4
(1/3) 本資料は投資判断の参考としての情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的とするものではありません。銘柄の選択、投資判断の最終決定はお客様ご自身の判断でなさるようお願いいたします。本資料に掲載された意見 は作成日における判断であり、予告なしに変更される場合があります。本資料に掲載された意見・データは、当社が信頼できると判断したデータ等により作成いたしましたが、その正確性、安全性等について保障するものではあ りません。著作権、知的所有権等一切の権利はモーニングスター株式会社並びに Morningstar.Inc に帰属しますので、許可なく複製、転写、引用等を行うことを禁じます。 Morningstar Equity Research Report 2017.6.16 グループ会社再建進み、高成長継続 パーソナルトレーニングジム「RIZAP」を運営 株価 投資単位 時価総額 年初来高値 年初来安値 PER(予) 1,468(6/15) 1001,870.8億円 (6/15) 1,593(17/6/15) 757(17/1/26) 23.4(6/15) RIZAPグループ (2928・札証アンビシャス) ■グループ会社再建進み、収益は過去最高を更新 17 年 3 月期の連結業績(IFRS ベース)は、売上収益 953 億円(前期比 76.7%増)、営業利益は 102 億円(同 3.2 倍)と過去最高を記録した。M&A(企業の合併・買収) 効果もあり、全セグメントで増収を達成。営業利益率は 10.7%と 2 ケタに乗せ、前期の 5.9%(IFRS 基準)から 大幅に上昇した。 セグメント別では全セグメントで増収を達成、利益面 では RIZAP 関連事業の利益が倍増するなど主力の美容・ 健康関連が増益となった他、アパレル関連事業、エンタ ーテインメント事業が黒字転換し、収益拡大に貢献した。 好調な業績を背景に 1 株利益配当を期末一括で 12.10 円(前期は期末一括 7.60 円)と大幅に増額している。 成長トレンド継続、想定株価レンジ引き上げ 会社側が発表した 18 年 3 月期連結業績予想は、売上 高が 1,502 億円(前期比 57.6%増)、営業利益は 130 億 円(同27.4%増)。成長のけん引役は引き続きRIZAP事 業の拡大。同事業を含む美容・健康関連の予想営業利益 は86億円(前期の調整後営業利益は36億円)を計画 している。RIZAP は依然として入会待ちの状態が続いて いる。新規事業の積極的な拡大のため、計画では今期新 たに 60 店舗を出店し、店舗数は 190 店(RIZAP 関連事 業含む)まで増加する方針だ。また、リピート率向上や シニア層の取り込み、物販販売の拡大、予約システムの 導入などで、ボディメイク事業 1 店舗当たりの売上高を 2 割以上増加させる。RIZAP 事業は規模拡大と収益アッ プの両面から加速しそうだ。また、17年3月期からス タートし、会員数が順調に増加している RIZAP GOLF の 黒字化やグループ会社であるマルコの大幅増益が収益の 押し上げに寄与する見通し。 アパレル関連事業は営業損益が37億円の黒字(同8 億円の赤字)へ転換、収益の拡大へ大きな役割を果た す。10-20 代女性向け衣料品をネットで販売する夢展望 が 17 年 3 月期の 1.5 億円の赤字から 7.8 億円の黒字に転 換する他、17 年 2 月に買収したジーンズメイトが 8.3 億 円の赤字から3.0億円の黒字となる見込み。M&A効果 もあり、アパレル関連事業は同社のもう 1 つの事業の柱 に成長する。 今回新たに22年3月期まで5年間の業績予想をベー スに、DCF(ディスカウント・キャッシュ・フロー)法 で算出した想定株価レンジは 2,000 - 2,500 円(前回レ ポート時は1,150-1,350円)。今後5年間の売上高成 長率(年率)18%程度、営業利益で26%程度とした。 評価不足だった株価は、モーニングスターの予想通り修 正され大幅に上昇、上場来高値近辺で推移している。も っとも、現値(15日終値1,468円)から想定株価レン ジの中心値 2,250 円までは 53%の上値余地があること から、投資判断は「Overweight」を継続する。想定株 価レンジの中心値2,250円の18年3月期会社予想EPS (1 株利益)ベースの PER は 35 倍台。高い成長性を考慮 すれば、プレミアムを付されて評価されても不思議では ない。 (宮本 裕之) 投資判断(6/15) Overweight 継続 業績動向 売上高 (百万円) 前年比 (%) 営業利益 (百万円) 前年比 (%) 経常利益 (百万円) 前年比 (%) 純利益 (百万円) 前年比 (%) EPS (円) 16 年 3 月期 実績 53,937 - 3,159 - 2,806 - 1,587 - 12.5 17 年 3 月期 実績 95,299 76.7 10,212 223.3 9,604 242.2 7,678 383.7 60.3 18 年 3 月期 会社予想 150,202 57.6 13,010 27.4 11,983 24.8 8,007 4.3 62.8 MS 予想 150,202 57.6 13,010 27.4 11,983 24.8 8,007 4.3 62.8 19年3月期 MS予想 200,000 33.2 19,000 46.0 17,500 46.0 11,694 46.0 91.8 6/15時点) 想定株価レンジ 2,000~ 2,500(千株) (円) 26週線 13週線 13週平均線 出来高 729 1,313 500 1,000 1,500 2,000 2,500 0 2,000 4,000 6,000 56 7 8 9 10 11 12 1 2 3 4 5 6 13週移動平均線 26週移動平均線 出来高(13週平均) 9188601,545,769

