイドライン
有識者ほか
医療現場・提供者
患者・住民
都道府県職員
政策知識計画策定スキル
マネジメントスキル
リーダーシップ
共通研修「地域医療計画策定人材養成講座」
個別専門研修(従来の研修を拡充)
地域医療を動かす
RH‐PAC個別専門研修とは
地域医療ビジョン/地域医療計画策定ガイドライン(暫定版) 14
都道府県職員の政策知識・計画策定スキル向上に特化• 厚生労働省、政策研究大学院大学等が主体となり、中央集約型で実施
• 定期的・継続的に開催
• 受講者が職場に戻り、知見を伝達する仕組みを設ける
都道府県で医療政策の中核的な人材を育成• 現状の異動を前提とした人事制度を一部見直す• 人材育成方針を明確化し、県内大学院に職員を派遣することも一案
• 医療計画策定基本ガイドラインを参照
策定の実務面は「地域医療計画策定支援センター」「地域医療計画情報・指標センター」でも支援
• 医療計画策定プロセスガイドラインを参照
研修ガイドライン
地域医療を動かす
RH‐PAC共通研修とは
地域医療ビジョン/地域医療計画策定ガイドライン(暫定版) 15
研修ガイドライン
「協業」を体験し、互いを知る場とする
• 地域のマルチステークホルダーがともに政策立案・合意形成していくスキルを習得
• 座学にとどまらずグループワーク等の実践的内容を含める
• 各ステークホルダーからの好事例を共有する
• ステークホルダー間で人的つながりを得られる場とする
好事例
• 1:がん政策サミット(日本医療政策機構 市民医療協議会)
• 2:地域医療再生計画作成塾(放送大学)
地域医療計画策定人材養成講座
地域医療を動かす
RH‐PAC共通研修のイメージ
地域医療ビジョン/地域医療計画策定ガイドライン(暫定版) 16
地域での協業
「場」の共有によりマルチステークホルダー協業の重要性を体感
知見、経験を職場・地域等に波及
研修ガイドライン
都道府県職員
医療現場提供者
保険者議員など
患者・住民
研究者メディア
地域医療を動かす
RH‐PAC共通研修の実施形態
地域医療ビジョン/地域医療計画策定ガイドライン(暫定版) 17
研修ガイドライン
都道府県内の大学を活用
• 地域分散型で実施
• 地域内の多様なステークホルダーが集まりやすい場で行う
• 全国共通の内容+地域特性を反映した内容の双方を学ぶ
開催形態(H‐PACをもとにイメージ)• 週に1回、1コマ2時間(19‐21時)• A~Dの4要素×各3コマ=3か月、計24時間分で1クール
• 2時間のうち、座学60分、グループワーク60分• 1回の参加者は約40人(全ステークホルダー均等人数)
地域医療を動かす
RH‐PACカリキュラムの考え方
地域医療ビジョン/地域医療計画策定ガイドライン(暫定版) 18
各テーマの基本的内容を、全てのステークホルダーで共有
• 患者・住民:まずテーマに関心を持ち、より深く知りたいときには何を参照したらよいかが分かるようになる
• 立場による見方や考え方の違い、経験や知識の違いを互いに知る
講師の人選時の留意点• 特定のステークホルダーに偏らず公共性を重んじる
• 受講側に立った講義をできることを重視
• 受講生が相互にメンター(助言者)役になる
研修ガイドライン
地域医療を動かす
RH‐PAC研修のカリキュラムイメージ
地域医療ビジョン/地域医療計画策定ガイドライン(暫定版) 19
A:政策知識
形態 主な学習テーマ
• 一部は個別専門研修
• 共通研修は合同
政策決定プロセスと参画のありかた 財政、社会保障制度改革について 地域医療計画について 5疾病、5事業、在宅医療の基礎知識 法令(法律、政令、省令、通知)等について 審議会、中央社会保険医療協議会等の仕組み 医療の質や均てん化について 統計、EBM(根拠に基づく医療)、社会調査の基礎
研修ガイドライン
地域医療を動かす
RH‐PAC研修のカリキュラムイメージ
地域医療ビジョン/地域医療計画策定ガイドライン(暫定版) 20
B:計画策定スキル形態 主な学習テーマ
• 一部は個別専門研修
• 共通研修は合同
現状把握の手法(既存施策の評価、データの収集・分析・比較)
各ステークホルダーからの意見聴取(特に患者・住民からの意見集約)
施策形成の手法(課題抽出、施策案の掲載、案の吟味ととりまとめ、実行計画の策定)
PDCAサイクルと評価(PDCAサイクル、政策評価、ロジックモデル、目標と指標の設定)
行政、医師会、地域医療機関など各ステークホルダーの役割と関係
研修ガイドライン
地域医療を動かす
RH‐PAC研修のカリキュラムイメージ
地域医療ビジョン/地域医療計画策定ガイドライン(暫定版) 21
C:マネジメントスキル
形態 主な学習テーマ
• 合同の共通研修
事業計画書、活動計画書、予算書作成 観察、進捗管理、状態管理 プロジェクトマネジメント コミュニケーション(交渉)力 プレゼンテーション(説明)力 目標とミッションの設定
研修ガイドライン
地域医療を動かす
RH‐PAC研修のカリキュラムイメージ
地域医療ビジョン/地域医療計画策定ガイドライン(暫定版) 22
D:リーダーシップ
形態 主な学習テーマ
• 合同の共通研修
ミッションステートメント(自らの役割を理解) マルチステークホルダーでの協働(チームづくり)
ファシリテーション(活動・議論が円滑に行えるよう中立的に支援)
合意形成 医療倫理・事業倫理
研修ガイドライン
地域医療を動かす
RH‐PAC推奨施策
地域医療ビジョン/地域医療計画策定ガイドライン(暫定版) 23
研修ガイドライン
全てのステークホルダーを対象に2段構えの研修を実施• 個別専門研修:都道府県職員向け、中央集約型、厚生労働省や政策研究大学院大学の既存研究を拡充
• 共通研修:都道府県職員を含む全ステークホルダー合同、地域分散型、県内大学を活用
定期的・継続的に実施• 受講者から知見を波及させる仕組みも作る
多様な立場の「協業」を体験し、互いを知る場とする• 好事例の共有、人的繋がりの構築も目指す
カリキュラムは4要素で構成• A政策知識、B計画策定スキル、Cマネジメントスキル、Dリーダーシップ
• 座学+グループワーク等の実践的内容とする
ありがとうございました
「協業」の醍醐味を共有し、広めていきましょう