RIZAPグループ (2928・札証アンビシャス) Overweight 継続 · rizapグループ (2928・札証アンビシャス) グループ会社再建進み、収益は過去最高を更新

  • Upload
    others

  • View
    3

  • Download
    0

Embed Size (px)

Citation preview

Page 1: RIZAPグループ (2928・札証アンビシャス) Overweight 継続 · rizapグループ (2928・札証アンビシャス) グループ会社再建進み、収益は過去最高を更新

(1/3)本資料は投資判断の参考としての情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的とするものではありません。銘柄の選択、投資判断の最終決定はお客様ご自身の判断でなさるようお願いいたします。本資料に掲載された意見は作成日における判断であり、予告なしに変更される場合があります。本資料に掲載された意見・データは、当社が信頼できると判断したデータ等により作成いたしましたが、その正確性、安全性等について保障するものではありません。著作権、知的所有権等一切の権利はモーニングスター株式会社並びにMorningstar.Inc に帰属しますので、許可なく複製、転写、引用等を行うことを禁じます。

Morningstar Equity Research Report 2017.6.16

グループ会社再建進み、高成長継続

パーソナルトレーニングジム「RIZAP」を運営

株価 投資単位 時価総額 年初来高値 年初来安値 PER(予)

1,468円(6/15) 100株 1,870.8億円

(6/15)1,593円

(17/6/15)757円

(17/1/26)23.4倍

(6/15)

RIZAPグループ (2928・札証アンビシャス)

■グループ会社再建進み、収益は過去最高を更新17年3月期の連結業績(IFRSベース)は、売上収益

953億円(前期比76.7%増)、営業利益は102億円(同3.2倍)と過去最高を記録した。M&A(企業の合併・買収)効果もあり、全セグメントで増収を達成。営業利益率は10.7%と2ケタに乗せ、前期の5.9%(IFRS基準)から大幅に上昇した。

セグメント別では全セグメントで増収を達成、利益面ではRIZAP関連事業の利益が倍増するなど主力の美容・健康関連が増益となった他、アパレル関連事業、エンターテインメント事業が黒字転換し、収益拡大に貢献した。

好調な業績を背景に1株利益配当を期末一括で12.10円(前期は期末一括7.60円)と大幅に増額している。

■成長トレンド継続、想定株価レンジ引き上げ会社側が発表した18年3月期連結業績予想は、売上

高が1,502億円(前期比57.6%増)、営業利益は130億円(同27.4%増)。成長のけん引役は引き続きRIZAP事業の拡大。同事業を含む美容・健康関連の予想営業利益は86億円(前期の調整後営業利益は36億円)を計画している。RIZAPは依然として入会待ちの状態が続いている。新規事業の積極的な拡大のため、計画では今期新たに60店舗を出店し、店舗数は190店(RIZAP関連事業含む)まで増加する方針だ。また、リピート率向上やシニア層の取り込み、物販販売の拡大、予約システムの導入などで、ボディメイク事業1店舗当たりの売上高を2割以上増加させる。RIZAP事業は規模拡大と収益アップの両面から加速しそうだ。また、17年3月期からスタートし、会員数が順調に増加しているRIZAP GOLFの黒字化やグループ会社であるマルコの大幅増益が収益の押し上げに寄与する見通し。

アパレル関連事業は営業損益が37億円の黒字(同8億円の赤字)へ転換、収益の拡大へ大きな役割を果たす。10-20代女性向け衣料品をネットで販売する夢展望

が17年3月期の1.5億円の赤字から7.8億円の黒字に転換する他、17年2月に買収したジーンズメイトが8.3億円の赤字から3.0億円の黒字となる見込み。M&A効果もあり、アパレル関連事業は同社のもう1つの事業の柱に成長する。

今回新たに22年3月期まで5年間の業績予想をベースに、DCF(ディスカウント・キャッシュ・フロー)法で算出した想定株価レンジは2,000-2,500円(前回レポート時は1,150-1,350円)。今後5年間の売上高成長率(年率)18%程度、営業利益で26%程度とした。評価不足だった株価は、モーニングスターの予想通り修正され大幅に上昇、上場来高値近辺で推移している。もっとも、現値(15日終値1,468円)から想定株価レンジの中心値2,250円までは53%の上値余地があることから、投資判断は「Overweight」を継続する。想定株価レンジの中心値2,250円の18年3月期会社予想EPS

(1株利益)ベースのPERは35倍台。高い成長性を考慮すれば、プレミアムを付されて評価されても不思議ではない。

(宮本 裕之)

投資判断(6/15)

Overweight 継続

業績動向売上高

(百万円)前年比(%)

営業利益(百万円)

前年比(%)

経常利益(百万円)

前年比(%)

純利益(百万円)

前年比(%)

EPS(円)

16 年 3月期 実績 53,937 - 3,159 - 2,806 - 1,587 - 12.5

17 年 3 月期 実績 95,299 76.7 10,212 223.3 9,604 242.2 7,678 383.7 60.3

18 年 3月期会社予想 150,202 57.6 13,010 27.4 11,983 24.8 8,007 4.3 62.8

MS 予想 150,202 57.6 13,010 27.4 11,983 24.8 8,007 4.3 62.8

19年3月期 MS予想 200,000 33.2 19,000 46.0 17,500 46.0 11,694 46.0 91.8

(6/15時点)

想定株価レンジ 2,000円~ 2,500円

(千株)

(円)

26週線

13週線

13週平均線出来高

729

1,313

500

1,000

1,500

2,000

2,500

02,0004,0006,000

56 7 8 9 10 11 12 1 2 3 4 5 6

13週移動平均線 26週移動平均線 出来高(13週平均)

918円 860円 1,545,769株

Page 2: RIZAPグループ (2928・札証アンビシャス) Overweight 継続 · rizapグループ (2928・札証アンビシャス) グループ会社再建進み、収益は過去最高を更新

本資料は投資判断の参考としての情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的とするものではありません。銘柄の選択、投資判断の最終決定はお客様ご自身の判断でなさるようお願いいたします。本資料に掲載された意見は作成日における判断であり、予告なしに変更される場合があります。本資料に掲載された意見・データは、当社が信頼できると判断したデータ等により作成いたしましたが、その正確性、安全性等について保障するものではありません。著作権、知的所有権等一切の権利はモーニングスター株式会社並びにMorningstar.Inc に帰属しますので、許可なく複製、転写、引用等を行うことを禁じます。 (2/3)

Morningstar Equity Research Report 2017.6.16

RIZAPグループ(2928・札証アンビシャス)

リスク要因

美容・健康分野は食品企業や医薬品メーカーなどからの参入も多く競争が激化、事業リスクといえる。また、RIZAP事業では、会員数の増加に伴い、店舗数とトレーナーの確保を進めているが、会社想定通りに店舗物件や人材の確保が進まない可能性がある。同社の強みであるマーケティングには多額の費用が投じられているが、期待通りの広告宣伝効果を得られない場合は事業に大きな影響を及ぼす可能性がある。もっとも、売上高に占める広告宣伝費は今後低下していく見通し。

■ 会社概要03 年に健康食品の通信販売を目的として創業。16 年7

月1日をもって、純粋持株会社制に移行し、「RIZAPグループ」へ商号を変更した。

パーソナルトレーニングジム「RIZAP」事業が、業績をけん引する。「結果にコミットする」、「たった2カ月で、このカラダ」などといった印象深いフレーズを用い、トレーニング前とその後(ビフォー・アンド・アフター)を比較した効果的な宣伝手法などを用い、会員数を拡大してきた。また、新たな業態としてスコアにコミットする「RIZAP GOLF」やコミュニケーション英語能力を測るテストTOEIC

( トーイック)のスコアアップをコミットする「RIZAP ENGLISH」の展開も開始している。

同社は業界を問わず、こうした自己投資産業へ積極的に参入する構えで、M&A(企業の合併・買収)にも前向き。17年3月期中には、女性用下着や化粧品の販売を手掛けるマルコ、カジュアル専門チェーンのジーンズメイト、インテリア・生活雑貨を揃えるパスポートなどを傘下に収め、グループの様々なシナジー効果へ期待が高まる。

セグメント別では、RIZAPが中心の美容・健康関連の他、アパレル関連、インテリア雑貨など商品の企画・開発を行っている住関連ライフスタイル、エンターテイメントなどのセグメントを有する。売上高比率(17年3月期時点)は美容・健康関連が39.7%(前期は52.9%)、アパレル関連が13.6%(同16.5%)、住関連ライフスタイルが34.1%(同14.5%)、エンターテイメントが12.6%(同16.1%)となっている。

■ 事業環境と展望経済産業省の「特定サービス産業実態調査」によれば、

日本の民間フィットネスクラブの市場規模は4,200億円超。市場全体では頭打ちの状況が続いているが、中高年層の規模拡大が続いている他、個別トレーニングや低価格などフィットネスクラブの多様化が進んでいるとの調査結果もある。環境の追い風もあり、RIZAP事業の成長余地は大きい。18年3月期には店舗数を190店舗程度(RIZAPとRIZAP関連事業)まで増加させる計画(17年3月期末時点で130店舗)。また、トレーナーの稼働率上昇や顧客単価アップなどの施策により、ボディメイク事業の1店舗当たり売上高を2割以上増加させる方針を示す。さらに、RIZAP事業としてスポーツ分野へ本格進出、関連会社とのシナジーが期待できるスポーツアパレルや、トップアスリートの競技パフォーマンス向上をサポートするRIZAPアスリートプロジェクトも推進する。

■ 株主優待■ 配当の状況中間期末 期末 年間

16年3月期 実績 0円 7.60円 7.60円

17年3月期 実績 0円 12.10円 12.10円

18年3月期 会社予想 0円 12.57円 12.57円

株主還元(6/15時点)

毎年3月31日の株主名簿に記載された100 株以上所有する株主を対象(16年 3月31日の株主から変更内容が適用)100 株・・・4,000 円相当の同社グループ商品から、優待商品を贈呈200 株・・・6,000 円相当の同社グループ商品から、優待商品を贈呈400 株・・・12,000 円相当の同社グループ商品から、優待商品を贈呈800 株・・・24,000 円相当の同社グループ商品から、優待商品を贈呈1,200 株以上・・・30,000 円相当の同社グループ商品から、優待商品を贈呈2,000 株以上・・・36,000 円相当の同社グループ商品から、優待商品を贈呈

RIZAP出店状況

経営プラットフォームを強化

出所:会社資料

出所:会社資料を基にモーニングスター作成

1025

42

83

130

190

2013/3 2014/3 2015/3 2016/3 2017/3 2018/3(会計)

※国内外累計※RIZAP関連事業の店舗を含む

RIZAP店舗数の推移

住関連ライフスタイル エンターテイメント

美容・健康関連 アパレル関連

メディアマーケティング

購買IT 物流

・・・

メデ ア

経営プラットフォームの強化によりグループ全体の機能強化・コスト最適化を推進

CRM

経営プラットフォーム

既存店舗

新規店舗

成城

麻布十番

南越谷富山

小山

船橋

聖蹟桜ヶ丘

豊橋 神田

千種

Page 3: RIZAPグループ (2928・札証アンビシャス) Overweight 継続 · rizapグループ (2928・札証アンビシャス) グループ会社再建進み、収益は過去最高を更新

本資料は投資判断の参考としての情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的とするものではありません。銘柄の選択、投資判断の最終決定はお客様ご自身の判断でなさるようお願いいたします。本資料に掲載された意見は作成日における判断であり、予告なしに変更される場合があります。本資料に掲載された意見・データは、当社が信頼できると判断したデータ等により作成いたしましたが、その正確性、安全性等について保障するものではありません。著作権、知的所有権等一切の権利はモーニングスター株式会社並びにMorningstar.Inc に帰属しますので、許可なく複製、転写、引用等を行うことを禁じます。 (3/3)

Morningstar Equity Research Report 2017.6.16

モーニングスター株式会社プロダクト開発本部 株式分析部 アナリスト  宮本 裕之 03-6229-0810       [email protected]

RIZAPグループ(2928・札証アンビシャス)

RIZAP(2928・札証アンビシャス)

シーズHD(4924・東1)

ルネサンス(2378・東1)

基本事項

株価 1,468円 3,970円 1,970円

投資単位 100株 100株 100株

最低投資金額 146,800円 397,000円 197,000円

決算月 3月 7月 3月

株価指標

PER(予) 23.4倍 31.5倍 13.4倍PBR(実) 11.0倍 7.1倍 3.2倍配当利回り(予) 0.9% 1.3% 1.6%

成長性

売上高成長率(予) 57.6% 7.5% 6.0%

営業利益成長率(予) 27.4% 3.8% 8.6%

EPS成長率(予) 4.3% 12.7% 11.7%

収益性

売上高営業利益率(予) 8.7% 20.0% 8.5%

自己資本当期純利益率(実) 56.4% 22.2% 23.2%

総資産経常利益率(実) 12.9% 26.9% 10.9%

財務安定性

自己資本比率(実) 17.8% 75.2% 27.6%デット・エクイティ・レシオ(実) 94.0% 0.0% 177.9%

流動比率(実) 142.3% 374.8% 41.6%

競合他社比較(赤太字は競合他社に比べ優位な数値)

■ 成長性17年3月期は全セグメントで増

収を達成し、5期連続の増収、4期連続の増益を達成した。M&A効果もあり、18年3月期も売上高が前期比57.6%増、営業利益は同27.4%増と高い成長性を示し、競合との比較では、他社を圧倒する成長性を有する。

中・長期的には21年3月期に売上高3,000億円、営業利益350億円を想定している。既存セグメントの成長に加え、「第2のRIZAP」となる新規事業へ積極的に投資を行う方針。すでに本格展開を決定したRIZAP COOKやパイロットテスト中のRIZAP KIDSの展開にも期待したい。

■ 収益性17年3月期の営業利益率は10.7

%と前期の5.9%から大幅に上昇した。主力RIZAP事業の拡大に加え、グループ会社の収益改善が進んだ。18年3月期連結営業利益率は8.7%と前期からは低下する見通しだが、グループ会社の再建が終わり、本格的な収益拡大ステージに入る19年3月期以降は、堅調な利益率の上昇を予想する。中期計画の21年3月期の営業利益率は11.7%が予想されている。

■ 財務安定性17年3月期の自己資本比率は

17.8%と16年3月期の19.0%から大きな変動はなし。積極的なM&Aを実施しているが、余力を十分に残しM&Aを推進していることが分かる。負債は増加傾向にあるが、それ以上に資産が増加。流動比率は100%を上回っており、財務面での問題はなさそうだ。

(6/15時点)

コスメメーカーでドクターシーラボを展開するシーズ・ホールディングス( 4924)、スポーツクラブを運営するルネサンス( 2378)を比較対象とした。

Page 4: RIZAPグループ (2928・札証アンビシャス) Overweight 継続 · rizapグループ (2928・札証アンビシャス) グループ会社再建進み、収益は過去最高を更新

本資料は投資判断の参考としての情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的とするものではありません。銘柄の選択、投資判断の最終決定はお客様ご自身の判断でなさるようお願いいたします。本資料に掲載された意見は作成日における判断であり、予告なしに変更される場合があります。本資料に掲載された意見・データは、当社が信頼できると判断したデータ等により作成いたしましたが、その正確性、安全性等について保障するものではありません。著作権、知的所有権等一切の権利はモーニングスター株式会社並びに Morningstar.Inc に帰属しますので、許可なく複製、転写、引用等を行うことを禁じます。

モーニングスター・エクイティ・リサーチレポートの読み方

(1)第三者機関として中立的な立場を重視 モーニングスター・エクイティ・リサーチレポートは、モーニングスターが位置する中立的な第三者としての立場を重要視し、客観的な比較・評価情報の提供に努めています。モーニングスターがカバーする全銘柄に対し、アナリスト個人の見解に加え、複数のアナリストから成る銘柄評価委員会の意見を反映し、投資判断・想定株価レンジ・業績予想を決定しています。

(2)カバー銘柄のユニバース カバー銘柄は下記対象銘柄から銘柄評価委員会が選出しています。

【銘柄選定基準】 ● アナリストのカバー率が低い国内新興市場上場銘柄 ● 個人投資家からの人気が高い銘柄(各オンライン証券

のデータを参考) ● 時価総額を考慮(50 億円程度以上を目安) ● 整理、監理銘柄や継続疑義、債務超過銘柄を除く

(3)3 段階の投資判断 カバー銘柄に対する投資判断は、モーニングスターの各アナリストによる調査・取材・分析を基に銘柄評価委員会の協議を経て決定しています。下記の基準を基に 3 段階(最上位から「Overweight 」(オーバーウエート)、「Neutral」

(ニュートラル)、「Underweight」(アンダーウエート))で予測しています。

Overweight (オーバーウエート)今後、半年間の株価推移が現値水準を 15%以上上回ると予測される場合 Neutral (ニュートラル)今後、半年間の株価推移が現値水準の- 15%~+ 15%にとどまると予測される場合Underweight(アンダーウエート)今後、半年間の株価推移が現値水準を 15%以上下回ると予測される場合

 モーニングスターでは業績見通しや財務状況、株価の値動きなどに関する見解の変更により、機動的に投資判断を変更します。ただし、影響力のある、新しい情報が明らかとなり、判断に時間を要する場合には投資判断を「Under Review」(保留)とする場合があります。また、取引時間中の投資判断の変更は行いません。アナリストが退職した場合などは投資判断をいったん「Suspension」(停止)とする可能性があります。

(4)中期的な想定株価レンジ 向こう半年間で想定される株価のレンジを示します。株価指標などを用いた適正株価水準のほか、チャートのフシ目や直近の高値・安値、トレンドライン、移動平均線などテクニカル面や価格帯別出来高なども考慮して、中期的な上値メド、下値メドを決定しています。

■ アナリストコメント  直近の業績動向や事業環境について、取材に基づいた評価をコメントしています。投資判断の根拠や業績予想に対する見方、今後の事業展望などを記載し、株式投資をするうえで最も重要な情報を掲載しています。また、読みやすさを考慮してテーマごとに 2 ~ 4 つのパラグラフにまとめているほか、重要なポイントを太字で強調しております。

■ 業績動向  通期決算の実績 2 期分と会社予想、およびモーニングスターの独自予想を今期、来期の 2 期分掲載しております。各銘柄への取材に加え、四半期毎での過去の業績傾向やセグメント毎での分析に基づいて業績数値を予測しています。

■ 会社概要  各銘柄がどのようなビジネスを展開しているのか、どこに収益源があるのかなどを詳しく解説するほか、今後どの事業に力を入れていくのか、中期的にはどのような事業展開を図っていくのかなどの中期的な見通しも取材を踏まえて掲載します。

■ 事業環境と展望  各銘柄が属する業界について、足元の状況や将来の成長性などの観点から解説します。競合他社への取材も実施することで業界全体を多方面から捉えるほか、業界団体のデータなど具体的な数値も掲載します。

■ リスク要因  各銘柄が有するリスクを解説します。事業面でのリスクに加え、業績面や財務面、株式市場独自のリスクなども考慮して様々な角度から見たリスクを示します。

■ 成長性  今期会社計画の売上高成長率、営業利益成長率、EPS 成長率を競合他社と比較するほか、過去の経緯や主力事業の成長力などを評価します。

■ 収益性  今期会社計画の売上高営業利益率と前期実績の自己資本当期純利益率、総資産経常利益率を競合他社と比較するほか、過去からの収益性の変動などを評価します。

■ 財務安定性  前期実績の自己資本比率、デット・エクイティ・レシオ(=有利子負債/ 自己資本× 100)、流動比率(=流動資産 / 流動負債× 100)を競合他社と比較するほか、現預金やキャッシュフローなどの観点から財務安定性を評価します。

項目説明

特 徴